JPH087253A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

Info

Publication number
JPH087253A
JPH087253A JP14206394A JP14206394A JPH087253A JP H087253 A JPH087253 A JP H087253A JP 14206394 A JP14206394 A JP 14206394A JP 14206394 A JP14206394 A JP 14206394A JP H087253 A JPH087253 A JP H087253A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording medium
magnetic recording
salt
polyvinyl acetal
acetal resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP14206394A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Okamoto
和広 岡本
Taro Omura
太郎 大村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP14206394A priority Critical patent/JPH087253A/ja
Publication of JPH087253A publication Critical patent/JPH087253A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水性磁性塗料の分散性を改善し、磁気特性及
び耐久性に優れた、水性磁性塗料を塗布して作製される
磁気記録媒体を提供する。 【構成】 非磁性支持体上に、磁性粉末、結合剤、及び
分散剤を主体とする磁性層が形成されてなる磁気記録媒
体において、前記結合剤に、水溶性もしくは水分散性ポ
リビニルアセタール樹脂、好ましくは親水性極性基を含
有する水溶性もしくは水分散性ポリビニルアセタール樹
脂を含有させる。さらに、前記分散剤に、亜燐酸エステ
ル又は燐酸エステルのモノアルカリ塩又はジアルカリ塩
を含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非磁性支持体に磁性塗
料を塗布して製造される塗布型磁気記録媒体に関し、特
に水性磁性塗料を用いて製造される磁気記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、塗布型磁気記録媒体は、強磁性粉
末、結合剤、分散剤、潤滑剤、及び研磨剤等を有機溶剤
に混練・分散してなる磁性塗料を、ポリエステルフィル
ム等の非磁性支持体上に塗布することによって製造され
ている。
【0003】しかし、このように分散媒として有機溶剤
を使用することは、地球環境に与える悪影響が懸念され
る。また、有機溶媒の排出規制を遵守するために、溶剤
回収設備を設置する必要が生じて、多額の設備投資が必
要となる。さらに、火災等に対する防災上の問題や、現
場作業員の労働衛生上の問題等も指摘されている。
【0004】このような問題点を解決するために、有機
溶剤に替えて、水を溶媒として用いた水性塗料の検討が
行われている。
【0005】例えば、アクリル酸エステル樹脂及び/又
はメタクリル酸エステル樹脂を結合剤として用いる水性
磁性塗料(特公昭54−39125号公報、特公昭54
−39126号公報、特公昭56−12935号公報、
特公昭56−23213号公報、特公昭56−3760
8号公報、及び特公昭64−426号公報に記載。)、
スチレン系重合体を用いる水性磁性塗料又はエマルジョ
ン(特公昭56−23213号公報、特公昭56−37
608号公報、特公昭57−42888号公報、及び特
公平2−49491号公報に記載。)、ポリエチレン樹
脂を用いる水性磁性塗料(特公昭55−20290号公
報に記載。)、ポリウレタン樹脂を用いる水性磁性塗料
(特公昭58−18397号公報、特公平1−2049
2号公報、及び特公平3−45454号公報に記
載。)、エポキシ樹脂を含む水性磁性塗料(特公昭58
−23646号公報、特公昭62−11409号公報に
記載。)、木材パルプやガラス繊維を骨格に含む水性磁
性塗膜(特公昭58−98号公報に記載。)などが挙げ
られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな水性塗料では、支持体との接着強度や塗膜自体の強
度が不十分であるなど耐久性について課題があり、例え
ば、指脂による塗膜の脱落の問題などが指摘されてい
る。さらには、分散性が劣ることによる記録特性上の問
題等も課題とされている。
【0007】これらの課題に対する対策としては、これ
までにも各種の添加剤の利用や工程上の工夫が試されて
きた。例えば、界面活性剤の利用(特公昭55−338
9号公報、特公昭56−12939号公報、特公昭56
−18035号公報、及び特公平1−39462号公報
に記載。)、金属塩類の添加(特公昭56−23479
号公報、特公昭56−36488号公報に記載。)、塗
布ロールの速度を制御する方法(特公昭56−853号
公報に記載。)、互いに反応性のある2種類の結合剤成
分を分離状態で乳化混合させる方法(特公昭57−51
167号公報に記載。)などが挙げられるものの、いま
だ満足できるレベルに至っているとは言えない。
【0008】その結果、現在のところ水性塗料の応用範
囲は、比較的低密度の記録で十分であり、長期の保存特
性も要求されない使い捨て用途の媒体、例えば磁気切符
のようなものに限定されている。
【0009】そこで本発明は、このような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、水性塗料の分散性を改善
し、磁気特性、耐久性に優れた磁気記録媒体を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】近年、強靱で接着性に富
むとともに他の樹脂との相溶性に優れているなどの特徴
を持つポリビニルアセタール樹脂の磁気記録媒体用途へ
の開発が続けらている。しかし、これまで磁気記録媒体
用途に用いられてきたポリビニルアセタール樹脂は、非
水系あるいはコンソルベントを併用した系のものであ
り、水性磁性塗料への応用は全く行われていなかった。
【0011】そこで、上述の目的を達成するために本発
明者らが、ポリビニルアセタール樹脂の水性磁性塗料へ
の応用について鋭意研究を重ねた結果、水性磁性塗料の
結合剤として水溶性もしくは水分散性ポリビニルアセタ
ール樹脂を用いることにより、更に望ましくは親水性極
性基を含む水溶性もしくは水分散性ポリビニルアセター
ル樹脂を用いることにより、高い分散性が保持された水
性磁性塗料が得られ、この水性磁性塗料を用いて作製し
た磁気記録媒体は、耐久性が良好であり、かつ磁気特
性、電磁変換特性が優れていることを見いだした。
【0012】さらには、水性磁性塗料の分散剤として、
亜燐酸エステル又は燐酸エステルのモノアルカリ塩又は
ジアルカリ塩が効果的であり、これを用いることによ
り、高い分散性が保持された水性磁性塗料が得られ、こ
の水性磁性塗料を用いて作製した磁気記録媒体は、耐久
性が良好であり、かつ磁気特性、電磁変換特性が優れて
いることも見いだした。
【0013】本発明はこのような知見に基づいて完成さ
れたものであって、すなわち本発明の磁気記録媒体は、
非磁性支持体上に、磁性粉末、結合剤、及び分散剤を主
体とする磁性層が形成されてなる磁気記録媒体であっ
て、前記結合剤が、水溶性もしくは水分散性ポリビニル
アセタール樹脂を含有するものである。
【0014】上記磁気記録媒体において、水溶性もしく
は水分散性ポリビニルアセタール樹脂は親水性極性基を
含有することが好ましい。
【0015】また、水溶性もしく水分散性ポリビニルア
セタール樹脂の重合度は200〜2000であることが
好ましく、更には200〜600であることがより好ま
しい。
【0016】なお、水溶性もしく水分散性ポリビニルア
セタール樹脂は、化1に示す構造を持つ。このような水
溶性もしく水分散性ポリビニルアセタール樹脂は、例え
ば、ポリビニルアルコールとアルデヒドを酸触媒の下で
反応させることによって合成される。この場合、ポリビ
ニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルのけん化反応で得ら
れる市販品でよく、アルデヒドとしては、ホルムアルデ
ヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチ
ルアルデヒドが用いられる。
【0017】
【化2】
【0018】化1において、第1のモノマー成分の構成
比kはアセタール化度であり、磁性層に適当な硬さを付
与するために限定され、第2のモノマー成分の構成比l
は、他の樹脂との相溶性、耐久性を得るために限定され
る。第3のモノマー成分の構成比mは、水に対する溶解
性、他の樹脂との相溶性、イソシアネートとの反応性の
点から上記範囲が好ましい。第4のモノマー成分の構成
比pは、顔料粉末の分散性の観点から上記範囲が好まし
い。
【0019】なお、水溶性もしくは水分散性ポリビニル
アセタール樹脂を結合剤として用いる際は、水溶性もし
くは水分散性ポリビニルアセタール樹脂を1種だけ単独
で用いても、水溶性もしくは水分散性ポリビニルアセタ
ール樹脂同士を2種類以上混合して用いても、あるい
は、水溶性もしくは水分散性ポリビニルアセタール樹脂
と他の水溶性もしくは水分散性樹脂と併用することも可
能である。
【0020】さらに、上記磁気記録媒体において、分散
剤は、燐酸エステルのモノアルカリ塩又はジアルカリ塩
を含有するものが好ましい。この場合、燐酸エステルの
モノアルカリ塩又はジアルカリ塩のアルカリ金属種とし
ては、例えば、Li、Na、K、Rb、及びCsから選
ばれる少なくとも一種が挙げられ、これらのなかでもN
aが特に好ましい。また、燐酸エステルのモノアルカリ
塩又はジアルカリ塩のエステル部としては、例えば、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニル、ポリオキシメチレ
ン、ポリオキシエチレン、アルキルフェニル、及び長鎖
アルキルから選ばれる少なくとも一種が挙げられる。
【0021】また、分散剤は、亜燐酸エステルのモノア
ルカリ塩又はジアルカリ塩を含有するものも好ましい。
この場合、亜燐酸エステルのモノアルカリ塩又はジアル
カリ塩のアルカリ金属種としては、例えば、Li、N
a、K、Rb、及びCsから選ばれる少なくとも一種が
挙げられ、これらのなかでもNaが特に好ましい。ま
た、亜燐酸エステルのモノアルカリ塩又はジアルカリ塩
のエステル部としては、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニル、ポリオキシメチレン、ポリオキシエチレン、ア
ルキルフェニル、及び長鎖アルキルから選ばれる少なく
とも一種が挙げられる。
【0022】このように分散剤に燐酸エステル又は亜燐
酸エステルのモノアルカリ塩又はジアルカリ塩を含有さ
せる際は、モノアルカリ塩又はジアルカリ塩を各々単独
で用いても、混合して用いてもよい。なお、混合して用
いる場合、混合比率は任意の比率で選んで構わない。
【0023】また、燐酸エステル又は亜燐酸エステルの
モノアルカリ塩又はジアルカリ塩を合成する際に、微量
のトリアルカリ塩が不可避的に混入するが、その量が極
端に多くない限り問題はない。
【0024】このような分散剤を配合する際の配合量
は、磁性粉100重量部に対して0.1〜10重量部と
するのが好ましく、更には磁性粉100重量部に対して
0.5〜5重量部とするのがより好ましい。このような
配合量が好ましいのは、分散剤の配合量が少なすぎると
分散性を改善するのに不十分であり、多すぎると磁性層
の力学的強度が低下して磁気記録媒体の走行耐久性が低
下するからである。
【0025】なお、本発明の磁気記録媒体において、磁
性塗膜を構成する要素のうち、本発明で規定するもの以
外は、通常この種の磁気記録媒体において用いられるも
のであれば、何れも使用可能である。
【0026】例えば、磁性粉末としては、Fe、Co、
及びNi等の金属、Fe−Co、Fe−Ni、Fe−A
l、Fe−Ni−Al、Fe−Al−P、Fe−Ni−
Si−Al、Fe−Ni−Si−Al−Mn、Fe−N
i−Zn、Fe−Mn−Zn、Co−Ni、Co−P、
Fe−Co−Ni、Fe−Co−Ni−P、Fe−Co
−Ni−Cr、Fe−Co−B、Fe−Co−Cr−
B、Mn−Bi、Mn−Al、及びFe−Co−V等の
合金、窒化鉄、及び炭化鉄などが挙げられる。
【0027】もちろん、還元時の焼結防止又は形状維持
等を目的として添加される、Al、Si、P、及びB等
の軽金属元素が適当量含有したとしても、本発明の効果
を妨げるものではない。なお、このような添加物として
は更に、γ−Fe23、Fe 34、γ−Fe23とFe
34とのベルトライド化合物、コバルト被着γ−Fe 2
3、コバルト被着Fe34、及びコバルトを含有する
γ−Fe23とFe34とのベルトライド化合物等の強
磁性酸化鉄系粒子や、CrO2 にTe、Sb、Fe、及
びBi等から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含有
させた酸化物粒子や、六角板状の六方晶フェライト微粒
子等が例示される。なお、金属粉末や還元性の酸化鉄粉
を用いる場合は、十分に脱気した水を使うことが望まし
い。
【0028】また、本発明に用いる磁性粉の比表面積
は、20〜90m2 /gが好ましく、更には25〜60
2 /gであることがより好ましい。比表面積がこのよ
うな範囲内にあると、磁性粉の微粒子化に伴い、高密度
記録が可能となり、ノイズ特性の優れた磁気記録媒体を
得ることができる。さらに、本発明で用いる磁性粉は、
長軸長が0.05〜0.50μm、針状比が4〜20で
あることが好ましい。なぜなら、長軸長が0.50μm
未満であると磁性塗料中の分散が困難になるため好まし
くなく、長軸長が0.50μmを越えるとノイズ特性が
劣化するおそれがあるため好ましくない。また、針状比
が4未満であると磁性粉の配向性が低下して出力の低下
を招くため好ましくなく、針状比が20を越えると短波
長信号出力が低下するおそれがあるため好ましくない。
【0029】本発明で用いられる結合剤としては、水溶
性もしくは水分散性ポリビニルアセタール樹脂を含有す
るものであればよく、これ以外の要素には、水溶性樹
脂、水分散性樹脂、及び水性エマルジョン等の公知の材
料がいずれも使用可能である。例えば、ポリウレタン樹
脂、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ポリ
エチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、ポリビニルアルコール、スチレンブタジエン共重合
体、セルロース誘導体、及び合成ゴム等が挙げられる。
【0030】このような結合剤は、極性官能基を含有す
ることが好ましい。極性官能基としては、−SO3M、
−OSO3M、−COOM、−(O=)P(OM1)(O
2)などがある。ここで、式中M、M1、M2は、H、
Li、K、Na等のアルカリ金属であり、M1とM2は同
一であっても、異なっていてもよい。さらには、極性官
能基として、−NR1NR2、−NR1NR2NR3+-
末端基を有する側鎖型のもの、>NR1NR2+-の主鎖
型のものも挙げられる。ここで、式中R1、R2、及びR
3は、水素原子あるいは炭化水素基であり、X-は、F、
Cl、Br、及びI等のハロゲン元素イオンあるいは無
機・有機イオンである。
【0031】このような極性官能基を有する結合剤は、
磁性粉表面への吸着性がよく、磁性粉の凝集防止効果が
あり、塗料の分散性が改善される。そして、磁性層の耐
久性も向上し電磁変換特性も向上する。これらの結合剤
は、1種単独で用いることができるが、2種以上を併用
することもできる。磁性層におけるこれらの結合剤は、
磁性粉100重量部に対して、5〜200重量部とする
のが好ましく、更には10〜50重量部とするのがより
好ましい。なぜなら、結合剤の使用量が多すぎると相対
的に磁性粉の磁性層に占める割合が減少して出力低下の
原因となり、少なすぎると磁性層の機械的強度が低下し
て磁気記録媒体の走行耐久性が低下するからである。
【0032】また、上記磁性塗膜には、磁性粉末、結合
剤、分散剤の他に必要に応じて、潤滑剤、非磁性補強粒
子、導電性粒子、界面活性剤等が添加されていてもよ
い。上記潤滑剤としては、黒鉛、二硫化モリブデン、シ
リコーンオイル、炭素数10から22までの脂肪酸、な
らびに、これと炭素数2から26までのアルコールから
なる脂肪酸エステル、テルペン系化合物、ならびにこれ
らのオリゴマーなどがある。上記非磁性補強粒子として
は、酸化アルミニウム、酸化クロム、炭化珪素、ダイヤ
モンド、ガーネット、エメリー、窒化ホウ素などがあ
る。この非磁性補強粒子は、磁性粉100重量部に対し
て、20重量部以下、好ましくは10重量部以下がよ
い。上記導電性粒子としては、カーボンブラック、黒
鉛、その他金属粒子などがある。上記界面活性剤として
は、ポリアルキレンオキシド系を中心とするノニオン系
界面活性剤、あるいはアニオン系、カチオン系、両性の
界面活性剤がある。
【0033】さらに、上記磁性塗膜を形成する非磁性支
持体も、従来より有機溶剤塗料用として公知のものがい
ずれも使用可能であり、なんら限定されるものではな
い。例示するならば、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル
類、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、セルロー
ストリアセテートやセルロースジアセテートなどのセル
ロース類、ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミ
ド類、ポリカーボネート等に代表される高分子支持体、
アルミニウム合金やチタン合金等からなる金属板、及び
ガラス基盤等である。また、その形状もなんら限定され
るものではなく、テープ状、ディスク状、及びドラム状
等いかなる形態であってもよい。さらに、この非磁性支
持体には、表面性をコントロールするために、微細な凹
凸が形成されるような表面処理が施されてもよい。
【0034】また、さらに上記磁気記録媒体には、走行
性の向上や帯電防止及び転写防止などを目的として、バ
ックコート層を設けても良いし、防錆剤等よりなるトッ
プコート層や、いわゆる下塗り層としての中間層を必要
に応じて設けても良い。
【0035】そして、上記水性磁性塗料作製のための分
散・混練には、ロールミル、ボールミル、サンドミル、
アジター、ニーダー、エクストルーダー、ホモジナイザ
ー、超音波分散機などが用いられる。さらに、このよう
に形成された塗料を非磁性支持体上に塗布するには、グ
ラビアコーター、ナイフコーター、ワイヤーバーコータ
ー、ドクターブレードコーター、リバースロールコータ
ー、ディッピングコーター、エアナイフコーター、ダイ
コーターなどが用いられる。
【0036】
【作用】水性磁気塗料の結合剤に水溶性もしくは水分散
性ポリビニルアセタール樹脂を用いることにより、分散
性に優れ高い走行耐久性を有する磁気記録媒体が得られ
る。特に、親水性極性基を導入した水溶性もしくは水分
散性ポリビニルアセタール樹脂を用いた場合は、更に分
散性に優れ高い走行耐久性を有する磁気記録媒体が得ら
れる。
【0037】そして、水性磁性塗料の分散剤に、亜燐酸
エステル又は燐酸エステルのモノアルカリ塩又はジアル
カリ塩を用いることにより、更に分散性に優れ高い走行
耐久性を有する磁気記録媒体が得られる。
【0038】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
するが、本発明はこの実施例に限定されるものではな
い。
【0039】実施例1 重合度200、アセタール化度9モル%、極性基を含ま
ないポリビニルアセタール樹脂を用い、以下の組成によ
り塗料を調整した。
【0040】 Co変成酸化鉄粉末(保磁力51.8kA/m、比表面積33m2/g、 平均長軸長0.35μm、針状比10) 100重量部 水溶性ポリビニルアセタール樹脂 20重量部 アルミナ(平均粒径 0.3μm) 5重量部 カーボン(平均粒径 0.15μm) 5重量部 ステアリン酸 1重量部 オクタノール 0.2重量部 蒸留水 300重量部 硬化剤(日本ポリウレタン社製、商品名:コロネート−L) 4重量部
【0041】このように調整した塗料を、ポリエチレン
テレフタレートフィルム(PETフィルム)に乾燥後の
厚さが4μmになるように塗布し、磁場配向を行った
後、乾燥させて巻き取り、テープ状の磁気記録媒体を作
製した。なお、以下の各実施例及び各比較例においても
同様に塗料をPETフィルムに塗布して磁気記録媒体を
作製した。
【0042】このようにして作製した磁気記録媒体につ
いて磁気特性、表面光沢度(Gloss)、及び塗膜強
度の評価を行った。磁気特性は試料振動型磁力計(東英
工業製)を用いて、飽和磁束密度(Bm)、残留磁束密
度(Br)、角型比(Rs=Br/Bm)、保持力(H
c)を測定した。また、表面光沢度(グロス)は、グロ
スメーター(日本電色工業製)を用いて、光線の入射角
は45度として測定した。なお、表面光沢度は、標準表
面を持つ規準板の光沢を100%として相対値で表示し
た(JISZー8741に準ずる)。そして、塗膜強度
は、引っ掻き試験器(新東科学製)を用いて、20gの
荷重を加えた鋼球を塗膜上50往復させた後の塗膜の傷
付き状態を目視で判定した。塗膜のの傷つき状態の判定
は、全く傷付かない(◎)、少し傷が付く(○)、明ら
かな傷が付く(△)、著しい傷が付くあるいは塗膜が剥
離する(×)の4段階で評価した。なお、これらの評価
は、以下の各実施例及び各比較例についても同様に行っ
た。
【0043】評価結果を表1に示す。本実施例では、比
較的良好な分散性が得られるものの、塗膜耐久性が△レ
ベルでありやや劣ることがわかる。
【0044】実施例2 重合度300、アセタール化度9モル%、極性基を含ま
ないポリビニルアセタール樹脂を用い、実施例1と同様
の組成により塗料を調整して、磁気記録媒体を作製し
た。評価結果を表1に示す。本実施例では、重合度を増
すことによって、塗膜耐久性の改良が認められた。
【0045】実施例3 重合度600、アセタール化度9モル%、極性基を含ま
ないポリビニルアセタール樹脂を用い、実施例1と同様
の組成により塗料を調整して、磁気記録媒体を作製し
た。評価結果を表1に示す。本実施例では、重合度を増
すことによって、塗膜耐久性の改良が認められるが、角
型比は実施例2よりも若干低くなる。
【0046】実施例4 重合度2000、アセタール化度9モル%、極性基を含
まないポリビニルアセタール樹脂を用い、実施例1と同
様の組成により塗料を調整して、磁気記録媒体を作製し
た。評価結果を表1に示す。本実施例では、重合度を上
げすぎたため、分散性が低下した。
【0047】実施例5 重合度300、アセタール化度5モル%、極性基を含ま
ないポリビニルアセタール樹脂を用い、実施例1と同様
の組成により塗料を調整して、磁気記録媒体を作製し
た。評価結果を表1に示す。本実施例では、アセタール
化度を下げたため、分散性、塗膜耐久性ともに低下し
た。
【0048】実施例6 重合度300、アセタール化度15モル%、極性基を含
まないポリビニルアセタール樹脂を用い、実施例1と同
様の組成により塗料を調整して、磁気記録媒体を作製し
た。評価結果を表1に示す。本実施例では、アセタール
化度を上げたため、塗膜耐久性は向上したが、分散性は
低下した。
【0049】実施例7 重合度200、アセタール化度9モル%、極性基として
スルホン酸ナトリウム塩1モル%を含むポリビニルアセ
タール樹脂を用い、実施例1と同様の組成により塗料を
調整して、磁気記録媒体を作製した。評価結果を表1に
示す。本実施例では、実施例1と比べると、極性基を導
入することによって、分散性、塗膜耐久性ともに向上し
ている。
【0050】実施例8 重合度300、アセタール化度9モル%、極性基として
スルホン酸ナトリウム塩1モル%を含むポリビニルアセ
タール樹脂を用い、実施例1と同様の組成により塗料を
調整して、磁気記録媒体を作製した。評価結果を表1に
示す。本実施例では、分散性、塗膜耐久性ともに良好な
特性が得られた。
【0051】実施例9 重合度600、アセタール化度9モル%、極性基として
スルホン酸ナトリウム塩1モル%を含むポリビニルアセ
タール樹脂を用い、実施例1と同様の組成により塗料を
調整して、磁気記録媒体を作製した。評価結果を表1に
示す。
【0052】実施例10 重合度2000、アセタール化度9モル%、極性基とし
てスルホン酸ナトリウム塩1モル%を含むポリビニルア
セタール樹脂を用い、実施例1と同様の組成により塗料
を調整して、磁気記録媒体を作製した。評価結果を表1
に示す。本実施例では、重合度を上げすぎたため、分散
性が低下した。
【0053】実施例11 重合度300、アセタール化度5モル%、極性基として
スルホン酸ナトリウム塩1モル%を含むポリビニルアセ
タール樹脂を用い、実施例1と同様の組成により塗料を
調整して、磁気記録媒体を作製した。評価結果を表1に
示す。本実施例では、アセタール化度を下げたため、分
散性、塗膜耐久性ともに低下した。
【0054】実施例12 重合度300、アセタール化度15モル%、極性基とし
てスルホン酸ナトリウム塩1モル%を含むポリビニルア
セタール樹脂を用い、実施例1と同様の組成により塗料
を調整して、磁気記録媒体を作製した。評価結果を表1
に示す。本実施例では、アセタール化度を上げたため、
塗膜耐久性は向上したが、分散性は低下した。
【0055】実施例13 重合度200、アセタール化度9モル%、極性基として
カルボン酸1モル%を含むポリビニルアセタール樹脂を
用い、実施例1と同様の組成により塗料を調整して、磁
気記録媒体を作製した。評価結果を表1に示す。本実施
例では、実施例1と比べると、極性基を導入することに
よって、分散性、塗膜耐久性ともに向上している。
【0056】実施例14 重合度300、アセタール化度9モル%、極性基として
カルボン酸1モル%を含むポリビニルアセタール樹脂を
用い、実施例1と同様の組成により塗料を調整して、磁
気記録媒体を作製した。評価結果を表1に示す。本実施
例では、分散性、塗膜耐久性ともに良好な特性が得られ
た。
【0057】実施例15 重合度600、アセタール化度9モル%、極性基として
カルボン酸1モル%を含むポリビニルアセタール樹脂を
用い、実施例1と同様の組成により塗料を調整して、磁
気記録媒体を作製した。評価結果を表1に示す。
【0058】実施例16 重合度2000、アセタール化度9モル%、極性基とし
てカルボン酸1モル%を含むポリビニルアセタール樹脂
を用い、実施例1と同様の組成により塗料を調整して、
磁気記録媒体を作製した。評価結果を表1に示す。本実
施例では、重合度を上げすぎたため分散性が低下した。
【0059】実施例17 重合度300、アセタール化度5モル%、極性基として
カルボン酸1モル%を含むポリビニルアセタール樹脂を
用い、実施例1と同様の組成により塗料を調整して、磁
気記録媒体を作製した。評価結果を表1に示す。本実施
例では、アセタール化度を下げたため、分散性、塗膜耐
久性ともに低下した。
【0060】実施例18 重合度300、アセタール化度15モル%、極性基とし
てカルボン酸1モル%を含むポリビニルアセタール樹脂
を用い、実施例1と同様の組成により塗料を調整して、
磁気記録媒体を作製した。評価結果を表1に示す。本実
施例では、アセタール化度を上げたため、塗膜耐久性は
向上しているが、分散性は低下した。
【0061】実施例19 重合度200、アセタール化度9モル%、極性基として
第3級アミン1モル%を含むポリビニルアセタール樹脂
を用い、実施例1と同様の組成により塗料を調整して、
磁気記録媒体を作製した。評価結果を表1に示す。本実
施例では、実施例1と比べると、極性基を導入すること
によって、分散性、塗膜耐久性ともに向上している。
【0062】実施例20 重合度300、アセタール化度9モル%、極性基として
第3級アミン1モル%を含むポリビニルアセタール樹脂
を用い、実施例1と同様の組成により塗料を調整して、
磁気記録媒体を作製した。評価結果を表1に示す。本実
施例では、分散性、塗膜耐久性ともに良好な特性が得ら
れた。
【0063】実施例21 重合度600、アセタール化度9モル%、極性基として
第3級アミン1モル%を含むポリビニルアセタール樹脂
を用い、実施例1と同様の組成により塗料を調整して、
磁気記録媒体を作製した。評価結果を表1に示す。
【0064】実施例22 重合度2000、アセタール化度9モル%、極性基とし
て第3級アミン1モル%を含むポリビニルアセタール樹
脂を用い、実施例1と同様の組成により塗料を調整し
て、磁気記録媒体を作製した。評価結果を表1に示す。
本実施例では、重合度を上げすぎたため分散性が低下し
た。
【0065】実施例23 重合度300、アセタール化度5モル%、極性基として
第3級アミン1モル%を含むポリビニルアセタール樹脂
を用い、実施例1と同様の組成により塗料を調整して、
磁気記録媒体を作製した。評価結果を表1に示す。本実
施例では、アセタール化度を下げたため、分散性、塗膜
耐久性ともに低下した。
【0066】実施例24 重合度300、アセタール化度15モル%、極性基とし
て第3級アミン1モル%を含むポリビニルアセタール樹
脂を用い、実施例1と同様の組成により塗料を調整し
て、磁気記録媒体を作製した。評価結果を表1に示す。
本実施例では、アセタール化度を上げたため、塗膜耐久
性は向上したが、分散性は低下した。
【0067】
【表1】
【0068】実施例25〜30 実施例1の塗料組成において、Co変成酸化鉄粉末に替
えて、鉄系金属磁性粉末(保磁力118.5kA/m、
比表面積53m2 /g、平均長軸長0.3μm、針状比
12)を用いた以外は、実施例1〜6と同様に、極性基
を含まないポリビニルアセタール樹脂を使用して塗料を
調整して、磁気記録媒体を作製した。評価結果を表2に
示す。
【0069】実施例31〜36 実施例1の塗料組成において、Co変成酸化鉄粉末に替
えて、鉄系金属磁性粉末(保磁力118.5kA/m、
比表面積53m2 /g、平均長軸長0.3μm、針状比
12)を用いた以外は、実施例7〜12と同様に、極性
基としてスルホン酸ナトリウム塩を含むポリビニルアセ
タール樹脂を使用して塗料を調整して、磁気記録媒体を
作製した。評価結果を表2に示す。
【0070】実施例37〜42 実施例1の塗料組成において、Co変成酸化鉄粉末に替
えて、鉄系金属磁性粉末(保磁力118.5kA/m、
比表面積53m2 /g、平均長軸長0.3μm、針状比
12)を用いた以外は、実施例13〜18と同様に、極
性基としてカルボン酸を含むポリビニルアセタール樹脂
を使用して塗料を調整して、磁気記録媒体を作製した。
評価結果を表2に示す。
【0071】実施例43〜48 実施例1の塗料組成において、Co変成酸化鉄粉末に替
えて、鉄系金属磁性粉末(保磁力118.5kA/m、
比表面積53m2 /g、平均長軸長0.3μm、針状比
12)を用いた以外は、実施例19〜24と同様に、極
性基として第3級アミンを含むポリビニルアセタール樹
脂を使用して塗料を調整して、磁気記録媒体を作製し
た。評価結果を表2に示す。
【0072】
【表2】
【0073】比較例1 重合度300、アセタール化度20モル%、極性基を含
まないポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と
同様の組成により塗料を調整しようとしたところ、水に
完全に溶解せず、塗料の作製ができなかった。
【0074】比較例2 実施例1の塗料組成において、水溶性ポリビニルアセタ
ール樹脂に替えて、重合度300を有する塩化ビニル酢
酸ビニル樹脂(ユニオンカーバイド社製、商品名:VA
GH)を用い、さらに、蒸留水300重量部に替えて、
メチルエチルケトン100重量部、トルエン100重量
部、シクロヘキサノン100重量部を用いて塗料を調整
して、磁気記録媒体を作製した。評価結果を表3に示
す。
【0075】比較例3 比較例2において、Co変成酸化鉄粉末に替えて、鉄系
金属磁性粉末を用いる以外は、比較例2と同様に塗料を
調整して、磁気記録媒体を作製した。評価結果を表3に
示す。
【0076】
【表3】
【0077】実施例49〜51 実施例2において、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ル燐酸エステルモノナトリウム塩を表4に示す所定量添
加する以外は、実施例2と同様に、極性基を含まないポ
リビニルアセタール樹脂を使用して塗料を調整して、磁
気記録媒体を作製した。評価結果を表4に示す。
【0078】実施例52〜54 実施例2において、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ル燐酸エステルジナトリウム塩を表4に示す所定量添加
する以外は、実施例2と同様に、極性基を含まないポリ
ビニルアセタール樹脂を使用して塗料を調整して、磁気
記録媒体を作製した。評価結果を表4に示す。
【0079】実施例55〜57 実施例2において、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ル燐酸エステルジカリウム塩を表4に示す所定量添加す
る以外は、実施例2と同様に、極性基を含まないポリビ
ニルアセタール樹脂を使用して塗料を調整して、磁気記
録媒体を作製した。評価結果を表4に示す。
【0080】実施例58〜60 実施例2において、ポリオキシメチレン燐酸エステルジ
ナトリウム塩を表4に示す所定量添加する以外は、実施
例2と同様に、極性基を含まないポリビニルアセタール
樹脂を使用して塗料を調整して、磁気記録媒体を作製し
た。評価結果を表4に示す。
【0081】実施例49〜60の評価結果から、燐酸エ
ステルのモノアルカリ塩又はジアルカリ塩を0.1重量
部添加した段階で既に、効果が小さいものの分散性の向
上が認められる。そして、添加量を増してゆくと分散性
は更に向上している。しかし、添加量を10重量部とし
た場合は、塗膜耐久性に悪影響を及ぼし始めている。
【0082】比較例4 実施例2において、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ル燐酸エステルジカルシウム塩を3重量部添加する以外
は、実施例2と同様に、極性基を含まないポリビニルア
セタール樹脂を使用して塗料を調整して、磁気記録媒体
を作製した。評価結果を表4に示す。本比較例では、分
散性、塗膜耐久性ともに改良効果は認められなかった。
【0083】比較例5 実施例2において、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ル燐酸エステルジバリウム塩を3重量部添加する以外
は、実施例2と同様に、極性基を含まないポリビニルア
セタール樹脂を使用して塗料を調整して、磁気記録媒体
を作製した。評価結果を表4に示す。本比較例では、分
散性、塗膜耐久性ともに改良効果は認められなかった。
【0084】比較例6 実施例2において、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ル燐酸エステルジアルミニウム塩を3重量部添加する以
外は、実施例2と同様に、極性基を含まないポリビニル
アセタール樹脂を使用して塗料を調整して、磁気記録媒
体を作製した。評価結果を表4に示す。本比較例では、
分散性、塗膜耐久性ともに改良効果は認められなかっ
た。
【0085】
【表4】
【0086】実施例61〜63 実施例8において、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ル燐酸エステルモノナトリウム塩を表5に示す所定量添
加する以外は、実施例8と同様に、極性基としてスルホ
ン酸ナトリウム塩を含むポリビニルアセタール樹脂を使
用して塗料を調整して、磁気記録媒体を作製した。評価
結果を表5に示す。
【0087】実施例64〜66 実施例8において、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ル燐酸エステルジナトリウム塩を表5に示す所定量添加
する以外は、実施例8と同様に、極性基としてスルホン
酸ナトリウム塩を含むポリビニルアセタール樹脂を使用
して塗料を調整して、磁気記録媒体を作製した。評価結
果を表5に示す。
【0088】実施例67〜69 実施例8において、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ル燐酸エステルジカリウム塩を表5に示す所定量添加す
る以外は、実施例8と同様に、極性基としてスルホン酸
ナトリウム塩を含むポリビニルアセタール樹脂を使用し
て塗料を調整して、磁気記録媒体を作製した。評価結果
を表5に示す。
【0089】実施例70〜72 実施例8において、ポリオキシメチレン燐酸エステルジ
ナトリウム塩を表5に示す所定量添加する以外は、実施
例8と同様に、極性基としてスルホン酸ナトリウム塩を
含むポリビニルアセタール樹脂を使用して塗料を調整し
て、磁気記録媒体を作製した。評価結果を表5に示す。
【0090】実施例61〜72の評価結果から、燐酸エ
ステルのモノアルカリ塩又はジアルカリ塩を0.1重量
部添加した段階で既に、効果が小さいものの分散性の向
上が認められる。そして、添加量を増してゆくと分散性
は更に向上している。しかし、添加量を10重量部とし
た場合は、塗膜耐久性に悪影響を及ぼし始めている。
【0091】比較例7 実施例8において、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ル燐酸エステルジカルシウム塩を3重量部添加する以外
は、実施例8と同様に、極性基としてスルホン酸ナトリ
ウム塩を含むポリビニルアセタール樹脂を使用して塗料
を調整して、磁気記録媒体を作製した。評価結果を表5
に示す。本比較例では、分散性、塗膜耐久性ともに改良
効果は認められなかった。
【0092】比較例8 実施例8において、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ル燐酸エステルジバリウム塩を3重量部添加する以外
は、実施例8と同様に、極性基としてスルホン酸ナトリ
ウム塩を含むポリビニルアセタール樹脂を使用して塗料
を調整して、磁気記録媒体を作製した。評価結果を表5
に示す。本比較例では、分散性、塗膜耐久性ともに改良
効果は認められなかった。
【0093】比較例9 実施例8において、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ル燐酸エステルジアルミニウム塩を3重量部添加する以
外は、実施例8と同様に、極性基としてスルホン酸ナト
リウム塩を含むポリビニルアセタール樹脂を使用して塗
料を調整して、磁気記録媒体を作製した。評価結果を表
5に示す。本比較例では、分散性、塗膜耐久性ともに改
良効果は認められなかった。
【0094】
【表5】
【0095】実施例73 実施例26において、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニル燐酸エステルモノナトリウム塩を3重量部添加する
以外は、実施例26と同様に、極性基を含まないポリビ
ニルアセタール樹脂を使用して塗料を調整して、磁気記
録媒体を作製した。評価結果を表6に示す。
【0096】実施例74 実施例26において、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニル燐酸エステルジナトリウム塩を3重量部添加する以
外は、実施例26と同様に、極性基を含まないポリビニ
ルアセタール樹脂を使用して塗料を調整して、磁気記録
媒体を作製した。評価結果を表6に示す。
【0097】実施例75 実施例26において、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニル燐酸エステルジカリウム塩を3重量部添加する以外
は、実施例26と同様に、極性基を含まないポリビニル
アセタール樹脂を使用して塗料を調整して、磁気記録媒
体を作製した。評価結果を表6に示す。
【0098】実施例76 実施例26において、ポリオキシメチレン燐酸エステル
ジナトリウム塩を3重量部添加する以外は、実施例26
と同様に、極性基を含まないポリビニルアセタール樹脂
を使用して塗料を調整して、磁気記録媒体を作製した。
評価結果を表6に示す。
【0099】実施例73〜76の評価結果から、燐酸エ
ステルのモノアルカリ塩又はジアルカリ塩を添加するこ
とによって、分散性及び塗膜耐久性の改良されることが
わかる。
【0100】比較例10 実施例26において、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニル燐酸エステルジカルシウム塩を3重量部添加する以
外は、実施例26と同様に、極性基を含まないポリビニ
ルアセタール樹脂を使用して塗料を調整して、磁気記録
媒体を作製した。評価結果を表6に示す。本比較例で
は、分散性、塗膜耐久性ともに改良効果は見られなかっ
た。
【0101】比較例11 実施例26において、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニル燐酸エステルジバリウム塩を3重量部添加する以外
は、実施例26と同様に、極性基を含まないポリビニル
アセタール樹脂を使用して塗料を調整して、磁気記録媒
体を作製した。評価結果を表6に示す。本比較例では、
分散性、塗膜耐久性ともに改良効果は見られなかった。
【0102】比較例12 実施例26において、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニル燐酸エステルジアルミニウム塩を3重量部添加する
以外は、実施例26と同様に、極性基を含まないポリビ
ニルアセタール樹脂を使用して塗料を調整して、磁気記
録媒体を作製した。評価結果を表6に示す。本比較例で
は、分散性、塗膜耐久性ともに改良効果は見られなかっ
た。
【0103】
【表6】
【0104】実施例77 実施例32において、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニル燐酸エステルモノナトリウム塩を3重量部添加する
以外は、実施例32と同様に、極性基としてスルホン酸
ナトリウム塩を含むポリビニルアセタール樹脂を使用し
て塗料を調整して、磁気記録媒体を作製した。評価結果
を表7に示す。
【0105】実施例78 実施例32において、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニル燐酸エステルジナトリウム塩を3重量部添加する以
外は、実施例32と同様に、極性基としてスルホン酸ナ
トリウム塩を含むポリビニルアセタール樹脂を使用して
塗料を調整して、磁気記録媒体を作製した。評価結果を
表7に示す。
【0106】実施例79 実施例32において、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニル燐酸エステルジカリウム塩を3重量部添加する以外
は、実施例32と同様に、極性基としてスルホン酸ナト
リウム塩を含むポリビニルアセタール樹脂を使用して塗
料を調整して、磁気記録媒体を作製した。評価結果を表
7に示す。
【0107】実施例80 実施例32において、ポリオキシメチレン燐酸エステル
ジナトリウム塩を3重量部添加する以外は、実施例32
と同様に、極性基としてスルホン酸ナトリウム塩を含む
ポリビニルアセタール樹脂を使用して塗料を調整して、
磁気記録媒体を作製した。評価結果を表7に示す。
【0108】実施例77〜80の評価結果から、極性基
としてスルホン酸ナトリウム塩を含むポリビニルアセタ
ール樹脂を使用する場合においても、燐酸エステルのモ
ノアルカリ塩又はジアルカリ塩を添加することによっ
て、分散性及び塗膜耐久性が改善されることがわかる。
【0109】比較例13 実施例32において、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニル燐酸エステルジカルシウム塩を3重量部添加する以
外は、実施例32と同様に、極性基としてスルホン酸ナ
トリウム塩を含むポリビニルアセタール樹脂を使用して
塗料を調整して、磁気記録媒体を作製した。評価結果を
表7に示す。本比較例では、分散性、塗膜耐久性ともに
改良効果は見られなかった。
【0110】比較例14 実施例32において、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニル燐酸エステルジバリウム塩を3重量部添加する以外
は、実施例32と同様に、極性基としてスルホン酸ナト
リウム塩を含むポリビニルアセタール樹脂を使用して塗
料を調整して、磁気記録媒体を作製した。評価結果を表
7に示す。本比較例では、分散性、塗膜耐久性ともに改
良効果は見られなかった。
【0111】比較例15 実施例32において、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニル燐酸エステルジアルミニウム塩を3重量部添加する
以外は、実施例32と同様に、極性基としてスルホン酸
ナトリウム塩を含むポリビニルアセタール樹脂を使用し
て塗料を調整して、磁気記録媒体を作製した。評価結果
を表7に示す。本比較例では、分散性、塗膜耐久性とも
に改良効果は見られなかった。
【0112】
【表7】
【0113】実施例81〜83 実施例2において、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ル亜燐酸エステルモノナトリウム塩を表8に示す所定量
添加する以外は、実施例2と同様に、極性基を含まない
ポリビニルアセタール樹脂を使用して塗料を調整して、
磁気記録媒体を作製した。評価結果を表8に示す。
【0114】実施例84〜86 実施例2において、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ル亜燐酸エステルジナトリウム塩を表8に示す所定量添
加する以外は、実施例2と同様に、極性基を含まないポ
リビニルアセタール樹脂を使用して塗料を調整して、磁
気記録媒体を作製した。評価結果を表8に示す。
【0115】実施例87〜89 実施例2において、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ル亜燐酸エステルジカリウム塩を表8に示す所定量添加
する以外は、実施例2と同様に、極性基を含まないポリ
ビニルアセタール樹脂を使用して塗料を調整して、磁気
記録媒体を作製した。評価結果を表8に示す。
【0116】実施例90〜92 実施例2において、ポリオキシメチレン亜燐酸エステル
ジナトリウム塩を表8に示す所定量添加する以外は、実
施例2と同様に、極性基を含まないポリビニルアセター
ル樹脂を使用して塗料を調整して、磁気記録媒体を作製
した。評価結果を表8に示す。
【0117】実施例81〜92の評価結果から、亜燐酸
エステルのモノアルカリ塩又はジアルカリ塩を0.1重
量部添加した段階で既に、効果が小さいものの分散性の
向上が認められる。そして、添加量を増してゆくと分散
性は更に向上している。しかし、添加量を10重量部と
した場合は、塗膜耐久性に悪影響を及ぼし始めている。
【0118】比較例16 実施例2において、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ル亜燐酸エステルジカルシウム塩を3重量部添加する以
外は、実施例2と同様に、極性基を含まないポリビニル
アセタール樹脂を使用して塗料を調整して、磁気記録媒
体を作製した。評価結果を表8に示す。本比較例では、
分散性、塗膜耐久性ともに改良効果は認められなかっ
た。
【0119】比較例17 実施例2において、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ル亜燐酸エステルジバリウム塩を3重量部添加する以外
は、実施例2と同様に、極性基を含まないポリビニルア
セタール樹脂を使用して塗料を調整して、磁気記録媒体
を作製した。評価結果を表8に示す。本比較例では、分
散性、塗膜耐久性ともに改良効果は認められなかった。
【0120】比較例18 実施例2において、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ル亜燐酸エステルジアルミニウム塩を3重量部添加する
以外は、実施例2と同様に、極性基を含まないポリビニ
ルアセタール樹脂を使用して塗料を調整して、磁気記録
媒体を作製した。評価結果を表8に示す。本比較例で
は、分散性、塗膜耐久性ともに改良効果は認められなか
った。
【0121】
【表8】
【0122】実施例93〜95 実施例8において、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ル亜燐酸エステルモノナトリウム塩を表9に示す所定量
添加する以外は、実施例8と同様に、極性基としてスル
ホン酸ナトリウム塩を含むポリビニルアセタール樹脂を
使用して塗料を調整して、磁気記録媒体を作製した。評
価結果を表9に示す。
【0123】実施例96〜98 実施例8において、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ル亜燐酸エステルジナトリウム塩を表9に示す所定量添
加する以外は、実施例8と同様に、極性基としてスルホ
ン酸ナトリウム塩を含むポリビニルアセタール樹脂を使
用して塗料を調整して、磁気記録媒体を作製した。評価
結果を表9に示す。
【0124】実施例99〜101 実施例8において、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ル亜燐酸エステルジカリウム塩を表9に示す所定量添加
する以外は、実施例8と同様に、極性基としてスルホン
酸ナトリウム塩を含むポリビニルアセタール樹脂を使用
して塗料を調整して、磁気記録媒体を作製した。評価結
果を表9に示す。
【0125】実施例102〜104 実施例8において、ポリオキシメチレン亜燐酸エステル
ジナトリウム塩を表9に示す所定量添加する以外は、実
施例8と同様に、極性基としてスルホン酸ナトリウム塩
を含むポリビニルアセタール樹脂を使用して塗料を調整
して、磁気記録媒体を作製した。評価結果を表9に示
す。
【0126】実施例93〜104の評価結果から、亜燐
酸エステルのモノアルカリ塩又はジアルカリ塩を0.1
重量部添加した段階で既に、効果が小さいものの分散性
の向上が認められる。そして、添加量を増してゆくと分
散性は更に向上している。しかし、添加量を10重量部
とした場合は、塗膜耐久性に悪影響を及ぼし始めてい
る。
【0127】比較例19 実施例8において、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ル亜燐酸エステルジカルシウム塩を3重量部添加する以
外は、実施例8と同様に、極性基としてスルホン酸ナト
リウム塩を含むポリビニルアセタール樹脂を使用して塗
料を調整して、磁気記録媒体を作製した。評価結果を表
9に示す。本比較例では、分散性、塗膜耐久性ともに改
良効果は見られなかった。
【0128】比較例20 実施例8において、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ル亜燐酸エステルジバリウム塩を3重量部添加する以外
は、実施例8と同様に、極性基としてスルホン酸ナトリ
ウム塩を含むポリビニルアセタール樹脂を使用して塗料
を調整して、磁気記録媒体を作製した。評価結果を表9
に示す。本比較例では、分散性、塗膜耐久性ともに改良
効果は見られなかった。
【0129】比較例21 実施例8において、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ル亜燐酸エステルジアルミニウム塩を3重量部添加する
以外は、実施例8と同様に、極性基としてスルホン酸ナ
トリウム塩を含むポリビニルアセタール樹脂を使用して
塗料を調整して、磁気記録媒体を作製した。評価結果を
表9に示す。本比較例では、分散性、塗膜耐久性ともに
改良効果は見られなかった。
【0130】
【表9】
【0131】実施例105 実施例26において、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニル亜燐酸エステルモノナトリウム塩を3重量部添加す
る以外は、実施例26と同様に、極性基を含まないポリ
ビニルアセタール樹脂を使用して塗料を調整して、磁気
記録媒体を作製した。評価結果を表10に示す。
【0132】実施例106 実施例26において、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニル亜燐酸エステルジナトリウム塩を3重量部添加する
以外は、実施例26と同様に、極性基を含まないポリビ
ニルアセタール樹脂を使用して塗料を調整して、磁気記
録媒体を作製した。評価結果を表10に示す。
【0133】実施例107 実施例26において、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニル亜燐酸エステルジカリウム塩を3重量部添加する以
外は、実施例26と同様に、極性基を含まないポリビニ
ルアセタール樹脂を使用して塗料を調整して、磁気記録
媒体を作製した。評価結果を表10に示す。
【0134】実施例108 実施例26において、ポリオキシメチレン亜燐酸エステ
ルジナトリウム塩を3重量部添加する以外は、実施例2
6と同様に、極性基を含まないポリビニルアセタール樹
脂を使用して塗料を調整して、磁気記録媒体を作製し
た。評価結果を表10に示す。
【0135】実施例105〜108の評価結果から、亜
燐酸エステルのモノアルカリ塩又はジアルカリ塩を添加
することによって、分散性及び塗膜耐久性の改良される
ことがわかる。
【0136】比較例22 実施例26において、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニル亜燐酸エステルジカルシウム塩を3重量部添加する
以外は、実施例26と同様に、極性基を含まないポリビ
ニルアセタール樹脂を使用して塗料を調整して、磁気記
録媒体を作製した。評価結果を表10に示す。本比較例
では、分散性、塗膜耐久性ともに改良効果は見られなか
った。
【0137】比較例23 実施例26において、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニル亜燐酸エステルジバリウム塩を3重量部添加する以
外は、実施例26と同様に、極性基を含まないポリビニ
ルアセタール樹脂を使用して塗料を調整して、磁気記録
媒体を作製した。評価結果を表10に示す。本比較例で
は、分散性、塗膜耐久性ともに改良効果は見られなかっ
た。
【0138】比較例24 実施例26において、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニル亜燐酸エステルジアルミニウム塩を3重量部添加す
る以外は、実施例26と同様に、極性基を含まないポリ
ビニルアセタール樹脂を使用して塗料を調整して、磁気
記録媒体を作製した。評価結果を表10に示す。本比較
例では、分散性、塗膜耐久性ともに改良効果は見られな
かった。
【0139】
【表10】
【0140】実施例109 実施例32において、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニル亜燐酸エステルモノナトリウム塩を3重量部添加す
る以外は、実施例32と同様に、極性基としてスルホン
酸ナトリウム塩を含むポリビニルアセタール樹脂を使用
して塗料を調整して、磁気記録媒体を作製した。評価結
果を表11に示す。
【0141】実施例110 実施例32において、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニル亜燐酸エステルジナトリウム塩を3重量部添加する
以外は、実施例32と同様に、極性基としてスルホン酸
ナトリウム塩を含むポリビニルアセタール樹脂を使用し
て塗料を調整して、磁気記録媒体を作製した。評価結果
を表11に示す。
【0142】実施例111 実施例32において、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニル亜燐酸エステルジカリウム塩を3重量部添加する以
外は、実施例32と同様に、極性基としてスルホン酸ナ
トリウム塩を含むポリビニルアセタール樹脂を使用して
塗料を調整して、磁気記録媒体を作製した。評価結果を
表11に示す。
【0143】実施例112 実施例32において、ポリオキシメチレン亜燐酸エステ
ルジナトリウム塩を3重量部添加する以外は、実施例3
2と同様に、極性基としてスルホン酸ナトリウム塩を含
むポリビニルアセタール樹脂を使用して塗料を調整し
て、磁気記録媒体を作製した。評価結果を表11に示
す。
【0144】実施例109〜112の評価結果から、極
性基としてスルホン酸ナトリウム塩を含むポリビニルア
セタール樹脂を使用する場合においても、亜燐酸エステ
ルのモノアルカリ塩又はジアルカリ塩を添加することに
よって、分散性及び塗膜耐久性の改良されることがわか
る。
【0145】比較例25 実施例32において、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニル亜燐酸エステルジカルシウム塩を3重量部添加する
以外は、実施例32と同様に、極性基としてスルホン酸
ナトリウム塩を含むポリビニルアセタール樹脂を使用し
て塗料を調整して、磁気記録媒体を作製した。評価結果
を表11に示す。本比較例では、分散性、塗膜耐久性と
もに改良効果は見られなかった。
【0146】比較例26 実施例32において、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニル亜燐酸エステルジバリウム塩を3重量部添加する以
外は、実施例32と同様に、極性基としてスルホン酸ナ
トリウム塩を含むポリビニルアセタール樹脂を使用して
塗料を調整して、磁気記録媒体を作製した。評価結果を
表11に示す。本比較例では、分散性、塗膜耐久性とも
に改良効果は見られなかった。
【0147】比較例27 実施例32において、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニル亜燐酸エステルジアルミニウム塩を3重量部添加す
る以外は、実施例32と同様に、極性基としてスルホン
酸ナトリウム塩を含むポリビニルアセタール樹脂を使用
して塗料を調整して、磁気記録媒体を作製した。評価結
果を表11に示す。本比較例では、分散性、塗膜耐久性
ともに改良効果は見られなかった。
【0148】
【表11】
【0149】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、磁気記
録媒体の結合剤に、水溶性もしくは水分散性ポリビニー
ルアセタール樹脂を含有させることにより、望ましくは
親水性極性基を導入した水溶性もしくは水分散性ポリビ
ニールアセタール樹脂を含有させることにより、磁気特
性、耐久性に優れた磁気記録媒体が実現される。
【0150】そして、磁気記録媒体の分散剤に、燐酸エ
ステル又は亜燐酸エステルのモノアルカリ塩又はジアル
カリ塩を含有させることにより、更に、磁気特性、耐久
性に優れた磁気記録媒体が実現される。
【0151】そして、本発明で開示された水性磁性塗料
は、現在広く利用されている非水系磁性塗料と同等、場
合によっては同等以上の磁気特性、耐久性を有するもの
である。したがって、本発明によれば、溶媒を、経済
性、安全性、及び労働衛生の上で問題の多かった有機溶
媒に替えて、安価で安全性の高い水に置き換えられると
ともに、良好な電磁変換特性と走行耐久性の両立した磁
気記録媒体が、極めて高い実用性をもって実現される。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に、磁性粉末、結合剤、
    及び分散剤を主体とする磁性層が形成されてなる磁気記
    録媒体において、 前記結合剤が、水溶性もしくは水分散性ポリビニルアセ
    タール樹脂を含有することを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 水溶性もしくは水分散性ポリビニルアセ
    タール樹脂が親水性極性基を含有することを特徴とする
    請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 水溶性もしく水分散性ポリビニルアセタ
    ール樹脂の重合度が200〜2000であることを特徴
    とする請求項1又は2記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 水溶性もしく水分散性ポリビニルアセタ
    ール樹脂が化1に示す構造であることを特徴とする請求
    項1乃至3記載の磁気記録媒体。 【化1】
  5. 【請求項5】 前記分散剤が、燐酸エステルのモノアル
    カリ塩又はジアルカリ塩を含有することを特徴とする請
    求項1乃至4記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 燐酸エステルのモノアルカリ塩又はジア
    ルカリ塩のアルカリ金属種が、Li、Na、K、Rb、
    及びCsから選ばれる少なくとも一種であることを特徴
    とする請求項5記載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 燐酸エステルのモノアルカリ塩又はジア
    ルカリ塩のエステル部が、ポリオキシエチレンアルキル
    フェニル、ポリオキシメチレン、ポリオキシエチレン、
    アルキルフェニル、及び長鎖アルキルから選ばれる少な
    くとも一種であることを特徴とする請求項5又は6記載
    の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記分散剤が、亜燐酸エステルのモノア
    ルカリ塩又はジアルカリ塩を含有することを特徴とする
    請求項1乃至4記載の磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 亜燐酸エステルのモノアルカリ塩又はジ
    アルカリ塩のアルカリ金属種が、Li、Na、K、R
    b、及びCsから選ばれる少なくとも一種であることを
    特徴とする請求項8記載の磁気記録媒体。
  10. 【請求項10】 亜燐酸エステルのモノアルカリ塩又は
    ジアルカリ塩のエステル部が、ポリオキシエチレンアル
    キルフェニル、ポリオキシメチレン、ポリオキシエチレ
    ン、アルキルフェニル、及び長鎖アルキルから選ばれる
    少なくとも一種であることを特徴とする請求項8又は9
    記載の磁気記録媒体。
JP14206394A 1994-06-23 1994-06-23 磁気記録媒体 Withdrawn JPH087253A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14206394A JPH087253A (ja) 1994-06-23 1994-06-23 磁気記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14206394A JPH087253A (ja) 1994-06-23 1994-06-23 磁気記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH087253A true JPH087253A (ja) 1996-01-12

Family

ID=15306573

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14206394A Withdrawn JPH087253A (ja) 1994-06-23 1994-06-23 磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH087253A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011219611A (ja) * 2010-04-08 2011-11-04 San Nopco Ltd 金属酸化物粒子分散体
JP2013203867A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Aomori Prefectural Industrial Technology Research Center 磁着性塗料用混合物および磁着性塗料
WO2014050795A1 (ja) * 2012-09-28 2014-04-03 積水化学工業株式会社 水系分散液用ポリビニルアセタール微粒子

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011219611A (ja) * 2010-04-08 2011-11-04 San Nopco Ltd 金属酸化物粒子分散体
JP2013203867A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Aomori Prefectural Industrial Technology Research Center 磁着性塗料用混合物および磁着性塗料
WO2014050795A1 (ja) * 2012-09-28 2014-04-03 積水化学工業株式会社 水系分散液用ポリビニルアセタール微粒子
JP5793577B2 (ja) * 2012-09-28 2015-10-14 積水化学工業株式会社 水系分散液用ポリビニルアセタール微粒子
JPWO2014050795A1 (ja) * 2012-09-28 2016-08-22 積水化学工業株式会社 水系分散液用ポリビニルアセタール微粒子
US9505865B2 (en) 2012-09-28 2016-11-29 Sekisui Chemical Co., Ltd. Polyvinyl acetal microparticles for water-based dispersion
US9862790B2 (en) 2012-09-28 2018-01-09 Sekisui Chemical Co., Ltd. Polyvinyl acetal microparticles for water-based dispersion

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH087253A (ja) 磁気記録媒体
JP2813373B2 (ja) 磁気記録媒体
KR970002675B1 (ko) 자기기록매체
JPH0679370B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2575096B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH1139638A (ja) 磁気記録媒体
JP3277289B2 (ja) 磁気記録媒体
US6071605A (en) Magnetic recording medium and production method thereof
JP3385499B2 (ja) 磁気記録媒体
JPS6295727A (ja) 磁気記録媒体
JPH03102623A (ja) 磁気記録媒体
JPS6063718A (ja) 磁気記録媒体
JPS6228922A (ja) 磁気記録媒体
JPS629521A (ja) 磁気記録媒体
JPH1166544A (ja) 磁気記録媒体
JP2001351224A (ja) 磁気記録媒体
JPH0358322A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH0231319A (ja) 磁気記録媒体
JPH05135354A (ja) 磁気記録媒体
JPH0719365B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH01271914A (ja) 磁気記録媒体
JPS6295725A (ja) 磁気記録媒体
JPH1139637A (ja) 磁気記録媒体
JPH10208237A (ja) 磁気記録媒体
JPS62139118A (ja) 磁気記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20010904