JPH0863589A - イメージデータ変形装置及び方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】デジタルイメージデータを非線形変換処理して
変形イメージデータを生成する時に、変換後のイメージ
データのマッピング抜けを防止するイメージデータ変形
装置及び方法を提供する。 【構成】デジタルイメージデータを拡大処理して拡大イ
メージデータを生成する拡大処理部１５と、拡大イメー
ジデータを非線形変換処理して変形イメージデータを生
成する変形処理部１６とで構成される。 【効果】デジタルイメージデータのマッピング抜けが防
止でき、イメージデータ変形処理の映像精度の向上を図
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、デジタルイメージデー
タを非線形変換処理して変形イメージデータを生成する
イメージデータ変形装置及び方法に係り、特に、非線形
変換処理でのマッピング抜けを防止してイメージデータ
変形処理の映像精度の向上を図るイメージデータ変形装
置及び方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の技術では、デジタルイメージデー
タを線形変換処理する場合は、変換後のイメージデータ
の各画素を基準として、逆変換処理により、変換前のイ
メージデータの対応画素を抽出し当該画素を変換後のイ
メージデータとしてマッピングすることができた。ま
た、デジタルイメージデータを非線形変換処理する場合
には、逆変換処理が不可能なので、変換前のイメージデ
ータの各画素を基準として、座標変換処理で、変換後の
イメージデータの対応画素を抽出し当該画素をマッピン
グしていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術のデジタルイメージデータを非線形変換処理する
場合に、変換後のイメージデータのマッピング抜けにつ
いては何も考慮されておらず、このため、マッピング抜
けが発生する問題が生じ、イメージデータ変形処理の映
像精度の向上を図るのが困難であった。

【０００４】本発明の目的は、デジタルイメージデータ
を非線形変換処理する場合にも、変換後のイメージデー
タのマッピング抜けを防止するイメージデータ変形装置
及び方法を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、イメージデータを非線形変換処理して変
形イメージデータを生成するイメージデータ変形装置に
おいて、前記イメージデータを拡大処理して拡大イメー
ジデータを生成する拡大処理部と、前記拡大イメージデ
ータを非線形変換処理して前記変形イメージデータを生
成する変形処理部とを備えたことを特徴とする。

【０００６】また、本発明の他の特徴は、イメージデー
タを非線形変換処理して変形イメージデータを生成する
イメージデータ変形方法において、前記イメージデータ
を拡大処理して拡大イメージデータを生成する拡大処理
ステップと、前記拡大イメージデータを非線形変換処理
して前記変形イメージデータを生成する変形処理ステッ
プとを備えたことにある。

【０００７】

【作用】本発明によれば、まず、デジタルイメージデー
タに対して、拡大処理部の拡大倍率設定部は拡大処理す
る拡大倍率を算出して設定し、拡大編集部は拡大倍率設
定部で設定した拡大倍率に基づき座標変換の対象画素数
を増加させ、拡大イメージデータを生成する。次に、変
形処理部の変形定数設定部は拡大イメージデータに対し
て、非線形変換処理する変形定数を算出して設定し、変
形編集部は変形定数設定部で設定した変形定数に基づき
イメージデータを変形する。

【０００８】このように、デジタルイメージデータを拡
大処理して座標変換の対象画素数を増加させ、画素数の
増加した拡大イメージデータについて非線形変換処理を
行うことにより、デジタルイメージデータの非線形変換
処理後のマッピング抜けを防止でき、イメージデータ変
形処理の映像精度の向上を図ることができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例に係るイメージデー
タ変形装置及び方法について、図２に示すような、イメ
ージスキャナから取込んだ幅ｗ，高さｈからなる矩形状
のデジタルイメージデータ（初期イメージデータ）を、
任意四辺形に変形する非線形変換処理（双一次変換）を
行って生成した変形イメージデータの表示例を用いて説
明する。

【００１０】図１は、本発明の一実施例に係るイメージ
データ変形装置の機能ブロック構成図を示す。１は制御
装置、２はイメージスキャナ、３は表示装置、４は操作
部である。制御装置１は、主制御部１１、対話制御部１
２、入力部１３、記憶部１４、拡大処理部１５、変形処
理部１６、表示部１７から構成されている。拡大処理部
１５は、拡大倍率設定部１５１、拡大編集部１５２から
構成されている。変形処理部１６は、変形定数設定部１
６１、変形編集部１６２から構成されている。また、記
憶部１４は、イメージ情報格納テーブル１４１、拡大倍
率格納テーブル１４２、変形定数格納テーブル１４３か
ら構成されている。

【００１１】イメージ情報格納テーブル１４１は、図３
に示すように、イメージスキャナ２から取込んだ初期イ
メージ情報、初期イメージ情報を拡大処理した拡大イメ
ージ情報、拡大イメージ情報を非線形変換処理した変形
イメージ情報に対し、それぞれイメージデータ先頭アド
レスｉｍｇ〜ｉｍｇ"、頂点座標Ｐ₁〜Ｐ₄，Ｐ₁'〜
Ｐ₄'，Ｐ₁"〜Ｐ₄"を格納する。また、拡大倍率格納テー
ブル１４２は、図４に示すように、初期イメージ情報に
対する拡大倍率ｎを格納し、変形定数格納テーブル１４
３は、図５に示すように、拡大イメージデータに対して
非線形変換処理する座標変形定数ａ₁〜ａ₄、ｂ₁〜ｂ₄を
格納する。

【００１２】次に、本発明の一実施例に係るイメージデ
ータ変形方法を説明する。

【００１３】第１に、操作部４からのイメージデータ入
力指示は対話制御部１２及び主制御部１１を介し、入力
部１３に伝えられる。入力部１３は指定の分解能に従い
イメージスキャナ２よりイメージデータを読込み、記憶
部１４におけるイメージ情報格納テーブル１４１に初期
イメージ情報として４頂点座標値を格納する。また、操
作部４から双一次変換にて変形する４頂点座標値が入力
されると、対話制御部１２及び主制御部１１を介し、記
憶部１４におけるイメージ情報格納テーブル１４１に変
形イメージ情報として４頂点座標値を格納する。

【００１４】第２に、操作部４からの拡大処理指示は対
話制御部１２及び主制御部１１を介して拡大処理部１５
の拡大倍率設定部１５１に伝えられる。拡大倍率設定部
１５１は記憶部１４のイメージ情報格納テーブル１４１
から、初期イメージ情報と変形イメージ情報の４頂点座
標値を読出す。読出した２組の４頂点座標値から対応辺
の長さの比を求め、その最大値ｎを記憶部１４の拡大倍
率格納テーブル１４２に設定する。拡大倍率格納テーブ
ル１４２への設定完了指示は主制御部１１を介して拡大
処理部１５の拡大編集部１５２へ伝えられる。拡大編集
部１５２は記憶部１４のイメージ情報格納テーブル１４
１と拡大倍率格納テーブル１４２から、初期イメージ情
報と拡大倍率ｎを読出し、初期イメージデータを拡大倍
率ｎに従い拡大処理して座標変換の対象画素数を増加さ
せる。そして、処理結果の拡大イメージデータを記憶部
１４におけるイメージ情報格納テーブル１４１に拡大イ
メージ情報として格納する。

【００１５】第３に、操作部４からの変形処理指示は対
話制御部１２及び主制御部１１を介して変形処理部１６
の変形定数設定部１６１に伝えられる。変形定数設定部
１６１は記憶部１４のイメージ情報格納テーブル１４１
から、拡大イメージ情報と変形イメージ情報の４頂点座
標値を読出す。読出した２組の４頂点座標値に対し、４
頂点の対応関係から双一次変換の座標変換定数求め、記
憶部１４の変形定数格納テーブル１４３に設定する。変
形定数格納テーブル１４３への設定完了指示は主制御部
１１を介して変形処理部１６の変形編集部１６２へ伝え
られる。変形編集部１６２は記憶部１４のイメージ情報
格納テーブル１４１と変形定数格納テーブル１４３か
ら、拡大イメージ情報と変形定数ａ₁〜ａ₄，ｂ₁〜ｂ₄を
読出し、拡大イメージデータを変形定数ａ₁〜ａ₄，ｂ₁
〜ｂ₄に従い座標変換処理し、処理結果の変形イメージ
データを記憶部１４におけるイメージ情報格納テーブル
１４１に変形イメージ情報として格納する。イメージ情
報格納テーブル１４１に対する変形イメージ情報の格納
を確認後、主制御部１１は表示部１７を介して表示装置
３に変形イメージデータの表示を指示し、イメージデー
タ変形処理を完了する。

【００１６】拡大処理部１５は、拡大倍率の設定を拡大
倍率設定部１５１で、拡大イメージデータの生成を拡大
編集部１５２で行う。図２に示す変形イメージデータの
表示例にて、拡大倍率の算出方法について説明する。拡
大倍率は変換後イメージデータのマッピング抜けが発生
せず、かつ、非線形変換処理の演算回数が最小となるよ
う設定する。初期イメージデータと変形イメージデータ
の４頂点座標値から、対応辺の長さの比を求めると

【００１７】

【数１】

【００１８】となり、上式の最大値が求める拡大倍率と
なる。

【００１９】図６に、拡大イメージデータ生成のフロー
チャート図を示す。初期イメージデータの画素をＡxy，
拡大イメージデータの画素をＢxyで表す。始めにステッ
プ１５０では初期イメージデータの幅，高さを変数ｗ，
ｈに設定し、拡大倍率を変数ｎに設定する。初期イメー
ジデータの幅，高さと拡大倍率の関係から、拡大イメー
ジデータの幅，高さを算出し（１５１）、拡大イメージ
データの添え字ｉ，ｊに初期値０を設定する（１５２，
１５３）。次に拡大イメージデータの添え字ｉ，ｊに対
応する初期イメージデータの添え字ｋ，ｌを算出し（１
５４）、添え字ｋ，ｌに対応する初期イメージデータの
画素Ａklを拡大イメージデータの添え字ｉ，ｊの画素Ｂ
ijに設定する（１５５）。拡大イメージデータの添え字
ｉを＋１更新し（１５６）、更新後の添え字ｉが拡大イ
メージデータの幅Ｗ以上の場合はステップ１５８を実行
する（１５７）。ステップ１５８は拡大イメージデータ
の添え字ｊを＋１更新する。更新後の添え字ｊが拡大イ
メージデータの高さＨ未満の場合はステップ１５３を再
度実行し、拡大イメージデータの高さＨ以上の場合は拡
大編集処理を終了する（１５９）。

【００２０】変形処理部１６は、変形定数の設定を変形
定数設定部１６１で、変形イメージデータの編集を変形
編集部１６２で行う。図２に示す変形イメージデータの
表示例にて、変形定数の算出方法について説明する。矩
形状のイメージデータを任意四辺形に変換する双一次変
換の座標変換式の一般形は、

【００２１】

【数２】

【００２２】で表される。ここで、ｘ，ｙ及びＸ，Ｙは
座標変換前後の位置座標である。上式に４頂点の対応関
係を代入すると、

【００２３】

【数３】

【００２４】となり、上式より変形定数ａ₁〜ａ₄，ｂ₁
〜ｂ₄を求めると、

【００２５】

【数４】

【００２６】となる。すなわち、座標変換式は

【００２７】

【数５】

【００２８】となる。

【００２９】図７に、変形イメージデータ編集のフロー
チャート図を示す。拡大イメージデータの画素をＢxy，
変形イメージデータの画素をＣxyで表す。始めにステッ
プ１６０では拡大イメージデータの幅，高さを変数Ｗ，
Ｈに設定し、変形定数を変数ａ1〜ａ4，ｂ1〜ｂ4に設定
する。また、拡大イメージデータの添え字ｉ，ｊに初期
値０を設定する（１６１，１６２）。次に座標変換式
（数５）に従い、拡大イメージデータの添え字ｉ，ｊに
対応する変形イメージデータの添え字ｋ，ｌを算出し
（１６３）、添え字ｋ，ｌに対応する変形イメージデー
タの画素Ｃklに拡大イメージデータの添え字ｉ，ｊの画
素Ｂijを設定する（１６４）。拡大イメージデータの添
え字ｉを＋１更新し（１６５）、更新後の添え字ｉが拡
大イメージデータの幅Ｗ以上の場合はステップ１６７を
実行する（１６６）。ステップ１６７は拡大イメージデ
ータの添え字ｊを＋１更新する。更新後の添え字ｊが拡
大イメージデータの高さＨ未満の場合はステップ１６２
を再度実行し、拡大イメージデータの高さＨ以上の場合
は変形編集処理を終了する（１６８）。

【００３０】以上のことより、本実施例によれば、デジ
タルイメージデータを拡大処理して座標変換の対象画素
数を増加させ、画素数の増加した拡大イメージデータに
ついて非線形変換処理を行うことにより、変換後イメー
ジデータのマッピング抜けを防止することができる。

【００３１】

【発明の効果】本発明によれば、デジタルイメージデー
タを拡大処理して座標変換の対象画素数を増加させ、画
素数の増加した拡大イメージデータについて非線形変換
処理を行うことにより、変換後のイメージデータのマッ
ピング抜けが防止でき、イメージデータ変形処理の映像
精度の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係るイメージデータ変形装
置の機能構成のブロック図である。

【図２】本発明の一実施例に係る変形イメージデータの
表示例を示す図である。

【図３】図１の記憶部のイメージ情報格納テーブルの説
明図である。

【図４】図１の拡大倍率格納テーブルの説明図である。

【図５】図１の変形定数格納テーブルの説明図である。

【図６】図１の拡大編集部の拡大イメージデータ生成の
フローチャート図である。

【図７】図１の変形編集部の変形イメージデータ編集の
フローチャート図である。

【符号の説明】

１…制御装置、２…イメージスキャナ、３…表示装置、
４…操作部、１１…主制御部、１２…対話制御部、１３
…入力部、１４…記憶部、１５…拡大処理部、１６…変
形処理部、１７…表示部、１５１…拡大倍率設定部、１
５２…拡大編集部、１６１…変形定数設定部、１６２…
変形編集部

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】イメージデータを非線形変換処理して変形
   イメージデータを生成するイメージデータ変形装置にお
   いて、 前記イメージデータを拡大処理して拡大イメージデータ
   を生成する拡大処理部と、前記拡大イメージデータを非
   線形変換処理して前記変形イメージデータを生成する変
   形処理部とを備えたことを特徴とするイメージデータ変
   形装置。
2. 【請求項２】請求項１において、前記拡大処理部は、前
   記イメージデータに対し前記非線形変換処理の演算回数
   を最小とする拡大倍率を算出し設定する拡大倍率設定部
   と、前記拡大倍率に基づき前記イメージデータを拡大処
   理して座標変換の対象画素数を増加させると共に拡大イ
   メージデータを生成する拡大編集部とを備えたことを特
   徴とするイメージデータ変形装置。
3. 【請求項３】請求項２において、前記拡大倍率設定部で
   設定する拡大倍率は、前記イメージデータと前記非線形
   変換処理後のイメージデータとの対応辺の長さの比を算
   出し、その最大値を設定することを特徴とするイメージ
   データ変形装置。
4. 【請求項４】請求項１において、前記変形処理部は、前
   記非線形変換処理を前記変形処理に置換して変形定数を
   算出し設定する変形定数設定部と、前記変形定数に基づ
   き前記拡大イメージデータを非線形変換処理し前記変形
   イメージデータを生成する変形編集部とを備えたことを
   特徴とするイメージデータ変形装置。
5. 【請求項５】イメージデータを非線形変換処理して変形
   イメージデータを生成するイメージデータ変形方法にお
   いて、 前記イメージデータを拡大処理して拡大イメージデータ
   を生成する拡大処理ステップと、前記拡大イメージデー
   タを非線形変換処理して前記変形イメージデータを生成
   する変形処理ステップとを備えたことを特徴とするイメ
   ージデータ変形方法。
6. 【請求項６】請求項５において、前記拡大処理ステップ
   は、前記イメージデータに対し前記非線形変換処理の演
   算回数を最小とする拡大倍率を算出し設定する倍率設定
   ステップと、前記拡大倍率に基づき前記イメージデータ
   を拡大処理して座標変換の対象画素数を増加させると共
   に拡大イメージデータを生成する拡大編集ステップとを
   備えたことを特徴とするイメージデータ変形方法。
7. 【請求項７】請求項５において、前記変形処理ステップ
   は、前記非線形変換処理を前記変形処理に置換して変形
   定数を算出し設定する定数設定ステップと、前記変形定
   数に基づき前記拡大イメージデータを非線形変換処理し
   前記変形イメージデータを生成する変形編集ステップと
   を備えたことを特徴とするイメージデータ変形方法。