JPH0873278A - 耐火性接着剤組成物 - Google Patents
耐火性接着剤組成物Info
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- JPH0873278A JPH0873278A JP6212229A JP21222994A JPH0873278A JP H0873278 A JPH0873278 A JP H0873278A JP 6212229 A JP6212229 A JP 6212229A JP 21222994 A JP21222994 A JP 21222994A JP H0873278 A JPH0873278 A JP H0873278A
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- resin
- phenol resin
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 本発明の耐火性接着剤組成物は、耐火材料、
フェノール樹脂及び該フェノール樹脂溶剤とからなると
共に、該フェノール樹脂がレゾール型フェノール樹脂、
ノボラック型フェノール樹脂の1種または2種と、重量
平均分子量10000以上の熱硬化性フェノール樹脂と
からなり、かつ、レゾール型フェノール樹脂、ノボラッ
ク型フェノール樹脂の1種または2種が0重量%〜15
重量%、重量平均分子量10,000以上の熱硬化性フ
ェノール樹脂が3重量%〜15重量%の割合で配合され
るものである。 【効果】 現場での作業性に優れ、また、400℃以上
の温度でも高強度を具現するので、成形された耐火物、
特にタンディッシュの熱間繰り返し使用等の連続鋳造に
使用されるロングノズルや浸漬ノズルの接着、補修に適
する。
フェノール樹脂及び該フェノール樹脂溶剤とからなると
共に、該フェノール樹脂がレゾール型フェノール樹脂、
ノボラック型フェノール樹脂の1種または2種と、重量
平均分子量10000以上の熱硬化性フェノール樹脂と
からなり、かつ、レゾール型フェノール樹脂、ノボラッ
ク型フェノール樹脂の1種または2種が0重量%〜15
重量%、重量平均分子量10,000以上の熱硬化性フ
ェノール樹脂が3重量%〜15重量%の割合で配合され
るものである。 【効果】 現場での作業性に優れ、また、400℃以上
の温度でも高強度を具現するので、成形された耐火物、
特にタンディッシュの熱間繰り返し使用等の連続鋳造に
使用されるロングノズルや浸漬ノズルの接着、補修に適
する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐火物用接着剤組成物
に関するものであり、成形された耐火物の接着、補修に
使用するバインダーに関する。
に関するものであり、成形された耐火物の接着、補修に
使用するバインダーに関する。
【0002】
【従来の技術】タンディッシュの熱間繰り返し使用等の
連続鋳造技術の進展に伴い、ロングノズルや浸漬ノズル
等のノズル耐火物は、更に高度な信頼性が要求されてい
る。ノズル耐火物は、一般に、アルミナ、カーボン等か
ら選ばれる耐火材料にフェノール樹脂、ピッチ等の有機
質バインダーを添加、混合し、加圧成型後、100〜3
00℃の熱処理を行い、700〜1500℃程度の還元
雰囲気下で焼成して製造されるものである。このような
ノズル耐火物においては、溶鋼に浸漬する部分に溶損が
発生するため、高寿命と原単位の低減が追求され、使用
済みノズルの再使用も試みられている。例えば、実開平
2−123347号公報には、溶損部分を切除し、接合
用ノズルを耐火性接着剤により接着加工する方法が提示
されている。
連続鋳造技術の進展に伴い、ロングノズルや浸漬ノズル
等のノズル耐火物は、更に高度な信頼性が要求されてい
る。ノズル耐火物は、一般に、アルミナ、カーボン等か
ら選ばれる耐火材料にフェノール樹脂、ピッチ等の有機
質バインダーを添加、混合し、加圧成型後、100〜3
00℃の熱処理を行い、700〜1500℃程度の還元
雰囲気下で焼成して製造されるものである。このような
ノズル耐火物においては、溶鋼に浸漬する部分に溶損が
発生するため、高寿命と原単位の低減が追求され、使用
済みノズルの再使用も試みられている。例えば、実開平
2−123347号公報には、溶損部分を切除し、接合
用ノズルを耐火性接着剤により接着加工する方法が提示
されている。
【0003】これを実用化する場合、接着剤組成物の接
着成分として、従来の汎用フェノール樹脂のみでは、樹
脂の分解が進行する400℃以上の温度域で接着強度が
低下する。この温度帯は、鋳造中の作業温度域に相当す
るため接着強度の低下は重要な課題となっている。
着成分として、従来の汎用フェノール樹脂のみでは、樹
脂の分解が進行する400℃以上の温度域で接着強度が
低下する。この温度帯は、鋳造中の作業温度域に相当す
るため接着強度の低下は重要な課題となっている。
【0004】この問題を解決するため、例えば、特開平
4−300982号公報では、耐火材料にレゾール型熱
硬化性フェノール樹脂アルコール溶液とベンジリックエ
ーテル型フェノール樹脂を含有する熱硬化性フェノール
樹脂粉末を添加する方法が開示されている。ベンジリッ
クエーテル型フェノール樹脂は、ストレートフェノール
樹脂と比べ、硬化開始温度が高いこと、硬化時間が長い
等の特徴があり、400℃以上の温度でも高強度を具現
するが、軟化温度が低く、粉末状では室温で簡単にブロ
ッキングするので、現場で接着剤組成物を調製するには
作業性に問題がある。そのため、粉末のベンジリックエ
ーテル型フェノール樹脂を使用する場合、等量以上の粉
末ノボラック型フェノール樹脂と混合使用されることが
多いが、この場合十分に特性を発揮できない。
4−300982号公報では、耐火材料にレゾール型熱
硬化性フェノール樹脂アルコール溶液とベンジリックエ
ーテル型フェノール樹脂を含有する熱硬化性フェノール
樹脂粉末を添加する方法が開示されている。ベンジリッ
クエーテル型フェノール樹脂は、ストレートフェノール
樹脂と比べ、硬化開始温度が高いこと、硬化時間が長い
等の特徴があり、400℃以上の温度でも高強度を具現
するが、軟化温度が低く、粉末状では室温で簡単にブロ
ッキングするので、現場で接着剤組成物を調製するには
作業性に問題がある。そのため、粉末のベンジリックエ
ーテル型フェノール樹脂を使用する場合、等量以上の粉
末ノボラック型フェノール樹脂と混合使用されることが
多いが、この場合十分に特性を発揮できない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、作業性に優
れると共に、400℃以上の温度でも高強度を具現する
耐火性接着剤組成物の提供を課題とする。
れると共に、400℃以上の温度でも高強度を具現する
耐火性接着剤組成物の提供を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る耐火性接着
剤組成物は、耐火材料、フェノール樹脂及び該フェノー
ル樹脂溶剤とからなると共に、該フェノール樹脂がレゾ
ール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂の
1種または2種と、重量平均分子量10,000以上の
熱硬化性フェノール樹脂とからなり、かつ、レゾール型
フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂の1種ま
たは2種が0重量%〜15重量%、重量平均分子量1
0,000以上の熱硬化性フェノール樹脂が3重量%〜
15重量%の割合で配合されたことを特徴とする。
剤組成物は、耐火材料、フェノール樹脂及び該フェノー
ル樹脂溶剤とからなると共に、該フェノール樹脂がレゾ
ール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂の
1種または2種と、重量平均分子量10,000以上の
熱硬化性フェノール樹脂とからなり、かつ、レゾール型
フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂の1種ま
たは2種が0重量%〜15重量%、重量平均分子量1
0,000以上の熱硬化性フェノール樹脂が3重量%〜
15重量%の割合で配合されたことを特徴とする。
【0007】また、本発明の耐火性接着剤組成物は、耐
火材料、MoSi2 、アルミニウム合金、WSi2 、T
iSi2 、ZrSi2 、Al、Siからなる群より選ば
れる1種、または2種以上の金属又は合金、フェノール
樹脂及び該フェノール樹脂溶剤とからなると共に、該金
属又は合金が0.5重量%〜10重量%の割合で配合さ
れ、かつ、フェノール樹脂がレゾール型フェノール樹
脂、ノボラック型フェノール樹脂の1種または2種と、
重量平均分子量10000以上の熱硬化性フェノール樹
脂とからなり、レゾール型フェノール樹脂、ノボラック
型フェノール樹脂の1種または2種が0重量%〜15重
量%、重量平均分子量10,000以上の熱硬化性フェ
ノール樹脂が3重量%〜15重量%の割合で配合された
ことを特徴とする。
火材料、MoSi2 、アルミニウム合金、WSi2 、T
iSi2 、ZrSi2 、Al、Siからなる群より選ば
れる1種、または2種以上の金属又は合金、フェノール
樹脂及び該フェノール樹脂溶剤とからなると共に、該金
属又は合金が0.5重量%〜10重量%の割合で配合さ
れ、かつ、フェノール樹脂がレゾール型フェノール樹
脂、ノボラック型フェノール樹脂の1種または2種と、
重量平均分子量10000以上の熱硬化性フェノール樹
脂とからなり、レゾール型フェノール樹脂、ノボラック
型フェノール樹脂の1種または2種が0重量%〜15重
量%、重量平均分子量10,000以上の熱硬化性フェ
ノール樹脂が3重量%〜15重量%の割合で配合された
ことを特徴とする。
【0008】本発明の耐火性接着剤組成物は、特に、ア
ルミナーカーボン質の耐火材の接着に好適に使用される
ものであり、例えば鋼の連続鋳造に使用される浸漬ノズ
ル等の接着に好適に使用される。接着剤組成物における
耐火材料としては、シリカ、ムライト、アルミナ、スピ
ネル、マグネシア等の酸化物や炭化珪素等の炭化物、ピ
ッチ粉、コークス、カーボンブラック、黒鉛等の炭素原
料、粘土などを利用することができる。例えば、連続鋳
造用ノズルに広く使用されているアルミナーカーボン質
耐火物を、接着剤組成物における耐火材料にアルミナを
使用して接着する場合、焼結による強度付与のため、1
0μm以下のアルミナを10重量%以上、望ましくは2
0重量%以上添加するのが良い。また、スピネル生成に
よる強度付与を目的として、アルミナとマグネシアを併
用しても良い。逆に、焼結を抑制する目的で酸化物原料
にカーボンブラック等炭素原料を添加しても良い。カオ
リン、タルク等の粘土は施工性の向上に効果的である。
ルミナーカーボン質の耐火材の接着に好適に使用される
ものであり、例えば鋼の連続鋳造に使用される浸漬ノズ
ル等の接着に好適に使用される。接着剤組成物における
耐火材料としては、シリカ、ムライト、アルミナ、スピ
ネル、マグネシア等の酸化物や炭化珪素等の炭化物、ピ
ッチ粉、コークス、カーボンブラック、黒鉛等の炭素原
料、粘土などを利用することができる。例えば、連続鋳
造用ノズルに広く使用されているアルミナーカーボン質
耐火物を、接着剤組成物における耐火材料にアルミナを
使用して接着する場合、焼結による強度付与のため、1
0μm以下のアルミナを10重量%以上、望ましくは2
0重量%以上添加するのが良い。また、スピネル生成に
よる強度付与を目的として、アルミナとマグネシアを併
用しても良い。逆に、焼結を抑制する目的で酸化物原料
にカーボンブラック等炭素原料を添加しても良い。カオ
リン、タルク等の粘土は施工性の向上に効果的である。
【0009】次に、本発明の特徴をなす有機質バインダ
ーについて説明する。
ーについて説明する。
【0010】重量平均分子量が10,000以上の熱硬
化性フェノール樹脂は、室温では球状ないし粒状であっ
て、自硬化性であり、また、その化学構造はメチロール
基が極めて少なく、かつフリーフェノールをほとんど含
まないため、硬化が緩やかであり、かつ低吸湿性で、4
00℃以上の温度域でも残留炭素分が高く、熱安定性が
高いという特徴を有している。この様な熱硬化性フェノ
ール樹脂としては、例えば鐘紡(株)製「ベルパール
S」等を使用するとよく、また、特開昭58−1118
22号公報、特開昭58−198557号公報、特開平
4−209746号公報、特開平5−339046号公
報にはその製法、また、耐火物成型体としての用途が開
示されている。
化性フェノール樹脂は、室温では球状ないし粒状であっ
て、自硬化性であり、また、その化学構造はメチロール
基が極めて少なく、かつフリーフェノールをほとんど含
まないため、硬化が緩やかであり、かつ低吸湿性で、4
00℃以上の温度域でも残留炭素分が高く、熱安定性が
高いという特徴を有している。この様な熱硬化性フェノ
ール樹脂としては、例えば鐘紡(株)製「ベルパール
S」等を使用するとよく、また、特開昭58−1118
22号公報、特開昭58−198557号公報、特開平
4−209746号公報、特開平5−339046号公
報にはその製法、また、耐火物成型体としての用途が開
示されている。
【0011】レゾール型フェノール樹脂は、熱硬化性で
あり、加熱により硬化するのに対して、ノボラック型フ
ェノール樹脂は硬化剤を必要とするが、いずれも粒子形
状が不定形で重量平均分子量10,000以上のポリマ
ーを含有せず、所謂、汎用フェノール樹脂と呼ばれるも
のを使用することができる。
あり、加熱により硬化するのに対して、ノボラック型フ
ェノール樹脂は硬化剤を必要とするが、いずれも粒子形
状が不定形で重量平均分子量10,000以上のポリマ
ーを含有せず、所謂、汎用フェノール樹脂と呼ばれるも
のを使用することができる。
【0012】重量平均分子量10,000以上の熱硬化
性フェノール樹脂は分子量が大きく、粘性が高いので、
レゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹
脂は、接着剤組成物の粘性を下げ、作業性を改善するた
めに添加される。また、レゾール型フェノール樹脂は、
接着剤組成物の硬化を促進する作用を有する。
性フェノール樹脂は分子量が大きく、粘性が高いので、
レゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹
脂は、接着剤組成物の粘性を下げ、作業性を改善するた
めに添加される。また、レゾール型フェノール樹脂は、
接着剤組成物の硬化を促進する作用を有する。
【0013】次に、フェノール樹脂溶剤について説明す
る。重量平均分子量10,000以上の熱硬化性フェノ
ール樹脂は、分子量が大きいため、フェノール樹脂に対
する溶解能が高い溶剤を使用して溶解後の粘性を十分低
くする必要がある。従って、溶剤にはメチルアルコール
やエチルアルコールを使用するのが望ましい。しかし、
これらは一般に引火点が低く、取り扱いの問題があるの
で、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピ
レングリコール等高沸点のアルコール類などを併用して
も良い。
る。重量平均分子量10,000以上の熱硬化性フェノ
ール樹脂は、分子量が大きいため、フェノール樹脂に対
する溶解能が高い溶剤を使用して溶解後の粘性を十分低
くする必要がある。従って、溶剤にはメチルアルコール
やエチルアルコールを使用するのが望ましい。しかし、
これらは一般に引火点が低く、取り扱いの問題があるの
で、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピ
レングリコール等高沸点のアルコール類などを併用して
も良い。
【0014】耐火性接着剤組成物に含まれるフェノール
樹脂総量は、5重量%〜30重量%、好ましくは10重
量%〜25重量%である。樹脂総量が30重量%を越え
ると、溶剤の絶対量が多くなり400℃以上の温度域で
の強度が低くなる。反対に、5重量%以下では溶剤量が
少なくて済むが、絶対的な樹脂量が不足し強度が不十分
となる。
樹脂総量は、5重量%〜30重量%、好ましくは10重
量%〜25重量%である。樹脂総量が30重量%を越え
ると、溶剤の絶対量が多くなり400℃以上の温度域で
の強度が低くなる。反対に、5重量%以下では溶剤量が
少なくて済むが、絶対的な樹脂量が不足し強度が不十分
となる。
【0015】また、重量平均分子量10,000以上の
熱硬化性フェノール樹脂量は、3重量%〜15重量%、
好ましくは5重量%〜13重量%とするとよく、15重
量%を越えると溶剤の絶対量が多くなり400℃以上の
温度域での強度が低くなること、及び3重量%を下回る
と強度が不十分となる。
熱硬化性フェノール樹脂量は、3重量%〜15重量%、
好ましくは5重量%〜13重量%とするとよく、15重
量%を越えると溶剤の絶対量が多くなり400℃以上の
温度域での強度が低くなること、及び3重量%を下回る
と強度が不十分となる。
【0016】また、レゾール型フェノール樹脂、ノボラ
ック型フェノール樹脂量は、0重量%〜15重量%、好
ましくは5重量%〜12重量%とするとよい。レゾール
型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂は、粘
性を下げるためにはいずれのフェノール樹脂を使用して
もよく、また、混合して使用してもよいが、低い温度域
での硬化を促進する必要がある場合には、好ましくはレ
ゾール型フェノール樹脂の混合割合を多くするとよい。
配合割合が15重量%を越えると強度が不十分となる。
ック型フェノール樹脂量は、0重量%〜15重量%、好
ましくは5重量%〜12重量%とするとよい。レゾール
型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂は、粘
性を下げるためにはいずれのフェノール樹脂を使用して
もよく、また、混合して使用してもよいが、低い温度域
での硬化を促進する必要がある場合には、好ましくはレ
ゾール型フェノール樹脂の混合割合を多くするとよい。
配合割合が15重量%を越えると強度が不十分となる。
【0017】溶剤量は、フェノール樹脂の総量に対して
20重量%以下では可塑性が不十分であり作業性に支障
を来すこと、100重量%以上では保形性が悪く、且つ
溶剤の絶対量が多くなりすぎ十分な強度が得られないこ
とから、樹脂の総量に対し外掛けで20重量%〜100
重量%とするとよい。
20重量%以下では可塑性が不十分であり作業性に支障
を来すこと、100重量%以上では保形性が悪く、且つ
溶剤の絶対量が多くなりすぎ十分な強度が得られないこ
とから、樹脂の総量に対し外掛けで20重量%〜100
重量%とするとよい。
【0018】耐火性接着剤組成物とするには、フェノー
ル樹脂を溶剤に溶解した後、又はフェノール樹脂と溶剤
とを耐火原料に加え混合し、使用するにあたっては、接
着面に薄く均一に塗布し、被接着物を接合する。被接着
物との密着性が悪く、接着目地が大きいと接着強度が著
しく損なわれるため、接着剤組成物には、ある程度以上
の可塑性が必要であり、また、補修剤として使用する場
合にも、保形性がなくならない範囲で可塑性が高い方が
作業性がよい。
ル樹脂を溶剤に溶解した後、又はフェノール樹脂と溶剤
とを耐火原料に加え混合し、使用するにあたっては、接
着面に薄く均一に塗布し、被接着物を接合する。被接着
物との密着性が悪く、接着目地が大きいと接着強度が著
しく損なわれるため、接着剤組成物には、ある程度以上
の可塑性が必要であり、また、補修剤として使用する場
合にも、保形性がなくならない範囲で可塑性が高い方が
作業性がよい。
【0019】被接着物に塗布し、接合した後、被接着部
位を重量平均分子量10,000以上の熱硬化性フェノ
ール樹脂が硬化し始める100〜300℃の温度で加熱
し、緩やかに硬化反応を進めることで十分な接着強度を
得る。なお、硬化反応を促進するにはレゾール型フェノ
ール樹脂の混合割合を増すのが有効である。この場合、
適宜乾燥温度を下げても良い。
位を重量平均分子量10,000以上の熱硬化性フェノ
ール樹脂が硬化し始める100〜300℃の温度で加熱
し、緩やかに硬化反応を進めることで十分な接着強度を
得る。なお、硬化反応を促進するにはレゾール型フェノ
ール樹脂の混合割合を増すのが有効である。この場合、
適宜乾燥温度を下げても良い。
【0020】本発明におけるフェノール樹脂は、レゾー
ル型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂の1
種または2種と重量平均分子量10,000以上の熱硬
化性フェノール樹脂を必須とするが、その他、アルキル
変性フェノール樹脂、カシュー変性フェノール樹脂、メ
ラミン変性フェノール樹脂、フラン変性フェノール樹脂
等各種変性フェノール樹脂やメラミン樹脂、エポキシ樹
脂等他の熱硬化性樹脂を併用しても良い。
ル型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂の1
種または2種と重量平均分子量10,000以上の熱硬
化性フェノール樹脂を必須とするが、その他、アルキル
変性フェノール樹脂、カシュー変性フェノール樹脂、メ
ラミン変性フェノール樹脂、フラン変性フェノール樹脂
等各種変性フェノール樹脂やメラミン樹脂、エポキシ樹
脂等他の熱硬化性樹脂を併用しても良い。
【0021】また、高温での強度付与の目的で、合金を
添加する方法が有効である。これらの強度付与剤はなる
べく低温から、好ましくはフェノール樹脂の強度劣化が
生じる400℃付近から強度を発現するものが理想的で
ある。この視点より、約400℃から酸化が始まるMo
Si2 、約500℃から酸化が始まるAlーMg等のア
ルミニウム合金、WSi2 、TiSi2 、約800℃か
ら酸化が始まるZrSi2 等は特に有効である。更に1
000℃以上で強度を付与するためにAl、SiやAl
ーSi等のアルミニウム合金、またはSi3 N4 等の窒
化物などを添加するのが有効である。これらの金属、合
金は、適宜、混合して使用されるが、合計して10重量
%より多く添加すると耐スポーリング性が著しく損なわ
れるため、添加量は0.5重量%〜10重量%以下、好
ましくは1重量%〜8重量%である。
添加する方法が有効である。これらの強度付与剤はなる
べく低温から、好ましくはフェノール樹脂の強度劣化が
生じる400℃付近から強度を発現するものが理想的で
ある。この視点より、約400℃から酸化が始まるMo
Si2 、約500℃から酸化が始まるAlーMg等のア
ルミニウム合金、WSi2 、TiSi2 、約800℃か
ら酸化が始まるZrSi2 等は特に有効である。更に1
000℃以上で強度を付与するためにAl、SiやAl
ーSi等のアルミニウム合金、またはSi3 N4 等の窒
化物などを添加するのが有効である。これらの金属、合
金は、適宜、混合して使用されるが、合計して10重量
%より多く添加すると耐スポーリング性が著しく損なわ
れるため、添加量は0.5重量%〜10重量%以下、好
ましくは1重量%〜8重量%である。
【0022】
【作用】汎用フェノール樹脂は、レゾール型、ノボラッ
ク型のいずれも重量平均分子量が10,000を越える
ことはまずない。これらと比べ、重量平均分子量10,
000以上の熱硬化性フェノール樹脂は、分子量の大き
さと化学構造により、メチロール基が極めて少なく、か
つフリーフェノールをほとんど含まないため、残留炭素
分が高いと共に熱安定性が高い。本発明は、重量平均分
子量10,000以上の熱硬化性フェノール樹脂におけ
る硬化開始温度が高く、硬化反応が遅い等の特徴を利用
して、成形された耐火物の接着、補修に使用する接着剤
組成物とするものであり、400℃以上の温度域で未分
解の炭素結合が多く残留するとともに緩やかな硬化反応
のため、残留応力が少なく強度の劣化を抑制することが
できる。
ク型のいずれも重量平均分子量が10,000を越える
ことはまずない。これらと比べ、重量平均分子量10,
000以上の熱硬化性フェノール樹脂は、分子量の大き
さと化学構造により、メチロール基が極めて少なく、か
つフリーフェノールをほとんど含まないため、残留炭素
分が高いと共に熱安定性が高い。本発明は、重量平均分
子量10,000以上の熱硬化性フェノール樹脂におけ
る硬化開始温度が高く、硬化反応が遅い等の特徴を利用
して、成形された耐火物の接着、補修に使用する接着剤
組成物とするものであり、400℃以上の温度域で未分
解の炭素結合が多く残留するとともに緩やかな硬化反応
のため、残留応力が少なく強度の劣化を抑制することが
できる。
【0023】以下、実施例により本発明を説明する。な
お、実施例における各表において、「レゾール」はレゾ
ール型フェノール樹脂、「ノボラック」はノボラック型
フェノール樹脂の略であり、また、配合比は「重量%」
である。また、曲げ強度は、日本工業規格R2213−
78に準拠し測定した。
お、実施例における各表において、「レゾール」はレゾ
ール型フェノール樹脂、「ノボラック」はノボラック型
フェノール樹脂の略であり、また、配合比は「重量%」
である。また、曲げ強度は、日本工業規格R2213−
78に準拠し測定した。
【0024】
【実施例1】下記の表1に示す配合物を配合、混合し、
耐火性接着剤組成物を得た。これを用い、アルミナーカ
ーボン質耐火材の接着試験を行った。試験は、接着試料
を作成、400℃に加熱した後の接着面での曲げ強度を
測定、評価した。
耐火性接着剤組成物を得た。これを用い、アルミナーカ
ーボン質耐火材の接着試験を行った。試験は、接着試料
を作成、400℃に加熱した後の接着面での曲げ強度を
測定、評価した。
【0025】
【表1】
【0026】1) 重量平均分子量10,000以上の
熱硬化性フェノール樹脂
熱硬化性フェノール樹脂
【0027】
【実施例2】下記の表2の配合物を配合、混合し、耐火
性接着剤組成物を得た。これを用い、アルミナーカーボ
ン質耐火材の接着試験を行った。試験は、接着試料を作
成、1400℃に加熱した後の接着面での曲げ強度を測
定、評価した。
性接着剤組成物を得た。これを用い、アルミナーカーボ
ン質耐火材の接着試験を行った。試験は、接着試料を作
成、1400℃に加熱した後の接着面での曲げ強度を測
定、評価した。
【0028】
【表2】
【0029】1) 重量平均分子量10,000以上の
熱硬化性フェノール樹脂
熱硬化性フェノール樹脂
【0030】
【実施例3】下記の表3の配合物を配合、混錬し、耐火
性接着性組成物を得た。これを用い、アルミナーカーボ
ン質耐火材の接着試験を行った。試験は、接着試料を作
成、800℃に加熱した後の接着面での曲げ強度を測
定、評価した。
性接着性組成物を得た。これを用い、アルミナーカーボ
ン質耐火材の接着試験を行った。試験は、接着試料を作
成、800℃に加熱した後の接着面での曲げ強度を測
定、評価した。
【0031】
【表3】
【0032】1) 重量平均分子量10,000以上の
熱硬化性フェノール樹脂
熱硬化性フェノール樹脂
【0033】
【実施例4】下記の表4の配合物を配合、混錬し、耐火
性接着性組成物を得た。これを用い、アルミナーカーボ
ン質耐火材の接着試験を行った。試験は、接着試料を作
成、1400℃に加熱した後の接着面での曲げ強度を測
定、評価した。
性接着性組成物を得た。これを用い、アルミナーカーボ
ン質耐火材の接着試験を行った。試験は、接着試料を作
成、1400℃に加熱した後の接着面での曲げ強度を測
定、評価した。
【0034】
【表4】
【0035】1) 重量平均分子量10,000以上の
熱硬化性フェノール樹脂
熱硬化性フェノール樹脂
【0036】
【発明の効果】本発明の耐火性接着剤組成物は、現場で
の作業性に優れると共に、400℃以上の温度でも高強
度を具現するので、成形された耐火物、特にタンディッ
シュの熱間繰り返し使用等の連続鋳造に使用されるロン
グノズルや浸漬ノズルの接着、補修に適するものであ
る。
の作業性に優れると共に、400℃以上の温度でも高強
度を具現するので、成形された耐火物、特にタンディッ
シュの熱間繰り返し使用等の連続鋳造に使用されるロン
グノズルや浸漬ノズルの接着、補修に適するものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F27D 1/00 K
Claims (2)
- 【請求項1】 耐火材料、フェノール樹脂及び該フェノ
ール樹脂溶剤とからなると共に、該フェノール樹脂がレ
ゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂
の1種または2種と、重量平均分子量10,000以上
の熱硬化性フェノール樹脂とからなり、かつ、レゾール
型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂の1種
または2種が0重量%〜15重量%、重量平均分子量1
0,000以上の熱硬化性フェノール樹脂が3重量%〜
15重量%の割合で配合されたことを特徴とする耐火性
接着剤組成物。 - 【請求項2】 耐火材料、MoSi2 、アルミニウム合
金、WSi2 、TiSi2 、ZrSi2 、Al、Siか
らなる群より選ばれる1種、または2種以上の金属又は
合金、フェノール樹脂及び該フェノール樹脂溶剤とから
なると共に、該金属又は合金が0.5重量%〜10重量
%の割合で配合され、かつ、フェノール樹脂がレゾール
型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂の1種
または2種と、重量平均分子量10000以上の熱硬化
性フェノール樹脂とからなり、レゾール型フェノール樹
脂、ノボラック型フェノール樹脂の1種または2種が0
重量%〜15重量%、重量平均分子量10,000以上
の熱硬化性フェノール樹脂が3重量%〜15重量%の割
合で配合されたことを特徴とする耐火性接着剤組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6212229A JPH0873278A (ja) | 1994-09-06 | 1994-09-06 | 耐火性接着剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6212229A JPH0873278A (ja) | 1994-09-06 | 1994-09-06 | 耐火性接着剤組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0873278A true JPH0873278A (ja) | 1996-03-19 |
Family
ID=16619103
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6212229A Pending JPH0873278A (ja) | 1994-09-06 | 1994-09-06 | 耐火性接着剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0873278A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100767403B1 (ko) * | 2001-04-30 | 2007-10-17 | 주식회사 포스코 | 내산화성 및 팽창성을 갖는 알루미나-탄화규소-탄소계연와의 제조방법 |
JP2008207195A (ja) * | 2007-02-23 | 2008-09-11 | Kobe Steel Ltd | 取鍋への下ノズル取付方法 |
-
1994
- 1994-09-06 JP JP6212229A patent/JPH0873278A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100767403B1 (ko) * | 2001-04-30 | 2007-10-17 | 주식회사 포스코 | 내산화성 및 팽창성을 갖는 알루미나-탄화규소-탄소계연와의 제조방법 |
JP2008207195A (ja) * | 2007-02-23 | 2008-09-11 | Kobe Steel Ltd | 取鍋への下ノズル取付方法 |
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