JPH0711171A - 海棲付着生物による損傷防止塗装法およびその下塗り塗料 - Google Patents

海棲付着生物による損傷防止塗装法およびその下塗り塗料

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JPH0711171A
JPH0711171A JP15342793A JP15342793A JPH0711171A JP H0711171 A JPH0711171 A JP H0711171A JP 15342793 A JP15342793 A JP 15342793A JP 15342793 A JP15342793 A JP 15342793A JP H0711171 A JPH0711171 A JP H0711171A
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JP
Japan
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polyurethane resin
film
paint
undercoating
coating
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Pending
Application number
JP15342793A
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English (en)
Inventor
Yasuo Hirai
靖男 平井
Hidetoshi Matsumoto
秀敏 松本
Yoshihiro Suehisa
善広 末久
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Zosen Corp
Original Assignee
Hitachi Zosen Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 防食寿命が長く、付着生物の喰い込みや、生
物除去の際の機械的損傷を受け難く、補修を必要としな
い厚膜の塗膜を形成することができる塗装法を提供す
る。塗膜が素地鋼材に達する機械的損傷を受けた場合で
も、素地鋼材の錆発生を抑止し、しかも上塗り塗膜との
層間付着性が良好な下塗り塗膜を形成することができる
下塗り塗料を提供する。 【構成】 被塗装物にブラスト処理を施した後、処理面
に亜鉛粉末含有ポリウレタン樹脂よりなる下塗り塗料を
塗布し、ついで下塗り塗膜上に弾性ポリウレタン樹脂よ
りなる上塗り塗料を塗布することを特徴とする、海棲付
着生物による損傷防止塗装法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、海棲付着生物による
損傷防止塗装法およびこの塗装に使用する下塗り塗料に
関するものである。この発明による塗料組成物は、例え
ば、海水循環水管、海水取水設備(水門、スクリーンな
ど)、浮桟橋、浮標ブイ、浮消波堤、海洋レデロー設備
(海中展望塔、海釣り桟橋など)、海洋エネルギー関連
設備(波浪発電設備、海底油田掘削設備など)、大型海
洋浮体構造物(海上寄港、海上都市など)に適用するこ
とができる。上記のごとき海中構造物は、これに海棲生
物が付着することによって重量増、閉塞などの障害を生
じるため、海棲生物を定期的に除去する必要がある。
【0002】
【従来技術および解決すべき課題】従来、海水に接する
構造物は一般にコンクリートまたは鋼材で作られ、特に
鋼製構造物は防食のために各種塗料が塗装されている。
しかし、海棲生物の付着は避け得るものではないので、
海棲生物が付着障害をもたらす前にこれらを除去しなけ
ればならない。しかし、従来の防食塗膜(例えば、油
性、ビニル樹脂、塩化ゴム、タールエポキシ樹脂、エポ
キシ樹脂、アスファルトエナメル、コールタール、エナ
メルなど)は薄膜であり防食寿命が短く、付着生物の喰
い込みや、生物除去の際の機械的損傷を受け易く、その
補修には多大の費用と時間を要している。一方、弾性ポ
リウレタン樹脂よりなる塗料は、これを海中構造物に適
用した場合、海棲付着生物による損傷を受け難い塗膜を
形成することができるが、付着生物の除去の際に塗膜が
機械的損傷を来たすことがある。こうした損傷を避ける
ために、および上塗り塗膜との層間付着性を向上させる
ために、従来、下塗り塗料として、ポリウレタン樹脂の
みよりなる塗料を用いていた。
【0003】しかし、弾性ポリウレタン樹脂よりなる上
塗り塗料が機械的損傷を受け、海中構造物の素地鋼材が
露出すると、素地鋼材に錆の発生を招き、またこれに伴
って塗膜の付着性が著しく損なわれ、塗膜剥離を来たす
恐れがある。
【0004】この発明の目的は、上記の点に鑑み、防食
寿命が長く、付着生物の喰い込みや、生物除去の際の機
械的損傷を受け難く、補修を必要としない厚膜の塗膜を
形成することができる塗装法を提供すること、および塗
膜が素地鋼材に達する機械的損傷を受けた場合でも、素
地鋼材の錆発生を抑止し、しかも上塗り塗膜との層間付
着性が良好な下塗り塗膜を形成することができる下塗り
塗料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明による海棲付着
生物損傷防止のための塗装法は、上記目的を達成すべく
工夫されたものであり、被塗装物にブラスト処理を施し
た後、処理面に亜鉛粉末含有ポリウレタン樹脂よりなる
下塗り塗料を塗布し、ついで下塗り塗膜上に弾性ポリウ
レタン樹脂よりなる上塗り塗料を塗布することを特徴と
するものである。
【0006】被塗装物のブラスト処理は、被塗装物の表
面をサンドブラスト処理やディスクサンダー処理により
ベアメタル化する常法により行われる。
【0007】下塗り塗料のポリウレタン樹脂塗料として
は、油変性ポリウレタン樹脂塗料(ウレタン化油)、湿
気硬化性ポリウレタン樹脂塗料、ブロック型ポリウレタ
ン樹脂塗料などの1液型のもの、触媒硬化型ポリウレタ
ン樹脂塗料、ポリオール硬化性ポリウレタン樹脂塗料な
どの2液型のものが適宜使用される。特に、上塗り塗料
の弾性ポリウレタン樹脂と同系統のものが好ましい。下
塗り塗料中の亜鉛粉末の含有量は好ましくは40〜80
重量%である。含有される亜鉛は、例えば金属亜鉛を粉
末化したものである。
【0008】下塗り塗膜の膜厚は好ましくは10〜30
μm程度である。
【0009】上塗り塗料の弾性ポリウレタン樹脂は、例
えば、下記表1に示す、ジイソシアネートとポリオール
と鎖延長剤(架橋剤)を配合したものである。
【0010】
【表1】 ジイソシアネート MDI=4,4' −ジフェニルメタンジイソシアネート TDI=トリレンジイソシアネート NDI=ナフチレンジイソシアネート TODI=トリジンジイソシアネート ポリオール P−CL=ポリカプロラクトン PTMG=ポリオキシテトラメチレングリコール PPG=ポリプロピレングリコール 鎖延長剤(架橋剤) EG=エチレングリコール 1,4−BG=1,4−ブチレングリコール BHEB=ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン TMP=トリメチロールプロパン 弾性ポリウレタン樹脂よりなる上塗り塗料の代表例とし
ては、例えば、「ウレオールRIM(PD−190)」
(川上塗料社製)や、「テクタン98SS」(米国テク
ニカルウレタン社製)のような超厚膜型弾性ポリウレタ
ン樹脂塗料が挙げられる。上塗り塗膜の膜厚は好ましく
は2000〜3000μm程度である。
【0011】
【実施例】つぎに、この発明を具体的に説明するため
に、この発明の実施例およびこれとの比較を示すための
比較例をいくつか挙げ、さらに得られた塗膜の性能試験
結果を示す。
【0012】実施例1 被塗装物の表面をサンドブラスト処理(グレード:SI
S Sa2.5)やディスクサンダー処理(グレード:
塗装前鋼材表面処理基準spss Pt3)などにより
清浄にしたのち、亜鉛粉末60重量%を含むポリウレタ
ン樹脂よりなる1液型の下塗り塗料をスプレーまたは刷
毛にて薄く(膜厚10〜30μm)塗装する。その後2
0分〜3時間乾燥ののち、弾性ポリウレタン塗料をスプ
レーにて2000〜3000μmの厚さに塗装する。な
お、弾性ポリウレタン塗料は、一般に2液型であり、混
合後の可使時間が長い場合は、塗装前に予め2液を混合
しておき、混合液を一般のスプレー塗装機で塗装する。
しかし、可使時間の短い弾性ポリウレタン塗料の場合に
は、2液を混合しながらスプレー塗装できるいわゆる2
頭ガン方式の塗装機を使用する。
【0013】実施例2 下塗り塗料として、亜鉛粉末60重量%を含むポリウレ
タン樹脂よりなる2液型の塗料を用い、その他の点は実
施例1と同様に操作する。
【0014】比較例1〜5 下塗り塗料として汎用の塗料(ウオッシュプライマー、
エポキシノンジンクプライマー、エポキシジンクプライ
マー、無機ジンクプライマー、ウレタンノンジンク塗
料)を用い、その他の点は実施例1と同様に操作する。
【0015】性能試験 実施例および比較例の塗膜に対し、塗膜が素地鋼材に達
する機械的損傷を受けた場合の錆発生抑制性、上塗り塗
膜と下塗り塗膜の層間付着性、および上塗り塗装を施す
までの下塗り塗膜単独の防錆性の各項目について試験を
行い、その試験結果を表2にまとめて示す。
【0016】
【表2】 表2中、 錆発生抑制性:塗膜が素地鋼材に達する機械的損傷を受
けた場合の錆発生抑制性、 層間付着性:上塗り塗膜と下塗り塗膜の層間付着性、 防錆性:上塗り塗装を施すまでの下塗り塗膜単独の防錆
性 ○:効果あり、 △:やや効果あり、 ×:効果なし を意味する。
【0017】この表から明らかなように、実施例の塗膜
は比較例のものに比べ、いずれの項目においても優れて
いることが認められる。
【0018】
【発明の効果】この発明による塗装法では、下塗り塗料
として亜鉛粉末含有ポリウレタン樹脂よりなる塗料を使
用するので、塗膜が素地鋼材に達する機械的損傷を受け
た場合でも、亜鉛の犠牲的酸化により素地鋼材の錆発生
を抑止することができる。また、素地鋼材を下塗り塗装
後、上塗り塗装まで長期間野外に放置しておいても、や
はり亜鉛の犠牲的酸化により素地鋼材の錆発生を抑止す
ることができる。
【0019】また、この下塗り塗料は、ポリウレタン樹
脂をベースとするものであるので、同じくポリウレタン
樹脂よりなる上塗り塗膜との層間付着性がすこぶる良好
である。
【0020】他方、下塗り塗膜の上に弾性ポリウレタン
樹脂よりなる上塗り塗料を塗布するので。つぎのような
効果が発揮される。
【0021】・ 被塗物面への吹付塗装で任意の厚さの
膜を形成でき、長期間の絶縁性と耐食性(防食性)を得
ることができる。
【0022】・ 形成された乾燥塗膜はゴム状弾性を有
するため、 a) 伸び率が高く(400〜500%)、被塗物の曲
げ変形、衝突衝撃などに耐え得る上に、傷がつきにく
く、 b) 海中で塗膜に海棲生物が付着しても海棲付着生
物、特にフジツボ類による塗膜の喰い込むなどの損傷が
全く見られず、 c) 塗膜が変形し易く、付着した海棲生物は衝撃によ
って容易に除去でき、 d) 塗膜は衝撃や摩耗に強いため、生物の機械的除去
に対しても、損傷を受けず、補修塗装の必要がない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 5/14 PQJ 175/04 PHW

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被塗装物にブラスト処理を施した後、処
    理面に亜鉛粉末含有ポリウレタン樹脂よりなる下塗り塗
    料を塗布し、ついで下塗り塗膜上に弾性ポリウレタン樹
    脂よりなる上塗り塗料を塗布することを特徴とする、海
    棲付着生物による損傷防止塗装法。
  2. 【請求項2】 亜鉛粉末含有ポリウレタン樹脂よりな
    る、海棲付着生物による損傷防止塗装用の下塗り塗料。
JP15342793A 1993-06-24 1993-06-24 海棲付着生物による損傷防止塗装法およびその下塗り塗料 Pending JPH0711171A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15342793A JPH0711171A (ja) 1993-06-24 1993-06-24 海棲付着生物による損傷防止塗装法およびその下塗り塗料

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JP15342793A JPH0711171A (ja) 1993-06-24 1993-06-24 海棲付着生物による損傷防止塗装法およびその下塗り塗料

Publications (1)

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JPH0711171A true JPH0711171A (ja) 1995-01-13

Family

ID=15562281

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15342793A Pending JPH0711171A (ja) 1993-06-24 1993-06-24 海棲付着生物による損傷防止塗装法およびその下塗り塗料

Country Status (1)

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JP (1) JPH0711171A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011121388A (ja) * 2009-12-08 2011-06-23 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 舶用プロペラへの海生物付着防止方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011121388A (ja) * 2009-12-08 2011-06-23 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 舶用プロペラへの海生物付着防止方法

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Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 19990112