JP2003324136A - 結晶欠陥の自動検査装置及び自動検査方法 - Google Patents

結晶欠陥の自動検査装置及び自動検査方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動運転を可能にして作業者の負担を軽減す
るとともに、検査結果にバラツキが生じず高精度にかつ
安定して半導体結晶の結晶欠陥を検査することができる
結晶欠陥の自動検査方法及び自動検査装置を提供する。 【解決手段】 半導体結晶の結晶欠陥を自動で検査する
方法であって、前記半導体結晶をチョクラルスキー(C
Z)法またはフローティングゾーン法(FZ法)により
育成し、該半導体単結晶をスライスして半導体ウエーハ
を作製し、得られた半導体ウエーハに選択エッチングを
施して半導体ウエーハの表面に放物線模様の欠陥(FP
D)を出現させた後、該半導体ウエーハの表面を撮像し
て画像データを得て、該画像データに画像処理を行って
画像データ上の放物線模様の欠陥(FPD)を独立した
放物線に変換し、該独立した放物線を自動判別して結晶
欠陥を定量化することを特徴とする結晶欠陥の自動検査
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体結晶の評価
技術に関し、特に半導体結晶の放物線状に現われる結晶
欠陥を自動で検査するための結晶欠陥の自動検査方法及
びそれを行なうための自動検査装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】半導体ウエーハの製造は、一般的に、チ
ョクラルスキー(Czochralski;CZ)法や
フローティングゾーン(Floating Zone;
FZ)法等により円筒状の半導体単結晶インゴットを育
成し、育成した半導体単結晶インゴットを薄板状に切断
(スライシング)してウエーハを作製した後、得られた
ウエーハに、ウエーハの厚さ及び平坦度を整えるために
行うラッピング工程、ウエーハの加工歪みを除去するた
めにウエーハをエッチングするエッチング工程、エッチ
ング処理されたウエーハの表面粗さ及び平坦度を一層向
上させて鏡面とする研磨工程等が行われ、最終の製品と
なる半導体ウエーハが製造される。このように製造され
た製品となる半導体ウエーハにその後素子を形成するこ
とにより、メモリーやLSI等が製造される。
【0003】近年、DRAM等の半導体回路の高集積化
に伴う素子の微細化に伴い、その基板として、高純度か
つ低欠陥の高品質の半導体ウエーハが求められている。
特に、Grown−in欠陥と呼ばれる結晶欠陥は単結
晶成長起因の欠陥であり、そのうち空孔タイプの点欠陥
が集合したボイド型欠陥は、酸化膜耐圧特性やデバイス
の特性を悪化させることが知られている。そのため、欠
陥の密度の低減とサイズの縮小が重要視されており、半
導体結晶中の結晶欠陥を検査してその実体を正確に評価
し、結晶欠陥に対し適切な処置をする必要がある。
【0004】結晶欠陥の評価は、上記研磨工程が行われ
た後の製品となるウエーハの品質を検査することによっ
て行ってもよいが、この場合、製品となるウエーハを製
造するまでの多くのプロセスを経過した後にウエーハの
評価が行われるため、製品ウエーハが規格外のものであ
った場合、その時間的ロス及び製造コストのロス等が大
きいという問題があった。
【0005】また、上記のような単結晶成長起因の欠陥
は、単結晶インゴットの育成時の育成条件等に影響さ
れ、原則としてウエーハ加工工程で変化することはな
い。そのため、単結晶中の結晶欠陥は、一般的に単結晶
インゴットを育成した直後に検査用のウエーハを切り出
して測定したり、またはウエーハ加工工程の早い段階で
サンプルを抜き取り検査およびその評価が行われてい
る。
【0006】半導体結晶中の結晶欠陥を評価する方法と
しては、例えば特開平4−285100号公報に開示さ
れているように、単結晶インゴットから切り出された検
査用ウエーハの表面をフッ酸と硝酸の混合液でエッチン
グしてウエーハ切り出し時の切断歪を除去した後、K
Crとフッ酸と水の混合液で該ウエーハの表面を
選択的にエッチングして、その表面に現れた放物線模様
(さざ波模様や放射線状模様という場合がある)の個数
をカウントする方法がある。
【0007】KCrとフッ酸と水の混合液は、
SECCO液としてよく知られており、その組成は例え
ば0.15mol/lのKCrを溶かした水と
49%のフッ酸を1:2の体積比となるようにしたもの
である。このSECCO液は、熱処理後の酸化誘起積層
欠陥(OSF)を選択エッチングすることにより線状の
欠陥像として観察したり、インゴット育成中に入ったス
リップ転位を見たりするためにも使われている。
【0008】このSECCO液で半導体ウエーハの表面
を選択的にエッチングする場合、半導体ウエーハをSE
CCO液の液面に対して垂直に投入し無攪拌状態で選択
エッチングした後のウエーハ表面を顕微鏡観察すると、
図16(a)に示すような放物線状のさざ波模様が現れ
る。これは、ウエーハ内に極微小のピット(欠陥)があ
る場合に、このピット部が選択エッチングされて水素等
のガスが化学反応により生じ、ガスが上方に逃れる時に
エッチングむらが生じることにより放物線模様ができる
ものである。したがって、このようなウエーハ表面に現
れる放物線模様は、結晶が本来もっているある種の結晶
欠陥に起因したものであると考えられており、一般にこ
の様な放物線模様の欠陥は、FPD(Flow Pat
ternDefect)と言われている。従って、この
ウエーハ表面上の放物線模様の個数を評価することによ
って、結晶内の欠陥を評価することができる。
【0009】また一方、半導体ウエーハをSECCO液
の液面に対して水平に投入し無攪拌状態で処理した場
合、選択エッチング後のウエーハ表面には図16(b)
に示すような円形の模様が現れる。このようなウエーハ
表面上の模様は、上記と同様に、半導体ウエーハに存在
する欠陥が選択的にエッチングされ、その部分よりガス
が発生することにより形成される。しかしながら、例え
ば図16(b)のように、ウエーハ表面に同心円状の模
様や大きな円形模様が現れる場合、模様同士が何重にも
重なり合うため、同心円状のそれぞれの模様や他の円形
模様を識別し難く、欠陥密度が比較的高いウエーハの場
合では重なり合った円形模様を正確にカウントすること
が極めて困難となる。したがって、通常、結晶欠陥の検
査を行う場合、半導体ウエーハをSECCO液の液面に
対して垂直に投入し、図16(a)のような放物線模様
の欠陥(FPD)を出現させて、これをカウントしてい
る。
【0010】このようなウエーハの表面に現れるFPD
は、従来、ハロゲンランプの集光灯下で写真撮影を行な
うことによりその全体的な分布、または代表的なポイン
ト(例えばウエーハ周辺部、中心部、さらにその中間部
(R/2位置))と検査仕様に基づき測定エリアを決め
検査されていた。このとき、測定エリア内のFPDは、
光学顕微鏡を使用して目視でカウントされるか、または
CCDカメラでウエーハ表面を撮像し、得られた画像デ
ータをモニターに映して電子ペンを利用して作業者によ
り目視でカウントされていた。
【0011】例えば、このCCDカメラによって得られ
る放物線模様の欠陥(FPD)の画像データには、図1
6(a)に示すような放物線模様が検出され、放物線模
様が独立して存在するケース(例えば放物線模様A)や
放物線模様同士が重なり合っているケース(放物線模様
B,C,D,E)等があり、さらに放物線模様Cに見ら
れるように放物線模様が完全に重なり合った放物線模様
C1、C2などが観察されるケースや、放物線模様Eの
ように測定エリア内から放物線模様が一部外れているケ
ースもある。
【0012】作業者は、このようにCCDカメラにより
得られた画像データを用いて、目視によって放物線模様
の欠陥(FPD)を検査する。このとき、例えば、放物
線模様Aのように独立に存在する状態のものであればカ
ウントしやすく検査も容易であるが、放物線模様B〜E
のように放物線模様同士の重なり合う部分が多くなる
と、正確に検査を行うことが困難となる。さらに、放物
線模様には、欠陥として検査すべき模様と検査しない模
様が存在し、例えば、上記の放物線模様C1及びC2は
欠陥として評価しない模様でありその判定が難しい。し
たがって、このような放物線模様の欠陥の検査を正確に
行うためには作業者の熟練度等が必要とされていた。
【0013】また、このような結晶欠陥の検査方法は、
上述のように、いずれも人手により行われているため検
査結果に個人差が生じ易く、さらに欠陥が存在するウエ
ーハの厚さ方向の位置に応じて放物線模様の欠陥の大き
さが変化するため、ウエーハ面内の多点測定を行なう際
に作業者によってカウントのバラツキが生じ、安定した
評価を行うことが困難であった。
【0014】さらに、結晶欠陥の評価を行う際、欠陥の
検査はウエーハ面内の多点測定を行うため、長時間の顕
微鏡作業など作業者の負担も大きく、この点からも測定
精度の問題や作業時間等の問題が生じる。
【0015】またその一方で、半導体ウエーハの製造で
は、検査結果を早くフィードバックさせて効率的な製造
を行うことが要求されており、検査時間の短縮、さらに
は夜間利用などが強く望まれている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上記
問題点に鑑みてなされたものであり、夜間でも検査が行
えるように自動運転を可能にして作業者の負担を軽減す
るとともに、検査結果にバラツキが生じず高精度にかつ
安定して半導体結晶の結晶欠陥を検査することができる
結晶欠陥の自動検査方法及び自動検査装置を提供するこ
とを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、半導体結晶の結晶欠陥を自動で検
査する方法であって、育成された半導体単結晶をスライ
スして半導体ウエーハを作製し、得られた半導体ウエー
ハに選択エッチングを施して半導体ウエーハの表面に放
物線模様の欠陥(FPD)を出現させた後、該半導体ウ
エーハの表面を撮像して画像データを得て、該画像デー
タに画像処理を行って画像データ上の放物線模様の欠陥
(FPD)を独立した放物線に変換し、該独立した放物
線を自動判別して結晶欠陥を定量化することを特徴とす
る結晶欠陥の自動検査方法が提供される(請求項1)。
【0018】このように、半導体結晶を育成して、これ
をスライスすることによって半導体ウエーハを作製し、
得られた半導体ウエーハに選択エッチングを施して半導
体ウエーハの表面に放物線模様の欠陥(FPD)を出現
させた後、この半導体ウエーハの表面を撮像して画像デ
ータを得て、該画像データに画像処理を行って画像デー
タ上の放物線模様の欠陥(FPD)を独立した放物線に
変換し、該独立した放物線を自動判別して結晶欠陥を定
量化することによって、半導体結晶中の結晶欠陥を自動
的に検査できるため、作業者の負担を軽減することがで
き、さらに一定の基準で欠陥を検査するため、検査結果
にバラツキが生じず高精度にかつ安定して半導体結晶の
結晶欠陥を検査することができる。
【0019】このとき、前記画像処理により画像データ
上の放物線模様の欠陥(FPD)を独立した放物線にす
る変換を、先ず前記撮像された画像データを二値化し
て、放物線模様の欠陥(FPD)を放物線状の骨格線と
して検出し、該放物線状の骨格線の端点、頂点、及び骨
格線同士の交点を検出し、その後、前記検出した放物線
状の骨格線のうち、骨格線上に骨格線同士の交点がない
ものは、該放物線状の骨格線をそのまま独立した放物線
に変換し、一方骨格線上に骨格線同士の交点が存在する
ものは、該放物線状の骨格線を分離連結処理して独立し
た放物線に変換することによって行うことが好ましい
(請求項2)。
【0020】このように、先ず撮像された画像データを
二値化して、放物線模様の欠陥(FPD)を放物線状の
骨格線、及び放物線状の骨格線の端点、頂点、及び骨格
線同士の交点を検出した後、検出した放物線状の骨格線
のうち、骨格線上に骨格線同士の交点がないものは、そ
の骨格線をそのまま独立した放物線に変換し、一方骨格
線上に骨格線同士の交点が存在するものは、その骨格線
を分離連結処理して独立した放物線に変換することによ
って、画像データ上の放物線模様の欠陥(FPD)が独
立して存在していても、または放物線模様の欠陥(FP
D)同士が重なり合っていても、測定対象となる全ての
放物線模様の欠陥(FPD)を一定のアルゴリズムで容
易にかつ確実に独立した放物線に変換することができ
る。
【0021】この場合、前記放物線状の骨格線の分離連
結処理を、前記放物線状の骨格線の端点及び骨格線同士
の交点を設定画素分大きくし、該設定画素分大きくした
領域の骨格線を消去して(消し円として)骨格線を分離
した後、前記骨格線同士の交点(消し円の中心)を原点
としてXY軸を設定し、0°〜90°の範囲を第1のエ
リア、90°〜180°の範囲を第2のエリア、180
°〜270°の範囲を第3のエリア、270°〜360
°の範囲を第4のエリアとして、前記分離した各骨格線
が存在するエリア(分離状態)を確認し、分離した骨格
線が存在するエリアが点対称の関係にある骨格線同士を
最短となる直線で結び、この直線と分離した各骨格線の
なす角度が設定値の半分以下となる骨格線同士を連結す
ることによって行うことが好ましい(請求項3)。
【0022】このように、放物線状の骨格線の端点及び
骨格線同士の交点を設定画素分大きくし、該設定画素分
大きくした領域の骨格線を消去して(消し円として)骨
格線を分離した後、骨格線同士の交点(消し円の中心)
を原点としてXY軸を設定し、0°〜360°の4分割
した範囲をそれぞれ第1〜第4のエリアとして、分離し
た各骨格線が存在するエリア(分離状態)を確認し、分
離した骨格線が存在するエリアが点対称の関係にある骨
格線同士を最短となる直線で結び、この直線と分離した
各骨格線のなす角度が設定値の半分以下となる骨格線同
士を連結することによって、画像データ上で放物線模様
が重なり合って分離が困難な骨格線であっても、確実に
独立した放物線に変換することができる。
【0023】さらにこのとき、前記画像データを二値化
して放物線状の骨格線の頂点を検出した後、該骨格線の
頂点から分岐する骨格線が1つの場合、該骨格線を独立
した放物線に変換せずに測定対象外とすることができる
(請求項4)。
【0024】このように画像データを二値化して骨格線
の頂点を検出した後、骨格線の頂点から分岐する骨格線
が1つの場合、該骨格線を測定対象外とすることによっ
て、半導体ウエーハ上の測定エリア外にある放物線模様
の欠陥(FPD)を除去して、画像データ上(測定エリ
ア範囲内)にある測定対象となる放物線模様の欠陥(F
PD)のみを効率的に独立した放物線に変換することが
できる。そのため、測定精度をさらに向上させることが
できる。
【0025】そして、前記独立した放物線を自動判別し
て行われる結晶欠陥の定量化を、前記独立した放物線の
頂点を通る水平線上の頂点から設定画素数分離れた位置
から垂線を下ろしたときに、該垂線と前記独立した放物
線が交差し、かつ該垂線と放物線の交点と放物線の頂点
とを結んだ直線と、前記放物線の頂点を通る水平線とが
なす角度が20°から65°である独立した放物線を結
晶欠陥として自動判別して結晶欠陥を定量化することに
よって行うことができる(請求項5)。
【0026】このように、変換された独立した放物線の
頂点を通る水平線上の頂点から設定画素数分離れた位置
から垂線を下ろしたときに、該垂線と独立した放物線が
交差し、かつ該垂線と放物線の交点と放物線の頂点とを
結んだ直線と、放物線の頂点を通る水平線とがなす角度
が20°から65°である独立した放物線を結晶欠陥と
して自動判別して結晶欠陥を定量化することによって、
半導体デバイスで問題となる結晶欠陥(FPD)のみを
高精度で定量化することができる。
【0027】この場合、前記半導体単結晶の育成をチョ
クラルスキー法(CZ法)またはフローティングゾーン
法(FZ法)により行い、該半導体単結晶から作製され
た半導体ウエーハに施す選択エッチングをKCr
とフッ酸と水の混合液で行うことが好ましい(請求項
6)。
【0028】このように、半導体単結晶をCZ法または
FZ法により育成し、これをスライスして作製された半
導体ウエーハにKCrとフッ酸と水の混合液で
選択エッチングを行うことにより、ウエーハ表面に放物
線模様の欠陥(FPD)が発生する。このFPDはデバ
イス歩留り低下の要因として知られているため、その検
査の必要性は大きく、このようなFPDを上記のように
自動検査することは半導体ウエーハの製造において非常
に有益である。
【0029】さらに、本発明によれば、半導体結晶の表
面を選択エッチングした後に表れる放物線模様の欠陥
(FPD)を検査する結晶欠陥の自動検査装置であっ
て、少なくとも、前記検査される半導体結晶を保持する
保持ステージと、保持された半導体結晶の表面を撮像し
て画像データを得る撮像手段と、撮像された画像データ
に画像処理を行って画像データ上の放物線模様の欠陥
(FPD)を独立した放物線に変換する画像処理手段
と、該画像処理手段で変換された独立した放物線を自動
判別して結晶欠陥を定量化する計測手段を有することを
特徴とする結晶欠陥の自動検査装置が提供される(請求
項7)。
【0030】このように、少なくとも、半導体結晶を保
持する保持ステージ、半導体結晶の表面を撮像して画像
データを得る撮像手段、画像処理を行って放物線模様の
欠陥(FPD)を独立した放物線に変換する画像処理手
段、独立した放物線を自動判別して結晶欠陥を定量化す
る計測手段を有する結晶欠陥の自動検査装置であれば、
選択エッチングした半導体結晶の表面に表れる放物線模
様の欠陥(FPD)を自動的に検査できるため作業者の
負担を軽減することができ、さらに一定の基準で欠陥を
検査できるため、検査結果にバラツキが生じず高精度に
かつ安定に半導体結晶中の結晶欠陥を検査できる結晶欠
陥の自動検査装置となる。
【0031】このとき、前記半導体結晶の表面を撮像し
て画像データを得る撮像手段が、CCDカメラにより半
導体結晶の表面を撮像して画像データを得る手段である
ことが好ましい(請求項8)。
【0032】このように、撮像手段がCCDカメラによ
り半導体結晶の表面を撮像して画像データを得る手段で
あれば、容易に半導体結晶の表面を二次元画像のデータ
として読み取り、保存することができる。
【0033】また、前記撮像された画像データに画像処
理を行って画像データ上の放物線模様の欠陥(FPD)
を独立した放物線に変換する画像処理手段が、前記撮像
された画像データを二値化して、放物線模様の欠陥(F
PD)を放物線状の骨格線として検出し、該放物線状の
骨格線の端点、頂点、及び骨格線同士の交点を検出した
後、前記検出した放物線状の骨格線のうち、骨格線上に
骨格線同士の交点がないものは、該放物線状の骨格線を
そのまま独立した放物線に変換し、一方骨格線上に骨格
線同士の交点が存在するものは、分離連結処理手段を用
いて該放物線状の骨格線を分離連結処理して独立した放
物線に変換する手段であることが好ましい(請求項
9)。
【0034】このように、画像処理手段が、画像データ
を二値化して、放物線模様の欠陥(FPD)を放物線状
の骨格線、及び放物線状の骨格線の端点、頂点、及び骨
格線同士の交点を検出した後、検出した放物線状の骨格
線を上記のように独立した放物線に変換する手段であれ
ば、画像データ上の放物線模様の欠陥(FPD)が単独
で存在していても、または放物線模様の欠陥(FPD)
同士が重なり合っていても、測定対象となる全ての放物
線模様の欠陥(FPD)を一定のアルゴリズムで容易に
かつ確実に独立した放物線に変換することができる。
【0035】このとき、前記分離連結処理手段が、前記
放物線状の骨格線の端点及び骨格線同士の交点を設定画
素分大きくし、該設定画素分大きくした領域の骨格線を
消去して(消し円として)骨格線を分離した後、前記骨
格線同士の交点(消し円の中心)を原点としてXY軸を
設定し、0°〜90°の範囲を第1のエリア、90°〜
180°の範囲を第2のエリア、180°〜270°の
範囲を第3のエリア、270°〜360°の範囲を第4
のエリアとして、前記分離した各骨格線が存在するエリ
ア(分離状態)を確認し、分離した骨格線が存在するエ
リアが点対称の関係にある骨格線同士を最短となる直線
で結び、この直線と分離した各骨格線のなす角度が設定
値の半分以下となる骨格線同士を連結する手段であるも
のとすることができる(請求項10)。
【0036】このように、分離連結処理手段が、放物線
状の骨格線の端点及び骨格線同士の交点を設定画素分大
きくし、該設定画素分大きくした領域の骨格線を消去し
て(消し円として)骨格線を分離した後、上記のように
分離した各骨格線が存在するエリア(分離状態)を確認
し、分離した骨格線が存在するエリアが点対称の関係に
ある骨格線同士を最短となる直線で結び、この直線と分
離した各骨格線のなす角度が設定値の半分以下となる骨
格線同士を連結する手段であれば、画像データ上で放物
線模様が重なり合っていて分離が困難な骨格線であって
も、確実に独立した放物線に変換することができる。
【0037】さらに、前記画像処理手段で変換された独
立した放物線を自動判別して結晶欠陥を定量化する計測
手段が、前記独立した放物線の頂点を通る水平線上の頂
点から設定画素数分離れた位置から垂線を下ろしたとき
に、該垂線と前記独立した放物線が交差し、かつ該垂線
と放物線の交点と放物線の頂点とを結んだ直線と、前記
放物線の頂点を通る水平線とがなす角度が20°から6
5°である独立した放物線を結晶欠陥として自動判別し
て結晶欠陥を定量化する手段であるものとすることがで
きる(請求項11)。
【0038】このように計測手段が、変換された独立し
た放物線の頂点を通る水平線上の頂点から設定画素数分
離れた位置から垂線を下ろしたときに、該垂線と独立し
た放物線が交差し、かつ該垂線と放物線の交点と放物線
の頂点とを結んだ直線と、放物線の頂点を通る水平線と
がなす角度が20°から65°である独立した放物線を
結晶欠陥として自動判別して結晶欠陥を定量化する手段
であれば、半導体デバイスで問題となる結晶欠陥(FP
D)のみを高精度で定量化することができる。
【0039】このとき、本発明の装置においては、前記
検査される半導体結晶を複数枚ストックできるストック
手段と、該ストック手段から半導体結晶を自動で前記保
持ステージに供給・回収する搬送手段を有することが好
ましい(請求項12)。
【0040】このように、本発明の結晶欠陥の自動検査
装置が、半導体結晶を複数枚ストックできるストック手
段とストック手段から半導体結晶を自動で保持ステージ
に供給・回収する搬送手段を有することによって、夜間
のように作業者がいない場合でも、結晶欠陥の検査を自
動で連続的に行うことが可能となる。そのため、結晶欠
陥の検査工程を完全に自動化することができ、作業者の
負担を一層低減することができるとともに、検査効率、
スループットを著しく向上せしめることができる。
【0041】さらこのとき、前記検査される半導体結晶
に付されたIDを読み取るための読み取り手段と、前記
読み取った半導体結晶のIDに基づいて測定条件を照合
する照合手段と、半導体結晶の測定条件を前記照合した
測定条件に自動で切り替える切替手段を有することが好
ましい(請求項13)。
【0042】このように、本発明の結晶欠陥の自動検査
装置が、半導体結晶のIDを読み取るための読み取り手
段、読み取ったIDに基づいて測定条件を照合する照合
手段、及び測定条件を自動で切り替える切替手段を有す
ることによって、自動的に各半導体結晶毎に測定条件を
切り替えて結晶欠陥の検査を行うことができるため、種
々の半導体ウエーハに対して作業者がいなくても正確な
結晶欠陥の検査を行うことができる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明について実施の形態
を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。従来、ウエーハ表面に現れる放物線模様の欠陥(F
PD)の検査は、作業者により目視によってカウントさ
れているため、検査結果にバラツキが生じ安定した検査
を行うことが困難であり、また精度良く検査を行うため
には作業者の熟練度等も必要とされていた。さらに、こ
のようなFPDの検査においては、作業者の負担軽減
や、効率的な半導体ウエーハの製造のために検査時間の
短縮、夜間利用等が強く望まれている。
【0044】そこで、本発明者等は、夜間でも結晶欠陥
の検査が行えるように自動運転を可能にして作業者の負
担を軽減するとともに、検査結果にバラツキが生じず高
精度にかつ安定して半導体結晶の結晶欠陥を検査するた
めに、選択エッチングを行った半導体ウエーハの表面を
撮像して画像データを得て、この画像データに画像処理
を行って画像データ上の放物線模様の欠陥(FPD)を
独立した放物線に変換し、変換した独立した放物線を自
動判別して結晶欠陥を定量化する結晶欠陥の自動検査方
法及びその自動検査装置を開発し、鋭意検討を重ねるこ
とにより本発明を完成させるに至った。
【0045】先ず、本発明に係る結晶欠陥の自動検査装
置の一例について、図面を参照して説明する。図2は、
本発明に係る結晶欠陥の自動検査装置の概略説明図を示
しており、図2(a)は自動検査装置の概略断面図を示
しており、図2(b)は概略平面図を示している。
【0046】本発明の結晶欠陥の自動検査装置1は、半
導体結晶の表面を選択エッチングした後に表れる放物線
模様の欠陥(FPD)を検査する自動検査装置であり、
この自動検査装置1の主な構成を説明すると、検査用の
半導体結晶6(円板状の半導体ウエーハを4分割したも
の)を保持する保持ステージ2と、保持された半導体結
晶6の表面を撮像して画像データを得る撮像手段3と、
撮像された画像データに画像処理を行って画像データ上
のFPDを独立した放物線に変換する画像処理手段4
と、画像処理手段で変換された独立した放物線を自動判
別して結晶欠陥を定量化する計測手段5を有している。
【0047】ここで、半導体結晶6の表面を撮像して画
像データを得る撮像手段3は、CCDカメラにより半導
体結晶の表面を撮像して画像データを得る手段であるこ
とが好ましい。CCDカメラは、30倍〜100倍程度
の倍率で検査用の半導体結晶の表面を観察できるものが
好ましく、検査仕様にもよるが通常50倍程度で半導体
結晶の表面が撮像され、この撮像された画像データは例
えばコンピュータ7に保存することができる。このコン
ピュータ7に保存された画像データは、コンピュータ7
にプログラミングされている画像処理を行う画像処理手
段4と結晶欠陥を定量化する計測手段5により解析さ
れ、結晶欠陥の定量化を自動的に行うことができる。
【0048】また、この結晶欠陥の自動検査装置1は、
半導体結晶6を複数枚ストックできるストック手段8と
ストック手段8から半導体結晶6を自動で保持ステージ
2に供給・回収する搬送手段9を有していることが好ま
しい。このようにストック手段8と搬送手段9を有して
いれば、結晶欠陥の検査工程を完全に自動化することが
でき、夜間のように作業者がいない場合でも、結晶欠陥
の検査を自動で連続的に行うことが可能となり、検査効
率、スループットを一段と向上させることができるとと
もに作業者の負担を一層低減することができる。この半
導体ウエーハのストック手段は複数設けることができ、
また搬送手段はストック手段の位置や数に応じて自由に
可動することができる。
【0049】さらに、この結晶欠陥の自動検査装置1
は、検査される半導体結晶6に付されたID及び検査コ
ードを読み取るための読み取り手段(不図示)と、読み
取った半導体結晶のIDと検査コードに基づいて測定条
件を照合する照合手段(不図示)と、半導体結晶の測定
条件を照合した測定条件に自動で切り替える切替手段
(不図示)を有していることが好ましい。このとき、読
み取り手段は、図2の撮像手段3で兼ねることが可能で
あり、また照合手段及び切替手段はコンピュータ7上に
プログラミングすることができるし、別途それぞれ設け
るようにしても良い。
【0050】次に、このような結晶欠陥の自動検査装置
を用いて、半導体結晶の結晶欠陥を自動で検査する方法
を説明する。本発明の結晶欠陥の自動検査方法は、例え
ば半導体結晶をチョクラルスキー(CZ)法またはフロ
ーティングゾーン法(FZ法)により育成し、該半導体
単結晶をスライスして半導体ウエーハを作製し、得られ
た半導体ウエーハに選択エッチングを施して半導体ウエ
ーハの表面に放物線模様の欠陥(FPD)を出現させた
後、例えば上記に説明した結晶欠陥の自動検査装置を用
いて、半導体ウエーハの表面を撮像して画像データを得
て、該画像データに画像処理を行って画像データ上の放
物線模様の欠陥(FPD)を独立した放物線に変換し、
該独立した放物線を自動判別して結晶欠陥を定量化する
ようにする。
【0051】以下に、本発明の結晶欠陥の自動検査方法
について、図面を参照しながらより詳細に説明する。図
3は、本発明の結晶欠陥の自動検査方法の一例を示すフ
ロー図である。
【0052】(半導体ウエーハの準備)先ず、検査用の
半導体ウエーハを準備する。チョクラルスキー法(CZ
法)またはフローティングゾーン法(FZ法)により例
えばシリコン等の半導体単結晶インゴットを育成し、育
成した半導体単結晶インゴットをワイヤソー等のスライ
サーにより所定の厚さ、例えば1〜2mm程度の厚さの
半導体ウエーハを切り出す。その後、得られた半導体ウ
エーハにフッ酸と硝酸の混合液によるエッチングを施し
て表面の歪を除去して検査用の半導体ウエーハを作製す
る。このとき、結晶欠陥の検査を行う際に各検査用の半
導体ウエーハを識別できるように、その表面にレーザー
マーキング等でウエーハのID及び検査コードを印字す
ることが好ましい。
【0053】このように半導体結晶の表面にID及び検
査コードをレーザーマーキング等であらかじめ印字して
おくことによって、結晶欠陥の検査の際に各半導体結晶
毎に自動的に測定位置、測定倍率、測定範囲等の測定条
件を切り替えて検査を行うことができるため、作業者が
いなくても正確な結晶欠陥の検査を行うことができる。
【0054】このとき、検査用の半導体結晶の表面に印
字する検査コードは、検査仕様に基づくものであり、例
えば上記のような測定条件に関する必要なレシピを簡単
な英数字4桁で表現したもので、予めレーザーマーカと
検査装置に登録しておくことができる。
【0055】また、半導体ウエーハの形状は特に限定す
るものではないが、例えば、育成した半導体ウエーハが
直径200mm以上の大口径のものを作製した場合は、
エッチング処理や結晶欠陥の検査を行い易いようにウエ
ーハを4分割して扇型形状のウエーハとしても良い。
【0056】(半導体ウエーハの前処理)上記で作製し
た半導体ウエーハを純水でよく洗浄した後、SECCO
液の入った容器に検査用の半導体ウエーハ(以下、単に
ウエーハと略すことがある)をSECCO液の液面に対
して垂直にゆっくりと浸漬し、1〜60分間、好ましく
は30分間静止状態で(攪拌等を行なうことなしに)保
持することによって、半導体ウエーハの表面を選択エッ
チングする。このようにウエーハ表面に選択エッチング
を行うことにより、図16(a)に示したような、ウエ
ーハを浸漬した方向に対して鉛直方向上方に広がる放物
線模様の欠陥(FPD)がウエーハ表面に現れる。
【0057】このとき、半導体ウエーハの浸漬時間等は
特に限定するものではないが、60分を超えてエッチン
グすると放物線模様が大きくなり過ぎて、放物線模様同
士が重なり合って、FPDをカウントするのに不都合と
なることがあり、一方浸漬時間が1分未満の場合、放物
線模様が十分に現れずFPDをカウントすることが困難
となる。
【0058】(撮像)その後、前処理が行われた半導体
ウエーハを保持ステージに保持し、ウエーハ表面を撮像
して画像データを保存する。先ず、前処理が行われた半
導体ウエーハはストック手段にストックされ、このスト
ック手段から搬送手段である搬送ロボットを用いて保持
ステージに移動させ、位置合わせを行った後、保持ステ
ージに保持される。
【0059】このとき、半導体ウエーハは、撮像手段で
撮像する際に放物線模様の頂点が上になる様に位置合わ
せされるが、この半導体ウエーハの位置合わせは特に限
定されるものではなく、撮像手段とウエーハとの位置関
係や画像処理の方向等で適宜選択することができる。こ
のように位置合わせを機械的に行うことにより、その位
置合わせ精度も良く、同一の半導体ウエーハを繰り返し
て検査する場合でもバラツキが小さく安定した検査を行
なうことができる。
【0060】検査用の半導体ウエーハを保持ステージに
保持した後、例えばCCDカメラ等の読み取り手段を用
いてウエーハ表面に印字されたウエーハのID及び検査
コードを読み取り、読み取ったウエーハのID及び検査
コードをコンピュータに送り、このIDと検査コードに
基づいてコンピュータ上にプログラムされた照合手段に
よりその半導体ウエーハの測定条件を照合し、切替手段
により自動的に半導体ウエーハの測定条件を切り替える
ことによって、半導体ウエーハの測定レシピを自動選択
し、設定することができる。このように測定条件を自動
で切り替えることができれば、作業者がいなくても正確
な結晶欠陥の検査を行うことができる。
【0061】その後、例えばCCDカメラ等の撮像手段
を用いて、保持ステージに保持された半導体ウエーハの
表面を撮像して二次元画像のデータとして読み取り、得
られた画像データをコンピュータ等に保存する。
【0062】(画像処理)続いて、上記で得られた画像
データに画像処理手段を用いて画像処理を行い、画像デ
ータ上の放物線模様の欠陥を独立した放物線に変換す
る。図4に、画像処理の一例をフロー図で示す。この画
像処理手段による画像処理は、先ず撮像された画像デー
タを二値化して、放物線模様の欠陥(FPD)を放物線
状の骨格線として検出する。このように画像データの二
値化を行うことによって、例えば図16(a)のように
ウエーハ上に現れた放物線模様の欠陥(FPD)から、
図5に示すような放物線状の骨格線を検出することがで
きる。尚、図16(a)と図5は上下が逆になっている
が、これは半導体ウエーハの位置合わせの際に、放物線
模様の頂点が画像データの上側に位置するように半導体
ウエーハを保持したためである。
【0063】次に、得られた画像データ(図5)の測定
エリアをサーチすることによって、図6に示すような放
物線状の骨格線の端点、頂点、及び骨格線同士の交点を
検出する。その後、検出した放物線状の骨格線のうち、
骨格線上に骨格線同士の交点がないものは、該放物線状
の骨格線をそのまま独立した放物線に変換する。例え
ば、図6における骨格線Aには骨格線上に骨格線同士の
交点がないため、この骨格線Aをそのまま図15に示す
ような独立した放物線Aに変換する。一方、骨格線上に
骨格線同士の交点が存在するもの、すなわち図6におけ
る骨格線B〜Eについては、分離連結処理手段を用いて
各放物線状の骨格線を分離連結処理し、独立した放物線
に変換する。
【0064】この分離連結処理手段による分離連結処理
について、以下に骨格線同士の交差状態に関していくつ
かの例を挙げ、分離連結処理のアルゴリズムを説明す
る。放物線状の骨格線の分離連結処理は、先ず検出した
骨格線の端点及び骨格線同士の交点を明確化するため
に、これらの交点及び端点を中心にして設定画素分、例
えば2〜5画素分(通常は2画素分で良い)大きくして
円を形成する。次に、この2〜5画素分大きくした円を
1画素分小さくしてスム−シングを行なった後、この円
内の骨格線を消去して消し円にする。このような処理を
行うことによって、ノイズが除去され、放物線状の骨格
線は骨格線同士の交点で分離される。この分離処理によ
って、図6に示した骨格線B〜Eは、図8に示すように
骨格線同士の交点で分離される。尚、円を形成する際の
設定画素が小さ過ぎたり、または大き過ぎたりすると、
その後分離した骨格線を連結する際の精度が低くなるた
め、設定画素は上記のように2〜5画素に設定すること
が好ましい。
【0065】・連結処理 先ず、図9に示す骨格線Bと骨格線Cの交点BCに対し
て連結処理を行う場合について説明する。分離処理後の
交点BCの拡大図を図10に示す。図10に示したよう
に、交点BCで分離された骨格線は、骨格線Bの頂点
(b1)から交点BCの分離点(b3)までのラインb
1b3、骨格線Cの頂点(c1)から交点BCの分離点
(c4)までのラインc1c4、交点BCの分離点(b
4)から骨格線Bの端点(b5)までのラインb4b
5、及び交点BCの分離点(c5)から骨格線Cの端点
(c6)までのラインc5c6の4本の分離した骨格線
となる。これらの分離した骨格線において、任意の1本
の骨格線と連結できる分離した骨格線の候補は、その他
の3本の分離した骨格線となる。
【0066】これらの3本の分離した骨格線から適切な
骨格線を選択して連結するために、分離した骨格線の分
離状態を確認し、一定の関係にある分離した骨格線同士
に対して連結処理を行う。すなわち、分離した骨格線の
分離状態は、骨格線同士の交点(消し円の中心)を原点
として仮想的にXY軸を設定し、0°〜90°の範囲を
第1のエリア、90°〜180°の範囲を第2のエリ
ア、180°〜270°の範囲を第3のエリア、270
°〜360°の範囲を第4のエリアとして、分離した各
骨格線が存在するエリアで確認され、この分離した骨格
線が存在するエリアが点対称の関係にある骨格線同士を
最短となる直線で結び、この直線と分離した各骨格線の
なす角度が設定値の半分以下となる骨格線同士を連結す
る。
【0067】図11を用いて具体的に説明すると、分離
した骨格線の分離状態は、交点BC(消し円)の中心を
原点として仮想的にX軸Y軸を設定すると、c1c4ラ
インは0°〜90°の範囲(第1のエリア)に、b1b
3ラインは90°〜180°の範囲(第2のエリア)
に、c5c6ラインは180°〜270°の範囲(第3
のエリア)に、b4b5ラインは270°〜360°の
範囲(第4のエリア)に存在していることがわかる。こ
のように分離した骨格線の分離状態を確認した後、例え
ば頂点c1を含む0°〜90°の範囲(第1のエリア)
にあるc1c4ラインの結合を行う場合、本発明のアル
ゴリズムにより、これと点対称の位置の第3のエリア
(180°〜270°)にあるラインを結合ラインの候
補として選択する。つまり図11においては、c5c6
ラインがc1c4ラインの結合対象となる。
【0068】続いて、c1c4ラインとc5c6ライン
を最短となる直線で結び、この直線とc1c4ラインま
たはc5c6ラインとのなす角度が設定値の半分以下と
なるときに連結する。例えば、今回行ったエッチング条
件でエッチングした場合、設定値の角度は経験的に30
°であるため、15°以下であれば分離した骨格線同士
を連結する。すなわち、c1c4ラインとc5c6ライ
ンの場合は、それぞれの骨格線と骨格線同士を最短で結
んだ直線とのなす角度が15°以下(ほぼ直線であるた
め、角度は0°)であるため、c1c4ラインとc5c
6ラインを連結して、c1c6ラインとすることができ
る。骨格線Bの頂点b1をもつb1b3ライン(第2の
エリアに存在するライン)についても同様に、点対称の
関係にある第4エリアにあるb4b5ラインと連結する
ことができ、新しいb1b5ラインを得ることができ
る。
【0069】しかしながら、実際に行われる欠陥の検査
では、上記のように分離した骨格線の分離状態が各エリ
アに一つずつ存在するものばかりではなく、例えば図1
2及び図14に示すように同じエリアに複数のラインが
存在する場合もある。そこで、続いて図12に示す交点
CC1を連結する場合、及びその他の例として図14に
示すような骨格線を連結する場合について説明する。
【0070】・連結処理 図9に示す分離処理した骨格線Cと骨格線C1の交点C
C1の拡大図を図12に示す。図12に示したように、
交点CC1で分離された骨格線は、骨格線Cの頂点(c
1)から交点CC1の分離点(c2)までのラインc1
c2、交点CC1の分離点(c3)から骨格線Cの端点
(c4)までのラインc3c4、及び骨格線C1の頂点
(c16)から交点CC1の分離点(c17)のライン
c16c17の3本の分離した骨格線となる。これらの
分離した骨格線において、任意の1本の骨格線と連結で
きる分離した骨格線の候補は、その他の2本の分離した
骨格線となる。
【0071】これらの分離した骨格線の分離状態は、例
えば図13に示すように、交点CC1(消し円)の中心
を原点として仮想的にX軸Y軸を設定すると、c1c2
ラインは0°〜90°の範囲(第1エリア)に、c3c
4ラインは180°〜270°の範囲(第3エリア)
に、c16c17ラインは0°〜90°の範囲(第1エ
リア)に存在している。つまり同じエリアに複数のライ
ンが存在している。これらの分離した骨格線が存在する
エリアが点対称の関係にある骨格線同士を最短となる直
線で結ぶと、c2とc3を結ぶ直線とc17とc3を結
ぶ直線の2つの直線がc3c4ラインから引かれる。
【0072】しかしながら、本発明は、上述したよう
に、骨格線同士が最短となる直線と分離した各骨格線の
なす角度が設定値の半分以下となる骨格線同士を連結す
るため、図13に示すラインのうちこの連結条件を満た
すのはc1c2ラインとc3c4ラインの組み合わせと
なり、これらのラインを連結することによって、新しい
c1c4ラインを得ることができる。このとき、連結の
対象外となったラインc16c17は消去される(又は
他のラインとの連結が行われる)。
【0073】・連結処理 次に、図14に示すような分離した骨格線を連結する場
合について示す。この図14に示した分離した骨格線
は、骨格線の頂点(f1)から分離点(f2)までのラ
インf1f2、分離点(f3)から骨格線の端点(f
4)までのラインf3f4、及び分離点(f5)から他
の骨格線の端点(f6)までのラインf5f6の3本で
ある。これらの分離した骨格線において、任意の1本の
骨格線と連結できる分離した骨格線の候補は、その他の
2本の分離した骨格線となる。
【0074】これらの分離した骨格線の分離状態は、上
記と同様に、消し円の中心を原点として仮想的にX軸Y
軸を設定すると、f1f2ラインは0°〜90°の範囲
(第1のエリア)に、f5f6ラインとf3f4ライン
は180°〜270°の範囲(第3のエリア)に存在し
ている。つまり、同じ第3のエリアに2本のラインが存
在しており、分離した骨格線が存在するエリアが点対称
の関係にある骨格線同士を最短となる直線で結ぶと、f
2とf3を結ぶ直線とf2とf5を結ぶ直線の2つの直
線がf1f2ラインから引かれる。
【0075】しかしながら、上記と同様に、これらの2
つの直線のうち、骨格線同士が最短となる直線と分離し
た各骨格線のなす角度が設定値の半分以下となるのはf
1f2ラインとf3f4ラインの組み合わせとなり、こ
れらの分離した骨格線同士を連結することによって新し
いf1f4ラインを得ることができる。このとき、連結
の対象外となったラインf5f6は消去される(又は他
のラインとの連結が行われる)。
【0076】以上のように放物線状の骨格線のうち、骨
格線上に骨格線同士の交点がないものは、該放物線状の
骨格線をそのまま独立した放物線に変換し、また骨格線
上に骨格線同士の交点が存在するものは、分離連結処理
手段を用いて各放物線状の骨格線を分離連結処理し、独
立した放物線に変換することができる。
【0077】また、放物線状の骨格線を独立した放物線
に変換する際に、画像データを二値化して放物線状の骨
格線の頂点を検出した後、該骨格線の頂点から分岐する
骨格線が1つの場合、該骨格線を独立した放物線に変換
せずに測定対象外とすることが好ましい。すなわち、例
えば、図7(a)に示す骨格線Aのように、測定エリア
内に頂点a1から左下(端点a2)と右下(端点a3)
に伸びる2つのラインがある場合は測定対象とし、また
一方、図7(b)に示す骨格線Eのように、測定エリア
内に頂点e1からの骨格線が左下(端点e2)に1つの
ラインしかない場合、測定対象外とする。
【0078】すなわち、骨格線Eは、骨格線Aと同じよ
うな放物線模様の欠陥(FPD)であるものの、測定エ
リア内には骨格線の頂点から分岐する骨格線が1つしか
なく、もう一方に分岐する骨格線が測定エリア外にある
ため、このような骨格線を測定対象外とすることによっ
て、画像データ上の測定エリア範囲内にある放物線模様
の欠陥(FPD)のみを効率的に独立した放物線に変換
することができ、測定精度をさらに向上させることがで
きる。尚、図4のフロー図では、頂点の分岐条件の確認
は、骨格線同士の交点の確認の前に行っているが、これ
に限定されるものではなく、例えば骨格線同士の交点の
確認後に頂点の分岐条件の確認を行っても良い。以上の
ような処理を行うことによって、画像データ上の放物線
模様の欠陥(FPD)、例えば、図5に示す画像データ
上の放物線模様の欠陥(FPD)から、図15に示すよ
うな4つの独立した放物線を得ることができる。
【0079】(結晶欠陥の定量化)その後、上記の処理
で変換した独立した放物線を自動判別することによっ
て、結晶欠陥を定量化する。この結晶欠陥の定量化は、
図1に示すように、独立した放物線の頂点を通る水平線
上の頂点から設定画素数分離れた位置から垂線を下ろし
たときに、この垂線と独立した放物線が交差し、かつ該
垂線と放物線の交点と放物線の頂点とを結んだ直線と、
放物線の頂点を通る水平線とがなす角度が20°から6
5°である独立した放物線を結晶欠陥として自動判別
し、この結晶欠陥として判別されたものを定量化するこ
とによって行われる。
【0080】ここで、上記の垂線と放物線の交点と放物
線の頂点とを結んだ直線と、放物線の頂点を通る水平線
とがなす角度については、実際にFPDについて顕微鏡
観察により調査した結果、この角度がほとんど20°か
ら65°の範囲にあることが判った。そこで、これを測
定対象とすることにより、半導体デバイスで問題となる
結晶欠陥のみを高精度で定量化することができることか
ら決定された。
【0081】このとき、極端に小さな放物線模様の欠陥
(FPD)については測定対象外とするため、放物線の
頂点を通る水平線上の頂点から垂線を下ろす位置までの
設定画素数は、経験的に10画素程度に設定することが
好ましい。
【0082】また、上記では垂線と放物線の交点と放物
線の頂点とを結んだ直線と、放物線の頂点を通る水平線
とがなす角度を設定して、結晶欠陥の自動判別を行って
いるが、その他の判別方法として、変換された独立した
放物線の頂点と2つの端点とから形成される放物線の面
積を求め、この放物線の面積が予め設定した最小設定面
積より大きい放物線を結晶欠陥として自動判別する方法
を採用することもできる。このように放物線の面積で自
動判別を行うことにより、結晶欠陥をさらに精度良く自
動判別することができる。
【0083】(検査終了)検査終了後、検査結果はコン
ピュータに自動で記録され、検査後の半導体ウエーハは
搬送ロボットにより保持ステージからストック手段に移
される。その後、連続的に次の半導体ウエーハがストッ
ク手段より保持ステージに搬入され、上記と同様の結晶
欠陥の検査を自動的に繰り返し行なうことができる。
【0084】以上のような結晶欠陥の自動検査方法を行
うことにより、作業者がいなくても放物線模様の欠陥
(FPD)を自動的に検査することができるため、夜間
利用等によって検査時間の短縮が図れるとともに作業者
の負担を軽減することができ、さらに検査結果にバラツ
キが生じず高精度にかつ安定して半導体結晶の結晶欠陥
を検査することができる。
【0085】
【実施例】以下、実施例を示して本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。熟練の作業者と本発明の結晶欠陥の自動検査装置と
で同一のウエーハを用いて、同一測定エリアで結晶欠陥
の検査を行なった。
【0086】検査用の半導体ウエーハとして、CZ法に
より半導体シリコン単結晶を育成し、この半導体単結晶
をスライスした直径200mmのウエーハを4分割にし
た扇型形状のウエーハを使用した。得られた扇型形状の
半導体ウエーハにSECCO液による選択エッチングを
施して半導体ウエーハの表面に放物線模様の欠陥(FP
D)を出現させた後、図2に示したような本発明の結晶
欠陥の自動検査装置を用いて、中心より10mmを除い
た位置から測定エリア幅10mm×高さ1mmの領域を
1ポイントとし、面内8ポイントの検査を行った。CC
Dカメラによる顕微鏡観察は測定倍率50倍という条件
で検査した。また、同様の測定エリアをCCDカメラで
撮像し、得られた画像データをモニターに映して電子ペ
ンを利用して熟練した作業者が目視でカウントした。
【0087】本発明の自動検査装置と熟練した作業者で
半導体ウエーハの結晶欠陥を検査した結果を比較する
と、熟練した作業者のカウント数が正しい数値として本
発明の自動検査装置の検出能力を確認した結果、作業者
がカウントした総数195個の欠陥に対して、本発明の
自動検査装置では5個を見逃し(見逃し率2.6%)、
2個を誤判定(誤検出率1.0%)していたものの一致
率96.4%と高く、優れた検出能力であった。この見
逃し率や誤検出率を複数人の作業者で同一の半導体結晶
を検査したときと比較すると、本発明の自動検査装置は
検査バラツキが小さく、安定した検査が行えることがわ
かった。また、同じサンプルの同一点を繰り返し測定し
た場合の繰り返し測定精度も、作業者が行うよりはるか
に向上し安定した検査が行えた。
【0088】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように、少なくとも保持ス
テージ、撮像手段、画像処理手段、計測手段を有する結
晶欠陥の自動検査装置を用いて、半導体ウエーハの表面
を撮像して画像データを得て、該画像データから画像処
理を行って独立した放物線に変換した後、該独立した放
物線を自動判別して結晶欠陥を定量化することにより、
FPDのような複雑な形状の結晶欠陥を自動で検査する
ことができる。このようにFPDを自動で検査すること
によって、熟練度の違いや個人差による作業者間の検査
結果のバラツキが生じることがなく、高精度で安定した
欠陥の検査を行うことができる。さらに、夜間の自動検
査等も可能になるため、検査時間を短縮して効率的に結
晶欠陥の検査を行うことができ、作業者の負担を著しく
軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における独立した放物線を自動判別する
方法について示した概略説明図である。
【図2】本発明の結晶欠陥の自動検査装置の一例を示す
概略説明図である。 (a)概略断面図、(b)概略平面図。
【図3】本発明の結晶欠陥の自動検査方法の一例を示す
フロー図である。
【図4】本発明の画像処理の方法の一例を示すフロー図
である。
【図5】半導体ウエーハの表面を撮像した画像データを
二値化して、放物線状の骨格線を検出した結果を示した
図である。
【図6】図5の放物線状の骨格線を検出した画像データ
から、放物線状の骨格線の端点、頂点、及び骨格線同士
の交点を検出した結果を示した図である。
【図7】骨格線A及び骨格線Eの分岐を示した図であ
る。
【図8】分離処理した骨格線B〜Eを示した図である。
【図9】骨格線Bと骨格線Cの交点BCと骨格線Cと骨
格線C1の交点CC1を示した図である。
【図10】骨格線Bと骨格線Cの交点BCを拡大した拡
大図である。
【図11】交点BCにおける連結処理を示した説明図で
ある。
【図12】骨格線Cと骨格線C1の交点CC1を拡大し
た拡大図である。
【図13】交点CC1における連結処理を示した説明図
である。
【図14】f1f2ラインとf3f4ラインを連結する
連結処理を示した説明図である。
【図15】本発明の画像処理で変換された独立した放物
線を示した図である。
【図16】選択エッチング後のウエーハ表面を観察した
観察図である。 (a)SECCO液の液面に対してウエーハを垂直に投
入した場合、(b)SECCO液の液面に対してウエー
ハを水平に投入した場合。
【符号の説明】
1…本発明の結晶欠陥の自動検査装置、2…保持ステー
ジ、 3…撮像手段、4…画像処理手段、 5…計測手
段、6…半導体結晶、 7…コンピュータ、8…ストッ
ク手段、 9…搬送手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06T 7/00 300 G06T 7/00 300F (72)発明者 福山 光博 福島県西白河郡西郷村大字小田倉字大平 150番地 信越半導体株式会社白河工場内 (72)発明者 尾花 美佐 東京都八王子市石川町2951番地4 株式会 社ニレコ内 (72)発明者 水上 貴義 東京都八王子市石川町2951番地4 株式会 社ニレコ内 Fターム(参考) 2G051 AA51 AB02 CA04 CB01 DA03 EA12 ED22 4M106 AA01 CA39 CB19 CB20 CB30 DB04 DJ11 5B057 AA03 BA02 CC01 CE12 CE15 CF05 CH08 DA03 DA08 DB02 DB08 DC17 5L096 BA03 CA02 FA03 FA09 FA52 JA11

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体結晶の結晶欠陥を自動で検査する
    方法であって、育成された半導体単結晶をスライスして
    半導体ウエーハを作製し、得られた半導体ウエーハに選
    択エッチングを施して半導体ウエーハの表面に放物線模
    様の欠陥(FPD)を出現させた後、該半導体ウエーハ
    の表面を撮像して画像データを得て、該画像データに画
    像処理を行って画像データ上の放物線模様の欠陥(FP
    D)を独立した放物線に変換し、該独立した放物線を自
    動判別して結晶欠陥を定量化することを特徴とする結晶
    欠陥の自動検査方法。
  2. 【請求項2】 前記画像処理により画像データ上の放物
    線模様の欠陥(FPD)を独立した放物線にする変換
    を、先ず前記撮像された画像データを二値化して、放物
    線模様の欠陥(FPD)を放物線状の骨格線として検出
    し、該放物線状の骨格線の端点、頂点、及び骨格線同士
    の交点を検出し、その後、前記検出した放物線状の骨格
    線のうち、骨格線上に骨格線同士の交点がないものは、
    該放物線状の骨格線をそのまま独立した放物線に変換
    し、一方骨格線上に骨格線同士の交点が存在するもの
    は、該放物線状の骨格線を分離連結処理して独立した放
    物線に変換することによって行うことを特徴とする請求
    項1に記載の結晶欠陥の自動検査方法。
  3. 【請求項3】 前記放物線状の骨格線の分離連結処理
    を、前記放物線状の骨格線の端点及び骨格線同士の交点
    を設定画素分大きくし、該設定画素分大きくした領域の
    骨格線を消去して(消し円として)骨格線を分離した
    後、前記骨格線同士の交点(消し円の中心)を原点とし
    てXY軸を設定し、0°〜90°の範囲を第1のエリ
    ア、90°〜180°の範囲を第2のエリア、180°
    〜270°の範囲を第3のエリア、270°〜360°
    の範囲を第4のエリアとして、前記分離した各骨格線が
    存在するエリア(分離状態)を確認し、分離した骨格線
    が存在するエリアが点対称の関係にある骨格線同士を最
    短となる直線で結び、この直線と分離した各骨格線のな
    す角度が設定値の半分以下となる骨格線同士を連結する
    ことによって行うことを特徴とする請求項2に記載の結
    晶欠陥の自動検査方法。
  4. 【請求項4】 前記画像データを二値化して放物線状の
    骨格線の頂点を検出した後、該骨格線の頂点から分岐す
    る骨格線が1つの場合、該骨格線を独立した放物線に変
    換せずに測定対象外とすることを特徴とする請求項2ま
    たは請求項3に記載の結晶欠陥の自動検査方法。
  5. 【請求項5】 前記独立した放物線を自動判別して行わ
    れる結晶欠陥の定量化を、前記独立した放物線の頂点を
    通る水平線上の頂点から設定画素数分離れた位置から垂
    線を下ろしたときに、該垂線と前記独立した放物線が交
    差し、かつ該垂線と放物線の交点と放物線の頂点とを結
    んだ直線と、前記放物線の頂点を通る水平線とがなす角
    度が20°から65°である独立した放物線を結晶欠陥
    として自動判別して結晶欠陥を定量化することによって
    行うことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれ
    か一項に記載の結晶欠陥の自動検査方法。
  6. 【請求項6】 前記半導体単結晶の育成をチョクラルス
    キー法(CZ法)またはフローティングゾーン法(FZ
    法)により行い、該半導体単結晶から作製された半導体
    ウエーハに施す選択エッチングをKCrとフッ
    酸と水の混合液で行うことを特徴とする請求項1ないし
    請求項5のいずれか一項に記載の結晶欠陥の自動検査方
    法。
  7. 【請求項7】 半導体結晶の表面を選択エッチングした
    後に表れる放物線模様の欠陥(FPD)を検査する結晶
    欠陥の自動検査装置であって、少なくとも、前記検査さ
    れる半導体結晶を保持する保持ステージと、保持された
    半導体結晶の表面を撮像して画像データを得る撮像手段
    と、撮像された画像データに画像処理を行って画像デー
    タ上の放物線模様の欠陥(FPD)を独立した放物線に
    変換する画像処理手段と、該画像処理手段で変換された
    独立した放物線を自動判別して結晶欠陥を定量化する計
    測手段を有することを特徴とする結晶欠陥の自動検査装
    置。
  8. 【請求項8】 前記半導体結晶の表面を撮像して画像デ
    ータを得る撮像手段が、CCDカメラにより半導体結晶
    の表面を撮像して画像データを得る手段であることを特
    徴とする請求項7に記載の結晶欠陥の自動検査装置。
  9. 【請求項9】 前記撮像された画像データに画像処理を
    行って画像データ上の放物線模様の欠陥(FPD)を独
    立した放物線に変換する画像処理手段が、前記撮像され
    た画像データを二値化して、放物線模様の欠陥(FP
    D)を放物線状の骨格線として検出し、該放物線状の骨
    格線の端点、頂点、及び骨格線同士の交点を検出した
    後、前記検出した放物線状の骨格線のうち、骨格線上に
    骨格線同士の交点がないものは、該放物線状の骨格線を
    そのまま独立した放物線に変換し、一方骨格線上に骨格
    線同士の交点が存在するものは、分離連結処理手段を用
    いて該放物線状の骨格線を分離連結処理して独立した放
    物線に変換する手段であることを特徴とする請求項7ま
    たは請求項8に記載の結晶欠陥の自動検査装置。
  10. 【請求項10】 前記分離連結処理手段が、前記放物線
    状の骨格線の端点及び骨格線同士の交点を設定画素分大
    きくし、該設定画素分大きくした領域の骨格線を消去し
    て(消し円として)骨格線を分離した後、前記骨格線同
    士の交点(消し円の中心)を原点としてXY軸を設定
    し、0°〜90°の範囲を第1のエリア、90°〜18
    0°の範囲を第2のエリア、180°〜270°の範囲
    を第3のエリア、270°〜360°の範囲を第4のエ
    リアとして、前記分離した各骨格線が存在するエリア
    (分離状態)を確認し、分離した骨格線が存在するエリ
    アが点対称の関係にある骨格線同士を最短となる直線で
    結び、この直線と分離した各骨格線のなす角度が設定値
    の半分以下となる骨格線同士を連結する手段であること
    を特徴とする請求項9に記載の結晶欠陥の自動検査装
    置。
  11. 【請求項11】 前記画像処理手段で変換された独立し
    た放物線を自動判別して結晶欠陥を定量化する計測手段
    が、前記独立した放物線の頂点を通る水平線上の頂点か
    ら設定画素数分離れた位置から垂線を下ろしたときに、
    該垂線と前記独立した放物線が交差し、かつ該垂線と放
    物線の交点と放物線の頂点とを結んだ直線と、前記放物
    線の頂点を通る水平線とがなす角度が20°から65°
    である独立した放物線を結晶欠陥として自動判別して結
    晶欠陥を定量化する手段であることを特徴とする請求項
    7ないし請求項10のいずれか一項に記載の結晶欠陥の
    自動検査装置。
  12. 【請求項12】 前記検査される半導体結晶を複数枚ス
    トックできるストック手段と、該ストック手段から半導
    体結晶を自動で前記保持ステージに供給・回収する搬送
    手段を有することを特徴とする請求項7ないし請求項1
    1のいずれか一項に記載の結晶欠陥の自動検査装置。
  13. 【請求項13】 前記検査される半導体結晶に付された
    IDを読み取るための読み取り手段と、前記読み取った
    半導体結晶のIDに基づいて測定条件を照合する照合手
    段と、半導体結晶の測定条件を前記照合した測定条件に
    自動で切り替える切替手段を有することを特徴とする請
    求項7ないし請求項12のいずれか一項に記載の結晶欠
    陥の自動検査装置。
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