JP3787547B2 - 結晶欠陥の自動検査方法及び自動検査装置 - Google Patents

結晶欠陥の自動検査方法及び自動検査装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体結晶の評価技術に関し、半導体結晶に現われる結晶欠陥のうちLEP(Large Etching Pit)を自動で検査するための結晶欠陥の自動検査方法及びそれを行なうための自動検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウエーハの製造は、一般的に、チョクラルスキー(Czochralski;CZ)法やフローティングゾーン(Floating Zone;FZ)法等により円筒状の半導体単結晶インゴットを育成し、育成した半導体単結晶インゴットを薄板状に切断(スライシング)してウエーハを作製した後、得られたウエーハに、ウエーハの厚さ及び平坦度を整えるために行うラッピング工程、ウエーハの加工歪みを除去するためにウエーハをエッチングするエッチング工程、エッチング処理されたウエーハの表面粗さ及び平坦度を一層向上させて鏡面とする研磨工程等が行われ、最終の製品となる半導体ウエーハが製造される。このように製造された製品となる半導体ウエーハにその後デバイスを形成することにより、メモリーやLSI等が製造される。
【0003】
近年、DRAM等の半導体回路の高集積化に伴う素子の微細化に伴い、その基板として、高純度かつ低欠陥の高品質の半導体ウエーハが求められている。特に、グローンイン(Grown−in)欠陥と呼ばれる結晶欠陥は単結晶成長起因の欠陥であり、そのうち空孔タイプの点欠陥が集合したボイド型欠陥は、酸化膜耐圧特性やデバイスの特性を悪化させることが知られている。そのため、欠陥の密度の低減とサイズの縮小が重要視されており、半導体結晶中の結晶欠陥を検査してその実体を正確に評価し、結晶欠陥に対し適切な処置をする必要がある。
【0004】
結晶欠陥の評価は、上記研磨工程が行われた後の製品となるウエーハの品質を検査することによって行ってもよいが、この場合、製品となるウエーハを製造するまでの多くのプロセスを経過した後にウエーハの評価が行われるため、製品ウエーハが規格外のものであった場合、その時間的ロス及び製造コストのロス等が大きいという問題があった。
【0005】
また、上記のような単結晶成長起因の欠陥は、単結晶インゴットの育成時の育成条件等に影響され、原則としてウエーハ加工工程で変化することはない。そのため、単結晶中の結晶欠陥は、一般的に単結晶インゴットを育成した直後に検査用のウエーハを切り出して測定したり、またはウエーハ加工工程の早い段階でサンプルを抜き取り検査およびその評価が行われている。
【0006】
半導体結晶中の結晶欠陥を評価する方法としては、例えば特開平4−285100号公報に開示されているように、単結晶インゴットから切り出された検査用ウエーハの表面をフッ酸と硝酸の混合液でエッチングしてウエーハ切り出し時の切断歪を除去した後、KCrとフッ酸と水の混合液で該ウエーハの表面を選択的にエッチングして、その表面に現れたさざ波模様の個数をカウントする方法がある。
【0007】
Crとフッ酸と水の混合液は、SECCO液としてよく知られており、その組成は例えば0.15mol/lのKCrを溶かした水と49%のフッ酸を1:2の体積比となるようにしたものである。このSECCO液は、熱処理後の酸化誘起積層欠陥(OSF)を選択エッチングすることにより線状の欠陥像として観察したり、インゴット育成中に入ったスリップ転位を見たりするためにも使われている。
【0008】
上記特開平4−285100号公報では、上述のように、単結晶ウエーハに選択エッチングを施すことによって、ウエーハ表面に現われたさざ波模様の個数をカウントしているが、一般にこの様なさざ波模様の欠陥は、FPD(Flow Pattern Defect)と言われている。
【0009】
しかしながら、単結晶インゴットを育成する際に結晶成長速度が比較的遅い場合、作製した単結晶ウエーハに選択エッチングを行うと、ウエーハ表面には上記FPDとは大きさ及び形状が全く異なる楕円形状の欠陥が観察される。
この楕円形状の欠陥は、LEP(Large Etching Pit)と呼ばれ(ディスロケーションループと呼ばれることもある)、結晶成長過程の熱履歴の違いによってFPDと区別されるものである。このLEPは、グローンイン欠陥の一つで、格子間シリコンタイプの点欠陥が集合した転位ループ、転位クラスタに起因して形成されるものであると考えられている。したがって、このLEPを正確に評価することによって、半導体結晶内の結晶欠陥を評価することができる。
【0010】
通常、このような選択エッチングによってウエーハ表面に現われた楕円形状のLEPを評価する場合、LEPは作業者によって光学顕微鏡による目視にて観察され、カウントされている。しかしながら、この楕円形状のLEPは、サイズが数ミクロン〜10数ミクロンと小さく、その上、LEPの形状はウエーハ製造工程起因の(結晶欠陥起因ではない)その他のエッチングピットの形状と紛らわしいため、LEPとその他のエッチングピットとの判別が非常に難しく、LEPの評価には作業者の熟練度等が必要とされていた。
【0011】
また、このような結晶欠陥の検査方法は、上述のように、いずれも人手により行われているため、作業者によりカウントのバラツキが生じて検査結果に個人差が生じ易く、正確な検査を安定して行うことが困難であった。
さらに、結晶欠陥の評価を行う際、欠陥の検査はウエーハ面内の多点測定を行うため、長時間の顕微鏡作業が必要となるなど作業者への負担も大きく、この点からも測定精度の問題や作業時間等の問題が生じる。
【0012】
またその一方で、前述のように半導体ウエーハの製造では、検査結果を早くフィードバックさせて効率的な製造を行うことが要求されており、検査時間の短縮、さらには夜間利用などが強く望まれている。
【0013】
【特許文献1】
特開平4−285100号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、夜間でも検査が行えるように自動運転を可能にして作業者の負担を軽減するとともに、検査結果にバラツキが生じず高精度にかつ安定してLEPを検査することができる結晶欠陥の自動検査方法及び自動検査装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によれば、半導体結晶の結晶欠陥のうちLEPを自動で検査する結晶欠陥の自動検査方法であって、育成された半導体単結晶をスライスして半導体ウエーハを作製し、得られた半導体ウエーハに選択エッチングを施して半導体ウエーハの表面に楕円形状の欠陥を出現させた後、該半導体ウエーハの表面を撮像して画像データを得て、該画像データに画像処理を行って、前記楕円形状の欠陥の輪郭を示す輪郭データ及び前記楕円形状の欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データを作成し、該作成した欠陥の輪郭を示す輪郭データ及び欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データからLEPを自動判別してLEPの定量化を行うことを特徴とする結晶欠陥の自動検査方法が提供される
【0016】
このように、半導体結晶を育成して、これをスライスすることによって半導体ウエーハを作製し、得られた半導体ウエーハに選択エッチングを施して半導体ウエーハの表面に楕円形状の欠陥を出現させた後、この半導体ウエーハの表面を撮像して画像データを得て、この画像データに画像処理を行って、楕円形状の欠陥の輪郭を示す輪郭データ及び楕円形状の欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データを作成し、これらの輪郭データ及び濃淡データからLEPを自動判別してLEPの定量化を行うことによって、半導体結晶中のLEPを自動で検査することができる。したがって、夜間利用等によって検査時間の短縮が図れるとともに作業者の負担を軽減することができ、さらに一定の基準でLEPを自動判別するため、検査結果にバラツキが生じず高精度にかつ安定して半導体結晶の結晶欠陥を検査することができる。
【0017】
このとき、前記画像処理による欠陥の輪郭を示す輪郭データの作成を、前記撮像された画像データから楕円形状の欠陥の重心を求め、該求めた重心から欠陥の輪郭までの距離を欠陥の全周に渡って測定し、該測定値をグラフにプロットして欠陥の輪郭を示すグラフを作成することによって行うことが好ましい
【0018】
このように、撮像された画像データから楕円形状の欠陥の重心を求め、この重心から欠陥の輪郭までの距離を欠陥の全周に渡って測定し、その測定値をグラフにプロットして欠陥の輪郭を示すグラフを作成することによって、画像データから容易にかつ正確に楕円形状の欠陥の輪郭を示す輪郭データを作成することができる。
【0019】
この場合、前記重心から欠陥の輪郭までの距離の測定を、重心における角度が1°以下の間隔で全周に渡って行うことが好ましい
このように、重心から欠陥の輪郭までの距離の測定を、重心における角度が1°以下の間隔で全周に渡って行うことによって、より高精度に欠陥の輪郭を示す輪郭データを作成することができる。
【0020】
また、前記画像処理による楕円形状の欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データの作成を、二値化レベルを設定して前記撮像された画像データを二値化することによって行うことが好ましい
このように、撮像された画像データを二値化レベルを設定して二値化することによって、画像データから、LEPを判別する材料となる欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データを容易に作成することができる。
【0021】
そして、前記欠陥の輪郭を示す輪郭データ及び欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データからLEPを自動判別して行うLEPの定量化を、前記欠陥の輪郭を示す輪郭データに欠陥の全周に渡って求めた重心から輪郭までの距離の平均値の直線を引いたときに交点が4つ有り、かつ前記欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データに円形部分が観察されなかったものをLEPとして自動判別し、該LEPとして判別された欠陥をカウントすることによって行うことができる
【0022】
このように、欠陥の輪郭を示す輪郭データに欠陥の全周に渡って求めた重心から輪郭までの距離の平均値の直線を引いたときに交点が4つ有り、かつ濃淡データに円形部分が観察されなかったものをLEPとして自動判別することによって、結晶欠陥のうちLEPのみを高精度に判別することができ、またこのLEPとして判別された欠陥をカウントすることによって、半導体結晶中のLEPを正確に定量化することができる。
【0023】
また、本発明において、前記半導体単結晶の育成をチョクラルスキー法(CZ法)またはフローティングゾーン法(FZ法)により行い、該半導体単結晶から作製された半導体ウエーハに施す選択エッチングをKCrとフッ酸と水の混合液で行うことが好ましい
【0024】
このように、半導体単結晶をCZ法またはFZ法により育成し、これをスライスして作製された半導体ウエーハにKCrとフッ酸と水の混合液で選択エッチングを行うことにより、ウエーハ表面に楕円形状のLEPが発生する。このLEPはデバイス歩留りを低下させる要因として知られているため、その検査の必要性は大きく、このようなLEPを上記のように自動検査することは半導体ウエーハの製造において非常に有益である。
【0025】
さらに、本発明によれば、半導体結晶の表面を選択エッチングした後に表れる結晶欠陥のうちLEPを自動で検査する結晶欠陥の自動検査装置であって、少なくとも、前記検査される半導体結晶を保持する保持ステージと、保持された半導体結晶の表面を撮像して画像データを得る撮像手段と、撮像された画像データに画像処理を行って楕円形状の欠陥の輪郭を示す輪郭データ及び楕円形状の欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データを作成する画像処理手段と、該画像処理手段で作成した欠陥の輪郭を示す輪郭データ及び欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データからLEPを自動判別してLEPを定量化する計測手段を有することを特徴とする結晶欠陥の自動検査装置が提供される
【0026】
このように、少なくとも、半導体結晶を保持する保持ステージ、半導体結晶の表面を撮像して画像データを得る撮像手段、画像処理を行って欠陥の輪郭を示す輪郭データ及び欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データを作成する画像処理手段、作成した輪郭データ及び濃淡データを自動判別してLEPを定量化する計測手段を有する結晶欠陥の自動検査装置であれば、選択エッチングした半導体結晶の表面に表れる結晶欠陥のうちLEPのみを自動的に検査できるため作業者の負担を軽減することができ、さらに一定の基準でLEPを検査できるため、検査結果にバラツキが生じず高精度にかつ安定してLEPを自動で検査できる結晶欠陥の自動検査装置となる。
【0027】
このとき、前記半導体結晶の表面を撮像して画像データを得る撮像手段が、CCDカメラにより半導体結晶の表面を撮像して画像データを得るものであることが好ましい
【0028】
このように、撮像手段がCCDカメラにより半導体結晶の表面を撮像して画像データを得るものであれば、容易に半導体結晶の表面を画像データとして読み取り、保存することができる。
【0029】
また、前記撮像された画像データに画像処理を行って楕円形状の欠陥の輪郭を示す輪郭データ及び楕円形状の欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データを作成する画像処理手段が、前記撮像された画像データから楕円形状の欠陥の重心を求め、該求めた重心から欠陥の輪郭までの距離を欠陥の全周に渡って測定し、該測定値をグラフにプロットして欠陥の輪郭を示すグラフを作成して楕円形状の欠陥の輪郭を示す輪郭データを作成する輪郭データ作成手段と、前記撮像された画像データを二値化レベルを設定して二値化することにより欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データを作成する濃淡データ作成手段からなるものであることが好ましい
【0030】
このように、画像処理手段が、画像データから欠陥の重心を求め、この重心から欠陥の輪郭までの距離を欠陥の全周に渡って測定し、その測定値から欠陥の輪郭を示すグラフを作成して欠陥の輪郭を示す輪郭データを作成する輪郭データ作成手段を含むことによって、画像データから容易にかつ正確に楕円形状の欠陥の輪郭を示す輪郭データを作成することができる。また、画像処理手段が、画像データを二値化レベルを設定して二値化することにより欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データを作成する濃淡データ作成手段を含むことによって、画像データから、LEPを判別する材料となる欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データを容易に作成することができる装置となる。
【0031】
さらに、前記画像処理手段で作成した欠陥の輪郭を示す輪郭データ及び欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データからLEPを自動判別してLEPを定量化する計測手段が、前記欠陥の輪郭を示す輪郭データに重心から輪郭までの距離の平均値の直線を引いたときに交点が4つ有り、かつ前記欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データに円形部分が観察されなかったものをLEPとして自動判別し、該LEPとして判別された欠陥をカウントすることによってLEPの定量化を行うものであるものとすることができる
【0032】
このように計測手段が、欠陥の輪郭を示す輪郭データに重心から輪郭までの距離の平均値の直線を引いたときに交点が4つ有り、かつ欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データに円形部分が観察されなかったものをLEPとして自動判別し、このLEPとして判別された欠陥をカウントすることによってLEPの定量化を行うものであれば、半導体デバイスで問題となる結晶欠陥起因のLEPのみを高精度に判別して、半導体結晶中のLEPを正確に定量化できる結晶欠陥の自動検査装置とすることができる。
【0033】
このとき、本発明の結晶欠陥の自動検査装置では、前記検査される半導体結晶を複数枚ストックできるストック手段と、該ストック手段から半導体結晶を自動で前記保持ステージに供給・回収する搬送手段を有することが好ましい
【0034】
このように、結晶欠陥の自動検査装置が、半導体結晶を複数枚ストックできるストック手段とストック手段から半導体結晶を自動で保持ステージに供給・回収する搬送手段を有することによって、夜間のように作業者がいない場合でも、結晶欠陥の検査を自動で連続的に行うことが可能となる。そのため、結晶欠陥の検査工程を完全に自動化することができ、作業者の負担を一層低減することができるとともに、検査効率、スループットを著しく向上させることができる。
【0035】
さらにこのとき、前記検査される半導体結晶に付されたIDを読み取るための読み取り手段と、前記読み取った半導体結晶のIDに基づいて測定条件を照合する照合手段と、半導体結晶の測定条件を前記照合した測定条件に自動で切り替える切替手段を有することが好ましい
【0036】
このように、本発明の結晶欠陥の自動検査装置が、半導体結晶のIDを読み取るための読み取り手段、読み取ったIDに基づいて測定条件を照合する照合手段、及び測定条件を自動で切り替える切替手段を有することによって、自動的に各半導体結晶毎に測定条件を切り替えて結晶欠陥の検査を行うことができるため、種々の半導体ウエーハに対して作業者がいなくても正確な結晶欠陥の自動検査を行うことができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
従来、半導体結晶を選択エッチングした後に表面に現れる結晶欠陥のうち楕円形状のLEPを判別して定量化する検査では、結晶表面に形成されたLEPとその他のエッチングピットとの判別が非常に難しく、また作業者により目視によってカウントされているため、検査結果にバラツキが生じ安定した検査を行うことが困難であった。さらに、LEPの検査を行うためには作業者の熟練度等も必要とされていた。一方、このようなLEPの検査においては、作業者の負担軽減や、効率的な半導体ウエーハの製造のために検査時間の短縮、夜間利用等が強く望まれている。
【0038】
そこで、本発明者等は、夜間でもLEPの検査が行えるように自動運転を可能にして作業者の負担を軽減するとともに、検査結果にバラツキが生じず高精度にかつ安定してLEPを検査するために、選択エッチングを行った半導体ウエーハの表面を撮像して画像データを得て、この画像データに画像処理を行って、楕円形状の欠陥の輪郭を示す輪郭データ及び楕円形状の欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データを作成し、これらの輪郭データ及び濃淡データからLEPを自動判別してLEPを自動で定量化する結晶欠陥の自動検査方法及びそれを行うための自動検査装置を開発した。
【0039】
先ず、本発明に係る結晶欠陥の自動検査装置の一例について、図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る結晶欠陥の自動検査装置の概略説明図を示しており、図1(a)は自動検査装置の概略断面図を示しており、図1(b)は概略平面図を示している。
【0040】
本発明の結晶欠陥の自動検査装置1は、半導体結晶の表面を選択エッチングした後に表れる結晶欠陥のうちLEPを自動で検査する結晶欠陥の自動検査装置であり、この自動検査装置1の主な構成は、検査用の半導体結晶6(円板状の半導体ウエーハを4分割したもの)を保持する保持ステージ2と、保持された半導体結晶6の表面を撮像して画像データを得る撮像手段3と、撮像された画像データに画像処理を行って楕円形状の欠陥の輪郭を示す輪郭データ及び楕円形状の欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データを作成する画像処理手段4と、画像処理手段で作成した欠陥の輪郭を示す輪郭データ及び欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データからLEPを自動判別してLEPを定量化する計測手段5を有している。
【0041】
ここで、半導体結晶6の表面を撮像して画像データを得る撮像手段3は、CCDカメラにより半導体結晶の表面を撮像して画像データを得る手段であることが望ましい。CCDカメラは、20倍〜100倍程度の倍率で検査用の半導体結晶の表面を観察できるものが好ましく、検査仕様にもよるが通常50〜100倍程度で半導体結晶の表面が撮像される。この撮像された画像データは、例えばコンピュータ7に保存することができる。
【0042】
このコンピュータ7に保存された画像データは、コンピュータ7にプログラミングされている画像処理を行う画像処理手段4とLEPを自動判別して定量化する計測手段5により解析され、LEPの定量化を自動的に行うことができる。
【0043】
また、本発明の結晶欠陥の自動検査装置において、撮像された画像データに画像処理を行って欠陥の輪郭を示す輪郭データ及び欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データを作成する画像処理手段4は、画像データから楕円形状の欠陥の重心を求め、この求めた重心から欠陥の輪郭までの距離を欠陥の全周に渡って測定し、その測定値をグラフにプロットして欠陥の輪郭を示すグラフを作成して楕円形状の欠陥の輪郭を示す輪郭データを作成する輪郭データ作成手段と、画像データを二値化レベルを設定して二値化することにより欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データを作成する濃淡データ作成手段からなる。このように、画像処理手段4が輪郭データ作成手段及び濃淡データ作成手段を有することによって、LEPの自動判別を行う際に必要となる輪郭データ及び濃淡データを容易に作成することができる。また、得られた画像データに異なった手法の処理をすることによって、LEPの自動判別を誤判定することなく正確に行うことができる。
【0044】
尚、画像データから楕円形状の欠陥の重心を求める方法は、数学的手法を用いればいろいろ存在し、特に限定するものではないが、例えば最小二乗法等で求めることが出来る。
また、二値化とは、得られた濃淡画像が例えば、8ビットで白から黒まで256階調で表現されている場合、その0〜255の区間の適当なしきい値より白い階調を1、黒い階調を0として二値画像を生成することである。例えば、得られた濃淡画像をF(x,y)とし、二値化した画像をSr(x,y)とする時、任意の座標点(i,j)に関し、以下のように定義される。t1≦F(i,j)の場合はSr(i,j)=1、t1>F(i,j)の場合はSr(i,j)=0である。このしきい値となる階調t1を二値化レベルという。本発明では画像データに任意の二値化レベルを設定し、欠陥画像内の濃淡を明確にしている。
【0045】
さらに、この結晶欠陥の自動検査装置1は、半導体結晶6を複数枚ストックできるストック手段8とストック手段8から半導体結晶6を自動で保持ステージ2に供給・回収する搬送手段9を有していることが好ましい。このようにストック手段8及び搬送手段9を有していれば、結晶欠陥の検査工程を完全に自動化することができ、夜間のように作業者がいない場合でも、LEPの検査を自動で連続的に行うことが可能となり、検査効率、スループットを一段と向上させることができるとともに作業者の負担を一層低減することができる。この半導体ウエーハのストック手段は複数設けることができ、また搬送手段はストック手段の位置や数に応じて自由に可動することができる。
【0046】
また、この結晶欠陥の自動検査装置1は、検査される半導体結晶6に付されたID及び検査コードを読み取るための読み取り手段と、読み取った半導体結晶のIDと検査コードに基づいて測定条件を照合する照合手段と、半導体結晶の測定条件を照合した測定条件に自動で切り替える切替手段を有していることが好ましい。このとき、読み取り手段については、例えば図1に示したように、撮像手段3で読み取り手段10を兼ねることが可能であるし、または保持ステージ2に別途設置することもできる。また、照合手段及び切替手段については、図1に示すように、コンピュータ7内にプログラミングすることによって照合手段11及び切替手段12を設置しても良いし、または別にそれぞれ設けるようにしても良い。
【0047】
次に、このような結晶欠陥の自動検査装置を用いて、半導体結晶の結晶欠陥を自動で検査する方法を説明する。
本発明によるLEPを自動で検査する結晶欠陥の自動検査方法は、例えば半導体結晶をチョクラルスキー(CZ)法またはフローティングゾーン法(FZ法)により育成し、該半導体単結晶をスライスして半導体ウエーハを作製し、得られた半導体ウエーハに選択エッチングを施して半導体ウエーハの表面に楕円形状の欠陥を出現させた後、例えば上記に説明した結晶欠陥の自動検査装置を用いて、半導体ウエーハの表面を撮像して画像データを得て、この画像データに画像処理を行って、楕円形状の欠陥の輪郭を示す輪郭データ及び楕円形状の欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データを作成し、これらの作成した欠陥の輪郭を示す輪郭データ及び欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データからLEPを自動判別してLEPの定量化を行うものである。
【0048】
以下に、本発明の結晶欠陥の自動検査方法について、図面を参照しながらより詳細に説明する。図2は、本発明の結晶欠陥の自動検査方法の一例を示すフロー図である。
【0049】
(半導体ウエーハの準備)
先ず、検査用の半導体ウエーハを準備する。
チョクラルスキー法(CZ法)またはフローティングゾーン法(FZ法)により例えばシリコン等の半導体単結晶インゴットを育成し、育成した半導体単結晶インゴットをワイヤソー等のスライサーにより所定の厚さ、例えば1〜2mm程度の厚さの半導体ウエーハを切り出す。その後、得られた半導体ウエーハにフッ酸と硝酸の混合液によるエッチングを施して表面の歪を除去して検査用の半導体ウエーハを作製する。このとき、結晶欠陥の検査を行う際に各検査用の半導体ウエーハを識別できるように、その表面にレーザーマーキング等でウエーハのID及び検査コードを印字することが好ましい。
【0050】
このように半導体結晶の表面にID及び検査コードをレーザーマーキング等であらかじめ印字しておくことによって、結晶欠陥の検査の際に各半導体結晶毎に自動的に測定位置、測定倍率、測定範囲等の測定条件を切り替えて検査を行うことができるため、作業者がいなくても正確な結晶欠陥の検査を行うことができる。
【0051】
このとき、検査用の半導体結晶の表面に印字する検査コードは、検査仕様に基づくものであり、例えば上記のような測定条件に関する必要なレシピを簡単な英数字4桁程度で表現したもので、予めレーザーマーカと検査装置に登録しておくことができる。
【0052】
また、半導体ウエーハの形状は特に限定するものではないが、例えば、育成した半導体ウエーハが直径200mm以上の大口径のものを作製した場合は、エッチング処理や結晶欠陥の検査を行い易いようにウエーハを4分割して扇型形状のウエーハとしても良い。
【0053】
(半導体ウエーハの前処理:選択エッチング)
上記で作製した半導体ウエーハを純水でよく洗浄した後、KCrとフッ酸と水の混合液、いわゆるSECCO液の入った容器に検査用の半導体ウエーハをSECCO液の液面に対して垂直にゆっくりと浸漬し、1〜60分間、好ましくは30分程度静止状態で(攪拌等を行なうことなしに)保持することによって、半導体ウエーハの表面を選択エッチングする。このように半導体ウエーハに選択エッチングを行うことにより、楕円形状の欠陥がウエーハ表面に現れる。
【0054】
このとき、半導体ウエーハの浸漬時間等は特に限定するものではないが、60分を超えて選択エッチングしても、楕円形状の欠陥は既に検査するのに十分なサイズで形成されており、検査時間を必要以上に長引かせるため、検査の効率を考えると浸漬時間は60分以下にすることが好ましい。一方浸漬時間が1分未満の場合、楕円形状の欠陥が十分に現れず、その後LEPの判別及び定量化を行うことが困難となる。
【0055】
(撮像)
その後、前処理が行われた半導体ウエーハを保持ステージに保持し、ウエーハ表面を撮像して画像データを保存する。
先ず、前処理が行われた半導体ウエーハはストック手段にストックされ、このストック手段から搬送手段である搬送ロボットを用いて保持ステージに移動させ、位置合わせを行った後、保持ステージに保持される。このように位置合わせを機械的に行うことにより、その位置合わせ精度を大きく向上させることができる。そのため、従来のように顕微鏡にセットする際のウエーハ位置の違いに起因して生じる測定値のばらつきを大幅に改善することができ、同一の半導体ウエーハを繰り返して検査する場合でもバラツキが小さく安定した検査を行なうことができる。
【0056】
検査用の半導体ウエーハを保持ステージに保持した後、例えばCCDカメラ等の読み取り手段を用いて半導体ウエーハの表面に印字されたウエーハID及び検査コードを読み取り、読み取ったウエーハID及び検査コードをコンピュータに送り、このウエーハIDと検査コードに基づいてコンピュータ上にプログラムされた照合手段によりその半導体ウエーハの測定条件を照合し、切替手段により自動的に半導体ウエーハの測定条件を切り替えることによって、半導体ウエーハの測定レシピを自動選択し、設定することができる。このように測定条件を自動で切り替えることができれば、作業者がいなくても正確な結晶欠陥の検査を行うことができる。
【0057】
その後、例えばCCDカメラ等の撮像手段を用いて、保持ステージに保持された半導体ウエーハの表面を撮像して画像データとして読み取り、得られた画像データをコンピュータ等に保存する。
【0058】
このとき、CCDカメラを用いて、先ず20倍程度の低倍率で半導体結晶の表面を観察してエッチングピット(検出物)及びその位置を確認し、その確認したエッチングピットの位置でCCDカメラを50〜100倍程度の高倍率に設定してから撮像を行うことによって画像データを得ることが好ましい。このようにして画像データを得ることによって、例えば図3に示したような半導体結晶の表面に形成された楕円形状の欠陥を確実にかつ高倍率で撮像できるとともに、半導体結晶表面を撮像する時間も短縮できるため、作業の効率化を図ることができる。しかしながら、この撮像手段による撮像では、結晶欠陥起因の楕円形状のLEPだけではなく、図4に示したようなウエーハ表面のキズに起因するエッチングピットや図5に示したようなウエーハ表面の凹凸に起因して生じたエッチングピット、さらに汚れ等も検出物として撮像される。
【0059】
(画像処理)
続いて、上記で得られた画像データに画像処理手段を用いて画像処理を行う。この画像処理では、画像処理手段に含まれる輪郭データ作成手段により画像データから楕円形状の欠陥の輪郭を示す輪郭データを作成し、また一方、濃淡データ作成手段により画像データから楕円形状の欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データを作成する。
【0060】
このとき、欠陥の輪郭を示す輪郭データの作成は、図6に示すように、撮像された画像データから欠陥の重心を求め、この求めた重心から欠陥の輪郭までの距離を欠陥の全周に渡って測定し、その測定値をグラフにプロットして欠陥の輪郭を示すグラフを作成することによって行うことができる。このように画像データを輪郭データ作成手段によって処理することによって、画像データから容易にかつ正確に楕円形状の欠陥の輪郭を示す輪郭データを作成することができる。
【0061】
このとき、重心から欠陥の輪郭までの距離の測定を、重心における角度が1°以下の間隔で全周に渡って行うことが好ましく、このように輪郭データを作成することによって、欠陥の輪郭を高精度に示す輪郭データを得ることができる。
【0062】
また、上記で撮像した画像データは、濃淡データ作成手段により二値化レベルを適切に設定して二値化することによって、図9に示すようなLEPを判別する材料となる欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データを容易に作成することができる。尚、濃淡データ作成手段によって設定される二値化レベルは、半導体結晶の作製条件や選択エッチング条件、また画像データの明るさなどによって変化するため、測定対象となる半導体ウエーハ毎に適宜適切に設定することができる。
【0063】
(LEPの自動判別と定量化)
その後、計測手段によって、上記画像処理を行って作成した欠陥の輪郭を示す輪郭データ及び欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データからLEPを自動判別してLEPの定量化を行う。
【0064】
半導体ウエーハの表面に形成されるLEPは単純な楕円形をしているため、LEPの画像データを輪郭データ作成手段によって処理すれば、例えば図7に示すような欠陥の輪郭を示す輪郭データが得られる。一方、図4に示したようなウエーハ表面のキズに起因するエッチングピットや汚れ等は形状が複雑となるため、それらの輪郭データは、例えば図8に示すような複雑な形状を有するグラフとなる。したがって、これらのグラフを比較すればLEPをすぐに判別できるが、例えばその手法の一例として、欠陥の輪郭を示す輪郭データに欠陥の全周に渡って求めた重心から輪郭までの距離の平均値の直線を引いたときの交点の数を計測し、その交点が4つとなるもの以外はLEPではないものとして判別することができる。その他にも図7や図8で得られた曲線を更に微分し、値が零(微分曲線をXY図で表した時にX軸との交点)となる数を確認しても良い。このような方法では図7や図8の大きな変曲点の位置をカウントすることになるが、このような方法でも判定することができる。
【0065】
また、欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データを観察して、欠陥の中心部分に明るい円形部分の有無を確認することによって、その欠陥がLEPであるかウエーハ表面の凹凸に起因して生じたエッチングピットであるかを判別することができる。すなわち、図5に示したようなウエーハ表面の凹凸に起因して生じたエッチングピットは、深さ方向の分布がLEPに比べて平坦で、最深部が中心にあるという特徴があるため、図9(b)に示したように、その濃淡データを観察するとピット内に円形部分が観察される。一方、図9(a)に示したLEPの濃淡データでは、そのような円形部分は観察されることはない。
【0066】
すなわち、本発明によれば、計測手段によって、画像処理によって得られた欠陥の輪郭を示す輪郭データ及び欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データから、欠陥の輪郭を示す輪郭データに欠陥の全周に渡って求めた重心から輪郭までの距離の平均値の直線を引いたときに交点が4つ有り、かつ濃淡データに円形部分が観察されなかったものをLEPとして自動判別することができ、このLEPとして判別された欠陥をカウントすることによって半導体結晶中のLEPを正確に定量化することができる。
【0067】
(検査終了)
検査終了後、検査結果はコンピュータに自動で記録され、検査後の半導体ウエーハは搬送ロボットにより保持ステージからストック手段に移される。その後、連続的に次の半導体ウエーハがストック手段より保持ステージに搬入され、上記と同様の結晶欠陥の検査を自動的に繰り返し行なうことができる。
【0068】
以上のような結晶欠陥の自動検査方法を行うことにより、作業者がいなくても半導体結晶中のLEPを自動的に検査することができるため、夜間利用等によって検査時間の短縮が図れるとともに作業者の負担を軽減することができる。さらに、一定の基準でLEPを自動判別するため、検査結果にバラツキが生じず高精度にかつ安定してLEPを検査することができる。
【0069】
【実施例】
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
熟練の作業者と本発明の結晶欠陥の自動検査装置とで同一のウエーハを用いて、同一測定エリアでLEPを検査し、検査結果の比較を行った。
【0070】
先ず、検査用の半導体ウエーハとして、CZ法によりシリコン単結晶インゴットを育成し、このシリコン単結晶インゴットをスライスして、直径200mmのシリコンウエーハを10枚用意した。これらのシリコンウエーハにSECCO液による選択エッチングを施して半導体ウエーハの表面に楕円形状の欠陥を出現させた後、本発明の結晶欠陥の自動検査装置を用いてLEPの検査を行った。また、同じシリコンウエーハをCCDカメラで撮像し、得られた画像データをモニターに映して、熟練の作業者が電子ペンを利用して目視でカウントし、LEPの検査を行った。
【0071】
そして、熟練の作業者のLEPのカウント数が正しい数値であるとして、本発明の自動検査装置の検査結果と熟練した作業者による検査結果を比較することによって、本発明の自動検査装置の検出能力を確認した。その結果、作業者がカウントしたLEPは全部で39個あり、またLEPとして判別しなかったエッチングピットは46個あった。この作業者の検査結果に対して、本発明の自動検査装置の検査結果では、作業者がLEPと判定しなかったエッチングピットを自動検査装置がLEPと判別した誤検査の個数は0個であり、また作業者がLEPと判定したエッチングピットを自動検査装置がLEPと判別しなかった見逃しの個数は4個であった。
【0072】
ここで、作業者がカウントしたLEPの個数(39個)とLEPとして判別しなかったエッチングピットの個数(46個)の合計値を測定数と定義して、結晶欠陥の自動検査装置の正解率(%)を、正解率={(作業者の測定数−装置の誤検査の個数−装置の見逃しの個数)/作業者の測定数}×100とすると、本発明の結晶欠陥の自動検査装置の正解率は、{(85−0−4)/85}×100=95.3(%)と高く、優れた検出能力であることがわかった。
【0073】
また、この誤検査の個数や見逃しの個数を複数の作業者で同一のシリコンウエーハを検査したときと比較すると、本発明の自動検査装置では検査バラツキが小さく、安定した検査が行えることがわかった。また、同じサンプルを繰り返し測定した場合の繰り返し測定精度も作業者が行うよりもはるかに向上し、安定した検査が行えた。
【0074】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0075】
例えば、本結晶欠陥の自動検査方法及び検査装置は、時間的及びコスト的観点から単結晶インゴットを育成した直後に検査用ウエーハを切出し、ウエーハ表面の歪を除去したウエーハを用い検査したが、これに限らずウエーハ加工工程の早い段階で抜き取ったウエーハを検査してもよく、更には研磨後の鏡面研磨されたウエーハ(製品となるウエーハ)などの検査にも同様に使用することができる。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、少なくとも保持ステージ、撮像手段、画像処理手段、計測手段を有する結晶欠陥の自動検査装置を用いて、半導体ウエーハの表面を撮像して画像データを得て、該画像データから画像処理を行って欠陥の輪郭データ及び濃淡データを作成した後、該作成した輪郭データ及び濃淡データからLEPを自動判別してLEPの定量化を行うことにより、半導体結晶中のLEPを自動で検査することができる。このようにLEPを自動で検査することによって、熟練度の違いや個人差による作業者間の検査結果のバラツキが生じずに、高精度で安定した欠陥の検査を行うことができる。さらに、夜間の自動検査等も可能になるため、検査時間を短縮して効率的に結晶欠陥の検査を行うことができ、作業者の負担を著しく軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の結晶欠陥の自動検査装置の一例を示す概略説明図であり、(a)は概略断面図、(b)は概略平面図である。
【図2】本発明の結晶欠陥の自動検査方法の一例を示すフロー図である。
【図3】半導体結晶の表面に形成された楕円形状の欠陥を撮像した画像データを表した図である。
【図4】ウエーハ表面のキズに起因するエッチングピットを撮像した画像データを表した図である。
【図5】ウエーハ表面の凹凸に起因して生じたエッチングピットを撮像した画像データを表した図である。
【図6】画像データから欠陥の輪郭までの距離を測定する方法を説明する概略説明図である。
【図7】LEPの輪郭を示す輪郭データを表した図である。
【図8】ウエーハ表面のキズに起因するエッチングピットの輪郭を示す輪郭データを表した図である。
【図9】欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データを表した図である。
【符号の説明】
1…結晶欠陥の自動検査装置、
2…保持ステージ、 3…撮像手段、
4…画像処理手段、 5…計測手段、
6…半導体結晶、 7…コンピュータ、
8…ストック手段、 9…搬送手段
10…読み取り手段、 11…照合手段、
12…切替手段。

Claims (10)

  1. 半導体結晶の結晶欠陥のうちLEPを自動で検査する結晶欠陥の自動検査方法であって、育成された半導体単結晶をスライスして半導体ウエーハを作製し、得られた半導体ウエーハに選択エッチングを施して半導体ウエーハの表面に楕円形状の欠陥を出現させた後、該半導体ウエーハの表面を撮像して画像データを得て、該画像データに画像処理を行って、前記楕円形状の欠陥の輪郭を示す輪郭データの作成を、前記撮像された画像データから楕円形状の欠陥の重心を求め、該求めた重心から欠陥の輪郭までの距離を欠陥の全周に渡って測定し、該測定値をグラフにプロットして欠陥の輪郭を示すグラフを作成することによって行い、及び前記楕円形状の欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データを作成し、該作成した欠陥の輪郭を示す輪郭データ及び欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データからLEPを自動判別してLEPの検査を行うことを特徴とする結晶欠陥の自動検査方法。
  2. 前記重心から欠陥の輪郭までの距離の測定を、重心における角度が1°以下の間隔で全周に渡って行うこと特徴とする請求項に記載の結晶欠陥の自動検査方法。
  3. 前記画像処理による楕円形状の欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データの作成を、二値化レベルを設定して前記撮像された画像データを二値化することによって行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の結晶欠陥の自動検査方法。
  4. 前記欠陥の輪郭を示す輪郭データ及び欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データからLEPを自動判別して行うLEPの検査を、前記欠陥の輪郭を示す輪郭データに欠陥の全周に渡って求めた重心から輪郭までの距離の平均値の直線を引いたときに交点が4つ有り、かつ前記欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データに円形部分が観察されなかったものをLEPとして自動判別し、該LEPとして判別された欠陥をカウントすることによって行うことを特徴とする請求項ないし請求項のいずれか一項に記載の結晶欠陥の自動検査方法。
  5. 前記半導体単結晶の育成をチョクラルスキー法(CZ法)またはフローティングゾーン法(FZ法)により行い、該半導体単結晶から作製された半導体ウエーハに施す選択エッチングをKCrとフッ酸と水の混合液で行うことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載の結晶欠陥の自動検査方法。
  6. 半導体結晶の表面を選択エッチングした後に表れる結晶欠陥のうちLEPを自動で検査する結晶欠陥の自動検査装置であって、少なくとも、前記検査される半導体結晶を保持する保持ステージと、保持された半導体結晶の表面を撮像して画像データを得る撮像手段と、撮像された画像データに画像処理を行って楕円形状の欠陥の輪郭を示す輪郭データ及び楕円形状の欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データを作成する画像処理手段と、該画像処理手段で作成した欠陥の輪郭を示す輪郭データ及び欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データからLEPを自動判別してLEPを検査する計測手段を有し、前記画像処理手段が、前記撮像された画像データから楕円形状の欠陥の重心を求め、該求めた重心から欠陥の輪郭までの距離を欠陥の全周に渡って測定し、該測定値をグラフにプロットして欠陥の輪郭を示すグラフを作成して楕円形状の欠陥の輪郭を示す輪郭データを作成する輪郭データ作成手段と、前記撮像された画像データを二値化レベルを設定して二値化することにより欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データを作成する濃淡データ作成手段からなるものであることを特徴とする結晶欠陥の自動検査装置。
  7. 前記半導体結晶の表面を撮像して画像データを得る撮像手段が、CCDカメラにより半導体結晶の表面を撮像して画像データを得るものであることを特徴とする請求項に記載の結晶欠陥の自動検査装置。
  8. 前記画像処理手段で作成した欠陥の輪郭を示す輪郭データ及び欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データからLEPを自動判別してLEPを検査する計測手段が、前記欠陥の輪郭を示す輪郭データに重心から輪郭までの距離の平均値の直線を引いたときに交点が4つ有り、かつ前記欠陥の画像の濃淡を表す濃淡データに円形部分が観察されなかったものをLEPとして自動判別し、該LEPとして判別された欠陥をカウントすることによってLEPの検査を行うものであることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の結晶欠陥の自動検査装置。
  9. 前記検査される半導体結晶を複数枚ストックできるストック手段と、該ストック手段から半導体結晶を自動で前記保持ステージに供給・回収する搬送手段を有することを特徴とする請求項ないし請求項のいずれか一項に記載の結晶欠陥の自動検査装置。
  10. 前記検査される半導体結晶に付されたIDを読み取るための読み取り手段と、前記読み取った半導体結晶のIDに基づいて測定条件を照合する照合手段と、半導体結晶の測定条件を前記照合した測定条件に自動で切り替える切替手段を有することを特徴とする請求項ないし請求項のいずれか一項に記載の結晶欠陥の自動検査装置。
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