JPH0867247A - 車両用ブレーキ装置 - Google Patents
車両用ブレーキ装置Info
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- JPH0867247A JPH0867247A JP20730494A JP20730494A JPH0867247A JP H0867247 A JPH0867247 A JP H0867247A JP 20730494 A JP20730494 A JP 20730494A JP 20730494 A JP20730494 A JP 20730494A JP H0867247 A JPH0867247 A JP H0867247A
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Abstract
量器13が電気ブレーキ装置4で発生させるべき電気ブ
レーキ力を指令し、実際に生じている電気ブレーキ力に
応じた信号と常用ブレーキ指令信号の差分をブレーキ受
量器13が補足空気ブレーキ指令信号としてブレーキ制
御装置6に出力し、それに応じてブレーキ制御装置6が
戻しばね付のブレーキシリンダ7に補足空気ブレーキ力
を供給するようにした車両用ブレーキ装置において、常
用ブレーキ指令信号と補足空気ブレーキ指令信号とが同
一となった場合、ブレーキ受量器13が上記戻しばねの
ばね圧相当分だけ補足空気ブレーキ指令信号を増量して
出力するもの。 【効果】 電気ブレーキ装置4の失効等により電気ブレ
ーキ力が作用しなくなった時に、補足空気ブレーキ力が
戻しばねのばね圧分だけ増加されることにより、確実な
制動が行われる。
Description
に、駆動機構を有するモータ車と、被牽引車であるトレ
ーラ車とを含む複数両の鉄道車両からなる編成ユニット
において、トータルブレーキ力を優先的にモータ車に設
けた電気ブレーキ装置の電気ブレーキ力により賄い、こ
の電気ブレーキ力の不足分を補足空気ブレーキ力により
補うようにした車両用ブレーキ装置に関するものであ
る。
F(Variable Voltage Variable Fre-quency) インバー
タ制御等による電気ブレーキ装置を設けた車両用ブレー
キ装置において、常用ブレーキでは、上記電気ブレーキ
装置による電気ブレーキ力を優先して使用し、低ノッチ
域においてはトレーラ車のブレーキ力をも上記電気ブレ
ーキ力により賄い、高ノッチ域において、上記電気ブレ
ーキ力のみではトータルブレーキ力が不足する場合、そ
の不足分をトレーラ車に設けたブレーキシリンダに供給
されている空気ブレーキ力にて補足させる、いわゆる、
遅れ込め制御を行って、上記電気ブレーキ装置の利用効
率を高めることが知られている。
キ装置において、モータ車としての車両B及び、トレー
ラ車としての車両A、Cの3両から編成ユニットを構成
した場合を図4に示す。同図において、運転台に設けら
れたブレーキ指令器1から常用ブレーキ指令線2を介し
て常用ブレーキ指令信号が出力されると、図5に示すよ
うに、ブレーキ受量器3において、この常用ブレーキ指
令信号Nが受信され(S1)、続いて、常用ブレーキ指
令信号N及び応荷重信号Lに基づき、編成ユニットのト
ータルブレーキ力が算出されて(S2)、当該ユニット
ブレーキ力に応じた電気ブレーキ指令信号Mが電気ブレ
ーキ装置4に送信される(S3)。
令信号Mを受信すると、続いて、電気ブレーキ装置4か
らブレーキ受量器3に、電気ブレーキ装置4で実際に生
じている電気ブレーキ力に応じた電気ブレーキ等価信号
Eが送信され、ブレーキ受量器3では当該電気ブレーキ
等価信号Eと上記編成ユニットのトータルブレーキ力と
の差分に基づいて、各車両A、B、Cのブレーキシリン
ダ7(後述)に供給すべき補足空気ブレーキ力が算出さ
れ、算出された補足空気ブレーキ力に対応した補足空気
ブレーキ指令信号Iaが各車両A、B、Cに対して出力
される(S4)。そして、この補足空気ブレーキ指令信
号Iaが、アナログ/デジタル変換(以下、A/D変換
という)された後(S5)、図4の補足空気ブレーキ指
令線5を介して、各車両A、B、Cのブレーキ制御装置
6に送信される。
信号Idは、ここでは、3ビット、7段階のステップ
(0レベルを含めて8段階)に変化するものであり、各
車両A、B、Cのブレーキ制御装置6毎に、上記3ビッ
トに対応してそれぞれ3本の補足空気ブレーキ指令線5
が設けられている。上記補足空気ブレーキ指令信号Id
は、最大のステップ“7”で、所望の減速度が得られる
ように設定され、且つステップ“1”からステップ
“7”まで順次ステップ数が増すに伴ってブレーキシリ
ンダ7に供給するブレーキシリンダ圧力が等分比例して
増加して行くように設定されている。
き、各ブレーキ制御装置6から、各車両のブレーキシリ
ンダ7に、必要な補足空気ブレーキ力に対応した作動圧
(空気圧)が供給され、各車両A、B、Cが、ブレーキ
シュー8を有する各ブレーキシリンダ7により制動され
る。ここで、上記電気ブレーキ装置4の失効等の事情に
より、電気ブレーキ力が作用しなくなると、上記補足空
気ブレーキ力のみで各車両の制動が行われることにな
る。なお、上記応荷重信号Lは乗客等を含めた車両の全
重量に対応する信号であって、乗客の多寡等による車両
の全重量の変動に応じて、上記電気ブレーキ力及び補足
空気ブレーキ力の和であるトータルブレーキ力を増減す
るために用いられる。
ブレーキシリンダ7の非作動時に制輪子(ブレーキシュ
ー)と車輪との間に間隙を設けるための機械式の戻しば
ねが備えられているので、ブレーキシリンダ7に供給さ
れる作動圧の内、上記戻しばねのばね圧に対応する圧力
は無効圧となる。
効圧Rはハッチングで示すように、上記補足空気ブレー
キ指令信号Idのステップ“1”からステップ“7”の
各ステップにおいてほぼ一定であり、従って、上記補足
空気ブレーキ指令信号Idが高ステップの信号である場
合、作動圧中に無効圧Rの占める割合は僅かであるが、
補足空気ブレーキ指令信号Idが低ステップの信号であ
る場合、すなわち上記ブレーキシリンダ7に供給される
補足空気ブレーキシリンダ圧力が比較的小さい場合、作
動圧中に無効圧Rの占める割合は相対的に大きくなる。
る実際の補足空気ブレーキ力が上記無効圧分だけ低下す
るため、上記補足空気ブレーキ指令信号Idのステップ
数の増加に伴う実際の補足空気ブレーキ力の増加が、等
分比例して増加する関係ではなくなり、操作性が低下す
る問題がある。また、電気ブレーキ装置4の失効により
トータルブレーキ力がブレーキシリンダ7の補足空気ブ
レーキ力のみで賄われ、且つ必要とされる補足空気ブレ
ーキ力が比較的小さい場合、特に補足空気ブレーキ指令
信号Idが最低段階のステップ“1”の場合、ブレーキ
シリンダ7における実際の補足空気ブレーキ力がブレー
キ受量器3で算出された要求値より大幅に低下し、所望
のブレーキ力が確保できなくなる不具合がある。
め、請求項1に係る車両用ブレーキ装置は、モータ車及
びトレーラ車を含む複数車両からなる編成ユニットのト
ータルブレーキ力を優先的に上記モータ車に設けた電気
ブレーキ装置の電気ブレーキ力により賄い、この電気ブ
レーキ力の不足分を補足空気ブレーキ力により補うよう
に構成され、常用ブレーキ指令信号を受信し、この常用
ブレーキ指令信号に基づいて上記電気ブレーキ装置に電
気ブレーキ指令信号を出力し、上記電気ブレーキ装置か
ら送信される電気ブレーキ等価信号と上記常用ブレーキ
指令信号との差分を演算し、この差分を補足空気ブレー
キ指令信号として出力するブレーキ受量器と、上記ブレ
ーキ受量器からの補足空気ブレーキ指令信号に基づい
て、戻しばね付のブレーキシリンダに補足空気ブレーキ
力を出力するブレーキ制御装置とを備えた車両用ブレー
キ装置において、上記常用ブレーキ指令信号と上記補足
空気ブレーキ指令信号とが同一となった時、上記ブレー
キ受量器が上記補足空気ブレーキ指令信号を、前記戻し
ばねのばね力相当分だけ増加して、出力するように構成
されていることを特徴とするものである。
は、上記請求項1の構成において、上記常用ブレーキ指
令信号と上記補足空気ブレーキ指令信号とが同一とな
り、且つ上記常用ブレーキ指令信号が低出力の時、上記
ブレーキ受量器が上記補足空気ブレーキ指令信号を、前
記戻しばねのばね力相当分だけ増量して、出力するよう
に構成されていることを特徴とするものである。
記請求項1または2の構成において、上記常用ブレーキ
指令信号及び上記補足空気ブレーキ指令信号はそれぞれ
複数段階の信号であり、上記ブレーキ受量器は上記電気
ブレーキ装置からの上記電気ブレーキ等価信号または電
気ブレーキ有効信号に基づいて上記電気ブレーキ装置の
作動状態を判定する第1判定部と、上記常用ブレーキ指
令信号が複数段階の内、いずれの段階の出力であるかを
判定する第2判定部と、上記第1判定部により電気ブレ
ーキ等価信号または電気ブレーキ有効信号が存在しない
ものと判定され、且つ上記第2判定部により上記常用ブ
レーキ指令信号が複数段階の内、低段階の信号であると
判定された時のみ上記補足空気ブレーキ指令信号を、前
記戻しばねのばね力相当分を加味して所定段階だけ上の
段階の信号に増量させる増量部とを備えているものであ
る。
キ装置の失効等の事情で、上記電気ブレーキ力が作用し
なくなり、従って、上記常用ブレーキ指令信号と上記補
足空気ブレーキ指令信号とが等しくなって、上記補足空
気ブレーキ力のみで車両の制動を行わねばならない場
合、上記ブレーキ受量器が上記補足空気ブレーキ指令信
号を、前記戻しばねのばね力相当分だけ増量して、出力
するようにしたので、上記補足空気ブレーキ力が上記戻
しばねのばね力相当分だけ増量され、この増量分が上記
戻しばねのばね力を相殺することになり、その結果、上
記ブレーキシリンダにおいて、上記戻しばねによる無効
圧の存在にかかわらず、所定の制動力が得られるように
なる。
キ力が作用しない場合において、上記ブレーキシリンダ
における作動圧中に上記無効圧の占める割合が高くなる
のは、上記常用ブレーキ指令信号が低出力の時であるこ
とを考慮して、上記常用ブレーキ指令信号が低出力の時
のみ上記補足空気ブレーキ指令信号を増量させるように
したものである。
レーキ指令信号及び上記補足空気ブレーキ指令信号が複
数段階の信号である場合において、上記常用ブレーキ指
令信号が複数段階の内、低段階の信号である時のみ、上
記ブレーキ受量器が上記補足空気ブレーキ指令信号を所
定段階だけ上の段階の信号に増量して出力するようにし
たものである。
1判定部により、上記電気ブレーキ装置からの電気ブレ
ーキ等価信号(電気ブレーキ装置で実際に生じている電
気ブレーキ力に対応する信号)または電気ブレーキ有効
信号(上記電気ブレーキ等価信号が存在しない時
“0”、存在する時“1”となる2値信号)に基づい
て、上記電気ブレーキ装置の作動状態を判定すると共
に、上記第2判定部により上記常用ブレーキ指令信号が
複数段階の内、いずれの段階の信号であるかを判定し
て、上記電気ブレーキ力が存在せず、且つ上記常用ブレ
ーキ指令信号が複数段階の内、低段階の信号である時の
み、上記増量部により上記補足空気ブレーキ指令信号を
所定段階だけ上の段階の信号に増量するようにしてい
る。
明する。本実施例の車両用ブレーキ装置は、図4の従来
例におけるブレーキ受量器3が、以下で述べるブレーキ
受量器13で置換されている以外は、基本的に上記従来
例と同様に構成されており、ここでは、編成ユニットは
モータ車としての車両B及び、トレーラ車としての車両
A、Cの3両からなる。
成及び信号処理手順を示す。図4のブレーキ指令器1か
ら常用ブレーキ指令線2を介して送信される常用ブレー
キ指令信号Nがブレーキ受量器13により受信される
(S11)。この常用ブレーキ指令信号Nは3ビット、
7段階(0レベルを含めて8段階)のデジタル信号、つ
まり、ステップ“1”〜“7”のいずれかの信号として
供給される。上記常用ブレーキ指令信号Nがステップ
“1”であれば、要求されるトータルブレーキ力は最小
であり、ステップ数の増加に伴って、要求されるトータ
ルブレーキ力が増加し、常用ブレーキ指令信号Nがステ
ップ“7”の時、要求されるトータルブレーキ力は最大
となる。
応荷重信号Lとに基づいて、編成ユニットのトータルブ
レーキ力が演算され(S12)、演算された電気ブレー
キ力に応じた電気ブレーキ指令信号Mが上記電気ブレー
キ装置4に出力される(S13)。
キ受量器13に、電気ブレーキ装置4で実際に生じてい
る電気ブレーキ力に応じた電気ブレーキ等価信号E(図
3参照)が送信され、ブレーキ受量器13でこの電気ブ
レーキ等価信号Eと、上記ブレーキ指令器1からの常用
ブレーキ指令信号Nとの差分が演算されて、上記電気ブ
レーキ力の不足分に対応して各車両A、B、Cのブレー
キシリンダ7に供給されるべき補足空気ブレーキ力が演
算される(S14)。
足空気ブレーキ力に応じた補足空気ブレーキ指令信号I
aが直接後述のS16でA/D変換される一方、車両
B、Cに関しては、演算された補足空気ブレーキ力に対
応する補足空気ブレーキ指令信号Iaと、後述のS15
でステップ“2”出力回路15の出力信号Kとの内の高
位側が優先的に選択され、この高位側の信号が補足空気
ブレーキ指令信号Iaとして、S16でのA/D変換に
供される。
電気ブレーキ装置4からの電気ブレーキ等価信号Eに基
づいて、第1判定部により、電気ブレーキ装置4で電気
ブレーキ力が作用しているか否かが判定されると共に
(S17)、第2判定部により、上記常用ブレーキ指令
信号Nの信号レベルが、最低段階であるステップ“1”
であるか否かが判定される(S18)。
は、上記電気ブレーキ等価信号Eに代えて、図3の電気
ブレーキ有効信号Jを用いても良い。なお、この電気ブ
レーキ有効信号Jは、2値信号であって、上記電気ブレ
ーキ等価信号Eが0レベルの時“0”となり、電気ブレ
ーキ等価信号Eが0レベルでなければ“1”となるもの
である。
て、上記電気ブレーキ装置4で電気ブレーキ力が多少で
も作用していれば、2値信号“1”がアンド回路14の
一方の入力端子に対して出力され、上記電気ブレーキ力
が全く作用せず、0レベルであれば、2値信号“0”が
アンド回路14の上記一方の入力端子に対して出力され
る。また、S18の第2判定部による判定結果として、
上記常用ブレーキ指令信号Nの信号レベルが最低段階の
ステップ“1”であれば、2値信号“1”がアンド回路
14の他方の入力端子に対して出力され、上記常用ブレ
ーキ指令信号Nの信号レベルがステップ“1”でなけれ
ば、2値信号“0”がアンド回路14の上記他方の入力
端子に対して出力される。
端子に対する入力は反転入力であるので、上記電気ブレ
ーキ装置4における電気ブレーキ力がなくなり、従っ
て、常用ブレーキ指令信号Nと補足空気ブレーキ指令信
号Idとが等しくなった状態であり、且つ上記常用ブレ
ーキ指令信号Nが最低段階であるステップ“1”である
時に、アンド回路14の出力が“1”となり、その他の
場合、アンド回路14の出力は“0”となる。
のステップ“2”出力回路15に送信され、ステップ
“2”出力回路15はアンド回路14の2値出力が
“1”である時に、上記A/D変換後の補足空気ブレー
キ指令信号Idの7段階のステップの内、2番目に小さ
いレベルであるステップ“2”に対応するアナログ信号
をS15の高位優先ステップに対して出力するように構
成されている。アンド回路14からの2値出力が“0”
の場合、ステップ“2”出力回路15は例えば、0レベ
ルを出力する。従って、ステップ“2”出力回路15は
上記電気ブレーキ力がなくなり、且つ上記常用ブレーキ
指令信号Nが最低段階のステップ“1”である時に、上
記補足空気ブレーキ指令信号Idのステップ“2”に対
応するアナログ信号を出力するものである。
のように、S14の演算結果に基づいて、送られる補足
空気ブレーキ指令信号Iaと、上記ステップ“2”出力
回路15からの出力信号Kの内、高レベル側の信号が選
択された後、上記S16で上記高レベル側の信号がA/
D変換されるようになっている。従って、上記電気ブレ
ーキ装置4における電気ブレーキ力がなくなり、且つ上
記常用ブレーキ指令信号Nが最低段階のステップ“1”
である場合、本来、ステップ“1”であるべき車両B及
びCに対応する補足空気ブレーキ指令信号Id(デジタ
ル信号)が、ステップ“2”出力回路15からの出力K
に基づいてステップ“2”に増量させられることにな
る。
レーキ指令信号Idは、ブレーキ受量器13から各車両
A、B、Cのブレーキ制御装置6(図4参照)に送信さ
れる。以下、従来例と同様に、上記補足空気ブレーキ指
令信号Idに対応する作動圧が、ブレーキ制御装置6か
ら戻しばね付のブレーキシリンダ7に供給され、ブレー
キシリンダ7から各車両に空気圧による補足空気ブレー
キ力が作用することになる。
4の失効により電気ブレーキ力が作用しなくなり、且つ
上記常用ブレーキ指令信号Nが最低段階のステップ
“1”である場合、車両B及びCに関しては、ブレーキ
受量器13での演算時に上記補足空気ブレーキ指令信号
Idをステップ“2”に増量させるようにしたので、車
両B及びCのブレーキシリンダ7で作動圧が増加される
ことになる。その結果、車両A、B、Cからなる編成ユ
ニットにおいて、各ブレーキシリンダ7で、前記戻しぱ
ねのばね圧により生じる無効圧による減圧分を差し引い
ても、充分な補足空気ブレーキ力を確保することができ
る。
り、且つ常用ブレーキ指令信号N及び補足空気ブレーキ
指令信号Idがステップ“1”である場合の補足空気ブ
レーキ指令信号Idの増加例を数値を挙げて説明する。
今、各車両A、B、Cのブレーキシリンダ7におけるス
テップ“1”での必要補足空気ブレーキ力を0.4とす
ると、編成ユニット全体の必要トータルブレーキ力(こ
こでは必要補足空気ブレーキ力と同一)は0.4×3=
1.2となる。一方、各車両のブレーキシリンダ7の無
効圧をブレーキ力に換算したものを0.3とすると、各
車両における実際の補足空気ブレーキ力は0.1とな
り、編成ユニット全体では0.1×3=0.3となっ
て、上記1.2より大幅に小さくなる。なお、上記各ブ
レーキ力は大小の比較のみ行えれば良いので、単位は特
に明記しない。
おいて、補足空気ブレーキ指令信号Idをステップ
“2”に増加させると、ステップ“2”の補足空気ブレ
ーキ力はステップ“1”の2倍の0.8であり、ここか
ら無効圧分のブレーキ力0.3を差し引くと、車両B及
びCにおける実際の補足空気ブレーキ力は0.5とな
る。また、車両Aの補足空気ブレーキ力はステップ
“1”のままであるので、無効圧分を差し引いて0.1
となり、編成ユニット全体の実際の補足空気ブレーキ力
は0.1+0.5×2=1.1となって、上記必要値
1.2とほぼ等しくなる。
を換えて、同様の計算例を説明する。1両のモータ車
(車両A)と1両のトレーラ車(車両B)の2両で編成
ユニットを構成する場合、ステップ“1”の補足空気ブ
レーキ指令信号に対応する補足空気ブレーキ力及び無効
圧を上記と同様、それぞれ0.4及び0.3とすれば、
編成ユニット全体での必要補足空気ブレーキ力は0.4
×2=0.8となり、無効圧分を差し引いた実際の補足
空気ブレーキ力は0.1×2=0.2となって、上記必
要値より大幅に小さくなる。
ブレーキ指令信号N及び補足空気ブレーキ指令信号Id
がステップ“1”である場合、車両Bのみで上記補足空
気ブレーキ指令信号Idをステップ“2”に増加させる
と、編成ユニット全体での補足空気ブレーキ力は0.1
+0.5=0.6となり、上記必要値0.8にかなり接
近する。
たは複数両のトレーラ車とからなる4両(車両A〜D)
により編成ユニットを構成する場合、各車両の補足空気
ブレーキ指令信号のステップ“1”に対応する補足空気
ブレーキ力及び無効圧を上記と同様とすれば、編成ユニ
ット全体での必要補足空気ブレーキ力は0.4×4=
1.6、実際の補足空気ブレーキ力は0.1×4=0.
4となる。ここで、電気ブレーキ力がなくなり、補足空
気ブレーキ指令信号Idがステップ“1”である時、車
両B〜Dの3両の補足空気ブレーキ指令信号Idをステ
ップ“2”に増加させると、編成ユニット全体の実際の
補足空気ブレーキ力は0.1+0.5×3=1.6とな
り、上記必要値と等しくなる。
たは複数両のトレーラ車とからなる5両(車両A〜E)
により編成ユニットを構成する場合、各車両のステップ
“1”の補足空気ブレーキ力及び無効圧を上記と同様と
すれば、編成ユニット全体での必要補足空気ブレーキ力
は0.4×5=2.0、実際の補足空気ブレーキ力は
0.1×5=0.5となる。ここで、電気ブレーキ力が
なくなり、常用ブレーキ指令信号N及び補足空気ブレー
キ指令信号Idがステップ“1”の時、車両B〜Eの4
両の補足空気ブレーキ指令信号Idをステップ“2”に
増加させると、編成ユニット全体の実際の補足空気ブレ
ーキ力は0.1+0.5×4=2.1となり、上記必要
値とほぼ等しくなる。以上のように、編成ユニットを構
成する車両が2〜5両程度の場合、1両のみの補足空気
ブレーキ指令信号Idをステップ“1”のままとし、残
りの車両の補足空気ブレーキ指令信号Idをステップ
“2”に増加させると、ほぼ無効圧分を相殺できること
になる。
2に示すように、この実施例のブレーキ受量器23で
は、電気ブレーキ装置4の電気ブレーキ力が失効した場
合に、常用ブレーキ指令信号N(及び補足空気ブレーキ
指令信号Id)がステップ“1”である時ばかりでな
く、ステップ“2”である時にも、補足空気ブレーキ指
令信号Idを1ステップ分増加させるようにしたもので
ある。すなわち、電気ブレーキ力の失効時にブレーキ指
令器1からの常用ブレーキ指令信号N(及び補足空気ブ
レーキ指令信号Id)がステップ“1”である時には、
車両A、B、Cからなる編成ユニット内の2両の車両B
及びCに対する補足空気ブレーキ指令信号Idをステッ
プ“2”に増加させ、上記常用ブレーキ指令信号N(及
び補足空気ブレーキ指令信号Id)がステップ“2”で
ある時には、上記編成ユニット内の2両の車両B及びC
に対する補足空気ブレーキ指令信号Idをステップ
“3”に増加させるようにしている。
判定部による電気ブレーキ力の有無の判定、及びS18
での第2判定部による常用ブレーキ指令信号Nがステッ
プ“1”であるか否かの判定に加えて、本実施例では、
S19において、第3判定部により、常用ブレーキ指令
信号Nがステップ“2”であるか否かが判定される。そ
して、S17の第1判定部の判定結果がアンド回路14
及び16の各一方の入力端子に反転入力されると共に、
アンド回路16の他方の入力端子にS19の第3判定部
の判定結果が入力されるようになっている。
が作用せず、且つブレーキ指令器1からの常用ブレーキ
指令信号Nが、2番目に小さいステップ“2”である時
に、アンド回路16の2値出力は“1”となり、これに
基づいてステップ“3”出力回路17の出力信号Tとし
て、A/D変換後の補足空気ブレーキ指令信号Idのス
テップ“3”に対応するアナログ信号が出力される。こ
の場合、S15の高位優先ステップでは、S14で演算
された補足空気ブレーキ指令信号Iaと、ステップ
“2”出力回路14の出力信号Kと、ステップ“3”出
力回路16の出力信号Tの内、最も高レベルの信号が選
択され、この最も高レベルの信号が補足空気ブレーキ指
令信号Iaとして、S16のA/D変換に供される。
常用ブレーキ指令信号N及び補足空気ブレーキ指令信号
Idがステップ“2”である場合の補足空気ブレーキ指
令信号の増加例を数値を挙げて説明する。各車両A、
B、Cのブレーキシリンダ7におけるステップ“2”で
の必要補足空気ブレーキ力を上記と同様、0.8とする
と、編成ユニット全体の必要トータルブレーキ力は0.
8×3=2.4となる。一方、各車両のブレーキシリン
ダ7の無効圧を上記と同様、0.3とすると、各車両に
おける実際の補足空気ブレーキ力は0.5となり、編成
ユニット全体では0.5×3=1.5となって、上記必
要値2.4よりかなり小さくなる。
レーキ指令信号Idをステップ“3”に増加させると、
ステップ“3”の補足空気ブレーキ力はステップ“1”
の3倍の1.2であり、ここから無効圧分0.3を差し
引くと、車両B及びCにおける実際の補足空気ブレーキ
力は0.9となる。車両Aの補足空気ブレーキ力はステ
ップ“2”のままであるので、無効圧分を差し引いて
0.5となり、編成ユニット全体での補足空気ブレーキ
力は0.5+0.9×2=2.3となって、上記必要値
2.4に近似する。
キ指令信号Idが低ステップ、つまり、ステップ“1”
または“2”である時に、補足空気ブレーキ指令信号I
aを1ステップ分だけ増加させるようにしたが、例え
ば、ステップ“1”をステップ“3”に増加させる等、
補足空気ブレーキ指令信号Idを2ステップ分以上増加
させることもできる。また、補足空気ブレーキ指令信号
Idの増加を、編成ユニット内の一部の車両のみで行う
ようにしたが、編成ユニット内の全ての車両で補足空気
ブレーキ指令信号Idを1ステップ分以上増加させるよ
うにしても良い。更に、1つの編成ユニットで鉄道車両
を編成することもできるが、複数の編成ユニットの組合
せで鉄道車両を構成しても良い。
N及び補足空気ブレーキ指令信号Idをそれぞれ3ビッ
ト、7段階のステップ(0レベルを含めて8段階)に変
化させるようにしたが、これらは必ずしも3ビットでな
くても良い。
レーキ装置によれば、電気ブレーキ装置の電気ブレーキ
力の失効等の事情で、ブレーキシリンダに供給される補
足空気ブレーキ力のみにより制動を行わねばならない場
合、ブレーキ受量器がブレーキシリンダ内の戻しばねの
ばね圧相当分だけ補足空気ブレーキ指令信号を増量させ
て出力するようにしたので、ブレーキシリンダに供給さ
れる補足空気ブレーキ力が上記ばね圧相当分だけ増加
し、この補足空気ブレーキ力の増加分により上記ばね圧
が相殺されるので、上記戻しばねの存在にかかわらず、
上記ブレーキシリンダで所定の制動力が得られるように
なる。これにより、車両用ブレーキ装置の作動を一層確
実化することができる。
を行わねばならない時に、上記戻しばねのばね圧がブレ
ーキシリンダの作動圧に与える影響が、上記補足空気ブ
レーキ指令信号(=常用ブレーキ指令信号)の低出力時
のみに大きくなることを考慮すれば、上記ブレーキ受量
器における補足空気ブレーキ指令信号の増量は、上記電
気ブレーキが失効し、且つ上記補足空気ブレーキ指令信
号が低出力の時のみに行っても良い。
気ブレーキ指令信号を複数段階の信号とする場合におい
ては、上記常用ブレーキ指令信号が複数段階の内、低段
階の信号である時に、上記戻しばねのばね圧がブレーキ
シリンダでの補足空気ブレーキ力に与える影響がかなり
大きくなる。そこで、上記ブレーキ受量器に、上記電気
ブレーキ装置からの電気ブレーキ等価信号または電気ブ
レーキ有効信号に基づき、上記電気ブレーキ装置の作動
状態を判定する第1判定部と、上記常用ブレーキ指令信
号が複数段階の内、いずれの段階の信号であるかを判定
する第2判定部と、上記第1判定部により電気ブレーキ
力が作用していないと判定され、且つ上記第2判定部に
より上記常用ブレーキ指令信号が複数段階の内、低段階
の信号であると判定された時のみ、上記補足空気ブレー
キ指令信号を所定段階だけ上の段階の信号に増量する増
量部とを設ければ、上記電気ブレーキ力が作用せず、上
記常用ブレーキ指令信号が低段階の時に、上記ブレーキ
シリンダにおける戻しばねのばね圧を相殺して、ブレー
キシリンダで所定の制動力を確保することができ、車両
用ブレーキ装置の作動の確実性の向上に寄与するもので
ある。
ブレーキ受量器の構成及び信号処理手順を示す説明図。
構成及び信号処理手順を示す説明図。
の関係を示す説明図。
量器の構成及び信号処理手順を示す説明図。
ーキシリンダ圧力との関係を示すグラフ。
Claims (3)
- 【請求項1】 モータ車及びトレーラ車を含む複数車両
からなる編成ユニットのトータルブレーキ力を優先的に
上記モータ車に設けた電気ブレーキ装置の電気ブレーキ
力により賄い、この電気ブレーキ力の不足分を補足空気
ブレーキ力により補うように構成され、 常用ブレーキ指令信号を受信し、この常用ブレーキ指令
信号に基づいて上記電気ブレーキ装置に電気ブレーキ指
令信号を出力し、上記電気ブレーキ装置から送信される
電気ブレーキ等価信号と上記常用ブレーキ指令信号との
差分を演算し、この差分を補足空気ブレーキ指令信号と
して出力するブレーキ受量器と、 上記ブレーキ受量器からの補足空気ブレーキ指令信号に
基づいて、戻しばね付のブレーキシリンダに補足空気ブ
レーキ力を出力するブレーキ制御装置とを備えた車両用
ブレーキ装置において、 上記常用ブレーキ指令信号と上記補足空気ブレーキ指令
信号とが同一となった時、上記ブレーキ受量器が上記補
足空気ブレーキ指令信号を、前記戻しばねのばね力相当
分だけ増加して、出力するように構成されていることを
特徴とする車両用ブレーキ装置。 - 【請求項2】 上記常用ブレーキ指令信号と上記補足空
気ブレーキ指令信号とが同一となり、且つ上記常用ブレ
ーキ指令信号が低出力の時、上記ブレーキ受量器が上記
補足空気ブレーキ指令信号を、前記戻しばねのばね力相
当分だけ増量して、出力するように構成されていること
を特徴とする請求項1記載の車両用ブレーキ装置。 - 【請求項3】 上記常用ブレーキ指令信号及び上記補足
空気ブレーキ指令信号はそれぞれ複数段階の信号であ
り、上記ブレーキ受量器は上記電気ブレーキ装置からの
上記電気ブレーキ等価信号または電気ブレーキ有効信号
に基づいて上記電気ブレーキ装置の作動状態を判定する
第1判定部と、上記常用ブレーキ指令信号が複数段階の
内、いずれの段階の出力であるかを判定する第2判定部
と、上記第1判定部により電気ブレーキ等価信号または
電気ブレーキ有効信号が存在しないものと判定され、且
つ上記第2判定部により上記常用ブレーキ指令信号が複
数段階の内、低段階の信号であると判定された時のみ上
記補足空気ブレーキ指令信号を、前記戻しばねのばね力
相当分を加味して所定段階だけ上の段階の信号に増量さ
せる増量部とを備えていることを特徴とする車両用ブレ
ーキ装置。
Priority Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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1994
- 1994-08-31 JP JP6207304A patent/JP2764009B2/ja not_active Expired - Fee Related
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