JP3686692B2 - クッション体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、各種乗り物用座席のパッド等を始めとして、ソファやベッド等の家具類などに好適なクッション体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、家具、ベッド、車両の座席等に使われているクッション体は、発泡ウレタンの一体成形品や、ポリエステル等の非弾性捲縮繊維の詰綿、あるいは非弾性捲縮繊維をバインダによって接着した硬綿などが知られている。特に、発泡−架橋型ウレタンは、クッション体としての耐久性が良好であり、加工性も良いため、乗り物用シートなどに多用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記発泡ウレタンは、透湿・透水性に劣り、蓄熱性があるため人体と触れる部位が蒸れ易いという問題がある。また、発泡ウレタンは熱可塑性樹脂ではないために、再溶融によるリサイクル使用が困難であり、廃棄された発泡ウレタンを焼却処分にする場合がある。
【0004】
しかしながら発泡ウレタンを焼却すると、高温を発するなどの理由から焼却炉の損傷が大きく、かつ、発生する有毒ガスの除去に経費がかかる。このため埋立て処分が行われることもあるが、その場合、地盤の安定化が困難なため埋立て地が限定され、埋立てに要する経費も高くつく。
【0005】
一方、熱可塑性のポリエステル繊維をバインダによって接着した合成繊維綿では、ポリエステル繊維の開綿工程やバインダ繊維との混綿工程、あるいはバインダの添加工程が必要であり、製造工数が多いという問題がある。また、上記以外の通常の硬綿は短繊維を使用しているため、繊維のほつれによる形状の崩れを生じやすく、しかも成形品にバリが生じやすい。また、型によって成形する場合に1回の成形では最終製品形状に成形することが困難であり、製造工程に煩雑さがあった。
【0006】
従って本発明の目的は、体圧分布等に応じて所定の形状と硬さが付与されかつ耐熱性および耐久性に優れ、蒸れにくく、しかもリサイクル使用が可能なクッション体の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を果たすために開発された本発明のクッション体は、熱可塑性弾性樹脂のエラストマーからなる300デニール以上の連続線状体をランダムなループ状に曲がりくねらせかつ各々のループの互いの接触部を融着させた見掛け密度が0.005〜0.20g/cmの立体的な網状構造体からなり、上記網状構造体が見掛け密度の高い部位と見掛け密度の低い部位とを含み、上記網状構造体を圧縮および加熱により変形させて所定の立体形状に成形したことを特徴とするものである。
【0008】
上記網状構造体は、体圧分布等に応じて、見掛け密度の高い部位と見掛け密度の低い部位を含んでいてもよいし、必要に応じて、厚みが大きい部位と厚みが小さい部位とを含んでいてもよい。また、互いに繊度が異なる2種類以上の連続線状体からなる2種類以上の網状構造体を層状に組合わせてもよい。
【0009】
網状構造体に使われる熱可塑性弾性樹脂は、例えばポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー等を適用できる。ポリエステル系エラストマーは、例えば熱可塑性ポリエステルをハードセグメントとし、ポリアルキレンジオールをソフトセグメントとするポリエステルエーテルブロック共重合体、または脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするポリエステルエーテルブロック共重合体である。ポリアミド系エラストマーは、例えばナイロンをハードセグメントとし、ポリエチエングリコールあるいはポリプロピレングリコール等をソフトセグメントとするものなどが例示できる。
【0010】
本発明における網状構造体は、上記の熱可塑性弾性樹脂に、熱可塑性の非弾性樹脂を組合わせてもよい。熱可塑性非弾性樹脂は、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリウレタンなどである。これら非弾性樹脂と熱可塑性弾性樹脂との組合わせは、リサイクル使用の観点から互いに同系の樹脂が望ましく、例えば、ポリエステル系エラストマーとポリエステル系樹脂との組合わせや、ポリアミド系エラストマーとポリアミド系樹脂との組合わせ、あるいはポリウレタン系エラストマーとポリウレタン系樹脂との組合わせなどが推奨される。
【0011】
本発明の製造方法は、熱可塑性弾性樹脂のエラストマーからなる300デニール以上の連続線状体を、孔径または孔間ピッチが異なるオリフィスを有するノズル部から吐出し、ランダムなループ状に曲がりくねらせかつ各々のループの互いの接触部を融着させることにより、見掛け密度が0.005〜0.20g/cm で見掛け密度の高い部位と見掛け密度の低い部位とを含む立体的な網状構造体を得たのち、上記網状構造体を型に収容し所定の厚みに圧縮するとともに熱変形温度まで加熱し、そののち冷却することにより所定の立体形状に成形することを特徴とするクッション体の製造方法である。
【0012】
上記網状構造体を所定の熱変形温度に加熱するために、電熱ヒータを始めとして、オーブン、高温蒸気、高周波誘導加熱などの加熱手段を適用できる。加熱温度は、熱可塑性弾性樹脂の融点よりも10℃以上低い温度が望ましい。成形用の型は、パンチングメタルのように多数の孔のあいた簡易型を使用できる。
【0013】
【作用】
本発明のクッション体に使われる網状構造体は、主として熱可塑性弾性樹脂からなる300デニール以上の連続線状体を曲がりくねらせて多数のランダムループを形成し、各々のループを互いに溶融状態で接触させ、接触部の大部分を互いに融着させて三次元的なランダムループからなる立体網目構造を形成している。このため、クッション体の使用時に大きい応力で大変形を与えても、立体網目構造全体が互いに三次元的に変形しつつ応力を吸収し、応力が解除されると、熱可塑性弾性樹脂のゴム弾性によって立体網目構造が元の形状に復元することができる。
【0014】
このようなクッション体は、連続線状体の繊度が300デニール未満では強度が低下し、反発力が低下するので好ましくない。連続線状体の好ましい繊度は、クッション体として好ましい反発力が得られる300デニール以上、望ましくは400デニール以上、100000デニール以下である。繊度が100000デニールを越えると、クッション体の単位体積当たりの連続線状体の構成本数が少くなり、圧縮特性が悪くなるので好ましくない。連続線状体の繊度は、より好ましくは、500〜50000デニールである。
【0015】
本発明における網状構造体は、見掛け密度が0.005g/cm3 未満では反発力が失われるのでクッション体として不適当である。また0.20g/cm3 を越えると弾発性が強くなり過ぎて、座り心地が悪くなるので、やはりクッション体として不適当である。これらの理由から、網状構造体の好ましい見掛け密度は、0.005g/cm3 以上、0.20g/cm3 以下であり、より好ましくは、0.01g/cm3 以上、0.05g/cm3 以下である。この網状構造体を座席等のクッション体に使用する場合、着座時の嵩保持性と弾発性および通気性を保持して快適な座り心地を得るための圧縮時の見掛け密度としては、100g/cm2 の荷重下で0.03g/cm3 〜0.20g/cm3 の嵩高性を有するものが好ましく、0.05g/cm3 〜0.20g/cm3 の嵩高性を有するものが特に好ましい。
【0016】
【実施例】
(実施例1)
図2に概念的に示した網状体製造装置10によって、網状構造体11を製造する。この網状構造体11は、主として熱可塑性弾性樹脂からなる300デニール以上の連続線状体12をランダムなループ状に曲がりくねらせかつ各々のループの互いの接触部を融着させて立体的な形状としたものであり、前述した理由により、見掛け密度を0.005〜0.20g/cm3 の範囲としている。
【0017】
網状体製造装置10の一例は、押出機15とノズル部16を備えている。押出機15は、材料供給口20から投入された熱可塑性弾性樹脂原料をその融点より10℃ないし80℃高い温度(例えば40℃高い温度)に加熱しつつ、ノズル部16に向って押出すものである。上記温度に加熱された熱可塑性弾性樹脂は、ノズル部16のオリフィスから下方に吐出され、線状に連続して途切れることなく自由落下するようになっている。なお、熱可塑性弾性樹脂の吐出時の溶融温度をこの樹脂の融点より30℃〜50℃高い温度とすれば、ランダムな三次元ループを形成しやすく、しかもループ同志の接触部が互いに融着しやすい状態に保つことができるので好ましい。
【0018】
ノズル部16には、下面側から見て、例えば幅60cm、長さ5cmのノズル有効面25があり、このノズル有効面25に、孔径0.5mmのオリフィスが、孔間ピッチ5mm間隔で多数設けられている。そしてオリフィス単孔当りの吐出量が0.5g〜1.5g/分となるように上記熱可塑性弾性樹脂をオリフィスから吐出するようにしている。ノズル部16の下方にはノズル有効面25から50cmほど離れて、水等の冷却媒体30が配されている。この冷却媒体30は70℃前後に加熱されている。
【0019】
ノズル部16の下方にコンベア40が設けられている。このコンベア40は、例えば幅70cmの一対のステンレス鋼製エンドレスネット41,42を互いに平行にかつ相互間に10cmの間隔をあけて配置したものであり、エンドレスネット41,42の一部を冷却媒体30の上に露出させている。各エンドレスネット41,42は、回転体45,46によって図中の矢印方向に連続的に無端走行させられる。
【0020】
ノズル部16のオリフィスから溶融状態の前記熱可塑性弾性樹脂を吐出させ、エンドレスネット41,42の間に自然落下させる。溶融した熱可塑性弾性樹脂がエンドレスネット41,42の間に落ちることにより、ノズル部16のオリフィス数に応じた本数の連続線状体12が形成されつつ、エンドレスネット41,42の間に挟まれかつ停留することで曲がりくねりながらランダムなループが発生する。すなわちこれらの連続線状体12は、それぞれ途切れることなく曲がりくねりながらも図2中の矢印A方向に連続しつつ、A方向と交差する方向(例えば矢印B方向)にループを形成する。
【0021】
この場合、ノズル部16の各オリフィスの孔間隔ピッチをループが互いに接触できる寸法にしておくことで、エンドレスネット41,42の間でループを互いに接触させ、ループ同志の接触部を融着させることで立体的な網状構造体11が得られる。
【0022】
ループが融着した網状構造体11は、エンドレスネット41,42によって両側面が拘束されながら冷却媒体30に毎分約1mの速度で引き込まれ、冷却媒体30の中で固化するとともに、各ループの融着部が固定される。なお、冷却媒体30の温度をこの網状構造体11のアニーリング温度(擬似結晶化促進温度)に保持しておくことで、網状構造体11の擬似結晶化処理を同時に進行させることができる。
【0023】
上記の一連の工程を経て得られた網状構造体11を、必要に応じて上記熱可塑性弾性樹脂の融点よりも10℃以上低い温度で擬似結晶化処理後、所定の大きさに切断することにより、図3に示すようなフラットな立体形状の網状構造体11を得た。この網状構造体11は、前記ノズル部16のオリフィス数に応じた本数の連続線状体12が互いにランダムループを描きながら矢印A方向に連なっている。図中の矢印Bは、この網状構造体11の厚み方向を示している。
【0024】
上記網状構造体11は、図1に示すクッション体成形装置50によって、所定の立体形状に成形される。この成形装置50は、成形用金型51と、ヒータ52と送風機53などを備えている。成形用金型51は、例えばアルミニウム合金などからなるいわゆる簡易アルミ型であり、パンチングメタルのように下型55と上型56にそれぞれ多数の通気孔60,61が形成されている。通気孔60,61の孔径は2〜3mm、孔間ピッチは10〜20mmである。そしてヒータ52と送風機53によって発生させた130℃〜160℃の熱風を、通気孔60,61を通じて金型51の内部に吹込むことができるようになっている。
【0025】
上記金型51に網状構造体11を収容し、下型55と上型56を閉じることによって、網状構造体11を厚み方向(面方向)に1/2程度に圧縮する。ここで言う厚み方向とは、網状構造体11の連続線状体12が連なる方向(図3中の矢印A方向)と直交する方向(矢印B方向)である。
【0026】
130℃〜160℃の熱風を通気孔60,61を通じて金型51の内部に導入し、網状構造体11に熱風を吹き付けることにより、加熱しながら金型51による圧縮を行う。そして所定時間経過後、金型51を冷却し、脱型して所望の立体形状のクッション体70を得た。上述の加熱から冷却に至る過程で、網状構造体11を構成している熱可塑性弾性樹脂のハードセグメントが再配列されるなどして擬似結晶化様の架橋点が形成されることにより、耐熱性と耐へたり性の向上が期待できる。
【0027】
上記クッション体70を車両等の座席に用いる場合、中央の平坦な部分が主として着座荷重の加わる座部として使われ、両サイドの盛り上がった部分がいわゆるサイドサポート部として機能する。
【0028】
上述のような網状構造体11からなるクッション体70は、連続線状体12をノズル部16から押出す際にランダムループ状に曲がりくねらせて線状体12を連続成形するため、従来の合成樹脂綿を用いたクッション体の場合に必要であった開綿工程が不要となり、しかも網状構造体11がその長手方向に連続なる連続線状体12からなるため、ほつれたり形状の崩れを生じることがない。そして連続線状体12同志が溶融状態で互いに融着するから、バインダが不要であり、しかも単一の熱可塑性樹脂からなるため、再溶融によるリサイクル使用が可能である。
【0029】
そして本実施例のクッション体70に使われる網状構造体11は、従来の合成樹脂綿を用いたクッション体に比較して金型にセットしやすく、加工熱量が少なくてすみ、バリ取り工程が不要であるなど製造工程が簡略化し、コスト低減を図ることができる。
【0030】
これに対し従来の硬綿を用いた繊維系クッション体は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)からなる1〜50デニールの捲縮のある繊維(長さ51mm)を開綿し、バインダを混合し、カード積層後、綿裁断、型セット、キュア、脱型工程を経て製造されるものである。この従来例は、本実施例のクッション体70に比べると製造工数が多く、バインダを必要とするためリサイクル使用が困難であり、加工熱量も多い。しかもバリ取り工程が必要である。
【0031】
なお上記成形装置50において、加熱時に空気の代りに105℃〜160℃に加熱された高温蒸気を網状構造体11に吹き付けても、上記実施例と同様にクッション体の成形を行うことができた。
(実施例2)
前述の網状体製造装置10によって実施例1と同様の網状構造体11を製造したのち、図4,5に示す成形装置80によって網状構造体11を所定の立体形状に成形する。この成形装置80の金型81は、アルミニウム合金などからなる下型82と、上型83と、サイド型84などを備えている。サイド型84は、下型82と上型83の間に挿入される。また、ヒータ52と送風機53が設けられている。下型82と上型83には、それぞれ、孔径2〜3mmの多数の通気孔60,61が孔間隔ピッチ10〜20mmで設けられており、これらの通気孔60,61を通じて、130℃〜160℃の熱風を金型81の内部に吹込むことができるようになっている。
【0032】
図4に示すように、まず、第1の圧縮工程において、下型82と上型83によって、網状構造体11の主に中央部(メイン部)11aを厚み方向(図3中の矢印B方向)に1/2程度に圧縮する。そののち図5に示すように第2の圧縮工程において、サイド型84によって左右のサイド部11bを横方向(図3中の矢印A方向)に1/2程度まで圧縮する。そして金型81の内部に130℃〜160℃の熱風を吹き込んで網状構造体11を加熱し、金型81を冷却したのち脱型して所望形状のクッション体70aを得た。通常の繊維の硬綿では、サイド部を横方向から圧縮すると、繊維のねじれを生じるため、横方向からの圧縮では成形不可能である。これに対し本実施例の網状構造体11は、横方向から圧縮してもねじれることがなく、加熱・圧縮による成形を問題なく行うことができた。
(実施例3)
図6に示すように、厚みの小さい中央部11aと厚みの大きいサイド部11bとからなる網状構造体11を製造するために、実施例1で述べた網状体製造装置10におけるコンベア40を図7に示すように構成した。このコンベア40のエンドレスネット41,42は、中央部41a,42aの間隔W1 を5cm,両サイド部41b,42bの間隔W2 が10cmとなるように平行に配置した。それ以外は実施例1と同様である。
【0033】
そしてノズル部16のオリフィスから、軟化点よりも40℃程度高い温度に加熱され溶融状態となった熱可塑性弾性樹脂を吐出させ、上述のエンドレスネット41,42の間に途切れることなく落下させる。こうして吐出された熱可塑性弾性樹脂はエンドレスネット41,42の間に落ちることにより、曲がりくねりながらランダムなループが発生するとともに、各々のループが互いに接触し、ループ同志の接触部が融着したのち、冷却媒体30の中で固化する。
【0034】
この実施例の場合、エンドレスネット41,42の間隔の狭い中央部41a,42aにおいて網状構造体11の厚みが小となり、間隔の広いサイド部41b,42bにおいては厚みが大になることにより、図6に示すような厚みの異なる立体形状の網状構造体11が得られた。この網状構造体11も、ノズル部16のオリフィス数に応じた本数の連続線状体12が網状構造体11の長さ方向(矢印A方向)に連なっている。この場合も、実施例1で述べた成形装置50あるいは実施例2の成形装置80によって、厚み方向(矢印B方向)などに圧縮しかつ熱変形温度まで加熱して所定の立体形状に成形することにより、クッション体70aを得た。
(実施例4)
図8に示す網状構造体11は、密度が比較的小さい中央部11aと、密度の大きいサイド部11bとからなる。この網状構造体11を製造するために、前記網状体製造装置10におけるノズル部16を、図9に示すように、中央部のノズル有効面16a(幅30cm、長さ5cm)に孔径0.5mmのオリフィス90を孔間ピッチ5mmで配置し、両サイド部のノズル有効面16bに(幅15cm、長さ5cm)に孔径0.8mmのオリフィス91を孔間ピッチ5mmで設けた。それ以外は実施例1と同様である。
【0035】
そして上記ノズル部16のオリフィス90,91から、軟化点よりも10℃〜80℃高い温度(例えば40℃高い温度)に加熱されて溶融状態となった熱可塑性弾性樹脂をオリフィス単孔当りの吐出量0.5〜1.5g/分で吐出させるとともに冷却媒体30に向って自然落下させる。この場合も実施例1と同様にエンドレスネット41,42の間で連続線状体11が曲がりくねりながらランダムなループが発生し、冷却媒体30の中で固化する。
【0036】
こうして製造された網状構造体11は両サイド部11bの繊度が中央部11aの繊度よりも大であるため、図8に示すように中央部11aとサイド部11bとで密度の異なるものにすることができる。この網状構造体11も、ノズル部16のオリフィス数に応じた本数の連続線状体12が網状構造体11の長さ方向(矢印A方向)に連なっている。そしてこの網状構造体11を、実施例1の成形装置50あるいは実施例2の成形装置80によって、厚み方向(矢印B方向)などに圧縮するとともに熱変形温度まで加熱して所定の立体形状に成形した。
【0037】
なお図10に示すように、ノズル部16の両サイド部のノズル有効面16bにおけるオリフィス90の孔間ピッチを4mm、中央部のノズル有効面16aにおけるオリフィス90の孔間ピッチを8mmとして同一孔径(0.5mm)のオリフィス90を配列することにより、図8に示すような中央部11aと両サイド部11bとで密度が異なるものにすることができる。
(実施例5)
図11に示された網状構造体11は、図示上側に位置する比較的密度の大きい層11cと、下側に位置する比較的密度の小さい層11dを厚み方向に層状に配置している。この網状構造体11は、図2に示す網状体製造装置10において、ノズル部16のオリフィスを変更することによって作ることができる。そして図12に示すように、実施例1と同様の成形装置50にセットされ、主に網状構造体11の厚み方向に圧縮しかつ熱変形温度まで加熱することにより、クッション体70cを得た。このクッション体70cが座席などに使われる場合、密度の小さい層11dが人体に接する側(座部の上面)となる。
【0038】
また図13に示された網状構造体11は、比較的密度の小さい層11eの裏面側に高密度な層11fを設け、実施例1と同様に金型51を用いて圧縮および加熱によりクッション体70dを成形した。この異硬度クッション体70dの高密度な層11fは、このクッション体70dを座席などに使う場合にばねが配置される側(座部の下面側)となる。
【0039】
図14に示されたクッション体70eは、中程度の密度の中間層11gの上面側、すなわち座席等において人体と接する側に低密度の網状構造体11hを配置するとともに、ばねと接する裏面側に高密度の網状構造体11iを配した網状体11を用い、前記各実施例と同様に圧縮と加熱によって所定の立体形状に成形したものである。
【0040】
【発明の効果】
本発明のクッション体の製造方法によれば、熱可塑性弾性樹脂のエラストマーからなる300デニール以上の連続線状体をランダムなループ状に曲がりくねらせかつ各々のループの互いの接触部を融着させた見掛け密度が0.005〜0.20g/cmの立体的な網状構造体からなり、上記網状構造体が見掛け密度の高い部位と見掛け密度の低い部位とを含むため、クッション体として使用する際の体圧分布やばねの配置等に応じて適度な形状と硬さ分布を有し、かつ、クッション体の使用時に大きい応力で大変形を与えても、立体網目構造全体が互いに三次元的に変形しつつ応力を吸収し、応力が解除されると、熱可塑性弾性樹脂のゴム弾性によって立体網目構造が元の形状に復元することができる。しかも耐熱性と耐久性に優れ、通気性も充分な網状構造体を用いているため蒸れにくいなど、座り心地が著しく改善される。また、バインダを使用しない単一の熱可塑性弾性樹脂を主体とするものであるからリサイクル使用が容易なクッション体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すクッション体成形装置の概略断面図。
【図2】網状構造体を製造する装置の概略側面図。
【図3】網状構造体の一部の斜視図。
【図4】本発明の他の実施例を示すクッション体成形装置の一部の断面図。
【図5】図4に示すクッション体成形装置にサイド型をセットした状態の断面図。
【図6】網状構造体の変形例を示す斜視図。
【図7】図2に示された装置におけるエンドレスネットの変形例を示す概略図。
【図8】部分的に密度を変化させた網状構造体の斜視図。
【図9】図2に示された装置におけるノズル部の変形例を示す底面図。
【図10】図2に示された装置におけるノズル部の他の変形例を示す底面図。
【図11】層状に密度を変化させた網状構造体の斜視図。
【図12】低密度の部位を有する網状構造体と成形装置の断面図。
【図13】高密度の部位を有する網状構造体と成形装置の断面図。
【図14】低密度と高密度と中間密度の部位を有する異硬度クッション体の断面図。
【符号の説明】
10…網状体製造装置
11…網状構造体
12…連続線状体
50…クッション体成形装置
51…成形用金型
52…ヒータ(加熱手段)

Claims (3)

  1. 熱可塑性弾性樹脂のエラストマーからなる300デニール以上の連続線状体を、孔径または孔間ピッチが異なるオリフィスを有するノズル部から吐出し、ランダムなループ状に曲がりくねらせかつ各々のループの互いの接触部を融着させることにより見掛け密度が0.005〜0.20g/cmで見掛け密度の高い部位と見掛け密度の低い部位とを含む立体的な網状構造体を得たのち、上記網状構造体を型に収容して所定の厚みに圧縮するとともに熱変形温度まで加熱し、そののち冷却することにより所定の立体形状に成形することを特徴とするクッション体の製造方法。
  2. 上記網状構造体の加熱を蒸気によって行うことを特徴とする請求項1記載のクッション体の製造方法。
  3. 上記網状構造体の一部を第1の型によって網状構造体の厚み方向に圧縮して所定形状に成形したのち、上記網状構造体の他の部位を第2の型によって更に横方向に圧縮して所定形状に成形することを特徴とする請求項1記載のクッション体の製造方法。
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