JPH0873312A - 皮膚外用剤 - Google Patents

皮膚外用剤

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JPH0873312A
JPH0873312A JP23426094A JP23426094A JPH0873312A JP H0873312 A JPH0873312 A JP H0873312A JP 23426094 A JP23426094 A JP 23426094A JP 23426094 A JP23426094 A JP 23426094A JP H0873312 A JPH0873312 A JP H0873312A
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acid
skin
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hydroxy acid
retinol
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JP23426094A
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Kazunari Suzuki
一成 鈴木
Hitoshi Masaki
仁 正木
Masumi Takei
増美 竹井
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Noevir Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 しわの改善,皮膚弾性の上昇等、優れた皮膚
の老化防止作用を有する皮膚外用剤を得る。 【構成】 しわの改善作用を有するα-ヒドロキシ酸
と、同じくしわの修復作用を有するレチノール又は一重
項酸素消去剤であるアスタキサンチンとを、リン酸ジエ
ステル結合,ピロリン酸ジエステル結合又は硫酸ジエス
テル結合を介して結合させ、複合体として皮膚外用剤に
配合する。α-ヒドロキシ酸の経皮吸収性が向上し、し
わ改善作用,線維芽細胞増殖促進作用が向上するととも
に、レチノール又はアスタキサンチンに水溶性を付与す
ることができ、安定化を図ることができる。さらに皮膚
に塗布した場合、皮膚表面又は皮膚内のエステラーゼに
より分解され、α-ヒドロキシ酸とレチノール又はアス
タキサンチンとの相乗的な皮膚老化防止効果が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた皮膚の老化防止
作用を有し、さらに安定性及び安全性の良好な皮膚外用
剤に関する。さらに詳しくは、しわの修復等皮膚の老化
症状の改善に有効なα-ヒドロキシ酸及びレチノールの
結合複合体、又は一重項酸素の消去剤として皮膚の光老
化防止に有用なアスタキサンチンと前記α-ヒドロキシ
酸との結合複合体を配合して、相乗的な皮膚の老化防止
効果を発揮し得る皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】最近皮膚外用剤の分野において、皮膚細
胞自体を賦活し、皮膚の機能そのものを活性化して、皮
膚症状の改善や抗炎症効果又は創傷治癒効果を発現させ
る研究が多くなされてきている。従来、かかる皮膚外用
剤として、ホルモン類,ビタミン類,γ-オリザノー
ル,サポニン等の生薬抽出物,胎盤抽出物,植物レクチ
ン,キノコ抽出物、さらには動物由来のタンパク質等、
種々の物質が使用されてきた。
【0003】これら物質の中で、しわなどの皮膚の老化
症状の改善作用を有する物質や、日光紫外線による皮膚
の老化や炎症を防ぐ物質のスクリーニングが特に注目を
浴び、α-ヒドロキシ酸はVan Scottらによりしわの修復
作用が報告され、また活性型ビタミンAであるレチノー
ルについてもしわの修復に有効であることが知られてい
る。さらに、ビタミンE,アスタキサンチンなどの活性
酸素種消去剤も多数知られてきた。
【0004】しかしながら、上記α-ヒドロキシ酸のう
ち、特に有効な作用を示すのはグリコール酸や乳酸など
炭素鎖長の短いものであるが、これらは水溶性で親油性
が低いため経皮吸収性が悪く、低濃度で有効な老化防止
効果を発現させることが困難であった。有効な作用を得
るため皮膚外用剤への配合量を増やすと、皮膚刺激等好
ましくない副作用が生じることもあった。
【0005】一方、レチノールは空気に触れると容易に
酸化されるため、脂肪酸とのエステルの形で配合される
のが普通である。また、ビタミンE,アスタキサンチン
など活性酸素種消去剤のある種のものは油溶性で、レチ
ノールともども水性の基剤への配合はできなかった。さ
らに、活性酸素種消去剤は日光紫外線等により生じる活
性酸素種に起因する皮膚の老化の防止には有用である
が、皮膚の老化は種々の要因により起こるため、必ずし
も活性酸素種消去剤の添加だけで皮膚の老化症状を改善
できるわけではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、皮膚の老化
症状の改善に有効なα-ヒドロキシ酸に親油性を付与し
て経皮吸収性を向上させるとともに、さらに皮膚の老化
防止に有効なレチノール又は一重項酸素消去剤として有
効なアスタキサンチンとの相乗効果を発揮する皮膚外用
剤を提供することを目的とする。またさらに、油性基
剤,水性基剤,乳剤或いは軟膏等いずれの外用剤基剤に
おいても有効成分を安定に配合でき、しかも安全性の良
好な皮膚外用剤を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する手
段として、我々はα-ヒドロキシ酸とレチノール又はア
スタキサンチンとを複合体化して外用剤に配合すること
を検討した。その結果、一般式1〜一般式6に示される
ように、これらをリン酸ジエステル結合,ピロリン酸ジ
エステル結合,或いは硫酸ジエステル結合を介して複合
体化すれば、両親媒性を示して水性媒体及び油性媒体の
いずれにも安定に配合できるとともに、経皮吸収性も良
好となり、さらに皮膚表面又は皮膚内のエステラーゼに
よりα-ヒドロキシ酸とレチノール又はアスタキサンチ
ンとの結合が切断されて、両者の相乗効果により優れた
皮膚の老化症状の防止及び改善効果を得ることができ
た。
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【0008】本発明においてレチノール又はアスタキサ
ンチンと複合体化するα-ヒドロキシ酸としては、2-ヒ
ドロキシモノカルボン酸であれば、グリコール酸,乳
酸,メチル乳酸,2-ヒドロキシブタン酸など、炭素鎖長
の短いものが水溶性を付与する上で好ましい。これらの
他、グリセリン酸、エリスロン酸,スレオン酸といった
2,3,4-トリヒドロキシブタン酸、リボン酸,アラビノン
酸,キシロン酸,リキソン酸といった2,3,4,5-テトラヒ
ドロキシペンタン酸、アロン酸,アルトロン酸,グルコ
ン酸,マンノン酸,グロン酸,イドン酸,ガラクトン
酸,タロン酸といった2,3,4,5,6-ペンタヒドロキシヘキ
サン酸、グルコヘプトン酸,ガラクトヘプトン酸といっ
た2,3,4,5,6,7-ヘキサヒドロキシヘプタン酸などのポリ
ヒドロキシカルボン酸、タルトロン酸,リンゴ酸,酒石
酸,クエン酸,ムチン酸などのヒドロキシポリカルボン
酸が使用できる。
【0009】α-ヒドロキシ酸とレチノール又はアスタ
キサンチンとの複合体化は、リン酸ジエステル結合,ピ
ロリン酸ジエステル結合或いは硫酸ジエステル結合を介
して行うことができる。これらジエステル複合体は化学
的手段によって合成することもできるが、酵素反応を利
用して合成するのが好ましい。
【0010】従って、本発明においては、前記一般式1
で示されるα-ヒドロキシ酸とレチノールのリン酸ジエ
ステル,前記一般式2で示されるα-ヒドロキシ酸とレ
チノールのピロリン酸ジエステル,及び前記一般式3で
示されるα-ヒドロキシ酸とレチノールの硫酸ジエステ
ルより選んだ1種又は2種以上、或いは前記一般式4で
示されるα-ヒドロキシ酸とアスタキサンチンのリン酸
ジエステル,前記一般式5で示されるα-ヒドロキシ酸
とアスタキサンチンのピロリン酸ジエステル,及び前記
一般式6で示されるα-ヒドロキシ酸とアスタキサンチ
ンの硫酸ジエステルより選んだ1種又は2種以上を外用
剤基剤に配合して、皮膚外用剤とする。外用剤基剤への
これらエステル複合体の配合量は、0.0001〜20
重量%程度が適当である。
【0011】本発明に係る皮膚外用剤は、液剤,乳剤,
クリーム,軟膏など種々の形態で提供することができ
る。また、化粧水や乳液,皮膚用クリーム等、化粧料と
しても提供することができる。
【0012】
【作用】本発明において、皮膚外用剤に配合するα-ヒ
ドロキシ酸とレチノール又はアスタキサンチンとの複合
体の生理活性について、以下に示す。まず、α-ヒドロ
キシ酸とレチノールの複合体については真皮線維芽細胞
の賦活効果を調べた。α-ヒドロキシ酸としてグリコー
ル酸を用い、グリコール酸,グリコール酸-レチノール
リン酸ジエステル複合体,グリコール酸-レチノールピ
ロリン酸ジエステル複合体及びグリコール酸-硫酸ジエ
ステル複合体各1.0mMについて、MTT還元法によ
り真皮線維芽細胞の活性化指数を求めた。活性化指数
は、試料溶液を添加した細胞のミトコンドリアの活性度
を対照の活性度で除したものである。対照においては生
理食塩水を添加した。なお、MTT還元法は、細胞のミ
トコンドリア内に存在する脱水素酵素が基質に作用して
生じるNADHにより、系に添加したMTT(2-(4,5-d
imethyl-2-thiazolyl)-3,5-diphenyltetorazolium brom
ide)のテトラゾリウム環が開環することを利用する測
定法で、テトラゾリウム環の開環により生じる青色のフ
ォルマザンを560nmにおける吸光度により測定する
ものである。
【0013】結果を表1に示すが、グルコール酸1.0
mMを添加した場合には、活性化指数は1.02と線維
芽細胞の活性化はあまり認められないが、グリコール酸
-レチノール複合体を同濃度添加した場合、活性化指数
は1.14〜1.17と有意な活性化が認められた。
【表1】
【0014】次に、α-ヒドロキシ酸とアスタキサンチ
ンとの複合体について、一重項酸素による細胞傷害に対
する防御作用を、ヒト線維芽細胞を用い、一重項酸素曝
露時の細胞生存率を指標として評価した。
【0015】まず、培養したヒト線維芽細胞に、グリコ
ール酸,グリコール酸-アスタキサンチンリン酸ジエス
テル複合体,グリコール酸-アスタキサンチンピロリン
酸ジエステル複合体,グリコール酸-アスタキサンチン
硫酸ジエステル複合体及びアスタキサンチンミセル各
1.0重量%水溶液を作用させた後洗浄し、ヘマトポル
フィリン0.5μMを添加して長波長紫外線(UVA)
を20分間照射(20J/平方cm)し一重項酸素を曝
露した後、細胞生存率をMTT還元法により測定した。
【0016】結果は表2に示す。グリコール酸を作用さ
せた場合の細胞生存率は24%と低いが、アスタキサン
チン複合体とすることにより、75〜82%の生存率を
示している。また、アスタキサンチンミセル溶液を作用
させた場合は、アスタキサンチンがミセル中に取り込ま
れているため、細胞に効率よく接触させることができ
ず、細胞生存率は41%と低くなっていた。
【表2】
【0017】本発明に係る皮膚外用剤を皮膚に塗布する
と、表皮或いは皮膚内に存在するホスホジエステラーゼ
又はスルホジエステラーゼにより、外用剤に配合された
α-ヒドロキシ酸とレチノール又はアスタキサンチンと
のリン酸ジエステル結合又は硫酸ジエステル結合が切断
され、α-ヒドロキシ酸による線維芽細胞増殖促進作用
とレチノールによる皮膚老化改善作用、又はアスタキサ
ンチンによる一重項酸素消去作用とが相乗的に作用し、
皮膚のしわ形成,真皮構成成分の変性といった皮膚の老
化現象を有効に防止,改善することができる。
【0018】
【実施例】さらに本発明について、実施例により詳細に
説明する。
【0019】 [実施例1〜実施例6] 液状皮膚外用剤 (1)グリセリン 5.0(重量%) (2)プロピレングリコール 4.0 (3)エタノール 10.0 (4)α-ヒドロキシ酸複合体 表3に記載する量 (5)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (6)精製水 全量を100.0とする量 (5)を(3)に溶解して(6)に加え、(1),(2),(4)を順次添
加し、混合,均一化する。各実施例において配合する
(4)のα-ヒドロキシ酸複合体については、表3に示し
た。
【表3】
【0020】 [実施例7〜実施例12] O/W型乳剤性軟膏 (1)白色ワセリン 25.0(重量%) (2)ステアリルアルコール 25.0 (3)ラウリル硫酸ナトリウム 1.0 (4)α-ヒドロキシ酸複合体 表4に記載する量 (5)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (6)精製水 全量を100.0とする量 (1)〜(3)の油相成分を混合,溶解して均一とし、75℃
に加熱する。一方、(5)及び(6)の水相成分を混合,溶解
して75℃に加熱する。ついで前記水相成分に油相成分
を添加して乳化し、冷却後40℃にて(4)を添加,混合
する。各実施例において配合する(4)のα-ヒドロキシ酸
複合体については、表4に示した。
【表4】
【0021】 [実施例13〜実施例18] 皮膚用クリーム (1)ミツロウ 6.0(重量%) (2)セタノール 5.0 (3)還元ラノリン 8.0 (4)スクワラン 37.5 (5)脂肪酸グリセリン 4.0 (6)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0 (7)ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート 2.0 (8)α-ヒドロキシ酸複合体 表5に記載する量 (9)プロピレングリコール 5.0 (10)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (11)香料 0.2 (12)精製水 全量を100.0とする量 (1)〜(7)の油相成分を混合,溶解して75℃に加熱す
る。一方、(9),(10),(12)の水相成分を混合,溶解し
て75℃に加熱し、前記油相成分を添加して予備乳化し
た後、ホモミキサーにて均一に乳化する。その後冷却
し、45℃にて(8),(11)を添加,混合する。各実施例
において配合する(8)のα-ヒドロキシ酸複合体について
は、表5に示した。
【表5】
【0022】 [実施例19〜実施例24] 化粧水 (1)1,3-ブチレングリコール 3.0(重量%) (2)ソルビトール 2.0 (3)ピロリドンカルボン酸ナトリウム 3.0 (4)α-ヒドロキシ酸複合体 表6に記載する量 (5)エタノール 2.0 (6)カルボキシビニルポリマー1.0重量%水溶液 2.0 (7)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (8)香料 0.2 (9)精製水 全量を100.0とする量 (7)及び(8)を(5)に溶解して(9)に加え、(1)〜(4)を順次
添加した後(6)を加え、混合,均一化する。各実施例に
おいて配合する(4)のα-ヒドロキシ酸複合体について
は、表6に示した。
【表6】
【0023】 [実施例25〜実施例30] 乳液 (1)スクワラン 5.0(重量%) (2)白色ワセリン 2.0 (3)ミツロウ 0.5 (4)ソルビタンセスキオレエート 0.8 (5)ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル 1.2 (6)プロピレングリコール 5.0 (7)エタノール 5.0 (8)α-ヒドロキシ酸複合体 表7に記載する量 (9)カルボキシビニルポリマー1.0重量%水溶液 20.0 (10)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (11)水酸化ナトリウム 0.1 (12)香料 0.2 (13)精製水 全量を100.0とする量 (1)〜(5)の油相成分を混合,溶解して均一とし、75℃
に加熱する。一方、(6),(10),(13)の水相成分を混
合,溶解して75℃に加熱し、これに前記油相成分を添
加して予備乳化し、(9)を添加した後ホモミキサーにて
均一に乳化する。その後冷却し、(11)を加えてpHを調
整した後、40℃にて(7),(8),(12)を添加する。各実
施例において配合する(8)のα-ヒドロキシ酸複合体につ
いては、表7に示した。
【表7】
【0024】次に、本発明の実施例について、皮膚の老
化防止効果の検討を行った。まず、実施例1,実施例1
0,実施例14,実施例21,実施例30を試料とし
て、皮膚のしわ発生防止効果を評価した。各実施例にお
いて、配合するα-ヒドロキシ酸複合体を対応するα-ヒ
ドロキシ酸に代替したものをそれぞれ比較例1,比較例
3,比較例5,比較例7,比較例9、レチノール又はア
スタキサンチンに代替したものをそれぞれ比較例2,比
較例4,比較例6,比較例8,比較例10とした。しわ
の発生防止効果は、ヘアレスマウス5匹を1群とし、各
群について本発明の実施例及び比較例をそれぞれ1日1
回背部に塗布し、1J/平方cm/週のUVAを50週
間照射し、しわの発生状況を経時的に肉眼観察すること
により行った。しわの発生状況は、「発生せず;0
点」、「微小なしわがわずかに発生;1点」、「軽微な
しわが明確に発生;2点」、「中程度のしわが発生;3
点」、「深いしわが発生;4点」として点数化し、各群
の平均点を算出して表8に示した。その際、精製水を塗
布した群を対照とした。
【表8】
【0025】表8より明らかなように、グリコール酸の
レチノール又はアスタキサンチンとのエステル複合体或
いは乳酸のレチノールとのエステル複合体を配合した実
施例1,実施例10及び実施例14塗布群において、特
に顕著なしわの発生抑制が認められた。また、α-ヒド
ロキシ酸として、線維芽細胞増殖促進作用のやや低いガ
ラクトヘプタン酸及び酒石酸を用いた実施例21、及び
α-ヒドロキシ酸とレチノール又はアスタキサンチンと
の複合体の配合量の少ない実施例30塗布群において
も、UVA50週間照射によって、微小なしわの発生を
わずかに認めたに過ぎなかった。これに対して、遊離の
α-ヒドロキシ酸を用いた比較例1,3,5,7及び9
塗布群においては、α-ヒドロキシ酸の経皮吸収性が悪
いため、しわの発生抑制効果はやや小さく、UVA50
週間照射後に明確なしわの発生が見られた。また、レチ
ノール及びアスタキサンチンを複合化しないで配合した
比較例2,4,6,8及び10塗布群においては、これ
らの皮膚外用剤基剤中での溶解性が悪かったり、また安
定性が悪かったりしたため、UVA50週間照射後には
中程度のしわの発生を認めていた。
【0026】続いて、本発明の実施例4,実施例11,
実施例18,実施例22,実施例25を試料として、使
用試験を行った。この際、各実施例においてα-ヒドロ
キシ酸複合体を対応するα-ヒドロキシ酸に代替したも
のをそれぞれ比較例11,比較例13,比較例15,比
較例17,比較例19、レチノール又はアスタキサンチ
ンに代替したものを比較例12,比較例14,比較例1
6,比較例18,比較例20とした。使用試験は、皮膚
のしわ及び弾性の低下を主症状とするパネラー20名を
1群とし、各群にそれぞれ実施例及び比較例をブライン
ドにて顔面及び手に使用させ、しわ及び皮膚弾性の変化
を観察し評価することにより行った。使用期間は4月〜
10月の6カ月間とした。しわについては「減少」,
「やや減少」,「変化なし」,「増加」の4段階、皮膚
弾性については「上昇」,「やや上昇」,「変化な
し」,「低下」の4段階にて評価し、各評価を得たパネ
ラー数にて表9に示した。
【表9】
【0027】表9より明らかなように、本発明の実施例
を使用した群においては、しわの増加や皮膚弾性の減少
を認めたパネラーはいなかった。特に、グリコール酸の
アスタキサンチン硫酸ジエステルを配合した実施例4、
乳酸のアスタキサンチンリン酸ジエステル及びクエン酸
のアスタキサンチン硫酸ジエステルを配合した実施例1
1使用群では、ほとんどのパネラーにおいてしわの減少
及び皮膚弾性の上昇が認められていた。これに対し、遊
離のα-ヒドロキシ酸を配合した比較例11,13,1
5,17及び19使用群においては、しわの減少及び皮
膚弾性の上昇を認めたパネラーは各実施例使用群に比べ
て少なく、レチノール及びアスタキサンチンを複合化し
ないで配合した比較例12,14,16,18及び20
使用群においては、かえってしわの増加や皮膚弾性の低
下を認めたパネラーが多かった。これは、レチノール及
びアスタキサンチンの溶解性が悪かったり、或いは安定
性が悪かったりしたためであると推察される。
【0028】上記のしわ発生防止効果の評価結果及び使
用試験結果から、本発明の実施例を皮膚に塗布すると、
配合したα-ヒドロキシ酸とレチノール又はアスタキサ
ンチンとの複合体が皮表又は皮内のホスホエステラーゼ
又はスルホエステラーゼにより解離し、α-ヒドロキシ
酸とレチノール又はアスタキサンチンによる皮膚のしわ
の発生防止及び減少,皮膚弾性の低下防止及び上昇とい
った皮膚老化防止効果が相乗的に増強されることが認め
られる。
【0029】また、本発明におけるいずれの実施例にお
いても、皮膚に塗布し使用した際、皮膚刺激や感作等の
副作用は生じなかった。さらに、安定性も良好で、室温
で6カ月間保存後も状態の悪化や皮膚老化防止効果の低
下等は認められなかった。
【0030】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、相
乗的な皮膚の老化症状の改善及び防止効果を有する皮膚
外用剤を提供することができる。さらに、本発明におい
ては、α-ヒドロキシ酸とレチノール又はアスタキサン
チンとの複合体が、非常に高い皮膚の老化症状の改善及
び防止活性を有するため、低濃度の配合で有効であり、
皮膚に対する刺激や感作等の好ましくない副作用も生じ
ず、非常に安全性の高い皮膚外用剤を提供できる。ま
た、α-ヒドロキシ酸とレチノール又はアスタキサンチ
ンとの複合体は水性基剤及び油性基剤の双方に対して親
和性を有するため、外用剤基剤への溶解性が良く、安定
性も良好である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式1で示されるα-ヒドロキシ酸と
    レチノールとのリン酸ジエステル複合体,一般式2で示
    されるα-ヒドロキシ酸とレチノールとのピロリン酸ジ
    エステル複合体,一般式3で示されるα-ヒドロキシ酸
    とレチノールとの硫酸ジエステル複合体,一般式4で示
    されるα-ヒドロキシ酸とアスタキサンチンとのリン酸
    ジエステル複合体,一般式5で示されるα-ヒドロキシ
    酸とアスタキサンチンとのピロリン酸ジエステル複合
    体,一般式6で示されるα-ヒドロキシ酸とアスタキサ
    ンチンとの硫酸ジエステル複合体より成る群から選ばれ
    る1種又は2種以上を配合して成る、皮膚外用剤。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】
  2. 【請求項2】 皮膚外用剤が化粧料であることを特徴と
    する、請求項1に記載の皮膚外用剤。
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