JPH0878208A - ガラス封止型サーミスタ素子およびその製造方法 - Google Patents

ガラス封止型サーミスタ素子およびその製造方法

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JPH0878208A
JPH0878208A JP18490295A JP18490295A JPH0878208A JP H0878208 A JPH0878208 A JP H0878208A JP 18490295 A JP18490295 A JP 18490295A JP 18490295 A JP18490295 A JP 18490295A JP H0878208 A JPH0878208 A JP H0878208A
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glass
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oxide
sealing
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JP18490295A
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Shigeru Sakano
茂 坂野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸化物系サーミスタ材料を用いたガラス封止
型サーミスタ素子において、安定した特性と高い信頼性
とを実現する。また、このようなサーミスタ素子を安価
に提供する。 【構成】 サーミスタチップ11と電極層33,35と
リード線43,45の一部とが、封止用ガラス5により
封止されたサーミスタ素子において、(a)サーミスタ
チップとして、Mn酸化物と、Co酸化物および/また
はNi酸化物とを主成分とし、これらを所定量含有する
複合酸化物を用い、(b)封止用ガラスとして所定組成
の硼珪酸バリウム系ガラスを用い、(c)リード線を、
Fe、Ni、CrおよびCoから選択される少なくとも
2種を含む合金から構成し、(d)リード線組成に応
じ、酸素濃度1%以下の不活性ガス雰囲気中または酸化
性雰囲気中でガラス封止することにより、抵抗値のばら
つきを小さくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス封止型サーミス
タ素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】サーミスタ素子は、感温抵抗体の電気抵
抗の温度依存性を利用した素子であり、温度測定や温度
制御等に汎用されている。特に高温用としては、例えば
自動車排気ガス温度検出センサ、石油・ガス燃焼制御用
センサなどに使用されている。
【0003】高温用サーミスタ素子では、感温抵抗体
(サーミスタチップ)の熱劣化を防ぐために、ガラスに
よりチップを封止したガラス封止型サーミスタとするこ
とが一般的である。ガラス封止型サーミスタの一例を図
1に示す。図1に示すサーミスタ素子1は、サーミスタ
チップ11と、電極層33,35と、リード線43,4
5の一部とが、封止用ガラス5により封止されている。
【0004】サーミスタチップ材料には、酸化物系材料
や、窒化物、炭化物、硼化物、珪化物などを含む非酸化
物系材料がある。酸化物系材料は、抵抗ばらつきが小さ
いこと、抵抗値とB定数とを任意に選択できること、安
価であることなどの長所がある。
【0005】従来、ガラス封止工程においては、リード
線を電極層に接続した後、サーミスタチップ部をガラス
管に挿入し、加熱炉中でリード線を含む素子全体を加熱
してガラスを溶融し、密閉封止していた。しかし、ガラ
ス封止を空気中で行なうと、ガラス封止時にリード線の
露出部に酸化膜が形成されて導電性が低下してしまう。
このため、ガラス封止後にリード線をはんだ付けしたり
溶接したりする場合や、リード線に耐熱性めっき膜を形
成したりする場合に問題が生じる。したがって、ガラス
封止後にリード線表面の酸化膜を除去する必要があり、
製造コストが高くなっていた。また、リード線の酸化膜
除去は、通常、酸洗により行なうが、酸洗の際に、封止
用ガラスとリード線との界面から酸がサーミスタチップ
内へ侵入することがあり、サーミスタチップの抵抗値不
良や断線不良が発生するという問題もあった。
【0006】このような問題を解決するため、特開昭6
3−316404号公報では、あらかじめ耐熱性めっき
膜を形成したリード線を使用する提案がなされている。
同公報ではMn−Ni−Cr−Zr系の金属酸化物サー
ミスタ素体を使用しており、窒素雰囲気中でガラス封止
した場合には還元性雰囲気の影響を受けてサーミスタの
抵抗値が変化してしまうとして、空気中でガラス封止を
行なえるように耐熱性めっき膜を形成したリード線を用
いている。しかし、この方法では、封止用ガラスに対す
る耐熱性めっき膜の濡れ性が悪いため、封止用ガラスと
リード線との密着性が低くなる。このため、ガラス封止
部内に水分や酸素等が侵入し、高信頼性が得られない。
【0007】この他、耐酸化性の良好な貴金属のリード
線を使用して空気中でガラス封止を行なう提案もなされ
ている(特開昭62−81001号公報)。しかし、こ
の場合も製造コストが高くなってしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、酸化
物系サーミスタ材料を用いたガラス封止型サーミスタ素
子において、安定した特性と高い信頼性とを実現するこ
とであり、また、このようなサーミスタ素子を安価に提
供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(14)のいずれかの構成により達成される。 (1)サーミスタチップ、このサーミスタチップ上に形
成された一対の電極層およびこれらの電極層にそれぞれ
接続された一対のリード線を有し、サーミスタチップと
電極層とリード線の一部とが、封止用ガラスにより封止
されているガラス封止型サーミスタ素子であって、
(a) サーミスタチップとして、Mn酸化物と、Co
酸化物および/またはNi酸化物とを主成分とする複合
酸化物を用い、Mn+Co+Ni中において、Mn含有
率を5〜90原子%、Co含有率を0〜95原子%、N
i含有率を0〜60原子%とし、(b) 封止用ガラス
として硼珪酸バリウム系ガラスを用い、封止用ガラス中
において、Na2 O+K2 O含有率を0〜20重量%と
し、B23 含有率を0〜25重量%、SiO2 含有率
を20〜75重量%、B23 +SiO2 含有率を35
〜85重量%とし、BaO含有率を5〜50重量%と
し、Al23 含有率を1〜10重量%とし、(c)
リード線を、Fe、Ni、CrおよびCoから選択され
る少なくとも2種を含む合金から構成し、(d) 酸素
濃度1%以下の不活性ガス雰囲気中でガラス封止するこ
とにより、抵抗値のばらつきを小さくしたガラス封止型
サーミスタ素子。 (2)封止用ガラスとして高アルカリ硼珪酸バリウム系
ガラスを用い、封止用ガラス中において、Na2 O+K
2 O含有率を5〜20重量%とし、B23 含有率を0
〜15重量%、SiO2 含有率を55〜75重量%、B
23 +SiO2 含有率を65〜85重量%とし、Ba
O含有率を5〜20重量%とし、Al23 含有率を1
〜10重量%とし、Fe23 含有率を2〜10重量%
とした上記(1)のガラス封止型サーミスタ素子。 (3)封止用ガラスとして低または無アルカリ硼珪酸バ
リウム系ガラスを用い、封止用ガラス中において、Na
2 O+K2 O含有率を0〜5重量%(5重量%を含ま
ず)とし、B23 含有率を15〜25重量%、SiO
2 含有率を20〜55重量%、B23 +SiO2 含有
率を35〜65重量%とし、BaO含有率を20〜50
重量%とし、Al23 含有率を1〜10重量%とし、
ZrO2 含有率を2〜10重量%とし、La23 含有
率を0〜20重量%とし、TiO2 含有率を0〜7重量
%とした上記(1)のガラス封止型サーミスタ素子。 (4)封止用ガラス中のTiO2 含有率が0.5〜6重
量%である上記(3)のガラス封止型サーミスタ素子。 (5)リード線のCr+Co含有率が5重量%を超えて
いる上記(1)〜(4)のいずれかのガラス封止型サー
ミスタ素子。 (6)サーミスタチップ、このサーミスタチップ上に形
成された一対の電極層およびこれらの電極層にそれぞれ
接続された一対のリード線を有し、サーミスタチップと
電極層とリード線の一部とが、封止用ガラスにより封止
されているガラス封止型サーミスタ素子であって、
(a) サーミスタチップとして、Mn酸化物と、Co
酸化物および/またはNi酸化物とを主成分とする複合
酸化物を用い、Mn+Co+Ni中において、Mn含有
率を5〜90原子%、Co含有率を0〜95原子%、N
i含有率を0〜60原子%とし、(b′) 封止用ガラ
スとして低または無アルカリ硼珪酸バリウム系ガラスを
用い、封止用ガラス中において、Na2 O+K2 O含有
率を0〜5重量%(5重量%を含まず)とし、B23
含有率を15〜25重量%、SiO2 含有率を20〜5
5重量%、B23 +SiO2 含有率を35〜65重量
%とし、BaO含有率を20〜50重量%とし、Al2
3 含有率を1〜10重量%とし、ZrO2 含有率を2
〜10重量%とし、La23 含有率を0〜20重量%
とし、TiO2 含有率を0.5〜6重量%とし、
(c′) リード線を、Fe、Ni、CrおよびCoか
ら選択される少なくとも2種を含む合金から構成し、か
つCr+Co含有率を0〜5重量%とすることにより、
抵抗値のばらつきを小さくしたガラス封止型サーミスタ
素子。 (7)サーミスタチップ、このサーミスタチップ上に形
成された一対の電極層およびこれらの電極層にそれぞれ
接続された一対のリード線を有し、サーミスタチップと
電極層とリード線の一部とが、封止用ガラスにより封止
されているガラス封止型サーミスタ素子であって、
(a) サーミスタチップとして、Mn酸化物と、Co
酸化物および/またはNi酸化物とを主成分とする複合
酸化物を用い、Mn+Co+Ni中において、Mn含有
率を5〜90原子%、Co含有率を0〜95原子%、N
i含有率を0〜60原子%とし、(b″) 封止用ガラ
スとして高アルカリ硼珪酸バリウム系ガラスを用い、封
止用ガラス中において、Na2 O+K2 O含有率を5〜
20重量%とし、B23 含有率を0〜15重量%、S
iO2 含有率を55〜75重量%、B23 +SiO2
含有率を65〜85重量%とし、BaO含有率を5〜2
0重量%とし、Al23 含有率を1〜10重量%と
し、Fe23 含有率を2〜10重量%とし、(c′)
リード線を、Fe、Ni、CrおよびCoから選択さ
れる少なくとも2種を含む合金から構成し、かつCr+
Co含有率を0〜5重量%とすることにより、抵抗値の
ばらつきを小さくしたガラス封止型サーミスタ素子。 (8)サーミスタチップがAl酸化物、Cr酸化物およ
びFe酸化物から選択される少なくとも1種を含み、A
l酸化物をAl23 に、Cr酸化物をCr23 に、
Fe酸化物をFe23 にそれぞれ換算し、主成分であ
るMn酸化物をMn34 に、Co酸化物をCoOに、
Ni酸化物をNiOにそれぞれ換算したとき、Mn3
4 +CoO+NiOに対するAl23 +Cr23
Fe23 の含有率が50重量%以下である上記(1)
〜(7)のいずれかのガラス封止型サーミスタ素子。 (9)サーミスタチップがMg酸化物、Ca酸化物、Z
r酸化物およびCu酸化物から選択される少なくとも1
種を含み、Mg酸化物をMgOに、Ca酸化物をCaO
に、Zr酸化物をZrO2 に、Cu酸化物をCuOにそ
れぞれ換算し、主成分であるMn酸化物をMn34
に、Co酸化物をCoOに、Ni酸化物をNiOにそれ
ぞれ換算したとき、Mn34 +CoO+NiOに対す
るMgO+CaO+ZrO2 +CuOの含有率が10重
量%以下である上記(1)〜(7)のいずれかのガラス
封止型サーミスタ素子。 (10)リード線の封止用ガラスから露出している表面
に耐熱性めっき膜が形成されている上記(1)〜(9)
のいずれかのガラス封止型サーミスタ素子。 (11)サーミスタチップと電極層とリード線の一部と
をガラス管に挿入した後、ガラス管付近を限定的に加熱
してガラス封止を行なう工程を有し、上記(1)〜(1
0)のいずれかのガラス封止型サーミスタ素子を製造す
るガラス封止型サーミスタ素子の製造方法。 (12)赤外線集光加熱によりガラス封止を行なう上記
(11)のガラス封止型サーミスタ素子の製造方法。 (13)ガラス封止後、リード線表面に耐熱性めっき膜
を形成する上記(11)または(12)のガラス封止型
サーミスタ素子の製造方法。 (14)リード線がFeを含む合金である上記(11)
〜(13)のいずれかのガラス封止型サーミスタ素子の
製造方法。
【0010】
【作用および効果】図1に示される構成のガラス封止型
サーミスタ素子は、通常、サーミスタチップ11に一対
の電極層33,35を形成し、各電極層にそれぞれリー
ド線43,45を接続した後、ガラス管に挿入し、次い
で、少なくともガラス管付近を加熱し、ガラス管を溶融
・冷却してガラス封止を行なうことにより製造する。
【0011】本発明のサーミスタ素子では、ガラス封止
を酸素濃度1%以下の雰囲気中で行なうか、リード線の
Cr+Co含有率を所定範囲とするので、ガラス封止の
際のリード線の酸化を抑えることができる。このため、
リード線酸化に起因する抵抗値変化および抵抗値のばら
つきを抑えることができる。しかも、本発明のサーミス
タ素子では、サーミスタチップを所定の組成とし、かつ
封止用ガラスを所定組成の硼珪酸バリウム系ガラスから
構成するので、低酸素濃度雰囲気中でのガラス封止に起
因する酸化物系サーミスタ素子の抵抗値変化および抵抗
値のばらつきを抑えることができる。このため、本発明
によれば、良好な特性が安定して得られるガラス封止型
サーミスタ素子が実現する。
【0012】なお、非酸化物系サーミスタ材料を使った
素子では、ガラス封止を低酸素濃度雰囲気中で行なうこ
とは知られている。しかし、酸化物系サーミスタチップ
を低酸素濃度雰囲気中でガラス封止した場合には、上述
したように特性の低下を招くとされていた。
【0013】図1に示すような一対のリード線が並んで
いる構成のガラス封止型サーミスタ素子では、リード線
間においてガラス封止が不完全になりやすい。しかし、
本発明のサーミスタ素子に用いる封止用ガラスは、粘性
が高くかつ本発明で用いる所定組成のリード線に対する
濡れ性が良好なので、封止用ガラスとリード線との密着
性が良好となる。このため、リード線間における完全な
ガラス封止が容易であり、信頼性の高いサーミスタ素子
が実現する。
【0014】本発明の製造方法では、図3に示すよう
に、サーミスタチップ11に一対の電極層33,35を
形成し、各電極層にそれぞれリード線43,45を接続
した後、ガラス管51に挿入し、次いで、赤外線集光加
熱などによりガラス管付近だけを限定的に加熱してガラ
ス管を溶融し、封止を行なう。ガラス封止は、通常、空
気中で行なうが、この方法では高温まで加熱されるのは
実質的にガラス管だけなので、ガラス封止時のリード線
の酸化を防ぐことができる。したがって、ガラス封止後
にリード線表面の酸化膜を酸洗などにより除去する必要
がない。このため、工数が少なくなって低コストで製造
できる他、酸洗の際にサーミスタチップに不良が発生す
ることもない。また、ガラス封止が空気中で行なえるた
め、雰囲気制御が不要である。このため、金属酸化物系
サーミスタチップの特性劣化を招くことがなく、良好な
特性が安定して得られるサーミスタ素子を低コストで製
造することができる。
【0015】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0016】図1に示される本発明のガラス封止型サー
ミスタ素子1は、サーミスタチップ11、このサーミス
タチップ11上に形成された一対の電極層33,35お
よびこれらの電極層にそれぞれ接続された一対のリード
線43,45を有し、サーミスタチップ11および電極
層33,35と、リード線43,45の一部とが、封止
用ガラス5により封止されている。
【0017】[サーミスタチップ11]サーミスタチッ
プ11は、Mn酸化物を必須とし、さらにCo酸化物お
よび/またはNi酸化物を含み、これらを主成分とする
複合酸化物である。サーミスタチップ中において、Mn
+Co+Niに対する各金属元素の比率は、図2の3成
分組成図に示されるように、Mnが5〜90原子%、C
oが0〜95原子%、Niが0〜60原子%である。い
ずれかの金属元素の含有率が上記範囲から外れている
と、低酸素濃度の雰囲気中でガラス封止を行なった場合
に抵抗値変化および抵抗値のばらつきが大きくなってし
まう。なお、Mn+Co+Niに対する各金属元素の好
ましい比率は、図2に示されるように、Mnが20〜8
0原子%、Coが0〜80原子%、Niが0〜40原子
%である。
【0018】サーミスタチップには、上記主成分の他、
下記の第一添加成分および/または第二添加成分が含ま
れていてもよい。
【0019】第一添加成分は、Al酸化物、Cr酸化物
およびFe酸化物から選択される少なくとも1種であ
り、比抵抗値およびB定数を調整するため、必要に応じ
て添加される。Al酸化物をAl23 に、Cr酸化物
をCr23 に、Fe酸化物をFe23 にそれぞれ換
算し、主成分のMn酸化物をMn34 に、Co酸化物
をCoOに、Ni酸化物をNiOにそれぞれ換算したと
き、主成分(Mn34+CoO+NiO)に対する第
一添加成分(Al23 +Cr23 +Fe23 )の
含有率は、50重量%以下、好ましくは40重量%以下
である。第一添加成分の含有率が高すぎると、焼結性が
悪くなって十分な強度が得られなくなるため、抵抗値の
ばらつきが大きくなったり、信頼性劣化の原因となった
りする。
【0020】第二添加成分は、Mg酸化物、Ca酸化
物、Zr酸化物およびCu酸化物から選択される少なく
とも1種であり、熱膨張係数および比抵抗値を微調整す
るため、必要に応じて添加される。Mg酸化物をMgO
に、Ca酸化物をCaOに、Zr酸化物をZrO2 に、
Cu酸化物をCuOにそれぞれ換算したとき、主成分
(Mn34 +CoO+NiO)に対する第二添加成分
(MgO+CaO+ZrO2 +CuO)の含有率は、1
0重量%以下、好ましくは7重量%以下である。第二添
加成分の含有率が高すぎると第二添加成分が結晶粒界に
過剰に析出し、その結果、抵抗値のばらつきが大きくな
ってしまう。
【0021】なお、サーミスタチップはスピネル型構造
の複合酸化物であり、添加成分によっては副相が存在す
ることもある。
【0022】サーミスタチップの形状は、直方体状や円
盤状等のいずれであってもよく、その寸法は、要求され
る特性等に応じて適宜決定すればよい。
【0023】[電極層33,35]電極層33,35
は、通常のサーミスタ素子に用いられる導電性材料を含
むものであればどのようなものであってもよく、特に制
限はない。例えば、Au、Ag、Pt、Pd、W、C
u、Ni、Mo、Al、Fe、Ti、Mn、Nb、Ta
など、あるいはPt−Au、Pd−Au、Pt−Pd−
Au、Pd−Ag、Pt−Pd−Ag、Fe−Ni−C
o、Fe−Ni、Mo−Mn等の合金などのいずれもが
使用可能である。
【0024】電極層の形成方法にも特に制限はなく、例
えば、ガスフレーム、電気アーク、プラズマ等の各種溶
射、あるいは、電解めっき、無電解めっき、蒸着、スパ
ッタリング、イオンプレーティングなどの各種の気相成
長法や液相成長法を用いることができ、導電性ペースト
を焼成するいわゆる厚膜法を用いてもよい。なお、電極
層は、リード線との密着性向上などのために、2層以上
の多層構成としてもよい。
【0025】電極層の厚さは、形成方法によっても異な
るが、通常0.05〜100μm 程度である。
【0026】[リード線43,45]リード線43,4
5は、Fe、Ni、CrおよびCoから選択される少な
くとも2種を含む合金から構成される。このような合金
のうち、29重量%Ni−17重量%Co−残Feの組
成を有するコバール合金、50〜53重量%Ni−残F
eの組成を有する52アロイ、または、42重量%Ni
−6重量%Cr−残Feの組成を有する426アロイを
用いることが好ましい。コバール合金は熱膨張特性が硬
質ガラスのそれとよく一致しており、硬質ガラス、セラ
ミックのハーメチックシール材として用いられる合金で
ある。また、52アロイは硬質または軟質ガラス封着材
料としてトランジスタ、ダイオードのリード線、ICの
リードフレーム、リードスイッチ用のリードなど、種々
のハーメチックシールとして使用されている。
【0027】リード線がCrおよび/またはCoを含
み、Cr+Co含有率が5重量%を超えている場合、後
述するように、ガラス封止は酸素濃度1%以下、好まし
くは酸素濃度0.5%以下の不活性ガス雰囲気中で行な
う。なお、Cr+Co含有率は、通常、20重量%以下
である。一方、リード線中のCr+Co含有率が0〜5
重量%、特に0〜3重量%である場合、ガラス封止の際
の雰囲気は特に限定されず、空気中等の酸化性雰囲気中
でガラス封止を行なってもよい。
【0028】Cr+Co含有率が5重量%を超えるリー
ド線は、ガラス封止時の雰囲気は低酸素または無酸素で
ある必要があるが、サーミスタ素子とした後には、高温
での使用における特性劣化が小さいので、高温用サーミ
スタ素子に好適である。これは、素子として使用する際
にリード線表面に形成される酸化膜が耐食膜としてはた
らくためである。したがって、サーミスタ素子の使用環
境に応じてリード線の組成を適宜選択すればよい。ま
た、Cr+Co含有率の変更によって熱膨張係数も調整
できる。
【0029】リード線43,45をそれぞれ電極層3
3,35に接続する方法に特に制限はなく、導電性耐熱
塗料を用いる方法、スポット溶接による方法、超音波ボ
ンダーによる方法等から適当なものを選択すればよい。
なお、導電性耐熱塗料を用いる方法では、導電性耐熱塗
料の焼き付けをガラス封止の際に同時に行なうことがで
きる。
【0030】[封止用ガラス5]封止用ガラス5には、
硼珪酸バリウム系ガラスを用いる。
【0031】本発明で用いる硼珪酸バリウム系ガラス
は、Na2 O+K2 O含有率が0〜20重量%であり、
23 含有率が0〜25重量%、SiO2 含有率が2
0〜75重量%、B23 +SiO2 含有率が35〜8
5重量%であり、BaO含有率が5〜50重量%であ
り、Al23 含有率が1〜10重量%である。
【0032】このような組成の硼珪酸バリウム系ガラス
を用いる主な理由は、低酸素濃度雰囲気中でのガラス封
止の際にサーミスタチップの特性劣化を抑えるためと、
リード線に対する密着性を向上させるためとであるが、
さらに詳しくは、以下のとおりである。
【0033】Na2 OおよびK2 Oは、封止温度を下げ
るために添加される。Na2 O+K2 Oが多すぎると、
ガラス転移温度が低くなり、さらにガラスの電気抵抗値
も低くなり、高温下での連続使用が不可能となる。
【0034】BおよびSiは、ガラスネットワーク構成
元素であり、ガラスの安定化に重要である。B23
SiO2 が少なすぎるとガラスが不安定となり、多すぎ
ると封止温度が高くなってしまう。B23 が少なすぎ
るとガラス転移温度が低くなって耐熱性が不十分とな
り、多すぎると化学的耐久性が不十分となる。SiO2
が少なすぎると化学的耐久性が不十分となり、多すぎる
とガラスの粘性が高くなりすぎて封止温度が高くなって
しまう。
【0035】BaOは、ガラスの粘性を向上させて、リ
ード線に対する封止用ガラスの密着性を向上させ、ま
た、ガラス転移温度の低下を抑えた上で封止温度を低下
させる。BaOが少なすぎるとこのような効果が不十分
となり、多すぎるとガラスの粘性が高くなりすぎる他、
化学的耐久性が不十分となる。
【0036】Al23 は、化学的耐久性を向上させ、
ガラス転移温度を向上させる。Al23 の含有率は、
好ましくは2〜5重量%である。Al23 が少なすぎ
るとこのような効果が不十分となり、多すぎると封止温
度が高くなると共にガラスの安定性が不良となる。
【0037】封止用ガラスには、上記酸化物の他、例え
ば、Mg、Ca、Ti、Mn、Fe、Ni、Zn、S
r、Zr、La等の酸化物の少なくとも1種が、添加物
または不純物として含まれていてもよい。封止用ガラス
中におけるこれらの合計量は、酸化物換算で30重量%
以下であることが好ましい。
【0038】封止温度を低くするためには、上記組成範
囲からアルカリ金属元素含有率の高いものを選択するこ
とが好ましい。ただし、この場合には耐熱性が低くなる
ため、比較的低温、例えば350℃以下の環境で使用さ
れるサーミスタ素子に適用することが好ましい。
【0039】高アルカリ硼珪酸バリウム系ガラスは、N
2 O+K2 O含有率が好ましくは5〜20重量%、よ
り好ましくは8〜20重量%であり、B23 含有率が
好ましくは0〜15重量%、SiO2 含有率が好ましく
は55〜75重量%、B23 +SiO2 含有率が好ま
しくは65〜85重量%であり、BaO含有率が好まし
くは5〜20重量%であり、Al23 含有率が好まし
くは1〜10重量%であり、Fe23 含有率が好まし
くは2〜10重量%である。
【0040】Na2 O+K2 Oが少なすぎると、封止温
度が高くなってしまう。Na2 O+K2 Oの上限の限定
理由は、上記したとおりである。
【0041】B23 +SiO2 含有率の限定理由およ
びBaO含有率の限定理由は、上記したとおりである。
ただし、高アルカリ硼珪酸バリウム系ガラスにおいてB
aO含有率が高すぎると、リード線に対し熱膨張率が大
きくなりすぎる。
【0042】Al23 含有率の限定理由は、上記した
とおりである。
【0043】Fe23 は、ガラスを着色させて熱吸収
を容易にさせる。このため、封止温度を低くすることが
できる。また、高アルカリ硼珪酸バリウム系ガラスは、
低または無アルカリ系のガラスよりもリード線に対する
濡れ性が劣るが、Fe23を添加することによりFe
を含むリード線との密着性を向上させることができる。
Fe23 が少なすぎるとこのような効果が不十分とな
り、多すぎるとガラスの電気抵抗値が低下し、高温下に
おける連続使用が不可能となる。
【0044】比較的高温、例えば上述した高アルカリ硼
珪酸バリウム系ガラスが使用される温度域よりも高温の
環境で使用されるサーミスタ素子には、低または無アル
カリ硼珪酸バリウム系ガラスを用いることが好ましい。
低または無アルカリ硼珪酸バリウム系ガラスは、封止温
度は高くなってしまうが耐熱性が高い。
【0045】低または無アルカリ硼珪酸バリウム系ガラ
スは、Na2 O+K2 O含有率が好ましくは0〜5重量
%(5重量%を含まず)、より好ましくは1〜4重量%
であり、B23 含有率が好ましくは15〜25重量
%、SiO2 含有率が好ましくは20〜55重量%、B
23 +SiO2 含有率が好ましくは35〜65重量%
であり、BaO含有率が好ましくは20〜50重量%で
あり、Al23 含有率が好ましくは1〜10重量%で
あり、ZrO2 含有率が好ましくは2〜10重量%、よ
り好ましくは2〜5重量%であり、La23 含有率が
好ましくは0〜20重量%であり、TiO2 含有率が好
ましくは0〜7重量%、より好ましくは0.5〜6重量
%、さらに好ましくは2〜5重量%である。
【0046】Na2 O+K2 Oが多すぎると、十分な耐
熱性が得られなくなる。Na2 OおよびK2 Oは全く含
まれなくてもよいが、これらは熱膨張係数を増大させる
ので、上記のように含まれることが好ましい。例えば、
BaOの含有率が比較的高い低または無アルカリ硼珪酸
バリウム系ガラスでは、サーミスタチップの熱膨張係数
が封止用ガラスの熱膨張係数に比べ大きくなり、封止用
ガラスにクラックなどの破損が生じやすいが、Na2
やK2 Oの添加により封止用ガラスの熱膨張係数を大き
くすることができる。
【0047】B23 +SiO2 含有率の限定理由およ
びBaO含有率の限定理由は、上記したとおりである。
【0048】Al23 含有率の限定理由は、上記した
とおりである。
【0049】ZrO2 はAl23 と同様な効果を示
す。また、低または無アルカリ硼珪酸バリウム系ガラス
はBaO含有率が比較的高いため耐水性が低いが、Zr
2 は耐水性向上効果を示す。ZrO2 が少なすぎる
と、添加による効果が不十分となり、多すぎるとガラス
の安定性が不良となる。
【0050】La23 は、熱膨張係数を調整するため
に必要に応じて含まれる。すなわち、上記したNa2
やK2 Oと同様に、La23 添加により封止用ガラス
の熱膨張係数を大きくすることができる。
【0051】低または無アルカリ硼珪酸バリウム系ガラ
スにTiO2 を添加することにより、ガラスの安定性が
良好となって高温での連続使用における耐久性が向上
し、また、ガラス封止後の抵抗値のばらつきをより小さ
くすることができる。このため、低または無アルカリ硼
珪酸バリウム系ガラスには、上記のようにTiO2 が含
まれることが好ましい。
【0052】なお、封止用ガラス中において、各酸化物
は上記した化学量論組成から偏倚していてもよい。
【0053】本発明で用いる封止用ガラスのガラス転移
温度は、高アルカリ硼珪酸バリウム系ガラスが、通常、
300℃以上、好ましくは350〜450℃であり、低
または無アルカリ硼珪酸バリウム系ガラスが、通常、6
00℃以上、好ましくは650〜700℃である。ま
た、封止温度は、高アルカリ硼珪酸バリウム系ガラス
が、通常、600℃以上、好ましくは700〜800℃
であり、低または無アルカリ硼珪酸バリウム系ガラス
が、通常、700℃以上、好ましくは800〜900℃
である。
【0054】[サーミスタ素子の製造方法]まず、直径
3インチ程度、厚さ0.5mm程度の前記のサーミスタ材
のウエハを作製する。このウエハの両面に、電極層を形
成する。
【0055】電極層が形成されたウエハを、所望の形状
となるように切断するか打ち抜き、チップ化する。
【0056】次に、直径0.2〜0.5mm、長さ20〜
100mm程度のリード線を、前述した方法によりそれぞ
れ電極層に接続する。次いで、サーミスタチップと電極
層とリード線の一部とを封止用のガラス管に挿入し、加
熱することにより、ガラス管を溶融・流動化させてガラ
ス封止を行なう。ガラス封止の際のガラス管の到達温度
は、その融点などに応じて適宜決定すればよいが、通
常、600〜900℃程度とする。次いで冷却すること
により、図1に示すガラス封止型サーミスタ素子が得ら
れる。
【0057】上記した各種リード線および各種封止用ガ
ラスを用いた場合、ガラス封止を酸素濃度1%以下、好
ましくは酸素濃度0.5%以下の不活性ガス雰囲気中で
行なえば、リード線の酸化を抑えることができる。本発
明で用いる不活性ガスは特に限定されず、例えば、窒
素、Ar等の希ガスなどの少なくとも1種を用いればよ
いが、安価であることから、通常、窒素を用いる。封止
時の雰囲気圧力は特に限定されないが、通常、大気圧程
度とする。なお、本明細書において酸素濃度とは、酸素
分圧/雰囲気圧力である。
【0058】また、Cr+Co含有率が0〜5重量%で
あるリード線を用いた場合、酸素濃度1%超の酸化性雰
囲気中で封止してもリード線の酸化が問題となることは
ない。
【0059】なお、リード線の封止用ガラスから露出し
た表面に酸化膜が形成されると、導電率が低下してしま
うためガラス封止後にリード線をはんだ付けしたり溶接
したりする際に問題が生じる他、酸化の度合いによって
は封止用ガラス内部のリード線表面に酸化膜が形成され
て、リード線と電極層との接続におけるオーミック性が
不十分となり、サーミスタ素子の抵抗値不良や断線不良
の原因となる。
【0060】上記したように、リード線の組成によって
はガラス封止の際に雰囲気中の酸素濃度を制御する必要
があるが、以下に説明する方法では、リード線の組成に
よらず酸素を含む雰囲気中でガラス封止を行なうことが
できる。この方法では、サーミスタチップと電極層とリ
ード線の一部とをガラス管に挿入した後、ガラス管付近
を限定的に加熱してガラス封止を行なう。
【0061】具体的には、まず、前述したようにリード
線43,45をそれぞれ電極層33,35に接続する。
次いで、サーミスタチップ11と、電極層33,35
と、リード線43,45の一部とをガラス管51に挿入
する。そして、図3に示すようにガラス管51付近だけ
を限定的に加熱することにより、リード線43,45を
ほとんど昇温させずにガラス管51を溶融・流動化させ
てガラス封止を行なうことができる。ガラス封止は、酸
素を含む雰囲気中で行ない、通常は空気中で行なう。次
いで冷却することにより、図1に示すガラス封止型サー
ミスタ素子が得られる。
【0062】この方法において、ガラス管51付近だけ
を限定的に加熱する手段は特に限定されないが、好まし
くは赤外線集光加熱を利用する。赤外線集光加熱装置
は、光源からの赤外線を反射鏡やレンズあるいはこれら
の組み合わせにより集光して、その焦点付近に高温を発
生させる装置である。赤外線はガラス管51の外側から
照射される。赤外線は一方向だけから照射してもよく、
必要に応じて二方向以上から同時に照射してもよい。ま
た、ガラス管を回転させながら少なくとも一方向から照
射してもよい。ガラス管付近での集光スポットの径は特
に限定されず、ガラス管の寸法に応じて適宜決定すれば
よい。ガラス管の加熱時間(集光スポット内に存在する
時間)は特に限定されないが、通常、5分間以下で十分
に溶融・流動化が可能であり、加熱炉やヒータを用いる
従来の方法に比べ、極めて短い時間でガラス封止が可能
である。このため、伝導等による間接的な加熱によって
リード線が酸化することもほとんどない。赤外線源に
は、赤外線ランプやハロゲンランプ等のいずれを用いて
もよい。
【0063】なお、赤外線集光加熱の他、例えばレーザ
ー光走査などによっても限定的な加熱を行なうことがで
きるが、装置が安価であること、短時間での昇温が可能
であることなどから、赤外線集光加熱を利用することが
好ましい。
【0064】赤外線集光加熱を利用する場合、赤外線を
連続的に照射しながら、リード線に対しほぼ垂直な方向
に複数の素子を連続的に搬送すれば、リード線をほとん
ど加熱することなく複数の素子のガラス封止を連続的に
行なうことができる。
【0065】この方法では雰囲気制御が不要であるた
め、金属酸化物系サーミスタチップの特性劣化を招くこ
とがない。また、リード線の酸化を抑えることができ
る。
【0066】高温用サーミスタ素子では、必要に応じ、
封止用ガラス5から露出しているリード線43,45の
表面に耐熱性めっき膜を形成してもよい。本発明では、
ガラス封止の際にリード線表面に酸化膜が実質的に形成
されないので、めっきの前処理として酸化膜除去を行な
う必要がない。このため、耐熱性めっき膜を形成する場
合でも製造コストの上昇は小さい。ただし、耐熱性めっ
き膜の形成前に、一般的な清浄化処理や活性化処理を行
なってもよい。耐熱性めっき膜には、例えば、Cr、C
r系合金(Cr−Ni等)、Ni、Ni系合金(Ni−
B、Ni−P等)などを用いることが好ましい。
【0067】本発明のサーミスタ素子は、ガラス封止に
よる抵抗値変化が小さく、ガラス封止後の抵抗値のばら
つきも小さい。例えば、製造直後において、20個以上
の素子について25℃での抵抗値を測定したとき、抵抗
値のばらつきC.V.{=(標準偏差/平均値)×10
0(%)}を、通常、3%以下、特に2%以下とするこ
とができる。
【0068】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0069】<実施例1>Mn34 、CoOおよびN
iOからなり、Mn/Co/Ni=35/56/9(原
子比)である直方体状(0.8mm角、厚さ0.5mm)の
サーミスタチップの対向する2面上に電極層を形成し、
各電極層に、直径0.25mm、長さ60mmのリード線
(50%Ni−Fe合金製)を、パラレルギャップ溶接
法により接続した。次に、電極層およびリード線を有す
るサーミスタチップを、外径2.0mm、内径1.5mm、
長さ4mmの管状の封止用ガラスに挿入した。封止用ガラ
スには、以下の高アルカリ系または低アルカリ系の硼珪
酸バリウム系ガラスを用いた。
【0070】高アルカリ系 Na2 O=8重量%、K2 O=4重量%、SiO2 =6
1重量%、B23 =14重量%、BaO=6重量%、
Al23 =4重量%、Fe23 =3重量%
【0071】低アルカリ系(TiO2 添加) Na2 O=1重量%、SiO2 =21重量%、B23
=17重量%、BaO=39重量%、Al23 =2重
量%、ZrO2 =2重量%、La23 =15重量%、
TiO2 =3重量%
【0072】次いで、表1に示す濃度比率の窒素−酸素
混合ガス(大気圧)雰囲気中または純窒素中で、リード
線の一部を除いて加熱してガラス封止を行ない、表1に
示すサーミスタ素子とした。なお、加熱時には、サーミ
スタチップからリード線が下側に伸びるように素子を配
置した。封止温度は700℃とした。
【0073】表1に、各サーミスタ素子の25℃におけ
る初期抵抗値(R25)、この初期抵抗値のばらつき
(C.V.)、リード線に対する封止用ガラスの濡れ
性、リード線の酸化状態を示す。なお、C.V.=(標
準偏差/平均値)×100(%)であり、測定試料数は
各素子とも20個とした。また、耐久性を評価するため
に、各サーミスタ素子を250℃で1000時間放置
し、25℃における抵抗値の変化率{ΔR25(25
0)}を求めた。結果を表1に示す。ΔR25(250)
が±3%以内であれば、耐久性は十分といえる。
【0074】比較のために、封止用ガラスとして鉛系ガ
ラス(K2 O=12重量%、SiO2 =50重量%、B
23 =13重量%、PbO=25重量%)を用いた以
外は上記と同様にしてサーミスタ素子を製造し、これら
についても上記と同様な測定を行なった。結果を表1に
示す。
【0075】
【表1】
【0076】表1において、封止用ガラス濡れ性の評価
が良好となっているものは、密閉封止されていたもので
あり、不良となっているものは、リード線間のガラス封
止が不完全であったものである。また、リード線酸化の
評価が不良となっているものは、封止用ガラス内部のリ
ード線表面の酸化膜が抵抗層となってB定数が低下した
ものである。以下の実施例においても同様である。
【0077】表1に示されるように、酸素濃度1%以下
の雰囲気中でガラス封止した本発明の素子No. 101〜
105では、C.V.がいずれも3%以下であり、実使
用上十分な結果が得られている。また、リード線に対す
る封止用ガラスの密着性は十分であり、かつリード線の
酸化も発生していない。また、高温での連続長時間使用
における耐久性も十分である。
【0078】これに対し、鉛系の封止用ガラスを用いた
素子No. 106〜110は、酸素濃度1%以下の雰囲気
中でガラス封止しているのでリード線に酸化は発生して
いないが、リード線に対する封止用ガラスの濡れ性が悪
く、密閉封止が不可能であった。また、鉛系の封止用ガ
ラスを用いた素子では、高温での連続長時間使用におけ
る耐久性が不十分である。
【0079】素子No. 111および112は、TiO2
を含む低アルカリ系封止用ガラスを用いている。このた
め、C.V.が著しく小さくなり、また、ガラスの安定
性が良好となって高温での連続長時間使用における耐久
性が極めて良好となっている。素子No. 112では空気
中でガラス封止を行なっているが、低酸素雰囲気中でガ
ラス封止を行なった素子No. 111と同等の特性が得ら
れている。
【0080】表1において、酸素濃度が同じであって
も、本発明範囲内のガラスを使った素子では鉛系ガラス
を使った素子に比べC.V.が小さい。これは、鉛の酸
化還元作用が強力であるため鉛系ガラスがサーミスタチ
ップと反応し、その結果、サーミスタチップの抵抗値ば
らつきが大きくなったものと考えられる。このことか
ら、本発明範囲内の所定組成のサーミスタチップと所定
組成の封止用ガラスとの組み合わせの効果が明らかであ
る。
【0081】なお、実施例1で用いた封止用ガラスの熱
膨張係数は、高アルカリ系が92×10-7/℃、低アル
カリ系が94×10-7/℃であり、いずれもリード線の
熱膨張係数90×10-7/℃に近似していたので、封止
用ガラスとリード線との熱膨張係数の違いによる封止用
ガラスのクラック発生は認められなかった。
【0082】<実施例2>Mn34 およびNiOを主
成分とし、Mn/Ni=80:20(原子比)であり、
さらにAl23 を含み、Al23 /(Mn34
NiO)=20重量%であるサーミスタチップを用い、
リード線をコバール線(29%Ni−17%Co−Fe
合金製)とし、封止用ガラスとして、以下の無アルカリ
系の硼珪酸バリウム系ガラスを用い、これら以外は実施
例1と同様にして、サーミスタ素子を作製した。
【0083】無アルカリ系1 SiO2 =30重量%、B23 =21重量%、BaO
=40重量%、Al23 =3重量%、ZrO2 =6重
量%
【0084】無アルカリ系2(TiO2 添加) SiO2 =30重量%、B23 =21重量%、BaO
=37重量%、Al23 =3重量%、ZrO2 =6重
量%、TiO2 =3重量%
【0085】無アルカリ系3(TiO2 添加) SiO2 =30重量%、B23 =21重量%、BaO
=35重量%、Al23 =3重量%、ZrO2 =6重
量%、TiO2 =5重量%
【0086】次いで、実施例1と同様にしてガラス封止
を行ない、表2に示すサーミスタ素子とした。封止温度
は800℃とした。
【0087】また、比較のために、実施例1で用いた鉛
系ガラスを封止用ガラスとしたサーミスタ素子No. 20
9を作製した。ただし、鉛系ガラスとリード線とで熱膨
張係数を合わせるために、リード線にはジュメット線
(50%Ni−Fe線をCuで被覆したもの)を用い
た。
【0088】これらのサーミスタ素子について、実施例
1と同様な測定を行なった。ただし、耐久性は、各サー
ミスタ素子を400℃で1000時間放置し、このとき
の抵抗値の変化率{ΔR25(400)}で評価した。Δ
25(400)が±5%以内であれば、耐久性は十分と
いえる。結果を表2に示す。
【0089】
【表2】
【0090】表2に示されるように、酸素濃度1%以下
の雰囲気中でガラス封止した本発明の素子No. 201〜
205では、C.V.がいずれも3%以下であり、実使
用上十分な結果が得られている。また、リード線に対す
る封止用ガラスの密着性は十分であり、かつリード線の
酸化も発生していない。また、高温での連続長時間使用
における耐久性も十分である。
【0091】これに対し、酸素濃度が1%を超える雰囲
気中でガラス封止した素子No. 206では、リード線の
酸化による抵抗層の生成により、C.V.が3%を超え
てしまっている。これは、リード線中のCr+Co含有
率が17重量%と高いためである。
【0092】TiO2 を含む無アルカリ系の封止用ガラ
スを用いた素子No. 207および208では、C.V.
が著しく小さくなっており、また、ガラスの安定性が高
くなって高温での連続長時間使用における耐久性が極め
て良好となっている。
【0093】鉛系の封止用ガラスを用いた素子No. 20
9では、初期抵抗値が高く、C.V.が大きく、耐久性
が悪くなっている。
【0094】なお、実施例2で用いた封止用ガラスの熱
膨張係数は、無アルカリ系1が65×10-7/℃、無ア
ルカリ系2が67×10-7/℃、無アルカリ系3が69
×10-7/℃であり、いずれもリード線の熱膨張係数6
7×10-7/℃に近似していたので、封止用ガラスとリ
ード線との熱膨張係数の違いによる封止用ガラスのクラ
ック発生は認められなかった。
【0095】<実施例3>Mn34 およびCoOを主
成分とし、Mn/Co=30:70(原子比)であり、
さらにAl23 を含み、Al23 /(Mn34
CoO)=25重量%であるサーミスタチップを用い、
リード線を426アロイ線(42%Ni−6%Cr−F
e合金製)とし、封止用ガラスとして、実施例1で用い
た低アルカリ系の硼珪酸バリウム系ガラスを用い、これ
ら以外は実施例1と同様にして、サーミスタ素子を作製
した。
【0096】次いで、実施例2と同様にしてガラス封止
を行ない、表3に示すサーミスタ素子とした。封止温度
は800℃とした。
【0097】また、比較のために、実施例1で用いた鉛
系ガラスを封止用ガラスとしたサーミスタ素子No. 30
7を作製した。この素子のリード線には、表2のサーミ
スタ素子No. 209と同様にジュメット線を用いた。
【0098】これらのサーミスタ素子について、実施例
1と同様な測定を行なった。ただし、耐久性は、各サー
ミスタ素子を600℃で1000時間放置し、このとき
の抵抗値の変化率{ΔR25(600)}で評価した。Δ
25(600)が±10%以内であれば、耐久性は十分
といえる。結果を表3に示す。
【0099】
【表3】
【0100】表3に示されるように、酸素濃度1%以下
の雰囲気中でガラス封止した本発明の素子No. 301〜
305では、C.V.がいずれも3%以下であり、実使
用上十分な結果が得られている。また、リード線に対す
る封止用ガラスの密着性は十分であり、かつリード線の
酸化も発生していない。また、高温での連続長時間使用
における耐久性も十分である。
【0101】これに対し、酸素濃度が1%を超える雰囲
気中でガラス封止した素子No. 306では、リード線の
酸化による抵抗層の生成により、C.V.が3%を超え
てしまっている。
【0102】鉛系の封止用ガラスを用いた素子No. 30
7では、初期抵抗値が高く、C.V.が大きく、耐久性
が悪くなっている。
【0103】なお、実施例3で用いた封止用ガラスの熱
膨張係数は94×10-7/℃であり、リード線の熱膨張
係数97×10-7/℃に近似していたので、両者の熱膨
張係数の違いによる封止用ガラスのクラック発生は認め
られなかった。
【0104】上記各実施例において、サーミスタチップ
にAl23 以外の第一添加成分を添加した場合および
/または第二添加成分を添加した場合でも、同様な結果
が得られた。
【0105】<実施例4>実施例1で用いたサーミスタ
チップの対向する2面上に電極層を形成し、各電極層
に、直径0.25mm、長さ60mmのリード線(426ア
ロイ製)を、スポット溶接法により接続した。次に、電
極層およびリード線を有するサーミスタチップを、外径
2.0mm、内径1.5mm、長さ4mmのガラス管(実施例
1で用いた高アルカリ系の硼珪酸バリウム系ガラス製)
に挿入した。
【0106】次いで、空気中において、赤外線集光加熱
によりガラス封止を行なった。赤外線の焦点面での集光
スポットの直径は約10mm、このスポット内における温
度は約700℃であり、リード線に対し垂直な方向に1
0mm/min の速度でガラス管を搬送しながら集光スポッ
ト内を通過させた。
【0107】このようにしてガラス封止されたサーミス
タ素子では、リード線表面に酸化膜はみられず、リード
線のハンダ付けや溶接、リード線表面への耐熱性めっき
膜形成などの2次加工も容易であった。
【0108】これに対し、赤外線集光加熱の替わりにバ
ッチ式加熱炉またはトンネル式連続加熱炉を用い、素子
全体を加熱することによりガラス封止を行なった場合に
は、リード線の露出部に酸化膜が形成されてしまい、上
述した2次加工の前に酸化膜の除去が必要であった。ま
た、抵抗加熱ヒータにより、リード線の一部を除いてガ
ラス管付近だけを加熱しようとしたが、この方法ではガ
ラス管付近だけの限定的な加熱は不可能であり、リード
線の一部に酸化膜の発生が認められた。
【0109】以上の結果から、本発明の効果が明らかで
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】サーミスタ素子の構成例の部分断面図である。
【図2】サーミスタチップの組成を表わす3成分組成図
である。
【図3】サーミスタ素子の製造方法を説明するための断
面図である。
【符号の説明】
1 サーミスタ素子 11 サーミスタチップ 33、35 電極層 43、45 リード線 5 封止用ガラス 51 ガラス管

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーミスタチップ、このサーミスタチッ
    プ上に形成された一対の電極層およびこれらの電極層に
    それぞれ接続された一対のリード線を有し、サーミスタ
    チップと電極層とリード線の一部とが、封止用ガラスに
    より封止されているガラス封止型サーミスタ素子であっ
    て、 (a) サーミスタチップとして、Mn酸化物と、Co
    酸化物および/またはNi酸化物とを主成分とする複合
    酸化物を用い、Mn+Co+Ni中において、 Mn含有率を5〜90原子%、 Co含有率を0〜95原子%、 Ni含有率を0〜60原子%とし、 (b) 封止用ガラスとして硼珪酸バリウム系ガラスを
    用い、封止用ガラス中において、 Na2 O+K2 O含有率を0〜20重量%とし、 B23 含有率を0〜25重量%、SiO2 含有率を2
    0〜75重量%、B23 +SiO2 含有率を35〜8
    5重量%とし、 BaO含有率を5〜50重量%とし、Al23 含有率
    を1〜10重量%とし、 (c) リード線を、Fe、Ni、CrおよびCoから
    選択される少なくとも2種を含む合金から構成し、 (d) 酸素濃度1%以下の不活性ガス雰囲気中でガラ
    ス封止することにより、 抵抗値のばらつきを小さくしたガラス封止型サーミスタ
    素子。
  2. 【請求項2】 封止用ガラスとして高アルカリ硼珪酸バ
    リウム系ガラスを用い、封止用ガラス中において、 Na2 O+K2 O含有率を5〜20重量%とし、 B23 含有率を0〜15重量%、SiO2 含有率を5
    5〜75重量%、B23 +SiO2 含有率を65〜8
    5重量%とし、 BaO含有率を5〜20重量%とし、 Al23 含有率を1〜10重量%とし、 Fe23 含有率を2〜10重量%とした請求項1のガ
    ラス封止型サーミスタ素子。
  3. 【請求項3】 封止用ガラスとして低または無アルカリ
    硼珪酸バリウム系ガラスを用い、封止用ガラス中におい
    て、 Na2 O+K2 O含有率を0〜5重量%(5重量%を含
    まず)とし、 B23 含有率を15〜25重量%、SiO2 含有率を
    20〜55重量%、B23 +SiO2 含有率を35〜
    65重量%とし、 BaO含有率を20〜50重量%とし、 Al23 含有率を1〜10重量%とし、 ZrO2 含有率を2〜10重量%とし、 La23 含有率を0〜20重量%とし、 TiO2 含有率を0〜7重量%とした請求項1のガラス
    封止型サーミスタ素子。
  4. 【請求項4】 封止用ガラス中のTiO2 含有率が0.
    5〜6重量%である請求項3のガラス封止型サーミスタ
    素子。
  5. 【請求項5】 リード線のCr+Co含有率が5重量%
    を超えている請求項1〜4のいずれかのガラス封止型サ
    ーミスタ素子。
  6. 【請求項6】 サーミスタチップ、このサーミスタチッ
    プ上に形成された一対の電極層およびこれらの電極層に
    それぞれ接続された一対のリード線を有し、サーミスタ
    チップと電極層とリード線の一部とが、封止用ガラスに
    より封止されているガラス封止型サーミスタ素子であっ
    て、 (a) サーミスタチップとして、Mn酸化物と、Co
    酸化物および/またはNi酸化物とを主成分とする複合
    酸化物を用い、Mn+Co+Ni中において、 Mn含有率を5〜90原子%、 Co含有率を0〜95原子%、 Ni含有率を0〜60原子% とし、 (b′) 封止用ガラスとして低または無アルカリ硼珪
    酸バリウム系ガラスを用い、封止用ガラス中において、 Na2 O+K2 O含有率を0〜5重量%(5重量%を含
    まず)とし、 B23 含有率を15〜25重量%、SiO2 含有率を
    20〜55重量%、B23 +SiO2 含有率を35〜
    65重量%とし、 BaO含有率を20〜50重量%とし、 Al23 含有率を1〜10重量%とし、 ZrO2 含有率を2〜10重量%とし、 La23 含有率を0〜20重量%とし、 TiO2 含有率を0.5〜6重量%とし、 (c′) リード線を、Fe、Ni、CrおよびCoか
    ら選択される少なくとも2種を含む合金から構成し、か
    つCr+Co含有率を0〜5重量%とすることにより、 抵抗値のばらつきを小さくしたガラス封止型サーミスタ
    素子。
  7. 【請求項7】 サーミスタチップ、このサーミスタチッ
    プ上に形成された一対の電極層およびこれらの電極層に
    それぞれ接続された一対のリード線を有し、サーミスタ
    チップと電極層とリード線の一部とが、封止用ガラスに
    より封止されているガラス封止型サーミスタ素子であっ
    て、 (a) サーミスタチップとして、Mn酸化物と、Co
    酸化物および/またはNi酸化物とを主成分とする複合
    酸化物を用い、Mn+Co+Ni中において、 Mn含有率を5〜90原子%、 Co含有率を0〜95原子%、 Ni含有率を0〜60原子%とし、 (b″) 封止用ガラスとして高アルカリ硼珪酸バリウ
    ム系ガラスを用い、封止用ガラス中において、 Na2 O+K2 O含有率を5〜20重量%とし、 B23 含有率を0〜15重量%、SiO2 含有率を5
    5〜75重量%、B23 +SiO2 含有率を65〜8
    5重量%とし、 BaO含有率を5〜20重量%とし、 Al23 含有率を1〜10重量%とし、 Fe23 含有率を2〜10重量%とし、 (c′) リード線を、Fe、Ni、CrおよびCoか
    ら選択される少なくとも2種を含む合金から構成し、か
    つCr+Co含有率を0〜5重量%とすることにより、 抵抗値のばらつきを小さくしたガラス封止型サーミスタ
    素子。
  8. 【請求項8】 サーミスタチップがAl酸化物、Cr酸
    化物およびFe酸化物から選択される少なくとも1種を
    含み、Al酸化物をAl23 に、Cr酸化物をCr2
    3 に、Fe酸化物をFe23 にそれぞれ換算し、主
    成分であるMn酸化物をMn34 に、Co酸化物をC
    oOに、Ni酸化物をNiOにそれぞれ換算したとき、
    Mn34 +CoO+NiOに対するAl23 +Cr
    23+Fe23 の含有率が50重量%以下である請
    求項1〜7のいずれかのガラス封止型サーミスタ素子。
  9. 【請求項9】 サーミスタチップがMg酸化物、Ca酸
    化物、Zr酸化物およびCu酸化物から選択される少な
    くとも1種を含み、Mg酸化物をMgOに、Ca酸化物
    をCaOに、Zr酸化物をZrO2 に、Cu酸化物をC
    uOにそれぞれ換算し、主成分であるMn酸化物をMn
    34 に、Co酸化物をCoOに、Ni酸化物をNiO
    にそれぞれ換算したとき、Mn34 +CoO+NiO
    に対するMgO+CaO+ZrO2 +CuOの含有率が
    10重量%以下である請求項1〜7のいずれかのガラス
    封止型サーミスタ素子。
  10. 【請求項10】 リード線の封止用ガラスから露出して
    いる表面に耐熱性めっき膜が形成されている請求項1〜
    9のいずれかのガラス封止型サーミスタ素子。
  11. 【請求項11】 サーミスタチップと電極層とリード線
    の一部とをガラス管に挿入した後、ガラス管付近を限定
    的に加熱してガラス封止を行なう工程を有し、請求項1
    〜10のいずれかのガラス封止型サーミスタ素子を製造
    するガラス封止型サーミスタ素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 赤外線集光加熱によりガラス封止を行
    なう請求項11のガラス封止型サーミスタ素子の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 ガラス封止後、リード線表面に耐熱性
    めっき膜を形成する請求項11または12のガラス封止
    型サーミスタ素子の製造方法。
  14. 【請求項14】 リード線がFeを含む合金である請求
    項11〜13のいずれかのガラス封止型サーミスタ素子
    の製造方法。
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