JP2012079932A - シリコン単結晶の結晶欠陥の評価方法 - Google Patents

シリコン単結晶の結晶欠陥の評価方法 Download PDF

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久之 斉藤
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Abstract

【課題】簡便な方法で、微小な結晶欠陥を検出して精度良くシリコン単結晶の結晶欠陥を評価することができる方法を提供することを目的とする。
【解決手段】シリコン単結晶の結晶欠陥を評価する方法であって、前記シリコン単結晶から切り出されたサンプルを、水平な状態で、少なくともフッ酸、硝酸、酢酸、及び水の混合液またはフッ酸、重クロム酸カリウム(KCr)、及び水の混合液中に浸漬させることによって、前記サンプルの表面を選択的にエッチングし、該エッチングしたサンプル表面の前記エッチング時に発生した気泡による痕跡を基に結晶欠陥を評価するシリコン単結晶の結晶欠陥の評価方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコン単結晶から切り出されたサンプルの表面をエッチングして、結晶欠陥を評価する方法に関する。
シリコン単結晶ウェーハの製造は、一般的に、チョクラルスキー(Czochralski:CZ)法により円筒状のシリコン単結晶インゴットを育成し、該育成したシリコン単結晶インゴットを薄板状に切断(スライシング)してウェーハを作製した後、ラッピング工程、エッチング工程、研磨(ポリッシュ)工程等が行われ、最終の製品となるシリコン単結晶ウェーハが製造される。
近年、デバイス設計の要求からウェーハには低酸素化、低欠陥化が求められており、低酸素の無欠陥結晶(以下、NPC(Near Perfect Crystal)ともいう。)の需要が高い。
このようなNPCは、結晶の引き上げ段階でVacancyの結晶への取り込みを少なくすることで得られるが、引き上げ条件がばらついてNPCの条件から外れた場合には結晶欠陥が発生する。
このようなシリコン単結晶の結晶欠陥を評価するために、Void(ボイド)欠陥を測定する方法として、FPD(Flow Pattern Defect)、COP(Crystal Originated Particle)、LST(Light Scattering Tomography)、Cuデポジション等がある(特許文献1,2参照)。
例えば特許文献1に記載されている90度散乱LSTの光学系を図5に示す。90度散乱LSTでは、図5に示すように、屈折率nの試料にレーザーを照射し、試料内の散乱体によってレーザーの照射方向に対し90度方向に散乱された光をレンズで集光して検出器によって検出される。
また、特許文献2では、エッチング液中でウェーハを垂直に立てた状態で放置し、ウェーハ表面に現れたフローパターンを検出して結晶欠陥を評価する方法を開示している。このようなFPDは、結晶からウェーハを切り出した早期の段階で、結晶欠陥評価を行うことができるので、結晶検査方法としては有用である。
また、Cuデポジション法により結晶欠陥を評価する際の概略図を図6に示す。Cuデポジション法では、まず、ウェーハを熱処理して酸化膜を形成し、Cuイオンの溶けたメタノール溶液に浸漬させる。このメタノール溶液中のウェーハの対向位置にCu電極を設け、ウェーハに−、電極に+を印加すると、Cu電極ではCuがメタノール溶液中にCuイオンとして溶出する。一方ウェーハ上では、酸化膜のWeak Spotに電流が流れると、そこにCu2+イオンが電子を受け取りCuとなって酸化膜上に析出する。このような処理後には、目視で欠陥のある場所が分かる。
これは、熱処理中にVoid欠陥は酸化膜に取り込まれることで、酸化膜中にWeak Spotをつくり、Cuデポジションの原因となるためである。これにより、Cuデポジションを測ることで、結晶中に含まれるVoid欠陥の分布や密度を求めることができる。
特開2007−64678号公報 特開平11−238773号公報
しかし、上記のような結晶欠陥の評価方法では、特に無欠陥結晶引き上げ時に生じる極めて微小な欠陥は検出することが困難で、さらに、熱処理等の煩雑な工程を経る必要があるため、判定の遅れ、コスト増の原因となっていた。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、簡便な方法で、より微小な結晶欠陥を検出して精度良くシリコン単結晶の結晶欠陥を評価することができる方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、シリコン単結晶の結晶欠陥を評価する方法であって、少なくとも、前記シリコン単結晶から切り出されたサンプルを、水平な状態で、少なくともフッ酸、硝酸、酢酸、及び水の混合液またはフッ酸、重クロム酸カリウム(KCr)、及び水の混合液中に浸漬させることによって、前記サンプルの表面を選択的にエッチングし、該エッチングしたサンプル表面の前記エッチング時に発生した気泡による痕跡を基に結晶欠陥を評価することを特徴とするシリコン単結晶の結晶欠陥の評価方法を提供する。
このように、サンプルを、水平な状態で、少なくともフッ酸、硝酸、酢酸、及び水の混合液またはフッ酸、重クロム酸カリウム(KCr)、及び水の混合液中に浸漬させることによって、サンプルの表面を選択的にエッチングすることで、水平状態であるため、サンプル表面のエッチング時に発生した気泡による痕跡(エッチングむら)が、明確に形成される。また、シリコン単結晶から切り出されたサンプルに対しての工程が少ないため、効率が良い。以上より、本発明の選択エッチングで形成された気泡による痕跡を基に結晶欠陥を評価することで、シリコン単結晶の結晶欠陥を簡易な方法で、精度良く評価することができる。
このとき、前記結晶欠陥の評価を、前記サンプル表面のエッチング時に同一箇所に複数の気泡が発生した痕跡の個数をカウントして、該カウントした痕跡の個数を基に結晶欠陥を評価することが好ましい。
このように、結晶欠陥の評価を、サンプル表面のエッチング時に同一箇所に複数の気泡が発生した痕跡の個数をカウントして、該カウントした痕跡の個数を基に結晶欠陥を評価することで、結晶欠陥のある箇所からはエッチング時に気泡が生じるため、同一箇所に複数の気泡が発生した痕跡は、結晶欠陥が存在する箇所であり、当該痕跡をカウントして評価することで、精度良く、より簡便な方法で結晶欠陥を評価することができる。
このとき、前記選択的にエッチングする前に、前記サンプルの表面をフッ酸と硝酸の混合液でエッチングして歪みを除去することが好ましい。
このように、選択的にエッチングする前に、サンプルの表面をフッ酸と硝酸の混合液でエッチングして歪みを除去することで、選択的なエッチングへの歪みの影響を低減して、より精度良く結晶欠陥を検出して評価することができる。
このとき、前記評価する結晶欠陥を、サイズが13nm以上の結晶欠陥とすることが好ましい。
このように、本発明の評価方法であれば、サイズが13nm以上の結晶欠陥を検出して精度良く評価することができる。
前記サンプルを、水平な状態で、前記少なくともフッ酸、硝酸、酢酸、及び水の混合液またはフッ酸、重クロム酸カリウム(KCr)、及び水の混合液中に10〜30分浸漬させることが好ましい。
このように、サンプルを、水平な状態で、少なくともフッ酸、硝酸、酢酸、及び水の混合液またはフッ酸、重クロム酸カリウム(KCr)、及び水の混合液中に10〜30分浸漬させることで、十分なエッチングを行うことができ、エッチング時の気泡による痕跡もより明確に生じるため、結晶欠陥をより精度良く評価することができる。
前記結晶欠陥を評価するシリコン単結晶を、酸素濃度が20ppma(JEIDA:日本電子工業振興協会)以下であって、無欠陥領域のシリコン単結晶とすることが好ましい。
このような、低酸素濃度で無欠陥領域のシリコン単結晶の非常に微小な結晶欠陥を評価する際、特に本発明の評価方法は、信頼性高く評価することができるため好適である。
前記少なくともフッ酸、硝酸、酢酸、及び水の混合液またはフッ酸、重クロム酸カリウム(KCr)、及び水の混合液に、ヨウ素又はヨウ化物がさらに添加されたものとすることが好ましい。
このように、少なくともフッ酸、硝酸、酢酸、及び水の混合液またはフッ酸、重クロム酸カリウム(KCr)、及び水の混合液に、ヨウ素又はヨウ化物がさらに添加されたものとすることで、エッチングの選択性が高まり、結晶欠陥をより検出容易にすることができる。
以上のように、本発明によれば、簡易な方法で、微小な結晶欠陥まで検出して、シリコン単結晶の結晶欠陥を精度良く評価することができる。
本発明において、選択エッチングした後のサンプル表面の結晶欠陥部分のエッチングの痕跡を観察した図である。 本発明において、選択エッチングした後のサンプル表面の結晶欠陥の無い箇所を観察した図である。 実施例、比較例において、シリコン単結晶の結晶欠陥の密度を評価したグラフである(中酸素濃度)。 実施例、比較例において、シリコン単結晶の結晶欠陥の密度を評価したグラフである(低酸素濃度)。 90度散乱LSTの光学系を示す図である。 Cuデポジション法で欠陥検出を行う際の説明図である。 シリコン単結晶の引き上げ速度による欠陥領域を示す図である。
従来、引き上げたシリコン単結晶の結晶欠陥を評価する際に、特にNPCを評価する際には、結晶欠陥が微小であるため、欠陥検出できない場合もあり、シリコン単結晶の結晶欠陥評価の信頼性が十分ではなく、また、評価のための煩雑な工程のために判定が遅くなるという問題があった。
このような問題に対して、本発明者らは以下のような検討を行った。
NPCの引き上げの際には、引き上げ条件がばらついてNPCの条件から外れた場合(無欠陥領域からわずかに外れたCOP領域:以下、小COP領域と呼ぶ)に生成されるVoid欠陥は、Vacancyの絶対量が少ないので、通常の結晶中のVoidよりも小さい。
図7はCZ法で引き上げ速度を変えながら引き上げた結晶を、成長方向に切り出し、円形に加工した後に、熱処理を行って析出を起こさせたウェーハのXRT写真(X線トポグラフ)である。図7では、上方ほど高速の引き上げで、下方ほど低速の引き上げ条件で引き上げている。
結晶引き上げ条件によって、高速側からV−rich/OSF/Nv/Ni/I−richの順に並ぶ。N領域でNPCを引き上げた場合に、NPCの条件から外れ、小さなVoidが形成される小COP領域は図で示した場所に相当する。
ここで、V−rich領域とは、引き上げ条件が高速側で、シリコン原子の不足から発生するVoid(ボイド)が多い領域であり、I−rich領域とは、引き上げ条件が低速側で、余分なシリコン原子である格子間シリコン(Interstitial−Si)が存在することにより発生する転位や余分なシリコン原子の塊が多い領域のことである。また、OSF領域とは、V−rich領域よりもすぐ低速側で、OSF(酸化誘起積層欠陥、Oxidation Induced Stacking Fault)と呼ばれる欠陥が、結晶成長軸に対する垂直方向の断面(ウェーハ面内)で見た時に、リング状に分布する領域である。Nv領域とは、原子の過不足が少ないN領域のうち、OSF領域のすぐ低速側で、Voidがわずかに存在する領域であり、また、Ni領域とは、N領域のうち、I−rich領域のすぐ高速側で、格子間シリコンがわずかに存在する領域である。
NPCの中でも特に低酸素濃度の結晶の上記小COP領域の欠陥は特に小さく、検出が困難である。
従来よりDSOD(Direct Surface Oxide Defect)法でこの領域のVoid欠陥を測定しているが、この方法は結晶段階で測れるものではなく、ポリッシュウェーハになってからでないと確認することができないため、判定に時間がかかり、煩雑な工程が必要である。
また、Cuデポジション法でも、特に低酸素濃度のNPCの微小な結晶欠陥は、検出困難である。また、Cuデポジション法は、ポリッシュウェーハでの測定となるため、ウェーハ加工工程をすべて通してからの測定になり、結果が出るまで一週間以上かかり、工程も煩雑である。
90度散乱LST(MO441)は、他のBMD欠陥測定装置に比べ、暗視野で測定するので感度が高く、Void欠陥を直接捕らえることができるため、NPCの検査には有効である。また、低酸素濃度のシリコン単結晶にも、同様に、有効である。さらに、90度散乱LSTはサンプリング後すぐに測定できるというメリットもある。
しかし、90度散乱LSTによる測定は、結晶の劈開の困難さ、装置の不安定さなどの問題もあり、また、1枚あたりの測定時間が長いので、1日20−30枚の測定しかできない。
また、結晶のVoid欠陥測定に有効なFPD検査では、上記のようなNPCから外れた小COP領域中の小さなVoid欠陥は検出することができない。
FPD検査時の選択エッチングの際には、ウェーハ表面から多量の気泡が発生し、気泡は通常、ランダムな位置から発生するため、エッチング後に特定のパターンは見られない。
しかし、Void欠陥がある場合、当該欠陥の部分のエッチングは優先的に進むため、常に同じ場所から気泡が発生することになる。従来では、特許文献2のように無攪拌のエッチングは、ウェーハを垂直に立てて行われるため、発生した泡は、大きくなりながら、上方にずれていく。気泡とウェーハの接触部はエッチング液がウェーハに触れないためエッチングが行われず、結果、エッチングむらが生じ、フローパターンが作られる。
しかし、小COP領域のVoidは小さく、それゆえ、気泡の発生量、気泡の発生する時間ともに少なく、結果、他の場所から大量に発生する気泡の痕跡と区別が付かなくなるためフローパターンとして認識できない。
以上のような検討から、本発明者らは、少量しか発生しない小COP領域のVoid欠陥からの泡をなるべく剥がさないことで、より小さな欠陥を認識できるようにすることを見出した。さらに、シリコン単結晶から切り出されたサンプルを、水平状態でエッチング液中に浸漬させることで、エッチング中に発生する気泡は発生した位置から剥がれにくいことを見出した。これにより、いわゆる流れ模様のフローパターンはできないが、微小な結晶欠陥であっても、当該結晶欠陥から発生する気泡による他のパターンが生成されることを見出して、本発明を完成させた。これにより、例えば、サンプル表面の同一箇所に複数の気泡が発生した痕跡をカウントする等の簡易な方法で、精度の良い結晶欠陥評価を行うことができる。
また、本発明の方法と、従来の評価方法の工程を以下に示す。
本発明:サンプリング→エッチング→観察・判定
従来のFPD:サンプリング→エッチング→観察・判定
90度散乱LST:サンプリング→劈開→測定・判定
Cuデポジション法:サンプリング→ウェーハ加工工程→熱処理→Cuデポジション→観察・判定
上記のように、本発明の方法は、90度散乱LST、Cuデポジション法に比べて簡易な工程で結晶欠陥評価することができ、また、特許文献2に記載のような従来のFPDに比べて、微小な結晶欠陥を精度良く検出、評価することができる。
以下、本発明について、実施態様の一例として、図を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明では、シリコン単結晶から切り出されたサンプルを、水平な状態で、少なくともフッ酸、硝酸、酢酸、及び水の混合液またはフッ酸、重クロム酸カリウム(KCr)、及び水の混合液中に浸漬させることによって、サンプルの表面を選択的にエッチングし、該エッチングしたサンプル表面のエッチング時に発生した気泡による痕跡を基に結晶欠陥を評価する。
このように、水平状態で選択的にエッチングすることで、サンプル表面上で気泡が発生位置にとどまり、微小な結晶欠陥でも、当該結晶欠陥の存在する位置から発生する気泡によるエッチングむらが生成される。これにより、気泡による痕跡を基に結晶欠陥を評価することで、簡易な方法で、精度良くシリコン単結晶の結晶欠陥を評価することができる。また、少なくともフッ酸、硝酸、酢酸、及び水の混合液またはフッ酸、重クロム酸カリウム(KCr)、及び水の混合液であれば、良好な選択エッチングを行うことができ、欠陥起因のエッチングむらも形成されやすい。また、従来のFPDを評価する装置を用いることができるため、コストも低い。
また、上記のような少なくともフッ酸、硝酸、酢酸、及び水の混合液またはフッ酸、重クロム酸カリウム(KCr)、及び水の混合液に、ヨウ素又はヨウ化物を添加したものとすれば、エッチングの選択性が高まって、より結晶欠陥の検出が容易になって好ましい。
図1,2に、水平状態で選択エッチングしたサンプル表面を観察した図を示す。図1(a)は酸素濃度が10−20ppmaのシリコン単結晶(中酸素濃度品)で、図1(b)は酸素濃度が10ppma以下のシリコン単結晶(低酸素濃度品)である。
図1(a)(b)に示すように、サンプル表面には、同一箇所に複数の気泡が生成されたと認識できる痕跡があり、当該箇所に結晶欠陥が存在するということがわかる。一方、図2に示す気泡起因のエッチングむらは、単発の気泡によるものであり、当該部分は、結晶欠陥起因のエッチングむらではないことがわかる。また、図1(a)(b)に示されているように、酸素濃度が低い場合でも、明確な痕跡が生成されていることがわかる。
従って、結晶欠陥の評価を、例えば、図1(a)(b)に示すようなサンプル表面のエッチング時に同一箇所に複数の気泡が発生した痕跡の個数をカウントし、該カウントした痕跡の個数を基に結晶欠陥の密度等を導き出して、結晶欠陥の評価を行うことが好ましい。
このように、本発明であれば、水平な状態で選択エッチングを行うため、微小な結晶欠陥から発生する複数の気泡によるエッチングむらが、当該結晶欠陥のある位置に明確に生じ、気泡が複数発生した箇所の痕跡をカウントすることで、簡易な方法で結晶欠陥を精度良く評価することができる。
このようなサンプルを選択エッチングするための混合液中への浸漬時間としては、特に限定されず、例えば10〜30分浸漬させることが好ましい。
このようにサンプルを10〜30分浸漬させることで、結晶欠陥から生じる気泡によるエッチングむらの痕跡がより明確に形成され、また、比較的短時間でのエッチングであるため効率も良い。
本発明の方法で評価するシリコン単結晶としては、特に限定されず、例えば、酸素濃度が20ppma以下、特には10ppma以下で、無欠陥領域のシリコン単結晶とすることが好ましい。
このような、無欠陥領域で引き上げられた無欠陥結晶は、非常に微小な結晶欠陥まで評価する必要があり、特に、酸素濃度が20ppma以下、さらには10ppma以下という低酸素濃度の結晶中の結晶欠陥は精度の良い評価が困難である。このような、低酸素濃度で無欠陥結晶の結晶欠陥評価を、本発明の評価方法で行うことで、簡易な方法で、精度良く、微小なものまで結晶欠陥を評価することができる。このため、本発明の評価方法で評価することで、低酸素濃度の無欠陥結晶が、信頼性高く評価され、高品質なものを提供できる。
また、本発明において、シリコン単結晶からサンプルを切り出す方法としては、特に限定されず、引き上げたシリコン単結晶をスライシング等により、ウェーハ状に切り出してサンプルとすることができる。この際、本発明の方法は、スライシング後他の工程を経ずとも精度の良い評価を行うことができ、評価結果が出るまでの時間が短いため、効率がよい。
また、本発明において、選択的にエッチングする前に、サンプルの表面をフッ酸と硝酸の混合液でエッチングして歪みを除去することが好ましい。
このように、エッチングして歪み除去を行っておけば、選択エッチング時に、歪みによるエッチングむらを抑制し、結晶欠陥をより精度良く評価することができる。
上記のような本発明の評価方法であれば、サイズが13nm程度の微小な結晶欠陥まで、簡易に評価することができるため、本発明の評価方法で、例えばサイズが13nm以上の結晶欠陥を評価することが好ましい。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例、比較例)
中酸素濃度(酸素濃度10−20ppma)のNPCから外れた小COP領域結晶と、低酸素濃度(酸素濃度10ppma以下)のNPCから外れた小COP領域結晶を、ウェーハ状に加工してサンプルを切り出し、結晶欠陥評価を行った。
実施例では、選択エッチング液中にサンプルを、室温、無攪拌、水平状態で20分浸漬させて、サンプル両面をエッチング量25μmで選択エッチングした。用いた選択エッチング液は、フッ酸(50wt%):硝酸(61wt%):酢酸(99.9wt%):純水=77.4:0.6:6.5:15.5であるものとした。
そして、選択エッチング後、サンプル表面を観察し、図1(a)(b)のような、同一箇所から複数の気泡が発生した痕跡の個数をカウントした結果を図3,4に示す。
また、比較例では、実施例と同じ結晶から切り出されたサンプルを、従来のFPD(サンプルを垂直に立てた状態で選択エッチング)、Cuデポジション法、90度散乱LSTで評価した。結果を図3,4に示す。
図3は、中酸素濃度の結晶の結晶欠陥を、本発明の方法、Cuデポジション法、従来のFPD法で検出した欠陥密度を示す。
図3に示すように、Cuデポジション法ではサンプル中央付近に欠陥が検出されており、本発明の方法でも同様にサンプル中央付近に欠陥が検出されている。一方、従来のFPDでは、フローパターンが形成されなかったため欠陥が検出されず、従来のFPDでは小COP領域の欠陥は検出、評価できないことがわかる。また、Cuデポジション法では、サンプルの加工、熱処理に時間がかかり、本発明に比べて効率が悪かった。
図4は、低酸素濃度の結晶の結晶欠陥を、本発明の方法、90度散乱LST、Cuデポジション法、従来のFPD法で検出した欠陥密度を示す。
図4に示すように、本発明の方法と90度散乱LSTでは、サンプル中央付近に欠陥が検出され、欠陥の位置、密度ともに相関がとれている。一方、従来のFPD法及びCuデポジション法では、低酸素濃度の結晶では結晶欠陥を検出できず、評価できなかった。また、90度散乱LSTでは、サンプルの劈開等が必要で、また、測定時間も本発明より長かった。
また、実施例と同じ条件の結晶欠陥評価を、フッ酸、重クロム酸カリウム(KCr)、及び水の選択エッチング液で行った場合にも、実施例と同様に低酸素濃度、小COP領域の結晶の欠陥を精度良く評価することができた。
以上より、本発明であれば、低酸素濃度の無欠陥結晶でも、簡易な方法で効率的に精度の良い結晶欠陥評価を行うことができることがわかる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (7)

  1. シリコン単結晶の結晶欠陥を評価する方法であって、少なくとも、
    前記シリコン単結晶から切り出されたサンプルを、水平な状態で、少なくともフッ酸、硝酸、酢酸、及び水の混合液またはフッ酸、重クロム酸カリウム(KCr)、及び水の混合液中に浸漬させることによって、前記サンプルの表面を選択的にエッチングし、該エッチングしたサンプル表面の前記エッチング時に発生した気泡による痕跡を基に結晶欠陥を評価することを特徴とするシリコン単結晶の結晶欠陥の評価方法。
  2. 前記結晶欠陥の評価を、前記サンプル表面のエッチング時に同一箇所に複数の気泡が発生した痕跡の個数をカウントして、該カウントした痕跡の個数を基に結晶欠陥を評価することを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶の結晶欠陥の評価方法。
  3. 前記選択的にエッチングする前に、前記サンプルの表面をフッ酸と硝酸の混合液でエッチングして歪みを除去することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシリコン単結晶の結晶欠陥の評価方法。
  4. 前記評価する結晶欠陥を、サイズが13nm以上の結晶欠陥とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のシリコン単結晶の結晶欠陥の評価方法。
  5. 前記サンプルを、水平な状態で、前記少なくともフッ酸、硝酸、酢酸、及び水の混合液またはフッ酸、重クロム酸カリウム(KCr)、及び水の混合液中に10〜30分浸漬させることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のシリコン単結晶の結晶欠陥の評価方法。
  6. 前記結晶欠陥を評価するシリコン単結晶を、酸素濃度が20ppma以下であって、無欠陥領域のシリコン単結晶とすることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のシリコン単結晶の結晶欠陥の評価方法。
  7. 前記少なくともフッ酸、硝酸、酢酸、及び水の混合液またはフッ酸、重クロム酸カリウム(KCr)、及び水の混合液に、ヨウ素又はヨウ化物がさらに添加されたものとすることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のシリコン単結晶の結晶欠陥の評価方法。
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