JPH0861413A - リサイクル可能なクッション体 - Google Patents

リサイクル可能なクッション体

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JPH0861413A
JPH0861413A JP19839694A JP19839694A JPH0861413A JP H0861413 A JPH0861413 A JP H0861413A JP 19839694 A JP19839694 A JP 19839694A JP 19839694 A JP19839694 A JP 19839694A JP H0861413 A JPH0861413 A JP H0861413A
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JP
Japan
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cushion
cushion layer
continuous linear
polyester
cushion body
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JP19839694A
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English (en)
Inventor
Takashi Ebihara
隆 海老原
Kazuhiko Motoi
和彦 許斐
Hideo Isoda
英夫 磯田
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NHK Spring Co Ltd
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
NHK Spring Co Ltd
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】蒸れにくく、座り心地が良くかつリサイクル使
用が容易なクッション体を得ることが主たる目的であ
る。 【構成】クッション層2,3と表皮4とを備えたリサイ
クル可能なクッション体1であって、クッション層2,
3は、ポリエステル系樹脂からなる太さが0.5mm〜
5mmの連続線状体10をランダムなループ状に曲がり
くねらせ、かつ、各々のループの互いの接触部を融着さ
せた見掛け密度が0.005〜0.20g/cm3 の立
体的な網状構造体11からなる。表皮4はポリエステル
系繊維の織物からなる。表皮4とクッション層2は、互
いにポリエステル系樹脂接着材5によって接着されてい
る。表皮4側に位置する第1のクッション層2の連続線
状体10aの線径は2mm以下であり、下側に積層され
た第2のクッション層3の連続線状体10bの線径より
も細い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種乗り物用座席のパ
ッド等を始めとして、ソファやベッド等の家具類などに
好適なリサイクル可能なクッション体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、家具、ベッド、車両の座席等
に使われているクッション体は、発泡ウレタンの一体成
形品や、ポリエステル等の非弾性捲縮繊維の詰綿、ある
いは非弾性捲縮繊維をバインダによって接着した硬綿な
どが知られている。特に、発泡−架橋型ウレタンは、ク
ッション体としての耐久性が良好であり、加工性も良い
ため、乗り物用シートなどに多用されている。また、発
泡ウレタンを使用した従来のクッション体に表皮を設け
る場合、表皮をラテックス等によって発泡ウレタンに接
着することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記発泡ウレタンは、
透湿・透水性に劣り、蓄熱性があるため人体と触れる部
位が蒸れ易いという問題がある。また、発泡ウレタンは
熱可塑性樹脂ではないために、再溶融によるリサイクル
使用が困難であり、廃棄された発泡ウレタンを焼却処分
にする場合がある。しかしながら発泡ウレタンを焼却す
ると、高温を発するなどの理由から焼却炉の損傷が大き
く、かつ、発生するガスの除去に経費がかかる。このた
め埋立て処分が行われることもあるが、その場合、地盤
の安定化が困難なため埋立て地が限定され、埋立てに要
する経費も高くつく。また、発泡ウレタンを一部分解し
て再利用することも可能であるが、再度発泡ウレタンの
原料として利用することは困難である。
【0004】一方、熱可塑性のポリエステル繊維をウレ
タンやラテックス等のバインダによって接着した合成繊
維綿では、ポリエステル繊維の開綿工程やバインダ繊維
との混綿工程、あるいはバインダの添加工程が必要であ
り、製造工数が多いという問題がある。また、上記以外
の通常の硬綿は短繊維を使用しているため、繊維のほつ
れによる形状の崩れを生じやすく、しかも成形品にバリ
が生じやすい。また、型によって成形する場合に1回の
成形では最終製品形状に成形することが困難であり、製
造工程に煩雑さがあった。
【0005】また、上述のような繊維をバインダによっ
て結合したものは、異質の材料の組合わせになっている
ため、クッション体の製造過程で生じた破材や、車両の
廃車時などに廃棄処分の対象となる古いクッション体を
新たなクッション体の製造原料として使用することがで
きず、リサイクル性に欠けるという問題があった。従っ
て本発明の目的は、蒸れにくく座り心地が良いととも
に、製造工程が簡単であり、しかもリサイクル使用が容
易なクッション体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を果たすため
に開発された本発明のクッション体は、クッション層
と、このクッション層を被う表皮とを具備したクッショ
ン体であって、上記表皮がポリエステル系繊維の織物か
らなり、クッション層は、ポリエステル系樹脂からなる
太さが0.5mm〜5mmの連続線状体をランダムなル
ープ状に曲がりくねらせかつ各々のループの互いの接触
部を融着させた見掛け密度が0.005〜0.20g/
cm3 の立体的な網状構造体からなり、上記表皮とクッ
ション層を互いにポリエステル系樹脂接着材によって接
着したことを特徴とするリサイクル可能なクッション体
である。
【0007】上記クッション層は表皮と共に金型によっ
て所定の形状に成形される。なお、必要に応じて、上下
方向に複数のクッション層を積層し、最上部に位置する
クッション層に、下部側のクッション層の連続線状体よ
りも細くかつ線径が2mm以内の連続線状体を用いても
よい。
【0008】上記クッション層の網状構造体に使われる
ポリエステル系樹脂は、ポリエステルまたはポリエステ
ル系エラストマーである。ポリエステルとは、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタ
レート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PE
N)等と、それらの共重合体が挙げられる。また、ポリ
エステルエラストマーとは、ハードセグメントとソフト
セグメントをブロック共重合したもので、ハードセグメ
ントとしてはPET,PBT,PEN等が挙げられ、ソ
フトセグメントとしては、ポリテトラメチレングリコー
ル、ポリヘキサメチレングリコール、ポリプロピレング
リコール等が挙げられる。なお、ポリエステルとポリエ
ステルエラストマを組合わせてもよい。
【0009】表皮とクッション層を接着するポリエステ
ル系樹脂接着材は、例えばホットメルトタイプのフィル
ム状のものを、クッション層と表皮との一体成形時に加
熱・溶融させることにより、表皮をクッション層に接着
させることができる。
【0010】
【作用】本発明のクッション体に使われる網状構造体を
製造するには、軟化状態に加熱されたポリエステル系樹
脂を押出し機のノズル部から線状に連続的に押出すこと
により、吐出された連続線状体を曲がりくねらせて多数
のランダムループを形成し、各々のループを互いに軟化
状態で接触させ、接触部の大部分を互いに融着させて三
次元的なランダムループからなる立体網目構造を形成す
る。こうして成形された網状構造体は、着座荷重等によ
って大きい応力で大変形を与えても、立体網目構造全体
が互いに協働して三次元的に変形しつつ応力を吸収し、
応力が解除されると立体網目構造が元の形状に復元する
ことができる。
【0011】クッション体としての役目が終わって廃棄
処分の対象となる古いクッション体や、クッション体の
製造過程で生じた破材などをリサイクル使用するには、
ペレタイザー等によってこの網状構造体等を細かく切断
して再ペレット化したのち、網状構造体を製造するため
の押出し機に供給して再溶融することにより、新たな網
状構造体の製造に使用する。
【0012】このようなクッション体において、網状構
造体を構成している連続線状体の線径が0.5mm未満
では、通常のペレタイザーによって切断を行うと、連続
線状体がペレタイザーの刃に巻付いてしまい、切断が困
難となる。また、何らかの手段によって線径0.5mm
未満の連続線状体を細かく切断できても、このような細
径の切断片は、押出し機の自然落下形ホッパの内部にお
いてブリッジ(多数の切断片が橋状に連なる塊となって
下に落ちることができなくなる現象)を生じてしまい、
押出し機への材料供給が止まる原因になるばかりでな
く、押出し機のスクリューフィーダからの吐出量に波が
生じるなどの理由から、リサイクル使用に適さない。
【0013】連続線状体の線径が5mmを越えると、ペ
レタイザーでの切断性が悪化し、かつ、ホッパ内での落
下がスムーズでなくなる。また、線径が5mmを越える
網状構造体を用いたクッション体は、大腿部等に局部的
な圧迫感を与える原因となるなど、座り心地が悪くな
る。このような理由から、本発明では連続線状体の線径
を0.5mmから5mmまでの範囲とする。
【0014】上記網状構造体は、見掛け密度が0.00
5g/cm3 未満では反発力が失われるので、クッショ
ン体として不適当である。また、0.20g/cm3
越えると弾発性が強くなり過ぎて座り心地が悪くなるの
で、クッション体として不適当である。このため網状構
造体の好ましい見掛け密度は、0.005g/cm3
上、0.20g/cm3 以下であり、より好ましくは、
0.01g/cm3 以上、0.05g/cm3 以下であ
る。
【0015】
【実施例】図1に例示したクッション体1は、上側に位
置する第1のクッション層2と、下側に位置する第2の
クッション層3と、表皮4を備えている。表皮4はポリ
エステル系繊維を用いた織物からなる。第1のクッショ
ン層2と表皮4との間は、ホットメルト形のポリエステ
ル系樹脂接着材5によって接着されている。また、第1
のクッション層2と第2のクッション層3との間もホッ
トメルト形のポリエステル系樹脂接着材5によって接着
されている。
【0016】クッション層2,3は、それぞれ、図2に
示すような連続線状体10からなる網状構造体11によ
って構成されている。この網状構造体11は、ポリエス
テル系樹脂からなる連続線状体10をランダムなループ
状に曲がりくねらせかつ各々のループの互いの接触部を
融着させて立体的な形状としたもので、前述した理由に
より、見掛け密度を0.005〜0.20g/cm3
範囲としている。
【0017】更に詳しくは、第1のクッション層2には
線径0.7mmの連続線状体10aからなる網状構造体
11aが使用され、第2のクッション層3には、線径
3.3mmの連続線状体10bからなる網状構造体11
bが使用されている。第1のクッション層2の厚みは2
0mmである。
【0018】上記クッション体1は、通気性に優れた網
状構造体11a,11bと通気性の表皮4とによって構
成されているので蒸れにくいものである。また、着座中
に大腿部等が受けるクッション層2の感触が良好であ
り、座り心地が良い。なお、第1のクッション層2に使
われる網状構造体11aの線径が2mmを越えると、大
腿部に異物感が生じるようになり、線径が5mmを越え
るとゴワゴワとした局部的な圧迫感があって不快な乗り
心地となる。
【0019】上記網状構造体11は、図3に概念的に示
した網状体製造装置20によって製造することができ
る。網状体製造装置20の一例は、スクリューフィーダ
21を内蔵した押出し機22と、ノズル部23を備えて
いる。押出し機22は、ホッパ25から投入されたポリ
エステル系樹脂のペレットを、その軟化点より10℃な
いし80℃高い温度(例えば40℃高い温度)に加熱し
つつ、ノズル部23に向って押出すものである。
【0020】上記温度に加熱され軟化状態となったポリ
エステル系樹脂は、ノズル部23のオリフィスから下方
に吐出され、線状に連続して途切れることなく、自由落
下するようになっている。なお、ポリエステル系樹脂の
吐出時の溶融温度をこの樹脂の軟化点より30℃〜50
℃高い温度とすれば、ランダムな三次元ループを形成し
やすく、しかもループ同志の接触部が互いに融着しやす
い状態に保つことができるので好ましい。
【0021】ノズル部23に多数のオリフィスが所定間
隔で設けられている。ノズル部23の下方に、水等の冷
却媒体30が配されている。ノズル部23の下方にコン
ベア40が設けられている。コンベア40は、一対のエ
ンドレスネット41,42を互いに平行にかつ相互間に
所定間隔をあけて配置したものであり、エンドレスネッ
ト41,42の一部を冷却媒体30の上に露出させてい
る。各エンドレスネット41,42は、回転体45,4
6によって図中の矢印方向に連続的に無端走行させられ
る。
【0022】ノズル部23のオリフィスから軟化状態の
ポリエステル系樹脂を吐出させ、エンドレスネット4
1,42の間に自然落下させる。軟化したポリエステル
系樹脂がエンドレスネット41,42の間に落ちること
により、ノズル部23のオリフィス数に応じた本数の連
続線状体10が形成されつつ、エンドレスネット41,
42の間に挟まれかつ停留することで曲がりくねりなが
らランダムなループが発生する。すなわちこれらの連続
線状体10は、それぞれ途切れることなく曲がりくねり
ながらも図3中の矢印A方向に連続しつつ、A方向と交
差する方向(例えば矢印B方向)にループを形成する。
【0023】この場合、ノズル部23の各オリフィスの
孔間隔ピッチをループが互いに接触できる寸法にしてお
くことで、エンドレスネット41,42の間でループを
互いに接触させ、ループ同志の接触部を融着させること
で立体的な網状構造体11が得られる。ループが融着し
た網状構造体11は、エンドレスネット41,42によ
って両側面が拘束されながら冷却媒体30に引き込ま
れ、冷却媒体30の中で固化するとともに、各ループの
融着部が固定される。
【0024】上記の一連の工程を経て得られた網状構造
体11を、必要に応じてポリエステル系樹脂の軟化点よ
りも10℃以上低い温度で擬似結晶化処理後、所定の大
きさに切断することにより、図2に示すようなフラット
な立体形状の網状構造体11を得た。この網状構造体1
1は、ノズル部23のオリフィス数に応じた本数の連続
線状体10が互いにランダムループを描きながら矢印A
方向に連なっている。図中の矢印Bは、網状構造体11
の厚み方向を示している。
【0025】上記網状構造体11は、図4に示すクッシ
ョン体成形装置50によって、表皮4と共に所定の立体
形状に成形される。この成形装置50は成形用金型51
と、ヒータ52と、送風機53と、熱風を循環させる導
風路54などを備えている。成形用金型51は、例えば
アルミニウム合金などからなるいわゆる簡易アルミ型を
使用でき、パンチングメタルのように下型55と上型5
6にそれぞれ多数の通気孔60,61が形成されてい
る。そしてヒータ52と送風機53によって発生させた
130℃の熱風を、導風路54を介して、通気孔60,
61を通じて金型51の内部に強制的に吹込むことがで
きるようになっている。
【0026】上記下型55の内部に、図5に示すように
表皮4と網状構造体11a,11bをセットし、かつ、
第1の網状構造体11aと表皮4との間にポリエステル
系樹脂のホットメルトシート5aを設けるとともに、第
1の網状構造体11aと第2の網状構造体11bとの間
にもポリエステル系樹脂のホットメルトシート5aを設
ける。そして下型55と上型56を閉じることによっ
て、網状構造体11a,11bを厚み方向に圧縮する。
【0027】そしてヒータ52と送風機53によって発
生させた130℃の熱風を、通気孔60,61を通じて
金型51の内部に導入し、網状構造体11a,11bに
5分間熱風を吹き付けながら金型51による圧縮を行っ
た。そして所定時間経過後、金型51を冷却し、脱型し
て所望の立体形状のクッション体1を得た。
【0028】上述のような網状構造体11からなるクッ
ション体1は、連続線状体10をノズル部23から押出
す際に、ランダムループ状に曲がりくねらせて線状体1
0を連続成形するため、従来の合成樹脂綿を用いたクッ
ション体の場合に必要であった開綿工程が不要となる。
しかも、網状構造体11が連続線状体10からなるた
め、ほつれたり形状が崩れるなどの問題が生じない。そ
して多数本の連続線状体10同志が溶融状態で互いに融
着するから、バインダが不要であり、しかも単一の熱可
塑性樹脂からなるため、再溶融によるリサイクル使用が
可能である。
【0029】そして本実施例のクッション体1に使われ
る網状構造体11は、従来の合成樹脂綿を用いたクッシ
ョン体に比較して金型にセットしやすく、加工熱量が少
なくてすみ、バリ取り工程が不要であるなど製造工程が
簡略化し、コスト低減を図ることができる。
【0030】上記クッション体1は、クッション層2,
3と表皮4がいずれもポリエステル系であり、しかも網
状構造体11にバインダを使用していないため、クッシ
ョン層2,3と表皮4を分別しなくても再溶融によるリ
サイクル使用が可能である。このクッション体1をリサ
イクル使用するには、クッション体1に付属する金属ば
ねやリテーナ等の金属部品を取除いたのち細かく切断
し、再ペレット化してホッパ25に投入する。この場
合、線状体10の線径によってはリサイクル使用に適さ
ないものがあることが判った。
【0031】本発明者らは、線径が互いに異なる複数種
類の連続線状体(線径0.3mm〜7mm)を、長さが
3mmで切断できるように調整された角ペレタイザーで
切断し、得られた多数の切断片を押出し機22の原料供
給用の自然落下形ホッパ25に投入して、ホッパ25か
らの切断片の供給状況を目視観察したところ、下記のよ
うな結果が得られた。
【0032】まず、線径が0.3mmの場合、通常の角
ペレタイザーでは線状体10がペレタイザーの刃に巻き
付き、切断が困難であった。しかも線径が0.3mmの
場合にはホッパ25の内部でブリッジが生じ、切断片の
供給がストップすることがあった。これに対し、線径が
0.7mmでは、切断片の流れが若干悪かったが、切断
作業が困難なほどではなく、ホッパ25の内部でブリッ
ジが生じることもなくて供給状況は良好であった。また
線径が1.9mm、3.3mm、4.2mm、5.0m
mの場合、いずれもペレタイザーでの作業性が良好であ
り、ホッパ25における供給状況も良好であった。線径
が7.0mmでは、ペレタイザーによる切断に無理があ
り、ホッパ25の供給状況についても切断片の落込みが
スムーズでなかった。
【0033】一方、スクリューフィーダ21による供給
状況を調査するために、前述の複数種類の切断片(長さ
3mm,線径0.3mm〜7.0mm)を一定の稼働条
件に設定されたスクリューフィーダ21に投入し、1分
間ごとに供給される切断片の重量を10回づつ計り取
り、その最大と最小の差が10回の平均値の何%である
かを測定した。
【0034】その結果、切断片の線径が0.3mmでは
フィーダ21の吐出状況にかなり波があることが判った
(ばらつき10%)。線径が0.7mmでは、吐出状況
に何の支障も生じることがなく、良好な吐出状況であっ
た(ばらつき3%)。線径が1.9mm、3.3mm、
4.2mm、5.0mm、7.0mmの場合、いずれも
吐出状況はきわめて良好であった(ばらつき1%)。
【0035】これらの結果から、ペレタイザーでの切断
状況と、ホッパおよびフィーダでの供給状況を考慮する
と、線径が0.5mmから5.0mmの範囲にあれば、
リサイクル使用に適していると言える。 (比較例1)平均繊維径が13μmのポリエステル繊維
に、接着成分として低融点ポリエステル繊維を均一に分
散し、これらの繊維が均一となるようにパンチングメタ
ル製の金型に詰め込み、その上にポリエステル繊維から
なる表皮をおいて、金型に蓋を被せる。そしてこの金型
を、熱風を循環させることのできる加熱炉に収容して1
40℃で5分間加熱後、冷却し固化させてクッション体
を作成した。
【0036】この比較例1の蒸れ性は48%であり、蒸
れやすいものであった。またこの比較例の通気性は前記
実施例に比べると劣っていた。なお、蒸れ性に関して
は、温度23℃、湿度30%の恒温恒湿室において、ク
ッション体と大腿部の間に湿度センサを設置し、着座し
てから60分後の湿度を測定した時の値とした。通気性
についてはJIS L−1096に準じて測定し、通気
性の評価を行った。 (比較例2)ポリエステル繊維の織物からなる表皮と、
表皮に接する側の第1のクッション層と、その下側に位
置する第2のクッション層とを設け、第1のクッション
層に前記実施例で用いた線径3.3mmの網状構造体
(厚さ20mm)を用い、第2のクッション層にも線径
3.3mmの網状構造体を用いた。そして表皮と第1の
クッション層をポリエステル系ホットメルトで加熱接着
するとともに、第1のクッション層と第2のクッション
層もポリエステル系ホットメルトで加熱接着してシート
用クッション体を作成した。このクッション体は通気性
は良かったが、着座時に大腿部に局部的な圧迫感があ
り、乗り心地が良くなかった。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、通気性が充分な線径
0.5〜5mmの連続線状体からなる立体的な網状構造
体を用いているため蒸れにくく、座り心地が良い。特
に、最上部の網状構造体に線径2mm以下の連続線状体
を用いたものは、着座時に大腿部に局部的な圧迫感が無
く、座り心地が著しく改善される。
【0038】また、クッション層と表皮が同一種類の熱
可塑性樹脂からなり、しかもクッション層に従来のよう
なウレタンやラテックス等のバインダを使用しないた
め、表皮とクッション層を分別することなくそのままリ
サイクル使用が可能であり、線径が0.5〜5mmのポ
リエステル系樹脂からなる網状構造体はペレタイザーに
よる切断性や押出し機の材料供給性に支障がないなど、
リサイクルが容易であって、クッション体の製造過程で
生じた破材なども簡単にリサイクルに活用できるなど、
材料に無駄がなく、省資源化に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すクッション体の断面
図。
【図2】図1に示されたクッション体に使われる網状構
造体の一部の斜視図。
【図3】図2に示された網状構造体を製造する装置の概
略側面図。
【図4】クッション体成形装置の概略断面図。
【図5】成形前の網状構造体と表皮等を示す側面図。
【符号の説明】
1…クッション体 2,3…クッション層 4…表皮 10,10a,10b…連続線状体 11,11a,11b…網状構造体 20…網状体製造装置 50…クッション体成形装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 磯田 英夫 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クッション層と、このクッション層を被う
    表皮とを具備したクッション体であって、 上記表皮がポリエステル系繊維の織物からなり、 上記クッション層は、ポリエステル系樹脂からなる太さ
    が0.5mm〜5mmの連続線状体をランダムなループ
    状に曲がりくねらせかつ各々のループの互いの接触部を
    融着させた見掛け密度が0.005〜0.20g/cm
    3 の立体的な網状構造体からなり、 上記表皮とクッション層を互いにポリエステル系樹脂接
    着材によって接着したことを特徴とするリサイクル可能
    なクッション体。
  2. 【請求項2】上下方向に複数のクッション層を積層し、
    最上部に位置するクッション層に、下部側のクッション
    層の連続線状体よりも細くかつ線径が2mm以内の連続
    線状体を用いたことを特徴とする請求項1記載のクッシ
    ョン体。
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