JPH0858222A - ランダムパターンの印刷方法 - Google Patents

ランダムパターンの印刷方法

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JPH0858222A
JPH0858222A JP19922494A JP19922494A JPH0858222A JP H0858222 A JPH0858222 A JP H0858222A JP 19922494 A JP19922494 A JP 19922494A JP 19922494 A JP19922494 A JP 19922494A JP H0858222 A JPH0858222 A JP H0858222A
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JP19922494A
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English (en)
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Toru Endo
徹 遠藤
Masao Kuroiwa
政夫 黒岩
Shiyoutei Chiyou
松弟 張
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、通常の印刷版を用いた印刷機によ
り、簡便にかつ安価にしかも有効にランダムな印刷パタ
ーンを印刷することができ、またそのランダムな印刷パ
ターンが印刷された媒体の真偽判定を機械読み取りによ
り容易に行なうことを最も主要な目的としている。 【構成】通常の印刷版を用いた印刷機により、シート状
の印刷用紙に、枚葉印刷法によって印刷インキによりラ
ンダムなパターンを印刷する際に、印刷用紙の流れ方向
の咥え位置、およびまたは印刷用紙の流れ方向に対して
垂直方向の針位置を任意に変化させ、さらに必要に応じ
て回転角度も任意に変化させて、印刷パターン位置を変
化させることにより、印刷用紙の流れ方向、印刷用紙の
流れ方向に対して垂直方向にランダムなパターンを印刷
することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通常の印刷版を用いた
印刷機により、シート状の印刷用紙に、グラビア法、オ
フセット法、スクリーン法等による枚葉印刷法によって
印刷インキによりランダムなパターン(絵柄)を印刷す
る方法に係り、特に印刷用紙の流れ方向、印刷用紙の流
れ方向に対して垂直方向で印刷のパターンを変化させて
ランダムなパターンを印刷し、また印刷インキとして磁
性インキ等でパターンを印刷して機械読み取り可能なラ
ンダム磁気パターンの印刷を行なえるようにしたランダ
ムパターンの印刷方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷物は、その色再現、見当合わ
せを厳密にして、より高精度な印刷物を作れるように技
術が進歩してきている。すなわち、印刷本来の目的は、
濃度、線幅、色、印刷位置等の精度がよく、できるだけ
同一の品質のものを大量複製することにある。また、カ
ード等の有価証券の印刷分野においても、印刷精度が求
められ、例えば磁性インキを用いた高精細磁気バーコー
ド等の印刷によって、セキュリティ性を付与するように
している。
【0003】しかしながら、精度ある印刷物、コード化
された磁気バーコード等の、従来からの印刷技術による
セキュリティ対策では、パターンが同じで同一のデータ
を与えるのみであり、有価証券に、製造者にも決定でき
ない媒体一枚一枚毎に異なる固有のデータ、すなわちI
Dデータを付与することはできない。
【0004】そこで、最近では、このような印刷による
コード化された磁気バーコードに代わり、ランダムな磁
気パターンを用いて、媒体固有の磁気パータンを新たな
セキュリティとする動きが出てきている。
【0005】しかしながら、オフセット法、グラビア
法、スクリーン法等の通常の印刷版を用いた印刷機の中
には、そのままでランダムなパターンを印刷できる印刷
機は、現在のところ存在していない。
【0006】すなわち、この場合、ランダムなパターン
を印刷しようとしても、1色刷りでは、面付け分のラン
ダムパターンしか製造することができず、2色以上の印
刷が必要である。しかしながら、2色の見当をただ狂わ
せただけでは、ランダム性に欠けてしまい、セキュリテ
ィ性が低いものとなる。
【0007】そのため、上記のようなランダムなパター
ンを用いて媒体にセキュリティ性を持たせるための方法
として、最近では、媒体中に磁性ファイバーを分散させ
る方法(例えば、“特開昭50−69999号公
報”)、媒体中に磁気分散樹脂ファイバーを分散させる
方法、媒体中に金属ファイバーを分散させる方法(例え
ば、“特開昭54−136900号公報”、“特開昭5
9−90036号公報”、“特開昭59−65390号
公報”、“特公平3−18232号公報”)が、それぞ
れ提案されてきている。
【0008】しかしながら、これらのいずれの方法にお
いても、ファイバーを分散させた場合に、ダマになり易
い、媒体の端面から視認できてしまう、ファイバーの配
置制御が難しいという問題がある。
【0009】一方、上記のようなランダムなパターンを
用いて媒体にセキュリティ性を持たせて、そのセキュリ
ティ性を持たせた媒体の真偽を判定するための方法とし
ては、例えば(a)“特開昭52−33444号公
報”、(b)“特開昭52−28393号公報”、
(c)“特開昭63−501250号公報”等による方
法が、それぞれ提案されてきている。
【0010】まず、上記(a)に示される方法は、基材
内または基材上において検出され得るランダムな磁気小
片等の不完全部をもつ機能許可物体の基材の表面上の予
定の検査トラック内におけるランダムな不完全部の量を
検出し、この検出したランダムな不完全部の量をパルス
に変換して、この検出パルスを時限パルスと組み合わ
せ、この組み合わせたパルスを二進コードの形で供給し
て、この二進コードを前に確認したまたは記憶した二進
コードと比較することにより、両方の二進コードが同一
である時に機能を許可することで、機能許可物体の偽造
に対する安全な確実性を照合する方法である。
【0011】また、上記(b)に示されるものは、イン
キの中に検出可能な量の強磁性粒子を持つインキを含ん
で文書の上に印刷された幾つかの線を持つ文書を確認す
る場合に、順次に互いに隣接して配置されかつ確認され
るべき文書の上の線とほぼ同じ配置とされている複数の
強磁性条片を感知装置ヘッドに持たせ、文書を線にほぼ
直角な方向に感知装置と相対的に動かして文書の上の線
と感知装置ヘッドの強磁性条片とを一列にしたり離した
りし、感知装置ヘッドを通る磁束通路を作り強磁性条片
から受ける磁気的信号を検出してそれがあらかじめ定め
られたレベルに達していることを判定することで、文書
を認証するか拒絶する方法である。
【0012】さらに、上記(c)に示される方法は、非
導電材料で形成され、チェック領域の多くのサブエリア
に渡って値がランダムに変化する物理的特性を有し、サ
ブエリア群の値の分布を特徴づけるデジタルマークを有
する書類の真正さをチェックする場合に、書類のチェッ
ク領域を走査し、サブエリアの値の分布を検出し、走査
した際の分布を特徴づけるデジタル走査信号を出力し、
書類上のデジタルマークを読み取ってそのデジタルマー
クを特徴づけるデジタルマーク信号を出力し、このデジ
タルマーク信号をデジタル走査信号と比較し、一方上記
非導電材料とはことなる電磁特性を有し、少なくともチ
ェック領域にランダムに分布された多数の粒子からなる
書類を使用し、上記走査を、チェック領域にマイクロ波
を入射させて応答マイクロ波束を出力し、この応答マイ
クロ波束を計測することにより行なうことで、書類の真
正さをチェックする方法である。しかしながら、これら
のいずれの方法においても、媒体の真偽判定を行なう際
の方法が容易ではないという問題がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
方法においては、ランダムなパターンの形成方法が複雑
である、コストが高い、セキュリティの点でそれ程有効
ではない、さらにそのランダムパターンが形成された媒
体の真偽判定がそれ程容易ではないという問題があっ
た。
【0014】本発明は、上記のような問題点を解消する
ために成されたもので、通常の印刷版を用いた印刷機に
より、簡便にかつ安価にしかも有効にランダムな印刷パ
ターンを印刷することができ、またそのランダムな印刷
パターンが印刷された媒体の真偽判定を機械読み取りに
より容易に行なうことが可能なランダムパターンの印刷
方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、まず、請求項1に係る発明では、通常の印刷版を
用いた印刷機により、シート状の印刷用紙に、枚葉印刷
法によって印刷インキによりランダムなパターンを印刷
する方法において、印刷用紙の流れ方向の咥え位置を任
意に変化させて印刷パターン位置を変化させることによ
り、印刷用紙の流れ方向にランダムなパターンを印刷す
るようにしている。
【0016】また、請求項2に係る発明では、通常の印
刷版を用いた印刷機により、シート状の印刷用紙に、枚
葉印刷法によって印刷インキによりランダムなパターン
を印刷する方法において、印刷用紙の流れ方向に対して
垂直方向の針位置を任意に変化させて印刷パターン位置
を変化させることにより、印刷用紙の流れ方向に対して
垂直方向にランダムなパターンを印刷するようにしてい
る。
【0017】さらに、請求項3に係る発明では、通常の
印刷版を用いた印刷機により、シート状の印刷用紙に、
枚葉印刷法によって印刷インキによりランダムなパター
ンを印刷する方法において、印刷用紙の流れ方向の咥え
位置と、印刷用紙の流れ方向に対して垂直方向の針位置
とをそれぞれ任意に変化させて印刷パターン位置を変化
させることにより、印刷用紙の流れ方向、印刷用紙の流
れ方向に対して垂直方向にランダムなパターンを印刷す
るようにしている。
【0018】さらにまた、請求項4に係る発明では、上
記請求項1ないし請求項3のいずれか1項に係る発明の
ランダムパターンの印刷方法において、印刷用紙の流れ
方向の咥え位置、およびまたは印刷用紙の流れ方向に対
して垂直方向の針位置と共に、必要に応じて回転角度も
任意に変化させるようにしている。
【0019】ここで、特に少なくとも2版以上の互いに
異なるパターンの印刷版を用いてランダムなパターンを
印刷するようにしている。また、上記印刷インキとし
て、磁性インキを用いるようにしている。
【0020】
【作用】従って、本発明のランダムパターンの印刷方法
においては、印刷用紙の流れ方向の咥え位置を任意に変
化させて印刷パターン位置を変化させるか、または印刷
用紙の流れ方向に対して垂直方向の針位置を任意に変化
させて印刷パターン位置を変化させるか、あるいは印刷
用紙の流れ方向の咥え位置と、印刷用紙の流れ方向に対
して垂直方向の針位置とをそれぞれ任意に変化させて印
刷パターン位置を変化させ、さらに必要に応じて回転角
度も任意に変化させて、印刷用紙の流れ方向、印刷用紙
の流れ方向に対して垂直方向にランダムなパターンを印
刷することにより、ランダムなパターン印刷を安価に行
なうことができる。
【0021】また、印刷用紙の流れ方向、印刷用紙の流
れ方向に対して垂直方向にランダムなパターンを印刷す
る場合に、少なくとも2版以上の互いに異なるパターン
の印刷版を用いることにより、ランダム性の付与が無限
大に広がり、ランダム性をより一層向上させることがで
きる。
【0022】さらに、ランダムなパターンを、有効に、
かつ無限大で、簡便に印刷することができ、例えばこれ
をカード状に加工し、カード上を磁気ヘッド等の磁気セ
ンサーを走査して、出力波形を計測することにより、カ
ードの真偽判定を機械読み取りにて容易に行なうことが
できる。
【0023】すなわち、ランダムなパターンを無限大に
近い状態で印刷することで、このカードは1枚毎に異な
ったパターンが印刷され、カードには磁気材料が何らか
のバーパターンとして含まれているため、応答出力波形
はカード毎に異なり、この出力波形を信号処理すること
により、カードの真偽を判定することができ、同一カー
ドはほとんど存在しなくなり、極めて実用性が高いもの
となる。
【0024】以上により、通常の印刷版を用いた印刷機
により、簡便にかつ安価にしかも有効にランダムな印刷
パターンを印刷することができ、またそのランダムな印
刷パターンが印刷された媒体の真偽判定を機械読み取り
により容易に行なうことができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して詳細に説明する。図1は、本発明によるランダムパ
ターンの印刷方法を実現するための枚葉方式のスクリー
ン印刷機の全体構成例を示す模式図である。
【0026】すなわち、図1に示すように、本実施例の
スクリーン印刷機11は、シート状の印刷用紙12を真
空ポンプ等で1枚1枚順次吸着して送り込むための供紙
部13と、供紙部13から送り込まれる印刷用紙12に
スクリーン印刷を行なうためのスクリーン印刷版14お
よび印刷台15からなる印刷部16と、印刷部16のス
クリーン印刷版14および印刷台15で印刷が行なわれ
た後の印刷用紙12を乾燥するための乾燥部17と、乾
燥部17からの印刷済みの印刷用紙12を1枚1枚順次
排紙するための図示しない排紙部とから構成されてい
る。
【0027】ここで、スクリーン印刷版14および印刷
台15からなる印刷部16は、図2(a)に模式図を示
すように構成されている。すなわち、図2(a)に示す
ように、位置合わせ用センサーとして、印刷用紙12の
流れ方向の咥え位置部18と、印刷用紙12の流れ方向
に対して垂直方向の針位置部19とがあり、さらに咥え
位置部18と針位置部19のそれぞれが、単独に運動し
て、かつ回転角度を任意に変化させて、印刷パターン位
置を変化できるようになっている。
【0028】なお、この位置合わせ用センサーは、例え
ば図示しないパーソナルコンピュータ等に接続し、不規
則なパターンに対応した乱数等によって運動量をコント
ロールし、任意に位置をずらすことで不規則性を向上さ
せるようにしても一向に構わない。
【0029】さらに、スクリーン印刷版14は、そのパ
ターン(絵柄)を例えば図2(b)に示すようなランダ
ムなパターン(ランダム絵柄)31としている。次に、
以上のように構成した本実施例のスクリーン印刷機11
におけるランダムパターンの印刷方法について説明す
る。
【0030】(第1の印刷方法)すなわち、本第1の印
刷方法では、印刷用紙12にランダムなパターン(絵
柄)を印刷する場合に、印刷用紙12の流れ方向の咥え
位置を任意に変化させて印刷パターン位置を変化させる
ことにより、印刷用紙12の流れ方向にランダムなパタ
ーンを印刷することにより、ランダム性の付与が無限大
に広がり、印刷用紙12の向きを任意に変えることで、
ランダムなパターン印刷を安価に行なうことができる。
【0031】この場合、印刷用紙12の流れ方向の咥え
位置を任意に変化させる方法としては、咥え位置センサ
ーを切るか、あるいは自動的に咥え位置をコントロール
することによって、印刷面の流れ位置である上下方向で
ランダムに変化させることができる。
【0032】図3は、このようにしてランダムなパター
ン(絵柄)31が印刷されたランダム印刷用紙41の一
例をそれぞれ比較して示す模式図である。 (第2の印刷方法)すなわち、本第2の印刷方法では、
印刷用紙12にランダムなパターン(絵柄)を印刷する
場合に、印刷用紙12の流れ方向に対して垂直方向の針
位置を任意に変化させて印刷パターン位置を変化させる
ことにより、印刷用紙12の流れ方向に対して垂直方向
にランダムなパターンを印刷することにより、ランダム
性の付与が無限大に広がり、印刷用紙12の向きを任意
に変えることで、ランダムなパターン印刷を安価に行な
うことができる。
【0033】この場合、印刷用紙12の流れ方向に対し
て垂直方向の針位置を任意に変化させる方法としては、
針位置センサーを切るか、あるいは自動的に針位置をコ
ントロールすることによって、印刷面の左右方向でラン
ダムに変化させることができる。
【0034】図4は、このようにしてランダムなパター
ン(絵柄)31が印刷されたランダム印刷用紙41の一
例をそれぞれ比較して示す模式図である。 (第3の印刷方法)すなわち、本第3の印刷方法では、
印刷用紙12にランダムなパターン(絵柄)を印刷する
場合に、印刷用紙12の回転角度を任意に変化させて印
刷パターン位置を変化させることにより、印刷用紙12
の回転角度方向にランダムなパターンを印刷することに
より、ランダム性の付与が無限大に広がり、印刷用紙1
2の向きを任意に変えることで、ランダムなパターン印
刷を安価に行なうことができる。
【0035】この場合、印刷用紙12の回転角度を任意
に変化させる方法としては、上記第1、第2の印刷方法
において咥え位置、針位置を変化させる時に、それぞれ
の咥え位置部18、針位置部19の動きを逆方向に動か
すことで、印刷面を回転させることができる。そして、
この時、咥え位置部18、針位置部19の動かす量を、
印刷回数毎に変化させることで、回転角度をランダムに
することができる。
【0036】図5は、このようにしてランダムなパター
ン(絵柄)31が印刷されたランダム印刷用紙41の一
例をそれぞれ比較して示す模式図である。 (第4の印刷方法)すなわち、本第4の印刷方法では、
印刷用紙12にランダムなパターン(絵柄)を印刷する
場合に、印刷用紙12の流れ方向の咥え位置と、印刷用
紙12の流れ方向に対して垂直方向の針位置と、印刷用
紙12の回転角度とをそれぞれ任意に変化させて印刷パ
ターン位置を変化させることにより、印刷用紙12の流
れ方向、印刷用紙12の流れ方向に対して垂直方向、お
よび印刷用紙12の回転角度方向にランダムなパターン
を印刷することにより、ランダム性の付与が無限大に広
がり、印刷用紙12の向きを任意に変えることで、ラン
ダムなパターン印刷を安価に行なうことができる。
【0037】図6は、このようにしてランダムなパター
ン(絵柄)31が印刷されたランダム印刷用紙41の一
例をそれぞれ比較して示す模式図である。 (第5の印刷方法)すなわち、本第5の印刷方法では、
上記第1ないし第4のうちのいずれかの印刷方法によ
り、印刷用紙12の流れ方向、印刷用紙12の流れ方向
に対して垂直方向、印刷用紙12の回転角度方向にラン
ダムなパターンを印刷する場合に、互いに異なるパター
ン(絵柄)のスクリーン印刷版を2版、あるいは2版以
上用いて、ランダムなパターンを印刷することにより、
ランダム性の付与がスクリーン印刷版を1版のみ用いる
場合よりも一層無限大に広がり、ランダム性をより一層
向上させることができる。
【0038】図7は、絵柄の異なるパターンのスクリー
ン印刷版を2版以上組み合わせてランダムなパターン3
1を印刷した印刷用紙41の一例を示す模式図である。
なお、1版掛けで製造した印刷物を、同一な版、あるい
はパターン(絵柄)の異なる版を用いて、2回以上印刷
するようにしても一向に差支えない。
【0039】一方、ランダムなパターンを、有効に、か
つ無限大で、簡便に印刷することができ、例えばこれを
例えばカード状に加工し、カード上を磁気ヘッド等の磁
気センサーを走査して、出力波形を計測することによ
り、カードの真偽判定を機械読み取りにて容易に行なう
ことができる。
【0040】このようなランダムなパターンを無限大に
近い状態で印刷することで、このカードは1枚毎に異な
ったパターンが印刷され、カードには磁気材料が何らか
のバーパターンとして含まれているため、応答出力波形
はカード毎に異なり、この出力波形を信号処理すること
により、カードの真偽を判定することができ、同一カー
ドは数万枚から数十万枚に1枚しか存在しなくなり、極
めて実用性が高いものとなる。
【0041】次に、かかる点についてより具体的に述べ
ると、上記図1において、パターン(絵柄)は印刷用紙
12の流れ方向、印刷用紙12の回転角度方向に対して
垂直方向にランダムなパターンが印刷され、これを小切
れにしたとしても(例えばカード状に加工しても)、印
刷用紙12の流れ方向とその垂直方向、および回転角度
方向、すなわち印刷用紙12の縦方向と、横方向と、お
よび回転角度方向とでランダム性が付与されているた
め、同一カードは数百枚から数十万枚に1個しか存在し
なくなる。
【0042】すなわち、本実施例においては、図1に示
すように印刷用紙12の流れ方向の咥え位置、印刷用紙
12の流れ方向に対して垂直方向の針位置、および回転
角度をそれぞれ任意に変化させて印刷パターン位置を変
化させることにより、印刷用紙12の流れ方向、印刷用
紙12の流れ方向に対して垂直方向、および回転角度方
向で、ランダムなパターン(絵柄)が得られることにな
る。
【0043】そして、この場合、印刷用紙12の流れ方
向の咥え位置、印刷用紙12の流れ方向に対して垂直方
向の針位置をランダムにした印刷方法を2版掛けするこ
とにより、カード状に加工しても、その縦方向、横方
向、回転角度方向でランダム性が付与され、更に印刷絵
柄の印刷位置においても微妙に変化し、ランダム性が付
与されているため、同一カードは数万枚から数十万枚に
1枚しか存在しなくなる。
【0044】一方、不規則なパターン(絵柄)を、印刷
インキとして磁性インキを用いて印刷し、かつその印刷
方式を工夫することにより、形成される印刷パターンの
ランダム化を向上させて同一パターンの発生を抑えるこ
とができるため、例えば機械読み取り可能なランダム磁
気データを持つカードの不規則性が飛躍的に向上し、安
価にランダム磁気データを持つカードの製造が可能にな
る。
【0045】また、不規則なパターン(絵柄)を、印刷
インキとして磁性インキを用いて印刷することにより、
例えば図8に示すように、ランダム磁気印刷を施した印
刷用紙41の印刷絵柄は、ランダム印刷用紙41の縦方
向、横方向、並びに回転角度方向においてランダムな絵
柄31が印刷され、仮にこれを小切れにしたとしても、
例えば図9に示すように、カード状42に加工しても、
その縦方向、横方向、回転角度方向でランダム性が付与
されているため、同一カードは数万枚から数十万枚に1
枚しか存在しなくなる。
【0046】なお、上記において、ランダムなパターン
を磁気印刷する際に、この磁気インキ材料としては、高
分子結合剤を含む溶媒中に磁性材料を分散させたもので
あり、その磁性材料として、Fe、Ni、Mn、Zn、
Co、パーマロイ、センダスト、Mn−Znフェライ
ト、Ni−Znフェライト、Mnフェライト、Znフェ
ライト、FeS、マグネタイト、γ−酸化鉄、Co被着
γ−酸化鉄、バリウムフェライト、ストロンチウムフェ
ライト、二酸化クロム等の金属・合金および金属化合物
の粉末が使用できるが、保磁力が60Oe以下の軟質磁
性材料を用いるのが好ましく、具体的には保磁力20O
eのFe、Mn−Znフェライト等が好ましい。
【0047】また、この保磁力が60Oe以下の軟質磁
性材料を用いるのは、読み取りの際に弱いバイアス磁場
でも応答することと、読み取り出力の再現性に優れてい
るためバイアス磁界による残留磁化が極めて少ないこ
と、およびマグネットビューアー、磁性流体等によって
もその磁気バーのパターンが見えないためである。
【0048】このようなランダムな磁気パターンを持つ
カード42を、磁気ヘッド等の磁気センサーで読み取っ
て電気信号に変換し、磁気データ記録や光学バーコード
等の他のデータ記録方法により、デジタルデータとして
付与しておくことによって、ID機能を付与することが
でき、相関係数の比較等の公知の方法により、カード4
2の真偽判定を行なうことができる。そして、これらラ
ンダムに印刷されたパターンは、全く同一の物を作成す
るのは困難であり、偽造しようとしてもカードが一つ一
つ異なるため、偽造が極めて困難になる。
【0049】上述したように、本実施例においては、通
常のスクリーン印刷版を用いた印刷機により、シート状
の印刷用紙12に、スクリーン印刷法による枚葉印刷法
によって印刷インキ(磁性インキ)によりランダムなパ
ターンを印刷する場合に、印刷用紙12の流れ方向の咥
え位置、およびまたは印刷用紙12の流れ方向に対して
垂直方向の針位置、さらに必要に応じて回転角度をそれ
ぞれ任意に変化させて印刷パターン位置を変化させるこ
とにより、印刷用紙12の流れ方向、印刷用紙12の流
れ方向と垂直方向、および回転角度方向に対して、ラン
ダムなパターンを印刷するようにしたものである。
【0050】従って、印刷用紙12の流れ方向の咥え位
置と、印刷用紙12の流れ方向に対して垂直方向の針位
置、および回転角度とをそれぞれ任意に変化させて、印
刷パターン位置を変化させることにより、ランダムなパ
ターン印刷を安価に行なうことが可能となる。
【0051】また、印刷用紙12の流れ方向、印刷用紙
12の流れ方向に対して垂直方向にランダムなパターン
を印刷する場合に、2個の互いに異なるパターンのスク
リーン印刷版を用いることにより、ランダム性の付与が
無限大に広がり、ランダム性をより一層向上させること
が可能となる。
【0052】さらに、ランダムなパターンを、有効に、
かつ無限大で、簡便に印刷することができ、例えばこれ
をカード状に加工し、カード上を磁気ヘッド等の磁気セ
ンサーを走査して、出力波形を計測することにより、カ
ードの真偽判定を機械読み取りにて容易に行なうことが
可能となる。
【0053】すなわち、ランダムなパターンを無限大に
近い状態で印刷することで、このカードは1枚毎に異な
ったパターンが印刷され、カードには磁気材料が何らか
のバーパターンとして含まれているため、応答出力波形
はカード毎に異なり、この出力波形を信号処理すること
により、カードの真偽を判定することができ、同一カー
ドは数千枚から数百枚に1個しか存在しなくなり、極め
て実用性が高いものとなる。
【0054】以上により、通常のスクリーン印刷版14
を用いたスクリーン印刷機11により、簡便にかつ安価
にしかも有効にランダムな印刷パターンを印刷すること
ができ、またそのランダムな印刷パターンが印刷された
カード等の媒体の真偽判定を機械読み取りにより容易に
行なうことができる。
【0055】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、次のようにしても同様に実施できるものであ
る。 (a)上記実施例において、印刷用紙12の流れ方向の
咥え位置と、印刷用紙12の流れ方向に対して垂直方向
の針位置とをそれぞれ任意に変化させて、印刷パターン
位置を変化させるようにしてもよい。
【0056】(b)上記実施例において、印刷用紙12
の流れ方向の咥え位置と、印刷用紙12の回転角度とを
それぞれ任意に変化させて、印刷パターン位置を変化さ
せるようにしてもよい。
【0057】(c)上記実施例において、印刷用紙12
の流れ方向に対して垂直方向の針位置と、印刷用紙12
の回転角度とをそれぞれ任意に変化させて、印刷パター
ン位置を変化させるようにしてもよい。
【0058】(c)上記実施例では、枚葉印刷法とし
て、スクリーン法を用いる場合について説明したが、こ
れに限らず、オフセット法、グラビア法等の他の枚葉印
刷法を用いるようにしても、前述の場合と同様の効果が
得られるものである。 (d)上記実施例では、印刷インキとして磁性インキを
用いる場合について説明したが、その他のインクを用い
るようにしてもよい。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、通
常の印刷版を用いた印刷機により、シート状の印刷用紙
に、枚葉印刷法によって印刷インキによりランダムなパ
ターンを印刷する方法において、印刷用紙の流れ方向の
咥え位置を任意に変化させて印刷パターン位置を変化さ
せるか、または印刷用紙の流れ方向に対して垂直方向の
針位置を任意に変化させて印刷パターン位置を変化させ
るか、あるいは印刷用紙の流れ方向の咥え位置と、印刷
用紙の流れ方向に対して垂直方向の針位置とをそれぞれ
任意に変化させ、さらに必要に応じて回転角度も任意に
変化させて、印刷パターン位置を変化させることによ
り、印刷用紙の流れ方向、印刷用紙の流れ方向に対して
垂直方向にランダムなパターンを印刷するようにしたの
で、通常の印刷版を用いた印刷機により、簡便にかつ安
価にしかも有効にランダムな印刷パターンを印刷するこ
とができ、またそのランダムな印刷パターンが印刷され
た媒体の真偽判定を機械読み取りにより容易に行なうこ
とが可能なランダムパターンの印刷方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるランダムパターンの印刷方法を実
現するための枚葉方式のスクリーン印刷機の一実施例を
示す模式図。
【図2】同実施例のスクリーン印刷機における印刷部の
構成例を示す模式図。
【図3】同実施例における咥え位置を変化させた場合の
ランダムパターンの印刷状態の一例を示す模式図。
【図4】同実施例における針位置を変化させた場合のラ
ンダムパターンの印刷状態の一例を示す模式図。
【図5】同実施例における回転角度を変化させた場合の
ランダムパターンの印刷状態の一例を示す模式図。
【図6】同実施例における咥え位置、針位置、回転角度
を変化させた場合のランダムパターンの印刷状態の一例
を示す模式図。
【図7】同実施例における絵柄の異なるパターンの印刷
版を2版以上組み合わせてランダムなパターンを印刷し
た印刷用紙の一例を示す模式図。
【図8】同実施例における印刷方法によりランダムなパ
ターンを印刷した印刷用紙の一例を示す模式図。
【図9】同実施例における印刷方法をカードに適用した
場合の一例を示す模式図。
【符号の説明】
11…スクリーン印刷機、12…シート状の印刷用紙、
13…供紙部、14…印刷版、15…印刷台、16…印
刷部、17…乾燥部、18…咥え部、19…針部、31
…ランダムなパターン(ランダム絵柄)、41…ランダ
ム印刷用紙、42…カード。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通常の印刷版を用いた印刷機により、シ
    ート状の印刷用紙に、枚葉印刷法によって印刷インキに
    よりランダムなパターンを印刷する方法において、 前記印刷用紙の流れ方向の咥え位置を任意に変化させて
    印刷パターン位置を変化させることにより、前記印刷用
    紙の流れ方向にランダムなパターンを印刷するようにし
    たことを特徴とするランダムパターンの印刷方法。
  2. 【請求項2】 通常の印刷版を用いた印刷機により、シ
    ート状の印刷用紙に、枚葉印刷法によって印刷インキに
    よりランダムなパターンを印刷する方法において、 前記印刷用紙の流れ方向に対して垂直方向の針位置を任
    意に変化させて印刷パターン位置を変化させることによ
    り、前記印刷用紙の流れ方向に対して垂直方向にランダ
    ムなパターンを印刷するようにしたことを特徴とするラ
    ンダムパターンの印刷方法。
  3. 【請求項3】 通常の印刷版を用いた印刷機により、シ
    ート状の印刷用紙に、枚葉印刷法によって印刷インキに
    よりランダムなパターンを印刷する方法において、 前記印刷用紙の流れ方向の咥え位置と、前記印刷用紙の
    流れ方向に対して垂直方向の針位置とをそれぞれ任意に
    変化させて印刷パターン位置を変化させることにより、
    前記印刷用紙の流れ方向と前記印刷用紙の流れ方向に対
    して垂直方向にランダムなパターンを印刷するようにし
    たことを特徴とするランダムパターンの印刷方法。
  4. 【請求項4】 前記請求項1ないし請求項3のいずれか
    1項に記載のランダムパターンの印刷方法において、 前記印刷用紙の流れ方向の咥え位置、およびまたは前記
    印刷用紙の流れ方向に対して垂直方向の針位置と共に、
    必要に応じて回転角度も任意に変化させるようにしたこ
    とを特徴とするランダムパターンの印刷方法。
  5. 【請求項5】 前記請求項1ないし請求項4のいずれか
    1項に記載のランダムパターンの印刷方法において、 少なくとも2版以上の互いに異なるパターンの印刷版を
    用いてランダムなパターンを印刷するようにしたことを
    特徴とするランダムパターンの印刷方法。
  6. 【請求項6】 前記印刷インキとして磁性インキを用い
    るようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項5
    のいずれか1項に記載のランダムパターンの印刷方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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