JPH0860121A - ホットメルト接着剤組成物 - Google Patents
ホットメルト接着剤組成物Info
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Abstract
て優れた接着性を有し、しかも高凝集力で優れた熱安定
性を備えた低粘度のホットメルト接着剤組成物を提供す
る。 【構成】 下記の(A)〜(C)成分を主成分とするホ
ットメルト接着剤組成物である。 (A)スチレン−イソプレン−スチレンのトリブロック
共重合体と、スチレン−ブタジエンのジブロック共重合
体からなる合成ゴム。 (B)粘着付与樹脂。 (C)可塑化オイル。
Description
等の衛生材料および紙器包装等に使用されるホットメル
ト接着剤組成物に関するものである。
リオレフィン系材料に対して優れた接着性を有すること
から、上記ホットメルト接着剤が、衛生材料用部材とし
て用いられているポリエチレンフィルムやポリプロピレ
ン不織布の接着剤として使用されている。ところで、近
年、上記ポリスチレン系ホットメルト接着剤による塗布
方法としては、スプレーやスパイラルスプレー等のよう
な低目付塗布法が主流となっている。したがって、ホッ
トメルト接着剤として、優れた接着性を維持したうえで
低粘度化が要求されている。したがって、低粘度化を図
るために様々な提案がなされ検討されている。例えば、
可塑化オイルの配合量を増加する、粘着付与樹脂の
配合量を増加する、合成ゴム成分の配合量を少なくす
る、合成ゴム成分であるスチレン−ブタジエン−スチ
レンのトリブロック共重合体に、スチレン−ブタジエン
のジブロック共重合体を添加する、という方法があげら
れる。
種の低粘度化方法は、問題があり未だ満足できるもので
はない。例えば上記では、可塑化オイルの増量により
接着剤の凝集力が大幅に低下して、塗布対象が通気性フ
ィルムの場合、可塑化オイルがこの通気性フィルムから
激しく滲み出る。上記では、低温接着性が低下する。
また、上記では低温接着性が低下し、しかも合成ゴム
成分が少なく相対的に可塑化オイル分が増加するため、
上記と同様、塗布対象が通気性フィルムの場合、可塑
化オイルがこの通気性フィルムから激しく滲み出る。さ
らに、上記では粘度は低くなるが、通気性フィルムか
らの滲み出しや低温接着性に劣る点は改善されない。こ
のように、各種の低粘度化方法は、以上のような欠点を
有している。
たもので、低温から高温までの広範囲な温度領域におい
て優れた接着性を有し、しかも高凝集力で優れた熱安定
性を備えた低粘度のホットメルト接着剤組成物の提供を
その目的とする。
め、この発明のホットメルト接着剤組成物は、下記の
(A)〜(C)成分を主成分とするという構成をとる。 (A)スチレン−イソプレン−スチレンのトリブロック
共重合体と、スチレン−ブタジエンのジブロック共重合
体からなる合成ゴム。 (B)粘着付与樹脂。 (C)可塑化オイル。
の接着性,凝集力に優れた低粘度のホットメルト接着剤
を得るために一連の研究を重ねた。その結果、スチレン
−イソプレン−スチレンのトリブロック共重合体と、上
記トリブロック共重合体の共役ジエンブロック(イソプ
レン)とは異なるブロックを有するスチレン−ブタジエ
ンのジブロック共重合体からなる合成ゴム(A成分)を
用いると、ベースポリマーの分子量が低下し低粘度化が
図られ、しかも互いの欠点を補って優れた接着力および
高凝集力が得られることを見いだしこの発明に到達し
た。なお、この発明において、「主成分とする」とは主
成分のみからなる場合も含める趣旨である。
特定の合成ゴム(A成分)と、粘着付与樹脂(B成分)
と、可塑化オイル(C成分)を用いて得られる。
ン−イソプレン−スチレンのトリブロック共重合体(以
下「SIS」と称す)と、スチレン−ブタジエンのジブ
ロック共重合体(以下「SB」と称す)からなる。この
ように、上記トリブロック共重合体の共役ジエンブロッ
ク(イソプレン)と上記ジブロック共重合体の共役ジエ
ンブロック(ブタジエン)とが異なるものを組み合わせ
ることにより相互の優れた特性を付与することが可能と
なり目的とするホットメルト接着剤組成物を得ることが
できる。これがこの発明の最大の特徴である。上記SI
S(X)とSB(Y)の配合割合(X/Y)は、X/Y
=90/10〜5/95の範囲に設定することが好まし
い。すなわち、SISの配合割合が90を超える(SB
が10未満)と、接着性に劣り低粘度化が困難となり、
逆にSISの配合割合が5未満(SBが95を超える)
では、凝集力が低下してオイル成分の滲み出しが生じる
傾向がみられるからである。また、上記SIS中の共役
ジエンブロック(イソプレン)の含有量がSIS全体の
10〜95重量%(以下「%」と略す)の範囲のもの
を、かつSB中の共役ジエンブロック(ブタジエン)の
含有量も10〜95%の範囲のものを用いることが好ま
しい。すなわち、SIS中のイソプレンが10%未満お
よびSB中のブタジエンが10%未満では、低温接着性
のみならず、常温での接着性が得られず、オイル成分の
滲み出しが激しくなり、SIS中のイソプレンが95%
を超え、しかもSB中のブタジエンが95%を超える
と、凝集力が大幅に低下する傾向がみられるからであ
る。
合体に水素添加したSIS(SEPS)と、ジブロック
共重合体に水素添加したSB(SEB)を用いると、ホ
ットメルト接着剤組成物の低粘度化,高凝集力化,高接
着性に加えて熱安定性の一層の向上を図ることが可能と
なり特に好ましい。
脂(B成分)としては、特に限定するものではなく従来
公知のものが用いられる。例えば、クマロン・インデン
樹脂,フェノール・ホルムアルデヒド樹脂,変性キシレ
ン樹脂,テルペン・フェノール樹脂,テルペン樹脂,水
素添加テルペン樹脂,ポリブテン,ポリイソブチレン,
石油樹脂,水素添加石油樹脂,水素添加ロジン,水素添
加ロジンエステル,スチレン樹脂等があげられる。これ
らは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
る可塑化オイル(C成分)も、特に限定するものではな
く従来公知のものが用いられる。例えば、パラフィン系
オイル,ナフテン系オイル,あるいは芳香族系成分を多
量に含むオイル等があげられる。これらは単独でもしく
は2種以上併せて用いられる。
は、上記A〜C成分以外に、必要に応じて、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共
重合体等のエチレン共重合体、ポリプロピレン−ポリエ
チレン共重合体、ポリプロピレン−ポリエチレン−ブテ
ン−1共重合体等のオレフィン系樹脂、また、液状ポリ
イソプレンや酸化防止剤等の他の添加剤を適宜に配合す
ることができる。
例えばつぎのようにして作製される。すなわち、A〜C
成分および必要に応じて他の添加剤を所定の割合に配
合,混合し、加熱溶融することにより得られる。
合は、A成分100重量部(以下「部」と略す)に対し
てB成分は50〜500部の範囲に、またC成分は20
〜400部の範囲に設定することが好ましい。すなわ
ち、各配合割合において、上記B成分の配合割合が上記
範囲を外れると、低温および常温での接着力が低下する
傾向がみられる。また、上記C成分の配合割合が上記範
囲を外れると、接着力と凝集力のバランスがとれなくな
る傾向がみられるからである。
剤組成物は、トリブロック共重合体にジブロック共重合
体を配合することにより合成ゴム(A成分)であるベー
スポリマーを構成するため、このベースポリマー自身の
分子量が低下してホットメルト接着剤組成物の溶融粘度
を低下させることができる。しかも、トリブロック共重
合体同士の配合に比べて相溶範囲が広くなり、単独ポリ
マーベース(SISのみ)の有する欠点をジブロック共
重合体(SB)が補い、低温から高温にかけての優れた
接着力および高凝集力が得られるようになる。
接着剤組成物は、トリブロック共重合体であるSIS
と、ジブロック共重合体であるSBからなる合成ゴム
(A成分)を用いている。このため、ベースポリマー自
身の分子量が低下して低粘度化が図られ、しかも互いの
欠点を補いSBの優れた凝集力およびSISの有する優
れた接着力を備えている。さらに、トリブロック共重合
体およびジブロック共重合体の双方とも共役ジエン部分
が水素添加されたものを用いることによって、上記各特
性の向上に加えて、一層優れた熱安定性が得られる。
明する。
示す各成分を同表に示す割合で配合し、混合した。つい
で、加熱溶融した後、冷却固化することによりホットメ
ルト接着剤組成物を製造した。
較例品のホットメルト接着剤組成物について、その粘
度,低温から高温にかけての接着力,凝集力,熱安定性
の各特性を測定し評価した。その結果を後記の表6〜表
8に示す。なお、上記特性評価の測定方法を下記に示
す。
(ブルックフィールド社製)を用いて測定した。
いるポリエチレンフィルムと不織布を、上記実施例品も
しくは比較例品を用いて接着した(塗布温度140℃,
塗布量0.05g/m,ビード状)。これを20℃雰囲
気下で24時間放置した後、取り出して手で被着体を引
き剥がし材料破断の場合を○、界面剥離のものを×、そ
の中間を△として評価した。
り合わせサンプルを幅25mmに切り取り、40℃雰囲
気下、ポリエチレンフィルムに100gの重りを吊る
し、不織布からポリエチレンフィルムが剥がれて重りが
落下するまでの時間を測定した。
間放置したホットメルト接着剤組成部間の色相を目視に
より判定した。そして、完全に無色あるいは白色の場合
を◎、殆ど無色あるいは白色に近い場合を○、やや着色
のある場合を△、明らかに着色のある場合を×として評
価した。
低粘度のものが得られないか、もしくは接着力,凝集力
の少なくとも一つの特性に劣るものである。これに対し
て、実施例品は全て低粘度で、かつ接着力,凝集力およ
び熱安定性に優れている。さらに、水素添加した合成ゴ
ムを用いた実施例10〜12品は全ての特性に優れてい
ることはもちろん、熱安定性に特に優れていることがわ
かる。
Claims (4)
- 【請求項1】 下記の(A)〜(C)成分を主成分とす
ることを特徴とするホットメルト接着剤組成物。 (A)スチレン−イソプレン−スチレンのトリブロック
共重合体と、スチレン−ブタジエンのジブロック共重合
体からなる合成ゴム。 (B)粘着付与樹脂。 (C)可塑化オイル。 - 【請求項2】 (A)成分のトリブロック共重合体中の
イソプレンブロックおよびジブロック共重合体中のブタ
ジエンブロックが水素添加されたものである請求項1記
載のホットメルト接着剤組成物。 - 【請求項3】 (A)成分中のジブロック共重合体の含
有量が、(A)成分全体の10〜95重量%である請求
項1または2記載のホットメルト接着剤組成物。 - 【請求項4】 (A)成分中のトリブロック共重合体の
イソプレンの含有量がトリブロック共重合体全体の10
〜95重量%であって、かつジブロック共重合体のブタ
ジエンの含有量が10〜95重量%である請求項1〜3
のいずれか一つに記載のホットメルト接着剤組成物。
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