JPH0874133A - 紡機の運転制御装置 - Google Patents

紡機の運転制御装置

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JPH0874133A
JPH0874133A JP21149494A JP21149494A JPH0874133A JP H0874133 A JPH0874133 A JP H0874133A JP 21149494 A JP21149494 A JP 21149494A JP 21149494 A JP21149494 A JP 21149494A JP H0874133 A JPH0874133 A JP H0874133A
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JP
Japan
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motor
load
current
spinning machine
level
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JP21149494A
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English (en)
Inventor
Kiwamu Niimi
究 新美
Makoto Shibuya
誠 渋谷
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 予め設定された生産条件データ通りのスピン
ドル回転数にて駆動用モータが駆動制御される紡機にお
いて、不適切なデータ設定が原因でモータが過負荷とな
って満管前に紡機の運転が非常停止されることを防止す
る。 【構成】 精紡機に設けられたスピンドル駆動用のメイ
ンモータM1のモータ電流は電流検出器30により検出
され、その検出信号は過負荷判定回路31に出力され
る。過負荷判定回路31はモータ電流が供給許容電流I
O を越えるとその検出信号の電圧レベルに応じた減速指
令信号S1 〜S5 をCPU20に対して出力し、モータ
電流がさらに負荷許容電流IE を越えると非常停止信号
E を出力回路32に出力する。CPU20に減速指令
信号S1 〜S5 が入力されるとインバータ8を介してモ
ータ電流が低減され、出力回路32に非常停止信号SE
が入力されると、メインモータM1へのモータ電流が遮
断されるようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は予め設定された管糸重
量、スピンドル回転数等の生産条件データに基づきスピ
ンドル駆動用のモータが駆動される精紡機、撚糸機、粗
紡機等の紡機の運転制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】精紡機にはスピンドル駆動やリフティン
グ駆動のためのモータが配設されており、モータが駆動
中に過負荷状態となる異常時には精紡機の運転が停止さ
れるようになっている。モータの過負荷停止の方法とし
ては、モータにサーマルリレー等の電流遮断器を設け、
モータの過負荷による発熱を検知してモータの駆動を停
止させるようにしている。また、例えば特開平1−22
9826号公報には、精紡機の全錘を複数グループに分
け、各錘グループ毎にモータを備えた精紡機の場合に、
一つのモータに全モータの平均負荷より大きな負荷がか
かると、モータ異常と判断して精紡機の運転を停止する
異常検出装置が開示されている。このように精紡機はそ
の駆動モータが運転中に過負荷状態となると、異常検出
信号によりその駆動が停止されるようになっている。
【0003】近年、精紡機の生産管理化が進み、管糸を
所望する重量や形状に均一に生産できるように、予め入
力装置等により入力設定した生産条件データに基づき精
紡機が運転制御されるようになってきている。この種の
精紡機では、管糸重量やスピンドル回転数等の生産条件
データが精紡機の運転開始前に予め入力装置により入力
設定され、その生産条件データ通りのスピンドル回転数
となるようにモータが駆動されるとともに、設定された
生産条件データ通りの管糸重量に達するとモータの駆動
が停止される。そのため、管糸を所望する重量や形状に
均一に、しかも効率良く生産することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、精紡機運転
時にモータにかかる負荷は、スピンドル回転数が高速に
なるほど、また管糸重量が重くなるほど大きくなる。ま
た、設定される生産条件データは作業者(オペレータ)
の所望に応じて生産効率を考慮して設定されるため、そ
の設定された生産条件データがモータの許容負荷を越え
て設定されてしまう場合があった。例えば、設定された
管糸重量データが比較的重いにも拘わらず、生産効率を
考慮してスピンドル回転数をその管糸重量の割りに高速
に設定された場合、精紡機の運転が進むに伴って管糸重
量が増してくると、その重くなった管糸を比較的高速な
設定スピンドル回転数にて回転させようとするため、モ
ータに許容負荷を越える大きな負荷がかかってしまう。
【0005】そして、モータが過負荷状態となると、精
紡機に備えられた異常検出装置により精紡機の運転が満
管前に停止されてしまう。この場合、精紡機は作業者に
より運転復帰されるまで満管前の生産途中の停止状態の
まま放置されることになるので、その生産効率が低下す
るという問題があった。
【0006】また、生産途中でモータの駆動が非常停止
されると、高速回転していたモータが急に惰性回転に入
って停止するので、精紡機として適正な停止動作でなか
った。そのため、惰性回転時に巻き取られた糸に弛みな
どが生じ易いうえ、再起動時に管糸上での巻き取り開始
位置が適切位置からずれていたりして糸弛みが生じ易く
所望する管糸形状が形成され難くなる。
【0007】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は予め設定された生産条件
データに基づきスピンドル駆動用のモータが速度制御さ
れる紡機において、設定データが不適切であることに起
因してモータが過負荷になることを未然に防止して満管
前の非常停止を回避させることにより、生産効率の向上
を図るとともに非常停止に起因する不具合を防止するこ
とができる紡機の運転制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め請求項1に記載の発明では、紡機の運転条件を決める
生産条件データを入力設定可能な入力手段と、該入力手
段により入力された生産条件データに基づきスピンドル
駆動用のモータを駆動制御する制御手段とを備えた紡機
において、前記モータの負荷を検出する負荷検出器と、
前記負荷検出器からの検出信号に基づき前記モータが所
定負荷レベルを越えたか否かを判断する判断手段と、前
記判断手段により前記モータが所定負荷レベルを越えた
と判断されたときに前記モータの負荷が所定負荷レベル
以下となるように制御するモータ負荷制御手段とを設け
た。
【0009】請求項2に記載の発明では、前記モータを
錘グループ毎に複数備えた紡機において、各モータ毎に
前記負荷検出器を備え、前記判断手段により前記各負荷
検出器からの検出信号に基づき各モータの負荷がいずれ
か一つでも所定負荷レベルを越えたと判断されたときに
は、前記各モータの負荷が全て所定負荷レベル以下に制
御されるように前記モータ負荷制御手段を設定した。
【0010】請求項3に記載の発明では、前記モータの
負荷レベルを複数レベル設定し、前記判断手段により判
断された各負荷レベルに応じた減速度にて前記モータの
負荷が低減されるように前記モータ負荷制御手段を設定
した。
【0011】請求項4に記載の発明では、前記負荷検出
器からの検出信号に基づき前記判断手段により前記モー
タの負荷が過負荷レベルに達したと判断されたときに、
前記モータの駆動が停止されるように前記モータ負荷制
御手段を設定した。
【0012】請求項5に記載の発明では、前記判断手段
により前記モータの負荷が所定負荷レベルを越えたと判
断されたときに作動される報知手段を設けた。
【0013】
【作用】上記構成により請求項1に記載の発明によれ
ば、紡機は運転開始前に予め入力手段により入力された
生産条件データに基づきスピンドル駆動用のモータが制
御手段により駆動制御されることにより運転される。紡
機の運転中は、負荷検出器によりモータの負荷が検出さ
れる。その検出信号は判断手段に出力され、その検出信
号に基づきモータの負荷が所定負荷レベルを越えたか否
かが判断手段により判断される。判断手段によりモータ
が所定負荷レベルを越えたと判断されると、モータの負
荷が所定負荷レベル以下となるようにモータ負荷制御手
段により制御される。従って、生産条件データの不適切
な設定が原因でモータの負荷が所定負荷レベルを越えて
も、過負荷となる前に未然にその負荷が所定負荷レベル
以下まで低減されるので、精紡機が満管前にモータの過
負荷を検知して運転停止されることが防止される。
【0014】請求項2に記載の発明によれば、錘グルー
プ毎に設けられた複数のモータ毎に備えられた負荷検出
器からの検出信号に基づき各モータの負荷が判断手段に
より判断される。そして、いずれか一つのモータでもそ
の負荷が所定負荷レベルを越えたと判断されたときに
は、各モータの負荷が全て所定負荷レベル以下となるよ
うにモータ負荷制御手段により制御される。
【0015】請求項3に記載の発明によれば、モータの
負荷が所定負荷レベルを越えると、その負荷が複数の負
荷レベルのうちどの負荷レベルに属するかが判断手段に
より判断される。そして、モータの負荷はモータ負荷制
御手段により、判断手段により判断された負荷レベルに
応じた減速度で低減される。そのため、モータの負荷は
その負荷レベルに応じた適切な速度勾配で速やかに所定
負荷レベル以下まで低減される。
【0016】請求項4に記載の発明によれば、負荷検出
器からの検出信号に基づきモータの負荷が過負荷レベル
に達したと判断手段により判断されると、モータ負荷制
御手段によりモータの駆動が停止される。
【0017】請求項5に記載の発明によれば、判断手段
によりモータの負荷が所定負荷レベルを越えたと判断さ
れると、報知手段が作動される。
【0018】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図1〜
図4に基づいて説明する。図2に示すように、ドラフト
装置を構成するフロントローラ1はその回転軸1aの第
1端部に嵌着された歯車2と、スピンドル駆動用のメイ
ンモータM1により回転駆動されドライビングシャフト
3との間に配設された歯車列(図示せず)を介して回転
駆動されるようになっている。スピンドル4はドライビ
ングシャフト3に固定されたチンプーリ5との間に巻き
掛けられたスピンドルテープ6を介して回転駆動される
ようになっている。フロントローラ1とスピンドル4の
回転数比は、フロントローラ1からのフリースの送り出
し量(紡出量)と、スピンドル4の糸巻取り量とが常に
同量となるように設定されている。メインモータM1に
は可変速モータが使用され、メインモータM1は制御装
置7によりモータ負荷制御手段を構成するインバータ8
を介して駆動制御されるようになっている。
【0019】ドライビングシャフト3に嵌着された歯車
9の近傍には、歯車9の回転数からスピンドル4の回転
数を間接的に検出するための検出器10が設けられてい
る。また、歯車2の近傍には、歯車2の回転数から紡出
量を間接的に検出する検出器11が設けられている。
【0020】リフティング装置は例えば特開昭62−2
06034号公報に開示された装置と同じ昇降機構を備
えている。すなわち、ラインシャフト12にはそれぞれ
リングレール13及びラペットアングル(図示せず)等
を昇降作動する昇降ユニット14が一定間隔で配設され
ている(1個のみ図示)。昇降ユニット14はラインシ
ャフト12と一体回転するねじ歯車15と、ポーカピラ
ー16の下部に形成されたスクリュー部16aが螺入さ
れるとともにねじ歯車15に噛合するナット体17とか
ら構成されている。ポーカピラー16の上端にリングレ
ール13等が固着されている。ラインシャフト12はギ
ヤボックス(図示せず)を介してリフティングモータM
2に作動連結されている。リフティングモータM2は正
逆回転可能なACサーボモータからなり、制御装置7に
よりサーボドライバ18を介して駆動制御されるように
なっている。リフティングモータM2にはその回転数を
検出するためのロータリエンコーダ19が装備されてい
る。
【0021】図1に示すように、制御装置7はマイクロ
コンピュータMCを内蔵している。マイクロコンピュー
タMCはモータ負荷制御手段及び判断手段を構成する中
央処理装置(以下CPUという)20と、プログラムメ
モリ21と、作業用メモリ22とを備えている。プログ
ラムメモリ21は制御プログラムを記憶した読出し専用
メモリ(ROM)からなり、作業用メモリ22は入力装
置23により入力された生産条件データ及びCPU20
における演算処理結果等を一時記憶する読出し及び書替
え可能なメモリ(RAM)からなっている。生産条件デ
ータとして管糸重量及びスピンドル回転数等のデータが
入力設定される。CPU20はプログラムメモリ21に
記憶されたプログラムデータに基づいて動作するように
なっている。作業用メモリ22にはバックアップ電源を
備えた不揮発性メモリが使用されている。
【0022】各検出器10,11、ロータリエンコーダ
19及び入力装置23は入力インタフェース24を介し
てCPU20に接続されている。CPU20は出力イン
タフェース25を介してサーボモータ駆動回路26、モ
ータ負荷制御手段を構成する主モータ駆動回路27及び
点灯駆動回路28と接続されている。さらにサーボモー
タ駆動回路26はサーボドライバ18に、主モータ駆動
回路27はインバータ8に、点灯駆動回路28は報知手
段を構成する警報ランプ29にそれぞれ接続されてい
る。CPU20は主モータ駆動回路27を介してインバ
ータ8に制御指令信号を出力するようになっており、そ
の制御指令信号に基づきメインモータM1へのモータ電
流がインバータ8により電流値制御されるようになって
いる。このインバータ8によるモータ電流の電流値制御
によりメインモータM1が回転数制御される。また、C
PU20はサーボモータ駆動回路26を介してサーボド
ライバ18に制御指令信号を出力し、その制御指令信号
に基づきサーボドライバ18によりリフティングモータ
M2がメインモータM1の回転数に同期して回転数制御
されるようになっている。
【0023】各モータM1,M2はブレーカCBに接続さ
れた三相導線R,S,Tとそれぞれインバータ8、サー
ボドライバ18を介して接続され、三相交流にて駆動さ
れる。インバータ8とメインモータM1との間には、メ
インモータM1へ供給されるモータ電流の電流値を検出
するための負荷検出器としての電流検出器(変流器)3
0が設けられている。電流検出器30は判断手段を構成
する過負荷判定回路31に接続され、モータ電流に比例
した電圧信号を検出信号Sとして過負荷判定回路31に
出力するようになっている。過負荷判定回路31は入力
インタフェース24を介してCPU20に接続されると
ともにモータ負荷制御手段を構成する出力回路32に接
続されている。過負荷判定回路31には複数の比較器が
備えられている。
【0024】図3に示すように、本実施例ではメインモ
ータM1のモータ電流IM がそれを越えると過負荷電流
となる負荷許容電流IE より小さな供給許容電流IO
下に電流値制御されるようになっている。供給許容電流
O と負荷許容電流IE との間の負荷領域は、複数のレ
ベル域に分けられており、過負荷判定回路31中の各比
較器の基準電圧は、それぞれ各レベル域の境界に相当す
る電流値I1 〜I4 、供給許容電流IO 及び負荷許容電
流IE に比例するように設定されている。すなわち、検
出信号Sを入力した過負荷判定回路31からはモータ電
流IM が供給許容電流IO 以下のときには信号出力が行
われない。そして、モータ電流IM が負荷領域(IO
M ≦IE )内にあるときにはそのレベル域に応じた減
速指令信号S1 〜S5 がCPU20に対して出力され、
負荷許容電流IE を越えたときには出力回路32に対し
て非常停止信号SE が出力されるようになっている。
【0025】図1に示すように、出力回路32はマグネ
ットコンタクタMS1 ,MS2 を介して三相導線R,Tと接
続されている。出力回路32に非常停止信号SE が入力
されると、マグネットコンタクタMS1 ,MS2 が励磁さ
れ、各モータM1,M2と三相導線R,S,Tとの間に
接続された常閉接点MS1b,MS2bが開かれ、各モータM
1,M2へのモータ電流IM の供給が遮断されるように
なっている。
【0026】作業用メモリ22にはCPU20に入力さ
れる各減速指令信号S1 〜S5 に応じた減速度データが
予め記憶されており、CPU20は入力した減速指令信
号S 1 〜S5 に応じた減速度にてメインモータM1の回
転数が減少するようにインバータ8に対して制御指令信
号を出力するようになっている。減速度データはモータ
電流IM がより高いレベル域に属するほど減速度が大き
くなるように設定されており、過負荷判定回路31から
CPU20に入力される減速指令信号S1 〜S 5 の信号
レベルが大きくなるほどメインモータM1の回転数がよ
り大きな減速勾配で減少するようになっている。リフテ
ィングモータM2の回転数はメインモータM1の回転数
に同期して減速される。
【0027】また、CPU20に減速指令信号S1 〜S
5 が入力されると、CPU20から点灯駆動回路28に
対して点灯指令信号SL が出力され、警報ランプ29が
点灯されるようになっている。警報ランプ29は一旦点
灯されると、作業者によりリセットされるまでその点灯
が継続されるように設定されている。また、CPU20
は検出器11からの検出信号に基づき計測した紡出長が
予め設定されて作業用メモリ22に記憶された管糸重量
データに対応する値に達すると、サーボモータ駆動回路
26及び主モータ駆動回路27に対して停止信号を出力
して各モータM1,M2の駆動を停止させるようになっ
ている。
【0028】次に上記のように構成されたモータ駆動制
御装置の作用を説明する。精紡機の運転開始前に予め所
望する管糸重量w及びスピンドル回転数VSP等のデータ
が生産条件データとして入力装置23により制御装置7
に入力設定される。精紡機の運転が開始されると、その
運転中にはCPU20からサーボモータ駆動回路26及
び主モータ駆動回路27に対して、生産条件データとし
て設定されたスピンドル回転数データに対応した各制御
指令信号が出力される。メインモータM1へのモータ電
流IM はその制御指令信号に基づきインバータ8を介し
て電流値制御され、このモータ電流IM の電流値制御に
より駆動時のメインモータM1の回転数が制御される。
また、リフティングモータM2も制御指令信号に基づき
サーボドライバ18を介してメインモータM1に同期し
た所定回転数で駆動される。検出器10から制御装置7
に入力された検出信号は制御指令信号にフィードバック
され、スピンドル4は図4に示すように設定回転数通り
の一定速度VSPで駆動される。
【0029】この精紡機の運転中には電流検出器30に
よりメインモータM1へのモータ電流値IM が検出さ
れ、モータ電流IM に比例する電圧レベルを有した検出
信号Sが電流検出器30から過負荷判定回路31に出力
される。
【0030】管糸形成が進むに連れて管糸重量が徐々に
増加するため、この管糸重量の増加によりメインモータ
M1にかかる負荷が徐々に増大し、図4に示すように管
糸重量の増加と伴にメインモータM1のモータ電流IM
が増大する。
【0031】ここで、運転開始前に入力設定した管糸重
量とスピンドル回転数の各データの対応関係が不適切
で、設定された管糸重量の割りにスピンドル回転数が比
較的高速に設定されていた場合には、図4に示すように
モータ電流IM が管糸の満管前に供給許容電流IO に達
してしまう。供給許容電流IO を越えると、まず過負荷
判定回路31から減速指令信号S1 が入力インタフェー
ス24を介してCPU20に出力される。CPU20は
減速指令信号S1 を入力すると、点灯駆動回路28に点
灯指令信号SL を出力して警報ランプ29を点灯させる
とともに、作業用メモリ22からその減速指令信号S1
に応じた減速度データを読み出す。そして、読出したデ
ータの減速度に応じた各制御指令信号をサーボモータ駆
動回路26及び主モータ駆動回路27に対してそれぞれ
出力する。その結果、図3に実線で示すようにモータ電
流IM の上昇速度が比較的緩やかである場合には、イン
バータ8による電流値制御によりモータ電流IM が比較
的小さな減速度で供給許容電流IO まで低下する。
【0032】一方、図3に一点鎖線で示すように、モー
タ電流IM の上昇速度が比較的大きく、モータ電流IM
が供給許容電流IO に対して数段高いレベル域に達した
場合には、その電流レベル域に応じた大きな減速度でモ
ータ電流IM が減少する。そのため、このようにモータ
電流IM の上昇速度が比較的大きい場合でも、モータ電
流IM は供給許容電流IO まで速やかに低下する。
【0033】そして、メインモータM1はモータ電流I
M が供給許容電流IO まで低下した後はその回転数を保
持するように駆動される。その際、さらに管糸重量が増
加すると、モータ電流IM が再び供給許容電流IO を越
え始めるが、供給許容電流I O を僅かにでも越えるとモ
ータ電流IM は最低のレベル域に対応する小さな減速度
で供給許容電流IO に速やかに復帰される。そのため、
図3に示すようにモータ電流IM はほとんどばらつきな
く供給許容電流IO に保持される。
【0034】従って、生産条件データの不適切が原因
で、モータ電流IM が供給許容電流I O を越えることが
あっても、スピンドル回転数が低減されてモータ電流I
M が供給許容電流IO まで速やかに復帰されて保持され
るので、満管前の生産途中で精紡機の運転が非常停止さ
れることがなくなる。
【0035】また、メインモータM1の故障等から図3
に二点鎖線で示すようにモータ電流IM が急激に増大し
て負荷許容電流IE を越えたときには、過負荷判定回路
31から出力回路32に非常停止信号SE が出力され
る。その結果、マグネットコンタクタMS1 ,MS2 が励磁
されて常閉接点MS1b,MS2bが開かれることにより各モー
タM1,M2への供給電流が遮断される。また、このと
きもモータ電流IM が負荷領域を通過するときに過負荷
判定回路31からCPU20に対して減速指令信号S1
〜S5 が出力されるので、警報ランプ29は点灯され
る。
【0036】以上詳述したように本実施例のモータ駆動
制御装置によれば、モータ電流IMが供給許容電流IO
を越えるとスピンドル回転数が減速されてモータ電流I
M が負荷許容電流IE を越えないように電流値制御され
る。その結果、設定した生産条件データが不適切である
ことが原因で、設定した管糸重量の割りにスピンドル回
転数が高速に運転されても、精紡機の運転を満管前の生
産途中にて停止させることなく満管まで継続させること
ができる。そのため、生産条件データの設定の不適切に
起因する精紡機の非常停止が回避されるので、精紡機の
生産性を向上させることができる。
【0037】また、生産条件データ設定の不適切に起因
して精紡機が満管前の生産途中で非常停止されることが
回避されることから、非常停止に伴うモータM1,M2
の惰性回転による管糸の糸弛み等の不具合の発生を防止
することができる。
【0038】さらに本実施例では、モータ電流IM の負
荷領域に複数の電流レベル域を設定し、モータ電流IM
が負荷領域にあるときの減速度を各レベル域に応じてそ
の電流レベルが大きいほどその減速度が大きくなるよう
に設定した。そのため、モータ電流IM の上昇速度が比
較的大きいときにも速やかに供給許容電流IO にまで復
帰させることができるとともに、供給許容電流IO への
復帰後はほとんどばらつきを伴わずにモータ電流IM
供給許容電流IO に保持することができる。従って、モ
ータ電流IM が一旦負荷領域に入った後の復帰後にもフ
ロントローラ1やスピンドル4を安定した回転数で駆動
させることができ、良質の糸を所望する管糸形状に生産
することができる。
【0039】なお、本発明は上記各実施例に限定される
ものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で例えば次
のように構成することもできる。 (1)前記実施例ではモータ電流IM の負荷領域に複数
のレベル域を設定したが、負荷領域をレベル域に区分せ
ず、供給許容電流IO と許容負荷電流IE との間の負荷
領域での減速度を一定としてもよい。
【0040】(2)前記実施例ではモータ電流IM が供
給許容電流IO を越えた際の電流値低下制御をCPU2
0に行わせたが、CPU20を介さずにモータ電流IM
の電流値低下制御を回路的にハードで行う構成としても
よい。
【0041】(3)モータ電流IM が許容負荷電流IE
を越えた際の非常停止制御をCPU20に行わせる構成
としてもよい。 (4)前記実施例では負荷検出器をメインモータM1の
モータ電流IM を検出する電流検出器30としたが、電
流検出器30に限定されない。例えばモータ電流IM
より発生する熱を温度センサで検出し、その検出温度か
らモータ電流I M の負荷を検出する構成としてもよい。
その他、負荷検出器としてメインモータM1の負荷レベ
ルを検出可能なその他のセンサや検出回路等を使用する
ことができる。
【0042】(5)特開平1−229826号公報に開
示された精紡機のようにスピンドル駆動用のメインモー
タM1を錘グループ毎に複数備えた精紡機に本発明を適
用してもよい。この場合、各メインモータM1毎にその
モータ電流IM の負荷を検出するための電流検出器30
や温度センサ等の負荷検出器を備え、各メインモータM
1の負荷を個々に検出する構成とするとよい。また、こ
のタイプの精紡機は、タンゼンシャルベルト等の伝動用
ベルトの摩耗度やグループ毎の管糸数の違い等によって
各メインモータM1にかかる負荷にばらつきが起こり易
い。例えば各負荷検出器からの検出信号に基づき各メイ
ンモータM1の負荷がいずれか一つでも供給許容電流I
O を越えた場合には、そのメインモータM1のモータ電
流が供給許容電流IO 以下に保持されるようにその他の
メインモータM1の回転数も一緒に同じ回転数まで低下
させて各メインモータM1間での同期を図る構成とする
とよい。また、判断手段には各負荷検出器からの検出信
号のいずれか一つでも所定負荷レベルを越えたか否かを
判定させればよい。この構成によれば、錘グループ毎に
メインモータM1を備えた精紡機においても、いずれか
一つのメインモータM1が供給許容電流IO を越えた場
合には他のメインモータM1も同期して回転数制御され
るので、全ての錘のスピンドル回転数を同期させること
ができる。
【0043】(6)特開平1−229826号公報に開
示された異常検出装置と本発明とを併用する構成として
もよい。 (7)前記実施例ではメインモータM1をインバータに
より速度制御される可変速モータとしたが、インバータ
制御に依らずメインモータM1として極変モータを使用
した精紡機に本発明を適用してもよい。また、一対の段
プーリを備え、段プーリに掛装されたベルトの掛装位置
を変更することにより変速制御を行う精紡機に本発明を
適用してもよい。この場合、段プーリに対するベルトの
掛装位置を変更するベルトシフタを駆動制御してモータ
の負荷を軽減させればよい。
【0044】(8)警報ランプに替えてブザー等を設
け、警報音を発するようにしてもよい。また、警報ラン
プとブザー等を併用してもよい。作業者が警報ランプが
見えない位置にいたり、他の作業に熱中していても警報
音ならば認知できる。
【0045】(9)本発明を精紡機以外の紡機に適用し
てもよい。例えば本発明をリング撚糸機や粗紡機に適用
してもよい。前記実施例から把握され、特許請求の範囲
に記載されていない発明を、その効果とともに以下に記
載する。
【0046】(1)請求項1において、前記紡機は前記
モータとスピンドルとの間の駆動系に設けられた一対の
段プーリに掛装されたベルトの掛装位置をベルト掛装位
置変更手段により変更させることによりスピンドル回転
数が変更される変速機構を備えており、前記モータの負
荷が所定負荷レベルを越えたと前記判断手段により判断
されたときに、前記モータ負荷制御手段を構成する前記
ベルト掛装位置変更手段を前記モータの負荷が低減され
るように駆動するように設定した。この構成によれば、
請求項1と同様の効果が得られる。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1及び請求項
2に記載の発明によれば、生産条件データがモータに過
負荷を与えるような不適切に設定されても、モータの負
荷が所定負荷レベルを越えると所定負荷レベル以下とな
るように制御されて過負荷になることが回避されるの
で、紡機の運転を生産途中で停止させることなく満管ま
で継続させることができるという優れた効果を奏する。
【0048】請求項3に記載の発明によれば、モータの
負荷が所定負荷レベルを越えると、モータの負荷をその
負荷レベルに応じた適切な減速度で速やかに低減させる
ことができるという優れた効果を奏する。
【0049】請求項4に記載の発明によれば、モータの
負荷が過負荷レベルに達した異常時におけるモータの非
常停止はモータ負荷制御手段により行われるので、モー
タの過負荷を検出してモータを非常停止させるための異
常検出装置が不要となる。
【0050】請求項5に記載の発明によれば、モータの
負荷が所定負荷レベルを越えたときに報知手段が作動さ
れるので、生産条件データ設定の不適切及びモータ異常
の発生を報知することができるという優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施例におけるモータ駆
動制御装置の電気回路図である。
【図2】精紡機の構成を示す模式図である。
【図3】負荷領域にあるモータ電流を示すグラフであ
る。
【図4】スピンドル回転数及び管糸重量とモータ電流と
の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
7…制御手段としての制御装置、8…モータ負荷制御手
段を構成するインバータ、20…モータ負荷制御手段及
び判断手段を構成する中央処理装置(CPU)、23…
入力手段としての入力装置、27…モータ負荷制御手段
を構成する主モータ駆動回路、28…報知手段を構成す
る点灯駆動回路、29…報知手段を構成する警報ラン
プ、30…負荷検出器としての電流検出器、31…判断
手段を構成する過負荷判定回路、32…モータ負荷制御
手段を構成する出力回路、M1…モータとしてのメイン
モータ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紡機の運転条件を決める生産条件データ
    を入力設定可能な入力手段と、該入力手段により入力さ
    れた生産条件データに基づきスピンドル駆動用のモータ
    を駆動制御する制御手段とを備えた紡機において、 前記モータの負荷を検出する負荷検出器と、 前記負荷検出器からの検出信号に基づき前記モータが所
    定負荷レベルを越えたか否かを判断する判断手段と、 前記判断手段により前記モータが所定負荷レベルを越え
    たと判断されたときに前記モータの負荷が所定負荷レベ
    ル以下となるように制御するモータ負荷制御手段とを備
    えた紡機の運転制御装置。
  2. 【請求項2】 前記モータを錘グループ毎に複数備えた
    紡機において、各モータ毎に前記負荷検出器を備え、前
    記判断手段により前記各負荷検出器からの検出信号に基
    づき各モータの負荷がいずれか一つでも所定負荷レベル
    を越えたと判断されたときには、前記各モータの負荷が
    全て所定負荷レベル以下に制御されるように前記モータ
    負荷制御手段を設定した請求項1に記載の紡機の運転制
    御装置。
  3. 【請求項3】 前記モータの負荷レベルを複数レベル設
    定し、前記判断手段により判断された各負荷レベルに応
    じた減速度にて前記モータの負荷が低減されるように前
    記モータ負荷制御手段を設定した請求項1又は請求項2
    に記載の紡機の運転制御装置。
  4. 【請求項4】 前記負荷検出器からの検出信号に基づき
    前記判断手段により前記モータの負荷が過負荷レベルに
    達したと判断されたときに、前記モータの駆動が停止さ
    れるように前記モータ負荷制御手段を設定した請求項1
    〜請求項3のいずれかに記載の紡機の運転制御装置。
  5. 【請求項5】 前記判断手段により前記モータの負荷が
    所定負荷レベルを越えたと判断されたときに作動される
    報知手段を備えた請求項1〜請求項4のいずれかに記載
    の紡機の運転制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0942081A2 (en) * 1998-03-13 1999-09-15 Murata Kikai Kabushiki Kaisha Individual-spindle-drive type textile machine
WO2012104664A1 (en) 2011-02-02 2012-08-09 Hajdu Imre Regular quadrilateral pyramid building and procedure for operation thereof

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EP0942081A3 (en) * 1998-03-13 2000-04-12 Murata Kikai Kabushiki Kaisha Individual-spindle-drive type textile machine
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