JPH07194238A - コンバインの制御装置 - Google Patents

コンバインの制御装置

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JPH07194238A
JPH07194238A JP34988993A JP34988993A JPH07194238A JP H07194238 A JPH07194238 A JP H07194238A JP 34988993 A JP34988993 A JP 34988993A JP 34988993 A JP34988993 A JP 34988993A JP H07194238 A JPH07194238 A JP H07194238A
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芳弘 川村
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忠光 森広
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 全稈投入時の選別精度を著しく向上させる。 【構成】 全稈投入時には、フロートセンサ値に拘らず
選別フイン55および目塞ぎ板60を自動的に閉側に作
動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高刈りした短稈を扱室
に全稈投入するコンバインの制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】一般に、
この種コンバインでは、畦に対向する機体姿勢で畦際の
茎稈を刈取ろうとした場合、前処理部の構造上(刈刃の
前方にデバイダが突出する構造)、図8に示す様にどう
しても高刈り状態になるため、高刈りされた短稈が脱穀
部で浅扱ぎされて扱残しを生じるという不都合があり、
このため従来では、高刈りを伴う圃場の隅部を予め手刈
りしていたが、手刈り作業は重労働であるため、作業性
や作業効率が問題となつていた。そこで、前処理搬送装
置から脱穀搬送装置(脱穀フイードチエン)に継送され
るべき茎稈を、脱穀搬送装置に継送することなく、扱室
に全稈投入して所謂スレツシヤ方式で脱穀処理すること
により高刈りを可能にすると共に、図9(ハツチングは
高刈り部分)に示すような手順で刈取りを行うことによ
つて手刈りを不要にすることが提案されている。しかる
に、前述の如く扱室に全稈投入をした場合には、扱室か
ら落下する扱降し物に藁屑等の夾雑物が多量に混ざるた
め、選別後に集穀された穀粒にも多くの夾雑物が混入す
る惧れがあり、このため選別精度の低下が問題となつて
いた。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実
情に鑑みこれらの欠点を一掃することができるコンバイ
ンの制御装置を提供することを目的として創案されたも
のであつて、前処理部で刈取つた茎稈を挟持搬送する前
処理搬送装置と、該前処理搬送装置の終端部まで搬送さ
れた茎稈を脱穀部に向けて挟持搬送する中間搬送装置
と、該中間搬送装置の終端部まで搬送された茎稈を扱室
に沿つて挟持搬送する脱穀搬送装置とを備えると共に、
前記前処理部を所定高さ以上に上昇させた高刈り状態で
は、中間搬送装置の終端部まで搬送した茎稈を、脱穀搬
送装置に継送することなく扱室に全稈投入してなるコン
バインにおいて、前記扱室で脱穀された穀粒を漉過選別
する漉過選別部に、該漉過選別部の開度を調節する開度
調節機構を設けると共に、該開度調節機構を制御する制
御装置には、全稈投入状態であることに基づいて開度調
節機構を自動的に閉側に制御する全稈投入時制御手段を
設けたことを特徴とするものである。そして本発明は、
この構成によつて、全稈投入時の選別精度を著しく向上
させることができるようにしたものである。
【0004】
【実施例】次に、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図面において、1はコンバインの走行機体であ
つて、該走行機体1には、茎稈を刈取る前処理部2、刈
取つた茎稈から穀粒を脱穀する脱穀部3、脱穀された穀
粒を選別する選別部4、脱穀済みの排稈を排出処理する
後処理部5、各種の操作具が配設される操作部6、クロ
ーラ式の走行部7等が設けられるが、これらの基本構成
は何れも従来通りである。
【0005】前記前処理部2は、茎稈を刈取り条数分に
分草するデバイダ8、茎稈を引起す引起し装置9、引起
された茎稈の株元を切断する刈刃10、該刈刃10の上
方位置で茎稈の株元部を掻込むスターホイル11、該ス
ターホイル11の上方位置で茎稈の中間部を掻込む掻込
み装置12、各掻込経路から掻込まれた茎稈を搬送終端
部で合流させる左右一対の株元搬送装置(前処理搬送装
置)13、13aおよび穂先搬送装置14、合流した縦
姿勢の茎稈を横姿勢に変姿させつつ脱穀部3の脱穀搬送
装置15に向けて搬送する中間搬送装置16等で構成さ
れるものであるが、前処理部2は、リフトシリンダ17
の伸縮作動に伴つて上下昇降すべく機体前端部に連結さ
れるため、上記リフトシリンダ17の操作に基づいて茎
稈の刈取り高さを自在に調節することができるようにな
つている。
【0006】前記中間搬送装置16は、茎稈の株元側を
挟持搬送する株元フイードチエン18と、茎稈の穂先側
を送り搬送する穂先搬送体19とを並設してユニツトに
構成されるものであるが、このユニツト化された中間搬
送装置16は、搬送終端側を支点として上下回動自在に
支持されると共に、扱深さモータ20の駆動に基づいて
強制的に回動せしめられるようになつている。即ち、中
間搬送装置16は、前記株元搬送装置13の終端部まで
搬送された茎稈を挟持するにあたり、その挟持位置を、
搬送終端側を支点とする上下回動に基づいて上下させる
ことが可能であるため、中間搬送装置16の終端部で茎
稈を受け継ぐ脱穀搬送装置15の茎稈挟持位置を変化さ
せて脱穀部3における扱深さを調節することができるよ
うになつている。
【0007】ところで、前記扱深さ調節においては、茎
稈の株元位置と株元フイードチエン18の茎稈挟持位置
との間隔L1が、株元フードチエン18の終端部と脱穀
搬送装置15の始端部との間隔L2よりも大きくなる範
囲、つまり脱穀搬送装置15が茎稈を受け継ぐことので
きる範囲で中間搬送装置16を上下回動させることにな
るが、本発明の中間搬送装置15は、扱深さ調節範囲の
深扱側限度を越える位置まで下降して、扱深さ調節時よ
りもさらに茎稈の株元側を挟持することができるように
構成されている。つまり、この回動位置では、前記間隔
L1が間隔L2よりも小さくなるため、中間搬送装置1
6の終端部まで搬送した茎稈を、脱穀搬送装置15に継
送することなく、脱穀部3の扱室21に全稈投入するこ
とができるようになつている。
【0008】また、前記中間搬送装置16を全稈投入位
置まで回動可能にするにあたり、株元フイードチエン1
8の始端部が株元搬送装置13の終端部に干渉すること
を回避すべく、株元搬送装置13の終端と株元フイード
チエン18の始端を茎稈搬送方向に所定間隔L3だけ離
間させているが、株元搬送装置13の終端部下方位置
(本実施例では刈刃10よりも高く、かつスターホイル
11よりも低い範囲L4内に高さ設定)には、株元搬送
装置13と株元フイードチエン18とを平面視で略一直
線状に結び、かつ株元搬送装置13および株元フイード
チエン18の茎稈搬送範囲にオーバーラツプする補助フ
イードチエン22が並設されるため、前述のように株元
搬送装置13と株元フイードチエン18とが茎稈搬送方
向に離間していても、株元搬送装置13と株元フイード
チエン18との間の継送を確実に行うことができるよう
になつている。
【0009】ところで、前記補助フイードチエン22
は、前後一対のスプロケツト23に懸回支持されるもの
であるが、始端側スプロケツト23は、株元搬送装置1
3の終端部を懸回支持する終端側スプロケツト24の下
方近傍位置に重合状に配設されるため、掻込み茎稈を合
流させる株元搬送装置13の搬送終端部に補助フイード
チエン22の始端部が位置するようになつている。即
ち、この位置では、各掻込経路から掻込まれる茎稈の合
流と、合流茎稈の補助フイードチエン22への継送とが
略同時に行われるようになつている。尚、本実施例で
は、前述の如く重合状に配設した両スプロケツト23、
24を伝動軸25を介して一体的に連動連結しているた
め、何れか一方の駆動力(株元搬送装置13側もしくは
補助フイードチエン22側の駆動力)に基づいて両装置
13、22を駆動させることができるようになつてい
る。
【0010】一方、26は前記中間搬送装置16と脱穀
搬送装置15との継送部に配設される穂先側コンベアで
あつて、該穂先側コンベア26は、前後一対のローラ2
7に左右方向(稈長方向)に幅広なベルト体28を懸回
して構成されるものであるが、穂先側コンベア26の始
端部は、中間搬送装置16の後方近傍において、株元フ
イードチエン18の終端部と略同じ高さに位置する一
方、終端部は、扱室21の前端面近傍において、扱室入
口21aの下端よりも僅かに高く位置し、さらに全体と
しては、搬送面が前高後低状に傾斜するように配設され
ている。そして、このように配設された穂先側コンベア
26は、中間搬送装置16が前述の如く全稈投入位置に
回動したとき、中間搬送装置16の終端部まで搬送され
た茎稈の穂先側を下方から受け止めると共に、受け止め
た茎稈の穂先側をベルト体28の搬送作用によつて扱室
21に強制的に投入するようになつている。
【0011】さらに、29は穂先側コンベア26の外側
方に並設される株元側コンベアであつて、該株元側コン
ベア29は、前後一対のローラ30にベルト体31を懸
回して構成されている。そして、このものは、中間搬送
装置16が全稈投入位置に回動したとき、中間搬送装置
16の終端部まで搬送された茎稈の株元側を下方から受
け止めると共に、受け止めた茎稈の株元側をベルト体3
1の搬送作用によつて扱室21に強制的に投入するが、
株元側コンベア29の始端部は、穂先側コンベア26の
始端部よりも低い位置で水平姿勢に配置される一方、終
端部は、穂先側コンベア26の終端部よりも高い位置
で、円弧形状の扱室入口21aに沿う傾斜姿勢(穂先側
が低くなるように傾斜)に配置され、さらに全体として
は、側面視で穂先側コンベア26に交差すると共に、前
低後高状に傾斜する脱穀搬送装置15の始端部に沿うよ
うに配置されている。
【0012】また、32、33は前記各コンベア26、
29の終端側ローラ27、30を支持する支軸であつ
て、該支軸32、33は、互いに自在継手34を介して
連結されるが、さらに株元側コンベア29側の支軸33
は、脱穀搬送装置15の始端側スプロケツト35を支持
する支軸36に自在継手37を介して連結されており、
このため各コンベア26、29は、常に脱穀搬送装置1
5に連動して駆動もしくは停止するようになつている。
【0013】一方、前記脱穀部3は、脱穀搬送装置15
を構成する脱穀フイードチエン38および挟扼レール3
9、前記扱室21に内装される扱胴40、該扱胴40の
扱降し物を漏下する受網41、該受網41から漉過する
ことなく扱室終端まで達した扱降し物を再度処理する処
理胴42、該処理胴42の扱降し物を漏下する第二受網
43等で構成されるが、さらに扱室21の内側面には、
前後方向に所定間隔を存して複数の可動仕切板44が並
設されている。そして、各可動仕切板44は、茎稈の流
れを停滞させる後傾姿勢と、茎稈の流れを促進させる前
傾姿勢と、両姿勢の中間に位置する中立姿勢とに回動変
姿自在であるが、各可動仕切板44は、連結プレート4
5を介して連動連結されると共に、仕切板モータ46の
駆動に基づいて強制的に変姿せしめられるようになつて
いる。
【0014】また、前記選別部4は、前記扱降し物を揺
動選別する揺動選別体47、選別風を起風する選別フア
ン48、夾雑物を排出する排塵フアン49、一番物を集
穀する一番集穀部50、二番物を集穀する二番集穀部5
1等で構成されるものであるが、前記揺動選別体47の
上段を形成する第一揺動選別部52の始端部(波板状の
揺動移送板)には、前記受網41から漏下した扱降し物
の増減に伴つて上下するフロートセンサ53が配設され
ている。そして、フロートセンサ53は、機枠1a側に
上下揺動自在に支持されると共に、該揺動位置を検知す
るポテンシヨメータ54に連繋されている。尚、フロー
トポテンシヨメータ54の検知値は、揺動選別体47の
揺動周期に対応して周期的に変動するため、生値をその
まま利用することなく、ピーク値電圧をピツクアツプし
て得られる変換信号を利用するようになつている。
【0015】さらに、55は前記第一揺動選別部52の
終端側に所定間隔を存して並設される選別フインであつ
て、該選別フイン55は、前記扱降し物を漉過選別すべ
く設けられるものであるが、各選別フイン55は、フイ
ン開度を変化させるべく回動自在に設けられると共に、
フインモータ56に連動連結されるため、フインモータ
56の駆動に基づいてフイン開度を自在に調節すること
ができるようになつている。
【0016】さらに、57は前記揺動選別体47の下段
を構成する第二揺動選別部であつて、該第二揺動選別部
57は、第一揺動選別部52で漉過選別された穀粒をさ
らに漉過選別するべく、選別フイン55の下方で、かつ
一番集穀部50の上方に位置するよう配設されるもので
あるが、このものは、選別始端側を形成する波板状の揺
動移送板58、選別終端側を形成するクリンプ網59、
該クリンプ網59の目塞ぎ量(漉過面積)を調節すべく
スライド自在な目塞ぎ板60等で構成されている。そし
て、前記目塞ぎ板60は目塞ぎモータ61に連動連結さ
れるため、該目塞ぎモータ61の駆動に基づいて目塞ぎ
量を自在に調節することができるようになつている。
【0017】また、前記操作部6には、運転席6aの正
面に位置するフロント操作パネル62と、運転席6aの
側方に位置するサイド操作パネル63とが設けられてい
るが、フロント操作パネル62には、前処理部2を昇降
操作する前処理昇降レバー64、可動仕切板44の位置
設定をする仕切板設定スイツチ65、後述する扱深さ制
御をON−OFF操作する扱深さ自動スイツチ66、後
述する全稈投入制御をON−OFFする全稈投入自動ス
イツチ67等の操作具が配設される一方、サイド操作パ
ネル63には、図示しない無段変速装置を変速操作する
変速レバー68、刈取動力(前処理部2の動力)を断続
操作する刈取クラツチレバー69、作業機動力(脱穀部
3、選別部4等の動力)を断続操作する作業機クラツチ
レバー70等が配設されている。
【0018】さらに、71はマイクロコンピユータ(C
PU、ROM、RAM等を含む)を用いて構成される制
御部であつて、該制御部71は、前述したフロートポテ
ンシヨメータ54、仕切板設定スイツチ65、扱深さ自
動スイツチ66、全稈投入自動スイツチ67に加えて、
前処理部2の昇降位置を検知する前処理ポテンシヨメー
タ72、中間搬送装置16の回動位置を検知する扱深さ
ストロークセンサ73、扱深さ調節における中間搬送装
置16の深扱側限度位置を検知する深扱リミツトスイツ
チ74、中間搬送装置16における搬送茎稈の有無を検
知するメインセンサ75、中間搬送装置16において扱
深さを検知する扱深さセンサ(稈長方向に所定間隔を存
する穂先センサ76および株元センサ77)、可動仕切
板44の姿勢を検知する仕切板ポテンシヨメータ78、
選別フイン55の開度を検知するフインポテンシヨメー
タ79、目塞ぎ板60の目塞ぎ量を検知する目塞ぎポテ
ンシヨメータ80、前処理昇降レバー64の昇降操作を
検知する前処理上昇スイツチ81および前処理下降スイ
ツチ82、変速レバー68の操作位置を検知するレバー
ポテンシヨメータ83、無段変速装置の作動シリンダ長
を検知するシリンダポテンシヨメータ84、刈取クラツ
チレバー69の接続操作を検知する刈取クラツチスイツ
チ85、作業機クラツチレバー70の接続操作を検知す
る作業機クラツチスイツチ86等から信号を入力する一
方、これらの入力信号に基づく判断で、前記扱深さモー
タ20、仕切板モータ46、フインモータ56、目塞ぎ
モータ61、前処理リフトシリンダ17の上昇用および
下降用電磁バルブ87a、87b、無段変速装置の増速
用および減速用電磁バルブ88a、88b等に作動信号
を出力するようになつている。即ち、制御部71は、穂
先センサ76および株元センサ77の検知に基づいて中
間搬送装置16の上下回動位置を制御する扱深さ制御、
高刈りした短稈を扱室21に全稈投入すべく中間搬送装
置16の回動位置を制御する全稈投入制御、仕切板44
の姿勢を制御する仕切板制御、フイン開度Fおよび目塞
ぎ量Mを制御する選別自動制御、無段変速装置を制御す
る無段変速制御等の制御手順を具備しており、以下、こ
れらの制御を順次説明する。
【0019】前記扱深さ制御においては、まず全稈投入
自動スイツチ67のON−OFFを判断し、該判断がO
Nである場合には、サブルーチンである全稈投入制御を
実行する一方、OFFであると判断した場合には、全稈
投入フラグに「0」をセツトした後、扱深さ自動スイツ
チ66のON−OFFを判断するが、全稈投入制御の実
行した場合であつても、全稈投入フラグが「0」であれ
ば扱深さ自動スイツチ66のON−OFFを判断するよ
うになつている。ここで、該判断がOFFである場合に
は、中間搬送装置16の扱深さ作動(扱深さモータ20
の駆動)を停止してメインルーチンに復帰する一方、O
Nである場合には、さらに前記刈取りクラツチスイツチ
85およびメインセンサ75のON−OFFを判断する
が、両判断が共にONである場合にのみ以降の扱深さ調
節ルーチンを実行し、何れかがOFFである場合には扱
深さ作動を停止してメインルーチンに復帰するようにな
つている。そして、扱深さ調節ルーチンでは、株元セン
サ77および穂先センサ76のON−OFFを判断する
が、両センサ76、77がONである場合には、深扱ぎ
状態であると判断して中間搬送装置16を浅扱ぎ側(上
昇)に断続作動(インチング信号に基づいて扱深さモー
タ20を低速作動)する一方、両センサ76、77がO
FFである場合には、浅扱ぎ状態であると判断して中間
搬送装置16を深扱ぎ側(下降)に断続作動し、また、
株元センサ77がONで、かつ穂先センサ76がOFF
である場合には、適正な扱深さであると判断して中間搬
送装置16の扱深さ作動を停止するようになつている。
即ち、中間搬送装置16における搬送茎稈の穂先位置
を、前記両センサ76、77間に位置させることによつ
て扱深さを一定に調節するが、中間搬送装置16が前述
した扱深さ調節範囲の深扱ぎ側限度位置まで達した場合
には、深扱ぎリミツトスイツチ74の検知に基づいて扱
深さ作動を停止する一方、中間搬送装置16が扱深さ調
節範囲の浅扱ぎ側限度位置まで達した場合には、扱深さ
ストロークセンサ73の検知に基づいて扱深さ作動を停
止するようになつている。
【0020】一方、前記全稈投入自動スイツチ67のO
N時に実行される全稈投入制御では、まず全稈投入フラ
グのセツト値(0=扱深さ調節作動状態、1=全稈投入
作動状態、2=扱深さ自動復帰状態)を判断し、該セツ
ト値が「0」である場合には、刈取りクラツチスイツチ
85のON判断、シリンダポテンシヨメータ84に基づ
く前進走行判断および前処理上昇スイツチ81のON判
断を連続的に行うと共に、これらの判断が何れもONも
しくはYESである場合には、さらに前処理部2が所定
高さHまで上昇したか否かを判断するようになつてい
る。即ち、前進刈取り走行時に前処理部2が所定高さH
まで上昇操作された場合には、高刈り状態であると判断
して、全稈投入フラグに全稈投入作動指令を意味する
「1」を自動的にセツトすると共に、現在の扱深さスト
ローク値(中間搬送装置16の回動位置)を所定の記憶
領域Aに格納するようになつている。
【0021】そして、全稈投入フラグに「1」がセツト
された状態では、深扱ぎリミツトスイツチ74がONす
るまで中間搬送装置16を深扱ぎ側(下降)に連続作動
(連続信号に基づいて扱深さモータ20を高速作動)さ
せると共に、深扱ぎリミツトスイツチ74がOFFから
ONに切換わる際の扱深さストローク値を所定の記憶領
域Bに格納し、さらには、扱深さストローク値が前記記
憶値Bよりも所定量Dだけ深扱ぎ側に変化するまで中間
搬送装置16を深扱ぎ側に連続作動させるようになつて
いる。そして、この状態では、前記間隔L1が間隔L2
よりも小さくなるため、中間搬送装置16の終端部まで
搬送した茎稈を、脱穀搬送装置15に継送することな
く、脱穀部3の扱室21に全稈投入するようになつてい
る。
【0022】さらに、全稈投入状態では、常にメインセ
ンサ75のOFFへの切換りを判断するようになつてい
る。そして、メインセンサ75がOFFになつた場合に
は、高刈りが終了したと判断して全稈投入フラグに
「2」をセツトするが、全稈投入フラグに「2」がセツ
トされた状態では、扱深さストローク値が前記記憶値A
に一致するまで中間搬送装置16を浅扱ぎ側に連続作動
させ、しかる後、全稈投入フラグに「0」をセツトして
全稈投入制御を終了するようになつている。即ち、メイ
ンセンサ75のOFFに基づいて高刈りの終了を判断し
た場合には、中間搬送装置16を高刈り開始時の位置に
自動的に復帰させるようになつている。
【0023】また、仕切板制御では、まず作業機クラツ
チスイツチ70のON−OFFを判断し、該判断がOF
Fである場合には、そのままメインルーチンに復帰する
一方、ONであると判断した場合には、さらに前記全稈
投入フラグのセツト値を判断する。そして、セツト値が
「0」である場合には、仕切板設定スイツチ65の設定
位置(開、閉、標準)まで可動仕切板44を移動させる
が、全稈投入フラグのセツト値が「0」以外である場合
には、全稈投入状態であると判断し、仕切板設定スイツ
チ65の設定位置に拘らず可動仕切板44を自動的に開
位置(促進位置)に移動させるようになつている。
【0024】また、選別自動制御では、まず作業機クラ
ツチスイツチ70のON−OFFを判断し、該判断がO
FFである場合には、そのままメインルーチンに復帰す
る一方、ONであると判断した場合には、さらに前記全
稈投入フラグのセツト値を判断する。そして、セツト値
が「0」である場合には、フロートセンサ値に基づいて
選別フイン55の制御位置F(F1、F2、F3)およ
び目塞ぎ板60の制御位置M(M1、M2、M3)を決
定すると共に、決定した制御位置F、Mとポテンシヨ値
X、Yとの比較に基づいて選別フイン55および目塞ぎ
板60を制御位置F、Mまで作動させるようになつてい
る。つまり、扱下し物の増減に選別処理能力を対応させ
るべく、第一揺動選別部52および第二揺動選別部57
の漉過面積を段階的に制御するが、全稈投入フラグのセ
ツト値が「0」以外である場合には、フロートセンサ値
に拘らず前記制御位置F、MにF0、M0(通常制御範
囲よりもさらに閉側位置)をセツトして選別フイン55
および目塞ぎ板60を自動的に閉側に作動させるように
なつている。尚、本実施例では、全稈投入状態であつて
も、フロートセンサ値が所定値D1を越える場合には、
扱下し物の量と選別処理能力とが大きく相違することを
回避すべく、通常作業時と同様のルールで制御位置F、
Mを決定するようになつている。
【0025】またさらに、無段変速制御は、レバーポテ
ンシヨメータ83の生値Dを所定の関数に基づいて変換
すると共に、該変換値Vと無段変速装置のシリンダポテ
ンシヨ値VPとを一致させるべく無段変速装置を増減速
および停止作動させるものであるが、前記全稈投入フラ
グのセツト値が「1」である場合には、レバーポテンシ
ヨ値に拘らず前記変換値Vに低速走行制御値VLをセツ
トして走行速度を自動的に減速するようになつている。
尚、本実施例では、全稈投入状態であつても、変換値V
が低速走行制御値VLよりも小さい場合には、走行速度
を減速することなく、そのままの走行速度を維持するよ
うになつている。
【0026】叙述の如く構成された本発明の実施例にお
いて、高刈りした短稈を脱穀搬送装置15に継送するこ
となく、扱室21に全稈投入して所謂スレツシヤ方式で
脱穀処理するため、浅扱ぎに伴う穀粒損失を生じること
なく畦際の高刈りが可能になり、手刈り作業を省略でき
ることになるが、前記全稈投入は、扱深さ調節を行うた
めに回動自在に構成される中間搬送装置16を、通常作
業時の深扱側限度位置を越え、かつ脱穀搬送装置15に
茎稈を継送しない位置まで回動制御することにより実行
されるため、従来の様に、脱穀搬送装置15に継送状態
と非継送状態とに切換わる機構をわざわざ設けたり、該
機構を作動させるアクチユエータを別途増設することが
全く不要となる。従つて、構造の著しい簡略化を計るこ
とができる許りか、部品点数も大幅に削減することがで
き、この結果、手刈りを不要にするコンバインを極めて
安価に構成することができる。
【0027】また、前記中間搬送装置16を全稈投入位
置まで回動可能にするにあたり、株元フイードチエン1
8の始端部が株元搬送装置13の終端部に干渉すること
を回避すべく、株元搬送装置13の終端と株元フイード
チエン18の始端を茎稈搬送方向に所定間隔L3だけ離
間させているが、株元搬送装置13の終端部下方位置
に、株元搬送装置13および株元フイードチエン18の
茎稈搬送範囲にオーバーラツプする補助フイードチエン
22を並設したため、株元搬送装置13と株元フイード
チエン18との間の継送を、茎稈の搬送姿勢が乱れた
り、茎稈が脱落する等の搬送不良を生じることがなく確
実に行うことができる。
【0028】また、前記各搬送装置間の継送部では、茎
稈の搬送姿勢が乱れる可能性があり、また、茎稈の搬送
量が少ないときほど搬送姿勢が乱れ易いという傾向があ
るが、前記補助フイードチエン22の始端部を株元搬送
装置13の合流部に位置させたため、茎稈の合流および
継送を略同位置で行つて搬送姿勢に乱れが生じる機会を
減らすことができる許りか、合流した茎稈を搬送するこ
とにより搬送量も可及的に多く確保でき、この結果、搬
送姿勢の乱れを少なくして整然とした茎稈搬送を可能に
することができる。
【0029】また、前記補助フイードチエン22は、株
元搬送装置13と株元フイードチエン18とを平面視で
略一直線状に結び、かつ株元搬送装置13および株元フ
イードチエン18の茎稈搬送範囲にオーバーラツプすべ
く配設されるため、株元搬送装置13の終端部まで搬送
された茎稈を、脱落や搬送姿勢の乱れを生じることなく
確実に株元フイードチエン18に継送することができる
許りか、チエンが茎稈を持ち回つたり、スプロケツトに
茎稈が巻き付く等の不具合も確実に防止することができ
る。
【0030】また、前記補助フイードチエン22の配設
高さを、刈刃10よりも高く、かつスターホイル11よ
りも低い範囲L4内で設定しているため、中間搬送装置
16を可及的に低い位置まで回動させることが可能にな
り、この結果、全稈投入時における前記間隔L1と間隔
L2との差を可及的に大きく確保して確実な全稈投入を
行うことができる。
【0031】また、前記補助フイードチエン22の始端
側スプロケツト23と、株元搬送装置13の終端側スプ
ロケツト24とを、伝動軸25を介して一体的に連動連
結しているため、何れか一方の駆動力に基づいて両装置
13、22を駆動させることができ、故に、伝動機構を
大幅に簡略化できる許りでなく、機体の軽量化にも貢献
することができる。
【0032】また、中間搬送装置16と脱穀搬送装置1
5との継送部に、脱穀搬送装置15に継送されない茎稈
の穂先側を下方から受け止めて扱室21に強制的に投入
する穂先側コンベア26を配設したため、脱穀搬送装置
15に継送されない茎稈を扱室21に確実に全稈投入す
ることができ、この結果、茎稈の脱落に伴う穀粒損失を
確実に回避することができる。
【0033】また、前記穂先側コンベア26をベルト体
28で構成したため、茎稈を扱室21の入口部21aま
で確実に搬送することができ、この結果、扱室入口部2
1aにおける茎稈の停滞や詰りを確実に防止することが
できる。
【0034】また、前記ベルト体28は稈長方向に幅広
に形成されるため、茎稈に無理な力を作用させることを
回避して搬送中の脱粒を防止することができる許りか、
仮令脱粒が生じたとしても茎稈と共に搬送して扱室21
に投入することができ、この結果、穀粒損失を大幅に減
少させることができる。
【0035】また、前記幅広なベルト体28は茎稈を巻
込む惧れがないため、茎稈の巻込みに伴う作業中断で作
業効率を低下させることがないうえに、茎稈の巻込みに
よつて部材の破損や変形を生じる不都合も確実に解消す
ることができる。
【0036】また、前記穂先側コンベア26は、搬送面
が前高後低状に傾斜するように配設されているため、搬
送中に脱粒した穀粒を確実に扱室21に投入することが
できる許りでなく、扱室21から吹出した穀粒を受け止
めて扱室21に戻すことが可能になり、この結果、穀粒
損失を大幅に減少させることができる。
【0037】また、前記穂先側コンベア26の始端部
は、中間搬送装置16の後方近傍において、株元フイー
ドチエン18の終端部と略同じ高さに位置する一方、終
端部は、扱室21の前端面近傍において、扱室入口21
aの下端よりも僅かに高く位置すべく配設されるため、
中間搬送装置16との落差を小さくして茎稈姿勢の乱れ
を可及的に少なくすることができる許りか、扱室入口部
21aにおける茎稈の停滞や詰りを確実に防止すること
ができる。
【0038】また、前記穂先側コンベア26の外側方
に、茎稈の株元側を搬送する株元側コンベア29を並設
したため、脱穀搬送装置15に継送されない茎稈を、さ
らに確実に扱室21に全稈投入することができる。
【0039】また、前記株元側コンベア29の始端部位
置を、穂先側コンベア26の始端部位置よりも低い位置
に設定したため、中間搬送装置16の終端部まで搬送さ
れた茎稈を傾斜姿勢のまま受け継ぐことが可能になる。
従つて、茎稈姿勢が大きく変化することが回避できるこ
とになり、この結果、脱穀搬送装置15に継送されない
茎稈をスムーズに扱室21に投入することができる許り
でなく、茎稈姿勢の乱れに伴う茎稈の脱落や詰りを確実
に解消することができる。
【0040】また、前記株元側コンベア29は、側面視
において穂先側コンベア26に交差する姿勢で配設され
るため、中間搬送装置16から受け継いだ茎稈を、扱室
21の入口部21aに沿う姿勢にスムーズに変姿させる
ことができる。
【0041】また、前記株元側コンベア29は、脱穀搬
送装置15に沿つて配設されるため、中間搬送装置16
からの茎稈の受け継ぎや、扱室21への茎稈搬送を、脱
穀搬送装置15で挟持搬送する場合と略同様の茎稈姿勢
で行うことができ、従つて、茎稈を脱穀搬送装置15に
継送せずに扱室に全稈投入するものでありながら、通常
作業時に比して何ら遜色の無いスムーズな茎稈搬送を可
能にすることができる。
【0042】また、前記株元側コンベア29の終端部
は、扱室21の入口形状に沿うべく傾斜するため、茎稈
が扱室の入口部21aに引掛ることなく、極めてスムー
ズに扱室21内に投入されることになり、この結果、扱
室入口部21aにおける茎稈の停滞や詰りを確実に防止
することができる。
【0043】また、前記両コンベア26、29は、脱穀
搬送装置15に連動するため、所謂オートストツプ機能
(前処理部2を所定高さ以上に上昇させたとき脱穀搬送
装置15を自動停止する機能)を備えるものである場
合、脱穀搬送装置15が停止しているにも拘らず両コン
ベア26、29が作動して茎稈姿勢を乱す不都合を確実
に解消することができる。
【0044】また、前記中間搬送装置16の全稈投入作
動は、全稈投入自動スイツチ67がONし、かつ前処理
部2が所定高さHまで上昇操作されたことに基づいて自
動的に実行されるため、高刈り時の操作性を著しく向上
させることができるうえに、誤操作に基づく脱穀処理精
度の低下を確実に防止することができる。つまり、従来
のものでは、高刈りの開始および終了を常に意識し、高
刈りの開始および終了毎に全稈投入スイツチをON−O
FF操作する必要があるため、頻繁なスイツチ操作が必
要になつて操作性に劣るが、本発明のものでは、全稈投
入自動スイツチ67を一旦ON操作すれば、高刈りに伴
う前処理部2の上昇操作に基づいて全稈投入制御が自動
的に実行されるため、スイツチ操作を殆ど不要にして操
作性の著しい向上を計ることができ、また、従来では、
誤つたON操作やOFF操作忘れに基づいて非高刈り時
に全稈投入制御を実行する惧れがあるが、本発明のもの
では、仮令非高刈り時にスイツチをON操作しても、前
処理部が下降状態であれば全稈投入制御の実行が規制さ
れるため、非高刈り時に全稈投入制御が実行されること
を確実に防止することができ、このため、非高刈り時に
全稈投入制御を実行して脱穀処理精度を低下させる不都
合を悉皆解消することができる。
【0045】また、本実施例では、前進刈取り走行時以
外の全稈投入作動を規制しているため、路上走行時や後
進走行時に中間搬送装置16が無駄に作動することを確
実に防止することができる。
【0046】また、扱深さ制御では、中間搬送装置16
を間欠作動(低速作動)するが、全稈投入制御では、中
間搬送装置16を連続作動(高速作動)するため、扱深
さ調節状態から全稈投入状態への切換えおよび全稈投入
状態から扱深さ調節状態への復帰を極めて迅速に行うこ
とができ、この結果、切換えに時間がかかつて作業精度
を低下させる不都合を確実に解消することができる。
【0047】また、全稈投入制御においては、メインセ
ンサ75のOFFに基づいて高刈りの終了を判断すると
共に、中間搬送装置16を高刈り開始時の位置に自動的
に復帰させるため、中間搬送装置16が高刈り終了後も
全稈投入姿勢を維持するような不都合がない。即ち、中
間搬送装置16が高刈り終了後も全稈投入姿勢を維持し
た場合、扱深さ制御に基づく中間搬送装置16の適正位
置への回動が遅れるため、非高刈り茎稈を扱室21に全
稈投入したり、著しい深扱ぎを生じる惧れがあるが、高
刈りの終了に基づいて中間搬送装置16を前回の適正扱
深さ位置に自動的に復帰させるため、前記不都合を悉皆
解消して脱穀処理精度の著しい向上を計ることができ
る。
【0048】また、前述した様にメインセンサ75のO
FFに基づいて自動復帰を実行するため、前処理部2の
下降操作(高刈り終了後に後進走行してから行われる)
に基づいて自動復帰させる場合の様に自動復帰のタイミ
ングが遅くなることがない許りか、後進走行操作(高刈
り終了後に直ちに行われる)に基づいて自動復帰させる
場合の様に自動復帰のタイミングが早くなりすぎる惧れ
もなく、この結果、非高刈り茎稈を全稈投入してしまう
不具合、高刈りした短稈を脱穀搬送装置15に継送して
浅扱ぎを生じる不具合等を確実に防止することができ
る。
【0049】また、全稈投入時には、扱室21に設けら
れる可動仕切板44を、仕切板設定スイツチ65の設定
位置に拘らず自動的に開位置(促進位置)に移動させる
ため、仮令扱室21に全稈投入をしたとしても、扱胴4
0に持ち回わられる茎稈を、可動仕切板44の促進作用
に基づいて扱室終端側に速やかに移行させることがで
き、この結果、全稈投入時の脱穀処理を速度アツプさせ
て作業効率の著しい向上を計ることができる許りか、扱
胴40の負荷を大幅に軽減して詰り等の発生を確実に防
止することができる。
【0050】また、全稈投入時には、フロートセンサ値
に拘らず選別フイン55および目塞ぎ板60を自動的に
閉側に作動させるため、仮令全稈投入に基づいて扱降し
物に多量の夾雑物が混入したとしても、夾雑物が一番集
穀部50に混入することを可及的に防止でき、この結
果、全稈投入時の選別精度を著しく向上させることがで
きる。
【0051】またさらに、全稈投入時には、レバーポテ
ンシヨ値に拘らず前記変換値Vに低速走行制御値VLを
セツトして走行速度を自動的に減速するため、全稈投入
時に走行速度を減速して扱室21の処理負担を軽減する
にあたり、殊更変速レバー68を減速操作する必要がな
い。従つて、高刈り開始時の操作負担を軽減して操作性
を著しく向上させることができる許りか、高速で高刈り
を行つて脱穀処理精度の低下や茎稈の詰りを生じるよう
な不都合も確実に回避することができる。
【0052】
【作用効果】以上要するに、本発明は叙述の如く構成さ
れたものであるから、前処理部で刈取つた茎稈を脱穀搬
送装置に継送することなく、扱室に全稈投入して所謂ス
レツシヤ方式で脱穀することにより、畦際の高刈りを可
能にして手刈り作業を省略することができるようにした
ものであるが、本発明においては、前記扱室で脱穀され
た穀粒を漉過選別する漉過選別部に開度調節機構を設け
ると共に、該開度調節機構を、全稈投入状態であること
に基づいて自動的に閉側に制御するため、仮令全稈投入
に基づいて扱降し物に多量の夾雑物が混入したとして
も、夾雑物は漉過選別部の通過が規制されることにな
る。従つて、選別した穀粒を集穀する集穀部に多くの夾
雑物が混入することを防止できることになり、この結
果、全稈投入時の選別精度を著しく向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの全体斜視図である。
【図2】前処理部の側面図である。
【図3】同上平面図である。
【図4】脱穀部の正面図である。
【図5】前処理部と脱穀部との継送部を示す斜視図であ
る。
【図6】補助フイードチエンを示す要部側面図である。
【図7】株元フイードチエンと脱穀フイードチエンとの
位置関係を示す正面図である。
【図8】高刈り状態を示す前処理部の概略側面図であ
る。
【図9】刈取り手順を示す圃場の平面図である。
【図10】脱穀部および選別部の側面図である。
【図11】脱穀部の内部背面図である。
【図12】脱穀部および選別部の全体斜視図である。
【図13】可動仕切板を示す扱室の要部側面図である。
【図14】フロートセンサの側面図である。
【図15】操作部の斜視図である。
【図16】制御部の入出力を示すブロツク図である。
【図17】扱深さ制御のフローチヤートである。
【図18】全稈投入制御のフローチヤートである。
【図19】仕切板制御のフローチヤートである。
【図20】選別自動制御のフローチヤートである。
【図21】フロートセンサ値に対するフイン位置および
目塞ぎ位置を示すグラフである。
【図22】無段変速制御のフローチヤートである。
【図23】レバーポテンシヨ値の変換用関数を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1 走行機体 2 前処理部 3 脱穀部 4 選別部 13 株元搬送装置 15 脱穀搬送装置 16 中間搬送装置 18 株元フイードチエン 21 扱室 21a 入口部 22 補助フイードチエン 26 穂先コンベア 29 株元コンベア 44 可動仕切板 55 選別フイン 60 目塞ぎ板 71 制御部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前処理部で刈取つた茎稈を挟持搬送する
    前処理搬送装置と、該前処理搬送装置の終端部まで搬送
    された茎稈を脱穀部に向けて挟持搬送する中間搬送装置
    と、該中間搬送装置の終端部まで搬送された茎稈を扱室
    に沿つて挟持搬送する脱穀搬送装置とを備えると共に、
    前記前処理部を所定高さ以上に上昇させた高刈り状態で
    は、中間搬送装置の終端部まで搬送した茎稈を、脱穀搬
    送装置に継送することなく扱室に全稈投入してなるコン
    バインにおいて、前記扱室で脱穀された穀粒を漉過選別
    する漉過選別部に、該漉過選別部の開度を調節する開度
    調節機構を設けると共に、該開度調節機構を制御する制
    御装置には、全稈投入状態であることに基づいて開度調
    節機構を自動的に閉側に制御する全稈投入時制御手段を
    設けたことを特徴とするコンバインの制御装置。
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