JP4706335B2 - オートフォーカス装置 - Google Patents

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Description

本発明は、カメラなどの光学機器に搭載されるオートフォーカス装置に関する。
手ブレなどにより撮影者が撮影対象としている被写体(以下、この明細書では“主要被写体”という)を焦点検出エリアから外してしまった場合、他の被写体に対する焦点ずれ量を算出してしまい、それに対してピントを合わせてしまう。そうすると主要被写体からピントがずれてしまい、レリーズ半押しなどのAF(オートフォーカス)スタート操作からやり直さなければならないので、操作性が悪いという問題がある。
このような問題に対応するため、主要被写体からピントが外れても、すぐには焦点調節動作を開始しない方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。これは、焦点ずれ量がある程度以上大きくなった場合に、所定時間は焦点調節レンズを駆動しないようにしたものである。なお、以下ではこの時間を“ロックオン時間”という。
この方法によれば、撮影者が焦点検出エリアから不本意に主要被写体を外してしまった場合(以下、この明細書では“被写体外し”という)でも、すぐに焦点調節レンズが駆動されないので、その間にふたたび主要被写体を捕捉し直せば主要被写体にピントの合った状態を継続することができる。また、主要被写体の手前を何らかの障害物が横切ってもピントが合った状態を継続することができる。
この出願の発明に関連する先行技術文献としては次のものがある。
特開平08−076007号公報
ところで、撮影者が焦点検出エリアから主要被写体を不本意に外してしまう被写体外しには、主要被写体の遠方の背景に外す場合(以下、“背景抜け”という)と、主要被写体の手前の被写体に外す場合がある。一般に、前者の背景抜けの方が多く発生し、後者の手前の被写体に外す場合は撮影者が意図的に被写体を変更することによって発生することが多い。
撮影者がそれまでの主要被写体から手前の新しい被写体に意図的に変更した場合には、新しい被写体に対してすぐに撮影レンズの焦点調節を行うことが望ましいので、上述したロックオン時間は短い方がよい。しかし、ロックオン時間を短くすると、背景抜けの場合に背景に対する撮影レンズの焦点調節がすぐに開始されるので、被写体外し後に主要被写体を捕捉し直す時間的な余裕がなく、主要被写体からピントがずれてしまう。つまり、背景抜けの場合には、すぐに焦点調節を行わないようにするためにロックオン時間を長くするのがよい。
上述した従来のオートフォーカス装置では、被写体外しが背景側と手前側のいずれの場合でも一定のロックオン時間を設定しているので、背景側と手前側のいずれか一方に最適なロックオン時間を設定しても他方に対しては不適当なロックオン時間になるという問題がある。
また、撮影画面内に複数の焦点検出エリアを設定して焦点検出エリアごとに撮影レンズの焦点調節状態を検出し、それらの内の最至近の焦点検出結果にしたがって撮影レンズの焦点調節を行うカメラの至近優先ダイナミック撮影モードでは、被写体外しが発生して主要被写体の背景にピントを合わせると撮影者に不信感を抱かせることになるため、このような撮影モード時にはロックオン時間を長くする方法が一般的である。しかし、このようにすると主要被写体の手前の被写体を捕捉すべく撮影者が意図的に構図を変更した場合には、手前の被写体に対する焦点調節の応答が遅くなる。
(1)請求項1の発明では、撮影光学系の撮影画面内に設定した焦点検出エリアで前記撮影光学系の焦点検出を繰り返し行う焦点検出手段と、前記焦点検出エリアにおける焦点検出結果に基づいて、前回の焦点検出時の被写体(以下、過去被写体という)と今回の焦点検出時の被写体(以下、新被写体という)とが同一と見なせるか否かを判定する同一被写体判定手段と、前記過去被写体と前記新被写体とが同一と見なせないと判定されてから設定時間の間は前記過去被写体に対して前記撮影光学系の焦点調節を行い、前記設定時間後は前記新被写体に対して前記撮影光学系の焦点調節を行う焦点調節手段とを備えたオートフォーカス装置において、前記焦点検出エリアの焦点検出結果に基づいて、前記新被写体が前記過去被写体よりも遠くにあるか近くにあるかを判定する被写体遠近判定手段と、前記被写体遠近判定手段の判定結果に基づいて、前記新被写体が前記過去被写体よりも遠くにあると判定された場合は、近くにあると判定された場合よりも長い前記設定時間を設定する設定時間設定手段とを備えることを特徴とする。
(2)請求項2の発明では、撮影光学系の撮影画面内に設定した焦点検出エリアで前記撮影光学系の焦点検出を繰り返し行う焦点検出手段と、前記焦点検出手段による焦点検出結果に基づいて前記撮影光学系の被写体像面の移動速度を算出する速度算出手段と、前記被写体像面の移動速度に基づいて、前回の焦点検出時の被写体(以下、過去被写体という)と今回の焦点検出時の被写体(以下、新被写体という)とが同一と見なせるか否かを判定する同一被写体判定手段と、前記過去被写体と前記新被写体とが同一と見なせないと判定されてから設定時間の間は前記過去被写体に対して前記撮影光学系の焦点調節を行い、前記設定時間後は前記新被写体に対して前記撮影光学系の焦点調節を行う焦点調節手段とを備えたオートフォーカス装置において、前記焦点検出エリアの焦点検出結果に基づいて、前記新被写体が前記過去被写体よりも遠くにあるか近くにあるかを判定する被写体遠近判定手段と、前記被写体遠近判定手段の判定結果に基づいて、前記新被写体が前記過去被写体よりも遠くにあると判定された場合は、近くにあると判定された場合よりも長い前記設定時間を設定する設定時間設定手段とを備えることを特徴とする。
(3)請求項3の発明では、請求項1に記載のオートフォーカス装置において、前記被写体遠近判定手段は、前記撮影光学系の被写体像面の移動速度に関連する情報に基づいて、前記新被写体が前記過去被写体よりも遠くにあるか近くにあるかを判定することを特徴とする。
(4)請求項4の発明では、請求項2に記載のオートフォーカス装置において、前記被写体遠近判定手段は、前記速度算出手段によって算出された移動速度に基づいて、前記新被写体が前記過去被写体よりも遠くにあるか近くにあるかを判定することを特徴とする。
(5)請求項5の発明では、請求項1または請求項2に記載のオートフォーカス装置において、前記被写体遠近判定手段は、デフォーカス量に基づいて前記新被写体が前記過去被写体よりも遠くにあるか近くにあるかを判定することを特徴とする。
(6)請求項6の発明では、請求項1〜5のいずれか一項に記載のオートフォーカス装置において、前記焦点検出手段は、前記撮影光学系の撮影画面内に設定した複数の焦点検出エリアで前記撮影光学系の焦点検出を行い、前記複数の焦点検出エリアの焦点検出結果に基づいて、前記複数の焦点検出エリアの中から最至近の被写体が検出される焦点検出エリアを自動で選択する自動エリア選択手段と、使用者が前記複数の焦点検出エリアの中からいずれか1つを選択するためのエリア選択操作部材とを備え、前記設定時間設定手段は、前記自動エリア選択手段により焦点検出エリアを自動で選択する場合は、前記被写体遠近判定手段の判定結果にしたがって前記設定時間を設定し、前記エリア選択操作部材により焦点検出エリアを手動で選択する場合は、前記被写体遠近判定手段の判定結果に拘わらず一定の設定時間を設定することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、焦点検出エリアから主要被写体を外して背景に抜けた場合でも無用なレンズ駆動が行われず、主要被写体にピントを合わせ続けることができ、一方、撮影者が撮影構図を変更して手前の被写体を捕捉する場合でも焦点調節の応答性を維持することができる。
本発明を一眼レフカメラに適用した一実施の形態を説明する。図1は一実施の形態のオートフォーカス装置を搭載した一眼レフカメラの横断面図である。カメラボディ10は撮像素子20、フォーカシングスクリーン25、ペンタプリズム30、測光素子40、リレーレンズ50、接眼部60、クイックリターンミラー70、サブミラー80、固定ミラー90、位相差式AF(オートフォーカス)検出素子100、マイクロコンピューター(不図示)などを備えている。
撮像素子20は撮影レンズにより結像された被写体像を電気信号に変換して出力する。なお、撮像素子20の撮像面の前面には赤外光をカットするための赤外カットフィルター(不図示)や、画像の折り返しノイズを防止する光学的ローパスフィルター(不図示)が配置されているが、これらも含めて撮像素子20という。また、この一実施の形態ではデジタルカメラを例に上げて説明するが、銀塩フィルムを用いるカメラに対しても本願発明を適用することができる。
測光素子40は被写体像の明るさを測定し、シャッタースピードや絞り値を決定する。クイックリターンミラー70は図1に示すように露光前は撮像素子20を塞ぐように撮影レンズの撮像光路中に置かれ、撮影レンズから入射した被写体光をフォーカシングスクリーン25、ペンタプリズム30などのファインダー光学系へ導く。露光時には上に跳ね上がって撮影レンズの撮像光路から退避され、撮影レンズから入射した被写体光を撮像素子20へ導く。このクイックリターンミラー70の中央部はハーフミラーになっており、被写体光の一部をサブミラー80と固定ミラー90を介して位相差式AF検出素子100へ導く。
位相差式AF検出素子100は、撮影レンズから入射した被写体光をマスクを用いて2つに分割した後、2つのラインセンサー上に再結像させ、ラインセンサー上の像のずれ量を算出する。図13は一実施の形態のカメラのファインダー視野400を模式的に表した図である。ファインダー視野400の中央には測距(焦点検出)エリア410が設けられており、ラインセンサーはこのエリアに対応している。ファインダー上で測距エリア410内の被写体に対して焦点検出を行う。
カメラボディ10にはレンズ鏡筒200が装着される。なお、この一実施の形態では撮影レンズ交換式のカメラを例に上げて説明するが、レンズ非交換式のカメラに対しても本願発明を適用することができる。レンズ鏡筒200はレンズ光学系210、ズームエンコーダー220、距離エンコーダー230、フォーカス駆動モーター240、絞り250などを備えている。
レンズ光学系210は被写体像を撮像素子20の撮像面上に結像させるための光学系であり、対物レンズ210a、ズームレンズ210bおよびフォーカシングレンズ210cから構成される。ズームレンズ210bは光軸方向に移動して焦点距離を調節し、フォーカシングレンズ210cは光軸方向に移動して焦点調節を行う。ズームエンコーダー220はズームレンズ210bの位置、すなわち焦点距離を検出する。距離エンコーダー230はフォーカシングレンズ210cの位置、すなわち撮像素子20の撮像面からピントが合う被写体までの距離を検出する。
フォーカス駆動モーター240はフォーカシングレンズ210cを光軸方向に移動させ、焦点調節を行うためのアクチュエーターである。絞り250は撮像素子20に到達する被写体光の量を調節する開口絞りである。絞り250の絞り値の設定はカメラが自動的に行う場合と、撮影者が任意に設定する場合とがある。プログラムモードやシャッタースピード優先モードの場合は、測光素子40の出力などからカメラが自動的に絞り値を決定する。一方、絞り優先モードやマニュアルモードの場合は撮影者が設定する。絞り250はカメラまたは撮影者が設定した値に応じて絞り制御モーター(不図示)により制御される。
カメラボディ10はまた、マイクロコンピューターのソフトウエア形態により構成されるデフォーカス量演算部300、レンズ目標位置演算部310およびレンズ駆動信号演算部320を備えている。デフォーカス量演算部300は、位相差式AF検出素子100の検出結果に基づいてピントのずれ量を表すデフォーカス量を算出する。被写体のコントラストが低くデフォーカス量が算出できない場合には、代わりに初期設定値を出力する。
レンズ目標位置演算部310は、デフォーカス量演算結果によりフォーカシングレンズ210cの目標位置を演算する。ここで、目標レンズ位置は、その位置にフォーカシングレンズ210cを駆動したときにデフォーカス量が0となる位置である。レンズ駆動信号演算部320は目標レンズ位置に応じてレンズ駆動信号を演算し、フォーカス駆動モーター240を駆動制御する。
図2はレンズ目標位置演算部310の詳細な構成を示す図である。被写体位置検出演算部3101は、デフォーカス量演算部300から送られてきたデフォーカス量と距離エンコーダー230から送られてきたフォーカシングレンズ210cの現在位置とに基づいて被写体位置、すなわち被写体にピントが合ったときのレンズ位置を算出する。算出結果の被写体位置にフォーカシングレンズ210cを駆動すれば、被写体にピントを合わせることができる。なお、位相差式AF検出素子100では、被写体のコントラストが低くてデフォーカス量が検出できない場合がある。その場合には被写体位置を初期位置に設定する。
移動速度/移動加速度演算部3102は、レンズ光学系210により結像される被写体像の焦点面の移動速度と移動加速度を演算する。被写体像の焦点面の移動速度と移動加速度は被写体自体の移動速度と移動加速度と異なり、被写体像の焦点面の移動速度は被写体の移動速度が一定でもレンズ光学系210の焦点距離や被写体までの距離により変化する。
この一実施の形態のオートフォーカス装置ではレンズ光学系210により撮像素子20の撮像面に被写体像を結像することが重要であり、被写体像の焦点面の移動速度と移動加速度を算出する必要がある。ただし、被写体が静止していれば移動速度と移動加速度はともに0になるが、被写体が動いている場合はそれぞれが0以外の値を持つことになる。
ここでは被写体位置検出演算部3101で算出した被写体検出位置と、履歴保存部317に保存されている過去に演算された被写体検出位置などの履歴を利用して移動速度と移動加速度を算出する。算出した移動速度と移動加速度はレンズ駆動目標位置演算部3103と被写体状態判定部315内の被写体動き判定部3151に送信される。なお、デフォーカス量が算出できなかった場合には、移動速度と移動加速度を初期値(0が望ましい)などに設定する。
被写体状態判定部315は演算されたデフォーカス量、移動速度および移動加速度に基づいて測距エリア410で捉えている被写体の状態を判定する。被写体の状態の判定は、主要被写体が静止している被写体(静止被写体)なのか動いている被写体なのか(動体被写体)を判定する被写体動き判定と、同じ被写体を捉えているか否かを判定する同一被写体信頼性判定の2点について行う。
被写体動き判定部3151は、移動速度および移動加速度の演算結果を利用して測距エリア410で捕捉している被写体が静止被写体か動体被写体かを判定する。例えば、移動速度または移動加速度が所定値以上、移動速度と移動加速度がともに所定値以上であれば動体被写体と判定し、それらが所定値未満であれば静止被写体と判定する方法がある。なお、動体被写体としてはカメラに向かって近づいてくる被写体、あるいはカメラから遠ざかる被写体を想定している。デフォーカス量が検出できなかった場合には、前回の被写体動き判定結果を保持する。
同一被写体信頼性判定部3152は、測距エリア410で捉えている被写体が前回と今回の測距(焦点検出)時に同じ被写体を捉えているか否かを判定する。同じ被写体を捉えている場合は“同一被写体信頼性あり”、異なる被写体を捉えている場合は“同一被写体信頼性なし”とする。判定方法は静止被写体と動体被写体で異なる。
静止被写体の場合にはデフォーカス量で判定する。同一の被写体を測距エリアで捉え続けている場合、その被写体にレンズ光学系210のピントが合っていればデフォーカス量は0もしくはその近傍値からあまり変化しないはずである。しかし、被写体が動いた、撮影者がカメラを動かした、主要被写体の前を障害物が横切ったなどの理由によって、測距エリア410で捉えている被写体が別の被写体に代わってしまった場合、デフォーカス量が大きく変化する。そこで、デフォーカス量の大きさに応じて同一被写体の信頼性の有無を判定する。
図3(a)は静止被写体に対する同一被写体信頼性有無の判定方法を示す。デフォーカス量の背景方向(この一実施の形態では+側とする)と手前方向(−側とする)にそれぞれしきい値を設定し、デフォーカス量がこれらのしきい値で囲まれる範囲内にある場合は同一被写体信頼性有りとし、範囲外にある場合は同一被写体信頼性なしとする。
動体被写体の場合には像面移動速度の変化量で判定する。これは、被写体が動いているとAFセンサーがデフォーカス量算出用のデータを蓄積する間にデータ値が変わってしまい、デフォーカス量が正確に算出できないためである。変化量の一例として、速度比(=今回算出された移動速度/前回算出された移動速度)のような評価値を利用する方法がある。測距エリア410で同一の被写体を捉えている場合、速度比は1前後から大きく変わらないはずである。
例えば、撮影者が被写体を外してしまったときのように、カメラがそれまで捉えていた主要被写体の背景方向に向いてしまうと、被写体がかなりの高速で背景方向に移動したような移動速度が算出される。そうすると、速度比は正で絶対値が大きい値になる。ここで、移動速度は撮影者に近づいてくる場合は−、撮影者から遠ざかる場合は+とする。一方、被写体の手前を障害物が横切った場合は、逆に被写体がかなりの高速で手前方向に移動したような移動速度が得られる。この場合は、速度比は負で絶対値が大きい値になる。このようなことから、速度比が1前後の場合は同一被写体信頼性あり、1と大きく異なる速度比の場合は同一被写体信頼性なしとする。
図4(a)は動体被写体に対する同一被写体信頼性有無の判定方法を示す。図において、1より大きい「大きいしきい値」と1より小さい「小さいしきい値」が設定されており、移動速度比がこれらのしきい値で囲まれる範囲内にある場合のみ、同一被写体信頼性有りとする。ちなみに、移動速度比が1より大きいときは加速、移動速度比が1のときは等速、移動速度比が0より大きくかつ1より小さいときは減速、移動速度比が0のときは停止、移動速度比が0より小さいときは移動方向逆転となる。なお、上述した同一被写体信頼性有無の判定方法は一例であり、この判定方法に限定されるものではない。また、デフォーカス量が検出できなかった場合は同一被写体信頼性なしとする。
背景抜け判定部3153は、同一被写体信頼性なしの場合に、測距エリア410が捉えている被写体がこれまで捉えていた主要被写体の背景にあるかどうか、つまり背景抜けが発生したか否かを判定する。静止被写体の場合には、背景方向デフォーカス量しきい値よりも大きいデフォーカス量となったら背景抜けと判定し、それ以外は背景抜けとしない。
一方、動体被写体の場合には、像面移動速度を監視し、像面移動速度が背景方向に大きく出た場合に背景抜けと判定する。この一実施の形態ではデフォーカス量の背景方向を+と定義しているので、像面移動速度が所定のしきい値(正の値)よりも大きければ背景抜けが発生したと判定する。なお、判定はこの方法に限定されず、移動速度比などを用いて判定してもよい。また、いずれの場合もデフォーカス量が検出できなかった場合は背景抜けと判定する。
タイマー3154は、同一被写体信頼性有りの場合に、測距エリア410が同一の主要被写体を捉え続けていると考えられるので、それまでと同様の焦点調節動作を継続していればよい。しかし、その主要被写体を測距エリア410から外すなどして同一被写体信頼性がなくなった場合、すぐに新しい被写体に向けて焦点調節してしまうと、主要被写体からすぐにピントが外れてしまい、非常に使いづらいカメラになる。このような不具合を防止するために、同一被写体信頼性なしとなった時点から所定時間はこれまで捉え続けていた被写体を捉えているものと仮定して焦点調節を行うようにした方がよい。なお、以下では上記の所定時間を“ロックオン時間”という。
タイマー3154は同一被写体の信頼性がなくなってからの経過時間を測定するタイマーであり、このタイマーの計時時間が予め設定したロックオン時間に到達するまでは、これまで捉えていた主要被写体を引き続き捉えているものと仮定して焦点調節動作を行う。ここで、ロックオン時間が経過する前に、以前捉えていた主要被写体をふたたび捉えた場合、ふたたび同一被写体信頼性有りとしてこれまでと同様の焦点調節を行う。同一被写体信頼性なしのままロックオン時間が経過した、すなわち以前捉えていた主要被写体を捉え直すことができなかった場合、新しい被写体に向けてピント合わせ動作を行う。その際、履歴保存部3104に保存していた履歴のデータはすべてクリヤーする。
ロックオン時間は短いしきい値(以下、“ロックオン時間S”という)と長いしきい値(以下、“ロックオン時間L”という)の2種類用意してあり、状況に応じて使い分ける。背景方向に抜けた場合、すなわち背景抜け判定された場合はロックオン時間Lを用い、手前の横切り被写体などの場合はロックオン時間Sを用いる。
図3(b)は静止被写体に対するロックオン時間の設定方法を示す。背景抜けの場合はロックオン時間Lを設定し、そうでない場合はロックオン時間Sを設定し、それらのロックオン時間LまたはSが経過するまでフォーカシングレンズ210cの位置を保持する。そうすることで、少なくともロックオン時間が経過するまでは、それまで捉えていた被写体にピントを合わせ続けることができる。さらに、背景に抜けた場合はロックオン時間が長くなっている、すなわちそれまで捉えていた主要被写体にピントを合わせ続ける時間が長くなっているため、主要被写体を再捕捉するチャンスが拡大する。
図4(b)は動体被写体に対するロックオン時間の設定方法を示す。動体被写体の場合は予測駆動を行っているが、信頼性なしとなってから背景抜けの場合はロックオン時間Lが経過するまで、そうでない場合はロックオン時間Sが経過するまで、最後に信頼性有りとなった時点で算出された予測結果に基づいてフォーカシングレンズ210cを駆動する。なお、同一被写体信頼性なしになってからロックオン時間L、Sの間は新たな予測演算を行わない。
レンズ駆動目標位置演算部3103はフォーカシングレンズ210cを駆動すべき目標位置を演算する。静止被写体の場合、検出被写体位置にピントを合わせるように目標位置を設定する。したがって、検出被写体位置=レンズ目標位置となる。一方、動体被写体の場合、ピント検出やレンズ駆動を行っている間にも被写体が動いてしまうため、過去の履歴から被写体位置を予測してその位置にレンズを動かしていく。具体的には算出された移動速度、移動加速度と時間から位置の変動分を算出し、現在のフォーカシングレンズ210cの位置にそれを加えることによってレンズ目標位置が算出できる。
履歴保存部317は、フォーカシングレンズ210cの予測駆動を行うために過去に算出された検出被写体位置、デフォーカス量、移動速度、移動加速度などを保存する。ただし、過去に演算された分のすべてを保存する必要はなく、数データ〜数十データあればよい。履歴保存部317は、同一被写体信頼性有りの場合は履歴の更新を行い、同一被写体信頼性なしでロックオン時間が経過する前は履歴は更新せず、値を保持しておく。同一被写体信頼性なしでロックオン時間が経過した後は履歴をすべてクリヤーする。
図5は一実施の形態のオートフォーカス動作を示すフローチャートである。ステップ100においてデフォーカス量を演算するためのデータを取得するために、位相差式AF検出素子100のCCDセンサーを駆動制御する。ステップ200では位相差式AF検出素子100の出力データに基づいて被写体に対するピントボケ量であるデフォーカス量を算出する。続くステップ300で演算結果のデフォーカス量と距離エンコーダー230の距離検出結果とに基づいて被写体位置を算出する。
ステップ400で履歴保存部317に保存された被写体位置などのデータに基づいて移動速度と移動加速度を算出する。過去に検出された被写体位置と最新の被写体位置を統計的に処理し、時間に対する傾きを求めれば移動速度が算出できる。また、移動加速度は移動速度の時間変化率を求めれば算出できるので、履歴保存部317に移動速度を保存しておけばその変化率が算出できる。
ステップ500で算出した移動速度と移動加速度に基づいて被写体の動きを判定する。静止被写体の場合はステップ600へ進み、動体被写体の場合はステップ800へ進む。静止被写体の場合は、ステップ600でデフォーカス量に基づいて同一被写体信頼性有無の判定を行い、続くステップ700でデフォーカス量により背景方向抜け判定を行う。一方、動体被写体の場合は、ステップ800で移動速度比に基づいて同一被写体信頼性有無の判定を行い、続くステップ900で移動速度により背景方向抜け判定を行う。
判定結果が同一被写体信頼性ありかなしかを確認し、信頼性なしの場合はステップ1100へ進み、信頼性有りの場合はステップ1800へ進む。信頼性無しの場合は、ステップ1100で判定結果が背景抜けか否かを確認し、背景抜けの場合はステップ1200へ進み、そうでなければステップ1300へ進む。同一被写体信頼性なしで、かつ背景抜けの場合はステップ1200で長いロックオン時間Lを設定し、背景抜けでない場合はステップ1300で短いロックオン時間Sを設定する。
ステップ1400で同一被写体の信頼性がないのでタイマー3154による計時を行う。なお、まだタイマー3154が作動していない場合は、すなわち前回測距(焦点検出)時に同一被写体信頼性ありで、今回の測距時に同一被写体信頼性なしの場合には、タイマー3154による計時を開始する。ステップ1500で同一被写体信頼性なしとなってからロックオン時間LまたはSが経過したか否かを判定し、ロックオン時間が経過した場合はステップ1600へ進み、経過していない場合はステップ1700へ進む。
ロックオン時間が経過した場合は、ステップ1600で履歴保存部317に保存された履歴情報をすべてクリヤーする。同一被写体信頼性なしとなったままロックオン時間が経過した場合、撮影者は被写体を変えた可能性が高い。この場合、保存していた履歴は変更する前の被写体に関するものであって、新しい被写体に対して有効な情報を提供するものではないから、履歴情報をクリヤーする。
一方、ロックオン時間が経過する前は、ステップ1700で履歴データを保持する。この場合は履歴データのクリヤーも更新もしない。このステップに進んだ時点では同一被写体信頼性なしであるが、それまで捉えていた被写体を捉え続けるものとしている。したがって、過去の履歴情報をクリヤーすることはできない。しかし、同一被写体信頼性がないので最新のデータを使うわけにもいかない。したがって、履歴データを保持する処理を行う。
同一被写体信頼性ありと判定された場合は、ステップ1800でタイマー3154による計時を停止する。なお、すでにタイマー3154の計時が停止されている場合はこのステップをスキップする。続くステップ1900で同一被写体の信頼性があるので今回演算した履歴データを履歴保存部317に保存する。
図6および図7は、静止被写体に対する一実施の形態のオートフォーカス動作を示すタイムチャートである。図6(a)は、静止被写体を捕捉した状態から被写体の背景方向に抜けたときの被写体位置とレンズ位置を示す。なお、被写体位置の算出からレンズ駆動を行うまでにタイムラグがあるので、図ではそれぞれの被写体位置に少し遅れる形でレンズ位置をプロットする。図6(b)は、図6(a)に示す状況で発生するデフォーカス量を示す。
捕捉していた主要被写体を外して背景方向に抜けたときに、デフォーカス量は背景方向のしきい値を超え、この時点でタイマー3154による計時が開始される。その後、しばらくはこれまでの主要被写体を捉え続けていると仮定するので、レンズ位置が大きく変わることはない。そして、ロックオン時間Lが経過すると、背景方向の被写体にピントを合わせるべくレンズ駆動が開始される。
図7(a)は、静止被写体を捕捉した状態からその手前にある別の被写体に向いたときの被写体位置とレンズ位置を示す。また、図7(b)は、図7(a)に示す状況で発生するデフォーカス量を示す。
捕捉していた主要被写体を外して手前方向の被写体に向いたときに、デフォーカス量は手前方向のしきい値を超え、この時点でタイマー3154による計時が開始される。その後、しばらくはそれまでの主要被写体を捉え続けていると仮定するので、レンズ位置が大きく変わることはない。そして、ロックオン時間Sが経過すると、手前方向の被写体にピントを合わせるべくレンズ駆動が開始される。
図6および図7に示すように、主要被写体をその背景方向に外すか、または手前方向に外すかによって、新しい被写体に向けてのレンズ駆動の開始タイミングが異なり、背景方向に抜けたときは手前方向に抜けたときよりも開始タイミングが遅くなっている。
図8および図9は、動体被写体に対する一実施の形態のオートフォーカス動作を示すタイミングチャートである。図8(a)は、動体被写体を捕捉した状態から被写体の背景方向に抜けたときの被写体位置とレンズ位置を示す。なお、被写体位置の算出からレンズ駆動を行うまでにタイムラグがあるので、図ではそれぞれの被写体位置に少し遅れる形でレンズ位置をプロットする。図8(b)は、図8(a)に示す状況で発生するデフォーカス量を示す。
捕捉していた動体被写体を外して背景方向に抜けたときに、同一被写体信頼性なしと判定されてタイマー3154による計時が開始され、移動速度がしきい値を超えているので長いロックオン時間Lが設定される。同一被写体信頼性なしと判定されてからロックオン時間Lが経過するまでは、それまでと同じ動体被写体を捉えているものとして予測駆動を継続する。そして、ロックオン時間Lが経過したら背景の被写体にピントを合わせるためのレンズ駆動を開始する。
図9(a)は、動体被写体を捕捉した状態からその手前にある別の被写体に向いたときの被写体位置をレンズ位置を示す。また、図9(b)は、図9(a)に示す状況で発生するデフォーカス量を示す。
捕捉していた動体被写体を外して手前方向の被写体に向いたときに、同一被写体信頼性なしと判定されてタイマー3154による計時が開始される。このとき、移動速度は背景方向のしきい値を超えていないので短いロックオン時間Sが設定される。同一被写体信頼性なしと判定されてからロックオン時間Sが経過するまでは、それまでと同じ動体被写体を捉えているものとして予測駆動を継続する。そして、ロックオン時間Sが経過したら手前の被写体にピントを合わせるためのレンズ駆動を開始する。
図8および図9に示すように、動体被写体をその背景方向に外すか、または手前方向に外すかによって、新しい被写体に向けてのレンズ駆動の開始タイミングが異なり、背景方向に抜けたときは手前方向に抜けたときよりも開始タイミングが遅くなっている。
図10および図11は、一実施の形態のオートフォーカス装置と従来のオートフォーカス装置の被写体外し時の動作の違いを説明する図である。いずれの図も最初は意図する主要被写体を捕捉し、途中で主要被写体を外して背景方向に向いてしまった後、ふたたびもとの主要被写体を捕捉するという状況を想定し、図10は静止被写体の場合の動作を、図11は動体被写体の場合の動作を示す。
図10(a)は一実施の形態のオートフォーカス動作を示し、図10(b)は従来装置のオートフォーカス動作を示す。一実施の形態によれば、被写体外しにより背景方向に抜けた場合、長いロックオン時間Lを設定しているので、被写体外しから背景方向の被写体にレンズ駆動が開始されるまでの間に、ふたたび主要被写体を捕捉し直すための時間的な余裕が確保され、主要被写体を捕捉し直すまでレンズ駆動が行われない確率が高くなる。したがって、被写体外しが発生してもふたたび主要被写体を捕捉し直すことが容易になる上に、被写体外し時にいったん背景の被写体に向けてレンズ駆動を行った後、捕捉し直した主要被写体に向けてレンズ駆動を行うという、無用な動作を防止することができ、主要被写体にピントを合わせ続けることができる。
これに対し従来のオートフォーカス装置では、図10(b)に示すように、被写体外しにより背景方向に抜けた場合、被写体外しから背景方向の被写体にレンズ駆動が開始されるまでの間に、ふたたび主要被写体を捕捉し直すための時間的な余裕がなく、主要被写体を捕捉し直す前に背景方向の被写体に向けたレンズ駆動が開始されてしまう。その後、主要被写体を捕捉し直しても、しばらく背景の被写体を捕捉し続けようとした後、主要被写体に向けたレンズ駆動が開始される。つまり、従来の装置では、被写体外しにより背景方向に抜けた場合、ふたたび主要被写体を捕捉し直すのが容易でない上に、無用なレンズ駆動が行われて使用感が悪い。
図11(a)は一実施の形態のオートフォーカス動作を示し、図11(b)は従来装置のオートフォーカス動作を示す。一実施の形態によれば、被写体外しにより背景方向に抜けた場合、長いロックオン時間Lを設定しているので、被写体外しから背景方向の被写体にレンズ駆動が開始されるまでの間に、ふたたび主要被写体を捕捉し直すための時間的な余裕が確保され、主要被写体を捕捉し直すまでレンズ駆動が行われない確率が高くなる。その上、主要被写体を捕捉し直すまでそれまでの主要被写体に対する予測駆動を継続し、背景方向に向けたレンズ駆動は行われない。したがって、被写体外しが発生してもふたたび主要被写体を捕捉し直すことが容易になる上に、被写体外し時にいったん背景の被写体に向けてレンズ駆動を行った後、捕捉し直した主要被写体に向けてレンズ駆動を行うという、無用な動作を防止することができ、主要被写体にピントを合わせ続けることができる。
これに対し従来のオートフォーカス装置では、図11(b)に示すように、被写体外しにより背景方向に抜けた場合、被写体外しから背景方向の被写体にレンズ駆動が開始されるまでの間に、ふたたび主要被写体を捕捉し直すための時間的な余裕がなく、主要被写体を捕捉し直す前に背景方向の被写体に向けたレンズ駆動が開始されてしまう。その後、主要被写体を捕捉し直しても、しばらく背景の被写体を捕捉し続けようとした後、主要被写体に向けたレンズ駆動が開始される。つまり、従来の装置では、被写体外しにより背景方向に抜けた場合、ふたたび主要被写体を捕捉し直すのが容易でない上に、無用なレンズ駆動が行われて使用感が悪い。
通常の撮影で被写体外しが発生する原因は、撮影者が意図的に構図を変える場合を除くと、第1に、被写体の動き、撮影者の手ブレ、撮影者の被写体捕捉ミスがあり、第2に、被写体の前を障害物が横切る、ことが上げられる。これらの原因の内、頻繁に発生するのは第1の原因によるものであり、この場合には背景抜けが圧倒的に多い。つまり、被写体外しによる背景抜けの発生確率が非常に高い。
一方、撮影者が意図して被写体を変える場合、遠い被写体から近い被写体へ変える場合が多い。したがって、背景方向、手前方向ともにロックオン時間を長くすると、手前方向の被写体に構図を変更する場合には変更後の被写体に対するレンズ駆動の開始タイミングが遅くなり、焦点調節の応答性が悪くなる。
一実施の形態によれば、前回の焦点検出時の被写体(過去被写体)と今回の焦点検出時の被写体(新被写体)とが同一と見なせないと判定されてからロックオン時間の間は過去被写体に対して撮影光学系の焦点調節を行い、ロックオン時間後は新被写体に対して撮影光学系の焦点調節を行うオートフォーカス装置において、焦点検出エリアの焦点検出結果に基づいて新被写体が過去被写体よりも遠くにあるか近くにあるかを判定し、新被写体が過去被写体よりも遠くにあると判定された場合は、近くにあると判定された場合よりもロックオン時間を長くするようにしたので、被写体外しによる背景抜け時に背景方向へのレンズ駆動が開始されるまでの間に主要被写体を捕捉し直す充分な時間的余裕が確保され、主要被写体を捕捉し直す確率が高くなる。その結果、主要被写体に対して快適にピントを合わせ続けることができる。一方、手前側の新しい被写体に構図を変更する場合には、短時間でレンズ駆動が開始され、焦点調節の良好な応答性を確保できる。
《発明の一実施の形態の変形例》
上述した一実施の形態では1個の測距エリアを設けたオートフォーカス装置を例に上げて説明したが、図12に示すように、複数の測距(焦点検出)エリアを設けたオートフォーカス装置に対しても本願発明を適用することができる。このような多点測距方式のオートフォーカス装置では、シングルエリアAFモード、至近優先ダイナミックAFモードなどの各種AFモードを備えている。
シングルAFモードでは、5点の測距エリアのうち、撮影者が任意に選択した1点の測距エリアのみで焦点検出を行い、その結果にしたがって焦点調節を行う。至近優先ダイナミックAFモードでは、5点の測距エリアの内、撮影者に最も近い被写体を捕捉している測距エリアの焦点検出結果を用いて焦点調節を行う。
このような多点測距方式のオートフォーカス装置において、シングルAFモードが設定された場合には、被写体外し時に背景抜けか否かに拘わらず常に同一のロックオン時間を設定する。一般に、シングルAFモードは中級から上級の撮影者が主に使用するAFモードであり、焦点調節における応答の速さを求められることから、短いロックオン時間Sに統一するのが望ましい。
一方、至近優先ダイナミックAFモードが設定された場合は、背景抜けの場合は長いロックオン時間Lを設定し、そうでない場合は短いロックオン時間Sを設定する。至近優先ダイナミックAFモードは常に至近の被写体にピントを合わせ続けるAFモードであるため、背景に抜けるのは避けなければならない。したがって、背景抜けのときはロックオン時間を長くして背景抜けが起こりにくくした方がよい。
この変形例によれば、撮影光学系の撮影画面内に設定した複数の焦点検出エリアで撮影光学系の焦点検出を行うオートフォーカス装置において、焦点検出エリアを自動で選択する場合は、新被写体が過去被写体よりも遠くにあるか近くにあるかの判定結果にしたがって設定時間を変更し、焦点検出エリアを手動で選択する場合は、新被写体が過去被写体よりも遠くにあるか近くにあるかの判定結果に拘わらず設定時間を変更しないようにしたので、撮影者の熟練度に応じたロックオン時間を設定することができる。
なお、上述した一実施の形態では一眼レフカメラに本願発明を適用した例を示したが、本願発明は一眼レフカメラに限定されず、各種カメラ、双眼鏡、望遠鏡、その他の光学機器に適用することができる。また、上述した一実施の形態では位相差方式のオートフォーカス装置を例に上げて説明したが、オートフォーカス方式は位相差方式に限定されない。
一実施の形態のオートフォーカス装置を搭載した一眼レフカメラの横断面図である。 レンズ目標位置演算部の詳細な構成を示す図である。 静止被写体に対する同一被写体信頼性有無の判定方法とロックオン時間を示す図である。 動体被写体に対する同一被写体信頼性有無の判定方法とロックオン時間を示す図である。 一実施の形態のオートフォーカス動作を示すフローチャートである。 静止被写体を外して背景に抜けた場合の一実施の形態の動作を示す図である。 静止被写体を外して手前に抜けた場合の一実施の形態の動作を示す図である。 動体被写体を外して背景に抜けた場合の一実施の形態の動作を示す図である。 動体被写体を外して手前に抜けた場合の一実施の形態の動作を示す図である。 一実施の形態の静止被写体に対する動作と従来装置の静止被写体に対する動作とを比較した図である。 一実施の形態の動体被写体に対する動作と従来装置の動体被写体に対する動作とを比較した図である。 複数の測距(焦点検出)エリアを示す図である。 単一の測距(焦点検出)エリアを示す図である。
符号の説明
300 デフォーカス量演算部
310 レンズ目標位置演算部
315 被写体状態判定部
317 履歴保存部
320 レンズ駆動信号演算部
3101 被写体位置検出演算部
3102 移動速度/移動加速度演算部
3103 レンズ駆動目標位置演算部
3151 被写体動き判定部
3152 同一被写体信頼性判定部
3153 背景抜け判定部
3154 タイマー

Claims (6)

  1. 撮影光学系の撮影画面内に設定した焦点検出エリアで前記撮影光学系の焦点検出を繰り返し行う焦点検出手段と、
    前記焦点検出エリアにおける焦点検出結果に基づいて、前回の焦点検出時の被写体(以下、過去被写体という)と今回の焦点検出時の被写体(以下、新被写体という)とが同一と見なせるか否かを判定する同一被写体判定手段と、
    前記過去被写体と前記新被写体とが同一と見なせないと判定されてから設定時間の間は前記過去被写体に対して前記撮影光学系の焦点調節を行い、前記設定時間後は前記新被写体に対して前記撮影光学系の焦点調節を行う焦点調節手段とを備えたオートフォーカス装置において、
    前記焦点検出エリアの焦点検出結果に基づいて、前記新被写体が前記過去被写体よりも遠くにあるか近くにあるかを判定する被写体遠近判定手段と、
    前記被写体遠近判定手段の判定結果に基づいて、前記新被写体が前記過去被写体よりも遠くにあると判定された場合は、近くにあると判定された場合よりも長い前記設定時間を設定する設定時間設定手段とを備えることを特徴とするオートフォーカス装置。
  2. 撮影光学系の撮影画面内に設定した焦点検出エリアで前記撮影光学系の焦点検出を繰り返し行う焦点検出手段と、
    前記焦点検出手段による焦点検出結果に基づいて前記撮影光学系の被写体像面の移動速度を算出する速度算出手段と、
    前記被写体像面の移動速度に基づいて、前回の焦点検出時の被写体(以下、過去被写体という)と今回の焦点検出時の被写体(以下、新被写体という)とが同一と見なせるか否かを判定する同一被写体判定手段と、
    前記過去被写体と前記新被写体とが同一と見なせないと判定されてから設定時間の間は前記過去被写体に対して前記撮影光学系の焦点調節を行い、前記設定時間後は前記新被写体に対して前記撮影光学系の焦点調節を行う焦点調節手段とを備えたオートフォーカス装置において、
    前記焦点検出エリアの焦点検出結果に基づいて、前記新被写体が前記過去被写体よりも遠くにあるか近くにあるかを判定する被写体遠近判定手段と、
    前記被写体遠近判定手段の判定結果に基づいて、前記新被写体が前記過去被写体よりも遠くにあると判定された場合は、近くにあると判定された場合よりも長い前記設定時間を設定する設定時間設定手段とを備えることを特徴とするオートフォーカス装置。
  3. 請求項1に記載のオートフォーカス装置において、
    前記被写体遠近判定手段は、前記撮影光学系の被写体像面の移動速度に関連する情報に基づいて、前記新被写体が前記過去被写体よりも遠くにあるか近くにあるかを判定することを特徴とするオートフォーカス装置。
  4. 請求項2に記載のオートフォーカス装置において、
    前記被写体遠近判定手段は、前記速度算出手段によって算出された移動速度に基づいて、前記新被写体が前記過去被写体よりも遠くにあるか近くにあるかを判定することを特徴とするオートフォーカス装置。
  5. 請求項1または請求項2に記載のオートフォーカス装置において、
    前記被写体遠近判定手段は、デフォーカス量に基づいて前記新被写体が前記過去被写体よりも遠くにあるか近くにあるかを判定することを特徴とするオートフォーカス装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のオートフォーカス装置において、
    前記焦点検出手段は、前記撮影光学系の撮影画面内に設定した複数の焦点検出エリアで前記撮影光学系の焦点検出を行い、
    前記複数の焦点検出エリアの焦点検出結果に基づいて、前記複数の焦点検出エリアの中から最至近の被写体が検出される焦点検出エリアを自動で選択する自動エリア選択手段と、
    使用者が前記複数の焦点検出エリアの中からいずれか1つを選択するためのエリア選択操作部材とを備え、
    前記設定時間設定手段は、前記自動エリア選択手段により焦点検出エリアを自動で選択する場合は、前記被写体遠近判定手段の判定結果にしたがって前記設定時間を設定し、前記エリア選択操作部材により焦点検出エリアを手動で選択する場合は、前記被写体遠近判定手段の判定結果に拘わらず一定の設定時間を設定することを特徴とするオートフォーカス装置。
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