JPH08760B2 - シリコンウェーハの品質検査方法 - Google Patents

シリコンウェーハの品質検査方法

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JPH08760B2
JPH08760B2 JP3074733A JP7473391A JPH08760B2 JP H08760 B2 JPH08760 B2 JP H08760B2 JP 3074733 A JP3074733 A JP 3074733A JP 7473391 A JP7473391 A JP 7473391A JP H08760 B2 JPH08760 B2 JP H08760B2
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    • C30B29/00Single crystals or homogeneous polycrystalline material with defined structure characterised by the material or by their shape
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコンウェーハの品
質検査方法に関し、より詳しくはチョクラルスキー(C
Z)法もしくはフロートゾーン(FZ)法でシリコン融
液から育成されたシリコン半導体単結晶棒中の点欠陥の
一種であるD欠陥の評価をする検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、チョクラルスキー法もしくはフロ
ートゾーン引き上げ法によりシリコン半導体単結晶棒を
引上げた後、シリコン半導体単結晶棒の品質を評価する
手段としてそれらをポリッシュドウェーハ(PWウェー
ハ)に加工した後、シリコンウェーハ表面を1100℃
から1200℃の間でスチーム蒸気中で酸化し、室温に
冷却しフッ酸で酸化膜を除去した後、K2 Cr2 7
フッ酸と水の混合液で該ウェーハ表面を選択的に2分間
ほどエッチングする評価が行われてきた。この方法はシ
リコンウェーハ上にデバイスを形成するのとほぼ同等な
熱処理シミュレーションができ、デバイス作成時にウェ
ーハ中に酸化誘起積層欠陥が生成しないかどうかを検査
することができるために重要な検査技術であるとされて
きた。
【0003】一方では、シリコン単結晶棒を育成するに
あたり点欠陥の集合体が導入されること事が知られてい
る(参考文献(1)阿部孝夫:応用物理59(199
0)p272)。なかでもよく知られているものとし
て、格子間シリコンの集合体と考えられているA欠陥お
よび空孔型格子欠陥の集合体と考えられているD欠陥が
ある。かかる点欠陥の集合体はデバイス作成時に酸化誘
起積層欠陥(OSF)の原因となると考えられておりそ
の評価方法が必要とされてきた。先に述べた熱処理を伴
う結晶性評価における問題点として、酸化誘起積層欠陥
でないとその評価ができず、結晶育成過程における点欠
陥の集合体を直接には検査できないこと、さらにその評
価工程に多大な時間が必要とされること、および、評価
に要する施設そのものに高価なものが必要とされること
があった。かかる点欠陥の集合体を評価する手段として
従来銅デコレーション法が採用されてきた。この方法
は、あらかじめ硝酸銅水溶液をシリコンウェーハ表面に
塗布した後1000℃で数時間シンタリングし点欠陥の
集合体に銅をデコレートさせるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の銅デ
コレーション法によるかかる点欠陥の集合体の評価の問
題点として、熱処理をする必要があること、さらに
処理過程において格子欠陥そのものが変質する可能性が
あり、破壊検査であり、かつ、処理時間が長いこと、
評価に要する設備に高価なものが必要とされること、が
あった。
【0005】本発明は上記の点を解決しようとするもの
で、その目的はシリコン半導体単結晶成長後に切出すウ
ェーハを使用して迅速かつ安価に点欠陥の集合体の評価
を行える手法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のシリコンウェー
ハの品質評価方法は、チョクラルスキー法もしくはフロ
ートゾーン引き上げ法によりシリコン半導体単結晶棒を
引き上げた後、かかる単結晶棒を所定の厚さをもつウェ
ーハに切出し、該ウェーハの表面をフッ酸と硝酸の混合
液で表面をエッチングして歪を除去した後、K2 Cr2
7 とフッ酸と水の混合液中でその表面を選択的にエッ
チングし、その表面に現れたさざ波模様の個数をカウン
トし格子欠陥の結晶評価をすることを特徴とする。
【0007】本発明の評価方法において、ウェーハの厚
さは0.3mm以上2mm以下が望ましく、またフッ酸
と硝酸の比率は表面を平滑にエッチングするには1:3
ほどのものが良い。
【0008】また、K2 Cr2 7 とフッ酸と水の混合
液中でのウェーハの選択的エッチングは常温において1
0分以上60分以下の時間前記混合液中に浸漬する事に
より行うのが望ましい。
【0009】K2 Cr2 7 とフッ酸と水の混合液とし
てはSECCO液(F.SeccoD’Aragon
a;J,Electrochem.Soc.119(1
972)948)がよく知られており、その組成は0.
15molのK2 Cr2 7 を溶かした水と49%のフ
ッ酸を1:2の体積比となるようにしたものである。S
ECCO液は熱処理後の酸化誘起積層欠陥を選択エッチ
ングすることにより線状の欠陥像としてみたり、インゴ
ット育成中に入ったスリップ転位を見るなどに使用され
てきた。しかし、本発明におけるウェーハ上のさざ波模
様を見ることは知られていなかった。
【0010】成長直後のシリコン半導体単結晶棒からウ
ェーハを切出しフッ酸と硝酸の混合液で表面をミラーエ
ッチングした後、さらにK2 Cr2 7 とフッ酸と水の
混合液で表面をエッチングするとさざ波模様1の先端に
小さいピット2が見えるが、このさざ波模様はこのピッ
ト部において水素等のガスが化学反応により生じやす
く、ガスが上方に逃れる時にエッチングむらが生じるこ
とによりできるものである。このことは、ウェーハを溶
液中に立てた時の鉛直方向の上方にさざ波模様が広がる
ことからもいえる。したがって、このさざ波模様は、結
晶が本来もっているある種の結晶欠陥に起因したもので
あると考えられる。
【0011】上記評価手段によりあらかじめD欠陥とA
欠陥が現れるようなシリコン半導体単結晶棒を成長させ
た後、かかるインゴットよりシリコンウェーハを切出し
表面の歪層をフッ酸と硝酸の混合溶液でエッチングして
取除いた後、K2 Cr2 7 とフッ酸と水の混合液によ
り、かかるさざ波模様の密度差をウェーハの表面の場所
毎にもつことを調べておいた後、かかるウェーハそのも
のからエッチングにより表面のK2 Cr27 付着層を
取除き、硝酸銅5%溶液中に5分間浸漬し、次いで10
00℃に保持した均熱炉中で銅をデコレートし室温に冷
却後X線トポグラフ法で両者について良い相関があるこ
とから実際にPWウェーハを作成して銅デコレーション
することなしに点欠陥の集合体の評価をすることができ
る。
【0012】
【作用】成長直後のシリコン半導体結晶棒からウェーハ
を切出し、表面の歪層をフッ酸と硝酸の混合溶液でエッ
チングして取除いた後、K2 Cr2 7 とフッ酸と水の
混合液によりピットおよびさざ波模様を生じさせ、その
ピットとさざ波模様の密度を調べ、かかるピットとさざ
波模様との密度と点欠陥の集合体の相関関係を利用する
ことにより点欠陥の集合体の評価を行う。
【0013】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げて本発明を更に
詳細に説明する。CZ法及びFZ法により直径130m
mのシリコン半導体単結晶棒を複数本引き上げた。
【0014】CZ法には直径45cmの石英ルツボ中に
ボロンをドープし電気抵抗率が10オームcmとなるよ
うに調整した。引き上げた単結晶棒の引き上げ方位はす
べて<100>であった。CZ法でシリコン半導体単結
晶棒を引き上げる際に、点欠陥の集合体の現れ方を振る
ために、引き上げ速度を1.3mm/minから急に
0.2mm/minまで落とし5cm結晶を引き上げた
後、再び引き上げ速度を1.3mm/minに戻した。
かかる操作をすることによりシリコン単結晶棒中に点欠
陥の集合体が生じる事は既に報告されている(上記参考
文献(1))。
【0015】また、FZ法には引き上げ速度2.6mm
/minで引き上げ方位<100>のシリコン単結晶棒
をBドープで成長させた。かかる引き上げ条件では点欠
陥の集合体が現れる事が既に知られている(上記参考文
献(1))。
【0016】引き上がったシリコン半導体単結晶棒中よ
り1mm厚さのシリコンウェーハをダイヤモンドソーに
より輪切りにし試料に供した。かかるシリコンウェーハ
を前述のフッ酸と硝酸の混合液によりミラーエッチング
し、よく純水で水洗した後、SECCO液で表面を1分
から60分の間選択エッチングした。10分以上エッチ
ングすることによりウェーハを溶液中に立てた鉛直方向
上方に広がる図1に示したようなさざ波模様が観察され
た。60分以上エッチングするとさざ波模様が重なり合
い、その密度をカウントするのに不都合となることがわ
かった。ちょうどよいと考えられる30分間かかる液で
エッチングを行ない、ハロゲンランプの集光灯下で写真
撮影を行なうことによりその全体的な分布を調べた。ま
た、この時の密度のカウントを光学顕微鏡により行っ
た。さらに、再度かかるシリコンウェーハ表面を前述の
フッ酸と硝酸の混合液によりミラーエッチし、よく純水
で水洗して表面に付着したK2 Cr2 7 を取除いた
後、硝酸銅5%溶液中に5分間浸漬し、1000℃に保
持した均熱炉中で銅をデコレートし室温に冷却後X線ト
ポグラフ法で点欠陥の集合体の位置を特定した。
【0017】かかるCZウェーハに対するK2 Cr2
7 とフッ酸と水の混合液でエッチング後に写真撮影した
ものと銅デコレーション後のX線トポグラフ像を図2に
示した。X線トポグラフ上のD欠陥の領域ではさざ波模
様が生じてD欠陥として識別できることがわかった。結
晶成長速度と対比したものを図2に示した。図中ではさ
ざ波模様のカウントを密度で表した。結晶成長速度が
0.2mm/minではさざ波模様の密度は0個/cm
2 であるが、結晶成長速度が早くなるとさざ波模様の密
度が増大して行き、1.3mm/minの結晶成長速度
の領域ではさざ波模様の密度は約3000個/cm2
なり、本発明の評価方法が有効となることがわかった。
【0018】FZ法で作成したシリコンウェーハに対し
てもかかる評価法でさざ波模様が観察できた。その表面
密度は3000個/cm2 となりCZウェーハよりも若
干密度が高いことがわかった。
【0019】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、チョクラルスキー法もしくはフロートゾーン法
でシリコン融液から育成されたシリコン半導体単結晶棒
よりPWウェーハを作成して銅デコレーションすること
なしに、すなわち、単結晶棒を所定の厚さを持つウェー
ハに切出し、その表面をフッ酸と硝酸の混合液でエッチ
ングして歪を除去後、K2 Cr2 7 とフッ酸と水の混
合液中で所定時間エッチングし、その表面に現れたさざ
波模様の個数をカウントするだけで、点欠陥の集合体の
評価をすることができる。
【0020】したがって、本発明によれば、ポリッシュ
ドウェーハを作成する手間や付随する評価工程に要する
時間、評価のための高価な設備等を要することなく、シ
リコン半導体単結晶成長後に切出しするウェーハを使用
して迅速かつ安価に点欠陥の集合体の評価をすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シリコンウェーハをミラーエッチングしSEC
CO液でエッチングした時のシリコンウェーハ表面のさ
ざ波模様のスケッチである。
【図2】(a)は引上げ途中で引上げ速度を1.3mm
/minから0.2mm/minまで急減させ、さらに
1.3mm/minに戻した時のCZシリコン棒を成長
軸に平行に縦切りし、かかるウェーハをミラーエッチし
SECCO液でエッチングした時のシリコンウェーハ表
面のさざ波模様の密度(SECCOエッチピット密度)
と結晶引き上げ速度との対比であり、(b)は(a)で
エッチング後のシリコンウェーハをさらに表面のK2
2 7をフッ酸と硝酸の混合液でエッチングし銅をデ
コレーションした時のX線トポグラフ像である。
【符号の説明】
1 さざ波模様 2 ピット

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チョクラルスキー法もしくはフロートゾ
    ーン引き上げ法によりシリコン半導体単結晶棒を引き上
    げた後、かかる単結晶棒を所定の厚さをもつウェーハに
    切出し、該ウェーハの表面をフッ酸と硝酸の混合液で表
    面をエッチングして歪を除去した後、K2 Cr2 7
    フッ酸と水の混合液中でその表面を選択的にエッチング
    し、その表面に現れたさざ波模様の個数をカウントし格
    子欠陥の結晶評価をすることを特徴とするシリコンウェ
    ーハの品質検査方法。
  2. 【請求項2】 前記K2 Cr2 7 とフッ酸と水の混合
    液で前記歪を除去した単結晶ウェーハを10分から60
    分間エッチングすることを特徴とする請求項1に記載の
    シリコンウェーハの品質検査方法。
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