JPH0863735A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0863735A
JPH0863735A JP6199554A JP19955494A JPH0863735A JP H0863735 A JPH0863735 A JP H0863735A JP 6199554 A JP6199554 A JP 6199554A JP 19955494 A JP19955494 A JP 19955494A JP H0863735 A JPH0863735 A JP H0863735A
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JP
Japan
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magnetic
magnetic layer
powder
weight
parts
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Application number
JP6199554A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Watanabe
仁 渡辺
Wataru Okawa
渉 大川
Yuichi Sasaki
勇一 佐々木
Hiroto Ataka
博人 安宅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Publication of JPH0863735A publication Critical patent/JPH0863735A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁性層の焼き付きを長時間にわたって抑え、
再生出力の低下やエラーレートの上昇を抑え、低湿度の
環境下においても十分使用し得る特性を付与し、磁性層
の粉落ちを抑え、ヘッドクロッグの発生も抑える。 【構成】 少なくとも磁性粉末と結合剤とを含有してな
る磁性塗料に酸化防止剤として酸化還元電位の低い有機
物を磁性粉末100重量部に対して0.3重量部〜5重
量部の割合で含有させるとともに、上記磁性粉末を該磁
性粉末100重量部に対して0.5重量部〜5重量部の
割合の多価カルボン酸により表面処理し、上記磁性塗料
を非磁性支持体に塗布して磁性層を形成し、その耐溶剤
性を20回以上とする。なお、上記酸化防止剤は、芳香
族ハイドロカーボン類、アミン類、芳香族アミン類、複
素環式化合物、L−アスコルビン酸およびその誘導体、
トコフェロールであっても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非磁性支持体上に少な
くとも磁性粉末と結合剤とを含有してなる磁性層が塗布
形成されてなる磁気記録媒体に関し、ビデオテープレコ
ーダー用磁気テープ,デジタルオーディオテープレコー
ダー用磁気テープ,データストレージ用磁気テープに適
用して好適な磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】ビデオテープレコーダー(以下、VTR
と称する。)やデジタルオーディオテープレコーダー、
DDS(Digital Data Storage)
やデータ8mmといったデータストレージ等の磁気記録
再生装置の記録媒体として用いられる磁気テープとして
は、強磁性粉末や結合剤,潤滑剤等を有機溶剤中に分散
混練してなる磁性塗料をポリエステルフィルム等の非磁
性支持体上に塗布して磁性層を形成した、いわゆる塗布
型の磁気テープが主流を占めている。
【0003】ところで、例えば、上記VTRにおいて
は、磁気ヘッドを回転ドラムに搭載し、この回転ドラム
上に磁気テープを走行させて情報の記録再生を行う回転
ヘッド方式を適用しており、また、磁気ヘッドを磁気テ
ープ走行方向に対して傾けて配し、磁気テープ上に斜め
のパターンで情報の記録を行うヘリカルスキャン方式が
多用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記ヘリカ
ルスキャン方式を適用したVTRにおいては、磁気ヘッ
ドと磁気テープが高速で摺動するため、磁気ヘッド表面
が高温となり、磁気テープの磁性層表面の有機物の酸化
分解やそれに伴う架橋等の化学反応が生じる。なお、上
記磁気ヘッドが合金により形成されている場合において
は、その触媒作用により磁性層表面の有機物の酸化分解
が促進されてしまう。
【0005】そして、このような化学反応が生じると、
磁気ヘッド表面に磁性層の有機物が焼き付き、堆積さ
れ、該堆積物により、磁気テープと磁気ヘッド間に隙間
(スペーシング)が生じ、再生出力の低下等の不都合が
生じる。なお、使用環境が低湿度である場合において
は、磁気テープの研磨力が減少してしまうため、上記の
ような現象が顕著である。
【0006】また、上記データストレージにおいて、上
記のような磁気テープの磁性層の有機物の焼き付きが発
生すると、致命的な現象であるエラーレートの上昇を引
き起こす。
【0007】そこで本発明は、従来の実情に鑑みて提案
されたものであり、磁気ヘッドと高速摺動しても磁性層
の焼き付きが発生し難く、再生出力の低下やエラーレー
トの低下が起こり難く、低湿度の環境下においても十分
使用し得る磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに本発明者等が鋭意検討した結果、磁気ヘッドと高速
摺動する場合に磁気記録媒体の磁性層表面に有機物の酸
化防止剤が存在すれば、磁性層の焼き付きが発生し難
く、磁性層表面に酸化防止剤を継続的に存在させるに
は、磁性層中の磁性粉末に多価カルボン酸を吸着させ、
該磁性粉末表面を表面処理すれば良いことを見い出し
た。
【0009】また、本発明者等がさらに検討を続けた結
果、上記磁性層の結合剤の硬化性が悪い場合には、表面
からの粉落ちが発生し、この粉が磁気ヘッドや回転ドラ
ムに付着してしまい、ヘッドクロッグ等が発生するとい
うことを見い出した。そしてこの現象を防ぐには、磁性
層の結合剤の硬化性を向上させれば良いことを見い出し
た。
【0010】なお、上記硬化性を評価する方法として
は、耐溶剤性試験が挙げられる。上記耐溶剤性試験は、
磁性層中の結合剤を溶解する溶剤を綿棒に染み込ませて
磁性層を一方向に3cmこすった場合に、綿棒に磁性層
からの脱落物が付着するまでの回数を測定するものであ
り、本発明においては、上記溶剤としてメチルエチルケ
トンを使用するものとする。
【0011】すなわち、本発明は、非磁性支持体上に少
なくとも磁性粉末と結合剤とを含有してなる磁性層が塗
布形成されてなる磁気記録媒体において、上記磁性層に
酸化防止剤として酸化還元電位の低い有機物、すなわち
分子中の電子が豊富な有機物を磁性粉末100重量部に
対して0.3重量部〜5重量部の割合で含有するととも
に、上記磁性粉末が該磁性粉末100重量部に対して
0.5重量部〜5重量部の割合の多価カルボン酸により
表面処理されており、耐溶剤性が20回以上で上記結合
剤の硬化性が高いことを特徴とするものである。
【0012】なお、上記多価カルボン酸としては、クエ
ン酸等が挙げられ、多価カルボン酸の添加量が5重量部
よりも多いと、磁気記録媒体表面上に析出し、0.5重
量部よりも少ないと、本発明の効果が少ない。
【0013】また、上記酸化防止剤の添加量が5重量部
よりも多いと、走行時に粉落ちが生じたり、摩擦係数が
上昇したりし、0.3重量部よりも少ないと、本発明の
効果が少ない。
【0014】さらに、結合剤の硬化性は、結合剤の種
類、硬化条件により決定されるため、これらを適宜選択
することにより、上記耐溶剤性を20回以上とすること
が可能である。
【0015】また、本発明の磁気記録媒体においては、
酸化防止剤が芳香族ハイドロカーボン類、アミン類、芳
香族アミン類、複素環式化合物、L−アスコルビン酸
(いわゆるビタミンC)及びその誘導体、トコフェロー
ル(いわゆるビタミンE)であることが好ましい。
【0016】上記芳香族ハイドロカーボン類の具体例と
しては、多価フェノール類、フェノール誘導体、多価ナ
フトール類、ナフトール誘導体、芳香族(多価)カルボ
ン酸類等が挙げられる。上記複素環式化合物の具体例と
しては、ピロールやインドール等が挙げられる。また、
ビタミンCの誘導体としては、ビタミンCエステル等が
挙げられる。
【0017】そして、本発明の磁気記録媒体において
は、酸化防止剤が磁性層中に内添される、或いは磁性層
表面に塗布されていても良い。上記のように酸化防止剤
を塗布する場合には、表面塗布量を10mg/m2 〜1
00mg/m2 とすることが好ましい。
【0018】なお、本発明の磁気記録媒体の非磁性支持
体としては、この種の磁気記録媒体に通常使用されるも
のが使用可能であり、例えばポリエチレンテレフタレー
トフィルムやポリエチレンナフタレートフィルム、アラ
ミドフィルム等が挙げられる。
【0019】また、本発明の磁気記録媒体の磁性粉末と
しては、この種の磁気記録媒体に通常使用されるものが
使用可能であり、酸化物磁性粉末や金属磁性粉末が挙げ
られる。
【0020】上記酸化物磁性粉末としては、例えばγ−
Fe23 、Co含有のγ−Fe23 、Fe34
Co含有のγ−Fe34 、Co被着のFe34 、C
rO2 等が挙げられる。
【0021】一方、上記金属磁性粉末としては、例えば
Fe、Co、Ni、Fe−Co,Fe−Ni、Fe−C
o−Ni、Co−Ni、Fe−Co−B、Fe−Co−
Cr−B、Mn−Bi、Mn−Al、Fe−Co−V等
が挙げられ、さらにこれらの特性を改善するために、こ
れらにAl、Si、Ti、Cr、Mn、Cu、Zn等の
金属成分が添加されたものが挙げられる。また、バリウ
ムフェライト等の六方晶系フェライトや窒化鉄等も挙げ
られる。
【0022】さらに、本発明の磁気記録媒体の結合剤と
しても、この種の磁気記録媒体に通常使用されるものが
使用可能であり、例えばビニル系共重合体、ポリエステ
ルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ニト
ロセルロース等の有機結合剤が挙げられる。
【0023】さらにまた、本発明の磁気記録媒体は、磁
性層に必要に応じて潤滑剤、研磨材、帯電防止剤等が添
加されていても良く、これらは、この種の磁気記録媒体
に通常使用されるものが使用可能である。
【0024】
【作用】本発明の磁気記録媒体においては、少なくとも
磁性粉末と結合剤とを含有してなる磁性層が酸化防止剤
として酸化還元電位の低い有機物を磁性粉末100重量
部に対して0.3重量部〜5重量部の割合で含有すると
ともに、上記磁性粉末が該磁性粉末100重量部に対し
て0.5重量部〜5重量部の割合の多価カルボン酸によ
り表面処理されていることから、長時間にわたって磁性
層の焼き付きが抑えられ、また、上記磁性層の耐溶剤性
が20回以上で上記結合剤の硬化性が高いことから、磁
性層の粉落ちも抑えられる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について実験結
果に基づいて説明する。すなわち、本実験例において
は、磁性塗料の組成を変えて磁気記録媒体を製造し、こ
れら磁気記録媒体の耐溶剤性、エラーレートの変化、走
行時の粉落ちの発生、ヘッドクロッグの発生について調
査した。なお、本実験例においては、磁気記録媒体とし
て磁気テープを使用した。
【0026】1.磁気テープの製造 先ず、磁性塗料を製造した。すなわち、下記配合物をサ
ンドミルにて4時間混合分散し、これに酸化防止剤とし
てL−アスコルビン酸パルミテート(東京化成社製)を
4重量部添加し、また硬化剤〔日本ポリウレタン工業社
製 コロネートL(商品名)〕を4重量部添加し、ミリ
スチン酸を1重量部添加して磁性塗料を製造した。
【0027】 〔磁性塗料配合物〕 磁性粉末 Fe磁性粉末(比表面積55m2 /g) 100重量部 結合剤 ポリ塩化ビニル 16重量部 〔日本ゼオン社製 MR−110(商品名)〕 カーボン〔旭カーボン社製 カーボンブラック#50(商品名)〕 4重量部 アルミナ〔住友化学社製 AKP−50(商品名)〕 8重量部 ブチルステアレート 2重量部 多価カルボン酸 クエン酸 3重量部 メチルエチルケトン 150重量部 トルエン 70重量部 次に、上記磁性塗料を厚さ7μmのポリエチレンテレフ
タレートフィルムの片面に厚さ3μmで塗布し、これに
カレンダー処理を行い、75℃×20時間の条件で硬化
させて磁性層を形成した。
【0028】次に、以下に示す配合のバックコート用塗
料配合物をボールミルにて24時間混合分散させ、これ
に硬化剤〔日本ポリウレタン工業社製 コロネートL
(商品名)〕を20重量部添加してバックコート用塗料
を製造した。続いて、これを上記ポリエチレンテレフタ
レートフィルムの磁性層形成面と反対側の面に厚さ0.
7μmで塗布してバックコート層を形成した。
【0029】 〔バックコート用塗料配合物〕 カーボン 100重量部 〔旭カーボン社製 カーボンブラック#50(商品名)〕 ポリエステルポリウレタン 100重量部 〔日本ポリウレタン社製 ニッポランN−2304(商品名)〕 メチルエチルケトン 500重量部 トルエン 500重量部 そして、磁性層,バックコート層の形成されたポリエチ
レンテレフタレートフィルムを8mm幅に裁断して磁気
テープを製造し、これを8mm用シェルに組み込んで実
施例1とした。
【0030】次に、比較のために、硬化処理条件を60
℃×20時間とした以外は、実施例1と同様にして磁気
テープを製造し、この磁気テープを比較例1とした。
【0031】次に、実施例1の磁性塗料中の多価カルボ
ン酸であるクエン酸を除いた以外は、実施例1と同様に
して磁気テープを製造し、この磁気テープを比較例2と
した。
【0032】次に、実施例1の磁性塗料中の結合剤をポ
リエステルポリウレタン〔日本ポリウレタン社製 ニッ
ポランN−2304(商品名)〕8重量部とポリ塩化ビ
ニル〔日本ゼオン社製 MR−110(商品名)〕8重
量部に変更した以外は、実施例1と同様にして磁気テー
プを製造し、この磁気テープを比較例3とした。
【0033】次に、実施例1の磁性塗料中の多価カルボ
ン酸であるクエン酸を除き、結合剤をポリエステルポリ
ウレタン〔日本ポリウレタン社製 ニッポランN−23
04(商品名)〕8重量部とポリ塩化ビニル〔日本ゼオ
ン社製 MR−110(商品名)〕8重量部に変更し、
硬化処理条件を60℃×20時間とした以外は、実施例
1と同様にして磁気テープを製造し、この磁気テープを
比較例4とした。
【0034】2.磁気テープの特性調査 次に上記実施例1及び比較例1〜4の磁気テープの耐溶
剤性、エラーレートの変化、走行時の粉落ちの発生、ヘ
ッドクロッグの発生について調査した。
【0035】上記耐溶剤性は、前述した方法で調査し
た。また、上記エラーレートの変化は以下のような方法
で調査した。すなわち、試験装置としてエグザバイト
(EXABYTE)社製のEXB−8500(機種名)
を使用し、温度45℃,湿度30RH%の環境下で10
00パス走行させた場合のブロックエラーレートの変化
を調査した。なお、32000ブロックにわたってデー
タを書き込み、巻き戻して初めの位置に戻り、書き込ん
だ32000ブロック分のデータを読み、再び巻き戻し
て初めの位置に戻る一連の動作を1パスとし、これを1
000回繰り返すものとした。結果をE%として示す
が、これは32000ブロック中320×Eブロックで
データの書き込み或いは読出しが正常に行われなかった
ことを示す。
【0036】上記走行時の粉落ちは、上記のように10
00パス走行させた場合の磁気ヘッドやドラムへの粉の
付着を光学顕微鏡により観察して調査した。
【0037】さらに、上記ヘッドクロッグは、上記のよ
うに1000パス走行させた場合の磁性層の磁気ヘッド
への付着を光学顕微鏡により観察して調査した。
【0038】実施例1及び比較例1〜4の結果を表1に
示す。
【0039】
【表1】
【0040】表1中の結果を見てわかるように、実施例
1においては、上記低湿度環境下においてもエラーレー
トの変化が小さい。これは、実施例1においては、磁性
層が酸化防止剤として所定量のL−アスコルビン酸パル
ミテートを含有しているため、磁性層表面に酸化防止剤
が存在し、磁性層の焼き付きが抑えられており、また所
定量の多価カルボン酸であるクエン酸により磁性粉末を
表面処理しているため、磁性層表面に継続的に酸化防止
剤を存在させて磁性層の焼き付きを継続的に抑えている
ことによるものである。
【0041】一方、比較例2,比較例4においては、エ
ラーレートの変化が非常に大きい。これは、上記比較例
2においては、磁性層中に酸化防止剤としてL−アスコ
ルビン酸パルミテートを含有しているものの、磁性粉末
を多価カルボン酸により表面処理していないため、磁性
層表面に酸化防止剤を継続的に存在させることができ
ず、長時間の走行により磁性層の焼き付きが発生してし
てしまうためと思われる。また、上記比較例4において
は、磁性層中に酸化防止剤を含有していないために磁性
層表面に酸化防止剤が存在せず、磁性層の焼き付きが発
生しているためと思われ、エラーレートの変化が比較例
2よりも大きなものとなっている。
【0042】さらに、表1の結果から実施例1において
は耐溶剤性が高く、粉落ち,ヘッドクロッグも発生して
いないことがわかる。実施例1においては、磁性層中の
結合剤として架橋特性の良いポリ塩化ビニルを使用して
おり、硬化条件を上記ポリ塩化ビニルが十分に架橋され
る条件としていることから、磁性層の結合剤の硬化性が
十分とされ、耐溶剤性が高くなる。そして、このように
結合剤の硬化性が十分で耐溶剤性が高いことから、表面
からの粉落ちが発生せず、ヘッドクロッグも発生しな
い。
【0043】一方、比較例1においては、耐溶剤性があ
まり良好ではなく粉落ちが発生しており、比較例3,比
較例4においては、耐溶剤性が低く、粉落ち,ヘッドク
ロッグが発生している。上記比較例1においては、磁性
層中の結合剤として架橋特性の良いポリ塩化ビニルを使
用しているものの、硬化条件を上記ポリ塩化ビニルが十
分に架橋される条件としていないことから、磁性層の結
合剤の硬化性が十分とならず、耐溶剤性があまり良好で
はない。そして、結合剤の硬化性が不十分で耐溶剤性が
あまり良好ではないことから粉落ちが発生する。上記比
較例3,比較例4においては、硬化条件を上記結合剤が
十分に架橋される条件としていないことから、磁性層の
結合剤の硬化性が悪く、耐溶剤性が良好とならない。そ
して、結合剤の硬化性が悪く耐溶剤性が低いことから粉
落ち,ヘッドクロッグが発生する。
【0044】すなわち、磁性層が酸化防止剤を磁性粉末
100重量部に対して0.3重量部〜5重量部の割合で
含有し、磁性粉末が該磁性粉末100重量部に対して
0.5重量部〜5重量部の割合の多価カルボン酸により
表面処理されており、耐溶剤性が20回以上で磁性層中
の結合剤の硬化性が高い実施例1は、長時間にわたって
磁性層の焼き付きが抑えられ、エラーレートの上昇が起
こり難く、低湿度の環境下においても十分使用し得る特
性を有し、また磁性層の粉落ちが抑えられ、ヘッドクロ
ッグも発生しない。
【0045】なお、本実験例においては、酸化防止剤を
磁性層中に内添したが、酸化防止剤を磁性層表面に塗布
しても同様の効果が得られる。
【0046】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明は、非磁性支持体上に少なくとも磁性粉末と結合剤と
を含有してなる磁性層が塗布形成されてなる磁気記録媒
体において、上記磁性層が酸化防止剤として酸化還元電
位の低い有機物を磁性粉末100重量部に対して0.3
重量部〜5重量部の割合で含有するとともに、上記磁性
粉末が該磁性粉末100重量部に対して0.5重量部〜
5重量部の割合の多価カルボン酸により表面処理されて
おり、耐溶剤性が20回以上であるため、長時間にわた
って磁性層の焼き付きが抑えられ、再生出力の低下やエ
ラーレートの上昇が起こり難く、低湿度の環境下におい
ても十分使用し得る特性を有し、また磁性層の粉落ちが
抑えられ、ヘッドクロッグも発生しない。
フロントページの続き (72)発明者 安宅 博人 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に少なくとも磁性粉末と
    結合剤とを含有してなる磁性層が塗布形成されてなる磁
    気記録媒体において、 上記磁性層が酸化防止剤として酸化還元電位の低い有機
    物を磁性粉末100重量部に対して0.3重量部〜5重
    量部の割合で含有するとともに、上記磁性粉末が該磁性
    粉末100重量部に対して0.5重量部〜5重量部の割
    合の多価カルボン酸により表面処理されており、耐溶剤
    性が20回以上であることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 酸化防止剤が芳香族ハイドロカーボン
    類、アミン類、芳香族アミン類、複素環式化合物、L−
    アスコルビン酸およびその誘導体、トコフェロールであ
    ることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 酸化防止剤が磁性層中に内添されている
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 酸化防止剤が磁性層表面に塗布されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
JP6199554A 1994-08-24 1994-08-24 磁気記録媒体 Pending JPH0863735A (ja)

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Effective date: 20011120