JPH086488Y2 - 溶剤回収装置 - Google Patents

溶剤回収装置

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JPH086488Y2
JPH086488Y2 JP1990085997U JP8599790U JPH086488Y2 JP H086488 Y2 JPH086488 Y2 JP H086488Y2 JP 1990085997 U JP1990085997 U JP 1990085997U JP 8599790 U JP8599790 U JP 8599790U JP H086488 Y2 JPH086488 Y2 JP H086488Y2
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裕士 川口
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武志 酒井
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Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、塗装工場等の排気ガス中に含まれる有機溶
剤ガスや半導体工場やクリーニング工場等で使用される
超音波洗浄機等から発生するフロンガス(例えば、R−
113)、1,1,1−トリクロロエタンガスなどを回収するた
めに、吸着塔内にガス吸着用エレメントを設け、その吸
着塔に、溶剤含有ガスを供給するガス供給管と、脱着し
た溶剤を回収する溶剤回収管とを設け、ガス吸着用エレ
メントを間にして、ガス供給管および溶剤回収管とは反
対側に、溶剤を吸着除去した後のガスを排出する排気管
と溶剤脱着用の加熱水蒸気を供給する水蒸気供給管とを
設けた溶剤回収装置に関する。
〈従来の技術〉 この種の溶剤回収装置では、従来、実公昭58−37456
号公報に記載されているものが一般的であった。
この従来例は、第6図の全体縦断面図、および、第7
図の横断面図に示すように、中央箇所に通気口を形成し
た有孔フランジ01に、通気口に嵌入して短管02が溶着さ
れ、一方、無孔フランジ03の上面中央箇所に、前記短管
02と等しい外径を有するキャップ状の支持具04の下端が
溶着され、短管02の下半部外周面と支持具04の外周面と
にわたり、周方向に等間隔で互いに平行に配設した多数
本の直線棒05の上下端がそれぞれ固着連結されて筒状か
ご形の芯材が形成され、それらの直線棒05の外周に活性
炭素繊維から成るフェルト06がうず巻状に巻き付けら
れ、更に、その外周に金網07を被着して構成されてい
る。
有孔フランジ01の外径は、無孔フランジ03の外径より
大に形成され、この有孔フランジ01の周縁がボルト08に
よってガス吸着塔内の仕切壁09の上面に取り付けられて
いる。
短管02の管壁に直交して加熱水蒸気吹込用のノズル01
0が固着され、そのノズル010の一端が短管02の内側に開
口する。また、短管02の上部に形成したつば02aにシー
ル用パッキング02bが設けられるとともに、短管02の上
方に上下動可能な蓋011が設けられ、この蓋011がシール
用パッキング02bを介してつば02aに圧接され、短管02の
開口を密閉できるように構成されている。
この構成により、溶剤回収時には、有機溶剤を含有す
るガスが金網07の外周面からフェルト06を通過し、有機
溶剤等の吸着成分がフェルト06に吸着し、清浄なガスが
仕切壁09の上方に流出する。そして、フェルト06の吸着
能力が飽和状態あるいはそれに近い状態に達したときに
は、蓋011を二点鎖線で示すように下方に移動せしめ、
つば02aに圧接させて短管02の開口を密閉し、しかるの
ちにノズル010から大気圧の加熱水蒸気を芯材内に噴出
し、フェルト06に吸着している吸着成分を脱着除去でき
るようになっている。
〈考案が解決しようとする課題〉 上述した従来例では、脱着処理に際して加熱水蒸気を
噴出せしめたときに、冷却によって凝縮した水滴が滴下
するとか、無孔フランジ03との接触に伴う冷却によって
水蒸気が凝縮するなどにより、無孔フランジ03上に水滴
が溜まり、フェルト06の下部が湿った状態になり、その
結果、通常の吸着状態において、フェルト06の下部での
圧力損失が大きくなり、そこを通過するガス量が減少
し、フェルト06全体を有効に使用できなくなる欠点があ
った。
また、活性炭素繊維や粒状活性炭といった活性炭素材
は、水分を吸着した湿り状態では、有機溶剤に対する吸
着量が低下して早期に飽和状態に達し、そこをガスが通
過するときに有機溶剤を有効に除去することができず、
有機溶剤が含有されたまま清浄なガスとして仕切壁09の
上方に流出してしまう欠点があった。
そこで、実開昭60−91227号公報に記載されているよ
うに(第8図の縦断面図参照)、加熱水蒸気の供給管02
1を活性炭素繊維製フェルト022の下部まで延設し、脱着
の際の大気圧の加熱水蒸気の冷却を抑えて、凝縮による
水滴発生を抑制するようにしたものがあるが、水滴発生
を完全に防止できるわけでは無く、また、加熱水蒸気の
無孔フランジ023との接触に伴う凝縮まで防止すること
は困難であり、前述した従来例と同様に、凝縮した水滴
が無孔フランジ023上に溜まり、凝縮した水分の吸着に
伴って有機溶剤に対する吸着性能が低下する欠点があっ
た。
本考案は、このような事情に鑑みてなされたものであ
って、請求項第(1)項に係る考案は、加熱水蒸気によ
る吸着成分の脱着除去に際し、加熱水蒸気の凝縮液化を
抑制して、吸着性能を向上できるようにすることを目的
とし、また、請求項第(2)項に係る考案は、使用する
ガス吸着用エレメントの大きさに応じて、適切な過熱状
態を容易確実に得ることができるようにすることを目的
とし、また、請求項第(3)項に係る考案は、過熱状態
の水蒸気を、設備的に簡単にかつ安価にして得ることが
できるようにすることを目的とする。
〈課題を解決するための手段〉 請求項第(1)項に係る考案は、上述のような目的を
達成するために、吸着塔内にガス吸着用エレメントを設
け、吸着塔に、溶剤含有ガスを供給するガス供給管と、
脱着した溶剤を回収する溶剤回収管とを設け、ガス吸着
用エレメントを間にして、ガス供給管および溶剤回収管
とは反対側に、溶剤を吸着除去した後のガスを排出する
排気管と溶剤脱着用の加熱水蒸気を供給する水蒸気供給
管とを設けた溶剤回収装置において、水蒸気供給管に、
管内を流動する加熱水蒸気を過熱する補助加熱手段を付
設して構成する。
また、請求項第(2)項に係る考案の溶剤回収装置
は、請求項第(1)項のガス吸着用エレメントを円筒状
のガス吸着材を備えて構成し、ガス吸着材を支持する支
持部材に、溶剤脱着用の加熱水蒸気を供給する水蒸気供
給管を支持させるとともに、その水蒸気供給管の先端を
ガス吸着材で囲まれる空間内に開口し、かつ、空間内に
おいて、水蒸気供給管に補助加熱手段を付設して構成す
る。
ガス吸着材としては、粒状活性炭や活性炭素繊維が適
用される。
粒状活性炭の材料としては、石油系、石炭系、ヤシガ
ラ系等が使用される。
活性炭素繊維としては、レーヨン系、ポリアクリロニ
トリル(PAN)系、フェノール樹脂系、石炭ピッチ系、
石油ピッチ系など、吸着材の使用分野などに応じて適宜
選択して使用すれば良く、そして、通常、繊維直径が2
〜30μm程度、細孔半径が8〜20Å程度の微細孔を有
し、公称比表面積が500〜3000m2/g程度のものを使用す
るのが好ましい。
また、円筒状のガス吸着材を構成する活性炭素繊維と
しては、フェルト状に成形した活性炭素繊維を幾重にも
巻付けて設けるとか、あるいは、活性炭素繊維を含む水
性スラリー中に吸引成形型を浸漬し、活性炭素繊維を吸
引凝集して脱水成形し、それを乾燥して得られる円筒状
の活性炭素繊維を外嵌して設けるなどすればよい。
補助加熱手段としては、電気ヒータとか高温ガスを用
いるなど各種の構成が採用でき、また、請求項第(3)
項に係る考案のように、水蒸気供給管に介装した熱交換
器と、その熱交換器よりも上流側で分岐して加熱用水蒸
気を熱交換器に供給する補助の水蒸気供給管と、その水
蒸気供給管の、補助の水蒸気供給管への分岐箇所と熱交
換器との間に介装されて管内を流動する水蒸気を減圧す
る減圧弁とから構成し、溶剤脱着のための加熱水蒸気そ
のものを利用して過熱するようにしても良い。
〈作用〉 請求項第(1)項に係る考案の溶剤回収装置の構成に
よれば、ガス吸着材に吸着した溶剤の脱着のために、補
助加熱手段により加熱水蒸気を過熱した状態でガス吸着
材に供給し、ガス吸着材との接触に伴う冷却により加熱
水蒸気が凝縮液化することを抑制し、溶剤脱着後、溶剤
を吸着するときにおいて液化した水分によってガス吸着
材の下方部分が湿り状態になることを回避できる。
請求項第(2)項に係る考案の溶剤回収装置の構成に
よれば、ガス吸着用エレメントに、それに見合った能力
の補助加熱手段を一体化し、水蒸気供給管に加熱水蒸気
の供給源を接続するとともに、補助加熱手段に、過熱用
水蒸気を供給する配管とか電源を接続するなどによっ
て、過熱水蒸気を過熱した状態でガス吸着材に供給する
ことができる。
また、請求項第(3)項に係る考案の溶剤回収装置の
構成によれば、吸着塔内に供給しようとする加熱水蒸気
を減圧して過飽和の蒸気として、その蒸気に対し、減圧
されない高温・高圧の蒸気によって加熱し、過熱状態の
蒸気にして吸着塔内に供給することができる。
〈実施例〉 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第1実施例 第1図は、本考案に係る溶剤回収装置の第1実施例の
要部の断面図、第2図は、第1図のII−II線断面図であ
り、吸着塔への取り付け用の上側フランジ1に、通気口
2を形成する支持部材としての筒体3を連接するととも
に、その筒体3に、芯材としての円筒状の金網4の上部
を連接し、一方、下側フランジ5に連接した支持筒体6
に金網4の下部を連接する。
そして、円筒状の金網4に、その周方向全長を覆っ
て、活性炭素繊維フェルト7aの巻き付けにより形成した
ガス吸着材としての円筒状の活性炭素繊維7を設け、そ
の円筒状の活性炭素繊維7の下部開口を前記下側フラン
ジ5により閉塞して有底筒状空間Sを形成するとともに
その有底筒状空間Sを通気口2に連通してある。芯材と
しては、通気性を有し、かつ、円筒状の活性炭素繊維7
を保持できるものであれば良く、円筒状の金網4で構成
するものに限らない。例えば、直線棒を周方向に所定間
隔を隔てて設けて構成するものでも良い。
前記筒体3に、有底筒状空間S内に溶剤脱着用の加熱
水蒸気を供給する水蒸気供給管8を取り付ける。
図中、3aはゴム製のシール用パッキングを示し、加熱
水蒸気の供給時に、後述する弁体22(第3図参照)と圧
接するためのものである。
また、円筒状の活性炭素繊維7の外周面には、円筒状
の金網9を設け、円筒状の活性炭素繊維7を外から保持
するように構成する。活性炭素繊維フェルト7aの最外周
端縁を縫合とか番線などによって止め着けるようにすれ
ば、上記円筒状の金網9は設けなくても良い。
前記円筒状の活性炭素繊維7の下側端面に、内外の金
網4,9に連なるように環状の支持金網10を設け、その支
持金網10の外周縁側下部を、周方向に所定間隔を隔てて
設けたスペーサ11を介して下側フランジ5に支持させ、
環状の金網10と下側フランジ5の上面との間に、通気な
らびに通水可能な隙間Lを形成してある。
下側フランジ5の中心部相当箇所に、有底筒状空間S
側からの加熱水蒸気の排出ならびに水滴の流下のみを許
容する逆止弁12を備えた配管部5aを連接してある。
上記構成により、円筒状の活性炭素繊維7に吸着され
た溶剤を加熱水蒸気の供給によって脱着するに際し、水
蒸気の冷却凝縮により水滴が発生したとしても、その水
滴を、環状の支持金網10の網目から隙間L内に流下する
とともに外部に流下除去し、また、下側フランジ5の上
面との接触に伴う冷却凝縮によって発生した水滴も外部
に、ならびに配管部5aを通じて流下させ、水滴が円筒状
の活性炭素繊維7の下部に溜まることを確実に防止でき
るようになっている。また、溶剤の吸着時には、逆に、
隙間Lおよび金網10の網目を通じて円筒状の活性炭素繊
維7の下端面からも溶剤含有ガスを供給できるようにな
っている。この溶剤の吸着時には、逆止弁12の働きによ
り、溶剤含有ガスが配管部5aから有底筒状空間S内に流
入することはない。
次に、上述ガス吸着用エレメントAを組み付けた溶剤
回収装置につき、第3図の概略構成図に基づいて説明す
る。
ガス吸着用エレメントAをフィルターとして取り付け
た吸着塔13を並列状態で設置し、両吸着塔13,13の下部
側空間それぞれに、第1の電磁弁14を介して溶剤含有ガ
スを供給するブロワー15を介装したガス供給管16を連通
接続するとともに、第2の電磁弁17を介してコンデンサ
ー18およびセパレータ19を介装した溶剤回収管20を連通
接続する。
吸着塔13,13それぞれの上部開口には、エアシリンダ2
1によって開閉動作される弁体22を設け、かつ、その弁
体22により閉じられた状態の空間に連通接続するよう
に、第3の電磁弁23を介装した第2の水蒸気供給管24を
前記第1の水蒸気供給管8に連通接続する。
そして、第2の水蒸気供給管24の途中箇所に、第1図
に示すように、補助加熱手段としての熱交換器25を付設
し、第2の水蒸気供給管24から分岐した補助の水蒸気供
給管26aを熱交換器25の長手方向一端側に接続するとと
もに、水蒸気排出管26bを熱交換器25の長手方向他端側
に接続し、有底筒状空間S内に供給する加熱水蒸気を過
熱し、過熱状態の水蒸気によって、円筒状の活性炭素繊
維7に吸着された溶剤の脱着を行う。
図中、27は、第2の水蒸気供給管24内を流動する加熱
水蒸気の圧力を計測する圧力計を示し、28は、有底筒状
空間S内に供給する加熱水蒸気の圧力を初期設定する減
圧弁を示している。また、29は、溶剤を吸着除去した後
のガスを排出する排気管を示している。
以上の構成により、前記第1ないし第3の電磁弁14,1
4、17,17、23,23、および、弁体22,22それぞれを背反的
に開閉し、一方の吸着塔13に溶剤含有ガスを供給してガ
ス吸着用エレメントAを通過せしめ、溶剤を円筒状の活
性炭素繊維7に吸着する。同時に、他方の吸着塔13にお
いては、過熱状態の水蒸気の供給により、円筒状の活性
炭素繊維7に吸着された溶剤を加熱脱着して活性炭素繊
維7を再生し、脱着された溶剤を、コンデンサー18を経
てセパレータ19に供給し、溶剤を比重分離によって回収
するようになっている。
次に、比較実験結果について説明する。
実施例1に係るものとしては、上記実施例のものにお
いて、活性炭素繊維7として、公称比表面積2000m2/gの
ピッチ系活性炭素繊維(A−20:株式会社アドール製)
で形成した幅500mmで長さ20,000mmのフェルトを充填密
度50kg/m3で巻き付け、500mmの高さに形成したガス吸着
用エレメントAを組み付けたものを使用し、これに圧力
4kg/cm2・Gの加熱水蒸気で過熱した大気圧の水蒸気
(温度は実測値で140℃)を30kg/hの割合で導入した。
比較例1としては、上記実施例のものにおいて、過熱
しない大気圧の加熱水蒸気(温度は実測値で101℃)を3
0kg/hの割合で導入した。
実施例2としては、上記実施例のものにおいて、環状
の支持金網10を設けず、円筒状の活性炭素繊維7の下端
面を直接下側フランジ5に接触支持させたガス吸着用エ
レメントによって溶剤回収装置を構成したものを使用
し、加熱蒸気を導入した。
比較例2としては、実施例2のガス吸着用エレメント
に大気圧の蒸気を導入した。
上記実施例1,2、比較例1,2それぞれにおいて、上述の
加熱水蒸気を導入した後、5分経過してから、各ガス吸
着用エレメントの上端面から下方50mm(表中で上側位置
と称する)、上下方向中央(表中で中央位置と称する:
上端面から下方250mm)、下端面から上方50mm(表中で
下側位置と称する)それぞれの位置における活性炭素繊
維の温度(℃)を測定したところ、表−1に示す結果を
得た。
この結果から、実施例1,2では、ガス吸着用エレメン
トAの有底筒状空間Sの下部でも、上方および中央位置
と同様の高温状態にあり、下部箇所で水滴が発生してい
ないことが確認されたが、比較例1および比較例2で
は、いずれも、ガス吸着用エレメントの有底筒状空間S
の下部において、温度が水の蒸発温度100℃に近くなっ
ており、それよりも下方箇所において水滴が発生する虞
のあることが明らかであった。
次に、上記実施例1,2、比較例1,2それぞれにおいて、
濃度2000ppmの1,1,1−トリクロロエタンを含むガスを流
量3m3/minの割合で5分間流し、前述温度測定を行った
位置に対応した箇所それぞれでのガス濃度(ppm)を測
定したところ、表−2に示す結果を得た。
これらの結果から、実施例の溶剤回収装置では、ガス
吸着用エレメントAの有底筒状空間Sの下部でも、上方
および中央位置と同様の微量の濃度の1,1,1−トリクロ
ロエタンしか検出されなかったが、比較例1および比較
例2では、いずれも、ガス吸着用エレメントの有底筒状
空間Sの下部において、濃度50−100ppmという高い濃度
の1,1,1−トリクロロエタンがそれぞれ検出されてお
り、比較例のものでは、溶剤のリークを発生する虞があ
るのに対して、本考案の実施例の溶剤回収装置を用いる
ことにより、1,1,1−トリクロロエタン等の有機溶剤を
極めて良好に吸着できることが明らかであった。
第2実施例 第4図は、本考案に係る溶剤回収装置の第2実施例の
要部の断面図であり、この第2実施例において、前述第
1実施例と異なるところは、次の通りである。
すなわち、円筒状の活性炭素繊維7に囲まれた有底筒
状空間S内において、第1の水蒸気供給管8に、その長
手方向所定長さにわたって伝熱用フィン30を付設すると
ともに、それらの伝熱用フィン30を覆ってケーシング31
を設けて補助加熱手段としての熱交換器32を構成し、そ
のケーシング31の上部側を、支持部材としての筒体3に
取り付け支持し、筒体3から突出した一端側に補助の水
蒸気供給管33aを接続するとともに、ケーシング31の下
部に、下側フランジ5に一端側を取り付け支持した水蒸
気排出管33bを接続する。
他の構成は、第1の実施例と同様であり、同一構成部
分には同一番号を付し、その説明を省略する。
この構成により、補助加熱手段としての熱交換器32を
ガス吸着用エレメントAに、その能力に見合った大きさ
で一体化し、適切な過熱状態を容易確実に得ることがで
きる。
この第2実施例では、ケーシング31の上部側を、支持
部材としての筒体3に取り付け支持し、このケーシング
31を介して間接的に第1の水蒸気供給管8を支持部材と
しての筒体3に取り付け支持しているが、例えば、第1
の水蒸気供給管8を支持部材としての筒体3に直接取り
付け支持し、その第1の水蒸気供給管8にケーシング31
を支持させ、かつ、ケーシング31に連通接続した補助の
水蒸気供給管33aを、筒体3に貫通支持させるようにし
てもよい。
第3実施例 第5図は、本考案に係る溶剤回収装置の第3実施例の
要部の断面図であり、この第2実施例において、前述第
2実施例と異なるところは、次の通りである。
すなわち、水蒸気供給管8およびケーシング31を筒体
34で覆うとともに、その筒体34の外周面に所定間隔で分
散して噴出孔35…を形成する。
他の構成は、第2実施例と同様であり、同一構成部分
には同一番号を付し、その説明を省略する。
以上の構成により、水蒸気供給管8から供給される過
熱水蒸気を、ケーシング31の外周面と筒体34の内周面と
の環状空間内を通じて上方に向かわせ、ケーシング31を
介しての加熱により、更に過熱度を高めながら、噴出孔
35…を通じて円筒状の活性炭素繊維7に供給できるよう
になっている。
上記第3実施例の噴出孔35…としては、筒体34の上方
側程個数が多くなるように形成するとか、あるいは、筒
体34の上方側程のもの程開口面積が大きくなるように形
成し、円筒状の活性炭素繊維7の筒軸芯方向において、
過熱水蒸気を均一に供給できるようにするのが好まし
い。
上記第3実施例によれば、脱着用の加熱水蒸気に対し
て、ケーシング31の内外で加熱できるから、上下方向の
長さが短い円筒状の活性炭素繊維7を使用する吸着塔13
にも好適に適用できる利点がある。また、下側フランジ
5または上側フランジ1に向かって過熱水蒸気を供給す
る場合に比べ、それらのフランジ5または1との接触に
よって冷却されることを低減できる。
本考案としては、補助加熱手段として、電気ヒータと
か高温ガスなどを用いて構成してもよい。
前記円筒状の活性炭素繊維7の横断面形状としては、
多角形に形成したものでもよい。また、ガス吸着用エレ
メントAとしては、例えば、有底筒状空間の外方に配置
した内外の円筒状の金網4,9間に粒状活性炭を充填して
構成してもよい。
本考案の溶剤回収装置は、化学工場、クリーニング業
等において有機溶剤を回収する場合など、各種の用途に
適用できる。
また、上記実施例では、吸着塔13を二個設けた溶剤回
収装置を示したが、本考案の溶剤回収装置としては、吸
着塔13を一個設けたタイプにも適用できる。
〈考案の効果〉 以上の説明から明らかなように、請求項第(1)項に
係る考案の溶剤回収装置によれば、溶剤脱着のために供
給する加熱水蒸気の冷却に起因してガス吸着材の下方部
分が湿り状態になることを回避できるから、溶剤吸着に
おいて、湿り状態の部分から溶剤がリークすることを回
避でき、溶剤に対する吸着性能を向上できるようになっ
た。
請求項第(2)項に係る考案の溶剤回収装置によれ
ば、ガス吸着用エレメントに、それに見合った能力の補
助加熱手段を一体化するから、使用するガス吸着用エレ
メントの大きさに応じて、適切な過熱状態を容易確実に
得ることができ、実用上極めて有用である。
すなわち、例えば、ガス吸着用エレメントに加熱水蒸
気を供給する水蒸気供給管に補助加熱手段を取り付ける
場合であると、使用するガス吸着用エレメントそれぞれ
に対応して能力を判断し、その能力に合った補助加熱手
段を選定して取り付けなければならず、判断ミスによっ
て過熱不足を生じたり、手間を要する問題を生じ、ま
た、吸着すべき溶剤量の変化に対応するために、大きさ
の異なるガス吸着用エレメントに付け換えるときには、
そのたびに、能力に合った補助加熱手段を選定して取り
付けなければならず、面倒であった。これらの問題を、
請求項第(2)項に係る考案の溶剤回収装置によって解
決できる。
また、請求項第(3)項に係る考案の溶剤回収装置に
よれば、水蒸気供給管に熱交換器と減圧弁を設けるとと
もに、その熱交換器に、水蒸気供給管から分岐した補助
の水蒸気供給管を接続するだけでありながら、発生源が
同一の加熱水蒸気そのもので過熱状態の水蒸気を得るこ
とができ、例えば、別途電気ヒータ等を設ける場合に比
べ、設備的に簡単で安価である。また、発生源での加熱
水蒸気の圧力を高くしなくても過熱状態の水蒸気を得る
ことができ、水蒸気発生のための設備を大型化する必要
が無い。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第5図は、本考案に係る溶剤回収装置の実
施例を示し、第1図は、第1実施例の要部の断面図、第
2図は、第1図のII−II線断面図第3図は、第1実施例
の溶剤回収装置の概略構成図、第4図は、第2実施例の
要部の断面図、第5図は、第3実施例の要部の断面図で
ある。 第6図ないし第8図は、従来例の溶剤回収装置を示し、
第6図は、従来例のガス吸着用エレメントの全体縦断面
図、第7図は第6図のVII−VII線断面図、第8図は、別
の従来例のガス吸着用エレメントの全体縦断面図であ
る。 3…支持部材としての筒体 7…吸着材としての活性炭素繊維 8…第1の水蒸気供給管 13…吸着塔、16…ガス供給管 20…溶剤回収管 24…第2の水蒸気供給管 25…熱交換器、28…減圧弁 29…排気管、32…熱交換器 33a…補助の水蒸気供給管 A…ガス吸着用エレメント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 53/81 (72)考案者 川口 裕士 大阪府大阪市中央区平野町4丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)考案者 辻本 聡一郎 大阪府大阪市中央区平野町4丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)考案者 酒井 武志 兵庫県神戸市長田区大谷町2―3―16 (72)考案者 本庄 洋昭 兵庫県神戸市北区鈴蘭台東町3丁目3番41 号

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸着塔内にガス吸着用エレメントを設け、
    前記吸着塔に、溶剤含有ガスを供給するガス供給管と、
    脱着した溶剤を回収する溶剤回収管とを設け、前記ガス
    吸着用エレメントを間にして、前記ガス供給管および溶
    剤回収管とは反対側に、溶剤を吸着除去した後のガスを
    排出する排気管と溶剤脱着用の加熱水蒸気を供給する水
    蒸気供給管とを設けた溶剤回収装置において、前記水蒸
    気供給管に、管内を流動する加熱用水蒸気を過熱する補
    助加熱手段を付設したことを特徴とする溶剤回収装置。
  2. 【請求項2】請求項第(1)項に記載のガス吸着用エレ
    メントを円筒状のガス吸着材を備えて構成し、前記ガス
    吸着材を支持する支持部材に、溶剤脱着用の加熱水蒸気
    を供給する水蒸気供給管を支持させるとともに、その水
    蒸気供給管の先端を前記ガス吸着材で囲まれる空間内に
    開口し、かつ、前記空間内において、前記水蒸気供給管
    に補助加熱手段を付設してある溶剤回収装置。
  3. 【請求項3】請求項第(1)項または第(2)項に記載
    の溶剤回収装置において、 補助加熱手段が、 水蒸気供給管に介装した熱交換器と、 前記熱交換器よりも上流側で分岐して加熱用水蒸気を前
    記熱交換器に供給する補助の水蒸気供給管と、 前記水蒸気供給管の、前記補助の水蒸気供給管への分岐
    箇所と前記熱交換器との間に介装されて管内を流動する
    水蒸気を減圧する減圧弁とから構成されたものである溶
    剤回収装置。
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