JPH085739Y2 - パチンコ機用入賞装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は、遊技板の中央に設けられる比較的大型のパ
チンコ機用入賞装置に関する。

《従来の技術》 従来この種大型のパチンコ機用入賞装置には例えば、 遊技板の遊技部に打ち込まれたパチンコ球を受け入れ
る球入口と、 該球入口を開閉する一対の開閉片と、 この開閉片を開閉動作させる電気的駆動装置と、 球入口に入ったパチンコ球を受け入れる複数の入賞口
の集合であって、少なくともそのうちの一個が特別入賞
口である入賞口群と、 該入賞口群に入ったパチンコ球を排出する球出口とか
らなり、 遊技部に別途設けた始動チャッカーへの入賞により、
前記電気的駆動装置が作動して開閉片を１回又は２回開
動作させ、このとき球入口に飛び込んだパチンコ球が入
賞口群の特別入賞口に入賞すると、「大当り」となって
10個のパチンコ球が入賞するまで18回を限度に開閉片を
開閉動作させ、さらに、その間に特別入賞口に入賞する
と８回を限度として大当り状態を更新せしめる所謂飛行
機タイプのもの等がある。

以下、飛行機タイプのパチンコ機用入賞装置を例にと
ってこの考案を説明する。

《考案が解決しようとする課題》 前記従来のパチンコ機用入賞装置のうち初期のもの
は、パチンコ球が球入口に入って球出口から排出される
までのパチンコ球の流路が単純な傾斜板で形成されてい
たため、パチンコ球の流れる球筋が単純で、入賞装置内
にパチンコ球が滞留する時間も短く、このためゲームの
重要な要素である意外性に乏しくて遊技の興趣に欠ける
欠点を有していた。

かかる欠点を解消するために現在では、球入口から球
出口に至る流路の途中にモータ等の駆動手段の力で移動
する球受体を設け、この球受体の移動によりパチンコ球
の流れに変化を与えるようにしているが、かかる従来の
球受体は、カムやリンク機構で制御されているから動き
が定型的・画一的になり、やはり意外性に乏しく、未だ
遊技の興趣を増大させるに至らないものであった。

《課題を解決するための手段》 上記の課題を解決するため本考案は、 遊技板１の遊技部1aに打ち込まれたパチンコ球を受け
入れる球入口６と、 球入口６に入ったパチンコ球を排出する球出口11と、 前記球入口６から球出口11までの流路の途中に設けた
球受体23と 該球受体23を移動させる駆動手段22とからなり、 前記球受体23は、カップ体23bを弾性支柱23aにより揺
動自在に支持せしめて構成したパチンコ機用入賞装置Ａ
を提供するものである。

《作用》 球受体23は、カップ体23bを弾性支柱23aで支えたもの
であり、球入口６に入ったパチンコ球が弾性支柱23aや
カップ体23bに当たると弾性支柱23aの弾力により球受体
23がランダムに揺動し、パチンコ球の流れを重いもよら
ない方向に変化させる。

また、球受体23は、駆動手段22によって移動するた
め、さらにパチンコ球の流れが不規則な方向に変化す
る。

《実施例》 以下に本考案の実施例を図面を参照しつつ説明する。

第１図は、パチンコ機用入賞装置Ａの一部を透視して
示す斜視図である。

遊技板１（第７図参照）の前面に固着する取付基盤２
は、大きな開口３を有し、その前面側に該開口３の下半
部を囲う前カバー４と、開口３の上縁に突設した庇片５
及び開口３の上半部側縁の球入口６を塞ぐようにした一
対の開閉片7,7を設けたものである。

前記前カバー４は、開口３の下半部を視認するための
窓孔８を有し、該窓孔８の下に３つの入賞口9L,9V,9Rか
らなる入賞口群９を形成してなる。該入賞口群９のう
ち、中央の入賞口9Vにはパチンコ球の入賞を検出する球
検出器10を設けて特別入賞口となし他の入賞口9L,9Rと
区別している。取付基盤２には、この入賞口群９に対応
して球出口11が穿設されており、入賞口群９に入賞した
パチンコ球が該球出口11を通って遊技板１の裏側へ流れ
る。

前記開閉片7,7は、下端裏側に軸12を突設したもの
で、該軸12を取付基盤２に回転自在に挿通せしめてな
り、第２図実線の起立位置から同図鎖線の傾動位置の間
で回動自在である。該開閉片７は、軸12の後端にクラン
ク部材13を固着し、このクランク部材13を後述する裏カ
バー15の後側に配置したソレノイドS1のプランジャー14
に係合させたもので、ソレノイドS1が消磁（プランジャ
ー14が下動）した状態で開閉片７が起立し、ソレノイド
S1が作動（プランジャー14が上昇）した状態で開閉片７
が傾動するように設定されている。

前記取付基盤２の裏面側には、開口３を囲うように裏
カバー15が固着されている。該裏カバー15の内部空間
は、前記前カバー４の上縁から奥に向かって下り傾斜状
に固定された中仕切り板16によって上下の部屋に区画さ
れている。この中仕切り板16には、パチンコ球１個が落
下可能な貫通孔17が５個穿設されている。そして、中仕
切り板16の下面には、前記貫通孔17に連通する球抜き孔
18を５個穿設した球止め板19が摺動自在に取付けられて
いる。この球止め板19は、裏カバー15の後側に配置した
ソレノイドS2のプランジャー20にＬ形レバー21を介して
係合しており、ソレノイドS2が消磁（プランジャー20が
上昇）した状態では球止め板19が前進位置にあり、球抜
き孔18と貫通孔17を合致せしめてパチンコ球の落下を許
し、ソレノイドS2が作動（プランジャー20が下動）した
状態では球止め板19が後退位置にあって貫通孔17の底を
塞ぎ、該貫通孔17内でパチンコ球をプールするように設
定される。

また、球止め板19と裏カバー15の後壁15rとの間に
は、パチンコ球が通過可能な空間Ｓが形成されており、
貫通孔17に入らなかったパチンコ球が該空間Ｓを通って
下の部屋に落下する。

裏カバー15の底壁15fは、奥から前に向かって下り傾
斜状に形成され、その前縁が前記前カバー４の入賞口群
９の上縁に臨んでおり、中仕切り板16から落下したパチ
ンコ球が該底壁15f上を転がっていずれかの入賞口9R,9
V,9Lに入賞する。そして、このパチンコ球は、球出口11
から遊技板１の裏側に排出される。このように中仕切り
板16と裏カバー15の底壁15fが球入口６から球出口11ま
での流路を構成する。

しかして、裏カバー15の底壁15fには、駆動手段22の
一部を構成する円形板22aが該底壁15fの上面に臨むよう
に配設されている。そして、この円形板22aの上面に前
記中仕切り板16の貫通孔17と対向可能なように球受体2
3,23…が立設されている。該球受体23は、合成樹脂やコ
イルスプリング等からなる弾性支柱23aと、この弾性支
柱23a上端に固着した半球状のカップ体23bとからなり、
弾性支柱23aに葉状体23cを突設して外観上植物の花を模
した形態である。カップ体23bは、硬質の合成樹脂で形
成され、パチンコ球１個が載り得る大きさである。球受
体23の弾性支柱23aは、カップ体23bにパチンコ球が載っ
た場合に不安定ながらもパチンコ球を保持し得る強さ及
び長さに設定されている。但し、中央の球受体23の弾性
支柱23aは、他の球受体23の弾性支柱23aより長くなって
おり、そのため撓みやすく、カップ体23bに載ったパチ
ンコ球を保持しない。

前記駆動手段22は、球受体３を一定範囲内で移動させ
るものであり、球受体23を支持する前記円形板22aと、
該円形板22aを回転させるモータ22b及び前記中仕切り板
16の下面から垂設され球受体23が通る円形軌道内に臨ん
で球受体23を強制的に揺動させる一対の障害腕22c,22c
とから構成される。

円形板22aとモータ22bは、円形板22aの下面に一体成
形した従動歯車22dと、モータ22bの駆動軸に固着した原
動歯車22eを噛み合わせて連結される。

円形板22aは、中心の下面に突設した回転軸22fを裏カ
バー15の底壁15fに設けたベアリング15bに挿通して回転
自在に支持されており、モータ22bの駆動によって回転
する。また、円形板22aの回転軸22fは、底壁15fの下に
突出しており、その突出部分に円形カム22gが固着され
ている。該円形カム22gは、周側面に設けた切欠にマイ
クロスイッチ22hのアクチュエータ片22iを係合させ、こ
のマイクロスイッチ22hをON・OFFさせて円形板22aを定
位置で停止させ得るようにしている。この円形カム22g
で設定される停止位置とは、各球受体23が前記貫通孔17
の真下にあって、該貫通孔17から落下するパチンコ球を
カップ体23bで受け得る位置である。

その他図面中、24は中仕切り板16に立設した球流下経
路変更用のピン、25は入賞口群９への入賞個数を表示す
るセグメント表示器、26は大当りの更新回数を表示する
回数表示部、27は円形板22a上に突設した球流下経路変
更用の凸部、28はソレノイドS1,S1,S2の取付板である。

このように構成されたパチンコ機用入賞装置Ａは、制
御装置（図示せず）によってソレノイドS1,S1,S2、モー
タ22b、セグメント表示器25等が制御される。

本実施例のパチンコ機用入賞装置Ａは、第７図に示し
たように遊技部1aのほぼ中央に設置して使用するもので
ある。一方、その下側に配設した３個の始動チャッカー
29,29,29は前記制御装置に接続されている。

次に動作説明をする。

先ず、パチンコ機用入賞装置Ａが作動していない通常
の状態においては、ソレノイドS1,S1が消磁していてプ
ランジャー14が下がっているため、開閉片7,7が起立し
て球入口６を閉ざしている。また、ソレノイドS2も消磁
していてプランジャー20が上昇しているため、球止め板
19が前進位置にあり、貫通孔17と球抜き孔18が合致して
いる。

一方、モータ22bは連続回転して円形板22aを回し、球
受体23が円形板22aと共に旋回移動している。この球受
体23の旋回移動の途中でカップ体23bが障害腕22cに当接
すると、弾性支柱23aが撓みながら障害腕22cの下を通過
する。そして、カップ体23bが障害腕22cから離れると、
弾性支柱23aが自己の弾性により起立する。球受体23は
カップ体23bの重さで重心が高く、かつ、弾性支柱23aが
柔軟であるため起立してもその揺れはすぐには納まら
ず、ランダムに揺動するから恰も花が踊っているような
様相を呈する。

さて、パチンコ球が始動チャッカー29,29,29のいずれ
かに入賞すると制御装置からの指令信号を受けてソレノ
イドS1,S1が作動し、プランジャー14が上昇して開閉片
7,7を１回または２回傾動させる。この開閉片7,7の傾動
により球入口６が短時間開き、この状態でのみパチンコ
球が球入口６に入り得る。

そして、球入口６にパチンコ球が入ると、このパチン
コ球は、中仕切り板16の貫通孔17、又は、空間Ｓを通っ
て下の部屋に落下し、球受体23にぶつかりながら進路を
変え、最終的に入賞口群９のいずれかの入賞口9L,9V,9R
に入賞する。

しかして、前記パチンコ球が中央の入賞口9Vに入賞す
ると、それが球検出器10によって検出され、その信号が
制御装置に送られる。この信号を受けた制御装置は、
「大当り」のプログラムを実行し、パチンコ機用入賞装
置Ａを次のように作動させる。

ソレノイドS2を励磁して球止め板19を後退させ、貫
通孔17の下を球止め板19で塞ぎ、該貫通孔17に入るパチ
ンコ球をプールする状態にする。

マイクロスイッチ22hのアクチュエータ片22iが円形
カム22gの切欠に嵌り、該マイクロスイッチ22hがOFFと
なったときにモータ22bの回転を止め、円形板22aを停止
させる。この状態では、各球受体23のカップ体23bが貫
通孔17の真下に位置している。

以上の，の動作の完了後にソレノイドS1,S1を
間欠的に作動させ、開閉片7,7の開閉動作をスタートさ
せる。

入賞口9L,9Rへの入賞個数が４個になるか、又は、
開閉片7,7の開閉回数が終了間近（例えば14回）になる
か、又は、入賞口9Vに入賞すると、ソレノイドS2の作動
を停止させ、球止め板19を前進位置に復動させる。これ
により、貫通孔17内にプールされていたパチンコ球が球
止め板19の球抜き孔18を通って下の部屋へ落下し、球受
体23のカップ体23b上に落ちる。この時、あるものは勢
い余ってそのまま下に落ち、またあるものはカップ体23
bに受け止められる。もっとも、中央の球受体23につい
ては前記のようにパチンコ球を保持する能力がないた
め、カップ体23bにパチンコ球が残ることはない。

この球止め板19の復動と同時にモータ22bが回転し
始め、球受体23が旋回移動する。そして、前記のように
球受体23が障害腕22cの下を通過するときに弾性支柱23a
が撓んで倒れるため、カップ体23bに載っているパチン
コ球がここで完全に落とされる。

ソレノイドS1,S1は、開閉片7,7の開閉回数が18回に
なったとき、又は、パチンコ球の入賞個数が10個になっ
たとき、又は、入賞口9Vに入賞したとき停止する。

以上〜の間に特別入賞口たる入賞口9Vにパチン
コ球が入賞すると制御装置に入賞信号が送られて「大当
り」の権利が更新され、〜の動作を新たに繰返す。
この更新は８回まで可能である。なお、８回目の更新時
には、パチンコ球をプールせず、開閉片7,7の開閉回数
が18回、又は、パチンコ球の入賞個数が10個になったと
きにパチンコ機用入賞装置Ａの作動が終了する。

開閉片7,7が18回開閉するまでの間に入賞口9Vに入
賞しないか、又は、パチンコ球が10個入賞するまでの間
に入賞口9Vに入賞しないか、又は、大当りの更新が８回
を越える場合にはパチンコ機用入賞装置Ａの作動が終了
し、開閉片7,7が起立して球入口６を閉じ、かつ、モー
タ22bが連続回転して球受体23を旋回移動させる状態に
戻る。

本考案のパチンコ機用入賞装置Ａは、以上のように構
成されているが、この実施例の構成に限定されるもので
ないことはもちろんである。

例えば、本実施例においては、駆動手段22の駆動力と
してモータ22bを用いて球受体23を静かに旋回移動させ
る構成を採用し、障害腕22cを駆動手段22の一構成要素
として設け、該障害腕22cによって球受体23を強制的に
揺動させるようにしているが、この障害腕22cを設けな
くとも球受体23を強制的に揺動させるようにすることが
できる。すなわち、前記モータ22bをロータリーソレノ
イドに置き換え、球受体23の旋回方向を急速に反転させ
るように構成すれば、球受体23が慣性力の作用により揺
動するのである。

また、球受体23のカップ体23bは、必ずしもパチンコ
球を受けてこれを保持する機能を有する必要はなく、落
下するパチンコ球を受け、その衝撃によって弾性支柱23
aの揺動を促すものであってもよい。

さらにまた、障害腕22cは、前記実施例のように上か
ら垂下させる構成のほか、裏カバー15の側壁から横向き
に突出させることもできる。

以上、飛行機タイプのパチンコ機用入賞装置を例にと
って説明したが、本考案はその他のタイプのパチンコ機
用入賞装置にも適用できる。

《考案の効果》 以上のように本考案のパチンコ機用入賞装置Ａは、球
受体23を弾性支柱23aとカップ体23bの組合わせにより構
成し、該球受体23を駆動手段22により移動させるように
したため、 球受体23がランダムに揺動し、該球受体23に当たるパ
チンコ球が思いもよらぬ方向に流れる等パチンコ球の動
きに意外性があるため、遊技の興趣が増大する、 球受体23は、駆動手段22の駆動や弾性支柱23aやカ
ップ体23bに加わるパチンコ球の衝撃等で絶えず揺動
し、かつ、その動きは従来のカムやリンク機構による定
型的・画一的な動きと異なるランダムなものであり、そ
の動きの意外性により遊技者の興味を引き易い、 カップ体23bにパチンコ球が載るようにした場合に
は、カップ体23bにパチンコ球が載る偶然性がさらに遊
技者の興趣を誘う、 等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は一部を透視して示す斜視図、第２図は断面正面
図、第３図は中央縦断側面図、第４図は第２図のＩ−Ｉ
線断面図、第５図は第２図のII−II線断面図、第６図は
一部を切り欠いて示す裏面図、第７図はパチンコ機の正
面図である。 １…遊技板、1a…遊技部、６…球入口、11…球出口、22
…駆動手段、23…球受体、23a…弾性支柱、23b…カップ
体、Ａ…パチンコ機用入賞装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】遊技板の遊技部に打ち込まれたパチンコ球
   を受け入れる球入口と、 球入口に入ったパチンコ球を排出する排出口と、 前記球入口から球出口までの流路の途中に設けた球受体
   と、 該球受体を移動させる駆動手段とからなり、 前記球受体は、カップ体を弾性支柱により揺動自在に支
   持せしめて構成したことを特徴とするパチンコ機用入賞
   装置。