JPH0858032A - 装飾用表面材及びその製造方法と製造装置 - Google Patents

装飾用表面材及びその製造方法と製造装置

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JPH0858032A
JPH0858032A JP6221153A JP22115394A JPH0858032A JP H0858032 A JPH0858032 A JP H0858032A JP 6221153 A JP6221153 A JP 6221153A JP 22115394 A JP22115394 A JP 22115394A JP H0858032 A JPH0858032 A JP H0858032A
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JP
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heat
transparent
film
layer
transparent adhesive
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Application number
JP6221153A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Ikeda
義博 池田
Koichi Kawachi
浩一 河内
Takeshi Furukura
毅 古倉
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KANBOU CREATE KK
Toray Industries Inc
Original Assignee
KANBOU CREATE KK
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 天然石等のもつ透明感や肉厚感、深みを容易
に表現できる装飾用表面材及びその製造方法と製造装置
を提供する。 【構成】 第1のフイルム層1と、第1のフイルム層1
の一面上に設けられた透明接着剤層7と、透明接着剤層
7中に固着、埋設されたプラスチックチップ9と、透明
接着剤層7上に積層され顔料30がプリントされた熱融
着層25と、該熱融着層25上に積層された第2のフイ
ルム層17とからなる装飾用表面材、及びその製造装置
と製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂、金属、木
材、石膏ボード、コンクリート等の基材の表面に貼り合
わせることにより、床材、壁材、天井材、システムバ
ス、システムキッチン、家具の外装、車輛内装、家電製
品の外装などに用いることのできる、新規なシート状の
装飾用表面材及びその製造方法と製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の床材、壁材、天井材等は、プリン
ト印刷された塩化ビニルフイルム又はシートを基材にラ
ミネートして用いるのが一般的であるが、プリント印刷
柄は平面的で透明感やボリウム感がなく、天然素材に比
較して薄っぺらで安っぽいイメージが強かった。
【0003】最近は、塩化ビニルシートの上に塩化ビニ
ルプラスチゾルを塗布し、その上に塩化ビニルのカラー
チップを散布してから加熱圧縮し、塩化ビニルプラスチ
ゾルをゲル化すると共にチップを圧延して砕石柄等を出
す方法が普及しつつある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では、塩化ビニルプラスチゾルをゲル化するために
極めて大きい熱エネルギーと長い時間が必要になるた
め、生産コストが高くなるという問題がある。さらに、
塩化ビニルのカラーチップの圧延による柄出しは、印刷
法よりも深みのある重厚さを出せる点が特徴であるが、
塩化ビニルプラスチゾルはゲル化させると不透明になる
ので、天然石のような濃淡ムラやにじみ、ぼかし、にご
り等の微妙な色調や変化が出ず、単調で画一的な柄しか
出せないという限界がある。
【0005】本発明は、このような従来技術の問題点お
よび限界に着目し、安価に製造でき、かつ、御影石や大
理石の如き天然石のような色調を容易に作り出せる装飾
用表面材及びその製造方法と製造装置を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的に沿う本発明
の装飾用表面材は、第1のフイルム層と、第1のフイル
ム層の一面上に設けられた透明接着剤層と、該透明接着
剤層中に固着、埋設されたプラスチックチップと、該透
明接着剤層上に積層され顔料がプリントされた熱融着層
と、該熱融着層上に積層された第2のフイルム層と、か
らなることを特徴とするものからなる。
【0007】また、上記第1、第2のフイルム層は、い
ずれか一方が透明フイルム層で、他方が不透明フイルム
層から構成されることが好ましいが、両方とも透明フイ
ルム層としてもよい。
【0008】なお、本発明において、透明とは、実質的
に透明であることを意味するものであり、無色透明、着
色透明のいずれでもよい。したがって、上記「透明フイ
ルム層」は、無色透明のフイルム層と着色透明のフイル
ム層の両方を含む概念であり、上記「不透明フイルム
層」は、着色されたフイルム層を含む概念である。
【0009】また、上記プラスチックチップは、複数種
のものから構成することが好ましい。この複数種のプラ
スチックチップは、互いに軟化点が異なっていることが
望ましい。なお、上記プラスチックチップは、透明プラ
スチックチップ、不透明プラスチックチップのいずれで
あってもよい。
【0010】上記熱融着層は、例えば、感熱接着紙、熱
融着不織布または透明フイルムから構成することができ
る。
【0011】上記顔料プリント面は、熱融着層の透明接
着剤層側に設定してもよく、第2のフイルム層側に設定
してもよい。
【0012】また、本発明に係る装飾用表面材の製造方
法は、第1のフイルム上に透明な接着剤を塗布し、該透
明接着剤層上に、透明又は不透明プラスチックチップを
散布した後、該透明接着剤層を乾燥し、該透明接着剤層
を加熱し、加熱した透明接着剤層上に、顔料がプリント
された熱融着シート状物を、その上に第2のフイルムを
積層し、該積層体を加熱圧縮して前記熱融着シート状物
を実質的に溶融させるとともに、透明又は不透明プラス
チックチップを圧延することを特徴とする方法からな
る。
【0013】この方法においても、透明又は不透明プラ
スチックチップは、複数種のものからなり、それらの軟
化点は互いに異なっていることが望ましい。
【0014】また、上記熱融着シート状物の融点は、上
記第1、第2のフイルムの融点よりも低いことが望まし
い。
【0015】また、上記方法においても熱融着シート状
物は、感熱接着紙、熱融着不織布または透明フイルムか
ら構成することができる。
【0016】また、本発明に係る装飾用表面材の製造装
置は、第1のフイルム上に透明な接着剤を塗布する手段
と、形成された透明接着剤層上に透明又は不透明プラス
チックチップを散布する手段と、該透明接着剤層を乾燥
させる手段と、該透明接着剤層を加熱する手段と、加熱
された透明接着剤層上に顔料がプリントされた熱融着シ
ート状物、その上に第2のフイルムを積層する手段と、
該積層体を加熱圧縮する手段と、を有することを特徴と
するものからなる。
【0017】
【作用】上記のような装飾用表面材においては、顔料が
プリントされた感熱接着紙又は熱融着不織布が、第1の
フイルムと第2のフイルムとに挟まれて熱ラミネートさ
れる。この結果、感熱接着紙、熱融着不織布または透明
フイルムを形成する合成樹脂からなる繊維質物質あるい
は繊維が熱溶融あるいはそれらが熱融着し、略透明な熱
融着層が形成される。従って、熱融着層は、プリントさ
れた顔料が存在しない部分は略透明に、プリントされた
顔料が存在する部分はそのプリント柄が実質的にそのま
ま、あるいは熱融着により多少柄が変形した状態に観察
される。このため、顔料プリントにより形成された柄
は、略透明化された熱融着層上あるいは層中に浮き出た
ようになり、あたかもステンドグラスのような様相を呈
することになる。
【0018】また、熱融着層上にプリントされた顔料、
透明接着剤層中のプラスチックチップ、第2のフイルム
層からなる積層体は、各層が積層体の厚み方向に互いに
異なった位置に存在することになり、積層体のいずれか
一面側から観察した場合、それらが互いに重なり合って
見える。このため、熱融着層上にプリントされた顔料、
透明接着剤層中のプラスチックチップ、第2のフイルム
層の図柄(第1のフイルム層側から見た場合の下地層)
が、複雑に干渉し合って見え、印刷では表現できない優
れた透明感、肉厚感、深みを出すことができ、しかも上
記干渉し合ってできる図柄、模様は不定形のものとなる
から、図柄の繰り返し性のない天然素材様の装飾用表面
材が得られる。
【0019】このような複雑で深みのある色調は、第
1、第2のフイルム層のいずれか一方が透明フイルム層
で他方が不透明フイルム層である場合、容易に得られ
る。第1、第2のフイルム層の両方を透明フイルム層に
すれば、積層体全体として透明性を残すことができるの
で、あたかもステンドグラスのようでしかもそれに層状
の図柄や模様が干渉し合う深みをもたせた装飾用表面材
が得られる。
【0020】このように、第1、第2フイルム層のいず
れか一方を透明にするか、あるいは両方を透明にするか
によって各種異なった図柄や色調を表現することが可能
となる。
【0021】また、プラスチックチップを複数種のもの
とすることにより、一層複雑な柄や色調を表現すること
が可能になる。たとえば、互いに軟化点が異なる複数種
のプラスチックチップを採用することにより、軟化点の
低いプラスチックチップは軟化により、より不定形にな
り、軟化点の高いプラスチックチップは、より元の形態
を保持しようとする。その結果、各プラスチックチップ
の透明接着剤層中での形状は、よりバリエーションに富
んだものとなる。
【0022】上記プラスチックチップとしては、透明、
不透明のいずれでもよく、透明プラスチックチップを用
いた場合には、凸レンズ状に圧延された透明プラスチッ
クチップにより他の層の図柄が拡大されたり、あるいは
圧延されたチップの色と他の層の色とが互いに干渉し合
い複雑な色調とをかもし出すことが可能になる。また、
不透明プラスチックチップを用いた場合には、不透明プ
ラスチックチップによって他の層の図柄が部分的に隠蔽
され、下地の柄や模様上にランダムに不透明プラスチッ
クチップが点在することになり、多層の複雑な色調をか
もし出すことが可能になる。
【0023】なお、本発明に係る装飾用表面材において
は、熱融着層の顔料プリント面は、透明接着剤層側の面
に設定してもよいし、第2のフイルム層側の面に設定し
てもよい。いずれの面側に設定されるかによって、得ら
れる柄や色調、深み感等は異なったものとなる。
【0024】また、本発明に係る装飾用表面材の製造方
法においては、まずはじめに第1のフイルム上に透明な
接着剤が略均一に塗布され、透明接着剤層が形成され
る。次に透明接着剤層上に透明又は不透明プラスチック
チップが散布され、一旦乾燥されて固着される。そして
透明接着剤層が加熱される。この加熱された透明接着剤
層上に、顔料がプリントされた熱融着シート状物と、そ
の上に第2のフイルムが積層される。そして、該積層体
が加熱圧縮される。該加熱圧縮により熱融着シート状物
が、実質的に溶融される。該溶融によって、熱融着シー
ト状物を形成する、合成樹脂からなる繊維質物質あるい
は繊維または透明フイルムが熱溶融あるいはそれらが熱
融着し、略透明な熱融着層が形成される。
【0025】従って、熱融着層は、プリントされた顔料
が存在しない部分は略透明に、プリントされた顔料が存
在する部分はそのプリント柄が実質的にそのまま、ある
いは熱融着により多少柄が変形した状態に観察される。
このため、プリントされた顔料により形成された柄は、
略透明化された熱融着層上にあるいは層中に浮き出たよ
うになり、あたかもステンドグラスのような様相を呈す
ることになる。
【0026】また、上記加熱圧縮によって、透明接着剤
層上に固着された透明又は不透明プラスチックチップも
不定形に変形され、透明接着剤層中に埋設される。
【0027】従って、得られる装飾用表面材は、例えば
第1のフイルム層側から観察した場合、第2のフイルム
層の下地層上に、熱融着層上の顔料プリント、さらには
透明又は不透明プラスチックチップが多層状に積層され
た、肉厚感、深み感のある色調、柄に見え、とくにプラ
スチックチップは第1のフイルム側の表面に浮き出すよ
うな図柄として観察される。
【0028】つまり、熱融着層上にプリントされた顔
料、透明接着剤層中のプラスチックチップ、第2のフイ
ルム層(あるいは、第1のフイルム層)からなる積層体
は、各層が積層体の厚み方向に互いに異なった位置に存
在することになり、積層体のいずれか一面側から観察し
た場合、それらの柄や色が互いに重なり合って見える。
【0029】この製造方法においては、熱融着シート状
物の融点を、第1、第2のフイルムの融点よりも低くす
ることにより、上述の積層体の加熱圧縮工程において、
第1、第2のフイルム層を溶融させることなく容易に熱
融着シート状物のみを所望程度に溶融させることがで
き、一層確実に目標とする装飾用表面材を得ることがで
きる。
【0030】また、本発明に係る装飾用表面材の製造装
置においては、第1のフイルム上に透明な接着剤を塗布
する手段によって、透明な接着剤が塗布され透明接着剤
層が形成される。そして、透明又は不透明プラスチック
チップを散布する手段によって、前記透明接着剤層上に
透明又は不透明プラスチックチップが散布される。この
状態で透明接着剤層を乾燥させる手段によって、透明接
着剤が乾燥され、透明接着剤層上に透明又は不透明プラ
スチックチップが所定の散布状態(分散状態)で一旦固
着される。
【0031】さらに、透明接着剤層を加熱する手段によ
って、透明又は不透明プラスチックチップを固着した透
明接着剤層が加熱される。次に、加熱された透明接着剤
層上に、顔料がプリントされた熱融着シート状物、その
上に第2のフイルムを積層する手段によって、透明接着
剤層上に熱融着シート状物と第2のフイルムが積層され
る。そして、該積層体を加熱圧縮する手段によって、積
層体が加熱圧縮される。
【0032】上記加熱圧縮によって、熱融着シート状物
を形成する、合成樹脂からなる繊維質物質あるいは繊維
または透明フイルムが熱溶融あるいはそれらが熱融着
し、略透明な熱融着層が形成される。
【0033】
【実施例】以下に、本発明の装飾用表面材及びその製造
方法と製造装置の望ましい実施を、図面を参照して説明
する。図1および図4は本発明の第1実施例に係る装飾
用表面材の製造装置を示しており、図2、図3、図5は
装飾用表面材およびその素材を示している。図におい
て、1は第1のフイルムを示している。本実施例におい
ては、第1のフイルム1は透明フイルムから構成されて
いる。第1のフイルムとしては、たとえば塩化ビニル、
ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン等を挙げる
ことができる。但し、これに限定されるものではなく、
第1のフイルム1は、実質的に透明であればよく、無色
透明、着色透明のいずれであってもよい。なお、第1の
フイルム1の表面は、必要に応じて、鏡面や砂目艶消し
又はミラーエンボス等の各種のものに仕上げておくこと
も可能である。また、第1のフイルム1の厚みは特に限
定されるものではないが、本実施例においては0.2m
m程度に設定されている。
【0034】第1のフイルム1は、原反ロール2から引
き出され、本実施例では、コロナ放電処理機3に送られ
る。第1のフイルム1は、コロナ放電処理機3によっ
て、予めコーティング面の表面の濡れ張力が33〜48
dyn/cm程度になるように処理される。
【0035】コロナ放電処理機3により処理された第1
のフイルム1は、該第1のフイルム1に接着剤を塗布す
る手段としての接着剤槽5をそなえたメッシュコータ4
に送られる。
【0036】接着剤槽5内には、透明接着剤6が貯蔵さ
れている。本実施例においては、透明接着剤6として、
東レ(株)製のコータックスTC730(アクリル系エ
マルジョン)100部に、硬化剤として長瀬化成(株)
製のデナコールEX313を3部加え、必要に応じて水
分散性顔料を0.01〜5部添加し、水で希釈して粘度
が10〜100cpsになるように調製されている。な
お、透明接着剤6は実質的に透明なものであればよく、
無色透明、着色透明のいずれであってもよい。
【0037】コロナ放電処理機3において、予め表面処
理された第1のフイルム1に、メッシュコータ4により
透明接着剤6が略均一に塗布され、第1のフイルム1に
透明接着剤層7が形成される。透明接着剤層7の厚みは
好ましくは0.08mm近傍の厚みである。
【0038】透明接着剤層7が形成された第1のフイル
ム1は、プラスチックチップ9を散布する手段としての
チップ散布ホッパ8に送られる。本実施例においては、
散布ホッパ8は、第1の散布ホッパ8a、第2の散布ホ
ッパ8b、第3の散布ホッパ8cの3つのホッパから構
成されている。
【0039】本実施例においては、第1の散布ホッパ8
a中には第1のプラスチックチップ9aが、第2の散布
ホッパ8b中には第2のプラスチックチップ9bが、第
3の散布ホッパ8c中には第3のプラスチックチップ9
cが貯蔵されている。
【0040】また、本実施例では第1のプラスチックチ
ップ9a、第2のプラスチックチップ9bとしては、大
日精化工業(株)製のプラスチックチップEMAC(粒
径1.0〜2.0mm)を3〜5色配合したものを用い
ている。また第3のプラスチックチップ9cとしては、
日本プラス工業(株)製の顆粒状粉体(粒径0.5〜
1.5mm)を用いている。
【0041】また、第1、第2、第3のプラスチックチ
ップ9a、9b、9cは、透明又は不透明のいずれであ
ってもよい。また、散布ホッパ8からのプラスチックチ
ップ9の散布量は50〜250g/m2 になるように設
定されている。
【0042】なお、第1、第2、第3のプラスチックチ
ップ9a、9b、9cの軟化点は互いに異なるように調
製されている。
【0043】透明接着剤層7上に、プラスチックチップ
9を散布された第1のフイルム1(図2)は、サクショ
ンコンベアベルト11上に送られ、透明接着剤層7を乾
燥させるための乾燥手段としてのスチームヒータ乾燥機
12、ガスヒータ乾燥機13内を通過する。スチームヒ
ータ乾燥機12、ガスヒータ乾燥機13により透明接着
剤層7が90〜130℃で乾燥され、該透明接着剤層7
上にプラスチックチップ9が一旦固着される。なお、こ
れら乾燥機の種類は特に限定されない。
【0044】透明接着剤層7上にプラスチックチップ9
を固着した第1のフイルム1は、透明接着剤層7を加熱
する手段としてのガス遠赤外線ヒータ14によって13
0〜160℃程度に加熱される。この加熱用ヒータの種
類も特に限定されないが、接着剤層の上方から加熱する
場合は、非接触式ヒータであることが必要である。
【0045】加熱された透明接着剤層7上には、熱融着
シート状物としての感熱接着紙16と、第2のフイルム
17とが積層される。
【0046】感熱接着紙16の一面上には、顔料30が
プリントされている(図3)。本実施例において感熱接
着紙16としては、大福製紙(株)のホットメルト紙が
用いられている。該ホットメルト紙は、ポリエステル繊
維90%と楮、三椏、雁皮等の和紙用繊維5%と、ポリ
アミド系又はポリエステル系のホットメルト用の粉体
(軟化点80〜140℃)5%とを、和紙糊を用いて漉
き上げたものが用いられている。
【0047】また、本実施例においては、第2のフイル
ム17として印刷フイルムを用いている。第2のフイル
ム17の厚みはとくに限定されるものではないが、本実
施例においては0.08〜0.2mm程度になるように
設定されている。なお、第2のフイルム17は、不透明
フイルムであっても差し支えない。
【0048】スパイクロール15で穴を開けられた第2
のフイルム17には、感熱接着紙16が積層される。本
実施例においては、感熱接着紙16の顔料30のプリン
ト面は第2のフイルム17側の面になるように設定され
ている。
【0049】上記のように積層された感熱接着紙16、
第2のフイルム17は、熱ロール18で加熱(120〜
130℃)され、さらにガス遠赤外線ヒータ14で13
0〜160℃程度に加熱される。
【0050】そして、第1のフイルム1、プラスチック
チップ9を含む透明接着剤層7、顔料30のプリントさ
れた感熱接着紙16、第2のフイルム17が積層され、
積層体20が形成される(図4)。
【0051】上述のように積層された積層体20は、該
積層体20を加熱圧縮する手段としての、熱ロール1
8、ゴムロール19によって加熱圧縮される(加熱温度
120〜130℃、圧力60〜120kg/cm2 )。
そして、冷却シリンダ21により冷却され、巻取ロール
22として巻き取られる。
【0052】なお、本実施例においては、熱融着シート
状物としての感熱接着紙16の融点は、第1、第2のフ
イルム1、17の融点よりも低く設定されている。
【0053】上記のような装置を用いて、本発明に係る
装飾用表面材の製造方法は、以下のように実施される。
まず第1のフイルム1上に透明接着剤層7が形成され
る。次に、透明接着剤層7上にプラスチックチップ9が
散布される。この状態で透明接着剤層7を乾燥させるこ
とにより、該透明接着剤層7上に透明プラスチックチッ
プ9が一旦所定の散布密度、所定の分散状態にて固着さ
れる。
【0054】一方、スパイクロール15で穴を開けられ
た第2フイルム17と、一面に顔料30がプリントされ
た熱融着シート状物としての感熱接着紙16が積層され
る。この際、感熱接着紙16の顔料30のプリント面が
第2フイルム17側になるよう両者は積層される。積層
された感熱接着紙16と第2のフイルム17とは、熱ロ
ール18で加熱され、さらにガス遠赤外線ヒータ14で
加熱される。
【0055】そして、ガス遠赤外線ヒータ14により加
熱された透明接着剤層7上に、上述のようにして積層さ
れた感熱接着紙16、第2のフイルム17が重ねられ、
積層体20が形成される。該積層体20は熱ロール18
とゴムロール19間で加熱圧縮される。
【0056】上記加熱圧縮により、熱融着シート状物と
しての感熱接着紙16が溶融される。本実施例において
は、感熱接着紙16の融点は、第1、第2のフイルム
1、17の融点よりも低く設定されているので、該加熱
圧縮工程においては、第1、第2のフイルム1、17は
実質的に溶融されることはなく、感熱接着紙16のみが
確実に溶融される。
【0057】感熱接着紙16の溶融により、該感熱接着
紙16を形成する合成樹脂からなる繊維質物質が熱溶融
あるいは熱融着し、略透明な熱融着層25(図5)が形
成される。従って、熱融着層25は、プリントされた顔
料30が存在しない部分は略透明に、プリントされた顔
料30が存在する部分はそのプリント柄が実質的にその
まま、あるいは熱融着により多少柄が変形した状態に観
察される。このためプリントされた顔料30により形成
された柄は、略透明化された熱融着層25上あるいは、
層25中において浮き出たようになり、あたかもステン
ドグラスのような様相を呈する。
【0058】また、上記加熱圧縮によって、透明接着剤
層7中に固着されたプラスチックチップ9が圧延され
る。本実施例においては、プラスチックチップ9は、第
1、第2、第3のプラスチックチップ9a、9b、9c
からなっており、これら複数種のプラスチックチップの
軟化点は互いに異なっている。このため相対的に軟化点
の低いものは略完全に軟化されるのに対し、相対的に軟
化点の高いもの、その表面のみが軟化される。したがっ
て、各プラスチックチップ9a、9b、9cは異なる軟
化状態で圧縮されることになり、レンズ状に圧延された
ものや、比較的元の形態に近いまま残るもの等が混在す
ることになり、しかも不定形に変形された各チップが透
明接着剤層7中に埋設されることになる。
【0059】上記のような製造装置および製造方法によ
り製造された本発明に係る装飾用表面材においては、第
1のフイルム1により第1のフイルム層が、また第2の
フイルム2により第2のフイルム層が、そして溶融され
た感熱接着紙16により熱融着層25が形成される。
【0060】この装飾用表面材を図5の矢印方向から観
察すると以下のようになる。まず、顔料30がプリント
された感熱接着紙16が第1のフイルム1と第2のフイ
ルム17とに挟まれて加熱圧縮されると、感熱接着紙1
6を形成する合成樹脂からなる繊維質物質が熱溶融され
略透明な熱融着層25が形成される。該熱融着層25は
プリントされた顔料30が存在しない部分は略透明に、
プリントされた顔料30が存在する部分はそのプリント
柄が実質的にそのまま、あるいは熱融着により多少柄が
変形した状態に観察される。このため、プリントされた
顔料30により形成された柄は、略透明化された熱融着
層25上に、あるいは該層25中に浮き出たようにな
り、あたかもステンドグラスのような様相を呈する。
【0061】また、熱融着層25上にプリントされた顔
料30、透明接着剤層7中のプラスチックチップ9、第
2のフイルム17からなる積層体は、各層が積層体の厚
み方向に異なった位置に存在することになり、第1のフ
イルム1側から観察した場合、それらの柄や色が互いに
重なり合って見える。このため、熱融着層25上にプリ
ントされた顔料30、透明接着剤層7中のプラスチック
チップ9、第2のフイルム17の図柄が多層にかつ複雑
に干渉し合って見える。
【0062】また、プラスチックチップ9に透明プラス
チックチップを用いた場合には、該透明プラスチックチ
ップ9を通過する光の屈折作用により、熱融着層25に
プリントされた顔料30、第2のフイルム17の図柄が
拡大されたり、あるいはこれらの色が互いに干渉し合い
複雑な色調がかもし出される。また、不透明プラスチッ
クチップを用いた場合には、該不透明プラスチックチッ
プにより他層の図柄が部分的に隠蔽され、単なる印刷で
は得られない多層の複雑な図柄として観察される。
【0063】従って、印刷で表現できない優れた透明
感、肉厚感、深みを出すことができ、しかも不定形で図
柄の繰り返し性のない、天然素材様の装飾用表面材が得
られる。
【0064】図6は、本発明の第2実施例に係る装飾用
表面材を示している。上記第1実施例においては、感熱
接着紙16の顔料30プリント面は、第2のフイルム1
7側の面に設定されているが、本実施例においては、感
熱接着紙6の顔料30プリント面は、透明接着剤層7側
の面に設定されている。このような構成においても、上
記第1実施例に記載したような作用、効果を得ることが
できる。
【0065】顔料30プリント面を、第2のフイルム1
7側の面あるいは透明接着剤層7側の面のいずれに設定
するかにより、得られる装飾用表面材の図柄は全く異な
るものとして観察される。
【0066】図7は、本発明の第3実施例に係る装飾用
表面材を示している。本実施例においては、熱融着シー
ト状物として熱融着不織布31を用いている。熱融着不
織布31は、例えば、塩化ビニル繊維10〜40%と、
ポリエチレン繊維60〜90%を混綿したものから構成
されており、その一面には顔料30がプリントされてい
る。このように、熱融着層25形成に、熱融着不織布3
1を用いることもできる。さらに、図示は省略するが、
この熱融着層25形成に、透明フイルムを用いることが
できる。
【0067】なお、上記第1〜第3実施例においては、
第1のフイルム1を透明フイルムとし、第2のフイルム
17に不透明なフイルムを用いたものを示しているが、
これとは逆に第1のフイルム1を不透明フイルムとし、
第2のフイルム17を透明フイルムとすることも可能で
ある。いずれの態様を採用するかにより、観察側(透明
フイルム側)からの層順序が異なるので、装飾用表面材
の図柄は全く異なって見えることになる。
【0068】また、第1のフイルム1、第2のフイルム
17の双方に透明フイルムを用いてもよい。この場合
は、全体として、あたかもステンドグラスのような透明
感を有する装飾用表面材を得ることができる。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の装飾用表
面材によるときは、透明接着剤層上に積層された顔料プ
リント熱融着層と、透明接着剤層中に埋設されるプラス
チックチップにより、さらには、下地層としての第1又
は第2のフイルム層を加味した状態により、観察される
装飾用表面材の図柄は、極めて変化に富んだ形態や色相
になり、従来印刷では得られなかった天然石等に極めて
近い透明感や肉厚感、深みを容易にかもし出すことがで
きる。
【0070】また、本発明の装飾用表面材の製造方法及
び製造装置によるときは、上記のような天然石等に極め
て近い色相を有する装飾用表面材を効率よく容易に製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る装飾用表面材の製造
装置の概略構成図である。
【図2】図1の装置で透明接着剤層上にプラスチックチ
ップを散布した第1のフイルムの拡大縦断面図である。
【図3】顔料がプリントされた感熱接着紙の拡大縦断面
図である。
【図4】図1の装置の加熱圧縮工程の拡大縦断面図であ
る。
【図5】図1の装置により製造された装飾用表面材の拡
大縦断面図である。
【図6】本発明の第2実施例に係る装飾用表面材の拡大
縦断面図である。
【図7】本発明の第3実施例に係る装飾用表面材の拡大
縦断面図である。
【符号の説明】
1 第1のフイルム 2 原反ロール 3 コロナ放電処理機 4 メッシュコータ 5 接着剤槽 6 透明接着剤 7 透明接着剤層 8 散布ホッパ 8a 第1の散布ホッパ 8b 第2の散布ホッパ 8c 第3の散布ホッパ 9 透明又は不透明プラスチックチップ 9a 第1のプラスチックチップ 9b 第2のプラスチックチップ 9c 第3のプラスチックチップ 11 サクションコンベアベルト 12 スチームヒータ乾燥機 13 ガスヒータ乾燥機 14 ガス遠赤外線ヒータ 15 スパイクロール 16 熱融着シート状物としての感熱接着紙 17 第2のフイルム 18 熱ロール 19 ゴムロール 20 積層体 21 冷却シリンダ 22 巻取ロール 25 熱融着層 30 顔料 31 熱融着シート状物としての熱融着不織布
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 33/00 9349−4F

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のフイルム層と、第1のフイルム層
    の一面上に設けられた透明接着剤層と、該透明接着剤層
    中に固着、埋設されたプラスチックチップと、該透明接
    着剤層上に積層され顔料がプリントされた熱融着層と、
    該熱融着層上に積層された第2のフイルム層と、からな
    ることを特徴とする装飾用表面材。
  2. 【請求項2】 前記第1、第2のフイルム層のいずれか
    一方が透明フイルム層で、他方が不透明フイルム層から
    なる、請求項1の装飾用表面材。
  3. 【請求項3】 前記第1、第2のフイルム層が両方とも
    透明フイルム層からなる、請求項1の装飾用表面材。
  4. 【請求項4】 前記プラスチックチップが複数種のもの
    からなる、請求項1ないし3のいずれかに記載の装飾用
    表面材。
  5. 【請求項5】 前記複数種のプラスチックチップの軟化
    点が互いに異なっている、請求項4の装飾用表面材。
  6. 【請求項6】 前記プラスチックチップが透明又は不透
    明なものからなる、請求項1ないし5のいずれかに記載
    の装飾用表面材。
  7. 【請求項7】 前記熱融着層が感熱接着紙、熱融着不織
    布または透明フイルムからなる、請求項1ないし6のい
    ずれかに記載の装飾用表面材。
  8. 【請求項8】 前記顔料プリント面が、前記熱融着層の
    透明接着剤層側の面である、請求項1ないし7のいずれ
    かに記載の装飾用表面材。
  9. 【請求項9】 前記顔料プリント面が、前記熱融着層の
    第2のフイルム層側の面である、請求項1ないし7のい
    ずれかに記載の装飾用表面材。
  10. 【請求項10】 第1のフイルム上に透明な接着剤を塗
    布し、該透明接着剤層上に、透明又は不透明プラスチッ
    クチップを散布した後、該透明接着剤層を乾燥し、該透
    明接着剤層を加熱し、加熱した透明接着剤層上に、顔料
    がプリントされた熱融着シート状物を、その上に第2の
    フイルムを積層し、該積層体を加熱圧縮して前記熱融着
    シート状物を実質的に溶融させるとともに、透明又は不
    透明プラスチックチップを圧延することを特徴とする、
    装飾用表面材の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記透明又は不透明プラスチックチッ
    プが複数種のものからなり、それらの軟化点が互いに異
    なっている、請求項10の装飾用表面材の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記熱融着シート状物の融点が、前記
    第1および第2のフイルムの融点よりも低い、請求項1
    0又は11の装飾用表面材の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記熱融着シート状物が感熱接着紙、
    熱融着不織布または透明フイルムからなる、請求項10
    ないし12のいずれかに記載の装飾用表面材の製造方
    法。
  14. 【請求項14】 第1のフイルム上に透明な接着剤を塗
    布する手段と、形成された透明接着剤層上に透明又は不
    透明プラスチックチップを散布する手段と、該透明接着
    剤層を乾燥させる手段と、該透明接着剤層を加熱する手
    段と、加熱された透明接着剤層上に顔料がプリントされ
    た熱融着シート状物、その上に第2のフイルムを積層す
    る手段と、該積層体を加熱圧縮する手段と、を有するこ
    とを特徴とする装飾用表面材の製造装置。
JP6221153A 1994-08-22 1994-08-22 装飾用表面材及びその製造方法と製造装置 Pending JPH0858032A (ja)

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JP2005238727A (ja) * 2004-02-27 2005-09-08 Fujiwara:Kk 熱可塑性樹脂パネルおよびその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005238727A (ja) * 2004-02-27 2005-09-08 Fujiwara:Kk 熱可塑性樹脂パネルおよびその製造方法
JP4709993B2 (ja) * 2004-02-27 2011-06-29 アイカ工業株式会社 熱可塑性樹脂パネルの製造方法

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