JPH087145Y2 - 車両ホイール用ころ軸受 - Google Patents

車両ホイール用ころ軸受

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JPH087145Y2
JPH087145Y2 JP1989113778U JP11377889U JPH087145Y2 JP H087145 Y2 JPH087145 Y2 JP H087145Y2 JP 1989113778 U JP1989113778 U JP 1989113778U JP 11377889 U JP11377889 U JP 11377889U JP H087145 Y2 JPH087145 Y2 JP H087145Y2
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rms
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rolling
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JP1989113778U
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建治 日比
俊英 後藤
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エヌティエヌ株式会社
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【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、車両ホイール用ころ軸受、更に詳しく
は、低トルク化、耐焼付性、高剛性化に有効な自動車ホ
イール用円すいころ軸受に関する。
〔従来の技術〕
自動車ホイール用円すいころ軸受には、2個を組合せ
たコンベンショナル、セットライト、テーパユニット、
ハブユニット等の使用形式があるが、何れの形式も組立
て予圧は、トルク、温度上昇、耐焼付性等から決定され
ている。
ところで、近年自動車の大型、高出力にともない、高
い剛性のホイール軸受の要求があり、低トルク、低温度
上昇、耐焼付性の向上が望まれている。
従来、ホイール用円すいころ軸受の長寿命化は、転動
体表面もしくは内外輪の転動面や滑り面の面粗さが重要
な因子であることは良く知られており、各表面の仕上げ
をできるだけ滑らかな面にするのがよいと考えられてい
た。
〔考案が解決しようとする課題〕 しかし、転動体表面や内外輪の転動面を滑らかな面に
仕上げても、転動体と内外輪の接触部分における油膜形
成は十分とは言えず、トルクの増大、軸受温度の上昇、
ひいては焼付きなど、耐久性の向上には限界があるとい
う問題がある。
そこで、この考案の課題は、転動体と内外輪の油膜形
成が十分に行なえ、トルクロスの低減と温度上昇の防止
により高速化対応が可能となる高剛性の車両ホイール用
ころ軸受を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記のような課題を解決するため、この考案は、車両
ホイール用ころ軸受の転動体表面もしくは内外輪の転動
面、滑り面の少なくとも一つに、微小な独立したくぼみ
を無数にランダムに設け、このくぼみを設けた面粗さ
を、軸方向と円周方向のそれぞれを求めてパラメータRM
Sで表示したとき、軸方向面粗さRMS(L)と円周方向面
粗さRMS(C)との比RMS(L)/RMS(C)が1.0以下と
なり、合わせて面粗さのパラメータSK値が軸方向及び円
周方向の何れも−1.6以下となるようにした構成を採用
したものである。
〔作用〕
転動体表面もしくは内外輪の転動面、滑り面の少なく
とも一つを、ランダムな微小粗面に形成し、この微小粗
面の仕上げ面粗さパラメータRMSを軸方向(L)、円周
方向(C)で求め、その比RMS(L)/RMS(C)を1.0以
下とし、合わせてパラメータSK値を軸方向、円周方向と
も−1.6以下としたので、転動体と内外輪の接触部の油
膜形成率が向上し、トルクロスの低減、軸受温度上昇の
低減、ひいては焼付きを防止し、高速化対応が可能とな
り、予圧荷重のアップを可能にして高剛性化を図ること
ができる。
〔実施例〕
以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて説明す
る。
第1図は自動車のホイール部分の構造を示しており、
ドライブシャフト1に結合した等速ジョイント2のステ
ム3にハブ4を外嵌固定し、このハブ4に円すいころ軸
受5、5を介してナックル6が支持されている。
上記円すいころ軸受5は図示の場合、2個の単列円す
いころを対向状に組み合せ、その間にスペーサ7を介在
させた例を示している。
第2図は車両ホイール用ころ軸受5の具体的な断面構
造を示しており、多数の円すいころ転動体8を外輪9と
内輪10の間に組込み、保持器11で転動体8を一定の間隔
に配置している。
上記の円すいころ軸受5において、転動体8の表面も
しくは内輪10と外輪9の転動面及び内輪10の鍔10aの内
側滑り面の少なくとも一つが、ランダムな方向の微小粗
面aに形成されている。
この微小粗面aは、面粗さを各表面の軸方向と円周方
向のそれぞれを求めてパラメータRMSで表示したとき、
軸方向面粗さRMS(L)と円周方向面粗さRMS(C)の比
RMS(L)/RMS(C)を1.0以下、例えば、0.7〜1.0にす
ると共に、表面粗さのパラメータSK値が軸方向、円周方
向とも−1.6以下になっている。
上記のような微小粗面aの条件を得るための表面加工
処理は、特殊なバレル研磨によって、所望する仕上面を
得ることができる。
前記パラメータSK値とは、表面粗さの分布曲線の歪み
度(SKEWNESS)を指し、ガウス分布のような対象形分布
はSK値が0となるが、パラメータSK値を円周方向、軸方
向とも−1.6以下とした設定値は、表面凹部の形状、分
布が油膜形成に有利な範囲である。
次に、転動体8の表面に微小粗面aを施した円すいこ
ろ軸受B、Cと、転動体の表面を滑らかな面に仕上げた
従来の円すいころ軸受Aを用いて行なった寿命試験の結
果について説明する。
寿命試験に用いた円すいころ軸受A、B、Cは共に、
外輪の外径が72mm、内輪の内径が30mmの大きさである。
なお、従来の円すいころ軸受Aにおける転動体の表面
は、研削後にスーパーフィニッシュを施して加工され、
この考案に係る円すいころ軸受B、Cの転動体の表面は
バレル研磨特殊加工によって微小粗面aに形成されてい
る。
また、使用した試験装置は、第3図に概略図面で示し
たようなラジアル荷重試験機21を使用し、回転軸22の両
側に試験軸受A又はB、Cを取付け、回転と荷重を与え
て試験を行うものである。
また、試験条件は以下の通りである。
軸受ラジアル荷重 1800kgf 内輪回転数 3050rpm 潤滑剤 タービン油 以上の条件で各試験軸受に対して行なった転動体寿命
試験の結果を第4図に示す。
上記のような試験結果から明らかなように、従来の円
すいころ軸受Aに比べ、この考案の円すいころ軸受B、
Cは長寿命を示した。
また、上仕上面と粗面の転動のとき、上仕上面側にピ
ーリング損傷が見られることが多いが、この考案の試験
軸受B、Cにも認められなかった。
第5図と第6図は、試験軸受A、B、CのSK値、RMS
のL/Cと寿命(L10)を求めた結果を示している。
第5図の如く、SK値−1.6以下の試験軸受B、Cでは
長寿命を示している。
また、軸方向粗さRMS(L/C)は、第6図の如くバレル
研磨特殊加工軸受Cの1.0でも長寿命であることが判明
した。
次に上記試験条件下において、試験軸受A、B、Cの
ころと内輪転動面との組合せによるGrubinの式に基づく
油膜パラメータAの計算値を表1に示す。
一般に油膜パラメータと油膜形成率には第7図に示す
関係があり、寿命の観点からも油膜パラメータは大きい
方が良いと言われているが、寿命試験結果からも明らか
な通り、一概にAだけでは説明できない。
転動体仕上面の油膜形成状況の確認及び耐ピーリング
性について、2円筒の試験機を用いて、自由転がり条件
下で、この考案の試験軸受B及び試験軸受Aと同一の表
面状態の試験片を用いて加速ピーリング試験を行なっ
た。油膜形成状態の確認は、直流通電方式により行なっ
た。
試験条件 最大接触面圧 227f/mm2 周速 4.2m/sec(2000rpm) 潤滑剤 タービン油 繰り返し負荷回数 4.8×105(4hr) この試験による油膜の形成率は、第8図と第9図に示
す通りであり、この考案の試験軸受Bの仕上面の油膜形
成率は、試験軸受Aに比較して運転開始時で20%程度油
膜形成率が向上した。
また、繰り返し負荷回数1.2×105でほぼ完全に油膜を
形成することが確認された。
更に、試験軸受Aの仕上面では、長さ0.1mm程度のピ
ーリングの発生、進展が多数認められるのに対し、この
考案の試験軸受Bの仕上面では、損傷は認められなか
た。また、データは省略したが、軸受Cにおいても同様
な効果があり、ピーリングの発生、損傷は見られなかっ
た。
次に、円すいころ軸受の油膜形成状況を確認するため、
上記試験軸受AとBを用いて 行なった軸受回転トルク
の測定結果を第10図と第11図に示す。
なお、この考案の試験軸受Bにおける円すいころ転動
体8は、内輪10の鍔10aに接触する大径端面8aを含む外
面全体にランダムな微小粗面が形成されている。
第10図と第11図で明らかな如く、この考案の円すいこ
ろ軸受は、従来の標準軸受に比べ、回転トルクは30%程
低下する。特に油膜の形成しにくい低速、大荷重領域で
効果が大きい。
次に、上記試験軸受AとBを用い、微量潤滑油での耐
焼付性試験を行なった結果を第12図と第13図に示してい
る。
この耐焼付性試験は、Fa=800kgf、n=3000rpm、潤
滑ギヤ油1cc塗布の条件で、初期トルク値の二倍に達し
た時点で判定した結果であり、従来の試験軸受Aに比べ
てこの考案の試験軸受Bは略2倍の耐焼付性があること
がわかる。軸受Cにおいても同程度のトルク低減、耐焼
付性の効果が認められている。
〔効果〕
以上のように、この考案によると、車両ホイール用こ
ろ軸受における転動体と内外輪の接触面の少なくとも一
つの面をランダムな微小粗面に形成し、この微小粗面の
軸方向及び円周方向の粗さを一定範囲に抑えるようにし
たので、ランダムな微小粗面は油膜を形成しやすく、し
かも微小なくぼみが油溜りとなるため、転動体と内外輪
の接触部分の油膜形成が確実に行なえ、回転時のトルク
ロスを低減し、軸受の温度上昇を抑え、ひいては焼付き
の発生を防止し、高速化対応が可能になる。
また、予圧荷重のアップが可能になり、高剛性化で
き、耐久性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案に係る車両ホイール用ころ軸受の使用
状態を示す縦断面図、第2図はころ軸受の拡大断面図、
第3図は試験装置の概略図面、第4図は転動疲労寿命試
験の結果を示すグラフ、第5図はSK値と寿命の関係を示
すグラフ、第6図はRMS(L/C)値と寿命の関係を示すグ
ラフ、第7図は油膜パラメータと油膜形成率を示す関係
図、第8図と第9図は油膜形成率を示すグラフ、第10図
と第11図は従来の円すいころ軸受とこの考案の円すいこ
ろ軸受の回転トルクの測定結果を示すグラフ、第12図と
第13図は同じく耐焼付性試験の結果を示すグラフであ
る。 5……円すいころ軸受、8……転動体、9……外輪、10
……内輪、a……微小粗面。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両ホイール用ころ軸受の転動体表面もし
    くは内外輪の転動面、滑り面の少なくとも一つに、微小
    な独立したくぼみを無数にランダムに設け、このくぼみ
    を設けた面の面粗さを、軸方向と円周方向のそれぞれを
    求めてパラメータRMSで表示したとき、軸方向面粗さRMS
    (L)と円周方向面粗さRMS(C)との比RMS(L)/RMS
    (C)が1.0以下となり、合わせて面粗さのパラメータS
    K値が軸方向及び円周方向の何れも−1.6以下となるよう
    にした車両ホイール用ころ軸受。
JP1989113778U 1989-09-28 1989-09-28 車両ホイール用ころ軸受 Expired - Lifetime JPH087145Y2 (ja)

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