JPH0861632A - 廃棄物処理装置及び方法 - Google Patents

廃棄物処理装置及び方法

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Publication number
JPH0861632A
JPH0861632A JP20191794A JP20191794A JPH0861632A JP H0861632 A JPH0861632 A JP H0861632A JP 20191794 A JP20191794 A JP 20191794A JP 20191794 A JP20191794 A JP 20191794A JP H0861632 A JPH0861632 A JP H0861632A
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JP
Japan
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low
thermal decomposition
gas
temperature carbonization
waste
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JP20191794A
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English (en)
Inventor
Hidenobu Ito
秀伸 伊藤
Nobuyasu Kanda
伸靖 神田
Akira Kidoguchi
晃 木戸口
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
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  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 廃棄物の熱分解が良好で安全に行なえ、熱分
解残留物から有価物を未酸化の状態で回収することがで
きる、直接加熱方式による熱分解の実現を目的とする。 【構成】 熱分解反応器1で廃棄物の熱分解により生成
した低温乾留ガスの一部は、低温乾留ガス分岐管14で
低温乾留ガス加熱器13に導かれる。低温乾留ガス加熱
器13は、燃焼溶融炉5から排出される燃焼排ガスを導
く煙道11に設けられている。この燃焼排ガスと、低温
乾留ガス分岐管14で導かれた低温乾留ガスとは、低温
乾留ガス加熱器13で間接的に熱交換する。これによ
り、500〜600℃に加熱された低温乾留ガスは、低
温乾留ガス戻管15で熱分解反応器1に戻される。戻さ
れた低温乾留ガスは、熱分解反応器1内の廃棄物中に直
接導入され、廃棄物の熱分解の熱源となる。これによ
り、熱分解反応器1内の還元性雰囲気を保ちつつも、自
給的な直接加熱方式による熱分解ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、廃棄物(家庭やオフィ
スなどから出される都市ごみなどの一般廃棄物、廃プラ
スチックなどの産業廃棄物など、可燃物を含むもの)を
熱分解し、その熱分解生成物を燃焼して処理する廃棄物
処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の廃棄物処理技術は、西ドイツ特
許公開No.3725704.8、西ドイツ特許公開N
o.3811820.3、特開平1−49816号公報
に開示されている。これら公報に開示されている技術で
は、可燃物を含む廃棄物を加熱して熱分解し、これによ
り生成される熱分解生成物(低温乾留ガスと、主として
不揮発性成分から成る熱分解残留物より分別されたチャ
ー)を燃焼し、この燃焼の排ガスを廃熱ボイラに導いて
蒸気を発生させ、その蒸気により汽力発電機を駆動して
発電することで、熱エネルギを回収している。
【0003】また、熱分解生成物の燃焼に際しては、灰
分等の燃焼残渣を溶融スラグ化する高温(一般に、12
00℃程度以上)で燃焼させることにより、燃焼残渣を
建造物や道路の骨材などに再利用可能なスラグに変換す
ることもできる。この場合に、熱分解で生じる重金属酸
化物など無機系有害物質を環境に流出する恐れなく封入
して灰溶融固化物の形態に処理できる。
【0004】さらに、かかる技術は、熱分解残留物から
チャーと分別した後の鉄、非鉄金属などの有価な不燃物
を未酸化状態で回収することができ、塩化ジベンゾキシ
ンや塩化ジベンゾフランなどの有機有害物質も排出され
ず、さらには煙道ガスの廃熱も有効利用できるなどの多
くの利点を有する。
【0005】上述の廃棄物処理技術に用いられている従
来の熱分解技術には、直接加熱方式と間接加熱方式の2
種類がある。熱媒(空気など)を熱分解反応器内に設け
た伝熱管または熱分解反応器の外壁ジャケット部などに
流通させ、廃棄物と間接的に熱交換させる間接加熱方式
としては、従来、煙道ガス廃熱を用いて自給的に間接加
熱する技術がある(米国特許No.4913064、ド
イツ特許公開No.3815187A1、ヨーロッパ特
許公開No.0340537B1など)。また、廃棄物
に熱媒(空気など)を直接導入して加熱する直接加熱方
式としては、ヨーロッパ特許公開No.0360052
A1がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
自給的な間接加熱方式では、往々にして塩化水素や多量
の飛灰を含む高温の煙道ガスにより空気などの熱媒加熱
用の熱交換器の腐食が生じやすく、かかる腐食に耐えう
る材料を用いて熱交換器を製作することは非常に高コス
トなものになるという問題が生じる。間接加熱方式にお
いては、上述のような自給的な間接加熱方式のほかに、
自給的にではなく、系外から熱媒を供給することも考え
られるが、この場合には、系外に別途熱源を設けること
や補助設備を必要とすることから、やはり高コストとな
ってしまう。
【0007】また、間接加熱方式では、一般に熱源とな
る熱媒の温度は500℃程度は必要である。そのため、
熱媒としては空気などのガスを用いねばならず、よっ
て、熱分解反応器も熱媒加熱用の熱交換器もガス/ガス
熱交換器を用いねばならない。周知のように、この種の
熱交換器は伝熱効率が悪く、そのため、伝熱面積を大変
大きく形成せざるを得ずに熱分解反応器が大型化した
り、廃棄物の熱分解反応器内での滞留時間を長くしたり
せねばならないという問題もある。
【0008】これに対し、直接加熱方式では伝熱効率は
間接加熱方式より向上させることができる。また、直接
加熱方式として、例えば、煙道を流通する燃焼排ガスを
分岐して、これを熱分解反応器に導き、熱分解反応器内
の廃棄物に直接導入するような手段をとれば、系外に熱
源を必要とすることなどはなくなる。
【0009】しかしながら、一般に煙道のガス中には、
燃焼用に化学量論量的所要量を超える空気が供給される
結果、相当多量の残存酸素が含まれている。一方、廃棄
物の熱分解工程を好適に行なうためには、酸素不在雰囲
気下で行なう必要があるため、煙道中のガスを直接廃棄
物に導入する直接加熱方式は用いにくい。また、煙道の
ガス中には多くのばいじんが含まれており、煙道ガスを
ブロワで熱分解反応器に導こうとすると、ブロワに過大
な負担がかかってしまう。さらに、現在ブロワに用いら
れている材料が耐えうる温度まで冷却された後の煙道ガ
スを熱分解反応器に導入しなければならず、これだと熱
分解により生成した低温乾留ガスに比較的低温の煙道ガ
スが大量に混入することとなり、熱分解工程後の低温乾
留ガス及び熱分解残留物から分別したチャーの燃焼工程
において、燃焼温度が大きく低下してしまう。この温度
低下は燃焼炉において灰を溶融し、スラグ化して取り出
そうとする場合(一般に1200℃程度以上、望ましく
は1300℃程度が必要)には非常に不利な要素とな
る。
【0010】上述のヨーロッパ特許公開No.0360
052A1に開示の技術によれば、かかる不利を避ける
ことができる。すなわち、同公報には、熱分解反応器内
に空気を導入する空気導入管を設け、また、熱分解反応
器内にバーナを設け、導入した空気で熱分解反応器内で
生成される低温乾留ガスの一部を燃焼させ、この燃焼熱
で熱分解を行なう技術が開示されている。
【0011】かかる技術によれば、煙道ガスを熱分解反
応器内に直接導入する技術の不利な点を避けて直接加熱
方式を実現することができる。しかも熱源は熱分解反応
器内で生成した低温乾留ガスであり、系外に別途熱源を
必要とすることなく、熱分解のための熱を自給すること
ができる。
【0012】しかし、熱分解は酸素が存在しない還元性
雰囲気下において良好に行ないうるにもかかわらず、同
技術によれば、安定的に低温乾留ガスの部分燃焼を維持
する必要上、過剰な量の空気を供給することになりがち
である。そのため、熱分解反応器内での残存酸素量が多
くなってしまい、廃棄物の熱分解が起こる代りに廃棄物
の燃焼が起こってしまう。また、このときに、廃棄物中
の不燃性固形物は酸化されてしまうので、熱分解残留物
からアルミや銅などの有価物を未酸化の状態で分別回収
したいときにも問題である。また、予期せずバーナの炎
が消えてしまった場合には、大量の酸素が熱分解反応器
中に可燃性の低温乾留ガスとともに充満するので、爆発
する危険性が高くなってしまう。
【0013】本発明は、廃棄物を熱分解して生成した低
温乾留ガスと、熱分解残留物から分別したチャーとを燃
焼することで廃棄物処理する廃棄物処理技術について、
廃棄物の熱分解を良好で安全に行なえ、熱分解残留物か
ら有価物を未酸化の状態で回収することができる、直接
加熱方式による熱分解を実現することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の第1の発明は、廃棄物を加熱して熱分解し、低温乾留
ガスと熱分解残留物とに分離する熱分解反応器と、前記
熱分解残留物から分別したチャーと前記低温乾留ガスと
を燃焼する燃焼器とを備えている廃棄物処理装置におい
て、前記熱分解反応器で生成した前記低温乾留ガスの一
部を前記熱分解反応器外に取り出す第1の低温乾留ガス
流路と、この取り出した低温乾留ガスを加熱して昇温せ
しめる加熱器と、この加熱後の低温乾留ガスを前記熱分
解反応器内の廃棄物に直接導入し、前記熱分解の加熱源
とする第2の低温乾留ガス流路とを備えていることを特
徴とする廃棄物処理装置である。
【0015】また、前記加熱器は、前記燃焼器における
燃焼で生じる燃焼排ガスを加熱源とし、この燃焼排ガス
と前記第1の低温乾留ガス流路により取り出された低温
乾留ガスとの間接的な熱交換により前記の昇温を行なう
ことを特徴とする第1の発明の廃棄物処理装置を第2の
発明とする。
【0016】廃棄物を加熱して熱分解し、低温乾留ガス
と熱分解残留物とに分離する工程と、前記熱分解残留物
から分別したチャーと前記低温乾留ガスとを燃焼する工
程とを含んでいる廃棄物処理方法において、前記低温乾
留ガスの一部を前記分離工程の熱分解雰囲気中から取り
出す工程と、この取り出した低温乾留ガスを加熱して昇
温せしめる工程と、この加熱後の低温乾留ガスを前記熱
分解の対象とする前記廃棄物に直接導入し、前記熱分解
の加熱源とする工程とを含んでいることを特徴とする廃
棄物処理方法を第3の発明とする。
【0017】前記低温乾留ガス加熱工程は、前記のチャ
ーと低温乾留ガスとの燃焼工程で生じる燃焼排ガスを加
熱源とし、この燃焼排ガスと前記低温乾留ガス取り出し
工程で取り出した低温乾留ガスとの間接的な熱交換によ
り前記の昇温を行なうことを特徴とする第3の発明の廃
棄物処理方法を第4の発明とする。
【0018】
【作用】上記の各発明によれば、廃棄物の熱分解により
生成した低温乾留ガスの一部を熱分解雰囲気から取り出
し、加熱して適切と思われる温度に昇温せしめてから廃
棄物中に直接導入することができるので、生成した低温
乾留ガス自体を熱媒体として直接加熱方式による廃棄物
の熱分解を実現することができる。
【0019】この場合に、熱媒体とする低温乾留ガスは
還元性雰囲気にある熱分解雰囲気から取り出し、チャー
と低温乾留ガスとの燃焼で生じる燃焼排ガスとの間接的
な熱交換により加熱してから、あらためて廃棄物中に導
入するのであって、上述の従来技術のように、低温乾留
ガスを燃料として熱分解雰囲気中で導入酸素により燃焼
するものではないので、熱分解雰囲気での残存酸素量が
多くなってしまうことはなく、熱分解雰囲気は還元性雰
囲気に保たれる。したがって、廃棄物の熱分解が起こる
代りに廃棄物の燃焼が起こってしまうことはなく、廃棄
物の熱分解を良好に行なうことができる。また、還元性
雰囲気が維持されることから、熱分解残留物からアルミ
や銅などの有価物を未酸化の状態で分別回収するのにも
支障はない。また、熱分解雰囲気中で高温の低温乾留ガ
スと酸素とが混在していないので、爆発の危険がなく、
廃棄物の熱分解を安全に行なうことができる。
【0020】熱媒体とする低温乾留ガスの加熱昇温の熱
源は、廃棄物処理設備の系外で別途確保してもよいが、
第2、第4の発明によれば、チャーと低温乾留ガスとの
燃焼で生じる燃焼排ガスを熱源としているので、熱分解
の熱源を廃棄物処理設備の系内で自給することができ、
廃棄物処理のコストを低減することができる。この場合
に、燃焼排ガスと低温乾留ガスとの間接的な熱交換によ
り熱媒体たる低温乾留ガスを加熱するので両者が混じり
あうことはなく、上述の煙道中のガスを直接廃棄物に導
入する直接加熱方式と同様の問題は生じない。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。図1は、本発明の一実施例である廃棄物処理装
置の全体の系統図である。1は、本発明における熱分解
反応器の一例としての熱分解反応器である。熱分解反応
器1としては、横型回転式ドラム、竪型シャフトキルン
などが従来から用いられているが、廃棄物の熱分解反応
器1内での滞留時間を考慮すると、前者を用いるのが望
ましい。また、特開平3−63407号公報にも好適な
熱分解反応器の例が示されている。熱分解反応器1は回
転しながら、一般的には450℃程度に廃棄物を加熱し
て熱分解し、低温乾留ガスと、主として不揮発性の熱分
解残留物とを生成する。熱分解残留物は、熱分解残留物
搬送ライン2で搬送され、熱分解残留物分別装置3に導
かれる。低温乾留ガスは、低温乾留ガス導管4で本発明
における燃焼器の一例としての燃焼溶融炉5に導かれ
る。
【0022】熱分解残留物分別装置3は、例えば篩など
で構成され、熱分解残留物を、アルミ、銅、ガレキなど
とチャーとに分別する。分別されたチャーは、搬送ライ
ン6により燃焼溶融炉5内に導入される。燃焼溶融炉5
内には、通気管7により燃焼用空気が導入される。燃焼
溶融炉5では、この燃焼用空気で低温乾留ガスとチャー
とを燃焼する。この燃焼を、過剰酸素条件下での高温燃
焼として(温度は1200℃程度以上、好ましくは13
00℃程度)灰分を溶融し、燃焼溶融炉5の底部より冷
却水槽8に落して急冷し、スラグとして取り出すことも
できる。また、給水導管9により燃焼溶融炉5に給水
し、スチーム導管10でスチームを取り出すこともでき
る。この場合の給水は、燃焼溶融炉5の過剰高温の抑制
にも用いることができる。
【0023】11は煙道であり、燃焼溶融炉5で生成さ
れる燃焼排ガスを煙突12へと導く。煙道11の燃焼排
ガスの入口部(燃焼溶融炉5からの燃焼排ガスの出口
部)には、本発明における加熱器の一例としての低温乾
留ガス加熱器13が設けられている。低温乾留ガス導管
4からは、本発明の第1の低温乾留ガス流路の一例とし
ての低温乾留ガス分岐管14が分岐し、燃焼溶融炉5で
生成される燃焼排ガスの一部を低温乾留ガス加熱器13
に導く。低温乾留ガス加熱器13は、ガス/ガス熱交換
器であり、低温乾留ガス分岐管14で導かれた低温乾留
ガスと煙道11を流通する燃焼排ガスとの間で間接的な
熱交換を行ない、低温乾留ガスを加熱して、適切な温度
に昇温せしめる。この温度は、例えば、熱分解温度が前
述のとおり450℃程度であるときは、一般的には50
0〜600℃程度に昇温せしめる。この加熱後の低温乾
留ガスは、本発明の第2の低温乾留ガス流路の一例とし
ての低温乾留ガス戻管15で熱分解反応器1内に戻さ
れ、熱分解反応器1内の廃棄物中に直接導入されて廃棄
物を加熱し、廃棄物の熱分解のための熱媒体となる。
【0024】煙道11の低温乾留ガス加熱器13より下
流側には、廃熱ボイラ18が設けられており、給水導管
16で導かれた給水と煙道11で導かれた燃焼排ガスと
の熱交換により高温のスチームを得、スチーム導管17
により取り出す。このスチームは発電などに用いられ
る。廃熱ボイラ18で熱交換後の燃焼排ガスは、煙道1
1のさらに下流に設けられた電気集塵機19でダストを
除去され、煙道11のさらに下流に設けられた脱塩洗浄
塔20に導入される。電気集塵機19で集塵されたダス
ト、廃熱ボイラ18から排出されたダストは、ダスト戻
管24で燃焼溶融炉5に戻される。煙道11の電気集塵
機19より下流側で脱塩洗浄塔20より上流側の部位か
らは燃焼排ガス戻管25が分岐し、該分岐部位を流通す
る燃焼排ガスの一部を煙道11の燃焼溶融炉5より下流
側で低温乾留ガス加熱器13より上流側の部位に導入す
る。煙道11の電気集塵機19より下流側で脱塩洗浄塔
20より上流側の部位の燃焼排ガスは、燃焼溶融炉5よ
り下流側で低温乾留ガス加熱器13より上流側の部位よ
り低温であるため、煙道11入口部の高温の燃焼排ガス
を低温乾留ガス加熱器13に導入するのに適当な温度に
調節することが可能となる。
【0025】脱塩洗浄塔20には、脱塩剤供給ライン2
1から脱塩剤が、工水供給ライン22から工水が、それ
ぞれ供給される。燃焼排ガスは脱塩洗浄塔20で脱塩さ
れ、脱塩残渣や廃水は、排出導管23で脱塩洗浄塔20
から排出される。煙道11の脱塩洗浄塔20より下流側
には、白煙防止器26が設けられ、燃焼排ガスは白煙防
止器26で処理された後、煙突12から外気に排出され
る。
【0026】つづいて本実施例の作用について説明す
る。廃棄物の熱分解により生成した低温乾留ガスの一部
を低温乾留ガス分岐管14により分岐して取り出し、低
温乾留ガス加熱器13で加熱して適切と思われる温度に
昇温せしめてから、熱分解反応器1内の廃棄物中に直接
導入することができるので、生成した低温乾留ガス自体
を熱媒体として直接加熱方式による廃棄物の熱分解を実
現することができる。
【0027】この場合に、熱媒体とする低温乾留ガス
は、一般に還元性雰囲気にある熱分解反応器1から取り
出して、煙道11を流通する燃焼排ガスと間接的な熱交
換をして加熱してから、あらためて熱分解反応器1内の
廃棄物中に導入するのであって、上述の従来技術のよう
に、低温乾留ガスを燃料として熱分解反応器中で導入酸
素により燃焼するものではないので、熱分解雰囲気での
残存酸素量が多くなってしまうことはなく、熱分解反応
器1中は還元性雰囲気に保たれる。したがって、廃棄物
の熱分解が起こる代りに廃棄物の燃焼が起こってしまう
ことはなく、廃棄物の熱分解を良好に行なうことができ
る。また、還元性雰囲気が維持されることから、熱分解
残留物からアルミや銅などの有価物を未酸化の状態で分
別回収するのにも支障はない。また、熱分解反応器1中
で高温の低温乾留ガスと酸素とが混在していないので、
爆発の危険がなく、廃棄物の熱分解を安全に行なうこと
ができる。
【0028】熱媒体とする低温乾留ガスの加熱昇温の熱
源は、本実施例の廃棄物処理装置の系外で別途確保して
もよいが、本実施例のように煙道11を流通する燃焼排
ガスを熱源とすれば、熱分解の熱源を廃棄物処理装置の
系内で自給することができ、廃棄物処理のコストを低減
することができる。この場合に、低温乾留ガス加熱器1
3において、燃焼排ガスと低温乾留ガスとの間接的な熱
交換により熱媒体たる低温乾留ガスを加熱するので両者
が混じりあうことはなく、従来の煙道中のガスを直接廃
棄物に導入する直接加熱方式の様な問題は生じない。
【0029】以下では、参考までに、上述の構成の廃棄
物処理装置を用い、本発明者らが行なったベンチスケー
ル級の廃棄物処理実験の各データについて示しておく。
【0030】1.投入廃棄物:粒径約50mm以下に粗砕
した一般廃棄物(水分:42%、紙・ちゅう芥・繊維・
草木:小計48.4%、プラスチック・ゴム・革:小計
4.6%、鉄:0.9%、非鉄金属:0.5%、ガラ
ス:1.3%、石・陶器:0.2%、その他:2.1%、
低位発熱量2200kcal/kg、投入量5.0kg/hr)を
使用。
【0031】2.低温乾留ガス:熱分解反応器1からの
排出量:41.6Nm3/hr、熱分解反応器1出口温
度:約450℃、熱分解反応器1からの排出分のうち、
低温乾留ガス分岐管14により低温乾留ガス加熱器13
に送られる分:37.0Nm3/hr、低温乾留ガス導管
4で燃焼溶融炉5に送られる分:4.6Nm3/hr。
【0032】3.低温乾留ガス分岐管14により低温乾
留ガス加熱器13に送られる分の低温乾留ガス:低温乾
留ガス加熱器13において600℃まで加熱した後、熱
分解反応器1内に導入。
【0033】4.熱分解残留物:熱分解反応器1からの
搬出量:0.83kg/hr、このうち、熱分解残留物分別
装置3における分級による分別後、粒径5mm以下のもの
を粒径約50μmに微粉砕し(この微粉砕物の重量0.
66kg/hr)、燃焼溶融炉5に搬入。
【0034】熱分解残留物分別装置3における分級によ
る分別後、粒径5mm以上のものは、0.17kg/hr未酸
化の状態で取り出された。
【0035】5.燃焼溶融炉5:炉内最高到達温度:約
1450℃、煙道灰じんを電気集塵器19から分離搬入
しながら燃焼、燃焼排ガスの排出量:約21.1Nm3
/hr(推算値)。水槽8に落して水冷して取り出したス
ラグの量:0.18kg/hr。
【0036】6.燃焼排ガス戻管25により分岐される
燃焼排ガス:温度:約160℃、分岐流量:約6.0N
3/hr。
【0037】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、廃棄物を
熱分解して生成した低温乾留ガスと熱分解残留物から分
別したチャーとを燃焼して廃棄物処理する廃棄物処理技
術において、廃棄物の熱分解が良好で安全に行なえ、熱
分解残留物から有価物を未酸化の状態で回収することが
できる、直接加熱方式による熱分解の実現が可能な廃棄
物処理装置及び方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である廃棄物処理装置の系統
図である。
【符号の説明】
1 熱分解反応器 5 燃焼溶融炉 13 低温乾留ガス加熱器 14 低温乾留ガス分岐管 15 低温乾留ガス戻管

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物を加熱して熱分解し、低温乾留ガ
    スと熱分解残留物とに分離する熱分解反応器と、前記熱
    分解残留物から分別したチャーと前記低温乾留ガスとを
    燃焼する燃焼器とを備えている廃棄物処理装置におい
    て、 前記熱分解反応器で生成した前記低温乾留ガスの一部を
    前記熱分解反応器外に取り出す第1の低温乾留ガス流路
    と、この取り出した低温乾留ガスを加熱して昇温せしめ
    る加熱器と、この加熱後の低温乾留ガスを前記熱分解反
    応器内の廃棄物に直接導入し、前記熱分解の加熱源とす
    る第2の低温乾留ガス流路とを備えていることを特徴と
    する廃棄物処理装置。
  2. 【請求項2】 前記加熱器は、前記燃焼器における燃焼
    で生じる燃焼排ガスを加熱源とし、この燃焼排ガスと前
    記第1の低温乾留ガス流路により取り出された低温乾留
    ガスとの間接的な熱交換により前記の昇温を行なうこと
    を特徴とする請求項1項記載の廃棄物処理装置。
  3. 【請求項3】 廃棄物を加熱して熱分解し、低温乾留ガ
    スと熱分解残留物とに分離する工程と、前記熱分解残留
    物から分別したチャーと前記低温乾留ガスとを燃焼する
    工程とを含んでいる廃棄物処理方法において、 前記低温乾留ガスの一部を前記分離工程の熱分解雰囲気
    中から取り出す工程と、この取り出した低温乾留ガスを
    加熱して昇温せしめる工程と、この加熱後の低温乾留ガ
    スを前記熱分解の対象とする前記廃棄物に直接導入し、
    前記熱分解の加熱源とする工程とを含んでいることを特
    徴とする廃棄物処理方法。
  4. 【請求項4】 前記低温乾留ガス加熱工程は、前記のチ
    ャーと低温乾留ガスとの燃焼工程で生じる燃焼排ガスを
    加熱源とし、この燃焼排ガスと前記低温乾留ガス取り出
    し工程で取り出した低温乾留ガスとの間接的な熱交換に
    より前記の昇温を行なうことを特徴とする請求項3項記
    載の廃棄物処理方法。
JP20191794A 1994-08-26 1994-08-26 廃棄物処理装置及び方法 Pending JPH0861632A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017138059A (ja) * 2016-02-03 2017-08-10 三井造船環境エンジニアリング株式会社 ごみ焼却施設における発電システム

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