JPH087329A - 両面同時記録再生用光ディスクおよび その製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録膜形成領域最内周に形成されたリング状
領域の回転中心と透明領域から見える反対面のリング状
領域の回転中心が一致するよう、２枚の基板の位置合わ
せをしてから貼り合わせることにより、両面同時に記録
再生可能な光ディスクを提供する。 【構成】 光ディスク基板上には記録トラックとは別に
ミラー部とは反射率が異なりかつトラックと同じ回転中
心をもつリング状領域が形成されている。またリング状
領域の一部には透明領域があり、この部分を通して裏側
のディスクのリング状領域が観察できるようになってい
る。表側にある光ディスク基板のリング状領域内周部エ
ッジと記録膜形成されていない透明部分からなる観察さ
れる裏側の光ディスク基板のリング状領域内周部エッジ
が一致するよう基板の位置合わせを行ってから固定すれ
ば、両面のトラック中心を一致させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は両面同時記録再生用光
ディスクとその製造方法に関するものであり、さらに詳
しくは、両面に記録膜を有する構造の記録媒体を、表裏
同時にアクセスする記録再生方式に適した両面同時記録
再生用光ディスクとその製造方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、光学式ビデオディスクをはじめと
する光ディスクでは、一般的にディスクの内周から外周
に向かって信号を記録している。記録面は片面、両面の
いづれかであるが、両面記録の場合でも多くの記録再生
装置は同時に両面の記録再生を行うのではなく、片面ず
つ行っていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】一方、最近では光ディ
スクへのアクセスの高速化の要求が高まり、光ディスク
の両面を同時に記録再生できる光ディスクの技術開発が
進められている。しかしながら従来の技術においては、
光ディスクの両面を同時に記録再生してアクセスの高速
化をはかることは、光ディスクの構成上非常に難しかっ
た。特に両面を同時記録再生するものではディスク回転
中心と表裏両面のトラック中心を一致させる必要がある
が、それぞれの面のトラックが反対面からは遮蔽されて
しまっているため、表裏両面のトラック中心を一致させ
るには必要両面を別々に心出ししてからそれを一致させ
るといった方法を取らざるを得なかった。そのためトラ
ック中心を求めるための機構が２系統必要となり、装置
コストの増加を招いていた。また、２台の装置の位置校
正にも時間がかかるとともに、装置位置ずれによる貼り
合わせ誤差も多くなる傾向があった。

【０００４】そこで、この発明は、以上の従来の技術の
欠点を解消し、記録膜形成領域最内周に形成されたリン
グ状領域の回転中心と透明領域から見える反対面のリン
グ状領域の回転中心が一致する、新しい両面同時に記録
再生可能な光ディスクとその製造方法を提供することを
目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、「光ディスクの表裏両面に記録
膜を有し、レーザー光を用いて両面の記録、再生、また
は消去を同時に行う両面同時記録再生用光ディスクにお
いて、光ディスク基板の記録膜形成領域最内周部に記録
トラックと同心のリング状領域を設け、その領域内では
ミラー部と反射率が異なるとともに、その一部には透明
領域が形成されていることを特徴とする両面同時記録再
生用光ディスク（請求項１）」を提供する。

【０００６】そしてまた、この発明は、「光ディスク基
板貼り合わせの際に、記録膜形成領域最内周に形成され
たリング状領域の回転中心と透明領域から見える反対面
のリング状領域の回転中心が一致するよう、２枚の基板
の位置合わせをしてから貼り合わせることを特徴とする
両面同時記録再生用光ディスクの製造方法（請求項
２）」も提供する。

【０００７】

【作用】上記のこの発明の光ディスクにおいては、光デ
ィスクの表裏両面に記録膜を有し、レーザー光を用いて
上記光ディスクの両面の記録、再生、または消去を同時
に行う両面同時記録、再生用ディスクにおいて、記録ト
ラックとは別にミラー部とは反射率が異なりかつトラッ
クと同じ回転中心をもつリング状領域が形成されてい
る。またこのリング状領域の一部には記録膜が形成され
ていない領域（透明領域）があり、この部分を通して裏
側のディスクのリング状領域が観察できるようになって
いる。両面ディスク貼り合わせの際には、例えば表側に
ある光ディスク基板のリング状領域内周部エッジと記録
膜形成されていない透明部分からなる観察される裏側の
光ディスク基板のリング状領域内周部エッジが一致する
よう基板の位置合わせを行ってから固定すれば、両面の
トラック中心を一致させることができる。

【０００８】このようにして構成された光ディスクによ
れば光ディスクの表裏両方に配置した光ヘッドにより、
両面同時に記録再生をすることができる。以下にこの発
明の一実施例を説明する。

【０００９】

【実施例】図１は、この発明の両面同時記録再生用光デ
ィスクの、記録膜最内周の一例を示す模式図である。た
とえばこの図１に例示した通り、直径３００ｍｍのガラ
ス基板には、直径１２０ｍｍから２９０ｍｍにかけて記
録トラック（１）が形成されている。また内周部の直径
１００ｍｍから１１０ｍｍにかけて記録トラックと同形
状の位置合わせ用溝（２）が設けられている。記録膜は
直径９０ｍｍから直径２９６ｍｍの範囲に形成されてい
るが、直径９５ｍｍから１１５ｍｍにかけては、周方向
に長さ約２０ｍｍにわたる記録膜未形成領域（３）が９
０°の間隔で設けてある。

【００１０】記録膜形成領域内周部は、記録膜形成時に
基板ホールダーの一部が基板を遮蔽するような構造にあ
らかじめしておくことによって、透明領域を形成するこ
とができる。２枚の光ディスク基板を貼り合わせる際に
は、１枚目の基板上に接着剤を塗布した後、表裏の記録
膜未形成領域が重ならないように配置して置く。

【００１１】回転ステージ上に光ディスク基板を置き、
裏面ディスク基板を真空チャック等で固定した後、光学
的心だし機構により裏面リング状領域最内周エッジ部分
の中心を求める。つぎに表面のディスク基板についても
同様に中心を求める。最後に固定してない表面側ディス
クを裏面ディスクとトラック中心が一致するよう移動す
る。この時、位置合わせ用溝（２）、裏面ディスクの位
置合わせよう溝（１２）を利用するとトラック中心の位
置合わせが容易になる。

【００１２】ホットメルト型接着剤を使う場合には、心
だし終了後、２枚のディスクをプレスして固定する。光
硬化性を有する接着剤を用いる場合には、記録膜の無い
トラック内外周を露光して固定する。これにより、２枚
のディスク基板をトラックずれの無い状態で接着するこ
とができる。

【００１３】

【発明の効果】以上のようにこの発明では、光ディスク
の表裏両面に記録膜を有し、レーザー光を用いて上記光
ディスク両面の記録、再生、または消去を同時に行う両
面同時記録再生用ディスクにおいて、光ディスク基板の
記録膜形成領域最内周部に記録トラックと同心のリング
状領域を設け、その領域内ではミラー部と反射率が異な
るとともに、その一部には記録膜が形成されていないよ
う構成したことによって、両面貼り合わせの際に、記録
膜形成領域最内周に形成されたリング状領域の回転中心
と記録膜未形成部分（透明領域）から見える反対面のリ
ング状領域の回転中心が一致するよう、２枚の基板の位
置合わせをしてから貼り合わせることにより、表裏同時
にアクセスする記録再生方式に適した両面同時記録再生
用光ディスクを製造することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例としての光ディスクの概略図
である。

【符号の説明】

１ トラック ２ 位置合わせ用溝 ３ 記録膜未形成領域 １２ 裏面ディスクの位置合わせよう溝

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光ディスクの表裏両面に記録膜を有し、
   レーザー光を用いて両面の記録再生、または消去を同時
   に行う両面同時記録再生用光ディスクにおいて、光ディ
   スク基板の記録膜形成領域最内周部に記録トラックと同
   心のリング状領域を設け、その領域内ではミラー部と反
   射率が異なるとともに、その一部には透明領域が形成さ
   れていることを特徴とする両面同時記録再生用光ディス
   ク。
2. 【請求項２】 光ディスク基板貼り合わせの際に、記録
   膜形成領域最内周に形成されたリング状領域の回転中心
   と透明領域から見える反対面のリング状領域の回転中心
   が一致するよう、２枚の基板の位置合わせをしてから貼
   り合わせることを特徴とする両面同時記録再生用光ディ
   スクの製造方法。