JPH086416Y2 - 移植機の苗取出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、野菜苗などを圃場に移植する移植機の苗取
出装置に関する。

（従来の技術） 野菜苗などの移植機として、ポット苗を搬送する搬送
部と苗取出装置及び移植部を備え、前記搬送部で搬送さ
れるポット苗を、前記苗取出装置で取出して前記移植部
に落下供給し、この移植部で圃場に順次移植するように
したものを、以前に提案した。

また、前記苗取出装置は、苗取出爪をもつ苗取出体
と、該苗取出体を所定のピッチ間隔で横送りする横送り
機構とを備え、この横送り機構で前記苗取出体を横送り
させながら、前記苗取出爪により前記搬送部で搬送され
るポット苗を取出して、前記移植部に落下供給させるよ
うにしている。

（考案が解決しようとする課題） 所で、以上の苗取出装置では、前記搬送部で搬送され
るポット苗を前記苗取出爪で取出して、前記移植部へと
落下供給させるとき、ポット苗の根張り状態や用土の状
態などにより、該ポット苗が前記苗取出爪に保持された
ままの状態となって、前記移植部側に円滑に落下供給さ
れないことがあり、また、前記苗取出爪から前記移植部
へとポット苗を落下供給させるときに、その落下姿勢が
不安定となって、前記移植部で悪い植付姿勢で植付られ
たりする問題があった。

本考案は以上のような問題に鑑みてなしたもので、そ
の目的は、前記苗取出爪で取出したポット苗を前記移植
部側に確実に落下供給することができ、しかも、前記ポ
ット苗を前記移植部に常に安定した落下姿勢で供給し
て、前記移植部による植付姿勢を良好ならしめ得る移植
機の苗取出装置を提供することにある。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本考案では、ポット苗を
搬送部より取出し、移植部に落下させる苗取出爪（41）
をもつ苗取出体（42）と、該苗取出体（42）を横送りす
る横送り機構（43）とを備えた移植機の苗取出装置にお
いて、前記苗取出爪（41）の苗取出位置外方に、前記苗
取出体（42）で取出した苗を押出して前記苗取出爪（4
1）から離反させる押出体（81）をもつ押出具（80）
を、前記苗取出体（42）と同方向に移動可能に支持する
と共に、この押出具（80）に、該押出具（80）を前記苗
取出体（42）の移動と同調して移動させる移動機構（8
2）と、前記押出体（81）による押出動作を前記苗取出
爪（41）による苗取出動作に同調させる押出動作手段
（83）とを設けたことを特徴とするものである。

（作用） ポット苗の圃場への移植作業時には、前記横送り機構
（43）で苗取出体（42）が横送りされながら、前記苗取
出爪（41）により前記搬送部で搬送されるポット苗が取
出されるのであるが、このポット苗の前記苗取出爪（4
1）による取出時には、前記押出具（80）が移動機構（8
2）を介して前記苗取出体（42）と同調して同一方向に
移動され、また、前記押出具（80）の押出体（81）が押
出動作手段（83）で前記苗取出爪（41）による苗取出動
作に同調して押出動作されるために、前記押出体（81）
の押出動作により前記苗取出爪（41）で取出されたポッ
ト苗が、該苗取出爪（41）から強制的に離反され、前記
移植部側に確実に落下供給されるのであり、しかも、前
記押出動作手段（83）で前記押出体（81）の押出動作と
苗取出爪（41）の苗取出動作とが同調されるため、各苗
取出爪（41）で取出されたポット苗が所定位置で常に前
記押出体（81）により強制離反されることとなって、ポ
ット苗の安定した落下姿勢が得られ、前記移植部による
圃場への植付姿勢が良好となるのである。

（実施例） 第３図乃至第５図に示した移植機は、前後方向に延び
る機体（１）と、該機体（１）の前方側に搭載した駆動
源（２）と、前記機体（１）の中間部位に設けた一つの
駆動車輪（３）と、この駆動車輪（３）の後方に配置し
た一対の転動輪（４）と、前記機体（１）の横方向両側
に配設した移植装置（Ｘ）（Ｙ）とで構成されている。

前記機体（１）は、前記駆動源（２）を支持する左右
フレーム（11）（12）と、これらフレーム（11）（12）
の後端側に結合した横フレーム（13）と、該横フレーム
（13）に平面視Ｔ字型に結合され、後上方に向けて延び
るメインフレーム（10）とで構成しており、このメイン
フレーム（10）の後端部に、箱型剛性構造とした主ハン
ドル（14）を上方に向けて起立状に取付け、その上端部
に、該上端部の左右両側から後方に延びる枝状の副ハン
ドル（15）を設けており、該副ハンドル（15）に、スロ
ットルレバー（16）と、前記各移植装置（Ａ）（Ｂ）へ
の駆動力を断接するクラッチレバー（17）とを取付けて
いる。尚、図中、（18）は前記主ハンドル（14）に設け
た変速レバーである。

また、前記駆動源（２）は、エンジン（21）とミッシ
ョン（22）とを一体に組付けて構成され、該ミッション
（22）の下方部に、その出力軸を支点として駆動ケース
（23）を揺動可能に支持して、この駆動ケース（23）の
後方遊端側に、該駆動ケース（23）を上下方向に複数段
階にわたって調整する調整機構（24）を設けると共に、
前記駆動ケース（23）の遊端側に駆動軸（25）を介して
前記駆動車輪（３）を取付け、前記エンジン（21）の駆
動に伴う前記駆動車輪（３）の回転で移植機を走行させ
るようにしている。

更に、前記移植装置（Ｘ）（Ｙ）は、それぞれ同一構
造とされ、前記機体（１）を中心として左右対称状に配
設されるものであり、従って、ここでは、左側に配設さ
れた移植装置（Ｘ）についてのみ説明し、右側に配設さ
れた移植装置（Ｙ）の説明は省略する。

前記移植装置（Ｘ）を概略説明すると、複数のポット
苗収容部（ａ）をもつ苗収容体（Ａ）を後方側に縦搬送
する搬送部（30）と、この搬送部（30）の搬送終端側
で、前記苗収容体（Ａ）の苗収容部（ａ）からポット苗
を１本づつ取出す苗取出爪（41）をもった苗取出体（4
2）と、該苗取出体（42）を横方向に移動させる横送り
機構（43）とから成る苗取出装置（40）と、前記苗取出
体（42）で取出されたポット苗を受取り、この苗を圃場
に移植する移植器（51）と、該移植器（51）を作動させ
る作動機構（52）とを備えた移植部（50）と、前記ポッ
ト苗を前記移植器（51）に案内する案内搬送部（60）と
で構成し、斯かる移植装置（Ｘ）は、概略Ｕ形状の支持
フレーム（70）を介して支持する。

また、前記搬送部（30）は、前記縦フレーム（70）か
ら斜め前上方に向けて延設した一対のサイドフレーム
（30a）（30b）の後方位置に駆動軸（31）を枢支し、こ
の駆動軸（31）の一端を縦送りモータ（32）に連動させ
ると共に、前記駆動軸（31）の軸方向両側で前記サイド
フレーム（30a）（30b）の内側に、それぞれＶプーリ
（33）（33）を支持し、かつ、これらＶプーリ（33）
（33）間における前記駆動軸（31）上に、幅広の駆動プ
ーリ（34）を挟持状に支持する一方、該駆動プーリ（3
4）の対向前方側で前記各サイドフレーム（30a）（30
b）間に従動プーリ（35）を遊転可能に支持して、この
従動プーリ（35）と前記駆動プーリ（34）とに幅広の平
ベルト（36）を張設して構成する。また、前記搬送部
（30）における前記苗収容体（Ａ）の搬送軌跡上には、
前記苗収容部（ａ）が１ピッチ搬送されたときに動作さ
れる縦送り検出スイッチ（39）を設けて、該スイッチ
（39）で前記搬送部（30）の縦送りモータ（32）を発停
制御する。

更に、前記苗収容体（Ａ）は、野菜などのポット苗を
縦横方向に収容する複数の収容部（ａ）をもち、これら
収容部（ａ）の幅方向両側に位置される下方への突出部
位を、前記Ｖプーリ（33）（33）のＶ溝に係合させると
共に、前記各収容部（ａ）における両外側以外の突出部
位を前記平ベルト（36）上に載置して、前記縦送りモー
タ（32）の駆動で前記苗収容体（Ａ）の全体を後方側に
移動させるように構成する。

前記搬送部（30）の搬送終端位置には、前記Ｖプーリ
（33）（33）の外周後半円部に沿う円弧状のガイド板
（37）（37）を設けて、該ガイド板（37）（37）で苗収
容体（Ａ）が搬送終端位置に到達したとき、該苗収容体
（Ａ）を前記Ｖプーリ（33）（33）の外周に沿って反転
させ、最終的には、前記苗収容体（Ａ）を前記ガイド板
（37）（37）の前方位置に配設した回収トレイ（38）上
に誘導して収納するようになす。

そして、前記搬送部（30）の搬送終端側で上方位置
に、該搬送部（30）で搬送される苗収容体（Ａ）のポッ
ト苗を取出す苗取出爪（41）をもつ苗取出体（42）と、
該苗取出体（42）を横移動させる横送り機構（43）と、
前記苗取出体（42）を横方向にガイドする支持杆（44）
とを備えた前記苗取出装置（40）を設ける。

前記苗取出装置（10）の横送り機構（43）は、前記縦
フレーム（70）に支持された１対の側板（71）（72）間
の横方向一側に、正逆回転可能とした横送りモータ（43
a）を固定し、該モータ（43a）の出力軸にタイミングプ
ーリ（43b）を固定すると共に、このプーリ（43b）の他
側に従動プーリ（43c）を支持して、該従動プーリ（43
c）と前記タイミングプーリ（43b）との間にタイミング
ベルト（43d）を張設する一方、このタイミングベルト
（43d）の下側一部に前記苗取出体（42）を一体状に連
繋させる。

また、前記苗取出体（42）は、第１図で明らかなごと
く、前記タイミングベルト（43d）に連繋された本体（4
2a）に支持孔（42b）を形成して、この支持孔（42b）
を、前記各側板（71）（72）間に架設された支持杆（4
4）に挿嵌させ、該支持杆（44）を介して前記本体（42
a）を横方向にガイドさせるようになすのである。

更に、前記本体（42a）には、前記苗取出爪（41）が
揺動上限位置に至ったときに動作される苗取り検出スイ
ッチ（47）を設けて、該スイッチ（47）で、該スイッチ
（47）による苗取り検出後、一定の時間遅れをもたせて
前記横送り機構（43）の横送りモータ（43a）を駆動開
始制御すべく成している。

また、前記各側板（71）（72）には、前記苗取出体
（42）が左右方向端部に至ったときに動作する左右端検
出スイッチ（73）（74）を取付け、これらスイッチ（7
3）（74）の検出結果に基づいて、前記搬送装置（30）
の縦送りモータ（32）を制御するようになす。

更に、前記苗取出体（42）には、第１図に示したよう
に、苗取りモータ（75）を備え、該モータ（75）側から
延びる連結杆（76）を、支持軸（77）で支持された揺動
杆（78）に連結すると共に、この揺動杆（78）に２本一
組とした前記苗取出爪（41）を平行に取付けている。

また、前記苗取出爪（41）のほぼ真下位置には、該苗
取出爪（41）で取出されたポット苗を前記移植部（50）
の移植器（51）へと搬送する案内搬送部（60）を設けて
おり、この案内搬送部（60）は、第５図に示したごと
く、背面視概略Ｖ形状を呈するように張設された一対の
平ベルト（61）（61）から成り、その上端部の横方向広
さを前記搬送部（30）の幅より広く、かつ、下端部の横
方向広さを前記移植器（51）の大径部よりやゝ小さくし
て、前記案内搬送部（60）で搬送されたポット苗を前記
移植器（51）に確実に搬送するようになし、また、前記
各ベルト（61）（61）を張設する上方側のプーリを遊転
自由な従動プーリ（62）（62）となし、下方側のプーリ
を駆動プーリ（63）（63）となして、該駆動プーリ（6
3）（63）に、互いに噛合する一対の等速歯車（64）（6
4）を固定する一方、該各歯車（64）（64）の何れか一
方側を、前記駆動源（２）から延びる可撓駆動軸（65）
に連動する動力伝達歯車（66）に噛合させて、前記駆動
源（２）の回転動力で前記各ベルト（61）（61）を矢印
方向へ回動させるようにしている。

更に、前記案内搬送部（60）のほぼ真下位置には、移
植器（51）と作動機構（52）とを備えた前記移植部（5
0）を配設しており、この移植部（50）の移植器（51）
は、開閉可能な２つの筒状分割部材で概略逆円錐形状に
形成し、また、前記作動機構（52）は前記移植器（51）
を上下姿勢を維持しながら上下方向へと回行させるよう
になし、この移植器（51）が上部側に回行されたとき、
その各分割部材を閉動作させて、前記案内搬送部（60）
から落下されるポット苗を受取り、下部側に回行された
ときに、前記各分割部材を開動作させて内部のポット苗
を圃場に移植するようにしている。

しかして、以上のような移植機に用いる苗取出装置
（40）を、次の構成としたのである。

即ち、前記苗取出爪（41）の苗取出位置外方に、前記
苗取出体（42）で取出したポット苗を押出して前記苗取
出爪（41）から強制離反させる押出体（81）をもった押
出具（80）を、前記苗取出体（42）と同一方向に移動可
能に支持すると共に、この押出具（80）に、該押出具
（80）を前記苗取出体（42）の移動に同調させて移動さ
せる移動機構（82）と、前記押出体（81）による押出動
作を前記苗取出爪（41）による苗取出動作に同調させる
押出動作手段（83）とを設けたのである。

具体的には、第１図及び第２図で明らかにしたごと
く、前記苗取出爪（41）の回転軌跡より後方側に、前記
苗取出体（42）の支持杆（44）と平行に延びる軸杆（8
4）を支持して、該軸杆（84）に前記押出具（80）を摺
動可能に支持させる。また、前記押出具（80）を前記苗
取出体（42）の移動に同調させて移動させる移動機構
（82）として、前記横送り機構（43）の横送りモータ
（43a）から延び、前記タイミングプーリ（43b）が支持
される出力軸（43e）を後方側に延設し、かつ、前記タ
イミングプーリ（43b）と対向状に配設され、前記従動
プーリ（43c）が支持される従動軸（41f）を後方側に延
設させ、これら各軸（43e）（41f）に、それぞれ駆動プ
ーリ（82a）と従動プーリ（82b）とを取付け、この各プ
ーリ（82a）（82b）間に伝動ベルト（82c）を掛回させ
て、前記モータ（43a）の駆動時に、前記横送り機構（4
3）のタイミングベルト（43d）と前記伝動ベルト（82
c）とを同時回行させるようになすと共に、このベルト
（82c）に前記押出具（80）を一体状に結合させて、こ
の押出具（80）を前記苗送り機構（43）つまり苗取出体
（42）の移動に同調させるようになす。

更に、前記押出具（80）には、苗押出用のモータ（8
5）を設けて、その出力軸（85a）に円板形状の支持体
（86）を取付けると共に、該支持体（86）に、前記苗取
出爪（41）側への進出時に該苗取出爪（41）の外方側に
位置される平面視コ形状とした前記押出体（81）を支持
する。

また、前記押出動作手段（83）は、前記苗取出爪（4
1）の苗取り検出スイッチ（47）と前記苗押出用モータ
（85）との間を電気的に接続して構成するのであって、
前記スイッチ（47）で苗取出爪（41）によるポット苗の
取出しが検出されたときに、第１図で示したごとく、前
記モータ（85）を駆動させて前記押出体（81）を前記苗
取出爪（41）で取出されたポット苗側に回転進出させ、
該ポット苗を前記押出体（81）で押圧して、前記苗取出
爪（41）からポット苗を強制的に離反させ、このポット
苗を前記移植部（50）の移植器（51）へと確実に落下供
給させ、また、前記スイッチ（47）のポット苗取出検出
時に、前記モータ（85）で押出体（81）の押出動作を同
調して行うことにより、この押出体（81）で前記苗取出
爪（41）による取出ポット苗を常に所定位置で強制離反
させて、このポット苗の前記移植器（52）への落下姿勢
を安定させ、かつ、該移植器（51）による圃場への植付
姿勢を良好とならしめるのである。

尚、各図の実施例においては、前記機体（１）の中央
下方部で、前記移植装置（Ｘ）の縦フレーム（70）に連
結された支持フレーム（102）に、鎮圧輪（103）を回転
自由に支持して、該鎮圧輪（103）で移植土壌面を均平
に地均しするようにしており、また、前記移植部（50）
の後方位置で前記転動輪（４）の前方部位には、培土輪
（104）を回転可能に支持して、前記移植部（50）によ
る移植跡を培土するようにしている。

次に、以上のように構成した移植装置の作用について
説明する。

先ず、移植すべきポット苗が収容されたポット苗収容
体（Ａ）を移植装置（Ｘ）における搬送部（30）の平ベ
ルト（36）上に載置する。

次に、前記クラッチレバー（17）の操作で前記移植装
置（Ｘ）の各作動部を順次作動させるのであり、この作
動は、前記苗取出装置（40）の苗取りモータ（75）、動
苗取出装置（40）の苗取出爪（41）に同調する押出具
（80）のモータ（85）、動苗取出装置（40）の横送りモ
ータ（43a）、前記搬送部（30）の縦送りモータ（3
2）、前記移植部（50）に設ける移植器（51）の開閉機
構の順序に従ってシーケンス制御するのである。

尚、移植作業時に、前記駆動源（２）から延びる前記
可撓駆動軸（65）は常時駆動され、この駆動軸（65）で
前記苗取部（40）の案内搬送部（60）は常時駆動状態に
保持され、また、前記移植部（50）は前記開閉機構を介
して駆動可能な状態とされている。

しかして、前記機体（１）の進行に伴ない、前記苗取
装置（40）における苗取出体（42）の苗取りモータ（7
5）が回転駆動されて、前記連結杆（76）を介し揺動杆
（78）が揺動され、該揺動杆（78）に支持した苗取出爪
（41）が下限位置に至ったとき、該苗取出爪（41）が前
記苗収容体（Ａ）の収容部（ａ）からポット苗を取出
し、この苗取り後に前記苗取出爪（41）が苗取出軌跡の
上限位置へと揺動される。

そして、前記苗取出爪（41）が上限位置に至ったと
き、前記苗取り検出スイッチ（47）の作動で前記苗取り
モータ（75）が停止されると同時に、前記苗押出用モー
タ（85）が駆動して、前記押出具（80）の押出体（81）
が、前記苗取出爪（41）で取出されたポット苗側に回転
進出し、前記ポット苗が前記苗取出爪（41）から強制的
に離反され、良好な落下姿勢を保持しながら前記案内搬
送部（60）へと確実に落下し、この案内搬送部（60）の
平ベルト（61）（61）でポット苗が、閉鎖状態にある前
記移植部（50）の移植器（51）内へと送り込まれる。

また、前記苗取り検出スイッチ（47）の作動後、前記
押出体（81）によるポット苗の強制押出しが終了する一
定の時間遅れをもって前記横送り機構（43）のモータ
（43a）が駆動され、前記苗取出体（42）が左右方向に
所定ピッチ横送りされて、所定ピッチの横送り後に前記
モータ（43a）が停止され、更に、前記苗取出体（42）
が左右端部に至ったとき、前記左右端検出スイッチ（7
3）（74）の作動で、前記搬送装置（30）の縦送りモー
タ（32）が駆動され、前記苗収容体（Ａ）が１ピッチ縦
送りされて、縦送り検出スイッチ（39）が作動したと
き、前記縦送りモータ（32）が停止される。

このとき、前記移動機構（82）で前記苗取出体（42）
に同調して前記押出具（80）が横方向に移動されるた
め、この押出具（80）の押出体（10）は、常に前記苗取
出体（42）の苗取出爪（41）と対向状に位置される。

更には、前記苗取出体（42）の横移動と同時に、前記
移植部（50）の移植器（51）が、下方に回動されて先端
が畦内に突入され、該先端が開放されて、前記移植器
（51）内のポット苗が畝内に移植される。

また、以上のように、ポット苗の移植を終了した後、
前記移植器（51）は再び上方へと回動され、その上限位
置において次のポット苗を受け取るべく待機されるので
あり、このようにして１回のポット苗移植行程が終了
し、以後、同様の行程を繰返しで移植作業が順次行われ
る。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案にかかる移植機の苗取出
装置では、苗取出爪（41）の苗取出位置外方に、苗取出
体（42）で取出した苗を押し出して前記苗取出爪（41）
から離反させる押出体（81）をもつ押出具（80）を、前
記苗取出体（42）と同方向に移動可能に支持すると共
に、この押出具（80）に、該押出具（80）を前記苗取出
体（42）の移動と同調して移動させる移動機構（82）
と、前記押出体（81）による押出動作を前記苗取出爪
（41）による苗取出動作に同調させる押出動作手段（8
3）とを設けたから、前記苗取出爪（41）で取出したポ
ット苗を移植部（50）側に確実に落下供給させることが
でき、また、前記ポット苗を前記移植部（50）に常に安
定した落下姿勢で供給できて、前記移植部（50）による
植付姿勢を良好ならしめ得るに至ったのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる苗取出装置の要部を示す側面
図、第２図は同要部の平面図、第３図は苗取出装置を備
えた移植機の全体構造を示す一部切欠側面図、第４図は
その一部省略平面図、第５図はその一部省略背面図であ
る。 （30）……搬送部 （40）……苗取装置 （41）……苗取出爪 （42）……苗取出体 （43）……横送り機構 （50）……移植部 （80）……押出具 （81）……押出体 （82）……移動機構 （83）……押出動作手段

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ポット苗を搬送部より取出し、移植部に落
   下させる苗取出爪（41）をもつ苗取出体（42）と、該苗
   取出体（42）を横送りする横送り機構（43）とを備えて
   成る移植機の苗取出装置であって、前記苗取出爪（41）
   の苗取出位置外方に、前記苗取出体（42）で取出した苗
   を押出して前記苗取出爪（41）から離反させる押出体
   （81）をもつ押出具（80）を、前記苗取出体（42）と同
   方向に移動可能に支持すると共に、この押出具（80）
   に、該押出具（80）を前記苗取出体（42）の移動と同調
   して移動させる移動機構（82）と、前記押出体（81）に
   よる押出動作を前記苗取出爪（41）による苗取出動作に
   同調させる押出動作手段（83）とを設けたことを特徴と
   する移植機の苗取出装置。