JPH0873806A - プライマー被覆組成物および塗装方法 - Google Patents

プライマー被覆組成物および塗装方法

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JPH0873806A
JPH0873806A JP6212578A JP21257894A JPH0873806A JP H0873806 A JPH0873806 A JP H0873806A JP 6212578 A JP6212578 A JP 6212578A JP 21257894 A JP21257894 A JP 21257894A JP H0873806 A JPH0873806 A JP H0873806A
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JP
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coating
resin
primer
coating composition
weight
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JP6212578A
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English (en)
Inventor
Yoshitaka Sato
芳隆 佐藤
Koji Matsuo
弘司 松尾
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ビスフェノール型エポキシ樹脂 45〜70
重量%(尚、重量%は総樹脂固形分に基づく)、ヒドロ
キシル価が少なくとも25のアクリルポリオール5〜4
0重量%、およびブロック化ポリイソシアネート 10
〜30重量%を含んでなる被覆組成物、および金属基材
上に形成する好適なプライマーとしてこの被覆組成物を
用い、さらにその上にフッ素樹脂塗料からなる塗膜を形
成する塗装方法。 【効果】 層間密着性と耐久性に優れる、また良好なフ
ッ素樹脂塗料による塗膜外観を有するプレコート金属製
品の製造が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は被覆組成物に関し、また
本発明は金属基材上に形成する好適なプライマーとして
この被覆組成物を用い、さらにその上にフッ素樹脂塗料
からなる塗膜を形成する塗装方法に関する。塗装物品
は、例えば耐候性、耐化学薬品性、熱安定性さらには良
好な液密及び気密性を有する建材及び家電製品用プレコ
ート金属製品としてに利用される。
【0002】
【従来の技術】高性能プレコート金属製品にはフッ素樹
脂塗料が多用されているが、かかるフッ素樹脂塗料は金
属面に対して接着性が十分でなく、その改善のためフッ
素樹脂塗料の塗装に先立って、金属面に対し事前にプラ
イマー被覆が行われることは公知であり、エポキシ樹
脂、アクリルポリオール及びポリイソシアネート架橋剤
等の成分を含むプライマー被覆組成物として、特開平2
−47176号及び特公平3−75584号公報記載の
技術が公知である。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】このうち特開平2−4
7176号公報にはフッ素樹脂コーティングに適したエ
ポキシ及び/またはエポキシフェノール樹脂ならびにメ
タクリル樹脂及び場合により使用するイソシアネート系
架橋剤の使用が述べられているが、該メタクリル樹脂は
架橋剤のイソシアネート基と架橋性を有しない熱可塑性
メタクリル樹脂であって、かかるメタクリル樹脂とエポ
キシ樹脂とイソシアネート系架橋剤からなるプライマー
は金属面への一次接着性は良好であるものの、折曲げ加
工や碁盤目状引っかき傷加工のなされた金属面に対する
ソルトスプレー試験、水による煮沸試験、CCHC(C
leveland Condensing type
Humidity Cabinet)試験機による二次
密着性の評価は不十分であった。この理由は、熱可塑性
メタクリル樹脂がイソシアネート基との架橋点を有さな
いために塗膜架橋密度が不十分であることに起因してい
ると推察している。
【0004】また特公平3−75584号公報は、フル
オロカーボンポリマー系着色被覆組成物を使用した金属
塗装用のプライマーとして、有機ポリオール15〜70
重量%、ポリエポキシド5〜40重量%、ブロック化ポ
リイソシアネート15〜70重量%、及びフェノール樹
脂1〜20重量%との組成割合からなるプライマー組成
物を提示している。このプライマー組成物ではその使用
量がそれぞれ前記した限定範囲となる四つの成分を用
い、この使用バランスによって効果的な性能が得られる
ものの、フェノール樹脂を必須構成成分としているため
焼き付け乾燥させた塗膜が黄変することがあった。また
近年、塗装品の用途拡大によって、需要家からはより実
用性があり、しかも塗膜の密着性、塗装板の耐食性等の
信頼度についてこのものより一層の改善がなされたプラ
イマー組成物の出現も望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
如き従来技術における種々の問題の存在に鑑み、金属基
材用の被覆組成物として、特に、多様な条件下における
フッ素樹脂塗料との密着性を画期的に向上させたプライ
マーとして好適な被覆組成物について鋭意研究した結
果、以外にもエポキシ樹脂、アクリルポリオール、ブロ
ック化ポリイソシアネートの三つを必須の構成成分と
し、更に各成分の使用量を以下のような特定の範囲とす
る被覆組成物によってこれらの課題が解決出来ることを
見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち本発明は、(1)エポキシ樹脂 45
〜70重量%、(2)アクリルポリオール 5〜40重
量%および(3)ブロック化ポリイソシアネート 10
〜30重量%の三成分を必須構成成分とする被覆組成物
であり、さらには前記被覆組成物を金属基材に塗布し、
これを加熱して硬化せしめ、さらにこの塗装基材上にフ
ッ素樹脂塗料を塗布し、次いでこれを加熱して塗料塗膜
を形成する塗装方法に関する。
【0007】まず、本発明の被覆組成物の必須構成成分
として使用する前記三成分について、以下説明する。 (1)エポキシ樹脂 エポキシ樹脂は分子中に複数の1,2−エポキシド基を
有するポリエポキシド化合物であり飽和または不飽和、
環状または非環状、脂肪族、環状脂肪族、芳香族または
複素環族であって良く、また、適当な置換基、例えばハ
ロゲン、ヒドロキシル基、エーテル基等を有する全ての
ポリエポキシド化合物を用いることができる。代表的な
ものを例示すれば、エピクロロヒドリンまたはβ−メチ
ルエピクロロヒドリンとビスフェノールA、ビスフェノ
ールFまたはビスフェノールSとから得られるビスフェ
ノール型エポキシ樹脂;フェノールまたはアルキルフェ
ノール・ノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル類で
あるノボラック型エポキシ樹脂;エチレングリコール、
プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ビス
フェノールAのエチレンオキサイドもしくはプロピレン
オキサイドの付加物の如き多価アルコールのポリグリシ
ジルエーテル類;等のエポキシ樹脂を挙げることができ
るが、特にエポキシ当量が約280〜4000の範囲の
ビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましく利用され得
る。
【0008】エポキシ樹脂は、場合により二価フェノー
ル、アミン、ダイマー酸、末端にカルボキシル基を有す
るポリエステル、またはε−カプロラクトンなどによっ
て鎖伸長されても良い。これらのエポキシ樹脂は単独ま
たは任意の二種類以上を組み合わせて使用することがで
きる。
【0009】(2)アクリルポリオール アクリルポリオールは、水酸基含有ビニルモノマーと、
これと共重合性を有する他のモノマーとの常法による共
重合体であって、そのヒドロキシル価は少なくとも25
を有する。この水酸基含有ビニルモノマーとしてヒドロ
キシアルキルアクリレートを用いることは好適であり、
例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロ
キシ−n−プロピルアクリレート、2−ヒドロキシイソ
プロピルアクリレートまたは4−ヒドロキシブチルアク
リレート等が用いられる。かかるモノマーに加えて、2
−ヒドロキシエチルメタアクリレート、2−ヒドロキシ
−n−プロピルメタアクリレート、2−ヒドロキシイソ
プロピルメタアクリレートまたは4−ヒドロキシブチル
メタアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ポ
リエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の水
酸基含有ビニルモノマーも単独または組み合わせて使用
することができる。 前記したモノマーと共重合性を有
する他のモノマーとしては多数のものが知られている
が、代表的なものを例示するならばメチル(メタ)アク
リレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル
(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレ
ート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレ
ン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどのスチレ
ン系単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニ
ルエステル類;グリシジル(メタ)アクリレートの如き
オキシラン基含有エチレン性不飽和単量体;アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、N−ブトキシメチルアク
リルアミド、アクリルアミド、アクリル酸、メタクリル
酸、リン酸エチルアクリレート等であり、一種類または
二種類以上組み合わせて使用できる。アクリルポリオー
ルの数平均分子量は3000〜20000の範囲のもの
が用いられる。アクリルポリオールは、溶剤を含有しな
い100%固体であってもよいが、通常、有機溶剤との
溶液の形態が実用上好適である。アクリルポリオールは
単独または二種類以上を組み合わせて使用することがで
きる。
【0010】(3)ブロック化ポリイソシアネート ポリイソシアネート類またはイソシアネートプレポリマ
ー類を常法によりブロック化剤を用いてブロック化せし
めて得られる。かかるポリイソシアネート類としてはト
リレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネ
ート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、
水添ジフェニルメタンジイソシアネート、もしくはナフ
タレンジイソシアネートを例示することができ、また、
イソシアネートプレポリマー類としては前記ポリイソシ
アネート類と、エチレングリコール、プロピレングリコ
ールまたはトリメチロールプロパンの如き各種の多価ア
ルコール類や、イソシアネート基と反応可能なる官能基
を有するポリエステルポリオール、アクリルポリオール
類、ポリエーテルポリオール類または水などとの付加物
類などをはじめ、イソシアネートエチルメタクリレート
などのような各種のイソシアネート基および重合性不飽
和基を併有するビニルモノマー類を含む共重合体類;あ
るいはC2〜C8なるアルキレン−、シクロアルキレン
−、またはアラルキレンジイソシアネートとC10〜C40
なるジオール類とを、イソシアヌレート化触媒の存在下
で、反応せしめて得られる様な、各種のイソシアヌレー
ト環含有ポリイソシアネート類などを例示することがで
きる。
【0011】またブロック化剤として特に代表的なもの
のみ例示するにとどめれば、フェノールもしくはクレゾ
ールの如き各種のフェノール化合物;メタノール、エタ
ノールもしくはベンジルアルコールの如き種々のアルコ
ール化合物;マロン酸ジメチルもしくはアセト酢酸エチ
ルの如き各種の活性メチレン基含有化合物;アセトアル
ドオキシムもしくはメチルエチルケトンオキシムの如き
各種のオキシム化合物;ε−カプロラクタムの如き各種
のラクタム化合物;または2−メチルイミダゾールの如
き各種イミダゾール化合物などである。
【0012】本発明の被覆組成物を構成するエポキシ樹
脂、アクリルポリオールおよびブロック化ポリイソシア
ネートの使用量はプライマー中の樹脂分を100重量%
としたとき、エポキシ樹脂が45〜70重量%、アクリ
ルポリオールが5〜40重量%およびブロック化ポリイ
ソシアネートが10〜30重量%の範囲内で使用するこ
とが肝要である。さらに好ましくは、エポキシ樹脂が5
5〜65重量%、アクリルポリオールが10〜30重量
%およびブロック化ポリイソシアネートが 12〜22
重量%の範囲内で使用するのが推奨される。組成割合が
かかる範囲を外れたプライマーを用いた場合の影響を示
せば、例えばアクリルポリオールの添加量が5重量%未
満となる場合にはフッ素樹脂塗料との層間密着性に影響
があるし、40重量%を超えて添加された場合には塗膜
の加工性などに影響を及ぼす。同様に、エポキシ樹脂の
添加量が45重量%未満の場合には下地金属板と塗膜の
密着性、塗装金属板の耐食性に影響し、エポキシ樹脂量
が70重量%を超える場合には相対的に硬化剤量が少な
くなるので硬化不良を起こしたり、さらに相対的にアク
リル樹脂量も少なるのでフッ素樹脂塗料との層間密着性
に影響しやすい。また、ブロックポリイソシアネートの
量が10重量%未満の場合には、硬化剤成分の量が少な
いために硬化不良を起しやすく、また30重量%を超え
るブロックポリイソシアネートを含有する場合には硬化
塗膜の加工性の低下をもたらしやすい。
【0013】なお、本発明で用いられるブロック化ポリ
イソシアネートの一部に代えてポリイソシアネート類ま
たはイソシアネートプレポリマー類を使用してもよい
が、ブロック化ポリイソシアネートの使用に比し、プラ
イマーの保存安定性が悪化してくるので、プライマーの
取扱い面では特段の注意が必要である。
【0014】被覆組成物には、所望によりフッ素樹脂、
ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、前記アクリルポリ
オール以外のアクリル樹脂、シリコン樹脂、ポリウレタ
ン樹脂などを塗料の改質を目的として併用しても良く、
更に充填材、顔料、ブロック化ポリイソシアネート以外
の架橋剤、硬化剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、安定
剤、レオロジー調整剤または触媒の様な種々の添加剤等
を含んでもよい。
【0015】充填材としてはシリカ、雲母、タルク、シ
リカゲルなどを挙げることができ、顔料としては二酸化
チタン、クロム酸ストロンチウム、リン酸亜鉛、クロム
酸亜鉛などを挙げることができ、また、架橋剤もしくは
硬化剤としてはレゾール型フェノール・ホルムアルデヒ
ド樹脂、メラミン樹脂、ポリカルボン酸など、触媒とし
ては1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン
−7のようなアミン化合物などを挙げることができる。
前述添加剤成分については、本発明の被覆組成物のエポ
キシ樹脂、アクリルポリオールおよびブロック化ポリイ
ソシアネートの合計の100重量部に対して200重量
部まで配合使用することが可能であり、それぞれの割合
は被覆組成物の分野で通常使用されている量において任
意に使用することができる。
【0016】本発明はさらに、前記被覆組成物を金属基
材に塗布し、これを加熱して硬化せしめ、さらにこの塗
装基材上にフッ素樹脂塗料を塗布し、次いでこれを加熱
して塗料塗膜を形成することを特徴とする塗装方法に関
する。
【0017】金属基材には広範な物質ならびに形状のも
のから選択され得るが、例えば亜鉛鍍金鋼板、亜鉛アル
ミニウム合金鍍金鋼板、アルミニウム板、アルミニウム
合金板などが挙げられる。基材の厚みは任意であってよ
いが、通常0.1mm〜2.0mm程度であり、いわゆ
るシート形状のものも当然含まれる。金属基材は、本発
明のプライマー被覆組成物の塗装の前に、従来公知の脱
脂工程、薬品処理工程、研磨処理、加熱処理、洗浄処理
等が行われてもよい。金属基材に塗布するために、本発
明プライマー被覆組成物は溶液状、スラリー状、粉末
状、水性懸濁状の任意の形態であってよい。溶液状やス
ラリー状の場合は通常溶媒として使用されている芳香族
炭化水素、エステル、エーテル、ケトンおよびアルコー
ル系有機溶剤を用いるのがよい。粉末塗装は任意の公知
の方法で行ってよいが、例えば特開平2−47176号
公報に詳述されている方法に準拠して行うことが可能で
ある。
【0018】プライマー被覆組成物中に有機溶媒や水が
含有しているときは、通常、これら溶剤等はプライマー
の塗装された金属板を加熱オーブン中で加熱する際に除
去され、硬化されたプライマー皮膜が形成される。加熱
オーブンの温度は常法通りでよく、通常180〜250
℃程度である。また、その塗膜の厚さは任意であってよ
いが、通常4〜20μ程度である。プライマー皮膜の形
成された金属製品(板)上にさらに従来公知の任意組成
からなるフッ素樹脂塗料が任意公知の方法により塗装さ
れる。
【0019】フッ素樹脂塗料は、通常ポリフッ化ビニ
ル、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニ
リデン、およびこれらを構成するモノマー間の、または
フッ素を含まない他のモノマーとの共重合体であるフル
オロ共重合ポリマーなどを主たる樹脂成分とする。この
場合、フッ素を含まない他のモノマーを含むフッ素樹脂
中にはビニルまたはビニリデンフルオライド単位を少な
くとも75重量%、好ましくは90重量%有するのが好
ましい。前記樹脂と共に、性能改質のための補助樹脂を
使用しても良い。かかる補助樹脂としては例えばアクリ
ル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオール類、エポキシ樹
脂及びアミノプラスト樹脂(例えばメラミン−ホルムア
ルデヒド縮合物)が挙げられ、適宜選んで用いることが
できる。特にアクリル樹脂を補助樹脂として用いるとき
にはフッ素樹脂塗料塗膜の加工性、密着性などが向上す
るメリットがある。さらに、充填材、着色料、助剤、分
散用溶媒などとの調合の際は、任意の市販品を利用する
ことが可能である。フッ素樹脂塗料は一層塗り、または
多層塗りで行われ、その焼付温度は任意であってよい
が、通常230〜260℃程度である。
【0020】また、その塗膜の厚さは任意であってよい
が通常20〜50μ程度である。加熱形成されたフッ素
樹脂塗料塗膜は任意の方法により室温に冷却されるが、
好適には塗膜物性向上のため水によって急冷せしめるこ
とが望ましい。このような本発明の塗装方法によって施
工された塗装金属製品、いわゆるプレコート金属板は、
フッ素樹脂皮膜とプライマー皮膜との間の層間密着性が
極めて優れているので、プレコート金属板の品質、外
観、および長期にわたる耐久性が非常に良好である。よ
って、建材用および家電用の製品の実用面に大きく寄与
するものである。
【0021】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するために、次
に実施例、比較例を用いて一層具体的に説明する。以下
において、部および%は特に断りのない限り全て重量基
準であるものとする。
【0022】<実施例1> (a)プライマー組成物No.1の調製成 分 重量部 分散ペーストD 50.7 エポキシ樹脂溶液A 13.3 アクリルポリオール溶液B 10.0 ブロック化ポリイソシアネート溶液C 8.0 イソホロン 17.0 シリカ 1.0
【0023】後記する分散ペースト(D)にエポキシ樹
脂、アクリルポリオール、ブロック化ポリイソシアネー
ト、イソホロン、シリカを添加し、ミキサーにて攪拌し
てプライマー組成物を得た。
【0024】尚、 (1)分散ペーストDは以下の成分から調製された。成 分 重量部 ストロンチウムクロメート 31.6 酸化チタン 15.6 シリカ 0.2 エポキシ樹脂溶液A 52.6 この分散ペーストDは、エポキシ樹脂溶液Aに各種顔料
を加え、これを三本ロールにて練肉して得た。
【0025】(2)エポキシ樹脂溶液Aは、大日本インキ
化学工業(株)製Epiclon 9055−40AXで
ある。これは、エポキシ当量が2400〜3100の範
囲にあるビスフェノールA型エポキシ樹脂であるEpi
clon 9050をキシレン−シクロヘキサノンの混
合溶媒で40%固形分に希釈したものである。
【0026】(3)アクリルポリオール溶液Bは、大日本
インキ化学工業(株)製アクリディックTU−654であ
る。これは、各種アクリレート、メタクリレートの共重
合体であり、ヒドロキシル価は30、シクロヘキサノン
50%溶液である。
【0027】(4)ブロック化ポリイソシアネート溶液C
は、武田薬品(株)製タケネートB−830である。これ
はトルエンジイソシアネートのブロック体であり、メチ
ルイソブチルケトンの55%溶液である。
【0028】(5)シリカは、富士デビソン化学(株)製の
サイリシア#450を用いた。 (6)ストロンチウムクロメートは、菊池色素工業(株)製
のものを用いた。 (7)分散ペースト中のシリカは、日本アエロジル(株)社
製Aerosil 300を用いた。 (8)酸化チタンは、日本タイオキサイド(株)製TR−9
2を用いた。
【0029】(b)プライマー組成物No.2〜4の調
製 前記したNo.1プライマー組成物に使用した原料と同
一の原料を用い、同様の手順にしたがってNo.2〜4
のプライマー組成物を調製した。プライマー調製のため
の原料使用量と、プライマーに占める各成分の構成比を
表1に示す。
【0030】
【表1】 プライマー組成物の組成(部) ─────────────────────────────── プライマーNo. No.1 No.2 No.3 No.4 ─────────────────────────────── 分散ペーストD 50.7 50.7 50.7 50.7 エポキシ樹脂溶液A 12.7 17.0 4.6 1.5 アクリルポリオール溶液B 10.0 2.5 20.0 16.5 フ゛ロック化ホ゜リイソシアネート溶液C 7.7 11.4 4.6 10.0 イソホロン 17.9 17.3 19.2 20.3 シリカ 1.0 1.0 1.0 1.0 ───────────────────────────────
【0031】(c)フッ素樹脂塗料の作成 フッ素塗料組成物はアクリルポリオール中に分散ペース
ト、フッ素樹脂ペーストなどを添加し、ミキサーにて攪
拌して調製した。
【0032】成 分 重量部 分散ペーストE 22.4 フッ素樹脂ペーストF 62.8 イソホロン 12.2 レベリング剤 2.6
【0033】尚、 (1)分散ペーストEは以下の成分から調製された。成 分 重量部 黒色顔料 48.8 褐色顔料 16.4 アクリル樹脂溶液G 20.3 イソホロン 3.8 ジメチルフタレート 10.7 この分散ペーストEは、アクリル樹脂溶液Gに各種顔料
を加え、次いでその他の原料を加えて、これを三本ロー
ルにて練肉して得た。
【0034】 (2)フッ素樹脂ペーストFは以下の成分から調製され
た。:成 分 重量% フッ素樹脂 38.0 アクリル樹脂溶液G 33.5 イソホロン 28.5 この分散ペーストFは、アクリル樹脂溶液Gにフッ素樹
脂を分散し、これを三本ロールにて練肉してを得た。
【0035】(3)黒色顔料は、The Shepher
d Color Co.,USA製のShepherd
無機顔料Black #1を用いた。 (4)褐色顔料は、同じく無機顔料Brown #49を
用いた。
【0036】(5)アクリル樹脂は、Rohm & Ha
as Co.,製のパラロイドB−44の40%シクロ
ヘキサノン溶液を用いた。 (6)フッ素樹脂は、Ausimont USA In
c.製のフッ素樹脂粉末Hylar 5000を用い
た。
【0037】(7)レベリング剤には、岐阜セラック社製
のハイフラットMB−10P−1を用いた。
【0038】(d)サンプル塗装板の作成 本発明に基づくテストパネルを以下の方法により調製し
た。熱浸漬亜鉛メッキスチールパネル(20×30c
m)に、上記プライマー組成物をバーコーターを用いて
5μの厚さに塗布した。このパネルをピークメタル温度
250℃で60秒間焼き付けた。この被覆パネルに次い
で上記フッ素塗料組成物をバーコーターを用い22μの
厚さに塗布し、ピークメタル温度250℃で60秒間焼
き付けテストパネルを得た。
【0039】テストパネルの物理的試験 上記の方法により作成されたテストパネルを以下の方法
にてテストを行い、塗膜物性を評価した。
【0040】(1)CCHC試験 プライマーとトップとの層間密着性の試験としてCCH
C(Cleveland Condensing Hu
midity Cabinet:ASTM D−224
7−87−Type A2)と呼ばれる試験機を用い
た。この試験機はテストパネルの塗装面と裏面に温度差
をかけ、塗装面からの水蒸気の浸透速度を促進させて塗
膜の層間密着性を試験するものである。従って、層間密
着性の弱いものは塗膜間のまたは塗膜と金属基材との間
にブリスターを生じる。
【0041】今回は塗装面を80℃に、裏面を室温に設
定し試験を行った。ブリスターの判定基準はASTM
D714−56に従った。
【0042】(2)ソルトスプレー試験 テストパネルを35℃で相対湿度100%の環境下でA
STM B−117−85に従い5%食塩水を連続的に
吹き付けた。この試験の前にテストパネルを以下のよう
に調製した。
【0043】テストパネル(6×15cm)の塗装面約
1/3にクロスカットを施し、反対方向には3Tの折り
曲げ加工を施した。また、長さ方向の両端をそれぞれ塗
膜面及び裏面からのカットに切り分け(上バリ、下バ
リ)、裏面及び巾方向の端面及び長さ方向の端面の一部
を被覆した。
【0044】パネルは塗膜表面のブリスター発生の程度
(ASTM D714−56)、露出端面、クロスカッ
ト部のフクレ巾、錆の発生量(5段階評価)について評
価を行った。
【0045】<比較例1>比較のために、エポキシ樹脂
含有量が本発明の請求範囲よりも少ない組成(エポキシ
樹脂/アクリルポリオール/ブロック化ポリイソシアネ
ート=30/45/25;樹脂固形分重量比)に基づく
プライマー組成物No.5を用い、同様の試験を行っ
た。プライマー組成物No.5は、本プライマー組成物
と同様の塗装方法を用いてテストサンプルを作成した。
【0046】これらの試験結果を表2に示す。
【0047】
【表2】 ──────────────────────────────── No.1 No.2 No.3 No.4 No.5 ──────────────────────────────── (1)CCHC試験 1000時間 ブリスター 10 10 10 10 8F (2)ソルトスプレー試験 1000時間 ブリスター 10 10 10 10 8F クロスカット(フクレmm/白錆) 0.3/5 0.5/4 0.5/5 0.3/5 1.0/4 上バリ ( 同上 ) 0.0/4 2.0/3 0.5/4 0.5/4 3.0/4 下バリ ( 同上 ) 0.0/4 1.5/3 0.5/4 0.0/4 2.0/4 ────────────────────────────────
【0048】エポキシ樹脂量の少ないプライマーNo.
5(比較例1)の物性は上記試験結果より耐食性の性能
が不満足であった。
【0049】
【発明の効果】本発明被覆組成物をプライマーとして用
い、この上にフッ素樹脂塗料を塗装する本発明方法によ
れば、層間密着性と耐久性に優れる、しかも良好な外観
を有するプレコート金属製品の製造が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 175/04 PHP PHR PHV

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)エポキシ樹脂 45〜70重量%
    (尚、重量%は総樹脂固形分に基づく)、(2)アクリ
    ルポリオール 5〜40重量%、および(3)ブロック
    化ポリイソシアネート 10〜30重量%を含んでなる
    ことを特徴とする被覆組成物。
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂が、ビスフェノール型エポ
    キシ樹脂である請求項1記載の被覆組成物。
  3. 【請求項3】 アクリルポリオールが、ヒドロキシアル
    キルアクリレートと、これと共重合性を有するその他の
    共重合性モノマーとの共重合体である請求項1記載の被
    覆組成物。
  4. 【請求項4】 ヒドロキシル価が少なくとも25のアク
    リルポリオールを用いる請求項1または3記載の被覆組
    成物。
  5. 【請求項5】 エポキシ樹脂のエポキシ当量が、約28
    0〜4000である請求項2記載の被覆組成物。
  6. 【請求項6】 前記請求項の各項のいずれか一つに記載
    の被覆組成物を金属基材に塗布し、これを加熱して硬化
    せしめ、さらにこの塗装基材上にフッ素樹脂塗料を塗布
    し、次いでこれを加熱して塗料塗膜を形成することを特
    徴とする塗装方法。
  7. 【請求項7】 フッ素樹脂塗料中に、フッ素樹脂と異な
    る他の樹脂を塗料改良用の成分として含有する請求項6
    記載の塗装方法。
  8. 【請求項8】 塗料改良用の樹脂が、アクリル樹脂であ
    る請求項7記載の塗装方法。
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