JPH0876009A - 自動焦点調節装置及びカメラ - Google Patents

自動焦点調節装置及びカメラ

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JPH0876009A
JPH0876009A JP23861094A JP23861094A JPH0876009A JP H0876009 A JPH0876009 A JP H0876009A JP 23861094 A JP23861094 A JP 23861094A JP 23861094 A JP23861094 A JP 23861094A JP H0876009 A JPH0876009 A JP H0876009A
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JP
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defocus amount
area
sns
defocus
lens
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JP23861094A
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Keiji Nagata
桂次 永田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一度所望とする焦点調節対象物が存在する領
域が不明となったとしても、安定して同一の焦点調節対
象物に対するピント合わせを継続させる。 【構成】 今回選択されたデフォーカス量と過去に選択
されたデフォーカス量との関係から、今回選択されたデ
フォーカス量は過去に選択されたデフォーカス量を示す
焦点調節対象物と同一の焦点調節対象物のものであるか
否かを判定する判定手段PRSと、該判定手段にて異な
る焦点調節対象物に対するデフォーカス量と判定された
際には、デフォーカス量検出手段に再度動作を行わせる
と共に、前回選択されたデフォーカス量が得られた領域
及びその近傍の領域に重み付けを行い、前記デフォーカ
ス量検出手段による再度の動作によって得られる複数の
領域それぞれのデフォーカス量の中から、同一の焦点調
節対象物に対するデフォーカス量を持つ領域を判定する
領域判定手段PRSとを設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、過去及び現在のデフォ
ーカス量に基づいて所定時間後における焦点調節対象物
に対してピントが合うべきレンズ駆動量を算出し、これ
に基づいてレンズ駆動を行って同一の焦点調節対象物に
対する所定時間後の予測制御を行う機能を持つ自動焦点
調節装置及び該装置を具備したカメラの改良に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、一眼レフレックスカメラの自動焦
点検出方式の多くは、「焦点検出(センサ信号入力,焦
点検出演算),レンズ駆動」のサイクルを繰返し行うこ
とによって、被写体にピントを合せようとするものであ
る。各サイクルにおけるレンズ駆動量はそのサイクルで
焦点検出を行った時点でのデフォーカス量に基づいてお
り、これはレンズ駆動終了時に焦点検出時のデフォーカ
ス量が解消されることを期待している。
【0003】当然のことながら、焦点検出,レンズ駆動
にはそれ相当の時間を必要とするわけであるが、静止し
た被写体の場合は、レンズ駆動をしない限りデフォーカ
ス量の変化がないので、レンズ駆動が終了した時点に解
消すべきデフォーカス量は焦点検出時点でのデフォーカ
ス量に等しく、正しい焦点調節が行われる。
【0004】従って、静止被写体に対しては、焦点検出
結果が一旦合焦状態となった場合に焦点調節動作を禁止
しても何ら支障はなく、むしろ余分な動作が解消される
有効な状態と言える。
【0005】一方、動く被写体に対しては、焦点検出,
レンズ駆動中にデフォーカス量が変化し、上記解消すべ
きデフォーカスと検出デフォーカスが異なることがあ
り、結果として、レンズ駆動終了時に被写体にピントが
合っていないということがある。そこで、焦点検出結果
が一旦合焦となっても常に焦点調節動作を継続すること
は有効な状態制御と言える。
【0006】ところが、動きの大きな被写体の場合に
は、上記の焦点調節動作を継続する方法でもレンズの追
従遅れが生じ、前記解消すべきデフォーカス量と検出デ
フォーカス量が著しく異なるという問題がある。
【0007】上記問題の解消を目的とした自動焦点調節
方法として、特開昭62−125311号公報、特開昭
62−139512号公報、特開昭62−139511
号公報、特開昭62−269936号公報、特開平1−
107224号公報が開示されている。
【0008】上記提案装置によって開示されている方法
の要旨は、上記各サイクルにおける検出デフォーカス変
化と各サイクルの時間間隔を鑑みて、被写体の移動に起
因するデフォーカス変化を予測してレンズ移動量に補正
をかけようとするものであり、レンズの駆動終了時のピ
ント精度という見地からは、同方法により上記問題の改
善が期待される。
【0009】更に移動する被写体に対しては、焦点検出
領域を複数にすることで、撮影者側の不用意な動きによ
る焦点検出不能状態を回避する自動焦点調節方法も、特
開平1−288816号広報で開示されている。これは
複数の焦点検出領域のどれかが被写体を捕らえていれ
ば、安定した補正を可能とするものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、複数の焦点検
出領域を備えたとしても、常に被写体を追い続けること
は困難である。すなわち、一旦合焦あるいは合焦近傍状
態となった後にすべての領域におけるデフォーカス量が
大となった場合、以前に捕らえられていた被写体とは異
なる被写体を測距していることとなり、この場合上記デ
フォーカス量に基づいてレンズ駆動を行うと未来の被写
体とは異なる被写体に対してピント調整されてしまうこ
とになる。
【0011】上記の様に複数の焦点検出領域におけるデ
フォーカス量検出結果にしたがって上記の如く被写体の
動きによるフォーカス変化を予測して被写体の動きに対
して追従したピント合わせを行う様にする場合には、常
に同一被写体のデフォーカス量の変化を用いて被写体の
動きを予測する必要があるので、あらためてどの領域が
同一被写体に対してデフォーカス量検知を行っているか
を判定し、この領域からのデフォーカス量に基づき上記
予測処理を行わせる必要がある。
【0012】しかし同一被写体に対してのデフォーカス
量の検知を行っている領域を複数の焦点検出領域から選
択する際、各検出デフォーカス量または演算結果に最も
近い領域を選択していたのでは、別の被写体を検出して
いるにも関わらず偶然同一被写体を表すデフォーカス量
に近いデフォーカス量を検出した場合や、デフォーカス
検出誤差により同一被写体を表すデフォーカス量に近い
デフォーカス量を検出した場合など、別の被写体のデフ
ォーカス量を検出する領域を選択してしまい、同一被写
体の動きを追従してピント合わせを行うことができな
い。
【0013】(発明の目的)本発明の目的は、一度所望
とする焦点調節対象物が存在する領域が不明となったと
しても、安定して同一の焦点調節対象物に対するピント
合わせを継続させることのできる自動焦点調節装置及び
カメラを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の本発明は、選択手段にて今回選択さ
れたデフォーカス量と過去に選択されたデフォーカス量
との関係から、今回選択されたデフォーカス量は過去に
選択されたデフォーカス量を示す焦点調節対象物と同一
の焦点調節対象物のものであるか否かを判定する判定手
段と、該判定手段にて異なる焦点調節対象物に対するデ
フォーカス量と判定された際には、デフォーカス量検出
手段に再度動作を行わせると共に、前回選択されたデフ
ォーカス量が得られた領域及びその近傍の領域に重み付
けを行い、前記デフォーカス量検出手段による再度の動
作によって得られる複数の領域それぞれのデフォーカス
量の中から、同一の焦点調節対象物に対するデフォーカ
ス量を持つ領域を判定する領域判定手段とを設け、判定
手段にて異なる焦点調節対象物に対するデフォーカス量
と判定された際には、同一の焦点調節対象物は前回選択
されたデフォーカス量が得られた領域、もしくはその近
傍の領域に存在することが予想される為、それらの領域
に重み付けを行って(前回選択されたデフォーカス量が
得られた領域の重み付けを最大としたり、これらを同一
の重み付けとしたりして)、レンズ駆動に供されるデフ
ォーカス量が得られる領域の判定を行うようにしてい
る。
【0015】また、上記目的を達成するために、請求項
2記載の本発明は、デフォーカス量検出手段による再度
の動作によって得られる複数の領域それぞれのデフォー
カス量またはデフォーカス量からの演算結果に対し、前
回選択されたデフォーカス量が得られた領域及びその近
傍の領域に対して重み付けを持った係数を掛け、その後
予想される同一の焦点調節対象物を示すデフォーカス量
またはデフォーカス量からの演算結果に最も近い領域を
判定する領域判定手段を設け、デフォーカス量またはデ
フォーカス量からの演算結果に対し重み付け係数を掛
け、前回選択されたデフォーカス量が得られた領域及び
その近傍の領域に対する優先度を上げて領域の判定を行
い、再度の領域判定時に、前回選択されたデフォーカス
量が得られた領域から離れた領域へとその領域が一気と
びしないようにしている。
【0016】また、上記目的を達成するために、請求項
3記載の本発明は、時間経過によって、前回選択された
デフォーカス量が得られた領域を中心に領域判定範囲を
広げていき、その後予想される同一の焦点調節対象物を
示すデフォーカス量に最も近い領域を判定する領域判定
手段を設け、判定手段にて異なる焦点調節対象物に対す
るデフォーカス量であると判定されてから時間が経過す
るにつれ、前回選択されたデフォーカス量が得られた領
域を中心に領域判定範囲を広げ、再度の領域判定時に、
前回選択されたデフォーカス量が得られた領域から離れ
た領域へとその領域が一気とびしないようにしている。
【0017】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づいて詳細
に説明する。
【0018】図1は本発明の第1の実施例に関わる焦点
検出系の概略構成を示す斜視図である。
【0019】図1において、MSKは視野マスクであ
り、中央に十字形の開口部MSK−1、両側の周辺部に
縦長の開口部MSK−2,MSK−3,MSK−4,M
SK−5を有している。FLDLはフィールドレンズで
あり、視野マスクMSKの開口部MSK−1に対応した
領域FLDL−1、開口部MSK−2,MSK−4に対
応した領域FLDL−2、開口部MSK−3,MSK−
5に対応した領域FLDL−3から成っている。DPは
絞りであり、中央部には上下左右に一対ずつ計4個の開
口DP−1a,DP−1b,DP−2a,DP−2b
を、また左右の周辺部分には一対ずつ2つの開口DP−
3a,DP−3b及びDP−4a,DP−4bがそれぞ
れ設けられている。前記フィールドレンズFLDLの各
領域FLDL−1,FLDL−2,FLDL−3はそれ
ぞれこれらの開口対DP−1,DP−2,DP−3,D
P−4を不図示の対物レンズの射出瞳付近に結像する作
用を有している。
【0020】AFLは4対計8個のレンズAFL−1
a,AFL−1b,AFL−2a,AFL−2b,AF
L−3a,AFL−3b,AFL−4a,AFL−4b
から成る2次結像レンズであり、絞りDPの各開口に対
応して、その後方に配置されている。SNSは6対計1
2個のセンサ列SNS−1a,SNS−1b,SNS−
2a,SNS−2b,SNS−3a,SNS−3b,S
NS−4a,SNS−4b,SNS−5a,SNS−5
b,SNS−6a,SNS−6から成るセンサ装置であ
り、レンズ対AFL−1にセンサ列対SNS−1が、レ
ンズ対AFL−2にセンサ列対SNS−2が、レンズ対
AFL−3にセンサ列対SNS−3,SNS−5が、レ
ンズ対AFL−3にセンサ列対SNS−4,SNS−6
が、それぞれ対応して、その像を受光するように配置さ
れている。
【0021】この図1に示す焦点検出系では、撮影レン
ズの焦点がフィルム面より前方にある場合、各センサ列
対上に形成される被写体像は互いに近づいた状態にな
り、焦点が後方にある場合には、被写体像は互いに離れ
た状態になる。この被写体像の相対位置変位量は撮影レ
ンズの焦点外れ量と特定の関数関係にあるため、各セン
サ列対でそのセンサ出力に対してそれぞれ適当な演算を
施せば、撮影レンズの焦点外れ量、いわゆるデフォーカ
ス量を検出することが出来る。
【0022】以上の様な構成をとることにより、不図示
の対物レンズにより撮影または観察される範囲の中心付
近では、光量分布が上下または左右の一方向にのみ変化
するような物体に対しても測距することが可能となり、
視野マスクMSKの中心以外の周辺の開口部MSK−
2,MSK−3,MSK−4,MSK−5に対応する位
置にある物体に対しても測距することができる。
【0023】図2は、上記図1の焦点検出系を持つ焦点
検出装置を具備した一眼レフレックスカメラの光学系配
置図である。
【0024】図2において、LNSはズーム撮影レン
ズ、QRMはクイックリターンミラー、FSCRNは焦
点板、PPはペンタプリズム、EPLは接眼レンズ、F
PLNはフィルム面、SMはサブミラー、MSKは視野
マスク、ICFは赤外カットフィルタ、FEDLはフィ
ールドレンズ、RM1,RM2は第1,第2の反射ミラ
ー、SHMSKは遮光マスク、DPは絞り、AFLは2
次結像レンズ、AFPは反射面AFP−1と射出面AF
P−2を有するプリズム部材、SNSはカバーガラスS
NSCG及び受光面SNSPLNを有するセンサであ
る。
【0025】前記プリズム部材AFPは、アルミ等の金
属反射膜を蒸着した反射面AFP−1を有し、2次結像
レンズAFLからの光束を反射して、射出面AFP−2
に偏光する作用を有している。
【0026】図3は、上記図1及び図2の如き焦点検出
装置を備えた一眼レフレックスカメラの具体的な構成の
一例を示すブロック図であり、先ず各部の構成について
説明する。
【0027】図3において、PRSはカメラ制御装置
で、例えば内部にCPU(中央演算処理装置),RO
M,RAM,A/D変換機能を有する1チップのマイク
ロコンピュータ(以下、マイコンと記す)である。
【0028】上記のマイコンPRSは、ROMに格納さ
れたカメラのシーケンスプログラムに従って、自動露出
制御機能,自動焦点調節機能,フィルムの巻上げ,巻戻
し等のカメラの一連の動作を行っている。そのために、
マイコンPRSは通信用信号SO,SI,SCLK、通
信選択信号CLCM,CSDR,CDDRを用いて、カ
メラ本体内の周辺回路及びレンズ内制御回路と通信を行
って、各々の回路やレンズの動作を制御する。
【0029】SOはマイコンPRSから出力されるデー
タ信号、SIはマイコンPRSに入力されるデータ信
号、SCLKは信号SO,SIの同期クロックである。
【0030】LCMはレンズ通信バッファ回路であり、
カメラが動作中のときにはレンズ用電源端子VLに電力
を供給するとともに、マイコンPRSからの選択信号C
LCMが高電位レベル(以下、“H”と記し、低電位レ
ベルは“L”と記する)のときには、カメラとレンズ間
の通信バッファとなる。
【0031】マイコンPRSが選択信号CLCMを
“H”にして、SCLKに同期して所定のデータを信号
SOとして送出すると、バッファ回路LCMはカメラ・
レンズ間通信接点を介してSCLK,SOの各々のバッ
ファ信号LCK,DCLをレンズへ出力する。それと同
時にレンズLNSからの信号DLCのバッファ信号を信
号SIとして出力し、マイコンPRSはSCLKに同期
して信号SIをレンズのデータとして入力する。
【0032】DDRはスイッチ検知及び表示用回路であ
り、信号CDDRが“H”のとき選択されて、SO,S
I,SCLKを用いてマイコンPRSにて制御される。
即ち、マイコンPRSから送られてくるデータに基づい
てカメラの表示部材DSPの表示を切替えたり、カメラ
の各種操作部材のオンオフ状態を通信によってマイコン
PRSに報知する。
【0033】SW1,SW2は不図示のレリーズボタン
に連動したスイッチで、レリーズボタンの第1段階の押
下によりスイッチSW1がオンし、引続いて第2段階の
押下でスイッチSW2がオンする。マイコンPRSはス
イッチSW1のオンで測光,自動焦点調節を行い、スイ
ッチSW2のオンをトリガとして露出制御とその後のフ
ィルムの巻上げを行う。
【0034】なお、スイッチSW2はマイコンであるP
RSの「割込み入力端子」に接続され、スイッチSW1
のオン時のプログラム実行中でも、スイッチSW2のオ
ンによって割込みがかかり、直ちに所定の割込みプログ
ラムへ制御を移すことができる。
【0035】MTR1はフィルム給送用の、MTR2は
ミラーアップ・ダウン及びシャッタばねチャージ用の、
それぞれモータであり、各々の駆動回路MDR1,MD
R2により正転,逆転の制御が行われる。マイコンPR
SからMDR1,MDR2に入力されている信号M1
F,M1R,M2F,M2Rはモータ制御用の信号であ
る。
【0036】MG1,MG2は各々シャッタ先幕,後幕
走行開始用マグネットで、信号SMG1,SMG2、増
幅トランジスタTR1,TR2で通電され、マイコンP
RSによりシャッタ制御が行われる。
【0037】なお、スイッチ検知及び表示用回路DD
R,モータ駆動回路MDR1,MDR2,シャッタ制御
は本発明と直接関りがないので、詳しい説明は省略す
る。
【0038】LPRSはレンズ内制御回路で、該回路L
PRSにLCKに同期して入力される信号DCLは、カ
メラからレンズLNSに対する命令のデータであり、命
令に対するレンズの動作は予め決められている。制御回
路LPRSは所定の手続きに従ってその命令を解析し、
焦点調節や絞り制御の動作や、出力DLCからレンズの
各部動作状況(焦点調節光学系の駆動状況や、絞りの駆
動状態等)や各種パラメータ(開放Fナンバー,焦点距
離,デフォーカス量対焦点調節光学系の移動量の係数
等)の出力を行う。
【0039】この実施例では、ズームレンズの例を示し
ており、カメラから焦点調節の命令が送られた場合に
は、同時に送られてくる駆動量・方向に従って焦点調節
用モータLTMRを信号LMF,LMRによって駆動し
て、焦点調節光学系を光軸方向に移動させて焦点調節を
行う。光学系の移動量は光学系に連動して回動するパル
ス板のパターンをフォトカプラにて検出し、移動量に応
じた数のパルスを出力するエンコーダ回路ENCFのパ
ルス信号SENCFでモニタし、制御回路LPRS内の
カウンタで計数し、該カウント値が制御回路LPRSに
送られた移動量に一致した時点で、該制御回路LPRS
自身が信号LMF,LMRを“L”にしてモータLMT
Rを制御する。
【0040】このため、一旦カメラから焦点調節の命令
が送られた後は、カメラの制御装置であるところのマイ
コンPRSはレンズの駆動が終了するまで、レンズ駆動
に関して全く関与する必要がない。また、制御回路LP
RSはカメラから要求があった場合には、上記カウンタ
の内容をカメラに送出することも可能な構成になってい
る。
【0041】カメラから絞り制御の命令が送られた場合
には、同時に送られてくる絞り段数に従って、絞り駆動
用としては公知のステッピングモータDMTRを駆動す
る。なお、ステッピングモータはオープン制御が可能な
ため、動作をモニタするためのエンコーダを必要としな
い。
【0042】ENCZはズーム光学系に付随したエンコ
ーダ回路であり、制御回路LPRSはエンコーダ回路E
NCZからの信号SENCZを入力してズーム位置を検
出する。制御回路LPRS内には各ズーム位置における
レンズ・パラメータが格納されており、カメラ側のマイ
コンPRSから要求があった場合には、現在のズーム位
置に対応したパラメータをカメラに送出する。
【0043】SPCは撮影レンズを介した被写体からの
光を受光する露出制御用の測光センサであり、その出力
SSPCはマイコンPRSのアナログ入力端子に入力さ
れ、A/D変換後、所定のプログラムに従って自動露出
制御に用いられる。
【0044】SDRは焦点検出用センサ(ラインセン
サ)装置SNSの駆動回路であり、信号CSDRが
“H”のときに選択されて、SO,SI,SCLKを用
いてマイコンPRSから制御される。
【0045】駆動回路SDRからセンサ装置SNSへ与
える信号φSEL0,φSEL1,φSEL2はマイコ
ンPRSからの信号SEL0,SEL1,SEL2その
ものであり、φSEL0=“L”、φSEL1=
“L”、φSEL2=“H”のときセンサ列対SNS−
1(SNS−1a,SNS−1b)を、φSEL0=
“L”、φSEL1=“H”、φSEL2=“L”のと
きセンサ列対SNS−2(SNS−2a,SNS−2
b)を、φSEL0=“L”、φSEL=“H”、φS
EL2=“H”のときセンサ列対SNS−3(SNS−
3a,SNS−3b)を、φSEL0=“H”、φSE
L1=“L”、φSEL2=“L”のときセンサ列対S
NS−4(SNS−4a,SNS−4b)を、φSEL
0=“H”、φSEL1=“L”、φSEL2=“H”
のときセンサ列対SNS−5(SNS−5a,SNS−
5b)を、φSEL0=“H”、φSEL1=“H”、
φSEL2=“L”のときセンサ列対SNS−6(SN
S−6a,SNS−6b)を、それぞれ選択する信号で
ある。
【0046】蓄積終了後に、SEL0,SEL1,SE
L2(φSEL0,φSEL1,φSEL2)で選択さ
れたセンサ列対の像信号が出力VOUTから順次シリア
ルに出力される。
【0047】VP1,VP2,VP3,VP4,VP
5,VP6はそれぞれ各センサ列対SNS−1(SNS
−1a,SNS−1b)、SNS−2(SNS−2a,
SNS−2b)、SNS−3(SNS−3a,SNS−
3b)、SNS−4(SNS−4a,SNS−4b)、
SNS−5(SNS−5a,SNS−5b)、SNS−
6(SNS−6a,SNS−6b)の近傍に配置された
被写体輝度モニタ用センサからの信号で、蓄積開始とと
もにその電圧が上昇し、これにより各センサ列の蓄積制
御が行われる。
【0048】信号φRES,φVRSはセンサ装置SN
Sのリセット用クロック、信号φHRS,φSHは像信
号の読出し用クロック、信号φT1,φT2,φT3,
φT4,φT5,φT6はそれぞれ各センサ列対の蓄積
を終了されるためのクロックである。
【0049】センサ駆動回路SDRの出力VIDEOは
センサ装置SNSからの像信号VOUTと暗電流出力の
差をとった後、被写体の輝度によって決定されるゲイン
で増幅された像信号である。上記暗電流出力とは、セン
サ列中の遮光された画素の出力値であり、上記のセンサ
駆動回路SDRはマイコンPRSからの信号DSHによ
ってコンデンサにその出力を保持し、これと像信号との
差動増幅を行う。出力VIDEOはマイコンPRSのア
ナログ入力端子に入力されており、該マイコンPRSは
同信号をA/D変換後、そのディジタル値をRAM上の
所定アドレスへ順次格納してゆく。
【0050】信号/TINTE1,/TINTE2,/
TINTE3,/TINTE4,/TINTE5,/T
INTE6はそれぞれセンサ列対SNS−1(SNS−
1a,SNS−1b)、SNS−2(SNS−2a,S
NS−2b)、SNS−3(SNS−3a,SNS−3
b)、SNS−4(SNS−4a,SNS−4b)、S
NS−5(SNS−5a,SNS−5b)、SNS−6
(SNS−6a,SNS−6b)に蓄積された電荷で適
正となり、蓄積が終了したことを表す信号で、マイコン
PRSはこれを受けて像信号の読出しを実行する。
【0051】信号BTIMEはセンサ駆動回路SDR内
の像信号増幅アンプの読出しゲイン決定のタイミングを
与える信号で、通常上記回路SDRはこの信号が“H”
となった時点でのモニタ信号VP1〜VP6の電圧か
ら、対応するセンサ列対の読出しゲインを決定する。
【0052】CK1,CK2は上記クロックφRES,
φVRS,φHRS,φSHを成形するために、マイコ
ンPRSからのセンサ駆動回路SDRへ与えられる基準
クロックである。
【0053】マイコンPRSが通信選択信号CSDRを
“H”として所定の「蓄積選択コマンド」をセンサ駆動
回路SDRに送信することによってセンサ装置SNSの
蓄積動作が開始される。
【0054】これにより、6個のセンサ列対で各センサ
上に形成された被写体像の光電変換が行われ、センサの
光電変換素子部には電荷が蓄積される。同時に各センサ
の輝度モニタ用センサの信号VP1〜VP6が上昇して
ゆき、この電圧が所定レベルに達すると、センサ駆動回
路SDRを介して前記信号/TINTE1〜/TINT
E6がそれぞれ独立に“L”となる。
【0055】マイコンPRSはこれをに受けてクロック
CK2に所定の波形を出力する。センサ駆動回路SDR
はCK2に基づいてクロックφSH,φHRSを生成し
てセンサ装置SNSに与え、センサ装置SNSはクロッ
クによって像信号を出力し、マイコンPRSは自ら出力
しているCK2に同期して内部のA/D変換機能でアナ
ログ入力端子に入力されている出力VIDEOをA/D
変換後、ディジタル信号としてRAMの所定アドレスへ
順次格納していく。
【0056】なお、センサ駆動回路SDR,センサ装置
SNSの動作については、2対のセンサ列を有する焦点
検出装置として、特開昭63ー216905号広報等で
開示されているので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0057】以上の様にして、マイコンPRSは各セン
サ列対上に形成された被写体像の像情報を受けとってそ
の後所定の焦点検出演算を行い、撮影レンズのデフォー
カス量を知ることが出来る。
【0058】次いで、上記構成によるカメラの自動焦点
調節動作について、以下のフローチャートに従って説明
する。
【0059】図4はごく大まかなカメラ全体のシーケン
スのフローチャートである。
【0060】図3に示した回路に給電が開始されると、
マイコンPRSは図4のステップ(000)から実行を
開始し、ステップ(001)において、レリーズボタン
の第1段階押下によりオンするスイッチSW1の状態検
知を行い、オフならばステップ(002)へ移行し、全
てのフラグと変数を初期化する。スイッチSW1がオン
であればステップ(003)へ移行し、カメラの動作を
開始する。
【0061】ステップ(003)においては、測光や各
種スイッチ類の状態検知,表示等の「AE制御」サブル
ーチンを実行する。AE制御は本発明と直接関りがない
ので詳しい説明は省略する。サブルーチン「AE制御」
が終了すると、次いでステップ(004)へ移行する。
【0062】ステップ(004)においては、「AF制
御」サブルーチンを実行する。ここではセンサの蓄積,
焦点検出演算,レンズ駆動の自動焦点調節動作を行う。
サブルーチン「AF制御」が終了すると再びステップ
(001)へ戻り、電源がオフするまでステップ(00
3),(004)を繰返し実行してゆく。
【0063】なお、本実施例のフローチャートでは、レ
リーズ動作について記述していないが、レリーズ動作は
本発明と直接関りがないのであえて省略している。
【0064】図5は、図4に示したステップ(004)
において実行される「AF制御」サブルーチンのフロー
チャートである。
【0065】この「AF制御」サブルーチンがコールさ
れると、ステップ(010)を経てステップ(011)
以降のAF制御を実行していく。
【0066】先ず、ステップ(011)において、「焦
点検出」サブルーチンを実行する。ここでは焦点検出動
作のための各センサへの像信号の蓄積,読出しから焦点
検出演算までを行うもので、図6及び図7にそのフロー
チャートを示している。
【0067】次のステップ(012)においては、各領
域の中からどの領域を選び、そのデフォーカス量を用い
るかを選択する「領域選択」サブルーチンを実行する。
本実施例では主に動く被写体に対し焦点調節することを
目的とし、図3における中央の領域を優先する事とする
(詳細は図8にて行う)。
【0068】続くステップ(013)においては、「予
測演算」サブルーチンを実行する。「予測演算」サブル
ーチンは動きの大きい被写体に対するレンズ駆動量補正
を行うもので、図9に補正方法を説明するための図を、
図10にそのフローチャートを示している。
【0069】続くステップ(014)においては、焦点
調節動作において補正を行う状態かどうかの判断を行
う。補正を行う状態ならば、即ち演算に必要なデータが
充分揃っているならばステップ(015)へ進み、補正
を行わないならばステップ(016)へ進む。
【0070】ステップ(015)においては、「予測判
定」サブルーチンを実行する。「予測判定」サブルーチ
ンは、補正量を求める演算過程で求まる被写体の像面移
動速度の変化量と変化率で判定を行うもので、図11に
その実際のフローチャートを示している。
【0071】ステップ(016)においては、「デフォ
ーカス量判定」サブルーチンを実行する。「デフォーカ
ス量判定」サブルーチンは本来の被写体を正しく測距し
ているかどうかの判定を行うもので、図14にそのフロ
ーチャートを示している。
【0072】ステップ(017)においては、「レンズ
駆動」サブルーチンを実行し、上記ステップ(011)
での検出デフォーカス量あるいはステップ(013)で
補正を加えられたデフォーカス量に基づいてレンズ駆動
を行う。「レンズ駆動」サブルーチンについて図15の
フローチャートにより詳述する。
【0073】レンズ駆動完了後はステップ(018)よ
り「AF制御」サブルーチンをリターンする。
【0074】図6及び図7は、前述した様に、図1のス
テップ(011)において実行されるサブルーチン「焦
点検出」を示すフローチャートである。
【0075】このサブルーチン「焦点検出」がコールさ
れると、ステップ(110)を経てステップ(111)
以降の焦点検出動作を実行してゆく。
【0076】まず、ステップ(111)において、スイ
ッチSW1がオンして1回目のAF制御であるか否かを
判別し、1回目である場合にはステップ(112)へ移
行し、選択センサを初期化する。
【0077】次いでステップ(113−1)において、
マイコンPRSの内蔵タイマTIMERの内容をTNに
入力し、次のステップ(113−2)において、データ
更新可か否かを判定する。初回は更新可であるのでステ
ップ(113−3)に進み、メモリTM2の内容をTM
1に入力し、続くステップ(113−4)において、T
M2に「TN−TN1」の内容を入力する。そして、次
のステップ(113−5)において、サブルーチン「蓄
積開始」を実行する。
【0078】上記のTN1には、後述する図12のステ
ップ(519’)又は図11のステップ(427’)に
おいて、上記ステップ(113−1)のTNが入力され
ており、これは前回の蓄積開始時の時刻データに相当す
るためである。よって、ステップ(113−4)で得ら
れるTM2は前回から今回までの焦点検出動作間隔とな
り、ステップ(113−3)での処理にてTM1は前回
から前々回までの焦点検出動作間隔となる。
【0079】ステップ(113−5)で実行されるサブ
ルーチン「蓄積開始」はセンサの蓄積動作を開始させる
ルーチンであり、具体的にはセンサ駆動回路SDRへ蓄
積開始命令を送出して、センサ装置SNSの蓄積動作を
開始させ、それとともに上記回路SDRからの各センサ
蓄積終了信号/TINTE1〜/TINTE6によって
マイコンPRSが「蓄積完了割込み」を実行できるよう
に割込み機能を許可するサブルーチンである。これによ
り、6個のセンサ列対SNS−1〜SNS−6がそれぞ
れ蓄積完了となった時点で各々の蓄積完了割込みが実行
されることになる。
【0080】各センサ(列対)の蓄積終了は信号/TI
NTE1〜/TINTE6の立ち下がりによって検知す
ることが出来、これらの信号はマイコンPRSの「割込
み機能付き入力端子」に接続されている。
【0081】図6の図中、破線で示されているが割込
み制御を表しており、信号/TINTE1〜/TINT
E6による割込みが発生した場合には、同図のを介し
て、図7に示した各割込みルーチンへ制御が移行する。
従って、例えばセンサ列対SNS−1の電荷蓄積が適正
となって、センサ駆動回路SDRからの信号/TINT
E1が立ち下がれば、これに応答して図7のステップ
(150)以降の割込みルーチンへ移行することが出来
る。
【0082】図7のステップ(150)以降の割込みル
ーチンは、センサ列対SNS−1の像信号を入力するた
めのルーチンである。
【0083】ステップ(151)において、センサ列対
SNS−1の像信号を入力後、次のステップ(152)
において割込みルーチンをリターンする。像信号の入力
は、マイコンPRSのアナログ入力端子に入力される出
力VIDEOをシリアルA/D変換し、そのディジタル
データを所定RAM領域へ順次格納してゆくことで達成
される。
【0084】センサ列対SNS−2,SNS−3,SN
S−4,SNS−5,SNS−6の蓄積が終了した場合
も同様に割込み制御で、それぞれ図7のステップ(15
3),(156),(159),(162),(16
5)へ移行し、各センサの像信号入力が行われる。
【0085】サブルーチン「蓄積開始」や像信号入力の
具体的方法については、特開昭63−216905号公
報で開示されているので、詳細な説明は省略する。
【0086】図6に戻って説明を続ける。
【0087】各センサの像信号入力処理は割込み制御に
しているので、図中ステップ(114)〜(132)の
焦点検出演算等の実行中に蓄積完了時点で随時優先して
処理されることになる。
【0088】さて、ステップ(113−5)でセンサの
蓄積動作が開始されると、ステップ(114)に移行す
る。
【0089】ステップ(114)においては、センサ列
対SNS−1の焦点検出演算が終了しているかどうかを
判定し、終了していない場合にはステップ(115)へ
移行する。
【0090】ステップ(115)においては、センサ列
対SNS−1の像信号入力が既に割込み処理完了か否か
を判定し、完了していればステップ(116)に移行し
て、該センサ列対SNS−1の像信号に基づく焦点検出
演算を実行する。デフォーカス量検出のための具体的な
演算方法は、特願昭61−160824号公報等に開示
されているので、詳細な説明は省略する。
【0091】上記ステップ(114)においてセンサ列
対SNS−1の焦点検出演算が終了している場合、ある
いは、ステップ(115)にてセンサ列対SNS−1の
像信号の入力が完了していない場合、あるいは、ステッ
プ(116)にてセンサ列対SNS−1の焦点検出演算
が終了した後は、何れもステップ(117)へと移行す
る。
【0092】ステップ(117),(118),(11
9)では上述した処理をセンサ列対SNS−2に対して
行う。
【0093】更にステップ(120),(121),
(122)においては、センサ列対SNS−3に対し
て、ステップ(123),(124),(125)にお
いては、センサ列対SNS−4に対して、ステップ(1
26),(127),(128)においては、センサ列
対SNS−5に対して、ステップ(129),(13
0),(131)においては、センサ列対SNS−6に
対して、それぞれ上述の処理を行う。
【0094】ステップ(132)においては、全てのセ
ンサ(列対)に対して対応した焦点検出演算が終了した
か否かを判定し、終了していない場合はステップ(11
4)へ戻り、全て終了している場合はステップ(13
3)へ移行する。
【0095】ここまでをまとめると、ステップ(11
3)で蓄積動作を開始させた後は、各センサの像信号が
割込み処理で読み込まれるのを待ちながらステップ(1
14)〜(132)を繰返し実行して、像信号の読み込
まれたセンサから順次焦点検出演算を行っていることに
なる。
【0096】全てのセンサの焦点検出演算が終了する
と、ステップ(133)にて、この「焦点検出」サブル
ーチンをリターンする。
【0097】図8は、図1のステップ(012)におい
て実行されるサブルーチン「領域選択」を戻すフローチ
ャートである。
【0098】本実施例では前述したように、動く被写体
にも追従可能なことを目的として、中央の被写体、更に
検出デフォーカス量が後ピントの領域を優先して選択判
定を行っている。
【0099】このサブルーチン「領域選択」がコールさ
れると、ステップ(201)を経てステップ(202)
以降の領域選択動作を実行していく。
【0100】先ず、ステップ(202)において、セン
サ列対SNS−1,SNS−2が共にデフォーカス検出
不能であるかどうかを判定する。センサ列対SNS−1
とSNS−2は、図1に示した様に、ファインダ中央域
の被写体に対応したセンサである。共に検出不能の場合
はステップ(208)へ移行し、何れか一方あるいは両
方とも検出可能な場合にはステップ(203)へ移行す
る。
【0101】ステップ(203)においては、センサ列
対SNS−1がデフォーカス検出不能であるかどうかを
判断する。センサ列対SNS−1が検出不能な場合はス
テップ(204)へ移行して、今回の「領域選択」サブ
ルーチンでの選択領域をセンサ列対SNS−2と決定
し、ステップ(209)へ移行する。一方、センサ列対
SNS−1が検出可能な場合はステップ(205)へ移
行して、センサ列対SNS−2がデフォーカス検出不能
かどうかを判断する。センサ列対SNS−2が検出不能
な場合はステップ(206)へ移行して、今回の「領域
選択」サブルーチンでの選択領域をセンサ列対SNS−
1と決定し、ステップ(209)へ移行する。また、セ
ンサ列対SNS−1とSNS−2がともに検出可能な場
合は、ステップ(207)で両センサのうち最も後ピン
トデフォーカス量を呈しているセンサを選択し、今回の
「領域選択」サブルーチンでの選択領域としてステップ
(209)へ移行する。
【0102】ステップ(208)においては、センサ列
対SNS−1とSNS−2が共にデフォーカス検出不能
な場合なので、他のデフォーカス検出可能なセンサのう
ち、最も後ピントのデフォーカス量を呈する領域を今回
の「領域選択」サブルーチンでの選択領域と決定し、ス
テップ(209)へ移行する。
【0103】ステップ(209)においては、選択され
たセンサ領域の検出デフォーカス量を今回の「領域選
択」サブルーチンでの選択デフォーカス量とし、ステッ
プ(210)へ移行する。
【0104】最後にステップ(210)にて、この「領
域選択」サブルーチンをリターンする。
【0105】図9は、前述のレンズ駆動量補正方法を説
明するための図であり、図中、横軸は時刻t、縦軸は被
写体の像面位置dを表している。
【0106】また、実線で表した軌跡f(t)は被写体
の像面位置、破線で表した軌跡L(t)はレンズの像面
位置を意味している。
【0107】より詳しく述べるならば、f(t)は撮影
レンズの焦点調節光学系が焦点を無限遠に結ぶ位置にあ
るときに、カメラに対して光軸方向に接近してくる被写
体の時刻tにおける像面位置を意味し、L(t)は時刻
tにおける焦点調節光学系位置での同じ被写体の像面位
置を意味している。区間[ti,ti’]が焦点検出動
作、[ti’,ti+1]がレンズ駆動動作に相当す
る。
【0108】従って、同一時刻tにおけるf(t)とL
(t)の縦軸d方向の差が、いわゆるデフォーカス量で
ある。DFiは時刻tiにおける検出されたデフォーカ
ス量、DLiは時刻tiにおける焦点検出結果から実行
された像面位置換算のレンズ駆動量、TMiは焦点検出
動作の時間間隔をそれぞれ表している。
【0109】同図に示した例では補正演算するための前
提として、被写体の像面位置が2次関数に従って変化す
る、という仮定をおいている。即ち、時刻t3におい
て、現在及び過去3回の像面位置(t1,f1)、(t
2,f2)、(t3,f3)がわかれば、時刻t4のお
ける像面位置f4が予測できるものとしている。
【0110】ところが、現実にカメラが検知し得るの
は、像面位置f1,f2,f3ではなく、デフォーカス
量DF1,DF2,DF3並びに像面移動量換算のレン
ズ駆動量DL1,DL2である。そして、時刻t4はあ
くまでも将来の値であり、実際には被写体輝度によって
蓄積型センサの蓄積時間が変化すると、それに伴って変
化する値であるが、f4を決定する際には、簡単のため t4−t3=t3−t2 なる関数で既知なるものとの仮定をおく。
【0111】以上の仮定の下に、時刻t3での焦点検出
結果から時刻t3’でt4に向けてレンズ駆動を行う際
の、像面移動量換算のレンズ駆動は以下のようにして求
めてゆく。
【0112】 a・t2 +b・t+c=f(t) ………(1) a・t12 +b・t1+c=f(t1) ………(2) a・t22 +b・t2+c=f(t2) ……(2’) a・t32 +b・t3+c=f(t3) ……(2”) 図9中、L1点を原点と考えると、 f1=DF1 ………(3) f2=DF2+DL1 ……(3’) f3=DF3+DL2+DL1 ……(3”) t1=0 ………(4) t2=TM1 ……(4’) t3=TM1+TM2 ……(4”) 上記の式(3),(3’),(3”),(4),
(4’),(4”)を、上記の(2),(2’),
(2”)に代入して、a,b,cを求めると、 a=〔(DF3+DL2−DF2)/{(TM1+TM2)・TM2}〕 −〔(DF2+DL1−DF1)/{(TM1+TM2)・TM1}〕 ………(5) b=(DF2+DL1ーDF1)/TM1−(a・TM1) ……(6) c=DF1 ………(7) よって、時刻t4における像面移動量換算のレンズ駆動
量DL3は、 DL3=f4−L3 =f4−(f3−DF3) =a・(TM1+TM2+TM3)2 +b(TM1+TM2+TM3) +C−{a・TM1+TM2)2 −b・(TM1+TM2)+C} +DF3 =a・{(TM1+TM2+TM3)2 −(TM1+TM2)2 } +b・TM3+DF3 ………(8) ここで、TM3は前述したように、「TM3=TM2」
なる関係で既知であるものとして、上記式(8)よりD
L3が求まる。
【0113】時刻t4以降のtnにおけるレンズ駆動量
も同様にして、過去3回の検出デフォーカス量DFn−
2,DFn−1,DFn並びに過去2回の実際のレンズ
駆動量DLn−2,DLn−1、そして過去2回の時間
間隔TMn−2,TMn−1から求めることができる。
【0114】 an=(DFn+DLn−1ーDFn−1) /〔(TMn−2+TMn−1)・TMn−1〕 −(DFn−1+DLn−2−DFn−2) /〔(TMn−2+TMn−1)・TMn−2〕 ………(9) bn=(DFn−1+DLn−2−DFn−2) /(TMn−2)−a・TMn−2 ……(10) DLn=an{(TMn−2+TMn−1+TMn)2 −(TMn−2+TMn−1)2 }+bn・TMn+DFn ……(11) 上記の式(9),(10),(11)に従って、検出デ
フォーカス量DFnから、レンズ駆動を行うためのデフ
ォーカス量DLnを求めてレンズ駆動を行えば、動いて
いる被写体に対しても、レンズ駆動終了時には常に適正
なピント合せが可能となる。
【0115】なお、上記補正方法では3次関数で像面位
置を外挿するため、過去2回の焦点調節動作のデータが
必要である。ところが焦点調節を開始して最初の2回は
データが不足しているので、図9にも示したように、焦
点調節動作の最初の2回は検出デフォーカス量そのもの
に基づいてレンズを駆動する。これが前述した補正手段
でも実際に補正を加えない状態である。つまり、実際の
補正演算は第3回目のレンズ駆動から行われ、図9にも
表現したように、時刻t4から補正効果が表れる。
【0116】図10は、「予測演算」サブルーチンを示
すフローチャートである。
【0117】本実施例では、先に述べた補正演算式
(9),(10),(11)中のデフォーカス量をレン
ズ移動量に置換えて演算する。
【0118】最新の検出デフォーカス量をDEF、後述
するようなレンズ係数をSとした場合、以下の関係とな
る。
【0119】 DFn=DEF・S ………(12) 上記式(12)の置換え後、上記の式(9),(1
0),(11)なる漸化形式の補正式を行うと、DLn
なる補正されたレンズ駆動量が得られる。
【0120】先ず、ステップ(302)において、予測
のデータの更新の判断を行う。更新が不可ならば、後述
するように予測演算あるいは焦点検出動作のみのやり直
しであるので前回までの予測データの更新は行われず
に、ステップ(306)へ移行する。更新可能ならば続
くステップ(303)へ移行する。
【0121】ステップ(303),(304)において
は、今回の補正演算のためにデータ更新を行っている。
即ち、上記の式(9),(10),(11)は漸化式形
式で表されており、補正演算実行時点でその時点から過
去複数回のデータを用いるものである。ステップ(30
3)においては、検出デフォーカス量のレンズ移動量換
算のデータを、ステップ(304)においては、レンズ
駆動すべき補正デフォーカス量のレンズ移動量換算デー
タをそれぞれ更新している。
【0122】次のステップ(305)においては、今回
から次回の焦点調節動作までの時間間隔TMnに対応す
るTM3にTM2の値を格納する。即ち、上記の式(1
1)の説明のときに述べたように、前回から今回までの
焦点調節動作の時間間隔TM2を、今回から次回の時間
間隔TM3と仮定している。尚、TM2は図6のステッ
プ(113−4)にて求められた値を用いる。
【0123】次のステップ(306)においては、レン
ズからレンズ係数「S」を入力し、次のステップ(30
7)において、上記の式(12)で表された、デフォー
カス量のレンズ移動量換算を行う。式(9),(1
0),(11)は漸化形式であるから、今回のデフォー
カス量DEFに上記の式(12)の演算を行うことで全
てのデフォーカス量のレンズ移動量換算が達成される。
【0124】次のステップ(308)においては、予測
演算を行うためのデータが揃っているかのチエックを行
う。過去2回の焦点調節動作及び今回の測距結果のデー
タが揃っていない場合はステップ(309)へ移行し
て、上記ステップ(307)で得られた最新デフォーカ
ス量(DEF)のレンズ駆動すべき(DF3)を今回の
演算レンズ駆動量(DLS)とし、そのままステップ
(313)へ移行する。
【0125】予測演算を行うためのデータが十分揃って
いるならばステップ(310)に移行する。ステップ
(310)においては上記の式(9)を、ステップ(3
11)においては上記の式(10)を、ステップ(31
2)においては上記の式(11)をそれぞれ実行し、レ
ンズ駆動すべき演算されたデフォーカス量のレンズ移動
量換算値DLSを得る。
【0126】そして、ステップ(313)において、 DL=DLS/S を計算することによって、上記レンズ移動量DLSを、
「レンズ駆動」サブルーチンのために、再びデフォーカ
ス量DLに換算し、ステップ(314)にて「予測演
算」サブルーチンをリターンする。
【0127】尚、ステップ(310),(311),
(312)でのTM1は、図6のステップ(113−
3)のデータを用いる。
【0128】図11は、「予測判定」サブルーチンを示
すフローチャートである。
【0129】ここで、被写体像面移動速度に関する判定
について説明を行う。
【0130】図9において、f(t)上の2点f1,f
2間の被写体像面移動速度V12はこの2点f1,f2
を結ぶ直線の傾きである。式で表現すると V12=(DF2+DF1−DF1)/TM1 ………(13) となり、同様に2点f2,f3間の像面移動速度V23
は V23=(DF3+DL2−DF2)/TM2 ………(14) となる。
【0131】この2つの値について、変化量に着目した
判定とは Vd=V12−V23 ………(15) なるVdを算出して、このVdあるいは絶対値|Vd|
と判定基準となる値(Voとする)と比較して判定を行
うものである。例えば、|Vd|がVoを越えなければ
適正とするといったものである。
【0132】一方、この2つの値の変化率に着目した判
定を行うために、変化率を表す値Vcを以下のように求
める。
【0133】 Vc=(V23/V12)+(V12/V23) ………(16) 上記の式(16)は、V12とV23が等しいときのみ
「Vc=2」となる。これ以外はV12とV23の変化
率に応じた値となる。また、V12とV23の方向が同
じなら正の値となり、方向が逆転すれば負の値となる。
例えば、同方向で2倍に変化すれば「Vc=2.5 」とな
る。
【0134】上記のような値Vcを用いて像面速度の方
向変化を調べ、方向が変化していなければ更にVcの値
と所定の判定値(Vp例えば2.7 とする)とを比較す
る。VcがVpを越えない場合は、変化率が適正と判断
して求めた補正量でレンズ駆動量の補正を行う。一方、
方向が変化していたり、VcがVpを越える場合には、
次の判定を行う。第2段階の判定は、前述のように像面
速度の変化量の絶対値|Vd|と所定の基準値Voを比
較することで行う。
【0135】ステップ(402)においては上記の式
(13)を、ステップ(403)においては上記の式
(14)を、ステップ(404)においては上記の式
(16)を、それぞれ実行し、まず被写体像面移動速度
V12,V23、そして第1段階の判定に必要な値Vc
を求める。
【0136】続くステップ(405)においては、Vc
の正負を確かめ、V12,V23の方向の変化を調べ
る。もしVcが負であるならば方向が変化したとして、
ステップ(413)へ移行する。また、Vcが正ならば
ステップ(406)に移行して第1段階の判定基準値V
pとVcを比較して、像面移動速度の変化率が適正であ
るかを調べる。VcがVpを越えるならば変化率が適正
でないと判定し、ステップ(413)へ移行して第2段
階の判定を行う。
【0137】一方、VcがVpを越えなければ像面移動
速度の変化率が適正であったとして、ステップ(40
7)において、現在測距領域を変更しての再予測演算中
であるかを判定する。通常ならば演算された補正量でレ
ンズ駆動するためそのままステップ(427)に移行す
る。再演算については後述する。
【0138】ステップ(413)においては、第2段階
の判定に必要な値Vdを上記の式(15)の絶対値とし
て求める。次のステップ(414)においては、第2段
階の判定基準値VoとVdを比較して像面移動速度の変
化量を調べる。VdがVoを越えなければ変化量的には
適正であったとして、ステップ(407)へと移行す
る。一方、VdがVoを越えるならば変化量的にも適正
でないとなる。これはステップ(012)の「領域選
択」サブルーチンにより選択された測距領域によるデフ
ォーカス量が補正演算に適正でないことである。よっ
て、以後他の領域の検出デフォーカス量による再予測演
算を行い、補正に適正なデフォーカス量を呈する測距領
域を見つけることとなる。
【0139】ステップ(415)においては、ステップ
(407)と同様に現在再予測演算中であるかの判断を
行う。ここではまず再演算中でないので、そのままステ
ップ(416)へ移行する。
【0140】ステップ(416)においては、予測のデ
ータ更新を禁止する。この禁止動作で現在再予測演算中
が再蓄積中であることが表現され、先述の「予測演算」
サブルーチンのステップ(302)での判断に用いられ
る。この後ステップ(417)に移行する。
【0141】ステップ(417)においては、再予測演
算のための「測距領域変更」サブルーチンを実行する。
このサブルーチンでは現在選択されている測距領域以外
の各領域のうち、焦点検出可能と判定された各領域にお
ける各デフォーカス量に対して上記予測演算処理を行う
ため、選択領域を順次切換える。例えば選択領域がセン
サ列対SNS−4であったとし、この領域におけるデフ
ォーカス量が不適正と判定され、このステップ(41
7)に進んだとすると、センサ列対SNS−1の領域を
指定し、ステップ(418)に進む。
【0142】ステップ(418)においては、上記各領
域全ての予測演算処理が終了したか否かを判定し、全て
の領域での処理が終了しないときにはステップ(41
9)へ進み、「予測演算」サブルーチンを実行させる。
【0143】今、上記の如くセンサ列対SNS−4の領
域が不適正と判定され、センサ列対SNS−1の領域が
指定されたとすると、このセンサ列対SNS−1でのデ
フォーカス量を用いて上記予測演算を行い、その後予測
判定サブルーチンに移行し、上記のステップ(40
1),(402),(403),(404),(40
5),(406),(413),(414)等が実行さ
れる。そして、センサSNS−1の領域のデフォーカス
量でも不適正と判定すればステップ(415)(41
7)へ進み、領域をセンサ列対SNS−1からSNS−
2に切換え、この領域のデフォーカス量を用いて上述の
予測演算を行う。
【0144】この様にして、センサ列対SNS−1,S
NS−2,SNS−3,SNS−4,SNS−5,SN
S−6の各領域におけるデフォーカス量に対しての予測
演算を全て行い、その際の各領域におけるデフォーカス
量が適正か否かが上記ステップ(402)〜(40
6),(413),(414)にて行われる。
【0145】その際、ある領域(例えばSNS−1)に
おけるデフォーカス量が適正と判定されればステップ
(407)を介してステップ(408)へ進み、その領
域におけるデフォーカス量とその領域のデフォーカス量
を用いた予測演算結果を格納し、ステップ(409)に
てステップ(417)と同様に領域変更がなされる。
【0146】即ち、上記の如くセンサ列対SNS−1か
らSNS−2に切換わり、その領域の処理後にステップ
(409)に進んだとしたら、次にセンサ列対SNS−
3が指定され、ステップ(410)を介した予測演算サ
ブルーチンに進み、この領域でのデフォーカス量をもと
にした上記の処理が行われ、その後センサ列対SNS−
4の領域に対しても同様な処理がなされる。
【0147】この様にすることで、各領域のうち適正と
判定された領域でのデフォーカス量とその領域での予測
演算結果がステップ(408)にて格納される。
【0148】そして、全ての領域での予測演算処理が終
了すると、ステップ(420)又は(412)に進む。
このステップ(420)又は(412)においては、上
記ステップ(408)に格納されたデータのうちどの領
域のデータを用いるかを判定するための「測距領域判
定」サブルーチンを実行する(これについては図12に
より後述する)。この後、再び図11に戻り、ステップ
(427),(427’),(428)を実行し、この
「予測判定」サブルーチンをリターンする。
【0149】また、上記各領域全てのデフォーカス量が
不適正のときはステップ(421)を介してステップ
(422)に進み、再度焦点検出サブルーチンを実行す
る。この様にして焦点検出サブルーチンが再度実行され
た後には上述の領域選択、予測演算及び予測判定サブル
ーチンが再度実行される。この再度の上記「測距領域判
定」サブルーチンの実行にて各デフォーカス量に対し、
前回選択された領域を中心に重み付けを持った係数を掛
け、その後最も適正な領域と判定された領域のデータが
選ばれ、この「予測判定」サブルーチンをリターンす
る。
【0150】一方、再度の上記各サブルーチンの実行で
も適正領域が見つからない時はステップ(424)を実
行する。ステップ(424)においては、上記再度の焦
点検出サブルーチン及び領域選択サブルーチンにて選択
されたデフォーカス量をDEF0として変数DEFに格
納し、ステップ(425)において、DLにこのDEF
0とレンズ駆動量DLS及びDF3にDEF0・Sを入
力し、その後ステップ(426)にて予測データを破棄
してリターンする。
【0151】以上の予測判定サブルーチンにおける動作
をまとめると、次の様になる。
【0152】領域選択サブルーチン〔図1のステップ
(012)〕にて選択された領域のデフォーカス量を用
いた予測演算値が適正と判定した時には、そのデータを
用いて制御するためにこのサブルーチンをリターンし、
図1のステップ(017)のレンズ駆動サブルーチンに
進み、後述の如く予測演算値「DL=DLS/S」に基
づくレンズ駆動がなされる。
【0153】一方、上記演算値が不適正である時は、残
りの領域のデフォーカス量を用いた演算値のうち適正の
ものを求め、この適正と判定された演算値に基づくレン
ズ駆動を行うためにこのサブルーチンをリターンする。
又、全領域において適正のものが存在しない場合は新た
な焦点検出を行い、各デフォーカス量に対し前回選択さ
れた領域を中心に重み付けを持った係数を掛け、その後
最も適正な領域の演算値を用いてレンズ駆動を行うため
リターンする。
【0154】又、再度の焦点検出動作後において全領域
の演算値が不適正と判断された時には再度の焦点検出動
作におけるデフォーカス量に基づきレンズを駆動するた
め、このデフォーカス量を選択してリターンする。この
際に以前の予測データを破棄する。
【0155】図12は、「測距領域判定」サブルーチン
を示すフローチャートである。
【0156】ステップ(701)において、図11のス
テップ(408)で格納された適正と判断された領域が
あるかを判断し、適正領域がなければステップ(70
7)へ移行し、このサブルーチンをリターンする。
【0157】また、上記ステップ(701)において適
性領域があればステップ(701)へ移行し、再検出を
行ったか否かを判定し、NOであればステップ(70
6)へ移行する。ステップ(706)においては、上記
各領域の演算処理における図11のステップ(404)
で演算した各領域におけるVcが最も「2」に近い、即
ち像面移動速度が前回のものに最も近くなるデフォーカ
ス量を呈する領域データ(デフォーカス量及び演算結
果)を選択する構成となっている。その後ステップ(7
07)へ移行し、このサブルーチンをリターンする。
【0158】また、ステップ(702)においてYES
であればステップ(703)へ移行し、各領域毎の係数
Kを設定する。係数Kの設定方法は前回選択した領域を
中心に重み付けを持った係数であり、例えば前回選択し
た領域が図13に示すようにAREA4であった場合、
このAREA4に対応した係数K4は“1”、その両側
に隣接したAREA3とAREA5に対応した係数K
3,K5は“2”、その他の領域に対応した係数Knは
“3”を設定する。つまり、前回選択した領域に対する
重み付けを最大とし、その近傍の領域に対する重み付け
は前回選択された領域よりも小さくする。
【0159】なお、図13において、各AREA(領
域)とSNS(センサ列対)は、AREA1にSNS−
3が対応し、AREA2にSNS−5が対応し、ARE
A3にSNS−1,SNS−2が対応し、AREA4に
SNS−6が対応し、AREA5にSNS−4が対応す
る関係になっている。
【0160】次にステップ(704)へ移行し、各領域
毎に Vc’=|Vc−2|×K+2 を計算する。これは、前回の像面移動速度との差に重み
付け係数Kを掛けることに等しい。次にステップ(70
5)へ移行し、Vc’が最も「2」に近い領域データ
(デフォーカス量及び演算結果)を選択する。その後ス
テップ(707)へ移行しリターンする。
【0161】図14は、「デフォーカス量判定」サブル
ーチンを示すフローチャートである。
【0162】このサブルーチンは予測データが揃ってい
ない場合に実行され、このルーチンが実行されると、ス
テップ(502)において、ステップ(011)による
今回の焦点検出演算結果(DEF)が合焦近傍であるか
の判断を行う。ここでの焦点検出演算結果はステップ
(012)での「領域選択」サブルーチンにより選択さ
れた検出領域での検出結果である。合焦近傍の範囲とし
て、例えば撮影レンズの開放絞り(f)における焦点深
度を基準とした値などが用いられる。本実施例では焦点
深度の4倍とすると、ステップ(502)は以下の式に
よる判断を行うこととなる。
【0163】|DEF|≦4・f・δ 但し、δは最小錯乱円を表す ステップ(502)において、今回の焦点検出結果DE
Fが合焦近傍ならばステップ(503)へ移行し、合焦
近傍を示すフラグNJFを「1」とする。
【0164】続くステップ(504)においては、後述
するデフォーカス変化カウンタNUKEを「0」とす
る。このデフォーカス変化カウンタは、中央の焦点検出
領域での一方向のデフォーカス変化を記憶するためのも
のである。
【0165】上記ステップ(502)において、今回の
焦点検出結果DEFが合焦近傍でないならばステップ
(505)へ移行し、|DEF|と所定の第1の定数D
EF1との比較を行う。この定数DEF1の値は、ステ
ップ(012)の「領域選択」サブルーチンで選択され
た検出領域で本来焦点検出すべき被写体が測距されたか
どうかの判断基準となる値である。この定数DEF1は
先述の合焦近傍を判断する値を基準とした値やデフォー
カス量そのものでも良い。
【0166】本実施例では、デフォーカス量として2m
mを用いる。従って、ステップ(505)においては、
今回の「領域選択」サブルーチンで選択された検出領域
での焦点検出結果が2mm未満かどうかの判断を行うこ
ととなる。2mm未満ならばステップ(513)へ移行
する。一方、2mm以上なら不自然な焦点検出結果の変
化と判断する。即ち、被写体を測距点から外したか、障
害物を測距したと判断して次のステップ(506)へ移
行する。
【0167】ステップ(506)においては、合焦近傍
を表すフラグNJFを調べる。NJFが「0」ならば前
回の焦点検出結果、詳しく述べるならば前回のレンズ駆
動を伴った焦点調節動作に於ける焦点検出結果が合焦近
傍でなかったことになる。従って、被写体に対して充分
焦点調節が行われていない状態と判断し、そのままステ
ップ(504)へ移行する。一方、NJFフラグが
「1」ならば前回の焦点検出結果が合焦近傍であったこ
とになり、被写体に対して一旦合焦あるいは合焦近傍状
態であったことがわかる。そこで次のステップ(50
7)で「領域選択」サブルーチンで選択された検出領域
に関する判断を行う。
【0168】ステップ(507)においては、先の「領
域選択」サブルーチンで選択された検出領域が中央領域
のセンサ列対SNS−1あるいはSNS−2であるかを
判断する。これは、前述したように本実施例では動きの
ある被写体の対しても追従させることを目的として、中
央の焦点検出領域を優先させるためである。
【0169】「領域選択」サブルーチンで選択された検
出領域が中央領域であるならばステップ(508)に移
行する。中央領域でないならばステップ(514)へと
移行する。
【0170】ステップ(508)においては、「領域選
択」サブルーチンで選択された検出領域での焦点検出結
果が一方向のデフォーカス変化をしているかどうかを判
断する。本実施例では後ピント(焦点調節光学系のピン
ト位置に対して被写体が手前にある状態)の方向のみに
ついて判断を行っている。後ピントの焦点検出結果でな
いならばステップ(514)へ移行する。後ピントの方
向ならばステップ(509)に移行する。
【0171】ステップ(509)においては、デフォー
カス変化カウンタNUKEのカウントアップを行う。こ
れで中央の焦点検出領域でのDEF1以上の後ピントの
回数が計測されることとなる。
【0172】そして次のステップ(510)において、
現在のデフォーカス変化カウンタNUKEの値が所定の
値NUKEMAXになっているかを判断する。NUKE
MAXになっているなら、中央の測距領域で手前の特定
の被写体をNUKEMAX回検出しているとして、その
検出デフォーカス量による焦点調節を行うためにステッ
プ(511)へ移行する。NUKEMAXになっていな
いならばステップ(514)へと移行する。
【0173】ステップ(511)においては、新たな検
出デフォーカス量による焦点調節動作状態となるため
に、先のステップ(504)と同様にデフォーカス変化
カウンタNUKEを初期化する。
【0174】続くステップ(512)においては、新た
な焦点調節動作を行うので過去の予測データを全て破棄
し、初めから予測データを収集し直すものとする。
【0175】ステップ(513)においては、今回の焦
点検出結果が合焦近傍でなかったということで合焦近傍
フラグNJFをクリアする。
【0176】一方、ステップ(514)においては、
「測距領域検索」サブルーチンを実行する。このサブル
ーチンは、今回の焦点検出可能な測距領域の中でステッ
プ(012)の「領域選択」サブルーチンにより選択さ
れなかった領域について、その検出デフォーカス量が所
定の第2の値以下となる領域が存在するかどうか検索
し、存在するならばその中で最もデフォーカス量の小さ
い領域を選び、その検出デフォーカス量を今回の焦点調
節動作における検出デフォーカス変数DEFに格納する
ことが主な目的である。
【0177】ここでは、「領域選択」サブルーチンで選
択されなかった各領域の検出デフォーカス量と所定の第
2の定数DEF2との比較を行う。この定数DEF2の
値は、ステップ(012)の「領域選択」サブルーチン
で選択されなかった検出領域で本来焦点検出すべき被写
体が測距されたかどうかの判断基準となる値である。こ
の定数DEF2は先述のDEF1と同様に合焦近傍を判
断する値を基準とした値やデフォーカス量そのものでも
良い。
【0178】本実施例では、DEF1より小さいデフォ
ーカス量として1mmを用いる。従って、ステップ(5
14)においては、今回の「領域選択」サブルーチンで
選択されなかった検出領域の中で焦点検出結果が1mm
未満となる領域が存在するかどうかの検索を行うことと
なる。1mm未満の領域が存在するならば、その領域の
中で最も検出デフォーカス量が小さい領域を選び、その
領域での検出デフォーカス量を今回の検出デフォーカス
量として、レンズ駆動量及び演算レンズ駆動量にそれぞ
れ対応した値を格納して、ステップ(515)において
測距領域の変更可能と判断し、そのままステップ(51
9)へ移行する。また、何れの領域も検出デフォーカス
量が1mmより大きいならば、測距領域の変更は好まし
くないと判断し、ステップ(515)からステップ(5
16)に移行する。
【0179】ステップ(516)においては、前回の焦
点検出動作開始時間と今回の焦点検出動作開始時間との
時間間隔TM2と所定の定数TMEを比較する。このT
MEは撮影者が被写体を明かに変更したかどうかの判断
を行うためのものである。TM2がTME以内ならば、
即ち前回の焦点調節動作に於ける焦点検出開始から今回
の焦点検出開始までがまだTME以内ならば、被写体を
変更したとの判断はせずにステップ(517)に移行す
る。
【0180】ステップ(517)においては、予測のデ
ータの更新を禁止する。即ち、今回の焦点検出結果では
焦点調節動作を行わずに焦点検出動作のみをやり直すた
め、この禁止動作で再蓄積中であることを表現するわけ
である。そしてステップ(518)から本来の被写体が
正しく焦点検出されるようステップ(011)の「焦点
検出」サブルーチンへ実行を移す。即ち、焦点検出動作
のやり直しである。
【0181】一方、TM2がTMEを越えたならば明か
に撮影者が被写体を変更したとして焦点検出のやり直し
は行わずにステップ(511)に移行する。
【0182】TMEの値として本実施例では0.5 秒を用
いる。即ち、撮影者が意図に反して被写体を測距点から
外してしまったならば、再び測距点に被写体を入れるよ
う努力すると考えられ、0.5 秒程度の時間を考慮すれば
良いと判断する。
【0183】ステップ(519)においては、今回の焦
点検出結果に基づいて焦点調節動作を行うので予測のデ
ータの更新を許可する。
【0184】このようにしてデフォーカス量の不自然な
変化の判定を終了して、ステップ(519’)を介して
ステップ(520)にて「デフォーカス量判定」サブル
ーチンをリターンする。
【0185】ここで、デフォーカス変化カウンタNUK
Eについて述べる。
【0186】これは、中央の焦点検出領域でNUKEM
AX回ある方向(本実施例では後ピント方向)の所定の
大きさ以上のデフォーカス量が検出されたかどうかを判
断するためのものである。これが必要となる要因は、例
えばTME時間たっても全ての焦点検出領域で1mmな
いし2mmを越えるデフォーカス量が検出された場合、
最後の焦点検出動作の中央領域の測距結果で焦点調節が
一度は行われることとなる。しかしこの後、中央の領域
である方向(本実施例ではピント位置より手前側)の本
来の被写体を再び捉えたとしても、先の「測距領域検
索」サブルーチンの働きにより、全ての焦点検出領域で
同じ被写体を捉えない限り被写体に対して焦点調節動作
が行われないままとなってしまうこととなる。これは中
央の焦点検出領域だけで測距可能な位の大きさの被写体
を捉えていながら、一度全ての測距点をしばらく背景に
外してしまった場合などが当てはまる。このような状況
における「測距領域検索」サブルーチンの不本意な動作
を防ぐために、NUKEMAX回で中央領域の焦点検出
結果での焦点調節動作を再開させることとするわけであ
る。本実施例ではNUKEMAXは「3」としている。
【0187】上記「デフォーカス量判定」サブルーチン
の動作をまとめると、次の様になる。
【0188】選択された領域におけるデフォーカス量が
大の時にはそのデフォーカス量にてレンズ駆動するため
に、このサブルーチンをリターンする。又、1度合焦近
傍であると判定された後の焦点検出にて得たデフォーカ
ス量が大の時にはそのデフォーカス領域以外の領域でデ
フォーカス量が所定値以内のものが存在すればこの領域
のデフォーカス量に基づきレンズ駆動を行うため、この
サブルーチンをリターンする。
【0189】又、全領域で所定値以内のデフォーカス量
のものが見つからない場合は焦点検出動作をやり直す。
上記の焦点検出動作を所定時間繰返しても適切なデフォ
ーカス量が見つからない時は予測データ等を破棄して始
めからAFサブルーチンを再開させる。
【0190】一方、一度合焦近傍となった後、上記の焦
点検出を繰返している状態で中央部のセンサが所定値以
上のデフォーカス量であって後ピント状態を示す場合、
この状態が複数回行われた時には、このデフォーカス量
に基くレンズ駆動を行うためにこのサブルーチンをリタ
ーンする。
【0191】図15に「レンズ駆動」サブルーチンのフ
ローチャートを示す。
【0192】このサブルーチンが実行されると、ステッ
プ(602)においてレンズと通信して、2つのデータ
「S」「PTH」を入力する。
【0193】ここで、焦点調節すべきデフォーカス量D
EF、上記のS,PTHにより焦点調節光学系の移動量
をエンコーダの出力パルス数に換算した値、いわゆるレ
ンズ駆動量FPは次の式で与えられることになる。
【0194】 FP=DEF・S/PTH ………(17) ステップ(603)においては、上式をそのまま実行し
ている。
【0195】次のステップ(604)においては、ステ
ップ(603)で求めたレンズ駆動量FPをレンズに送
出して焦点調節光学系の駆動を命令する。
【0196】次のステップ(605)においては、レン
ズと通信してステップ(604)で命令したレンズ駆動
量FPの駆動が終了したか否かを検知し、駆動が終了す
るとステップ(606)へ移行して「レンズ駆動」サブ
ルーチンをリターンする。
【0197】以上説明してきた実施例において、デフォ
ーカス変化カウンタの対象として後ピントの方向のみと
したが、これに限らず、前ピントに対しても別のカウン
タを設けても当然有効である。この際、しきい値はそれ
ぞれ別とした方が使用感が良いものとなる。また、中央
の焦点検出領域に限らず他の領域に関しても同様な判断
を行うことも有効である。
【0198】また、図14のステップ(502)では合
焦近傍との判定を行っているが、この判定としては合焦
との判定に代えても良い。
【0199】(第2の実施例)上記図11のステップ
(422)において、再検出回数Ndを所定回数設定
し、所定回数以内の場合はステップ(423)の焦点検
出を実行する。所定回数に達した場合はステップ(42
4)以降へ移行する。
【0200】図16は、この場合における、本発明の第
2の実施例における「測距領域判定」サブルーチンを示
すフローチャートである。
【0201】ステップ(801)において、図11のス
テップ(408)で格納された適正と判断された領域が
あるかを判断し、適正領域がなければステップ(80
5)へ移行する。ステップ(805)においては、再検
出回数Ndのカウントに「1」を足してステップ(80
7)へ移行し、このサブルーチンをリターンする。
【0202】上記ステップ(801)において適正領域
がある場合はステップ(802)へ移行し、再検出か否
かを判断する。再検出でなければステップ(806)へ
移行し、Vcが最も「2」に近い領域を判断する。次に
ステップ(807)へ移行し、このサブルーチンをリタ
ーンする。
【0203】また、ステップ(802)において再検出
であればステップ(803)へ移行し、AREA(領域
判定範囲)を設定する。このとき再検出回数によって、
言い換えれば時間経過に応じて領域判定の範囲が、前回
選択した領域A0 を中心に広げる構成になっている。こ
の様子を図17に示している。
【0204】次にステップ(804)へ移行し、ここで
は上記ステップ(803)で設定されたAREA(領域
判定範囲)内でVcが最も「2」に近い領域を判定す
る。次にステップ(807)へ移行し、リターンする。
【0205】つまり、この実施例では、再検出の回数が
多くなるほど、重み付けを行う領域範囲を、前回選択さ
れた領域を基準にして広くし、その領域判定領域中より
Vcが最も「2」に近い領域を前回と同一の被写体が存
在するとして選び、この領域によって得られるデフォー
カス量に基づいて予測制御を行うようにしている。
【0206】図17は図13と同様、AREA(領域判
定範囲)とSNS(センサ)は、AREA1にSNS−
3が対応し、AREA2にSNS−5が対応し、ARE
A3にSNS−1,SNS−2が対応し、AREA4に
SNS−6が対応し、AREA5にSNS−4が対応す
る関係になっている。
【0207】(発明と実施例の対応)本実施例におい
て、マイコンPRSの図11に示すステップ(404
9)〜(406)の動作を行う部分が本発明の判定手段
に相当し、マイコンPRSの図12又は図16の動作を
行う部分が本発明の領域判定手段に相当する。
【0208】以上が実施例の各構成と本発明の各構成の
対応関係であるが、本発明は、これら実施例の構成に限
定されるものではなく、請求項で示した機能、又は実施
例がもつ機能が達成できる構成であればどのようなもの
であってもよいことは言うまでもない。
【0209】(変形例)上記第1の実施例では、今回選
択した領域では前回と同一の被写体に対するデフォーカ
ス量の検出が困難であるとした場合、再検出を行って領
域の選択を改めて選択し直するが、この際、前回選択し
た領域に対する重み付けを最も大きくし、その近傍の領
域に対する領域は小さくするようにしている。しかしこ
れに限定されるものではなく、被写体は前回選択した領
域のみならず、その近傍の領域に存在することも予想さ
れる為、前回選択した領域とその近傍の領域それぞれに
同じ重み付けを行うようにしても良い。
【0210】また、本実施例では、測距領域が5個の場
合を想定しているが、これに限定されるものでなく、3
個や4個、あるいは、6個以上であっても良い。
【0211】本発明は、一眼レフカメラ,レンズシャッ
タカメラ,ビデオカメラ等のカメラに適用した場合を述
べているが、その他の光学機器や他の装置、更には構成
ユニットとしても適用することができるものである。
【0212】更に、本発明は、以上の各実施例、又はそ
れらの技術を適当に組み合わせた構成にしてもよい。
【0213】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
判定手段にて異なる焦点調節対象物に対するデフォーカ
ス量と判定された際には、同一の焦点調節対象物は前回
選択されたデフォーカス量が得られた領域、もしくはそ
の近傍の領域に存在することが予想される為、それらの
領域に重み付けを行って(前回選択されたデフォーカス
量が得られた領域の重み付けを最大としたり、これらを
同一の重み付けとしたりして)、レンズ駆動に供される
デフォーカス量が得られる領域の判定を行うようにして
いる。
【0214】また、デフォーカス量またはデフォーカス
量からの演算結果に対し重み付け係数を掛け、前回選択
されたデフォーカス量が得られた領域及びその近傍の領
域に対する優先度を上げて領域の判定を行い、あるい
は、判定手段にて異なる焦点調節対象物に対するデフォ
ーカス量であると判定されてから時間が経過するにつ
れ、前回選択されたデフォーカス量が得られた領域を中
心に領域判定範囲を広げ、再度の領域判定時に、前回選
択されたデフォーカス量が得られた領域から離れた領域
へとその領域が一気とびしないようにしている。
【0215】よって、一度所望とする焦点調節対象物が
存在する領域が不明となったとしても、安定して同一の
焦点調節対象物に対するピント合わせを継続させること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に関わる焦点検出系を示
す斜視図である。
【図2】図1の焦点検出系を有する焦点検出装置を具備
した一眼レフレックスカメラの光学系配置図である。
【図3】図2の一眼レフレックスカメラの要部構成を示
すブロック図である。
【図4】図2の一眼レフレックスカメラの大まかな動作
を示すフローチャートである。
【図5】図4に示すサブルーチン「AF制御」の動作を
示すフローチャートである。
【図6】図5のサブルーチン「焦点検出」の動作を一部
を示すフローチャートである。
【図7】図5のサブルーチン「焦点検出」の動作を他の
部分を示すフローチャートである。
【図8】図5のサブルーチン「領域選択」の動作を示す
フローチャートである。
【図9】図10における予測演算時の動作説明を助ける
為の図である。
【図10】図5のサブルーチン「予測演算」の動作を示
すフローチャートである。
【図11】図5のサブルーチン「予測判定」の動作を示
すフローチャートである。
【図12】図11のサブルーチン「測距領域判定」の動
作を示すフローチャートである。
【図13】図12の測距領域判定時の動作説明を助ける
為の図である。
【図14】図5のサブルーチン「デフォーカス量判定」
の動作を示すフローチャートである。
【図15】図5のサブルーチン「レンズ駆動」の動作を
示すフローチャートである。
【図16】本発明の第2の実施例に関わるサブルーチン
「測距領域判定」の動作を示すフローチャートである。
【図17】図16の測距領域判定時の動作説明を助ける
為の図である。
【符号の説明】 PRS マイコン SDR センサ駆動回路 SNS センサ装置 SNS−1〜SNS−6 センサ列対 LNS レンズ LPRS レンズ内制御回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の異なる領域におけるデフォーカス
    量をそれぞれ繰り返し検出するデフォーカス量検出手段
    と、該デフォーカス量検出手段にて検出されたデフォー
    カス量のうち、所定の領域におけるデフォーカス量を選
    択する選択手段と、該選択手段にて選択された過去及び
    現在のデフォーカス量に基づいて所定時間後における焦
    点調節対象物に対してピントが合うべきレンズ駆動量を
    演算する演算手段と、該演算手段にて演算されたレンズ
    駆動量に基づいてレンズ駆動を行うレンズ駆動手段とを
    備えた自動焦点調節装置において、前記選択手段にて今
    回選択されたデフォーカス量と過去に選択されたデフォ
    ーカス量との関係から、今回選択されたデフォーカス量
    は過去に選択されたデフォーカス量を示す焦点調節対象
    物と同一の焦点調節対象物のものであるか否かを判定す
    る判定手段と、該判定手段にて異なる焦点調節対象物に
    対するデフォーカス量と判定された際には、前記デフォ
    ーカス量検出手段に再度動作を行わせると共に、前回選
    択されたデフォーカス量が得られた領域及びその近傍の
    領域に重み付けを行い、前記デフォーカス量検出手段に
    よる再度の動作によって得られる複数の領域それぞれの
    デフォーカス量の中から、同一の焦点調節対象物に対す
    るデフォーカス量を持つ領域を判定する領域判定手段と
    を設けたことを特徴とする自動焦点調節装置。
  2. 【請求項2】 前記領域判定手段は、前記デフォーカス
    量検出手段による再度の動作によって得られる複数の領
    域それぞれのデフォーカス量またはデフォーカス量から
    の演算結果に対し、前回選択されたデフォーカス量が得
    られた領域及びその近傍の領域に対して重み付けを持っ
    た係数を掛け、その後予想される同一の焦点調節対象物
    を示すデフォーカス量またはデフォーカス量からの演算
    結果に最も近い領域を判定する手段であることを特徴と
    する請求項1記載の自動焦点調節装置。
  3. 【請求項3】 前記領域判定手段は、時間経過によっ
    て、前回選択されたデフォーカス量が得られた領域を中
    心に領域判定範囲を広げていき、その後予想される同一
    の焦点調節対象物を示すデフォーカス量に最も近い領域
    を判定する手段であることを特徴とする請求項1記載の
    自動焦点調節装置。
  4. 【請求項4】 上記の請求項1,2又は3記載の自動焦
    点調節装置を具備したことを特徴とするカメラ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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