JPH0871694A - シェル鋳型およびその鋳造成形品 - Google Patents

シェル鋳型およびその鋳造成形品

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JPH0871694A
JPH0871694A JP21301294A JP21301294A JPH0871694A JP H0871694 A JPH0871694 A JP H0871694A JP 21301294 A JP21301294 A JP 21301294A JP 21301294 A JP21301294 A JP 21301294A JP H0871694 A JPH0871694 A JP H0871694A
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shell
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shell mold
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Fumio Hirai
文男 平井
Shoichi Yoshikawa
昌一 吉川
Toshiji Morita
利治 森田
Shuji Nakamura
修二 中村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 木型を要することなく砂型の造型を可能とす
るシェル鋳型を提供する。 【構成】 シェル鋳型は層別のシェル板1,2,3と、
その底をなす下板4と蓋をなす上板5とからなり、層別
のシェル板1,2,3には、キャビティ6、幅木7,8
及びフィルター9の収容部、湯道10、堰11等の方案
部を合せた形状の切り抜き穴をそれぞれ形成する。ま
た、上板5は、鋳型形成後にスプール12、保温スリー
ブ13を取り付けて湯口及び押し湯を形成するための切
り抜き穴14,15を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は造型用シェル砂によって
形成されるシェル鋳型およびその鋳造成形品に関し、特
に、木型を要することなく砂型の造型を可能とするシェ
ル鋳型およびその鋳造成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、鋳造においては、成形品と同一
形状の木型(モデル)を製作し、この木型を転写してキ
ャビティーを形成した上下半割りの砂型を造型し、中
子、鋳包み部材、フィルター等を組み付けて上下の砂型
を合わせ、これに注湯して成形品を得る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、木型
は、同一のものを繰り返して使用するためにその保管管
理を要し、特に、多種少量生産品について長期にわたる
ロット生産を行う場合には、その保管のスペースを要す
るのみならず、類似する多種類の木型の管理は煩雑を極
める。
【0004】その他、新規の成形品については、木型の
製作から砂型の造型までに多くの日数を要すること等の
理由から、特に、溶接用ガンアーム等の多種少量生産の
リードタイムの短縮とコストダウンが要求されるものに
ついて、木型を用いない砂型造形技術が求められてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、第1に、シェル砂によってキャビティーを形成する
シェル鋳型において、前記キャビティーは、鋳造される
べき成形品を層分けして得られる形状の切り抜き穴を形
成した層別のシェル板と、上記切り抜き穴の底をなす下
板と蓋をなす上板とを積層して形成した。
【0006】第2に、請求項1に記載のシェル鋳型にお
いて、前記層別のシェル板の切り抜き穴は、そのキャビ
ティー部とキャビティーに湯を導くための方案部とを合
せた形状とした。
【0007】第3に、請求項1又は請求項2に記載のシ
ェル鋳型において、前記層別のシェル板は3層以上と
し、それらの内の隣接する中央寄りの層のキャビティー
部をなす切り抜き穴は、端側の層より大きい切り抜き穴
とした。
【0008】第4に、シェル鋳型によって鋳造される成
形品において、前記シェル鋳型は、請求項1乃至請求項
3のいずれかに記載のシェル鋳型とした。
【0009】
【作用】請求項1のシェル鋳型は、層別のシェル板と上
下を塞ぐぎ板とが積層してキャビティーが形成されるの
で、シェル板の切り抜きにより、木型を要することなく
造形され、また、切り抜き穴の破断面は、鋳造されるべ
き成形品に応じた傾斜面とすることができる。
【0010】請求項2のシェル鋳型は、キャビティー部
と方案部とを合せた形状の切り抜き穴により、木型を要
することなくキャビティー部と方案部とが合わせて造形
される。
【0011】請求項3のシェル鋳型は、その層別のシェ
ル板を3層以上とし、それらの内の中央寄りの層の切り
抜き穴を大きめにすることにより、切り抜き加工による
破断面の不揃いを回避して強度的に安定した断面形状が
得られる。
【0012】請求項4の成形品は、請求項1乃至請求項
3のいずれかに記載のシェル鋳型によって木型レスで鋳
造される。
【0013】
【実施例】以下に添付図面に基づいて実施例を説明す
る。
【0014】図1は本発明の実施例に係るシェル鋳型の
分解斜視図である。
【0015】本発明に係るシェル鋳型は、鋳造されるべ
き成形品を層分けして得られる形状の切り抜き穴を形成
した層別のシェル板と、上記切り抜き穴の底をなす下板
と蓋をなす上板とを積層して形成する。
【0016】例としてスポット溶接に用いるガンアーム
の鋳造用シェル鋳型について説明すると、このシェル鋳
型は、3層に分けた各層に対応する層別のシェル板1,
2,3と、その底をなす下板4と蓋をなす上板5とから
なる。これらシェル板によってガンアームに対応するキ
ャビティー6が形成され、このキャビティー部には、埋
め込み部材6aとその保持部をなす幅木7,8を備え
る。
【0017】その他、フィルター9を有する湯道10、
堰11等の方案部および図示せぬ他のキャビティーが形
成され、上板5にはスプール12、保温スリーブ13を
取り付けて湯口及び押し湯を形成するための切り抜き穴
14,15を備え、さらに、これら層別のシェル板1,
2,3、下板4、及び上板5には、その共通する位置に
位置合わせ用の基準穴16を備えてガンアーム用のシェ
ル鋳型を構成する。
【0018】このように構成されるシェル鋳型の各シェ
ル板は、シェル砂によってそれぞれの厚さ(約5〜15
mm)をなすシェル板として予め準備しておき、このシ
ェル板にウォータージェット加工機によって切り抜き穴
を形成する。その際に、ガンアームを3層に分けた各層
別の形状をなすキャビティー部6の他に、幅木7,8及
びフィルター9の各収容部、湯道10、堰11等の方案
部を合せた形状に切り抜きを行う。
【0019】上記シェル板には、加工の容易な平面加工
によってキャビティーその他が切り抜き穴として形成さ
れるので、相互の位置関係を高精度で規定することがで
き、したがって、層別のシェル板によって形成される幅
木部に嵌め込まれた幅木とこの幅木によって固定される
埋め込み部材は、キャビティーに対して所定の位置精度
を確保することができる。
【0020】図2は本発明に係るシェル板加工システム
の概念図、図3はシェル鋳型の構成を示す層別分解図を
示す。
【0021】シェル板加工システムは、鋳造するべき成
形品についての形状データに基づいて加工データを出力
する加工制御部21と、シェル鋳型を加工するウォータ
ージェット加工部22とからなる。上記形状データは、
データ保管管理システムを使用することにより、大きな
保管スペースを要することがなく、かつ、保管データを
容易に把握することが可能となる。
【0022】加工制御部21は、鋳造するべき成形品を
層分けして得られる形状を取り出し、この形状を切り抜
き穴とする加工指令を変換出力する。ウォータージェッ
ト加工部22は、各層に対応してシェル砂によって予め
形成した所定板厚のシェル板について切り抜き加工を行
う。
【0023】上記シェル板加工システムは、煩雑な木型
の保管管理とその保管スペースを要することがないの
で、木型とその管理に関する費用を削減し、低コストで
シェル鋳型の造形が可能となり、また、設計データに基
づいて加工データを変換出力することができるデータ処
理システムの適用が可能となることから、新規設計の成
形品鋳造において、木型作製の工期を要することがな
く、工期短縮を図ることができる。
【0024】このようにしてそれぞれのシェル板加工を
行い、図3の層別のシェル板1,2,3、下板4、およ
び上板5を一組とし、それぞれの基準穴に基づいて下板
4から順に積層し、幅木その他を組み付けた後、さらに
上板5を積層し、図示せぬ押え枠によって固定すること
により、木型を用いることなく、シェル鋳型を形成する
ことができる。
【0025】また、このシェル鋳型は積層面の隙間が空
気抜きとして作用するので溶湯充填性に優れ、その結
果、作業性の向上と成形品質の向上を図ることができ
る。
【0026】図4は積層形成したシェル鋳型による成形
例を示す要部詳細図である。
【0027】シェル鋳型の3層が略共通の形状寸法の場
合には、ウォータージェットのノズルの拡散により、切
り抜き穴破断面が傾斜(約2度)することから、積層し
た際に同図(d)の如く、各層の破断面1a,2a,3
aが揃わないことになって好ましくないので、同図
(c)の如く、3層のシェル板の内の中央位置のシェル
板2の切り抜き穴寸法をその上下のものより若干大きめ
(キャビティー部について切り抜き穴の破断面位置が、
鋳造収縮率を踏まえて約1mm拡大した切り抜き穴寸
法)に採ることにより、同図(a)のA−A線断面を同
図(b)に示すごとく、厚さ方向の中央部を凸状とする
強度的に安定した断面形状とすることができる。
【0028】また、ウォータージェットの方向角度の制
御が可能な場合には、同図(f)に示すごとく、傾斜し
た破断面1b,3bをなす切り抜き穴とすることによ
り、同図(e)に示すごとく、角を落とした面取り断面
形状とすることができる。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1のシェル
鋳型は、層別のシェル板と上下のシェル板とが積層して
キャビティーが形成されるので、シェル板の切り抜き加
工により、木型を要することなく傾斜破断面を含めたシ
ェル鋳型の造形が可能となる。
【0030】したがって、煩雑な木型の保管管理とその
保管スペースを要することのないシェル板の切り抜き加
工システムの適用が可能となるので、木型とその管理に
関する費用を削減し、低コストでシェル鋳型の造形が可
能となり、また、設計データに基づいて加工データを変
換出力することができるデータ処理システムの適用が可
能となることから、新規設計の成形品鋳造において、木
型製作の工期を要することがなく、工期短縮を図ること
ができる。
【0031】請求項2のシェル鋳型は、キャビティーと
方案部とを合せた形状の切り抜き穴とすることにより、
木型を要することなくキャビティーと方案部が合わせて
造形され、その木型に関する費用と工期の低減が可能と
なる。
【0032】請求項3のシェル鋳型は、その層別のシェ
ルを3層以上とし、それらの中央寄りの層の切り抜き穴
を大きめにすることにより、ウォータージェット加工に
よる破断面の不揃いのない強度的に安定した断面形状を
得ることができる。
【0033】請求項4の成形品は、請求項1乃至請求項
3のいずれかに記載のシェル鋳型によって木型レスで鋳
造されることから、コスト及び生産工期において有利な
鋳造成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るシェル鋳型の斜視図
【図2】シェル板加工システムの概念図
【図3】シェル鋳型の構成を示す層別分解図
【図4】積層形成したシェル鋳型による成形例を示す要
部詳細図
【符号の説明】
1,2,3…シェル板、1a,2a,3a,1b,3b
…破断面、4…下板、5…上板、6…キャビティー、
7,8…幅木、9…フィルター、10…湯道、11…
堰、12…スプール、13…保温スリーブ、14,15
…切り抜き穴、16…基準穴、21…加工制御部、22
…ウォータージェット加工部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 修二 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シェル砂によってキャビティーを形成す
    るシェル鋳型において、前記キャビティーは、鋳造され
    るべき成形品を層分けして得られる形状の切り抜き穴を
    形成した層別のシェル板と、上記切り抜き穴の底をなす
    下板と蓋をなす上板とを積層して形成したことを特徴と
    するシェル鋳型。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のシェル鋳型において、
    前記層別のシェル板の切り抜き穴は、そのキャビティー
    部とキャビティーに湯を導くための方案部を合せた形状
    としたことを特徴とするシェル鋳型。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のシェル
    鋳型において、前記層別のシェルは3層以上とし、それ
    らの内の隣接する中央寄りの層のキャビティー部をなす
    切り抜き穴は、端側の層より大きい切り抜き穴としたこ
    とを特徴とするシェル鋳型。
  4. 【請求項4】 シェル鋳型によって鋳造される成形品に
    おいて、前記シェル鋳型は、請求項1乃至請求項3のい
    ずれかに記載のシェル鋳型としたことを特徴とする鋳造
    成形品。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002263783A (ja) * 2001-03-09 2002-09-17 Nissan Motor Co Ltd 鋳型および鋳型の製造方法
CN106584034A (zh) * 2016-12-23 2017-04-26 海安汇珏网络通信设备有限公司 一种通信机柜板材成型混合加工方法
EP2627463A4 (en) * 2010-10-12 2017-12-20 Nopatech Inc. Method and apparatus for machining molding elements for foundry casting operations

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