JPH0872658A - エアバッグ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シリンダタイプのインフレーターを使用し
て、薄くコンパクトに構成できるとともに、エアバッグ
を素早く車両ドアに沿うように膨張させることができる
エアバッグ装置を提供すること。 【構成】 車両ドア１の内側に配置されるエアバッグ装
置１０であり、エアバッグ１１、折り畳まれたエアバッ
グ１１の下部側で略水平方向に配置されるシリンダタイ
プのインフレーター１４、下部側を開口時のヒンジ部位
１７ａとして略上下方向に配置されるリッド１７、エア
バッグ１１及びインフレーター１４の背面側を覆うケー
ス２０、を備える。ケース２０は、インフレーター１４
の配置部位周囲における上部側と下部側とに凹部２８・
２９を設けて、容積を狭くしている。上部側の凹部２８
部位におけるケース内周面が、エアバッグ１１の折り畳
み部位１１ｂ側へ傾斜して向かうガスＧの案内面２４を
構成している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車両ドアの内側に配置
されて、エアバッグを膨張させるためのガスを供給する
インフレーターがシリンダタイプとしたエアバッグ装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術とその課題】従来、車両ドアの内側に配置
されるエアバッグ装置としては、エアバッグにガスを供
給するインフレーターを、シリンダタイプとするものが
あった。このように、インフレーターをシリンダタイプ
とする場合には、その長手方向に複数のガス吐出口を配
置させることから、インフレーターを略水平方向に配置
させ、エアバッグのガス流入口をインフレーターの長手
方向に配置させれば、エアバッグ内へガスを均一に供給
することができる。

【０００３】また、この種のエアバッグ装置では、薄い
車両ドア内に配置されることから、薄く構成する必要が
あり、そのため、実開平３−１０８５６３号公報に記載
されているように、折り畳んだエアバッグの下方にイン
フレーターを配置させることが望ましい。

【０００４】しかし、単に、折り畳んだエアバッグの下
方にインフレーターを配置させても、この種の車両ドア
内に配置されるエアバッグ装置では、乗員との距離が短
いことから、素早く車両ドアに沿うようにエアバッグを
膨張させる必要がある。

【０００５】この場合、インフレーターの出力を高めて
対処することが考えられるが、インフレーターの出力を
高めては、エアバッグやインフレーターの周囲に配置さ
れるケース等の強度が必要となって、車両ドアに配置さ
れるエアバッグ装置の、薄くコンパクトに構成する要
請、に反することとなる。

【０００６】本発明は、上述の課題を解決するものであ
り、シリンダタイプのインフレーターを使用した車両ド
アに配置されるエアバッグ装置において、薄くコンパク
トに構成できるとともに、エアバッグを素早く車両ドア
に沿うように膨張させることができるエアバッグ装置を
提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明に係るエアバッグ
装置は、折り畳まれて収納されるエアバッグと、折り畳
まれた前記エアバッグの下部側で軸方向を略水平方向と
して配置されて前記エアバッグへ膨張用のガスを供給す
るシリンダタイプのインフレーターと、を備えるととも
に、折り畳まれた前記エアバッグの正面側を覆い、下部
側を開口時のヒンジ部位として略上下方向に配置される
リッドと、折り畳まれた前記エアバッグ及び前記インフ
レーターの背面側を覆うケースと、を備えて、車両ドア
の内側に配置されるエアバッグ装置であって、前記ケー
スが、前記インフレーターの配置部位周囲における上部
側と下部側とに凹部を設けて、容積を狭くし、前記上部
側の凹部部位における前記ケース内周面が、前記エアバ
ッグの折り畳み部位側へ傾斜して向かう前記ガスの案内
面を構成することを特徴とする。

【０００８】

【発明の作用・効果】本発明に係るエアバッグ装置で
は、シリンダタイプのインフレーターが、折り畳まれた
エアバッグの下部に配置されて、折り畳まれたエアバッ
グとインフレーターとの背面側を覆うケースが、インフ
レーターの配置部位周囲における上部側と下部側とに、
肉盗みするように、凹部を設けて、容積を極力狭くして
いることから、エアバッグ装置を薄くコンパクトにする
ことができる。

【０００９】また、ケースにおけるインフレーターの配
置部位周囲の上部側凹部の内周面が、エアバッグの折り
畳み部位側へ傾斜して向かうガスの案内面としているこ
とから、インフレーターから吐出するガスが、案内面を
経て円滑にエアバッグの折り畳み部位に供給されること
となって、インフレーターの出力を大きくしなくとも、
素早く、エアバッグを膨張させることができる。さら
に、ケースにおけるインフレーターの配置部位周囲が、
肉盗みするような凹部を設けて、容積を狭くしているた
め、インフレーターのガス吐出時におけるケース内の内
圧上昇が、短時間で行なわれて、一層、素早く、エアバ
ッグを膨張させることができる。

【００１０】したがって、本発明に係るエアバッグ装置
では、シリンダタイプのインフレーターを使用した車両
ドアに配置されるエアバッグ装置において、薄くコンパ
クトに構成できるとともに、エアバッグを素早く車両ド
アに沿うように膨張させることができる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。

【００１２】実施例のエアバッグ装置１０は、図１に示
すように、車両ドア１のドアパネル２におけるインナパ
ネル３の内側に配置されるもので、エアバッグ１１、イ
ンフレーター１４、リッド１７、及び、ケース２０を備
えて構成されている。

【００１３】なお、車両ドア１は、ドアパネル２と、ド
アパネル２の内側に配置されるドアトリム７と、略上下
方向に昇降するドアガラス８と、から構成されている。
ドアパネル２は、車内側のインナパネル３と車外側のア
ウタパネル６とから構成され、ドアガラス８は、インナ
パネル３とアウタパネル６との間に配置されている。そ
して、エアバッグ装置１０は、インナパネル３の内側に
おけるドアトリム７の開口部７ａ（図１・３参照）に、
リッド１７を配置させている。

【００１４】エアバッグ１１は、ポリアミド等の織布か
ら形成される袋状として、内部に、膨張時に車両ドア１
に沿う直方体形状となるように（図６・７参照）、図示
しない所定のテザーが縫着されている。エアバッグ１１
内へガスを流入させる開口部１１ａは、膨張時の形状よ
り小さい横幅の略長方形形状として、エアバッグ１１の
下部の車外側に形成されている（図１・４・６参照）。
そして、折り畳み時には、膨張時の展開形状から、左右
両側１１ｉ・１１ｒを開口部１１ａ側に折り畳み、その
後、上側１１ｕを開口部１１ａ側に折り畳んで収納す
る。そのため、エアバッグ１１の大部分を占める折り畳
み部位１１ｂは、図１・７に示すように、開口部１１ａ
の上部側に配置されることとなる。また、エアバッグ１
１は、開口部１１ａの周縁が、四角枠状のリテーナ１２
で押えれらるとともに、リテーナ１２に固着されて後述
するケース２０におけるバックアッププレート２１の各
挿入孔２１ｂを挿通する複数のボルト１２ａに、ナット
１３を螺合させて、バックアッププレート２１に取り付
けられている。

【００１５】インフレーター１４は、図１・２・４に示
すように、大径部１４ａと小径部１４ｂとを備えた段付
の円柱状のシリンダタイプとし、略水平方向に配置され
る小径部１４ｂの上部側の外周面に、複数のガス吐出口
１４ｃが形成されて構成されている。そして、このイン
フレーター１４は、小径部１４ｂの先端面から突出する
ボルト１４ｄと小径部１４ｂの大径部１４ａ側の外周面
とを利用して、後述するケース２０のカバー２２に保持
されて、軸方向を略水平方向として、エアバッグ１１の
折り畳まれた部位１１ｂの下部側に配置されている。

【００１６】リッド１７は、図１〜３に示すように、ド
アトリム７と同様な合成樹脂から形成されて、ドアトリ
ム７の開口部７ａに略上下方向に配置される略長方形状
として、下部の３箇所をケース２０にリベット１８止め
されて、リッド１７の下部の縁を、エアバッグ１１の膨
張時に開くヒンジ部位１７ａとしている。

【００１７】ケース２０は、図１・２・４に示すよう
に、折り畳まれたエアバッグ１１とインフレーター１４
との背面側、すなわち、車外側、を覆い、それぞれ板金
製のバックアッププレート２１とカバー２２とから構成
されている。

【００１８】バックアッププレート２１は、中央に、イ
ンフレーター１４を背面側から挿入するように、開口部
２１ａを備え、また、周縁に設けられた複数の取付孔２
１ｃを利用して、インナパネル３の補強板４にボルト５
止めされている。開口部２１ａの周縁には、既述のリテ
ーナ１２のボルト１２ａを挿入させる挿入孔２１ｂが設
けられている。なお、２１ｄは、リッド１７をリベット
１８止めするための取付孔である。また、バックアップ
プレート２１がボルト５止めされることにより、エアバ
ッグ装置１０が車両ドア１に装着されることとなる。

【００１９】カバー２２は、車外側へ凹んだ本体２３
と、本体２３の周縁に四角枠状に配置されるフランジ部
２７と、から構成され、フランジ部２７には、リテーナ
１２の各ボルト１２ａを挿入させる挿入孔２７ａが形成
されて、リテーナ１２のボルト１２ａとナット１３とを
利用して、バックアッププレート２１の背面側における
開口部２１ａ周縁に取り付けられている。

【００２０】カバー２２の本体２３は、インフレーター
１４の大径部１４ａと小径部１４ｂとの背面側の半分を
覆うように、略水平方向で対向する側壁２３ｂ・２３ｃ
と、側壁２３ｂ・２３ｃの周縁相互を連結する略半割円
筒状の底壁２３ａと、から構成されている。

【００２１】そして、カバー２２の本体２３が、インフ
レーター１４の大径部１４ａと小径部１４ｂとの背面側
の半分だけを覆うように、突出する構成であることか
ら、ケース２０としては、インフレーター１４の配置部
位周囲における上部側と下部側とに、肉盗みするよう
に、凹部２８・２９が設けられて、極力、容積を狭くし
た薄い構成となる（図１参照）。

【００２２】また、カバー本体２３の底壁２３ａは、上
部側凹部２８部位における内周面を、エアバッグ１１の
折り畳み部位１１ｂ側へ傾斜して向かうガスの案内面２
４としている。

【００２３】なお、カバー２２の底壁２３ａの内周側に
は、図４・５に示すように、インフレーター小径部１４
ｂのボルト１４ｄを挿入させる挿入孔２５ａを備えた取
付板２５と、インフレーター小径部１４ｂの大径部１４
ａ側の外周面を支持する凹部２６ａを設けた支持板２６
と、が形成され、支持板２６の凹部２６ａにインフレー
ター小径部１４ｂの大径部１４ａ側の外周面を収納さ
せ、取付板２５の挿入孔２５ａにインフレーター小径部
１４ｂのボルト１４ｄを挿入させてナット１５止めする
とともに、インフレーター小径部１４ｂの大径部１４ａ
側の外周面に、取付ベルト１６を巻き掛けて、取付ベル
ト１６の両端を底壁２３ａの内周面にボルト（図示せ
ず）止めすることにより、カバー２２がインフレーター
１４を保持している。

【００２４】実施例のエアバッグ装置１０では、以上の
ような構成であり、シリンダタイプのインフレーター１
４が、折り畳まれたエアバッグ１１の下部に配置され
て、折り畳まれたエアバッグ１１とインフレーター１４
との背面側を覆うケース２０が、インフレーター１４の
配置部位周囲における上部側と下部側とに、肉盗みする
ように、凹部２８・２９を設けて、容積を狭くしている
ことから、エアバッグ装置１０を薄くコンパクトにする
ことができる。

【００２５】そして、インフレーター１４における小径
部１４ｂのガス吐出口１４ｃから、ガスが吐出される
と、ケース２０におけるインフレーター１４の配置部位
周囲の上部側凹部２８の内周面が、エアバッグ１１の折
り畳み部位１１ｂ側へ傾斜して向かうガスの案内面２４
としていることから、インフレーター１４のガスＧが、
案内面２４を経て円滑にエアバッグ１１の折り畳み部位
１１ｂに供給されて（図１の２点鎖線参照）、インフレ
ーター１４の出力を大きくしなくとも、素早く、エアバ
ッグ１１を膨張させることとなる。そして、図７に示す
ように、エアバッグ１１に押されてリッド１７がヒンジ
部位１７ａを中心にして開き、その隙間から、エアバッ
グ１１が、車両ドア１に沿うように、素早く、所定形状
に膨張することとなる。

【００２６】さらにまた、ケース２０におけるインフレ
ーター１４の配置部位周囲が、肉盗みするような凹部２
８・２９を設けて、容積を狭くしているため、インフレ
ーター１４のガス吐出時におけるケース２０内の内圧上
昇が、短時間で行なわれて、一層、素早く、エアバッグ
１１を膨張させることができ、既述の発明の作用・効果
の欄で述べたと同様な効果を奏することとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す縦断面図である。

【図２】同実施例のリッドを外した状態の正面図であ
る。

【図３】同実施例が車両ドアに配置された状態を示す正
面側の斜視図である。

【図４】同実施例の横断面図であり、図２のIV−IV部位
を示す。

【図５】同実施例に使用するケースのカバーを示す斜視
図である。

【図６】同実施例のエアバッグが膨張した際の状態を示
す正面図である。

【図７】同実施例のエアバッグが膨張した際の状態を示
す概略縦断面図である。

【符号の説明】

１…車両ドア、 １０…エアバッグ装置、 １１…エアバッグ、 １１ｂ…折り畳み部位、 １４…インフレーター、 １７…リッド、 １７ａ…ヒンジ部位、 ２０…ケース、 ２４…案内面、 ２８…上部側凹部、 ２９…下部側凹部、 Ｇ…ガス。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 折り畳まれて収納されるエアバッグと、
   折り畳まれた前記エアバッグの下部側で軸方向を略水平
   方向として配置されて前記エアバッグへ膨張用のガスを
   供給するシリンダタイプのインフレーターと、を備える
   とともに、 折り畳まれた前記エアバッグの正面側を覆い、下部側を
   開口時のヒンジ部位として略上下方向に配置されるリッ
   ドと、折り畳まれた前記エアバッグ及び前記インフレー
   ターの背面側を覆うケースと、を備えて、 車両ドアの内側に配置されるエアバッグ装置であって、 前記ケースが、前記インフレーターの配置部位周囲にお
   ける上部側と下部側とに凹部を設けて、容積を狭くし、 前記上部側の凹部部位における前記ケース内周面が、前
   記エアバッグの折り畳み部位側へ傾斜して向かう前記ガ
   スの案内面を構成することを特徴とするエアバッグ装
   置。