JPH0857A - コンバインの脱穀制御装置 - Google Patents

コンバインの脱穀制御装置

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JPH0857A
JPH0857A JP13477994A JP13477994A JPH0857A JP H0857 A JPH0857 A JP H0857A JP 13477994 A JP13477994 A JP 13477994A JP 13477994 A JP13477994 A JP 13477994A JP H0857 A JPH0857 A JP H0857A
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grain culm
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Kazuhiro Takahara
高原  一浩
Shigeki Hayashi
繁樹 林
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Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 刈り上げ作業等のために穀稈搬送手段を全稈
投入状態に切り換えた場合に、扱室から漏下する選別処
理物が通常の保持搬送状態の場合に比べてより多くの藁
屑成分を含むことに適切に対処して、穀粒への藁屑混入
を回避させる。 【構成】 穀稈搬送手段が、穂先部を扱室内に挿入させ
た保持搬送状態と、保持を解除して刈取穀稈の全体を扱
室内に投入させる全稈投入状態とに切換えられ、扱室か
ら漏下する選別処理物を選別処理する揺動選別板が、漏
下開度を変更調節自在に構成され、穀稈搬送手段を保持
搬送状態と全稈投入状態とに切換える搬送制御と、選別
処理物の量を検出する処理物量検出手段S4の情報に基
づいて、選別処理物量が多いほど揺動選別板の漏下開度
を大きくする選別制御とを実行する制御手段100が、
全稈投入状態において、選別処理物量が選別状態切換え
判別用の設定量よりも少ない残存処理物減少状態の場合
には、揺動選別板の漏下開度を残存処理物減少状態用の
目標開度に閉じる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、刈取穀稈の株元部を保
持して搬送する穀稈搬送手段が、穂先部を扱室内に挿入
させた状態で扱室始端側から終端側に搬送する保持搬送
状態と、刈取穀稈に対する保持を解除して刈取穀稈の全
体を前記扱室内に投入させる全稈投入状態とに切換え自
在に設けられ、前記扱室から漏下する選別処理物を選別
処理する揺動選別板が、漏下開度を変更調節自在に構成
され、前記穀稈搬送手段を前記保持搬送状態と前記全稈
投入状態とに切換える搬送制御と、前記扱室から漏下す
る選別処理物の量を検出する処理物量検出手段の情報に
基づいて、その選別処理物量が多いほど前記揺動選別板
における漏下開度を大きくする選別制御とを実行する制
御手段が設けられたコンバインの脱穀制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】上記コンバインの脱穀制御装置では、実
開平2‐123837号公報や実開平4‐124035
号公報等に示されるように、例えば刈取作業を行いなが
ら畦際に近づくような場合に、刈取部が畦に衝突するの
を回避するために、刈取部を上昇させながら刈取作業を
行うと、植立穀稈に対する刈り高さが極端な高刈りにな
るが、このような極端に短い刈取穀稈を通常の保持搬送
状態で搬送すると扱室内で穂先側が扱胴に僅かに接触す
るだけで充分な脱穀処理が行えないことを回避すべく、
搬送制御において、脱穀装置での扱深さ調節用に設けた
一対の穀稈存否検出センサのうちの株元側センサの穀稈
非検出の情報(短稈検出情報)に基づいて穀稈搬送手段
を全稈投入状態に切り換えることにより、刈取穀稈の全
体を扱室内に投入させて充分な脱穀処理を行い、扱き残
しを少なくさせるようにしていた。尚、上記穀稈搬送手
段は、例えば、穀稈を係止搬送するフィードチェーンと
このフィードチェーンに対向した状態でフィードチェー
ン側に弾性付勢されたレール等からなる。
【0003】同時に、選別制御において、例えば扱室か
ら揺動選別板の上に漏下した選別処理物層の層厚を検出
する層厚センサを処理物量検出手段として用い、その検
出層厚が大きいほどつまり処理物量が多いほど、揺動選
別板の漏下開度(例えば、チャフシーブの開度)を大き
くする等の調節作動を行って、揺動選別板上の選別処理
物量を適正量状態に維持することにより、処理物量が過
大である場合の3番ロスの増加や、処理物量が過少であ
る場合の1番回収物への藁屑混入の増加等の選別作業の
不具合を回避させるようにしていた。尚、上記処理物量
検出情報に加えて、車速センサ等による扱室への穀稈供
給量検出情報にも基づいて、その穀稈供給量が多いほど
上記揺動選別板の漏下開度を大きくする等の制御を行
い、より適切な選別制御を行うようにもしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、搬送制御と選別制御とを互いに無関係に実
行していたために、以下のような不具合があった。即
ち、上記刈り上げ作業等において穀稈搬送手段が保持搬
送状態から全稈投入状態に切り換えられると、扱室内の
脱穀処理物量が増え扱室から漏下する選別処理物量も一
時的に増えるが、その後、刈り上げ作業の進行とともに
刈取穀稈量つまり選別処理物量が漸次減少し、揺動選別
板の漏下開度は上記減少した選別処理物量に対応した目
標開度になるように制御される。ここで、上記目標開度
は、通常の保持搬送状態のときに扱室から漏下する選別
処理物量に対応した開度として設定されているのに対し
て、全稈投入状態のときに扱室から漏下する選別処理物
には稈部分つまり藁屑成分が通常の保持搬送状態のとき
よりも多く含まれているので、上記全稈投入状態におけ
る選別処理物量の減少状態(以下、残存処理物減少状態
と呼ぶ)のときに、揺動選別板の漏下開度を上記目標開
度にする制御では、1番回収物への藁屑混入が増加し
て、選別精度が低下するおそれがあった。
【0005】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、刈り上げ作業等のために穀稈搬
送手段を全稈投入状態に切り換えた場合に、扱室から漏
下する選別処理物が通常の保持搬送状態の場合に比べて
より多くの藁屑成分を含むことに適切に対処できるよう
な選別制御を行い、上記従来技術の不具合を解消させる
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のコンバインの脱
穀制御装置は、刈取穀稈の株元部を保持して搬送する穀
稈搬送手段が、穂先部を扱室内に挿入させた状態で扱室
始端側から終端側に搬送する保持搬送状態と、刈取穀稈
に対する保持を解除して刈取穀稈の全体を前記扱室内に
投入させる全稈投入状態とに切換え自在に設けられ、前
記扱室から漏下する選別処理物を選別処理する揺動選別
板が、漏下開度を変更調節自在に構成され、前記穀稈搬
送手段を前記保持搬送状態と前記全稈投入状態とに切換
える搬送制御と、前記扱室から漏下する選別処理物の量
を検出する処理物量検出手段の情報に基づいて、その選
別処理物量が多いほど前記揺動選別板における漏下開度
を大きくする選別制御とを実行する制御手段が設けられ
たものであって、その第1の特徴構成は、前記制御手段
は、前記穀稈搬送手段を前記全稈投入状態に切り換えた
状態において、前記処理物量検出手段にて検出される選
別処理物量が選別状態切換え判別用の設定量よりも少な
い残存処理物減少状態の場合には、前記揺動選別板の漏
下開度を、残存処理物減少状態用の目標開度に閉じる補
助選別制御を実行するように構成されている点にある。
【0007】又、第2の特徴構成は、前記残存処理物減
少状態用の目標開度が、所定漏下開度として、前記制御
手段に予め設定されている点にある。
【0008】又、第3の特徴構成は、前記制御手段が、
前記選別制御において、前記扱室への穀稈供給量検出手
段の検出情報と前記処理物量検出手段の情報に基づい
て、適正目標開度を求めて、その適正目標開度に前記揺
動選別板における漏下開度を調整するように構成され、
前記残存処理物減少状態用の目標開度が、前記適正目標
開度から設定量閉じ側の漏下開度として、前記制御手段
にて求められるように構成されている点にある。
【0009】又、第4の特徴構成は、選別風を送風する
唐箕が、送風量を調整自在に設けられ、前記制御手段
が、前記選別制御において、前記扱室から漏下する選別
処理物の量を検出する処理物量検出手段の情報に基づい
て、その選別処理物量が多いほど前記唐箕の送風量を多
くするように構成され、且つ、前記補助選別制御におい
て、前記唐箕の送風量を、残存処理物減少状態用の目標
風量に減少させるように構成されている点にある。
【0010】又、第5の特徴構成は、前記残存処理物減
少状態用の目標風量が、所定風量として、前記制御手段
に予め設定されている点にある。
【0011】又、第6の特徴構成は、前記制御手段が、
前記選別制御において、前記扱室への穀稈供給量検出手
段の検出情報と前記処理物量検出手段の情報に基づい
て、適正目標風量を求めて、その適正目標風量に前記唐
箕の送風量を調整するように構成され、前記残存処理物
減少状態用の目標風量が、前記適正目標風量から設定量
減少側の風量として、前記制御手段にて求められるよう
に構成されている点にある。
【0012】
【作用】本発明の第1の特徴構成によれば、穀稈搬送手
段を保持搬送状態に切り換えた状態では、扱室から漏下
する選別処理物量が多いほど揺動選別板の漏下開度が大
きくなるように調節制御される。穀稈搬送手段を全稈投
入状態に切り換えた状態では、扱室から漏下する選別処
理物量が選別状態切換え判別用の設定量よりも少ない残
存処理物減少状態の場合には、揺動選別板の漏下開度が
残存処理物減少状態用の目標開度に閉じる一方、上記選
別処理物量が上記選別状態切換え判別用の設定量よりも
多い場合には、上記選別処理物量が多いほど揺動選別板
の漏下開度が大きくなるように調節制御される。
【0013】又、第2の特徴構成によれば、穀稈搬送手
段を全稈投入状態に切り換えた状態で、扱室から漏下す
る選別処理物量が選別状態切換え判別用の設定量よりも
少ない残存処理物減少状態の場合には、揺動選別板の漏
下開度が所定開度に閉じる。
【0014】又、第3の特徴構成によれば、穀稈搬送手
段を保持搬送状態に切り換えた状態では、揺動選別板に
おける漏下開度が、扱室への穀稈供給量検出情報と扱室
から漏下する選別処理物量の検出情報とに基づいて求め
た適正目標開度になるように調節制御される。穀稈搬送
手段を全稈投入状態に切り換えた状態では、扱室から漏
下する選別処理物量が選別状態切換え判別用の設定量よ
りも少ない残存処理物減少状態の場合には、揺動選別板
の漏下開度が上記適正目標開度から設定量閉じ側の漏下
開度に閉じる一方、上記選別処理物量が上記選別状態切
換え判別用の設定量よりも多い場合には、揺動選別板の
漏下開度が上記の適正目標開度になるように調節制御さ
れる。
【0015】又、第4の特徴構成によれば、穀稈搬送手
段を保持搬送状態に切り換えた状態では、扱室から漏下
する選別処理物量が多いほど揺動選別板の漏下開度が大
きくなり且つ唐箕の送風量が多くなるように調節制御さ
れる。穀稈搬送手段を全稈投入状態に切り換えた状態で
は、扱室から漏下する選別処理物量が選別状態切換え判
別用の設定量よりも少ない残存処理物減少状態の場合に
は、揺動選別板の漏下開度が残存処理物減少状態用の目
標開度に閉じ且つ唐箕の送風量が残存処理物減少状態用
の目標風量に減少する一方、上記選別処理物量が上記選
別状態切換え判別用の設定量よりも多い場合には、上記
選別処理物量が多いほど揺動選別板の漏下開度が大きく
なり且つ唐箕の送風量が多くなるように調節制御され
る。
【0016】又、第5の特徴構成によれば、穀稈搬送手
段を全稈投入状態に切り換えた状態で、扱室から漏下す
る選別処理物量が選別状態切換え判別用の設定量よりも
少ない残存処理物減少状態の場合には、揺動選別板の漏
下開度が所定開度に閉じ且つ唐箕の送風量が所定風量に
減少する。
【0017】又、第6の特徴構成によれば、穀稈搬送手
段を保持搬送状態に切り換えた状態では、揺動選別板に
おける漏下開度が、扱室への穀稈供給量検出情報と扱室
から漏下する選別処理物量の検出情報とに基づいて求め
た適正目標開度になるように調節制御され、且つ、唐箕
の送風量が、扱室への穀稈供給量検出情報と扱室から漏
下する選別処理物量の検出情報とに基づいて求めた適正
目標風量になるように調節制御される。穀稈搬送手段を
全稈投入状態に切り換えた状態では、扱室から漏下する
選別処理物量が選別状態切換え判別用の設定量よりも少
ない残存処理物減少状態の場合には、揺動選別板の漏下
開度が上記適正目標開度から設定量閉じ側の漏下開度に
閉じ且つ唐箕の送風量が上記適正目標風量から設定量減
少側の風量になる一方、上記選別処理物量が上記選別状
態切換え判別用の設定量よりも多い場合には、揺動選別
板の漏下開度が上記の適正目標開度になり且つ唐箕の送
風量が上記適正目標風量になるように調節制御される。
【0018】
【発明の効果】従って、本発明の第1の特徴構成によれ
ば、刈り上げ作業等のために穀稈搬送手段を全稈投入状
態に切り換えた場合に、選別処理物量が選別状態切換え
判別用の設定量よりも少ない残存処理物減少状態の場合
には、揺動選別板の漏下開度が残存処理物減少状態用の
目標開度に閉じるので、上記全稈投入状態の場合に扱室
から漏下する選別処理物が通常の保持搬送状態の場合に
比べてより多くの藁屑成分を含んでいても、その藁屑成
分が揺動選別板から漏下して一番回収物に混入すること
が適切に防止でき、同時に、上記残存処理物減少状態で
ない場合、即ち、穀稈搬送手段が保持搬送状態のとき、
及び穀稈搬送手段が全稈投入状態であっても選別処理物
量が選別状態切換え判別用の設定量よりも多いときに
は、その選別処理物量が多いほど揺動選別板の漏下開度
を大きくして適正な選別制御を行うことができ、もっ
て、通常の保持搬送状態及び全稈投入状態の両状態にお
いて、選別精度を適正に確保しながら良好な選別制御を
行うことができるに至った。
【0019】又、第2の特徴構成によれば、上記残存処
理物減少状態の場合に、揺動選別板の漏下開度が例えば
その開度変更範囲の最小開度等の所定開度に閉じるよう
に、極力閉じ側に調節されるので、藁屑成分の一番回収
物への混入を極力防止でき、もって、上記第1の特徴構
成を実施する際の好適な手段が得られる。
【0020】又、第3の特徴構成によれば、上記残存処
理物減少状態でない場合には、揺動選別板における漏下
開度が、扱室への穀稈供給量検出情報と扱室から漏下す
る選別処理物量の検出情報とに基づいて求めた適正目標
開度になるように調節制御されるので、例えば、上記適
正目標開度を選別処理物量の検出情報のみに基づいて求
めるものに比べてより適正な開度でより適切な選別制御
を行うことができる。一方、上記残存処理物減少状態の
場合には、揺動選別板における漏下開度が上記適正目標
開度から設定量閉じ側の漏下開度になるように調節され
るので、例えば、その開度変更範囲の最小開度等の所定
開度に閉じる場合における不具合、つまり、必要以上に
閉じ側に調節されて選別処理物量が過大になることによ
る3番ロスの増加等の不具合発生のおそれがあるのを有
効に回避でき、もって、上記第1の特徴構成を実施する
際の好適な手段が得られる。
【0021】又、第4の特徴構成によれば、上記残存処
理物減少状態の場合には、揺動選別板の漏下開度が残存
処理物減少状態用の目標開度に閉じ且つ唐箕の送風量が
残存処理物減少状態用の目標風量に減少するので、上記
全稈投入状態の場合に扱室から漏下する選別処理物が通
常の保持搬送状態の場合に比べてより多くの藁屑成分を
含んでいても、その藁屑成分が揺動選別板から漏下して
一番回収物に混入することが適切に防止でき、同時に、
上記残存処理物減少状態でない場合には、その選別処理
物量が多いほど揺動選別板の漏下開度を大きく且つ唐箕
の送風量を多くして適正な選別制御を行うことができ、
もって、上記第1、第2又は第3の特徴構成を実施する
際の好適な手段が得られる。
【0022】又、第5の特徴構成によれば、上記残存処
理物減少状態の場合に、揺動選別板の漏下開度が例えば
その開度変更範囲の最小開度等の所定開度に閉じるとと
もに、唐箕の送風量が例えばその風量変更範囲の最小風
量等の所定風量に減少するように、極力開度閉じ側又は
風量減少側に調節されて、藁屑成分の一番回収物への混
入を極力防止でき、もって、上記第4の特徴構成を実施
する際の好適な手段が得られる。
【0023】又、第6の特徴構成によれば、上記残存処
理物減少状態でない場合には、揺動選別板における漏下
開度が、扱室への穀稈供給量検出情報と扱室から漏下す
る選別処理物量の検出情報とに基づいて求めた適正目標
開度になるように調節制御され、且つ、唐箕の送風量
が、上記穀稈供給量検出情報と選別処理物量検出情報と
に基づいて求めた適正目標風量になるように調節制御さ
れるので、例えば、上記適正目標開度又は適正目標風量
を選別処理物量の検出情報のみに基づいて求めるものに
比べてより適正な開度又は風量の条件でより適切な選別
制御を行うことができる。一方、上記残存処理物減少状
態の場合には、揺動選別板における漏下開度が上記適正
目標開度から設定量閉じ側の漏下開度になり、且つ、唐
箕の送風量が上記適正目標風量から設定量減少側の風量
になるので、例えば、揺動選別板における漏下開度をそ
の開度変更範囲の最小開度等の所定開度に閉じたり、唐
箕の送風量をその風量変更範囲の最小風量等の所定風量
に減少する場合における不具合、つまり、必要以上に閉
じ側又は減少側に調節されて選別処理物量が過大になる
ことによる3番ロスの増加等の不具合発生のおそれがあ
ることを有効に回避でき、もって、上記第4の特徴構成
を実施する際の好適な手段が得られる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。図2に示すように、左右一対のクローラ走行装置
1、脱穀装置2、操縦部3等を備えた機体の前部に刈取
部4を横軸芯P周りで昇降自在に連結してコンバインを
構成してある。刈取部4は、植立穀稈を引き起こす引起
し装置5、引き起こされた植立穀稈の株元を切断する刈
刃6、刈り取られた穀稈を寄せ集めて後方へ搬送する補
助搬送装置7、刈取穀稈を徐々に横倒ししながら脱穀装
置2の挟持搬送装置8に受渡す縦搬送装置9等を備え、
昇降用シリンダ10の駆動により昇降揺動するよう構成
してある。通常の刈取作業では、刈取部4は地面に対し
て設定高さを維持するよう昇降制御されるが、操縦部3
に設けた昇降レバー11の手動操作によって昇降させる
こともでき、刈取部4を設定高さ以上上昇させた場合に
は、機械的な連係機構によって刈取部4に対する動力を
自動的に遮断して刈取部4の駆動を停止させる刈取自動
停止機構を備えてある。
【0025】前記縦搬送装置9は、穀稈の株元側を挟持
搬送する株元搬送装置9a、穀稈の穂先側を係止搬送す
る穂先搬送装置9b及び穂先案内板9cから成り、刈取
部4の揺動軸芯Pと同一軸芯周りで揺動自在に支持して
あり、ギア式減速機構付き電動モータM1〔以下、扱深
さモータという〕によって揺動調節自在に設けること
で、補助搬送装置7からの受け取り挟持箇所が稈長方向
に変更され、脱穀装置2での扱深さが調節できるよう構
成してある。
【0026】即ち、刈取穀稈の穀稈搬送経路中に、前記
扱深さモータM1による扱深さ調節箇所よりも穀稈搬送
方向下手側において、穀稈が接触すると揺動してオン作
動するスイッチ式に構成され、且つ、稈長方向に間隔を
置いて並置された一対の穀稈存否検出センサS1a,S
1bを設け、この一対の穀稈存否検出センサS1a,S
1bの情報に基づいて、後述の制御装置12が扱深さモ
ータM1を作動制御することで、植立穀稈の稈長にかか
わらず脱穀装置2における扱深さを常に適切な状態に調
節できるようにしてある。具体的には、上記一対の穀稈
存否検出センサS1a,S1bの間に刈取穀稈の穂先が
位置するように、つまり、穂先側に位置するセンサS1
a〔以下、穂先側センサという〕がオフ状態で、株元側
に位置するセンサS1b〔以下、株元側センサという〕
がオン状態になるように調節される。尚、前記縦搬送装
置9の揺動支点部には、縦搬送装置9の現在扱深さ調節
位置がどの位置にあるかを検出するポテンショメータ型
の供給位置センサ13(図1参照)を設け、又、縦搬送
装置9の始端部には、穀稈が搬送されているか否かを検
出する株元センサ14を設けている。
【0027】脱穀装置2は、図4及び図5に示すよう
に、扱胴38を収納する扱室A、扱室Aの横側方に配置
されて刈取部4から供給される刈取穀稈を搬送する挟持
搬送装置8、排塵用の横軸流ファン17、扱室Aから漏
下する脱穀後の処理物即ち選別処理物を移送しながら選
別する揺動選別板19及び選別風を送る唐箕18等から
なる選別装置B、選別された後の対象物を回収するため
の一番口20及び二番口21を備えている。扱室Aの下
方には、扱胴38の下側外周部に沿って漏下用の受網2
2が設けられ、選別処理物のうち単粒化した穀粒は受網
22から漏下する一方、受網22から漏下できなかった
処理物は、受網22の後端部より揺動選別板19に落下
する。尚、上記挟持搬送装置8は、回動駆動されるフィ
ードチェーン8aとそれに対向配置される挟持レール8
bとで構成され、この挟持搬送装置8が、刈取穀稈の株
元部を保持して搬送する穀稈搬送手段に対応する。
【0028】揺動選別板19は、前方から後方に向かっ
て順次並ぶように配置されたグレンパン27、チャフシ
ーブ24、及び、ストローラック23を備え、チャフシ
ーブ24から漏下し更にその下方のグレンシーブ25か
ら漏下した穀粒は一番口20から回収されてタンク等に
貯溜される。チャフシーブ24やグレンシーブ25の後
端から落下した穀粒と藁屑との混合物は二番口21から
回収された後、スクリュー式の二番還元装置26によっ
て扱室Aの後端部横側方位置まで上方に搬送され、その
先端部に設けた排出口28に内装され縦軸芯周りに回転
する回転板40によって前方側に吹き飛ばされて揺動選
別板19の前方側箇所に落下する。
【0029】前記受網22の下側には、図4及び図5に
示すように、チャフシーブ24の上の選別処理物の層厚
を検出する層厚センサS4が、受網22に固着された弓
金39に取り付けて設けられている。層厚センサS4
は、図6に示すように、横軸芯周りに揺動自在に垂下さ
れたセンサーバーTと、そのセンサーバーTの後方(処
理物の搬送方向)への回動角度を抵抗値に変換するポテ
ンショメータPMとからなる。センサーバーTは、処理
物移送方向の下流部T1が上流部T2よりも長い二股状
に形成され、これにより、処理物の層厚が小さいときは
下流部T1が処理物に接当して後方へ回動し、層厚が大
きくなると上流部T2が処理物に接当して後方へ回動す
るように構成されている。
【0030】上記構成により、選別処理物の量が多くな
ってその層厚が大きくなるほどセンサバーTの回動角度
が大きくなるので、ポテンショメータPMの抵抗値から
処理物の層厚即ち処理物量を検出することができる。従
って、揺動選別板19(実際はチャフシーブ24)の上
に存在する選別処理物、つまり、扱室Aから漏下する選
別処理物の量を検出する処理物量検出手段が、上記層厚
センサS4にて構成されることになる。尚、図中、I
は、層厚が適正層厚であるときの回動角度を示し、I’
は、これ以下になると層厚が過小状態であると判断され
る下限層厚での回動角度を示す。
【0031】前記チャフシーブ24は、図7に示すよう
に、複数の板状部材24aが所定間隔毎に前後方向に並
設され、各板状部材24aは左右軸芯周りに回動自在に
左右の側板に枢着され、下端部が操作ロッド30にて枢
支連結されている。従って、操作ロッド30を前後方向
に移動操作すると、各板状部材24aが同時に回動し、
各板状部材24aの平行が保たれながら、隣接間隔dが
変化する。この間隔dが揺動選別板19における漏下開
度(以下、チャフ開度という)に相当する。
【0032】上記チャフ開度の変更は、シーブモータM
2を正逆方向に回転駆動することによって行われる。そ
のシーブモータM2の回転動作はギヤ式の連係機構3
1、揺動アーム32、レリーズワイヤ33によって操作
ロッド30の前後移動動作に変換されて、上記の如くチ
ャフ開度が変更される。以上より、扱室Aから漏下する
選別処理物を選別処理する揺動選別板19が、漏下開度
を変更調節自在に構成されることになる。尚、図中、S
2は、揺動アーム27の回動角度からチャフ開度を検出
するためのポテンショメータ式のチャフ開度センサS2
であり、29は、チャフシーブ24を閉じ側に復帰付勢
するスプリングである。
【0033】選別風を送風する唐箕18が、送風量を調
整自在に設けられている。その送風量の変更は図8に示
すように、唐箕モータM3を正逆方向に回転駆動して、
唐箕ケースカバー18aの開度を変えることによって行
われる。つまり、唐箕モータM3の回転動作により、連
係機構34、揺動アーム35、リンク36,37を介し
て唐箕ケースカバー18aが開閉操作され、その開度を
大きくするほど送風量が少なくなる。図中、S3は、揺
動アーム35の回転角度から唐箕18による選別風の送
風量(以下、唐箕風量と呼ぶ)を検出するためのポテン
ショメータ式の唐箕風量センサである。
【0034】動力伝達系について説明すると、図3に示
すように、エンジンEからの動力が、脱穀クラッチ16
を介して脱穀装置2に伝達されると共に、走行クラッチ
41及び油圧式無段変速装置42を介して前記クローラ
走行装置1のミッション部43に伝達され、更に、その
動力が刈取クラッチ44を介して刈取部4に伝達され
る。尚、脱穀装置2が動作中か否かを検出するために、
脱穀クラッチ16の入り切り状態を検出する脱穀スイッ
チSW1が設けられ、又、前記変速装置42の出力回転
数に基づいて走行速度を検出する速度センサS5が設置
されている。そして、刈取穀稈量は走行速度に比例する
ことから、この速度センサS5が、脱穀装置2の扱室A
への穀稈供給量を検出する穀稈供給量検出手段として機
能する。
【0035】このコンバインは、畦際での刈り上げ作業
を自動的に行うとともに、この刈り上げ作業で生じる稈
長の短い刈取穀稈に扱き残しが発生しないようにするた
めの構成が備えられている。つまり、操縦部3に設けた
刈り上げ作業開始用の指示スイッチ15を操作すると、
刈取部4を自動的に上昇させるとともに扱深さモータM
1を最深扱側に作動させる。又、前記挟持搬送装置8
が、刈取穀稈の穂先部を扱室A内に挿入させた状態で扱
室始端側から終端側に搬送する保持搬送状態と、刈取穀
稈に対する保持を解除して刈取穀稈の全体を扱室A内に
投入させる全稈投入状態とに切換え自在に構成されてい
る。そして、上記扱深さモータM1が最深扱側に調節さ
れている状態で、前記一対の穀稈存否検出センサS1
a,S1bが共に穀稈の非存在を検出すると、当該セン
サ配設箇所から挟持搬送装置8(具体的には、その全稈
投入箇所)に至る穀稈搬送所要時間が経過した後に、制
御装置12が挟持搬送装置8を保持搬送状態から全稈投
入状態に切り換える。
【0036】挟持搬送装置8を保持搬送状態と全稈投入
状態とに切り換える切換手段Hについて説明すると、図
9及び図11に示すように、挟持レール8bは、複数の
分割体を枢支ピン45により枢支連結するとともに、各
枢支ピン45に連結されたロッド46をフレーム体47
に上下スライド自在に支持し、且つ、ロッド46に外嵌
されたコイルバネ48により各枢支点をフィードチェー
ン8a側に押圧付勢するように構成してある。そして、
挟持搬送装置8の穀稈搬送経路において、電動シリンダ
M4と連動する作動部材49により、バネ48にてフィ
ードチェーン8a側に押圧付勢されている挟持レール8
bの枢支点のうちの一部において、ロッド46を上方側
に持ち上げて、フィードチェーン8aとの間での穀稈挟
持作用を部分的に解除できるようにしている。即ち、挟
持レール8bによる挟持を解除することで、扱室A内部
において回転駆動される扱胴38により穀稈が稈部分も
合わせて内部に引き込まれていくのである(図10参
照)。
【0037】又、前記縦搬送装置9の駆動軸部分に株元
搬送装置9aの回転状態を検出する搬送回転センサS6
を設け、この搬送回転センサS6の検出値より株元搬送
装置9aによる前記穀稈存否検出センサS1a,S1b
の配設箇所から搬送終端部までの穀稈搬送状況を検出す
るように構成している。一方、フィードチェーン8aの
回転速度は予め定める一定速度であることから、フィー
ドチェーン8aの搬送始端部から前記穀稈挟持解除箇所
までの搬送時間は一定値であってタイマーにより求める
ことが出来る。
【0038】図1に示すように、マイクロコンピュータ
利用の制御装置12が設けられ、その制御装置12に、
前述の一対の穀稈存否検出センサS1a,S1b、供給
位置センサ13、株元センサ14、チャフ開度センサS
2、唐箕風量センサS3、層厚センサS4、脱穀スイッ
チSW1、速度センサS5、指示スイッチ15、及び搬
送回転センサS6からの各信号が入力され、制御装置1
2からは、前述の昇降シリンダ10、扱深さモータM
1、シーブモータM2、唐箕モータM3、及び、電動シ
リンダM4に対する各駆動信号が出力されている。
【0039】前記制御装置12を利用して、前記挟持搬
送装置8を前記保持搬送状態と前記全稈投入状態とに切
換える搬送制御と、前記層厚センサS4の情報に基づい
て、その検出層厚値が大きいほど(即ち扱室Aから漏下
する選別処理物量が多いほど)、前記揺動選別板19に
おける漏下開度(つまり、チャフ開度)を大きく、且
つ、前記唐箕18の送風量を多くする選別制御とを実行
する制御手段100が構成されている。そして、この制
御手段100は、前記選別制御において、前記速度セン
サS5の検出情報(即ち、扱室Aへの穀稈供給量検出情
報)と前記層厚センサS4の情報に基づいて、前記チャ
フ開度の適正目標開度及び前記唐箕風量の適正目標風量
を求めて、その適正目標開度に前記揺動選別板19にお
ける漏下開度を調整し且つその適正目標風量に前記唐箕
18の送風量を調整するように構成されている。
【0040】以下、図12(イ)及び(ロ)に基づい
て、チャフ開度の適正目標開度及び唐箕風量の適正目標
風量について説明する。上記チャフ開度の適正目標開度
は、走行速度が速いほど(即ち、扱室Aへの穀稈供給量
が多いほど)大きくなり、又、唐箕風量の適正目標風量
も走行速度が速いほど増加するように、最高車速時(但
し、1.0m/s以下)のチャフ開度CHO又は唐箕風
量から、走行速度が低下するに伴い閉じ側又は減少側に
調節されるが、その調節は、0.8,0.5,0.3m
/sの各位置において階段的に変化するように設定され
る。更に、上記チャフ開度及び唐箕風量と走行速度の関
係を維持しながら、層厚センサS4による検出層厚値の
大小変化(即ち、選別処理物量の増減)に伴って、チャ
フ開度の適正目標開度及び唐箕風量の適正目標風量を全
体として最も閉じ側又は減少側に調節するレベル1と最
も開き側又は増大側に調節するレベル5の間の5段階に
変更できるように設定されている。尚、レベル1よりも
下側に最小開度CHmin 及び最小風量が設けられている
が、この最小開度CHmin においても完全な閉じ状態で
はなく、又、最小風量も所定の風量に設定されている。
【0041】前記制御手段100は、前記挟持搬送装置
8を前記全稈投入状態に切り換えた状態において、前記
層厚センサS4にて検出される選別処理物量が選別状態
切換え判別用の設定量よりも少ない残存処理物減少状態
の場合には、前記揺動選別板19の漏下開度を残存処理
物減少状態用の目標開度に閉じ、且つ、前記唐箕18の
送風量を残存処理物減少状態用の目標風量に減少させる
補助選別制御を実行するように構成されている。上記選
別状態切換え判別用の設定量は、図6に示す下限層厚で
の回動角度I’に対応する選別処理物量として設定され
る。又、上記残存処理物減少状態用の目標開度は、前記
チャフ開度に対する適正目標開度(図12)から設定量
閉じ側、具体的には、現在の調節レベルから2レベル閉
じ側に変更されたレベルの漏下開度として求められる。
上記残存処理物減少状態用の目標風量は、同様に、唐箕
風量の設定目標風量(図12)から設定量減少側の風量
として求められるが、チャフ開度の変更量に対して唐箕
風量の減少量を大きくする、即ち、選別風の送風量を弱
めにして極力3番ロスを防止するために、唐箕風量の目
標風量は、現在の調節レベルから2レベル減少側のレベ
ルより所定量減少させた風量として求められる。
【0042】次に、図13及び図14に示すフローチャ
ートに基づいて、前記制御装置12による搬送制御及び
選別制御の手順について説明する。
【0043】搬送制御(図13)では、株元センサ14
がオン状態で穀稈が搬送状態であることが確認され、指
示スイッチ15が操作されると、刈取自動停止機構の作
動を牽制して刈取部4を上昇させるとともに、扱深さモ
ータM1を最深扱側に作動させる(ステップ1〜5)。
指示スイッチ15が操作されていないときは、通常の扱
深さ制御を行う(ステップ6)。そして、搬送回転セン
サS6の検出情報より搬送状態が検出され、且つ、供給
位置センサ13の検出情報より縦搬送装置9が最深扱側
供給位置にあることが検出され、両穀稈存否検出センサ
S1a,S1bが共にオフ状態で極短稈が搬送されてき
たことが検出されると、搬送回転センサS6の検出情報
より穀稈が上記センサS1a,S1bの配設箇所からフ
ィードチェーン8aの始端部まで搬送され、更に、そこ
からフィードチェーン8aの全稈投入位置までの搬送時
間が経過すると、電動シリンダM4をリフト駆動させて
全稈投入作動させる(ステップ7〜12)。そして、全
稈投入作動中に極短稈の搬送が終了して、両穀稈存否検
出センサS1a,S1bのいずれかがオン状態になる
と、穀稈がフィードチェーン始端部まで搬送され、且
つ、フィードチェーンでの搬送所要時間が経過した後、
電動シリンダM4のリフト駆動を停止して通常の保持搬
送状態に戻す(ステップ13〜16)。
【0044】選別制御(図14)では、脱穀スイッチS
W1がオフのときは、脱穀装置2が未作動であるので、
チャフ開度を最小開度CHmin に唐箕風量を最小風量に
夫々調節する。脱穀スイッチSW1がオンのときは、層
厚センサS4によって層厚を検出し、この検出層厚と適
正層厚Iとを比較する。そして、検出層厚が適正層厚I
より大きいときは、現在のチャフ開度及び唐箕風量の調
節レベルを1レベルアップさせる。一方、検出層厚が適
正層厚Iより小さいときは更に検出層厚を下限層厚I’
と比較し、検出層厚が下限層厚I’より小さいときは、
挟持搬送装置8が通常の保持搬送状態の場合には現在の
チャフ開度及び唐箕風量の調節レベルを1レベルダウン
させ、全稈投入状態の場合には2レベルダウンさせる。
同時に、上記チャフ開度及び唐箕風量の調節レベルの変
更に伴って、最高車速時におけるチャフ開度CHO及び
唐箕風量を更新する。そして、この更新された新しい調
節レベルの下で、速度センサS5によって検出される走
行速度に応じたチャフ開度及び唐箕風量の調節作動を行
う。この後、約3秒に設定されたタイマー時間の経過を
確認してから次回の調節作動を行う。尚、上記タイマー
時間は、チャフ開度及び唐箕風量の調節作動の結果が選
別処理物の層厚の変化として確定するまでの時間、即
ち、前記二番還元装置26によって二番回収物が還元さ
れるのに要する時間に対応する。
【0045】〔別実施例〕穀稈搬送手段(挟持搬送装置
8)を、保持搬送状態から全稈投入状態に切り換えるた
めの手段は、上記実施例のように、挟持レール8bを持
ち上げる構成に限らない。例えば、図15に示すよう
に、挟持搬送装置8の搬送始端部の挟持箇所よりも扱室
側に位置させた切断刃Cを、搬送穀稈に作用する位置と
上方に退避する非作用位置とに切り換え自在に設け、極
短稈を切断させてその全体を扱室内に投入させるもので
もよい。又、挟持レール8bを持ち上げる場合にも、上
記実施例のようにその前側部分を持ち上げるのではな
く、搬送方向の中間部分を持ち上げるものでもよい。
又、挟持レール8bを持ち上げるのではなく、挟持レー
ル8bを押圧するコイルバネ48の押圧付勢力を弱くす
る構成等でもよい。
【0046】揺動選別板19における漏下開度を変更調
節自在に構成する手段は、上記実施例のように、チャフ
シーブの開度を変更するものに限らず、例えば、網状又
はスリット状の開口部を遮蔽するスライドグレンパンを
スライドさせて、その開口部の遮蔽面積の開度を変更す
るものでもよい。
【0047】扱室Aから漏下する選別処理物の量を検出
する処理物量検出手段は、上記実施例のように、揺動選
別板19上の処理物に接触する層厚センサS4に限らな
い。例えば、透過型の光センサや超音波センサ等の非接
触のセンサ、あるいは、テレビカメラ等の撮像手段、そ
の他各種の検出手段が使用できる。
【0048】上記実施例では、選別制御において、扱室
Aへの穀稈供給量検出手段(速度センサS5)の検出情
報と扱室Aから漏下する選別処理物量の検出手段(層厚
センサS4)の情報に基づいて求めた適正目標開度、及
び、適正目標風量に、揺動選別板19における漏下開
度、及び、唐箕18の送風量を夫々調整するようにした
が、これに限るものではない。例えば、上記選別処理物
量検出手段(層厚センサS4)の情報にのみ基づいて、
その選別処理物量が多いほど揺動選別板19における漏
下開度を大きく且つ唐箕18の送風量を多くするように
してもよい。尚、この場合、制御手段100内に予め記
憶されている関係テーブルに従って、層厚センサS4の
検出値に対応するチャフ開度及び唐箕風量の目標値を求
め、各目標値とチャフ開度センサS2及び唐箕風量セン
サS3の検出値との偏差をゼロにするように制御され
る。
【0049】上記実施例では、選別制御において、揺動
選別板19における漏下開度と、唐箕18の送風量の両
方を調節するものを示したが、必ずしも両方を調節作動
させる必要はなく、唐箕18の送風量を所定風量に維持
した状態で、揺動選別板19における漏下開度だけを調
節作動させるようにしてもよい。
【0050】上記実施例では、補助選別制御における選
別状態切換え判別用の設定量を、図6に示す下限層厚で
の回動角度I’に対応する選別処理物量として設定した
が、これに限るものではなく、例えば、上記下限層厚で
の回動角度I’よりも所定量大きい角度に対応する選別
処理物量でもよい。
【0051】上記実施例では、補助選別制御において、
残存処理物減少状態用の目標開度又は目標風量を、適正
目標開度から設定量閉じ側の漏下開度又は適正目標風量
から設定量減少側の風量として夫々求めたが、これに限
るものではない。例えば、上記目標開度又は目標風量
を、予め設定されている所定漏下開度又は所定風量、例
えば、図12における調節レベル1にするもの、あるい
は、調節レベル1より下側の全閉開度CHmin 又は最小
風量にするものでもよい。
【0052】又、上記目標開度又は目標風量を、適正目
標開度から設定量閉じ側の漏下開度又は適正目標風量か
ら設定量減少側の風量として求める場合においても、上
記実施例にように、図12に示す調節レベルを2レベル
(唐箕風量についてはこれより更に所定量減少側の風
量)ダウンさせるものに限らず、例えば、1.5レベル
ダウンさせるようにしてもよい。又、上記実施例のよう
に、チャフ開度のダウン量と唐箕風量のダウン量とに差
を付けずに、同じ変更量でもよい。
【0053】又、上記実施例では、扱室Aへの穀稈供給
量検出手段として速度センサS5を用いたが、これ以外
に、例えば、穀稈搬送手段(挟持搬送装置8)によって
所定速度で搬送される穀稈の稈厚を検出する稈厚センサ
でもよい。
【0054】又、上記実施例では、穀稈供給量が多い
(走行速度が速い)ほどチャフ開度の適正目標開度を開
き側に設定する場合に、4段階に変化するようにした
が、4段階以外の適宜段階に設定でき、又、連続的に無
段階に変化させてもよい。
【0055】又、上記実施例では、選別処理物量の大小
(層厚の大小)に応じてチャフ開度の適正目標開度及び
唐箕風量の適正目標風量を変更する場合に、穀稈供給量
に対するチャフ開度及び唐箕風量の関係を全体としてレ
ベル1からレベル5の5段階に変更させるようにした
が、5段階以外の任意の段階に設定できる。
【0056】又、上記実施例では、穀稈搬送手段(挟持
搬送装置8)を通常の保持搬送状態から全稈投入状態に
切り換える場合に、刈り上げ作業開始用の指示スイッチ
15の操作に基づいて刈取部4が上昇されるとともに扱
深さモータM1が最深扱側に作動され、その後、一対の
穀稈存否検出センサS1a,S1bが共に穀稈の非存在
を検出するに伴って、上記切り換えを自動的に行うよう
に構成したが、このように自動的に行うのではなく、例
えば、手動用の切換スイッチを設け、作業者が刈取部4
を手動で上昇させて刈り上げ作業を行っているときに、
その作業の状況に応じて適切な時期に全稈投入状態に切
り換えるようにすることもできる。
【0057】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にする為に符号を記すが、該記入により本発明は添
付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】制御構成のブロック図
【図2】コンバインの前部側面図
【図3】コンバインの動力系統図
【図4】脱穀装置の概略縦断側面図
【図5】脱穀装置の上部の横断正面図
【図6】処理物量検出手段の側面図
【図7】チャフ開度調節機構の側面図
【図8】唐箕の送風量調節機構の側面図
【図9】穀稈搬送手段の一部側面図
【図10】穀稈搬送手段の全稈投入作動状態を示す側面
【図11】穀稈搬送手段の全稈投入状態への切換手段を
示す正面断面図
【図12】チャフ開度又は唐箕送風量と、走行速度との
関係を示すグラフ
【図13】制御作動のフローチャート
【図14】制御作動のフローチャート
【図15】別実施例の全稈投入状態への切換手段を示す
側面図
【符号の説明】
8 穀稈搬送手段 A 扱室 19 揺動選別板 S4 処理物量検出手段 100 制御手段 S5 穀稈供給量検出手段 18 唐箕

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 刈取穀稈の株元部を保持して搬送する穀
    稈搬送手段(8)が、穂先部を扱室(A)内に挿入させ
    た状態で扱室始端側から終端側に搬送する保持搬送状態
    と、刈取穀稈に対する保持を解除して刈取穀稈の全体を
    前記扱室(A)内に投入させる全稈投入状態とに切換え
    自在に設けられ、 前記扱室(A)から漏下する選別処理物を選別処理する
    揺動選別板(19)が、漏下開度を変更調節自在に構成
    され、 前記穀稈搬送手段(8)を前記保持搬送状態と前記全稈
    投入状態とに切換える搬送制御と、前記扱室(A)から
    漏下する選別処理物の量を検出する処理物量検出手段
    (S4)の情報に基づいて、その選別処理物量が多いほ
    ど前記揺動選別板(19)における漏下開度を大きくす
    る選別制御とを実行する制御手段(100)が設けられ
    たコンバインの脱穀制御装置であって、 前記制御手段(100)は、 前記穀稈搬送手段(8)を前記全稈投入状態に切り換え
    た状態において、前記処理物量検出手段(S4)にて検
    出される選別処理物量が選別状態切換え判別用の設定量
    よりも少ない残存処理物減少状態の場合には、 前記揺動選別板(19)の漏下開度を、残存処理物減少
    状態用の目標開度に閉じる補助選別制御を実行するよう
    に構成されているコンバインの脱穀制御装置。
  2. 【請求項2】 前記残存処理物減少状態用の目標開度
    が、所定漏下開度として、前記制御手段(100)に予
    め設定されている請求項1記載のコンバインの脱穀制御
    装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段(100)が、前記選別制
    御において、前記扱室(A)への穀稈供給量検出手段
    (S5)の検出情報と前記処理物量検出手段(S4)の
    情報に基づいて、適正目標開度を求めて、その適正目標
    開度に前記揺動選別板(19)における漏下開度を調整
    するように構成され、 前記残存処理物減少状態用の目標開度が、前記適正目標
    開度から設定量閉じ側の漏下開度として、前記制御手段
    (100)にて求められるように構成されている請求項
    1記載のコンバインの脱穀制御装置。
  4. 【請求項4】 選別風を送風する唐箕(18)が、送風
    量を調整自在に設けられ、 前記制御手段(100)が、 前記選別制御において、前記扱室(A)から漏下する選
    別処理物の量を検出する処理物量検出手段(S4)の情
    報に基づいて、その選別処理物量が多いほど前記唐箕
    (18)の送風量を多くするように構成され、且つ、 前記補助選別制御において、前記唐箕(18)の送風量
    を、残存処理物減少状態用の目標風量に減少させるよう
    に構成されている請求項1、2又は3記載のコンバイン
    の脱穀制御装置。
  5. 【請求項5】 前記残存処理物減少状態用の目標風量
    が、所定風量として、前記制御手段(100)に予め設
    定されている請求項4記載のコンバインの脱穀制御装
    置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段(100)が、前記選別制
    御において、前記扱室(A)への穀稈供給量検出手段
    (S5)の検出情報と前記処理物量検出手段(S4)の
    情報に基づいて、適正目標風量を求めて、その適正目標
    風量に前記唐箕(18)の送風量を調整するように構成
    され、 前記残存処理物減少状態用の目標風量が、前記適正目標
    風量から設定量減少側の風量として、前記制御手段(1
    00)にて求められるように構成されている請求項4記
    載のコンバインの脱穀制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2022001018A (ja) * 2020-06-19 2022-01-06 株式会社クボタ 収穫機

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