JPH08593Y2 - 廃棄物溶融処理装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は廃棄物溶融処理装置に関する。

廃棄物溶融処理装置を使用して、都市ゴミや産業廃棄
物を焼却した後の焼却灰に代表される二次的な廃棄物を
アーク熱で溶融し、生成した溶融スラグを水冷すること
が行なわれている。

本考案は上記のような廃棄物溶融処理装置の改良に関
するものである。

〈従来の技術、その課題〉 従来、廃棄物溶融処理装置として、炉体の側壁に溶融
スラグ流出口が開設されており、該溶融スラグ流出口の
炉外側下方に水冷設備が設置されたものが使用されてい
る（例えば特開昭54-39966）。この従来装置は炉内に投
入した廃棄物をアーク熱で溶融し、この際に発生した排
ガスを炉体の上部に接続されている排気ダクトを介して
排出しつつ、生成した溶融スラグを該溶融スラグ流出口
から垂れ流して該水冷設備で急冷粉砕するというもので
ある。

ところが、この従来装置には、溶融スラグ流出口にス
ラグが固着し易く、溶融スラグの排出を円滑に行ない難
いという課題がある。溶融スラグ流出口は外気にさらさ
れており、また炉内に発生した高温の排ガスで積極的に
加熱されるというものではないため、しかもその炉外側
下方には水冷設備が設置されていることもあって、該溶
融スラグ流出口は炉内雰囲気と比べて低温となり易く、
そこにスラグが固着し易いのである。

〈考案が解決しようとする課題、その解決手段〉 本考案は叙上の如き従来の課題を解決する改良された
廃棄物溶融処理装置を提供するもである。

しかして本考案は、 炉内に投入した廃棄物をアーク熱で溶融し、生成した
溶融スラグを水冷する廃棄物溶融処理装置であって、炉
体の側壁に開設された溶融スラグ流出口の炉外側に該溶
融スラグ流出口と炉外に設置された水冷設備との間を密
閉する包囲体が取付けられており、該包囲体の内部にお
ける密閉された空間と該溶融スラグ流出口の上方におけ
る炉内とがエジェクターを介して配管接続されて成るこ
とを特徴とする廃棄物溶融処理装置に係る。

本考案において肝要な点は、溶融スラグ流出口の炉外
側に該溶融スラグ流出口と炉外に設置された水冷設備と
の間を密閉する包囲体が取付けられており、該包囲体の
内部における密閉された空間と該溶融スラグ流出口の上
方における炉内とがエジェクターを介して配管接続され
ている処にある。

〈作用〉 炉内へ送入する空気の一部代用としてエジェクターに
空気を送入すると、廃棄物をアーク熱で溶融する際に発
生した高温の排ガスの一部が、炉内→溶融スラグ流出口
→包囲体の内部における密閉された空間→エジェクター
→炉内の経路で循環し、循環する高温の排ガスによって
溶融スラグ流出口が加熱されるので、該溶融スラグ流出
口にスラグが固着するのを防止でき、しかもエジェクタ
ーは可動部がないので、循環する高温の排気ガスやこれ
に含まれるダストによって損傷を受けることがなく、し
たがって本考案によると、常時安定して溶融スラグの排
出を促すことができるのである。

以下、図面に基づいて本考案の構成を更に詳細に説明
する。

〈実施例〉 第１図は本考案の一実施例を略示する縦断面図であ
る。炉体11は本体12と本体12に被着された蓋体13とを備
えている。本体12の側壁には空気送入口21と溶融スラグ
流出口22とが開設されている。蓋体13には廃棄物投入口
23と排気口24とが開設されており、蓋体13からは炉内へ
と合計３本の電極25が装入されている。溶融スラグ流出
口22の炉外側下方には水冷設備26が設置されており、溶
融スラグ流出口22と水冷設備26との間には双方の間を密
閉する包囲体41が取付けられている。そして包囲体41の
内部における密閉された空間と溶融スラグ流出口22の上
方における炉内とが配管42で接続されており、配管42に
エジェクター43が介装されている。

図面は、廃棄物溶融処理の途中の段階であって、炉内
の上層に溶融スラグＡが、また下層に溶融メタルＢがそ
れぞれ生成しており、溶融スラグＡが溶融スラグ流出口
22から包囲体41の内部における密閉された空間を介して
水冷設備26へと排出されている状態を示しているが、こ
の際、空気送入口21から炉内へと送入する空気の一部代
用としてエジェクター43に空気を送入し、廃棄物をアー
ク熱で溶融する際に発生する排ガスの一部を、炉内→溶
融スラグ流出口22→包囲体41の内部における密閉された
空間→エジェクター43→炉内の経路で循環させ、循環さ
せた高温の排ガスで溶融スラグ流出口22を加熱すること
によって溶融スラグ流出口22にスラグが固着するのを防
止するのである。

〈考案の効果〉 既に明らかなように、以上説明した本考案には、炉内
に発生する高温の排ガスの一部で溶融スラグ流出口を加
熱することにより該溶融スラグ流出口にスラグが固着す
るのを防止でき、結局は常時安定して溶融スラグの排出
を促すことができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す縦断面図である。 11……炉体、22……溶融スラグ流出口 25……電極、26……水冷設備 41……包囲体、42……配管 43……エジェクター Ａ……溶融スラグ、Ｂ……溶融メタル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】炉内に投入した廃棄物をアーク熱で溶融
   し、生成した溶融スラグを水冷する廃棄物溶融処理装置
   であって、炉体の側壁に開設された溶融スラグ流出口の
   炉外側に該溶融スラグ流出口と炉外に設置された水冷設
   備との間を密閉する包囲体が取付けられており、該包囲
   体の内部における密閉された空間と該溶融スラグ流出口
   の上方における炉内とがエジェクターを介して配管接続
   されて成ることを特徴とする廃棄物溶融処理装置。