JPH0854634A - 液晶光学素子及びその製造方法 - Google Patents

液晶光学素子及びその製造方法

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JPH0854634A
JPH0854634A JP20605894A JP20605894A JPH0854634A JP H0854634 A JPH0854634 A JP H0854634A JP 20605894 A JP20605894 A JP 20605894A JP 20605894 A JP20605894 A JP 20605894A JP H0854634 A JPH0854634 A JP H0854634A
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liquid crystal
polymer composite
composite film
substrate
polymer
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JP20605894A
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Tatsuya Tabei
達也 田部井
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表示品質、均一性、信頼性に優れ、量産可能
な液晶表示素子とその製造方法を提供すること。 【構成】 液晶/高分子複合膜を、少なくとも一方が透
明である一対の電極付基板間に狭持してなる液晶光学素
子において、一方の基板と液晶/高分子複合膜との間に
スペーサーを設けて空隙を形成し、該空隙に液晶層又は
樹脂層を設けたことを特徴とする液晶光学素子、及びそ
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶/高分子複合膜を
利用する液晶光学素子及びその製造方法に関し、更に詳
しくは電界や熱応答性を有し、情報の表示や記録を行う
ことが出来、調光パネル、ディスプレイ、記録媒体等に
幅広く応用することが出来る液晶光学素子及びその製造
方法を提供する。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイは、低消費電力、軽
量、薄型等の特徴を有している為、文字や画像の表示媒
体として、腕時計、電卓、パソコン、テレビ等に幅広く
用いられている。一般的なTN及びSTN型液晶ディス
プレイは、透明電極を有するガラス板間に所定のシール
等が施された液晶セル中に液晶を封入し、更に両面から
偏光板でサンドイッチされたものである。
【0003】しかしながら、上記従来の液晶ディスプレ
イは、(1)2枚の偏光板が必要な為に視野角が狭く、
又、輝度が不足している為に高消費電力のバックライト
が必要である、(2)セル厚依存性が大きく大面積化が
困難、(3)構造が複雑でセルへの液晶の封入が困難な
為に、構造コストが高い等の問題があり、液晶ディスプ
レイの軽量化、薄型化、大面積化、低消費電力化及び低
コスト化等に限界がある。この様な問題点を解決する液
晶表示媒体として、液晶を高分子マトリクス中に分散さ
せた液晶/高分子複合膜の応用が期待され、その研究開
発が活発化してきた。既に次に示す様な技術が開示され
ている。
【0004】液晶/高分子複合膜の製造方法は主として
エマルジョン法と相分離法に分類することが出来る。エ
マルジョン法には、ポリビニルアルコール(PVA)を
保護コロイドとして液晶を乳化した水溶液から作製する
方法(特表昭58−501631号公報)、液晶エマル
ジョンをラテックスと混合して水溶液から作製する方法
(特開昭60−252687号公報)、液晶を内包する
カプセルを電着塗布して作製する方法(特開平5−20
3932号公報)等が挙げられる。一方、相分離法は、
液晶とマトリクス樹脂の相分離状態を固定する方法と膜
形成時に液晶をマトリクス樹脂から相分離させる方法に
分類することが出来る。
【0005】上記エマルジョン法で作製した液晶/高分
子複合膜は、上記相分離法で作製した液晶/高分子複合
膜と比較すると以下の如き利点がある。 (1)液晶が高分子マトリックス中に粒適状に分散した
構造となる為に、膜の光散乱強度を高くすることが出来
る。 (2)液晶中に二色性色素を添加した場合、相分離法で
は高分子マトリックスまでも色素により着色されてしま
い、表示のコントラストが低下するが、エマルジョン法
の場合には、水溶性の高分子マトリックスを使用する為
にこの様な問題は生じない。 (3)大面積のディスプレイを作製することが出来る。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、エマ
ルジョン法でディスプレイを作製する場合には、一方の
基板上に液晶/高分子複合膜を形成した後に、対向電極
と液晶/高分子複合膜とを密着させる必要がある。対向
電極と液晶/高分子複合膜の間に空気等の気体が介在す
ると、駆動電圧が著しく高くなるばかりか表示品質も悪
くなる。しかしながら、エマルジョン法で作製された液
晶/高分子複合膜には表面に凹凸があり、対向電極と直
接良好に密着させることは困難であった。
【0007】この様な問題を解決する方法としては、液
晶/高分子複合膜と対向電極の間に液晶層若しくは高誘
電性液体層を設けることが提案されている(特開平2−
73217号及び特開平2−73218号公報)。この
方法では、対向電極の圧着時に過剰の高誘電性液体若し
くは液晶を、液晶/高分子複合膜を形成した領域から周
辺部にはみ出させ、しかる後に周辺部をシール剤でシー
ルしているが、この様な製造方法では、完全なシールを
行うにははみ出した液体若しくは液晶を取り除く必要が
あるし、シール剤の塗布工程も自動化が困難である為に
極めて量産性が劣っている。
【0008】従って、本発明の目的は、上記従来技術の
問題点を解決し、表示品質、均一性、信頼性に優れ、量
産可能な液晶表示素子とその製造方法を提供することで
ある。
【0009】
【問題点を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、液晶/高分子複
合膜を、少なくとも一方が透明である一対の電極付基板
間に狭持してなる液晶光学素子において、一方の基板と
液晶/高分子複合膜との間にスペーサーを設けて空隙を
形成し、該空隙に液晶層又は樹脂層を設けたことを特徴
とする液晶光学素子、及びその製造方法である。
【0010】
【作用】液晶表示素子の一方の電極付基板に所望粒径の
スペーサーを散布した後、概基板上にスペーサーの粒子
径よりも平均膜厚が小さい液晶/高分子複合膜を形成す
るか、或はスペーサーを分散させてなる液晶/高分子複
合膜形成用塗布液を、一方の電極付基板上に塗布して、
スペーサーの粒子径よりも平均膜厚が小さい液晶/高分
子複合膜を形成し、他方の基板と貼り合わせた後、液晶
/高分子複合膜と上記一方の電極との間隙に液晶又は樹
脂を充填することによって、表示品質、均一性及び信頼
性に優れ、量産可能な液晶表示素子を提供することが出
来る。
【0011】
【実施例】次に好ましい実施例を挙げて本発明を更に詳
しく説明する。本発明の液晶光学素子の構成は、図1a
及び図1bに示す様に、基本的には液晶/高分子複合膜
1を、少なくとも一方が透明である一対の電極付基板間
2,3に狭持してなる液晶光学素子Aにおいて、一方の
基板2と液晶/高分子複合膜1との間にスペーサー7を
設けて空隙4を形成し、該空隙4に液晶層又は樹脂層4
を設けたことを特徴としている。
【0012】本発明で云う液晶とは、常温付近で液晶状
態を示す有機混合物であって、好ましくはネマチック液
晶若しくはコレステリック液晶が用いられる。これらの
液晶は誘電率異方性が正でも負でもよい。尚、液晶混合
物中には二色性色素を含有させることが出来る。二色性
色素を使用する場合には液晶100重量部当たり約0.
5〜5重量部の範囲で使用することが好ましい。上記二
色性色素を含有した液晶粒子を分散固定する高分子マト
リクスとして使用される高分子材料としては、液晶及び
二色性色素と相溶性がなく、透明性及び被膜形成能に優
れた高分子材料であればいずれも使用可能である。具体
的には、液晶/高分子複合膜の形成方法に従って適当な
高分子材料が使用される。
【0013】前記液晶組成物と上記高分子マトリクスの
使用量としては、高分子マトリクス/液晶の混合比(重
量比)が5/95〜50/50であり、望ましくは10
/90〜30/70である。液晶組成物の使用量が少な
過ぎると、電圧印加時の透明性が不足するだけでなく、
膜を透明状態にする為に多大の電圧を必要とする等の点
で不十分であり、一方、液晶組成物の使用量が多過ぎる
と、電圧印加時の散乱(濁度)が不足するだけでなく、
膜の強度が低下したりするので好ましくない。
【0014】上記本発明の液晶表示素子において、一方
の電極付基板2としてアクティブ素子基板を使用した実
施例について説明する。このアクティブ素子基板2は信
号電極5を2方向から取出したTFT基板である。液晶
/高分子複合膜1は、透明電極付基板3上にシール剤6
から形成されたパターンの内側の有効表示領域に形成さ
れている。この液晶/高分子複合膜1とシール剤6との
間には間隙があってもよい。又、液晶/高分子複合膜1
とTFT基板2の間には間隙(セルギャップ)があり、
このセルギャップはスペーサー7により制御されてい
る。液晶/高分子複合膜1とシール剤6及びTFT基板
2との間に形成されている空隙には液晶4が充填されて
いる。
【0015】次に上記本発明の液晶光学素子の製造方法
を説明する。透明電極付基板3にスペーサー7を散布し
た後、該基板3上にスペーサー7の粒子径よりも平均膜
厚が小さい液晶/高分子複合膜1を、例えば、電着塗布
方法により形成し、他方のTFT基板2と貼り合わせた
後、液晶/高分子複合膜1とTFT基板2との間隙に液
晶4を注入及び充填する。ここで云うスペーサー7と
は、セルギャップを制御する目的で使用するものであっ
て、一定の径を持つ粒子或は繊維を意味し、液晶光学素
子で一般的に使用されているプラスチック粒子、ガラス
粒子、ガラスファイバー等が好適に用いられる。スペー
サー7の散布方法も同様に一般的に行われている湿式散
布及び乾式散布を使用することが出来る。
【0016】後に液晶/高分子複合膜1を形成する電着
工程で、スペーサー7が基板3から電着浴中に落下する
ことを防ぐ為に、スペーサー7は、静電気等で基板3に
付着させておいてもよいが、より確実にする為にはホッ
トメルト型の接着剤を用いる等して基板3に固着される
ことが好ましい。液晶/高分子複合膜1は、図1の様に
セルの特定領域のみに電着塗布により形成される。液晶
/高分子複合膜1を形成したくない領域、例えば、電極
端子部には、前もって電気絶縁膜(不図示)を形成して
おけばよい。この電気絶縁膜上には液晶/高分子複合膜
1が形成されないので、該絶縁膜を単に取り除くことに
よって電極端子部を露出させることが出来る。又、電極
端子部以外でも液晶/高分子複合膜1を形成したくない
領域には、同様に絶縁膜を形成したり、電極付基板3の
透明電極をパターニングすることによって、電極が無い
状態にしておいてもよい。
【0017】ここで云う電着塗布とは、液晶エマルジョ
ン塗工液中に塗布基板となる電極付基板と対向電極とを
配置して通電し、液晶粒子と高分子材料とを電気的に電
極付基板上に吸着若しくは沈着させ、次いで電着塗布さ
れた電極付基板を取り出して溶媒を乾燥除去することに
より液晶/高分子複合膜1を形成するものである。電着
塗布には、陽極上に液晶と高分子材料とを折出させるア
ニオン電着法と、陰極上に折出させるカチオン電着法が
あるが、透明金属酸化物が電極となっている電極付基板
が塗布基板として通常使用される為に、還元による透明
電極の着色を避ける為にアニオン電着法が好ましく用い
られる。液晶/高分子複合膜のポリマーマトリクスとし
て好ましく用いられるアニオン性樹脂としては、例え
ば、マレイン化油樹脂、アニオン変性ポリブタジエン樹
脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂が挙げられる。
【0018】電着塗布により液晶/高分子複合膜の作製
に使用する塗工液は、上記アニオン性樹脂の水溶液中に
液晶を乳化分散して調製することが出来る。又、形成さ
れる液晶/高分子複合膜の塗膜構造の適正化、及び液晶
/高分子複合膜への電圧配分を適正化する為に、液晶を
予めカプセル化し、これを上記アニオン性樹脂水溶液中
に分散した塗工液を用いることが特に好ましい。マトリ
クス樹脂の溶解性の向上及び平滑な塗膜を得る為に、電
着浴には通常有機溶剤が添加される。ここで用いられる
有機溶剤としてはエタノール、メタノール、イソプロパ
ノール等のアルコール類、メチルセルソルブ、エチルセ
ルノルブ等のセルソルブ類、グリコール、カービトール
等の親水性有機溶剤が好ましく用いられるが、場合によ
りキシロール、トルオール等の疎水性溶剤も使用するこ
とが出来る。
【0019】又、使用し得る電着助剤としては、液晶粒
子の分散安定性を付与する為の界面活性剤、塗膜の平滑
性を良くする為のレベリング剤、消泡剤等が挙げられ
る。又、カプセル化液晶にカルボキシル基等のアニオン
性基を持たせた場合には、カプセル自体が電気的に泳動
して電極付基板上に沈着する能力がある為にアニオン性
樹脂を使用しなくても電着可能である。この様にして電
極上に付着形成された膜は、水分、有機溶剤等の揮発性
成分を取り除く為に加熱乾燥されて、所望の液晶/高分
子複合膜となる。電極付基板3上のスペーサー7は通常
電気絶縁性である為に、スペーサー7の上には液晶/高
分子複合膜が電着することはない。電着及び乾燥後の液
晶/高分子複合膜1の状態は、図2に示す様にスペーサ
ー7が頭を少し出て埋め込まれた状態になる。
【0020】次に液晶/高分子複合膜1が形成された透
明電極付基板3とTFT基板2の2枚の基板を位置合せ
してシール剤により両者を貼り合わせる。一対の基板の
貼り合わせ及びスペーサーによって形成された空間への
液晶の注入工程は、TN型やSTN型等の従来型の液晶
素子の組立工程で用いられている方法をそのまま用いる
ことが出来る。即ち、図1aに示す様に、どちらか一方
の基板(液晶/高分子複合膜1を形成した側か、してい
ない側)に、液晶注入孔8を設けて液晶/高分子複合膜
1を包囲する様にシール剤6を塗布した後、上下基板
2,3を位置合わせして圧着し、シール剤6を熱や紫外
線により硬化させる。しかる後に液晶注入口8から液晶
を注入し、最後に注入口8を封止する。
【0021】液晶/高分子複合膜1はスペーサー7の粒
子径よりも平均膜厚が小さい為に、セルギャップは液晶
/高分子複合膜1中に散在したスペーサー7により制御
されることになる。2枚の基板の圧着時には、液晶/高
分子複合膜1と対向電極の間には空隙がある。この空隙
は注入された液晶によって満たされる。シール剤6の塗
布は、スクリーン印刷機や、ディスペンサーを用いて行
う。シール剤としては一液硬化性エポキシ樹脂、UV硬
化性樹脂等が用いられる。シール剤中にはパネルギャッ
プを確保する為に別の径のスペーサーが練り込まれてい
ることが好ましい。
【0022】液晶の注入は以下の手順で行う。先ず、上
記の組み立てたセルを減圧雰囲気下にしばらく置き、セ
ル内が充分減圧されたところで液晶注入口を液晶溜めに
接触させる。しばらく接触させた後、雰囲気を常圧に戻
していく。液晶は注入口よりセル内に注入され、セル内
の間隙を埋めていく。圧力差により小さくなったパネル
ギャップが均一になるまで数時間放置する。セル厚を制
御する為に、通常弱い圧力を加えて数〜十数時間プレス
する。その後注入口を封止する。封止は通常紫外線硬化
樹脂を用いて紫外線硬化して行う。液晶注入時には、そ
の速度を速める目的で液晶を加温又は加圧等を行っても
よい。本発明の液晶光学素子では、液晶/高分子複合膜
中の液晶が電界によりその配向方向を変化させると共
に、液晶層の液晶もその配向方向を変える。セルはその
双方の効果によりスイッチングされる。
【0023】例えば、液晶/高分子複合膜中の液晶及び
液晶層を構成する液晶が、双方ともNp液晶であり、そ
れぞれにポジ型の二色性色素が添加されている場合につ
いて説明すると、図3に示す様に電圧無印加時には液晶
/高分子複合膜中の液晶はカプセル壁面により規定され
たランダムな方向に配列している。又、液晶層中の液晶
は、液晶/高分子複合膜表面の凹凸により規定された乱
された配列をしている。液晶の屈折率の空間的ひずみ、
及び高分子マトリクスと液晶の屈折率の不整合により、
入射光は散乱されると共に、液晶中に添加された色素に
より多重に吸収される。
【0024】電圧印可時には、図4に示す様に液晶/高
分子複合膜中の液晶、及び液晶層中の液晶がいずれも電
界方向に配列する。この状態では、光の散乱効果は低く
なり、ポジ型二色性色素により光吸収は弱くなってい
る。初期状態での液晶層の液晶中の二色性色素による吸
収を高める為には、液晶がホモジニアス配向に近い方が
高くなるが、その為に、液晶/高分子複合膜と密着しな
い側の基板上に、ホモジニアス配向させる為の配向膜を
設けてもよい。本発明によれば、プラスチック基板を用
いた液晶光学素子も製造可能であるが、この場合には、
スペーサー7の散布密度はガラス基板を用いる場合より
も高いことが好ましく、数万個/cm2 が好ましい。ス
ペーサー7の粒子径は5〜15μmであり、液晶/高分
子複合膜の平均膜厚は3〜12μmで、スペーサー7の
粒子径よりも1〜4μm小さい。
【0025】本発明の別の実施例における液晶光学素子
の構成を図1a及び図1bに示す。この実施例において
は、前記実施例における液晶層に代えて樹脂層を形成す
る他は、前記実施例とほぼ同様の工程を経て本発明に液
晶光学素子が形成される。即ち、液晶/高分子複合膜1
は、シール剤6で形成されるパターンの内側の有効表示
領域に形成される。液晶/高分子複合膜1とシール剤6
との間には間隙があってもよい。又、液晶/高分子複合
膜1とTFT基板2の間には間隙があり、セルギャップ
はスペーサー7により制御されている。液晶/高分子複
合膜1とシール剤6、及びTFT基板2の間の間隙に
は、硬化性の樹脂液4が充填されている。
【0026】次に上記素子の製造方法について説明す
る。透明電極付基板3に前記スペーサー7を散布した
後、該基板3上にスペーサー7の粒子径よりも平均膜厚
が小さい液晶/高分子複合膜1を電着塗布法により形成
し、他方の基板であるTFT基板2と貼り合わせた後、
液晶/高分子複合膜1とTFT電極2の間隙に硬化性の
樹脂液4を充填した後、該硬化性樹脂液4を硬化させ
る。硬化方法としては、熱硬化法、紫外線硬化法、及び
電子線硬化法等の任意の方法が好適に用いられる。
【0027】硬化性樹脂としては透明性を有し、そのう
え樹脂層による電圧降下を低減する目的から、高誘電性
の樹脂が好適に用いられる。硬化してこの様な高誘電性
の樹脂層を形成するモノマーとしては、シアノエチル基
を有し、反応性不飽和結合を有するものが好ましく用い
られる。例えば、シアノエチルビニルエーテル、シアノ
エチルビニルアクリレート、シアノエチルメタクリレー
ト等があり、これらのモノマーは場合により共重合させ
てもよい。この様なモノマーは、光重合開始剤を添加す
れば、紫外線により重合可能である。尚、電子線により
硬化させる場合には光重合開始剤を用いる必要はない。
スペーサー7の粒子径は5〜15μmであり、液晶/高
分子複合膜1の平均膜厚は3〜12μmで、スペーサー
7の粒子径よりも1〜4μm小さい。
【0028】更に本発明は、多色の液晶/高分子複合膜
を配置したカラー液晶光学素子を製造する場合にも適用
することが出来る。ここで云う多色の液晶/高分子複合
膜とは、第1に、液晶/高分子複合膜中の液晶に2色以
上の二色性色素が添加された領域が配置されていること
であり、第2には、高分子マトリクス中に2色以上の色
素が添加された領域が配置されていることを意味する。
多色の液晶/高分子複合膜を微細な画素ごとに塗り分け
る方法としては、以下の3つの方法がある。
【0029】(1)電気絶縁性の基板上に複数の領域に
分割された導電性の膜からなる電極を設け、各電極に選
択して電圧を印加し、電圧の印加された電極上に電着塗
布法により、液晶/高分子複合膜を形成させ、前記操作
を繰り返すことにより各電極上に多色の液晶/高分子複
合膜を塗り分ける方法。 (2)導電性の基板に所定のレジストパターンを形成
し、レジスト開口部に電着塗布法により、液晶/高分子
複合膜を形成し、更にレジストの一部を所定のパターン
に除去して電極を露出させ、該露出された電極上に異な
る色相の液晶/高分子複合膜を形成する方法。 (3)表示電極とは別の基板を用い、上記(1)又は
(2)の方法によりパターニングした液晶/高分子複合
膜を表示電極付基板上に転写する方法。
【0030】上記(1)又は(2)の方法で作製された
液晶/高分子複合膜では、特に膜の断面形状が台形状に
なる為に、通常のラミネート方法で良好な表示装置を実
現することは不可能であり、本発明の効果が一層良好に
発揮される。多色のカラー液晶表示素子の場合には、光
漏れによるコントラスト低下を防ぐ為に各画素間の間隙
にいわゆるブラックマトリクスを設けてもよい。この場
合におけるブラックマトリクスの形成方法は、マイクロ
カラーフィルターにおけるブラックマトリクスの形成法
として知られている方法がそのまま適用される。
【0031】更に本発明の別の実施例としては、前記の
如きスペーサーを液晶/高分子複合膜形成用塗布液中に
所定量分散させ、この分散液を一方の電極付基板に塗布
して、スペーサーの粒子径よりも平均膜厚が小さい液晶
/高分子複合膜を形成し、他は前記方法と同様にする実
施例が挙げられる。この方法で使用する液晶/高分子複
合膜形成用塗布液は前記液晶エマルジョンであってもよ
いし、更に別の塗布液、例えば、液晶とモノマーとの混
合溶液中にスペーサーを分散させたものであってもよ
く、この場合には該塗布液を塗布後に紫外線、電子線或
は加熱等の手段でモノマーを重合させ、重合と共に液晶
の液滴を相分離させて液晶/高分子複合膜を形成する。
この場合にも塗布量を調整することによって図2に示す
様に液晶/高分子複合膜中にはこの膜の平均膜厚よりも
粒子径が大であるスペーサーが埋め込まれた状態の液晶
/高分子複合膜が形成される。
【0032】以上好ましい実施例に基づいて説明した
が、本発明は上記実施例に限定されず、例えば、液晶/
高分子複合膜の形成は電着方法や相分離方法に限定され
ず、図2に示す様に液晶/高分子複合膜中にはこの膜の
平均膜厚よりも粒子径が大であるスペーサーが埋め込ま
れた状態の液晶/高分子複合膜が形成される方法であれ
ばいずれの方法であってもよい。
【0033】又、液晶/高分子複合膜形成用塗布液の塗
布方法としては、例えば、刷毛塗り、スプレーコーティ
ング、ブレードコーティング、ドクターコーティング、
グラビアコーティング、ナイフコーティング、ワイヤー
バーコーティング等の適当な塗布方法を用いてもよい
又、液晶/高分子複合膜をパターン状に形成する必要が
ある場合には、前記方法以外にも、スクリーン印刷、メ
タルマスクを用いたステンシル印刷方法等も使用するこ
とが出来る。
【0034】又、素子基板としては、従来公知の液晶表
示素子に一般的に使用されているもの、例えば、ITO
系、SnO2 系、ZnO系の様な透明導電性材料をガラ
スや高分子フィルム等の様な透明基板に付着させた透明
電極付基板、一方の基板として不透明導電性基板を用い
る場合には、その電極が高反射率の金属、例えば、アル
ミニウム、銀、クロム、ニッケル等で表面凹凸形状を有
する反射型電極を用いることも出来る。その基板自体は
ガラス、高分子フィルム或いはその他のものであっても
よい。
【0035】
【効果】以上の如き本発明によれば、スペーサーの粒子
径よりも平均膜厚が小さい液晶/高分子複合膜を形成
し、他方の基板と貼り合わせた後、液晶/高分子複合膜
と上記一方の電極との間隙に液晶又は樹脂を充填するこ
とによって、表示品質、均一性及び信頼性に優れ、量産
可能な液晶表示素子を提供することが出来る。
【0036】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示素子を図解的に説明する図。
【図2】本発明の液晶表示素子を図解的に説明する図。
【図3】本発明の液晶表示素子の作動を図解的に説明す
る図。
【図4】本発明の液晶表示素子の作動を図解的に説明す
る図。
【符号の説明】
1:液晶/高分子複合膜 2:TFT基板 3:透明電極 4:液晶層 5:信号電極 6:シール剤 7:スペーサー 8:液晶(樹脂液)注入孔

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶/高分子複合膜を少なくとも一方が
    透明である一対の電極付基板間に狭持してなる液晶光学
    素子において、一方の基板と液晶/高分子複合膜との間
    にスペーサーを設けて空隙を形成し、該空隙に液晶層又
    は樹脂層を設けたことを特徴とする液晶光学素子。
  2. 【請求項2】 液晶層又は樹脂層の厚みがスペーサーに
    よって規定されている請求項1に記載の液晶光学素子。
  3. 【請求項3】 液晶/高分子複合膜を構成する高分子材
    料が、イオン解離性基を有する樹脂を主体とする請求項
    1に記載の液晶光学素子。
  4. 【請求項4】 一方の電極付基板上に所望粒径のスペー
    サーを散布した後、該基板上にスペーサーの粒子径より
    も平均膜厚が小さい液晶/高分子複合膜を形成し、他方
    の基板と貼り合わせた後、液晶/高分子複合膜と上記一
    方の電極との間隙に液晶又は樹脂を充填することを特徴
    とする液晶光学素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 スペーサーを分散させてなる液晶/高分
    子複合膜形成用塗布液を、一方の電極付基板上に塗布し
    て、スペーサーの粒子径よりも平均膜厚が小さい液晶/
    高分子複合膜を形成し、他方の基板と貼り合わせた後、
    液晶/高分子複合膜と上記一方の電極との間隙に液晶又
    は樹脂を充填することを特徴とする液晶光学素子の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 液晶/高分子複合膜を電着法又は他の塗
    布方法によって形成する請求項4又は5に記載の液晶光
    学素子。
  7. 【請求項7】 樹脂層を、硬化性液状樹脂を注入後硬化
    させて形成する請求項4又は5に記載の液晶光学素子の
    製造方法。
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