JPH0867717A - 軟質フッ素樹脂 - Google Patents

軟質フッ素樹脂

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JPH0867717A
JPH0867717A JP6204722A JP20472294A JPH0867717A JP H0867717 A JPH0867717 A JP H0867717A JP 6204722 A JP6204722 A JP 6204722A JP 20472294 A JP20472294 A JP 20472294A JP H0867717 A JPH0867717 A JP H0867717A
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JP
Japan
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fluorine
copolymer
vinylidene fluoride
mixture
tetrafluoroethylene
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JP6204722A
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Chikafumi Kawashima
親史 川島
Akira Ishihara
章 石原
Katsunori Kawamura
勝則 川村
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Central Glass Co Ltd
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Central Glass Co Ltd
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F259/00Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers of halogen containing monomers as defined in group C08F14/00
    • C08F259/08Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers of halogen containing monomers as defined in group C08F14/00 on to polymers containing fluorine
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F214/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen
    • C08F214/18Monomers containing fluorine
    • C08F214/186Monomers containing fluorine with non-fluorinated comonomers
    • C08F214/188Monomers containing fluorine with non-fluorinated comonomers with non-fluorinated vinyl ethers

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軟質フッ素樹脂の幹ポリマーの製造において
必須の原料である不飽和ペルオキシドの希釈溶媒を提供
し、安全な製造方法により得られる軟質フッ素樹脂を提
供する。 【構成】 含フッ素単量体と第3ブチルアルコールのカ
ルボン酸エステルに溶解した不飽和ペルオキシドを共重
合させ、分子内にペルオキシ結合を含有し、且つ融点が
130℃以上である含フッ素共重合体に、水性乳濁液ま
たは分散溶媒中で、ガラス転移温度が室温以下である重
合体を与える、少なくとも一種の含フッ素単量体を含む
一種以上の単量体を、グラフト共重合させた軟質フッ素
樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は改良された製造方法によ
る軟質フッ素樹脂に関し、より詳しくは分子内に二重結
合とペルオキシ結合を同時に有する単量体の安全な取扱
方法により製造された軟質フッ素樹脂に関する。
【0002】
【従来技術】フッ素樹脂は耐候性、耐薬品性、耐熱性等
に優れた機能性樹脂として、先端技術分野にはかかせな
い材料となっている。
【0003】従来からフッ素樹脂には、数多くのものが
知られており、それぞれの特徴を活かして広い分野で使
用されているが、特に柔軟性を要求される分野にはフッ
素ゴムが一般に使用され、ホース、ガスケット、各種シ
ール材、電線被覆材、ロール被覆材等の用途に向けられ
ている。しかしながらフッ素ゴムにおいては、その十分
な力学的性質を発現させるために、一般的には架橋剤、
充填材、安定剤等を生ゴムに加えて混練、成形した後、
所定の温度を与えて架橋処理を行なうことが必要であ
り、そのために加工工程が煩雑になる、あるいは製造す
る成形品の形状に制約がある、さらには架橋処理後のゴ
ムの再溶融加工が困難である等の問題点が指摘されてい
る。かかる現状に鑑み、フッ素系プラスチックの溶融加
工性および再溶融加工性を有した柔軟性のあるフッ素樹
脂の開発が望まれている。
【0004】このような溶融加工性と柔軟性を合せ持つ
フッ素樹脂は共重合あるいは樹脂ブレンド等の方法によ
り得られるが、モノマーの組合せによる単純な共重合で
は柔軟化させるとともに樹脂の融点が低下し、使用可能
温度が低温側に移行する、あるいは機械的特性が損なわ
れる等の欠点がある。また可塑剤、柔軟性を有する高分
子化合物などをブレンドする方法では、フッ素樹脂に相
溶性の良い可塑剤、柔軟高分子化合物で知られているも
のは少なく、相溶性が良好と言われているものでも、ブ
レンドした場合には、フッ素樹脂本来の性質が損なわれ
る場合が多い。
【0005】特殊な共重合の例として、フッ素ゴムセグ
メントと含フッ素結晶性樹脂セグメントをグラフト共重
合した含フッ素グラフト共重合体が、本発明者らにより
特開昭58−206615号公報に開示されているが、
この製造方法によれば熱溶融加工性を有する柔軟性のフ
ッ素樹脂が得られることが記載されている。
【0006】
【発明の解決しようとする課題】特開昭58−2066
15号に開示されている柔軟性を有するフッ素樹脂の製
造方法では、少なくとも一種の含フッ素単量体を含む一
種以上の単量体と分子内に二重結合とペルオキシ結合を
同時に有する単量体(以下、「不飽和ペルオキシド」と
いう。)とをラジカル共重合せしめて幹ポリマーとなる
含フッ素弾性共重合体を製造することを第一段階として
いるが、この方法の実際の適用にあたっては、不飽和ペ
ルオキシドの共重合溶媒への分散性ならびに取り扱い時
の安全性の観点から、不飽和ペルオキシドを可溶な溶媒
に溶解して使用することが望ましい。その例としては、
特開昭3−269008号公報に1,1,2−トリクロ
ロトリフルオロエタンにt−ブチルペルオキシアリルカ
ーボネートを溶解して使用することが記載されている。
【0007】一般にかかるペルオキシドの溶媒として
は、1,1,2−トリクロロトリフルオロエタンなどの
著しく不活性な溶媒またはトルエン、イソパラフィン等
の炭化水素系化合物が用いられるが、幹ポリマーの共重
合に炭化水素系の溶剤に溶かした不飽和ペルオキシドを
使用すると、開始剤ラジカルあるいはモノマーラジカル
が溶媒に連鎖移動することにより、共重合反応が初期で
停止する結果、共重合体の収率あるいは分子量が極端に
低下する等の不具合を生じることがある。一方、好まし
いとされる前記1,1,2−トリクロロトリフルオロエ
タンは、特定フロンとしてその使用が規制されつつある
ので、それに代わる溶媒が求められている。
【0008】そこで、本発明は、軟質フッ素樹脂の幹ポ
リマーの製造において必須の原料である不飽和ペルオキ
シドの稀釈溶媒を提供し、具体的には安全な軟質フッ素
樹脂の幹ポリマーの製造方法を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、少なくと
も一種の含フッ素単量体を含む一種以上の単量体と不飽
和ペルオキシドを共重合させて軟質フッ素樹脂の幹ポリ
マーとなる含フッ素共重合体を製造する際に、取扱の安
全性、重合溶媒への分散性を確保するために使用する不
飽和ペルオキシドの溶媒について、不飽和ペルオキシド
の溶解度および保存安定性ならびに共重合に与える影響
の面から種々検討を加えた結果、第3ブチルアルコール
(t−ブチルアルコール、t−ブタノール)のカルボン
酸エステルがその何れの条件をも満足し得ることを見出
し本発明を完成した。
【0010】一般にカルボン酸エステルは本発明に使用
する不飽和ペルオキシドの溶解性が高く、共重合溶媒へ
の分散性、溶解性も良好であるが、第3ブチルアルコー
ルのカルボン酸エステル以外は比較的加水分解を起こし
やすく共重合反応の進行中に分解生成物が生じ、あるい
はカルボン酸エステルの種類によっては溶媒への連鎖移
動が起こりラジカル反応が停止したり、あるいは重合速
度が著しく低下する等の問題を生じる場合がある。
【0011】ところが、意外にも、第3ブチルアルコー
ルのカルボン酸エステルは、加水分解ならびに連鎖移動
が全く起こらないか、もしくは事実上問題とならない程
度に過ぎないという特異性を見出したものである。
【0012】本発明に使用する不飽和ペルオキシドを溶
解する溶媒である第3ブチルアルコールのカルボン酸エ
ステルとしては、ギ酸t−ブチル、酢酸t−ブチル、ク
ロロ酢酸t−ブチル、クロロギ酸t−ブチル、トリフル
オロ酢酸t−ブチルなどを例示することができ、酢酸t
−ブチルが最も好ましい。これらの溶媒は2種以上を併
せて使用することもできる。また、これらの溶媒の性質
を変えることのない範囲で他の溶媒を添加することも可
能である。そのような溶剤としては、ラジカル反応にお
いて連鎖移動の比較的小さなものが好ましく使用でき、
例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、
プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどのエステ
ル類、塩化メチレン、1,1,1−トリクロロエタン、
1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンなどの塩素系溶
媒、パーフルオロポリエーテル類、大略─30℃〜使用
温度で液体である炭素数2〜5の塩素不含有のフッ素化
アルカン類などを挙げることができる。
【0013】本発明において共重合に使用する際の不飽
和ペルオキシド/溶媒比は重量比で95/5〜5/95
の範囲であり、80/20〜50/50がより好まし
い。この溶媒は、本来重合反応においては不必要なもの
であるので反応系への添加量は可能な限り少ない方が好
ましく、不飽和ペルオキシドの濃度は安定に溶解可能な
最大の濃度であることが望ましい。不飽和ペルオキシド
/溶媒比の重量比が95/5より大きいと稀釈効果が得
られず、他方、不飽和ペルオキシド/溶媒比の重量比が
5/95より小さいと重合反応に影響を与える場合があ
るので好ましくない。
【0014】本発明において含フッ素単量体と共重合さ
せる不飽和ペルオキシドは、特に限定されないが、具体
的に例示すれば、不飽和ペルオキシエステルとしては、
t−ブチルペルオキシメタクリレート、ジ(t−ブチル
ペオキシ)フマレート、t−ブチルペルオキシクロトネ
ートなどが挙げられ、不飽和ペルオキシカーボネートと
しては、t−ブチルペルオキシアリルカーボネート、t
−ヘキシルペルオキシアリルカーボネート、1,1,
3,3−テトラメチルペルオキシアリルカーボネート、
t−ブチルペルオキシメタリルカーボネート、1,1,
3,3−テトラメチルブチルペルオキシメタリルカーボ
ネート、p−メンタンペルオキシアリルカーボネート、
p−メンタンペルオキシメタリルカーボネート等が例示
できる。これらのうち、t−ブチルペルオキシアリルカ
ーボネートを最も好ましいものとして挙げることができ
る。また、これらは一種以上を併せて使用することもで
きる。
【0015】本発明でいう含フッ素単量体は、分子中に
1個以上のフッ素原子を有し、かつ重合性の二重結合を
持つ化合物であればよいが、特にエチレン、プロピレン
またはブテンの水素原子の一部または全部がハロゲン原
子で置換された化合物が好ましい。この様な化合物を例
示すると、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフル
オロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフ
ルオロプロピレン、テトラフルオロエチレンなどを挙げ
ることができる。
【0016】この様な含フッ素単量体から得られる融点
が130℃以上である結晶性重合体を与える含フッ素単
量体またはその組成物は、とくに限定する必要はない
が、例えば、テトラフルオロエチレン、クロロトリフル
オロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、テト
ラフルオロエチレン−エチレン混合物、クロロトリフル
オロエチレン−エチレン混合物、テトラフルオロエチレ
ン−含フッ素ビニルエーテル混合物、フッ化ビニリデン
−テトラフルオロエチレン混合物、フッ化ビニリデン−
クロロトリフルオロエチレン混合物、フッ化ビニリデン
−ヘキサフルオロプロピレン混合物、フッ化ビニリデン
−トリフルオロエチレン混合物、フッ化ビニリデン−ヘ
キサフルオロアセトン混合物、フッ化ビニリデン−テト
ラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン混合物
などをあげることができる。
【0017】本発明の含フッ素共重合体は、その分子内
にペルオキシ結合を有し、且つその融点が130℃以上
である結晶性重合体であることを特徴する。本発明にお
いては、含フッ素単量体と共重合させる不飽和ペルオキ
シドの量は、当該単量体に対して0.05〜20重量部
の範囲が好ましく、この範囲以下の場合には、第2段階
において効率的に枝ポリマーが生成しないし、多くなる
と幹ポリマーが具備している性質を発揮できなくなる等
の不都合を生じる。
【0018】本発明の含フッ素共重合体の製造方法は特
に限定されず、高分子重合反応の分野で通常行なわれて
いるラジカル重合開始剤を使用する乳化重合、懸濁重
合、溶液重合のいずれの形態も採用することができる。
【0019】ラジカル重合開始剤としては、不飽和ペル
オキシドの分解温度よりも低い温度でラジカルを発生す
る必要があるので、不飽和ペルオキシドの選択により異
なるが、例えば、分解の活性化エネルギーが26〜33
kcal/molの過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイ
ル、次亜硝酸t−ブチル、アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロ
ヘキサンカルボニトリル、過硫酸カリウム、過硫酸アン
モニウムなど、また、同15〜26kcal/molの
過酸化水素−鉄(II)塩、過硫酸塩−亜硫酸水素ナト
リウム、クメンヒドロペルオキシド−鉄(II)塩、過
酸化ベンゾイル−ジメチルアニリンなど、ジイソプロピ
ルペルオキシジカーボナート、ジシクロヘキシルペルオ
キシジカーボナートなど、同15kcal/molの過
酸化物(過酸化水素、ヒドロペルオキシドなど)−金属
アルキル(トリエチルアルミニウム、トリエチルホウ
素、ジエチル亜鉛など)、酸素−金属アルキルなどを非
制限的に挙げることができる。
【0020】重合溶媒としては、乳化重合、懸濁重合の
場合、水またはアルコール類などの水溶性溶剤を含む水
を主とする媒体を使用するが、溶液重合では連鎖移動の
起こり難い溶媒が選択される。
【0021】重合温度、重合時間はおもに開始剤の種類
に依存し、0〜90℃の範囲で1〜50時間程度であ
る。一方重合圧力は重合方法、原料の供給方法、単量体
の種類に依存するが、常圧から100Kgf/cm2
度である。
【0022】重合終了後の反応液を、開始剤、溶媒、未
反応単量体などを除くための塩析、洗浄、乾燥などの処
理に付し精製された含フッ素共重合体を得ることができ
る。本発明の軟質フッ素樹脂に必須の枝ポリマーを与え
る含フッ素単量体の共単量体は、特に限定されず、エチ
レン、プロピレン、ブテンなどの炭化水素系オレフィ
ン、ブタジエンなどの炭化水素系の共役ジエン、含フッ
素ビニルエーテルなどを例示することができる。
【0023】具体的に、本発明において好ましいフッ素
ゴムの特性を有する共重合体を与える組み合わせを例示
すれば、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレ
ン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テ
トラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−クロロトリ
フルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−プロピレ
ン、テトラフルオロエチレン−含フッ素ビニルエーテ
ル、炭化水素系の共役ジエン−含フッ素単量体などを挙
げることができる。これらの組成比は目的とする含フッ
素共重合体の機械的特性、特に柔軟性に基づいて当該分
野の知識を基に適宜選択することができ、例えば、フッ
化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレンの場合、フ
ッ化ビニリデンが50〜85モル%をゴム弾性を呈する
好ましい範囲として示すことができる。
【0024】本発明の含フッ素共重合体の枝ポリマーの
幹ポリマーへの重量比は目的に応じて適宜選択するが2
0/100〜100/100であり、40/100〜8
0/100が好ましい。これらの成分比は限定的なもの
ではなく軟質フッ素樹脂が目的とする物性により適宜変
更できるが機械的強度と柔軟性のバランスから上記範囲
が多く採用される。
【0025】幹ポリマーへのグラフト共重合の方法は、
幹ポリマーの有するペルオキシ基を開始基とするため別
に開始剤を添加しない点を除けば通常のグラフト重合法
と同様である。例えば、含フッ素共重合体をホモジナイ
ザーなどの微粒化装置を用いて重合反応器へ反応媒体と
ともに導入し、単量体およびその他の副資材を添加した
後、攪拌しながら温度を調節して反応を開始し所定時間
継続する。重合形態としては、水系媒体もしくは有機溶
媒からなる水性乳濁液または分散溶媒中での反応であ
る。水系溶媒としては、水を主成分として10重量%未
満の水溶性溶剤を添加したものが使用される。この水溶
性溶媒としては特に限定されないがアルコール類、例え
ば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−
プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、
t−ブタノールなど、ケトン類、例えば、アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケト
ン類などを挙げるとができる。また、その他の副資材、
例えば、連鎖移動剤、開始剤の分解促進剤、乳化剤、分
散安定剤などを目的に応じて使用することもできる。
【0026】有機溶媒としては、幹ポリマーを程よく膨
潤させ、攪拌により幹ポリマーのある程度の微細化が図
れ、しかもグラフト共重合により生成したグラフト共重
合体は膨潤しないで濾別し易いものが好ましい。このよ
うな有機溶媒としては、フロン系溶媒として知られるも
のが好ましく、具体的には1,1,2−トリクロロトリ
フルオロエタン、1,1−ジクロロテトラフルオロエタ
ンなどが挙げられる。しかしながら、かかるフロン系溶
媒は特定フロンとして規制されているので、それに代わ
るものとして、所謂代替フロン類の使用も可能である。
代替フロンとしては多様な種類のものがあるが沸点が0
〜100℃程度のものが良く、例えば、1,1−ジクロ
ロ−1−フルオロエタン、1,3−ジクロロ−1,1,
2,2,3−ペンタフルオロプロパン、3,3−ジクロ
ロ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパンなど
を例示できるがこれらに限られない。その他の有機溶媒
として好ましいものを挙げれば、t−ブタノール−酢酸
エチル、t−ブタノール−1,1,1−トリクロロエタ
ン、t−ブタノール−酢酸エチル−水、t−ブタノール
−1,1,1−トリクロロエタン−水などの混合溶媒系
を例示することができる。
【0027】重合温度、重合時間はおもに不飽和ペルオ
キシドの種類に依存し、50〜120℃の範囲で1〜5
0時間程度となるように調整することが好ましい。一方
重合圧力は重合方法、原料の供給方法、単量体の種類に
依存するが、通常、常圧から100Kgf/cm2程度
である。
【0028】重合終了後の反応液を、開始剤、溶媒、未
反応単量体などを除くための塩析、洗浄、乾燥などの処
理に付し精製された軟質フッ素樹脂を得ることができ
る。
【0029】
【実施例】以下に実施例をもって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限られるものではな
い。
【0030】実施例1 50気圧に耐える2L容量のステンレス製オートクレー
ブに1,1,2−トリクロロトリフルオロエタン100
0g、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート 3g
および不飽和ペルオキシドとしてt−ブチルペルオキシ
アリルカーボネートの酢酸t−ブチル溶液(t−ブチル
ペルオキシアリルカーボネートの濃度:70重量%)
7.1gを加え、排気後クロロトリフルオロエチレンモ
ノマー500gを仕込み攪拌しながら40℃の温度で2
0時間重合反応を行なった。生成物を溶媒から分離した
後洗浄、乾燥して白色粉末の共重合体328gを得た。
共重合体の収率は65.0%であった。
【0031】この共重合体のDSC曲線はペルオキシ基
の分解に基づく発熱ピークを160〜180℃に有して
おり、共重合体の融点は198℃と測定された。またヨ
ウ素滴定法により共重合体の活性酸素量は0.094%
と測定された。
【0032】次の段階で前記共重合体150gと1,
1,2−トリクロロトリフルオロエタン500gを50
気圧に耐える1L容量のステンレス製オートクレーブに
加え、排気後フッ化ビニリデンモノマー59gおよびヘ
キサフルオロプロピレンモノマー41gを仕込み、95
℃の温度で24時間重合を行なった。生成したポリマー
を溶媒から分離した後乾燥して、250gの白色粉末を
得た。DSC測定の結果2段階目の重合で生成した樹脂
のガラス転移温度Tgは−19℃であった。また得られ
たポリマーを4インチ2本ロール(ロール温度190
℃)で混練し、その後プレス成形(プレス機温度210
℃)して1mm厚のシートを作成したところ白色の柔軟性
のあるものが得られた。
【0033】このシートの23℃における破断強度、破
断伸び率、引張弾性率、硬度ならびに220℃、100
Kgf/cm2の圧力下で測定した溶融粘度を測定し表1に示
した。 〔物性測定方法〕 1)破断強度、破断伸び率の測定 JIS K6301に規定された方法に準じ、1mm厚の
シートから打ち抜いた3号ダンベル型のテストピースを
引張試験機(島津製作所(株)製オートグラフ)にて2
3℃で200mm/分の引張速度で測定した。 2)引張弾性率 1mm厚のシートから10mm×125mmの短冊状試験片を
切出し、チャック間距離が100mmになるように引張試
験機に取り付け、23℃で10mm/分の引張速度で伸び
と応力の関係を表す曲線を得た。この曲線の初期の立上
がり勾配から引張弾性率(応力/伸び率)を算出した。
この値は小さいほうが柔軟性は高い。 3)硬度(ショアーD硬度) 1mmシートを4枚重ね、ASTMD2240に準じて測
定した。 4)溶融粘度 島津製作所(株)製高化式フローテスターを用い、グラ
フト共重合樹脂を200℃に加熱されたシリンダーに充
填し、5分間予熱した後、100Kgf/cm2の圧力で1mm
φ×10mmLのオリフィスから押出した時の流量から溶
融粘度を算出した。
【0034】
【表1】
【0035】実施例2 50気圧に耐える2L容量のステンレス製オートクレー
ブに純水560g、t−ブタノール240g、四ホウ酸
ナトリウム 2g、ジ−n−プロピルペルオキシジカー
ボネート 1.7gおよび 不飽和ペルオキシドとしてt
−ブチルペルオキシアリルカーボネートの酢酸t−ブチ
ル溶液(t−ブチルペルオキシアリルカーボネートの濃
度:70重量%)3.4gを加え、排気後クロロトリフ
ルオロエチレンモノマー233g、フッ化ビニリデンモ
ノマー 5.5gを仕込み、40℃の温度で20時間重
合を行なった。生成物を溶媒から分離した後洗浄、乾燥
して白色粉末の共重合体162gを得た。共重合体の収
率は67.1%であった。
【0036】この共重合体のDSC曲線はペルオキシ基
の分解に基づく発熱ピークを160〜180℃に有して
おり、共重合体の融点は193℃と測定された。またヨ
ウ素滴定法により共重合体の活性酸素量は0.082%
と測定された。
【0037】次の段階で前記共重合体150gと1,
1,2−トリクロロトリフルオロエタン500gを50
気圧に耐える1L容量のステンレス製オートクレーブに
加え、排気後フッ化ビニリデンモノマー50gとクロロ
トリフルオロエチレンモノマー30.5gを仕込み、9
5℃の温度で24時間重合を行なった。生成したポリマ
ーを溶媒から分離した後乾燥して、205gの白色粉末
を得た。DSC測定の結果2段階目の重合で生成した樹
脂のガラス転移温度Tgは−24℃であった。また得ら
れたポリマーを4インチ2本ロール(ロール温度190
℃)で混練し、その後プレス成形(プレス機温度210
℃)して1mm厚のシートを作成したところ白色の柔軟性
のあるものが得られた。
【0038】このシートの23℃における破断強度、破
断伸び率、引張弾性率、硬度ならびに220℃、100
Kgf/cm2の圧力下で測定した溶融粘度を測定し表1に示
した。
【0039】参考例1 実施例1の第一段階の重合で使用する不飽和ペルオキシ
ドとして酢酸t−ブチル溶液の代わりにt−ブチルペル
オキシアリルカーボネートの純品(純度:98% 残り
はt−ブタノールおよびアリルアルコール)を使用した
他は実施例1と同様に軟質フッ素樹脂を製造した。
【0040】第一段階で製造した共重合体の収量は31
3g、共重合体の活性酸素量は0.093%,融点は1
98℃と測定された。また第2段階でのポリマー収量は
257g、ガラス転移温度は−23℃と測定された。第
一段階の共重合体収率(62.0%)および軟質フッ素
樹脂の物性を表1に示した。
【0041】比較例1 実施例2の第一段階の重合で使用する不飽和ペルオキシ
ドとしてt−ブチルペルオキシアリルカーボネートのト
ルエン溶液(t−ブチルペルオキシアリルカーボネート
の濃度:70%)を同量使用した他は実施例1と同様に
第一段階の重合を実施したが、共重合体の収率が8.2
%と極端に低く、第2段階の重合は行なわなかった。
【0042】
【発明の効果】本発明の含フッ素共重合体を製造する方
法によると、単体では取扱の困難な不飽和ペルオキシド
を溶液の形態で保存でき、軟質フッ素樹脂の幹ポリマー
となる含フッ素共重合体の合成において、不飽和ペルオ
キシドの分散性がよく、しかも、重合収率、共重合性、
分子量などに悪影響を及ぼすことがないため、単体同様
の効果を発揮しながら安全に重合反応を行なえるという
効果を奏する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一種の含フッ素単量体を含む一
    種以上の単量体と、第3ブチルアルコールのカルボン酸
    エステルに溶解した分子内に二重結合とペルオキシ結合
    を同時に有する単量体とをラジカル共重合せしめて得ら
    れる共重合体であって、その分子内にペルオキシ結合を
    含有し、且つ融点が130℃以上である含フッ素共重合
    体。
  2. 【請求項2】少なくとも一種の含フッ素単量体を含む一
    種以上の単量体が、テトラフルオロエチレン、クロロト
    リフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニ
    ル、テトラフルオロエチレン−エチレン混合物、クロロ
    トリフルオロエチレン−エチレン混合物、テトラフルオ
    ロエチレン−含フッ素ビニルエーテル混合物、フッ化ビ
    ニリデン−テトラフルオロエチレン混合物、フッ化ビニ
    リデン−クロロトリフルオロエチレン混合物、フッ化ビ
    ニリデン−ヘキサフルオロプロピレン混合物、フッ化ビ
    ニリデン−トリフルオロエチレン混合物、フッ化ビニリ
    デン−ヘキサフルオロアセトン混合物またはフッ化ビニ
    リデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロ
    ピレン混合物であることを特徴とする請求項1記載の含
    フッ素共重合体。
  3. 【請求項3】第3ブチルアルコールのカルボン酸エステ
    ルがギ酸t−ブチル、酢酸t−ブチル、クロロ酢酸t−
    ブチル、クロロギ酸t−ブチル、トリフルオロ酢酸t−
    ブチルから選ばれる一種以上であることを特徴とする請
    求項1記載の含フッ素共重合体。
  4. 【請求項4】分子内に二重結合とペルオキシ結合を同時
    に有する単量体がt−ブチルペルオキシメタクリレー
    ト、ジ(t−ブチルペオキシ)フマレート、t−ブチル
    ペルオキシクロトネート、t−ブチルペルオキシアリル
    カーボネート、t−ヘキシルペルオキシアリルカーボネ
    ート、1,1,3,3−テトラメチルペルオキシアリル
    カーボネート、t−ブチルペルオキシメタリルカーボネ
    ート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ
    メタリルカーボネート、p−メンタンペルオキシアリル
    カーボネート、p−メンタンペルオキシメタリルカーボ
    ネートから選ばれる一種以上であることを特徴とする請
    求項1記載の含フッ素共重合体。
  5. 【請求項5】水性乳濁液または分散溶媒中で、請求項1
    〜4記載の含フッ素共重合体にガラス転移温度が室温以
    下である重合体を与える、少なくとも一種の含フッ素単
    量体を含む一種以上の単量体を、グラフト共重合させた
    軟質フッ素樹脂。
  6. 【請求項6】ガラス転移温度が室温以下である重合体
    が、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重
    合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−
    テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−
    クロロトリフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロ
    エチレン−プロピレン共重合体、テトラフルオロエチレ
    ン−含フッ素ビニルエーテル共重合体または炭化水素系
    の共役ジエン−含フッ素単量体の共重合体から選ばれた
    重合体であることを特徴とする請求項5記載の軟質フッ
    素樹脂。
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