JPH0872196A - 塗覆装鋼製打ち込み部材 - Google Patents
塗覆装鋼製打ち込み部材Info
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- JPH0872196A JPH0872196A JP20870594A JP20870594A JPH0872196A JP H0872196 A JPH0872196 A JP H0872196A JP 20870594 A JP20870594 A JP 20870594A JP 20870594 A JP20870594 A JP 20870594A JP H0872196 A JPH0872196 A JP H0872196A
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Abstract
する防食性を持ち、かつ溶剤を含まない漂砂に対する耐
摩耗性が優れた塗覆装鋼製打ち込み部材を提供する。 【構成】 下地処理した鋼管杭、鋼管矢板、鋼矢板など
の鋼材1の表面に、ゴム弾性を有するウレタンエラスト
マー4を被覆したことを特徴とする塗覆装鋼製打ち込み
部材。 【効果】 本発明の塗覆装鋼製打ち込み部材は、漂砂に
対する耐摩耗性が格段に優れるので、摩耗による防食被
膜の損耗が小さく、長期に渡り優れた防食性を維持でき
る。
Description
れる塗覆装鋼材に関し、さらに詳しくは底質砂の動きが
激しい海岸、港湾あるいは河川等の水域で使用される漂
砂摩耗防止被覆を有する塗覆装鋼製打ち込み部材に関す
る。
ための港湾施設、護岸などに鋼管杭、鋼管矢板や鋼矢板
などの鋼製打ち込み部材が使用されている。これらの鋼
製打ち込み部材は、長期間使用されるので、表面にウレ
タンエラストマーなどの防食性の優れた被覆が施され
る。このウレタンエラストマーには、例えば特公昭63
−57234に開示されているように、下地処理した鋼
材の表面に、エポキシプライマー層を介して、二液硬化
型のウレタンエラストマーを被覆した塗覆装鋼材であ
る。このウレタンエラストマー被覆は優れた防食性を発
揮するが、底質砂の動きが激しい海岸、港湾あるいは河
川等の水域でこれらのウレタンエラストマーを被覆した
鋼管杭、鋼管矢板や鋼矢板等の塗覆装鋼製打ち込み部材
を打設すると、被覆の表面が移動する水底の砂(底質
砂)の衝突あるいは擦過により機械的に摩耗するという
問題点があった。この問題点を改善するために、特願平
3−32640号公報に示されているように、前記ウレ
タンエラストマー被覆の上にポリテトラメチレングリコ
ールとトリレンジイソシアネートのプレポリマーを主成
分とする半固体状物にメチルエチルケトンの溶剤を加え
て液状にした主剤およびジアミノジフェニルメタンの固
体硬化剤にメチルエチルケトンの溶剤を加えて溶解した
硬化剤からなる二液硬化型の特殊なポリウレタン被覆材
料を積層した塗覆装鋼材が提案されている。
号公報の特殊なポリウレタン被覆材料は漂砂に対する耐
摩耗性は優れるが、それ単独では防食性が不十分なた
め、従来の防食性の優れたウレタンエラストマーの表面
に積層被覆せざるを得ず、かつ該被覆材料が溶剤を多く
含むので塗装などの被覆作業環境を悪化させる問題点が
ある。
被覆を不要とする防食性を持ち、かつ溶剤を含まない漂
砂に対する耐摩耗性が優れた塗覆装鋼製打ち込み部材の
実現を目的としたものである。
解決したものであり、すなわち、本発明は下地処理した
鋼管杭、鋼管矢板、鋼矢板などの鋼材の表面に、ゴム弾
性を有するウレタンエラストマーを被覆することによっ
て上述の問題点が解決できることを見出し、本発明に至
ったものである。
く、特に被覆するウレタンエラストマー被覆材料につい
て鋭意検討した。その結果、特に漂砂による被覆表面の
摩耗に対しては被覆表面の反発弾性が重要で、JIS
K 6301「加硫ゴム物理試験方法−反発弾性試験」
に規定された反発弾性値が47%以上ある無溶剤型のゴ
ム弾性ウレタンエラストマーを使用すれば耐摩耗性が優
れ、かつ防食性も優れることがわかり、本発明に至っ
た。
鋼でできた鋼管杭、鋼管矢板、鋼矢板、連壁鋼矢板、H
型鋼などの鋼材で、港湾施設や護岸構造物などの建設に
用いる打ち込み部材である。これらの鋼材の表面にチタ
ンやニッケル−クロム−モリブテンなどの耐腐食性の優
れた合金を積層したクラッド鋼材および、鋼材の表面に
亜鉛、クロム、ニッケル、亜鉛−鉄、亜鉛−ニッケルな
どのめっきやこれらのめっきにシリカや酸化チタンの微
粒子を分散した分散めっきなどを施しためっき鋼材も使
用できる。
ウレタンエラストマー層を被覆する前に下地処理する。
下地処理は鋼材の表面をブラスト処理などで除錆して行
うが、建設する構造物に電気防食を施す場合にはまずク
ロメート処理を施す。クロメート処理は、鋼材表面に無
水クロム酸の水溶液にデンプンなどの有機質の還元剤を
添加して水溶液中の6価クロムの一部を3価クロムに還
元し、シリカ微粒子を混合分散した一般市販のシリカ−
クロメート処理剤や、該シリカ−クロメート処理剤にリ
ン酸を添加したリン酸−シリカ−クロメート処理剤をロ
ール塗布、刷毛塗布、ブラシやへらなどによるしごき塗
布などの従来公知の方法で塗布して乾燥し行う。該クロ
メート被膜は乾燥後の全クロム付着量で300〜800
mg/m2 の厚みであると被覆の耐陰極剥離性が良好で
ある。建設する構造物に電気防食が施されず、被覆の耐
水接着性が必要な場合には、鋼材表面にクロメート処理
の代わりにフェノール系プライマーを施す。フェノール
系プライマーとしては、例えばCONAP社製のAD−
1146−Cなどの一般市販のフェノール系プライマー
を利用する。
向上のために、ゴム弾性を有するウレタンエラストマー
を被覆する前に、下地処理した鋼材の表面にウレタン系
プライマーを被覆する。ウレタン系プライマーとして
は、例えば武田薬品工業社製のタケネートM402P、
タケネートF520などの一般市販のウレタン系プライ
マーを利用する。これらのウレタン系プライマーは膜厚
が30〜50μm程度になるようにスプレー塗装やしご
き塗布などの従来公知の方法で被覆する。
トマーには、JIS K 6301「加硫ゴム物理試験
方法−反発弾性試験」に規定された反発弾性値が47%
以上のものが好適であり、かつ無溶剤型の主剤と硬化剤
からなる二液硬化型のウレタンエラストマーを用いるこ
とが有効であり、例えば武田薬品工業社製のTQスプレ
イ70(反発弾性値:47%)などの一般市販のものを
利用する。これらのウレタンエラストマーはスプレー塗
装やしごき塗布などの従来公知の方法で塗布し硬化させ
て被覆する。該ゴム弾性ウレタンエラストマーの膜厚は
耐水接着性向上のためには1mm以上が必要で、この膜
厚に弾性ウレタンエラストマーの漂砂による摩耗速度の
測定結果と所要の耐用年数から計算して必要な厚みを加
算した膜厚とする。
る。
一部断面を示す図である。
た鋼管杭、4はウレタンエラストマー層、5はウレタン
系プライマー層を示す。
矢板の一部断面を示す図であり、図中2はブラスト処理
で除錆し下地処理した鋼管矢板、4はウレタンエラスト
マー層、6はクロメート被覆又はフェノール系プライマ
ー被覆を示す。
板の一部断面を示す図で、図中3はブラスト処理で除錆
し下地処理した鋼矢板、4はウレタンエラストマー層、
5はウレタン系プライマー層、6はクロメート被膜又は
フェノール系プライマー被膜を示す。
マーを被覆した塗覆装鋼製打ち込み部材は、防食被覆に
無溶剤型のゴム弾性を有するウレタンエラストマーを有
するので、漂砂の来襲時、連続的に衝突する砂粒子を該
ウレタンエラストマー層の反発弾性で跳ね返す作用が発
現し摩耗を防止する著しい効果があり、かつ被覆の耐水
接着性にも優れ、溶剤を使用しないので被覆作業環境も
改善できる。
500mm、厚み12mm)の外面をグリットブラスト
処理して除錆した。次いで、シリカ−クロメート処理剤
を乾燥後の全クロム付着量が500mg/m2 になるよ
うにロール塗布して乾燥し、その表面にウレタン系プラ
イマー(タケネートM402P)を膜厚が50μmにな
るようにスプレー塗装して硬化し下地処理した。次いで
本発明のゴム弾性を有するウレタンエラストマー(武田
薬品工業社製のTQスプレイ70を使用。反発弾性の測
定値は47%。)を膜厚が5mmになるよにスプレー塗
装して硬化し、本発明の塗覆装鋼管杭1を製作した。さ
らに、上記のゴム弾性を有するウレタンエラストマーの
反発弾性値47%上げたウレタンエラストマーを用いた
本発明の塗覆装鋼管杭2〜5を製作した。比較例とし
て、同じ下地処理した鋼管の外面に、反発弾性値を47
%未満に下げたウレタンエラストマーを被覆した塗覆装
鋼管杭6〜8を製作した。さらに、下記の配合を有する
特願平3−326405号公報に該当する溶剤型のゴム
弾性ウレタンエラストマーを被覆した塗覆装鋼管杭9を
製作した。
表面の摩耗量を測定した。その結果を表1に合わせて示
す。表1から、反発弾性値が47%以上であるゴム弾性
を有するウレタンエラストマーを被覆した塗覆装鋼管杭
だけは漂砂に対する耐摩耗性が優れ、かつ耐水接着性も
優れるので、長期にわたって優れた防食性を発揮する。
これに対して、特願平3−32640号公報に該当する
溶剤型のゴム弾性ポリウレタンを被覆した鋼管杭では被
覆の摩耗は小さいが被覆の耐水接着性がない。また、無
溶剤型のゴム弾性ポリウレタンでも反発弾性が47%未
満だと被覆の摩耗が激しくなり、かつ被覆が剥離しやす
くなる。
施例からも明らかなように、漂砂に対する耐摩耗性が格
段にすぐれるので、摩耗による防食被膜の損耗が小さ
く、長期に渡り優れた防食性を維持できる。
プライマー層 6…クロメート被膜またはフェノール系プライマー被膜
Claims (1)
- 【請求項1】 下地処理した鋼管杭、鋼管矢板、鋼矢板
などの鋼材の表面に、ゴム弾性を有するウレタンエラス
トマーを被覆したことを特徴とする塗覆装鋼製打ち込み
部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20870594A JP3093112B2 (ja) | 1994-09-01 | 1994-09-01 | 塗覆装鋼製打ち込み部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20870594A JP3093112B2 (ja) | 1994-09-01 | 1994-09-01 | 塗覆装鋼製打ち込み部材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0872196A true JPH0872196A (ja) | 1996-03-19 |
JP3093112B2 JP3093112B2 (ja) | 2000-10-03 |
Family
ID=16560718
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20870594A Expired - Fee Related JP3093112B2 (ja) | 1994-09-01 | 1994-09-01 | 塗覆装鋼製打ち込み部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3093112B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9546182B2 (en) | 2010-12-16 | 2017-01-17 | Genentech, Inc. | Tricyclic PI3K inhibitor compounds and methods of use |
-
1994
- 1994-09-01 JP JP20870594A patent/JP3093112B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9546182B2 (en) | 2010-12-16 | 2017-01-17 | Genentech, Inc. | Tricyclic PI3K inhibitor compounds and methods of use |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3093112B2 (ja) | 2000-10-03 |
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