JPH0522225Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 （産業上の利用分野） 本考案はパチンコ球に変化に富んだ動きをさせ
るパチンコ機の入賞装置に関するものである。

（従来の技術） 従来、パチンコ機の入賞装置において、同入賞
装置の作動中にパチンコ球が同装置内の特定入賞
口に入球すると、入賞装置の作動時間を延ばすよ
うになつているものがある。このような入賞装置
においては同装置内に侵入してきたパチンコ球を
特定入賞口あるいはセーフ孔等の他の孔に振り分
けるためのさまざまな機構が考案されている。

そして、同機構によりパチンコ球を移動させな
がら前記特定入賞口あるいはセーフ孔等に振り分
ける瞬間がパチンコ遊技の醍醐味のひとつであつ
た。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、従来の機構によるパチンコ球の動き
は変化に乏しいため、同球がどこの孔に入球する
かもある程度予測がつき、遊技自体の面白さも半
減していた。

本考案の目的は入賞装置内に入つたパチンコ球
に変化に富んだ動きをさせ、遊技の面白さを増す
パチンコ機の入賞装置を提供することにある。

考案の構成 （問題点を解決するための手段） すなわち、本考案は後記する実施例の図面に示
すように、特定入賞口７の両側に打球部材１９を
対向するように設けるとともに、同部材１９を前
記特定入賞口７に対し接近離間させて同入賞装置
１内に入つたパチンコ球を弾く往復駆動機構２０
を設けたものである。

（作用） 入賞装置１に入つたパチンコ球は打球部材１９
に当たつた瞬間の同部材１９の前後位置や同部材
１９に対するパチンコ球の当る角度等によつて
様々な方向へ弾かれる。

（実施例） 以下、この考案を具体化した一実施例を図面に
従つて説明する。

第１図に示す入賞装置１は遊技盤の中央に装着
され、第３図に示すように、内部に収容部２が設
けられるとともにその前面が開口されている。

第２，３図に示すように、同収容部２の底壁３
は開口側へ行くに従い下方へ傾斜しているととも
に、左右両側方へ行くに従い下方へ傾斜してい
る。同底壁３の開口側には前壁４が垂直に形成さ
れ、同前壁４にはセーフ孔５が設けられている。
又、同底壁３の中央部には円盤形状の回転部材６
が回転可能に嵌め込まれ、同部材６の上面は底壁
３より若干陥没している。さらに、その上面の回
転中心より偏心した位置には特定入賞口７が形成
されている。

前記回転部材６の下部に形成された駆動軸８に
は主動歯車９が取着され、同歯車９と前記回転部
材６は入賞装着１に固定されたモータ１０の回転
軸に連結されている。そして、同モータ１０の駆
動により前記歯車９及び回転部材６が回転するよ
うになつている。さらに、主動歯車９には従動歯
車１１が噛み合い、従動歯車１１の上面にはカム
突部１１ａが突出され、後記する球受部材１７を
上下動させるようになつている。

一方、前記両歯車９，１１とモータ１０との間
には底壁３と平行に隔離壁１２が形成され、同壁
１２の前端には案内路１３とその案内路１３に続
く第１の検出センサ１４が設けられている。そし
て、特定入賞口７に入つたパチンコ球は主動歯車
９の上面に落下した後、案内路１３に案内されて
前記第１の検出センサ１４を通過するようになつ
ている。さらに、第１の検出センサ１４の下方は
前記セーフ孔５の内部と連通し、この連通部分に
は第２の検出センサ１５が設けられている。そし
て、前記特定入賞口７あるいはセーフ孔５に入球
した球が同センサ１５を通過するようになつてい
る。

第３図に示すように、収容部２内における回転
部材６の後方には直立した壁状の障害片１６が形
成され、同障害片１６の下方には分岐部３ａが形
成されている。又、同障害片１６と収容部２の後
壁との間には同収容部２内と前記両歯車９，１１
を連通する空間が形成され、同空間には球受部材
１７が上下動可能に挿入されている。同部材１７
の上部には四半円弧状の断面形状をなす曲面部１
７ａが前方に開口するように形成されるととも
に、その下部にはほぼ直角に折曲された押上げ部
１７ｂが形成されている。同球受部材１７の押上
げ部１７ｂは前記従動歯車１１の上面に当接し、
同歯車１１が前記モータ１０により回転すると球
受部材１７がカム突部１１ａの作用により上下動
するようになつている。そして、球受部材１７が
下降しているときは同球受部材１７の曲面部１７
ａと前記障害片１６とでパチンコ球を保持する凹
部が形成され、一方、球受部材１７が上昇してい
るときは同凹部は形成されない。

第３図に示すように、前記回転部材６の上方に
は傾斜板１８が後方へ行くに従い下がるように固
定され、同傾斜板１８の後端は前記球受部材１７
の上方付近に位置している。そして、同傾斜板１
８の前端に乗つたパチンコ球が後端へ転がり球受
部材１７に落下するようになつている。

一方、第１，３，４図に示すように、収納部２
の両側には往復駆動機構としてのソレノイド２０
が固定されている。この両ソレノイド２０の往復
軸には前記回転部材６を挟んで互いに対向するよ
うに、打球部材としてのスライド板１９が固着さ
れている。そして、前記ソレノイド２０により同
スライド板１９は往復動するようになつている。
さらに、同スライド板１９は水平方向の断面が波
形をなしており、同板１９の前方に設けられた透
明カバー２１を通して外部から同板１９の往復動
が見えるようになつている。

第１図に示すように、収納部２の開口の両側に
は、可動部材２２が同収納部２内の傾斜板１８の
上方に位置するように設けられている。同可動部
材２２は下端を回動軸により軸支され、入賞装置
１の裏側に固定されたソレノイド２３（第５図に
示す）と連結されている。そして、同ソレノイド
２３の上下動により前記一対の可動部材２２が実
線で示す垂直位置と想像線で示す外方へ開いた水
平位置との間を往復動するようになつている。同
可動部材２２の周囲には可動部材表示灯２４が設
けられ、同表示灯２４は可動部材２２の作動に伴
い点滅するようになつている。

さらに、前記一対の可動部材２２の上側と下側
にはそれぞれ上部及び下部阻止部材２５，２６が
設けらけ、同可動部材２２が水平方向へ回動した
状態でのみパチンコ球が前記傾斜板１８へ落下し
て入賞装置１内に侵入するようになつている。前
記上部阻止部材２５には発光ダイオードの表示盤
２７ａが設けられ、同阻止部材２５の下側には８
個のランプ２７ｂが連設されている。この表示盤
２７ａとランプ２７ｂにより表示部２７が形成さ
れ、同表示部２７は前記特定入賞口７に入球した
球数を表示するようになつている。一方、下部阻
止部材２６は壁状をなし、一方の可動部材２２か
ら前記セーフ孔５の下方を経て他方の可動部材２
２まで連続している。

さらに、前記収容部２の両側方にはそれぞれセ
ーフ孔２８が設けられ、同セーフ孔２８に入球し
たパチンコ球を第３のセンサ２９（第５図に示
す）により検出するようになつている。さらに、
同セーフ孔２８の下方にはそれぞれ内方へ向かう
矢印形状の打球部材表示灯３０が設けられ、同表
示灯３０は前記スライド板１９の往復動に従い点
滅するようになつている。

次に、上記のように構成したパチンコ機の電気
的構成について説明する。

第５図に示すように、中央処理装置３１（以
下、コンピユータという）は前記各センサ１４，
１５，２９からの検出信号を入力し、記憶装置３
２に記憶された制御プログラムに基づいて動作す
るようになつている。さらに、同コンピユータ３
１は記憶装置３２に演算結果を一時記憶するよう
になつている。

コンピユータ３１は前記第１の検出センサ１４
からの検出信号に基づき、ソレノイド駆動回路３
３を介してソレノイド２３を作動させるととも
に、前記可動部材表示灯２４を点滅させる。さら
に、その入球回数を前記表示部２７に表示させ
る。

又、コンピユータ３１は前記第２の検出センサ
１５からの検出信号に基づき、図示しない賞球供
給装置を作動させる。

さらに、コンピユータ３１は前記第３の検出セ
ンサ２９からの検出信号に基づき、前記ソレノイ
ド駆動回路３３を介してソレノイド２３を作動さ
せる。

さて、上記構成されたパチンコ機の入賞装置の
作用について説明する。

第１，２図に示す入賞装置１の両側に設けられ
たセーフ孔２８にパチンコ球が入球すると前記第
３のセンサ２９がこの球を検出し、ソレノイド２
３が可動部材２２を１，２回往復回動させてパチ
ンコ球が収容部１内の傾斜板１８の上方に入るチ
ヤンスを与える。このとき侵入した球は同板１８
の上を転がり、遊技中、常に上下動している前記
球受部材１７の上方に落下する。そして、球受部
材１７が下降し同部材１７の曲面部１７ａと前記
障害片１６とにより凹部が形成されているとき
は、パチンコ球は同凹部に一旦保持された後に球
受部材１７の上昇に伴い前方へ転がり落ちる。一
方、球受部材１７が上方に移動しているときは、
パチンコ球はその曲面部１７ａに当り前方に転が
り落ちる。このようにして前方へ落ちたパチンコ
球は前記分岐部３ａに当り左右いずれかのスライ
ド板１９へと底壁３を転がる。又、ごく一部の球
はそのまま前記セーフ孔５に入るか、その途中で
前記球受部材１７と同じように遊技中常に回転し
ている回転部材６の特定入賞口７に入る。

さらに、前記スライド板１９は遊技中常に往復
動しているため、底壁３を転がつてきたパチンコ
球は、スライド板１９が前進し始めた瞬間に弾か
れる場合もあれば、前進し終る寸前で弾かれる場
合もある。従つて、パチンコ球がこのスライド板
１９にどの位置で弾かれるかによつて、その弾か
れた後の軌跡がさまざまに変化する。又、パチン
コ球がいろいろな角度でスライド板１９に転がつ
て来ることもその原因の一つとなつている。この
ようにスライド板１９に弾かれたパチンコ球の方
向は無作為に分散され、その球の中には前記特定
入賞口７に入球するものもあれば、セーフ孔５に
入るものもあり、又、対向する他方のスライド板
１９に当るものもある。本実施例では同板１９が
断面波形のため上記の傾向はさらに強まる。

一方、前記回転部材６の回転により、同部材６
の特定入賞口７は上記したスライド板１９に対し
常に位置を変える。このため、このスライド板１
９に弾かれた球が特定入賞口７に入球する確率
は、全く予測不能になる。

そして、前記スライド板１９に弾かれたパチン
コ球が特定入賞口７に入球したときは、前記ソレ
ノイド２３が作動し可動部材２２が一定時間往復
回動する。この一定時間内に再び前記入賞口７に
入球すると、この時から改めて一定時間可動部材
２２が往復回動し、反対に入球しないと、この一
定時間後に可動部材２２の往復回動は停止する。
又、同入賞口７への入球回数は前記表示部２７に
より表示され、同入賞口７への入球回数が８回に
なると前記可動部材２２は往復回動を停止する。
一方、セーフ孔５に入つたときは、前記可動部材
２２は回動せずに、前記賞球供給装置が作動し賞
球が放出される。

このように、本実施例では入賞装置１の収容部
２内に入つたパチンコ球を底壁３の傾斜により断
面波形のスライド板１９に導き、同スライド板１
９によりパチンコ球を弾くようになつているた
め、収容部２内での球の動きが変化に富むように
なる。又、特定入賞口７が収容部２内を移動する
ため、同入賞口７への入球はさらに予測不能とな
る。

なお、本実施例のスライド板１９は遊技中常に
往復動するようにしたが、例えば、パチンコ球が
入賞装置１内に入つている時のみ、スライド板１
９を作動させるようにしてもよい。

考案の効果 以上詳述したように、本考案において入賞装置
内に入つたパチンコ球に変化に富んだ動きをさせ
ることができるので、遊技の面白さが増すという
産業利用上優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本実施例の入賞装置を示す正面図、第
２図は同入賞装置の収容部内を示す切欠斜視図、
第３図は同じく側面から見た部分断面図、第４図
も同じく平面から見た部分断面図、第５図は同パ
チンコ機の電気回路を示すブロツク図である。 入賞装置……１、収容部……２、底壁……３、
分岐部……３ａ、回転部材……６、特定入賞口…
…７、主動歯車……９、モータ……１０、従動歯
車……１１、カム突部……１１ａ、障害片……１
６、球受部材……１７、打球部材としてのスライ
ド板……１９、往復駆動機構としてのソレノイド
……２０、可動部材……２２、表示部……２７、
コンピユータ……３１。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 特定入賞口７の両側に打球部材１９を対向す
   るように設けるとともに、同部材１９を前記特
   定入賞口７に対し接近離間させて同入賞装置１
   内に入つたパチンコ球を弾く往復駆動機構２０
   を設けたことを特徴とするパチンコ機の入賞装
   置。 ２ 前記打球部材１９は水平方向の断面が波形を
   なした板材である実用新案登録請求の範囲第１
   項に記載のパチンコ機の入賞装置。 ３ 前記特定入賞口７は水平方向に回転する回転
   部材６の偏心位置に形成されたものである実用
   新案登録請求の範囲第１項に記載のパチンコ機
   の入賞装置。