JPH10301115A - 液晶表示素子及びその製造方法 - Google Patents

液晶表示素子及びその製造方法

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JPH10301115A
JPH10301115A JP10496897A JP10496897A JPH10301115A JP H10301115 A JPH10301115 A JP H10301115A JP 10496897 A JP10496897 A JP 10496897A JP 10496897 A JP10496897 A JP 10496897A JP H10301115 A JPH10301115 A JP H10301115A
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liquid crystal
resin
control film
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crystal display
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JP10496897A
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Hideki Uchida
秀樹 内田
Kazuhiko Tamai
和彦 玉井
Mitsuhiro Shigeta
光浩 繁田
Hideji Saneyoshi
秀治 実吉
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Sharp Corp
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UK Government
Sharp Corp
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    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/1333Constructional arrangements; Manufacturing methods
    • G02F1/1339Gaskets; Spacers; Sealing of cells
    • G02F1/13394Gaskets; Spacers; Sealing of cells spacers regularly patterned on the cell subtrate, e.g. walls, pillars
    • GPHYSICS
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    • G02F1/1333Constructional arrangements; Manufacturing methods
    • G02F1/1337Surface-induced orientation of the liquid crystal molecules, e.g. by alignment layers
    • G02F1/133711Surface-induced orientation of the liquid crystal molecules, e.g. by alignment layers by organic films, e.g. polymeric films

Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一なセル厚を有すると共に、一対の基板が
強固に接着されることによって十分な耐ショック性と良
好な表示品位とを備えた液晶表示素子を提供する。 【解決手段】 一対の基板10・20とスペーサ6とを
有し、一対の基板10・20間に液晶7を封入する液晶
表示素子において、一対の基板10・20の配向制御膜
5a・5bの少なくともいずれかに有機系樹脂を混入ま
たは散布する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子及び
その製造方法に関するものであり、特に、液晶表示素子
において、均一なセル厚、十分な耐ショック性、および
良好な表示品位を実現するための構造および製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、少なくとも電極を備えた一対の基
板を、電極が形成された面が内側になるように互いに貼
り合わせ、その間隙に液晶を封入してなる液晶表示素子
が知られている。
【0003】このような液晶表示素子は、外圧による基
板の変形などにより、対向する基板間の厚みが変化する
と、液晶分子の配向乱れ、電極のリークによる閾値電圧
の変化などが生じ、良好な表示が不可能になる。
【0004】このため、上記一対の基板の間隔を一定に
保つためのスペーサを基板間に配置することが従来から
知られており、一般的には、(1)球状の粒子を散布す
る方法、(2)有機系または無機系の柱状の壁を形成す
る方法、のいずれかが採用されている。
【0005】近年、液晶材料として、強誘電性液晶が注
目されている。強誘電性液晶は、自発分極を有するので
高速応答が可能であり、平面上のスイッチングによって
視野角の依存性がないなどの優れた性質を持つ。しか
し、この反面、分子の規則性がより結晶に近い構造を持
つため、外圧により分子の規則性が乱されると元に戻ら
ない、つまり衝撃に対して弱いという問題を有してい
る。
【0006】このため、強誘電性液晶を用いた液晶表示
素子に適用するスペーサとしては、上記(2)の方法が
有力な候補であると考えられている。具体的には、ポリ
イミドタイプ、あるいは完全にイミド化したポリアミッ
ク酸タイプの配向制御膜を形成し、その上にスペーサを
形成する、またはスペーサを形成した後、上記配向制御
膜を形成し、ラビング処理の後に貼り合わせる方法が知
られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
液晶表示素子においては、セル厚を一定に保つ方法とし
て上記(1)(2)の2つの方法があるが、それぞれ以
下の問題があった。
【0008】(1)の方法では、一対の基板を貼り合わ
せた後の液晶注入工程、あるいは液晶表示素子使用時の
温度変化、設置状態によってスペーサが流動し、粒子の
配置を制御することが困難であり、必ずしも均一な散布
状態を保つことができないといった問題があった。ま
た、昼夜、あるいは季節による温度変化と基板の収縮に
よって一対の基板間に気泡が発生するおそれがある。こ
のため、セル厚を一定に固定することができず、表示む
らなどの表示品位の低下を招いてしまう。また、この方
法では、(2)の方法に比べて、液晶の流動が大きく外
圧に対して強度が弱いといった欠点もあった。
【0009】一方、(2)の方法では、一対の基板間の
接着力がない、あるいは接着してもすぐにはがれるなど
の問題があった。これは、接着部分となる配向制御膜表
面がイミド化物である場合、樹脂そのものの接着力がほ
とんどないことに基づいている。対向する一対の基板の
接着面がスペーサを構成する樹脂と配向制御膜の場合、
樹脂自身に接着力があるものであれば一対の基板は接着
するがはがれやすい。また、スペーサ自身が接着力を持
たない無機系または有機系樹脂の柱の場合、一対の基板
は接着しない。
【0010】このように、接着力が不十分な場合には、
セル厚の均一性に悪影響を及ぼし、表示品位を低下させ
る。また、接着力が不十分な場合、一対の基板間に隙間
が生じ、液晶移動が容易になり外圧に対する強度が著し
く低下してしまう。
【0011】本発明は、このような従来の問題を解決す
べくなされたもので、均一なセル厚を有すると共に、一
対の基板が強固に接着されることによって十分な耐ショ
ック性と良好な表示品位とを備えた液晶表示素子を提供
することを目的としている。
【0012】また、本発明は、球状スペーサを用いた場
合にもスペーサの流動がなく、球状スペーサを用いた従
来の素子に比べて外圧に対する耐ショック性を強化した
液晶表示素子を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る液
晶表示素子は、上記の課題を解決するために、少なくと
もいずれかが光透過性を有する一対の基板と、該基板間
の厚さを一定に保つスペーサとを備え、該基板間に液晶
を封入してなる液晶表示素子において、上記一対の基板
の少なくともいずれかが配向制御膜を備えると共に、該
配向制御膜に有機系樹脂を混入したことを特徴としてい
る。
【0014】上記の構成によれば、基板間の厚さ、即ち
セル厚は、スペーサにより一定に保たれている。このス
ペーサは、球状のものであっても他の形状のものであっ
てもよいのだが、例えば球状スペーサの場合、従来の構
成では、上述のように温度変化や設置位置によってスペ
ーサが流動し、均一な散布状態を保持することができな
い。これに対して、本発明の構成では、有機系樹脂を混
入することで、配向制御膜に接着性が付与されており、
スペーサと配向制御膜とを接触して配した構成にあって
は、配向制御膜が接着性を有することから、スペーサを
配向制御膜の表面に接着させ固定することができる。
【0015】また、一対の基板がともに配向制御膜を有
し、かつこれら配向制御膜同士の一部が接触して配され
る構成にあっては、少なくとも一つの配向制御膜が接着
性を有することから、該配向制御膜同士を相互に接着さ
せることが可能になる。
【0016】従って、温度変化や設置位置によってスペ
ーサが流動することがなくなり、均一なセル厚を得るこ
とができる。また、基板の機械的な強度も向上するた
め、外圧に対する耐ショック性も向上させることができ
る。このように、配向制御膜に有機系樹脂を混入して接
着性を持たせることで、セル厚の均一性及び耐ショック
性に優れ、むらのない表示品位を実現する液晶表示素子
を提供することができる。
【0017】請求項2の発明に係る液晶表示素子は、上
記の課題を解決するために、少なくともいずれかが光透
過性を有する一対の基板と、該基板間の厚さを一定に保
つスペーサとを備え、該基板間に液晶を封入してなる液
晶表示素子において、上記一対の基板の少なくともいず
れかが配向制御膜を備えると共に、該配向制御膜の上に
有機系樹脂を散布したことを特徴としている。
【0018】上記の構成によれば、有機系樹脂が配向制
御膜の表面上に散布されているので、スペーサを配向制
御膜の表面に固定することができる。即ち、接着性を有
する有機系樹脂が配向制御膜とスペーサとを接着させる
ことにより、スペーサは配向制御膜の表面に固定され
る。なお、有機系樹脂に接着性を持たせるためには、例
えば所定の樹脂に熱を加えたり、あるいは紫外線を照射
するなどすればよい。有機系樹脂の熱特性または光特性
を利用した方法で接着性を付与あるいは強化させること
で、より強力な接着性を得ることができる。
【0019】また、一対の基板がともに配向制御膜を有
し、かつこれら配向制御膜同士の一部が接触して配され
る構成にあっては、少なくとも一つの配向制御膜の表面
上に有機系樹脂が散布されていることから、該配向制御
膜同士を相互に接着させることが可能になる。
【0020】これにより、温度変化や設置位置によって
スペーサが流動することがなくなり、均一なセル厚を得
ることができる。また、基板の機械的な強度も向上する
ため、外圧に対する耐ショック性も向上させることがで
きる。このように、配向制御膜の表面に有機系樹脂を散
布し接着性を持たせることで、セル厚の均一性及び耐シ
ョック性に優れ、むらのない表示品位を実現する液晶表
示素子を提供することができる。
【0021】請求項3の発明に係る液晶表示素子は、上
記の課題を解決するために、請求項1または2の構成に
おいて、上記有機系樹脂として微粒子を混入または散布
したことを特徴としている。
【0022】上記の構成によれば、接着力を得るための
有機系樹脂として、微粒子を用いることとし、この微粒
子を配向制御膜に混入するか、若しくは配向制御膜の表
面に散布する。これにより、スペーサと配向制御膜、あ
るいは配向制御膜と配向制御膜同士とを接着させ、また
はその接着力を強化させる。
【0023】請求項4の発明に係る液晶表示素子は、上
記の課題を解決するために、請求項1〜3のいずれかの
構成において、上記スペーサは、上記一対の基板の少な
くとも一方に柱状若しくは壁状に設けられており、該ス
ペーサの上面若しくは該スペーサの上面を覆うように配
された配向制御膜と他方の基板の配向制御膜とが接着す
ることにより、上記一対の基板が相互に貼り合わされて
いることを特徴としている。
【0024】上記の構成によれば、均一な高さを有する
柱状若しくは壁状のスペーサによって均一な間隔を保ち
つつ、上記一対の基板が貼り合わされる。また、これら
一対の基板の接着面は、配向制御膜とスペーサ材料、あ
るいは、スペーサ材料を覆うように配向制御膜を形成し
た場合には配向制御膜同士であり、これら表面の接着力
の有無によって当該一対の基板の接着性が決まる。
【0025】上記のように、本発明の液晶表示素子で
は、有機系樹脂が少なくとも一つの配向制御膜に混入さ
れているか、若しくは一つの配向制御膜の表面に散布さ
れているので、一対の基板の接着性に優れた素子を作製
することができる。また、上記構成では、セル厚の制御
も容易である。
【0026】請求項5の発明に係る液晶表示素子は、上
記の課題を解決するために、請求項1〜4のいずれかの
構成において、上記液晶が、強誘電性液晶であることを
特徴としている。
【0027】上記の構成によれば、強誘電性液晶が用い
られており、この強誘電性液晶は、自発分極を有しメモ
リー性を有することによって高速応答が可能になるた
め、例えば、大容量かつ高精細な画像の表示が可能な液
晶表示素子を提供することができる。
【0028】強誘電性液晶は、例えばネマティック液晶
と比較すると分子配列が結晶に近いので、外圧により分
子の配向規則が一旦乱されると元の状態に戻りにくい、
つまり、衝撃に弱いという欠点を有しているが、上記の
構成によれば、十分な基板強度が実現されているために
上記の欠点が解消され、この結果、強誘電性液晶の優れ
た特性が発揮された液晶表示素子を提供することが可能
になる。
【0029】請求項6の発明に係る液晶表示素子は、上
記の課題を解決するために、請求項1〜5のいずれかの
構成において、上記有機系樹脂が、熱硬化性樹脂である
ことを特徴としている。
【0030】上記の構成によれば、熱硬化性樹脂が用い
られており、この熱硬化性樹脂は、熱によって硬化反応
が促進され、その重合度、架橋度に従い硬化する樹脂で
ある。この特性を利用して、配向制御膜を形成する際に
行う焼成を低温、基板を貼り合わせる際に行う焼成温度
を高温に設定すると、一対の基板を重ね合わせた段階で
は、硬化が不十分で一対の基板は融着した状態になる。
さらに貼り合わせ時に高温にすることで樹脂の反応が進
み、一対の基板間でも反応が進むことで強い接着力を得
ることができる。その結果、セル厚が均一で機械的強度
の強い表示素子を作製することができる。
【0031】請求項7の発明に係る液晶表示素子は、上
記の課題を解決するために、請求項1〜5のいずれかの
構成において、上記有機系樹脂が、紫外線硬化型樹脂で
あることを特徴としている。
【0032】上記の構成によれば、紫外線硬化型樹脂が
用いられており、この紫外線硬化型樹脂は、紫外線を照
射することによって硬化反応が促進され、その重合度、
架橋度に従い硬化する樹脂である。この特性を利用し
て、基板の貼り合わせの際に熱を加えなくとも紫外線を
照射することによって反応が進み、接着力を得ることが
できる。何度も熱を加えることによってひずみなどが生
じる基板や、基板構成部位などを持つ場合や、配向制御
膜の特性が変わってしまうものなどに、極めて有効な方
法といえる。
【0033】なお、紫外線硬化タイプといっても熱を加
えることで重合度をより完全にする樹脂も多く、このよ
うな樹脂の場合では、貼り合わせ工程時にも熱を加えて
やるとよい。このように、紫外線硬化タイプの樹脂を用
いることで、セル厚の均一で機械的強度の強い表示素子
を提供することができる。
【0034】請求項8の発明に係る液晶表示素子は、上
記の課題を解決するために、請求項1〜5のいずれかの
構成において、上記有機系樹脂が、熱可塑性樹脂であ
り、その軟化点が、上記一対の基板間に注入される上記
液晶のIso 相相転移温度以上かつ上記スペーサの材料の
軟化点以下であることを特徴としている。
【0035】上記の構成によれば、熱可塑性樹脂が用い
られており、この熱可塑性樹脂は、熱を加えることで軟
化する樹脂である。この特性を利用して、貼り合わせ工
程時に樹脂の軟化点まで温度を上昇させる。接着表面
は、樹脂が軟化することで融着した状態になる。その
後、ゆっくり冷却することで、樹脂は元の硬度となり接
着する。
【0036】熱可塑性樹脂を用いた場合の利点は、貼り
合わせ工程時の諸条件(温度、プレス圧、プレス時間な
ど)が不十分で接着が完全でなかったとき、再度やり直
しが可能であることである。つまり、熱硬化性タイプの
樹脂では、一旦重合し硬化してしまった場合、温度を元
に戻しても樹脂の架橋度、硬度は硬化したままで元の状
態に戻ることができない。これに対して、熱可塑性タイ
プの樹脂では一度貼り合わせに失敗しても、再加熱する
ことで再軟化し、もう一度貼り合わせ工程を行うことが
できる。これは、良品率を考えたときに非常に有利であ
る。
【0037】ただし、このタイプの樹脂では、軟化点が
低い場合、液晶の注入工程の加熱の際に樹脂と液晶が混
入してしまい、液晶の特性に悪影響を及ぼす。また、ス
ペーサや他の液晶素子構成部位に比べて軟化点が高い場
合には、樹脂が軟化する前に他の部位が軟化し、液晶素
子を形成できなくなる。これらのことから、配向制御膜
中に混入する熱可塑性樹脂の条件として、樹脂の軟化点
が、注入される液晶のIso 相相転移温度以上かつスペー
サ材料の軟化点以下であることが望ましい。この条件を
満たした熱可塑性樹脂を用い接着温度を規定すること
で、セル厚が均一で機械的強度の強い表示素子を提供す
ることができる。
【0038】請求項9の発明に係る液晶表示素子は、上
記の課題を解決するために、請求項1〜5のいずれかの
構成において、上記有機系樹脂として、互いに特性の異
なる2種類以上の樹脂の混合物を混入または散布したこ
とを特徴としている。
【0039】上記の構成によれば、特性の異なる2種類
以上の樹脂が用いられており、各樹脂の長所を利用して
有利な効果を得ることが可能である。例えば、混入また
は散布する樹脂を、熱硬化性樹脂と紫外線硬化型樹脂の
混合物にした場合、加熱による接着力と紫外線照射によ
る接着力を調整しながら、望むべく接着力を得ることが
できる。このような構成は、例えば加熱する温度や時
間、照射できる紫外線量が限られている場合に、熱硬化
性樹脂と紫外線硬化型樹脂のブレンド比を調整すること
で限られた条件下で十分な接着力を得ることができる。
【0040】また、混入・散布する樹脂を、熱硬化性樹
脂と熱可塑性樹脂の混合物にした場合、熱硬化で接着さ
せプレスむらや熱のむらで均一に硬化できなかった場合
に、熱可塑性樹脂の再生効果を利用して再加熱すること
で均一な接着力が得られなかった部分を接着させること
ができる。つまり、熱硬化性樹脂のみで生じる貼り合わ
せの不良パネルも、熱可塑性樹脂をブレンドさせること
で再生させることができ、良品率の向上に効果的であ
る。
【0041】このように、2種類以上の特性の異なる樹
脂を混入させることで接着力を向上させたり、一つの樹
脂のみで生じる欠点や不良を軽減・解消することがで
き、精度の高い液晶素子を作製することができる。な
お、樹脂のブレンド例として2例を示したが、勿論これ
に限らず、3種類以上のブレンドでもよいし、同一種類
であって、例えば硬化温度の異なる熱硬化性樹脂の複数
ブレンドでもよい。素子を作製する上で制限される条件
下でもっとも効果的な接着力を持たせるようなブレンド
を行えばよい。
【0042】請求項10の発明に係る液晶表示素子は、
上記の課題を解決するために、請求項3〜5のいずれか
の構成において、上記微粒子は、内側を構成する第1の
樹脂と該第1の樹脂を被覆する第2の樹脂とを含んでお
り、上記第1の樹脂の軟化点が上記第2の樹脂の軟化点
より低いことを特徴としている。
【0043】上記の構成によれば、上記有機系樹脂の微
粒子として、例えば図7(a)に示すような、内側の樹
脂とこれを覆う外側の樹脂とからなる二重構造の微粒子
が用いられる。ここで、内側の樹脂の軟化点をTa、外
側の軟化点をTbとすると、Ta<Tbである。
【0044】上記微粒子を、配向制御膜中に混入、また
は配向制御膜の表面上に散布させ、例えば壁状スペーサ
を介して一対の基板を貼り合わせる。このときの温度T
をTa<T<Tbに設定すると、温度Tでは内側の樹脂
は軟化しているが外側の樹脂は軟化していない。それゆ
え、外観上は微粒子そのものの形状を保っている。この
条件で一対の基板を貼り合わせた場合、図8に模式的に
示すように、壁状のスペーサに対応する領域では圧力に
よって外側の殻の部分が割れ内側の軟化した樹脂があふ
れ出てくることでスペーサ部と配向制御膜表面が接着さ
れることになる。一方、スペーサに対応しない部分で
は、樹脂は圧力を受けず樹脂そのものの形状を保ったま
まである。
【0045】このような微粒子を用いる利点は、スペー
サ部分と接しない配向制御膜の表面上に軟化した樹脂が
広がらないことにある。画素表面に樹脂を散布させた場
合では、樹脂の種類と散布率によっては貼り合わせ時に
配向制御膜の表面上に樹脂が広がってしまい、配向処理
を施した配向制御膜の効果を低下させる可能性がある。
これに対して、例えば上記二重構造の樹脂を用いること
により、接着部分以外の場所では樹脂が広がることもな
く、配向制御膜の効果に悪影響を及ぼさない。このよう
に、二重構造の樹脂等を使用することによって接着性を
持ちつつも配向性に悪影響を及ぼさない液晶セルを提供
することができる。
【0046】また、請求項11の発明に係る液晶表示素
子の製造方法は、上記の課題を解決するために、請求項
4記載の液晶表示素子の製造方法であって、上記一対の
基板の一方の基板上に、上記スぺーサを柱状若しくは壁
状に形成する第1の工程と、上記スペーサ及び上記一方
の基板を覆うように配向制御膜を形成する第2の工程と
を含むことを特徴としている。
【0047】上記の方法によれば、第1の工程において
一方の基板上にスペーサが形成される。なお、上記工程
の前あるいは後に、必要に応じて基板上に電極、遮光膜
等を形成することができる。
【0048】その後、第2の工程において、スペーサと
必要に応じて電極等が形成された基板とを覆うように、
配向制御膜が形成される。なお、配向制御膜を形成する
前に基板上を覆うように絶縁膜を形成し、その後に配向
制御膜を形成することとしても勿論よい。
【0049】このように、配向制御膜に先立ってスペー
サの形成を行うことにより、スペーサ形成工程で用いら
れる溶剤により配向制御膜が汚染されたり損傷されるこ
とが防止できる。これにより、むらのない良好な表示品
位を持った液晶表示素子を提供することができる。
【0050】また、スペーサ及び配向制御膜の形成の際
に焼成工程を含む場合には、配向制御膜の焼成温度より
も高い焼成温度を必要とするスペーサ材料を使用するこ
とが可能となるという利点も有する。
【0051】請求項12の発明に係る液晶表示素子の製
造方法は、上記の課題を解決するために、請求項4記載
の液晶表示素子の製造方法であって、上記一対の基板の
一方の基板上に、配向制御膜を形成する第1の工程と、
上記配向制御膜上に、上記スぺーサを柱状若しくは壁状
に形成する第2の工程とを含むことを特徴としている。
【0052】上記の方法によれば、配向制御膜の上にス
ペーサが形成される。なお、配向制御膜の形成工程の前
あるいは後に、必要に応じて基板上に電極、遮光層、ま
たは絶縁層等を形成することができる。
【0053】このように形成することにより、一対の基
板の接着面は、有機系樹脂を混入・散布した配向制御膜
表面とスペーサになる。有機系樹脂が混入・散布されて
いない配向制御膜では、それ自身接着性を持たない(例
えばポリイミドタイプの配向制御膜)か、あるいはあっ
ても小さいものが多いので、対向するスペーサの材質自
身が接着性を持つかどうかに一対の基板の接着力が依存
する。スペーサ材料が無機系材料の場合、そのもの自体
が接着力をほとんど持たないため、上下基板は接着しな
い。また、スペーサ材料が有機系樹脂の場合でも、接着
力が不足するものが多く、十分な接着力を得ることがで
きない。
【0054】これに対して、本発明の素子では配向制御
膜自体に接着力を持たせているためスペーサの材料に関
わらず一対の基板が接着する。また、元々接着力を持つ
配向制御膜、あるいはスペーサ材料では、接着力をさら
に強力なものにすることができる。このように、上記の
方法によって、一対の基板の十分な接着が得られた、セ
ル厚の制御、表示品位、耐ショック性に優れた表示素子
を製造することができる。
【0055】請求項13の発明に係る液晶表示素子の製
造方法は、上記の課題を解決するために、請求項1また
は2記載の液晶表示素子の製造方法であって、上記配向
制御膜を上記一対の基板の少なくともいずれかに形成す
る際に、該配向制御膜を焼成する第1の工程と、上記一
対の基板を貼り合わせる際に、上記配向制御膜を焼成す
る第2の工程とを含むことを特徴としている。
【0056】上記の方法によれば、配向制御膜の形成時
に焼成を行う第1の工程と、基板の貼り合わせ時に焼成
を行う第2の工程とを含む。即ち、配向制御膜の形成時
に第1回目の焼成を行い、必要に応じてラビング処理等
を施した後に、貼り合わせ工程において第2回目の焼成
を行う。この方法により、上記配向制御膜に接着性を持
たせることができる。
【0057】つまり、配向制御膜に接着性を持たせる方
法としては、(1)接着表面において反応基の高分子化
反応によって対向した表面同士が化学結合され両基板が
接着する、(2)上記有機系樹脂において未反応基であ
る、あるいは内在的に含まれている水酸基、水素基によ
って、対向した接着表面が分子間力結合によって結合
し、接着する、(3)対向した接着表面が融着する、の
ような接着のモードが考えられる。上記した二段階焼成
のプロセスによって、これらの接着モードを利用して一
対の基板に十分な接着力を持たせることができ、セル厚
の均一性、表示品位に優れた液晶表示素子を提供するこ
とができる。
【0058】上記二段階焼成の温度設定については、用
いられる樹脂の特性によって適正な接着強度が得られる
ように設定すればよく、はじめの焼成温度が低い場合高
い場合あるいは同一の場合など様々なプロセスが考えら
れる。
【0059】
【発明の実施の形態】
〔実施形態1〕本発明の実施の一形態について図1及び
図2に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0060】図1は、本実施形態に係る液晶表示素子の
概略構成を示す断面図である。本液晶表示素子は、一対
の基板10・20を備えており、これら一対の基板10
・20を対向させて貼り合わせ、その間隙に液晶7を封
入した構成である。なお、液晶7としては、強誘電性液
晶を用いている。
【0061】基板10は、絶縁性基板1aと、互いに平
行に配された複数の電極2aと、遮光膜3aとを備えて
いる。また、遮光膜3aに沿って壁状のスペーサ6が形
成されている。そして、これらを覆うように、絶縁膜4
a及び配向制御膜5aが順次形成されている。
【0062】基板20は、絶縁性基板1bと、互いに平
行に配された複数の電極2bと、絶縁膜4bと、絶縁膜
4bの表面に積層された配向制御膜5bとにより構成さ
れている。
【0063】上記の絶縁性基板1a・1bは、ガラスあ
るいはプラスティックなどの透明材料からなる。電極2
a・2bの材料としては、インジウム錫酸化物(IT
O)が一般的に用いられるが、この限りではなく、透過
型液晶表示素子として構成する場合は透明であればよ
い。また、反射型液晶表示素子として構成する場合は、
電極2a・2bのいずれか一方が透明でなくてもよい。
【0064】遮光膜3aはSi膜などにより実現される
が、不透明であれば、無機材料や有機樹脂などの種々の
材料を適用できる。
【0065】また、後述するように、配向制御膜5aに
は、有機系樹脂が混入されており、これにより、接着力
が付与され、一対の基板10・20を強固に貼り合わ
せ、接着できるものとなっている。
【0066】次に、本実施形態の液晶表示素子の製造工
程について説明する。
【0067】まず、ガラス等からなる絶縁性基板1aの
表面に、スパッタ法によりITOを1000Åの膜厚で成膜
する。さらに、このITO膜の表面にフォトレジストを
スピンコートし、フォトリソグラフィー法により、電極
2aをパターニングする。ここで、フォトレジストを剥
離せずに残しておくと、図2(a)に示すように、パタ
ーニングされた電極2a上に、剥離せずに残しておいた
フォトレジスト8aが重なった状態となる。
【0068】この後、スパッタ法で基板全体にSiを10
00Åの膜厚で成膜し、リフトオフすることにより、図2
(b)に示すように、隣合う電極2a・2aの間に遮光
膜3aを形成できる。
【0069】なお、ここでは、遮光膜3aの材料として
Siを用い、遮光膜3aのパターニング法としてリフト
オフ法を用いたが、この他の材料及び方法を用いること
も可能である。例えば、遮光膜3aの材料として、有機
材料や、エッチングが容易な無機材料を用いる場合に
は、電極2aをパターニングした後に遮光膜3aをパタ
ーニングする方法、あるいはこの逆に、遮光膜3aをパ
ターニングした後に電極2aをパターニングする方法を
用いてもよい。
【0070】次に、電極2a及び遮光膜3aの表面に、
紫外線硬化型樹脂を、後述する焼成を行った後の膜厚が
1.5μmになるように、スピンコート法で塗布する。
次に、フォトマスクを用いて、この紫外線硬化型樹脂を
パターニングし、電極2aに重ならないようにストライ
プ状に形成する。その後、200℃で1時間の焼成を行
うことにより、図2(c)に示すように、遮光膜3a上
に、電極2aに沿った壁状のスペーサ6が形成される。
【0071】なお、スペーサ6の材料となる紫外線硬化
型樹脂としては、例えば新日鐡化学社製の商品名V25
9−PA等を用いることができるが、他社の同様な紫外
線硬化型樹脂を用いてもよい。あるいは、フォトレジス
トとの組合せに応じて、無機材料や有機系の樹脂を用い
てもよい。
【0072】また、ここでは、スペーサ6を、電極2a
と重ならず、遮光膜3a上に位置するストライプ状に形
成したが、スペーサ6の形状はこれに限定されるもので
はない。例えば、電極2aの長手方向に沿って複数の円
柱が断続的に並ぶように形成してもよい。あるいは角柱
状としてもよい。
【0073】次に、上述のようにスペーサ6が形成され
た基板に、絶縁膜材料をスピンコート法により塗布し、
図2(d)に示すように、均一な表面を有する絶縁膜4
aを形成する。なお、上記の絶縁膜材料としては、例え
ば日産化学社製の商品名A2014等を用いることがで
きる。
【0074】続いて、上記絶縁膜4a上に、後述する配
向制御膜材料を、スピンコート法によって塗布し、所定
温度で焼成する(なお、この焼成温度を、以下では「膜
形成時温度」という。)。さらに、この塗布膜に対して
ラビング配向処理を行うことにより、図2(e)に示す
ように、配向制御膜5aが形成される。
【0075】なお、上記配向制御膜5aには、後述する
ように、一対の基板10・20の接着性を高めるため
に、所定の有機系樹脂が混入されている。
【0076】以上の工程により、基板10が完成する。
【0077】一方、基板20については、絶縁性基板1
b上に、基板10側と同様の工程によって電極2b、遮
光膜(図示せず)、絶縁膜4b、及び配向制御膜5bを
順次形成する。
【0078】なお、この実施形態では、絶縁膜4a・4
b、配向制御膜5a・5b、及びスペーサ6のそれぞれ
の材料を基板に塗布する際に、スピンコート法を用いて
いるが、この方法の他に、例えば、ロールコート法や印
刷法によって材料を塗布してもよい。
【0079】次に、基板10・20を、配向制御膜5a
・5bのラビング方向が同一になるように対向配置し、
後述する所定条件下で焼成しつつ、相互に貼り合わせ、
接着させる(なお、この焼成温度を、以下では「貼り合
わせ時温度」という。)。
【0080】その後、基板10・20の間隙に液晶7と
して強誘電性液晶を封入すれば、本実施形態の液晶表示
素子が完成する。
【0081】以上の工程で作製した液晶表示素子(液晶
セル)は、セル厚を0.1μm以内の精度で均一化でき
た。また、画素表示部において均一な配向とスイッチン
グ特性を得ることができた。
【0082】また、上記工程により実際に液晶表示素子
を作製するに際しては、配向制御膜5aに混入する有機
系樹脂の混入量、膜形成時温度や貼り合わせ時温度、紫
外線照射の有無等の条件を様々に変更して多数のセルを
作製し、各素子の接着性等の特性を評価した。以下で
は、これらの実施例について説明する。
【0083】なお、樹脂混入の効果を確かめるために、
配向制御膜5aに樹脂を混入しないほかは本実施形態と
同一のセルを、比較例として作製した。
【0084】上記比較例の作製においては、配向制御膜
5aの膜形成時温度を120℃、貼り合わせ時温度を1
80℃とした。また、注入する液晶7としては、メルク
社製の商品名SCE8を用いた。このように作製した本
比較例の特性を以下の表1に示す。
【0085】
【表1】
【0086】一方、本実施例では、配向制御膜5aに対
して、種々の体積濃度に樹脂を混入し、セルを作製し
た。液晶7は、いずれの場合にも上記のSCE8を用い
た。配向制御膜5aとしては、ポリイミドタイプの配向
制御膜を用い、具体的には、日本合成ゴム社製の商品名
AL5417を用いた。また、混入する樹脂としては、
熱・紫外線硬化型樹脂を用い、具体的には、新日鐡化学
社製の商品名V259−PAを用いた。また、樹脂の混
入量として、体積濃度で0.05%、0.1 %、1%、3%、
5%、及び7%の6種類を作製した。さらに、配向制御
膜5aの膜形成時温度を120℃,150℃、及び18
0℃、貼り合わせ時温度を、室温(25℃)、120
℃、及び180℃の各温度で実験した。
【0087】上記のようにして作製した各セルの接着性
等をそれぞれ評価した。また、紫外線の照射の有無につ
いても実験した。ここで、配向性の評価として、定量化
するため強誘電性液晶の特徴であるメモリー角を測定
し、この角度の変化を中心に配向性を評価した。以下で
は、これらの各結果について説明する。
【0088】(1) 混入量と接着力 配向制御膜5aの膜形成時温度を120℃、貼り合わせ
時温度を180℃として、樹脂混入量と接着力並びに配
向性との関係を調べた。その結果を以下の表2に示す。
【0089】
【表2】
【0090】比較例と対比すると、接着性は樹脂の混入
量が0.1 %になると発現し、混入量が増えると接着力も
増強する。それにつれて機械的強度も増すことがわか
る。配向性については、混入量が増すにつれメモリー角
が減少し、配向性がおちる傾向にある。本実施例の場
合、最適な樹脂の混入量は1%であり、このとき、配向
性に影響を与えず、機械強度にも優れた液晶表示素子を
提供することができる。
【0091】(2) 膜形成時温度及び貼り合わせ時温
度と接着性との関係 樹脂の混入量を1%として、種々の膜形成時温度及び貼
り合わせ温度でセルを作製し、その接着性を調べた。そ
の結果を以下の表3に示す。
【0092】
【表3】
【0093】上記の結果より、膜形成時温度に対して貼
り合わせ時温度を同一若しくはそれ以上の温度とするこ
とで、強い接着力を発現させることができる。また、本
実施例で用いた樹脂は、熱・紫外線硬化型樹脂であり、
膜形成時温度と貼り合わせ時温度との差をもたせること
で、より強い機械的強度を得ることができる。
【0094】(3) 紫外線照射と接着性 樹脂の混入量を1%、膜形成時温度を120℃とし、室
温中で上下基板(基板10・20)を貼り合わせ、紫外
線(G,I線)を1000mJ照射した。紫外線を照射しな
い場合、接着力は弱かったが、照射した場合には接着力
は強化した。
【0095】上記の実施例と比較例とから、もともと接
着性を有さない配向制御膜同士を接着させる場合、少な
くとも一方に樹脂を混入して接着性をもたせ、これによ
り両者を接着させることでセル厚が均一で機械的強度の
強い液晶表示素子が得られることが確認された。
【0096】以上のように、本実施形態の液晶表示素子
では、少なくとも配向制御膜5aに有機系樹脂を混入さ
せることで、基板10・20を強固に接着させることが
でき、その結果、均一なセル厚、十分な耐ショック性、
及び良好な表示品位を得ることができる。
【0097】また、本実施形態では、スペーサ6の材料
として、その焼成温度が絶縁膜4aの焼成温度よりも高
い材料を適用することができるので、スペーサ材料の選
択幅が広がるという利点がある。
【0098】なお、上記のプロセスでは、基板10側の
みにスペーサ6を設けたが、これに限らず、基板10及
び基板20の双方にスペーサを形成した後にこれらの基
板を貼り合わせるようにしてもよい。
【0099】〔実施形態2〕本発明の他の実施形態につ
いて図3及び図4に基づいて説明すれば、以下の通りで
ある。尚、説明の便宜上、上述の実施形態の図面に示し
た部材と同一の部材には同一の符号を付記し、その説明
を省略する。
【0100】図3は、本実施形態に係る液晶表示素子の
概略構成を示す断面図である。
【0101】上記液晶表示素子は、実施形態1で説明し
た基板10の代わりに、基板11を備えている。基板1
1は、実施形態1で説明した絶縁性基板1a、電極2
a、及び遮光膜3aと同様の、絶縁性基板11aと、電
極12aと、遮光膜13aとを備えている。また、電極
12及び遮光膜13aを覆うように、絶縁膜14aが形
成されている。そして、絶縁膜14a上にスペーサ16
が形成されており、さらにこれら絶縁膜14a及びスペ
ーサ16を覆うように配向制御膜15aが形成されてい
る。
【0102】次に、本実施形態の液晶表示素子の製造工
程について説明する。
【0103】まず、実施形態1と同様の工程を経て、絶
縁性基板11aの表面に、電極12aおよび遮光膜13
aを形成する。ここまでの工程が終了した時点の状態
を、図4(a)に示す。
【0104】続いて、電極12a及び遮光膜13aの表
面に、絶縁膜材料をスピンコート法により塗布した後、
200℃で焼成する。これにより、図4(b)に示すよ
うに、均一な表面を有する絶縁膜14aが形成される。
なお、上記の絶縁膜材料としては、例えば日産化学社製
の商品名A2014等を用いることができる。
【0105】次に、絶縁膜14a上に、紫外線硬化型樹
脂を、後述する焼成を行った後の膜厚が1.5μmにな
るように、スピンコート法で塗布する。次に、フォトマ
スクを用いて、この紫外線硬化型樹脂をパターニング
し、電極12aに重ならないようにストライプ状に形成
する。その後、200℃で1時間の焼成を行うことによ
り、図4(c)に示すように、電極12aに平行に、か
つ遮光膜13aの上方に位置するように、壁状のスペー
サ16が形成される。
【0106】なお、スペーサ16の材料となる紫外線硬
化型樹脂としては、例えば新日鐡化学社製の商品名V2
59−PA等を用いることができるが、他社の同様な紫
外線硬化型樹脂を用いてもよい。あるいは、フォトレジ
ストとの組合せに応じて、無機材料や有機系の樹脂を用
いてもよい。
【0107】また、ここでは、スペーサ16を、電極1
2aと重ならず、遮光膜13aの上方に位置するストラ
イプ状に形成したが、スペーサ16の形状はこれに限定
されるものではない。例えば、電極12aの長手方向に
沿って複数の円柱が断続的に並ぶように形成してもよ
い。あるいは、角柱状に形成してもよい。
【0108】続いて、上述のようにスペーサ16を形成
した基板上に、実施形態1で用いたものと同じ配向制御
膜材料をスピンコート法によって塗布し、これを上記実
施例で説明したいずれかの適当な膜形成時温度にて焼成
する。さらに、この塗布膜に対してラビング配向処理を
行うことにより、図4(d)に示すように、配向制御膜
15aが形成される。
【0109】なお、上記配向制御膜15aには、実施形
態1と同様に、接着力を付与させて一対の基板10・2
0の接着性を高めるために、所定の有機系樹脂が適当量
混入されている。
【0110】以上の工程により、基板11が完成するの
で、この基板11と基板20とを、実施形態1と同様の
工程を経て互いに貼り合わせ、その間隙に液晶7を注入
すれば、液晶表示素子が完成する。
【0111】以上のように、本実施形態に係る液晶表示
素子は、絶縁膜14aがスペーサ16よりも先に形成さ
れる点において、実施形態1と異なっている。しかし、
上下基板が、配向制御膜同士によって接着されている点
においては、実施形態1と同じである。
【0112】このため、上下基板の接着力については、
少なくとも配向制御膜5aに有機系樹脂を混入させるこ
とで、実施形態1と同様の効果が得られる。さらに、そ
の結果、セル厚の均一性、表示品位の良好さ、及び耐シ
ョック性についても、実施形態1と同様の効果が得られ
ることになる。実際に、実施形態1と同様に、配向制御
膜5aに有機系樹脂を混入した本形態に係る液晶表示素
子を作製し、樹脂混入の効果を調べたところ、接着性等
に対する効果は実施形態1と同一であった。
【0113】〔実施形態3〕本発明のさらに他の実施形
態について図5に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。尚、説明の便宜上、上述の実施形態の図面に示した
部材と同一の部材には同一の符号を付記し、その説明を
省略する。
【0114】図5は、本実施形態に係る液晶表示素子の
概略構成を示す断面図である。
【0115】上記液晶表示素子は、実施形態1で説明し
た基板10の代わりに、基板30を備えている。基板3
0は、実施形態1で説明した絶縁性基板1a、電極2
a、及び遮光膜3aと同様の、絶縁性基板31aと、電
極32aと、遮光膜33aとを備えている。
【0116】さらに、電極32a及び遮光膜33aを覆
うように、絶縁膜34a及び配向制御膜35aが順次積
層されている。そして、壁状のスペーサ36が、配向制
御膜35aの上に、電極32aと重ならないようにスト
ライプ状に形成されている。
【0117】次に、本実施形態の液晶表示素子の製造工
程について説明する。
【0118】まず、実施形態1と同様の工程を経て、絶
縁性基板31aの表面に、電極32a及び遮光膜33a
を形成した。
【0119】次に、電極32a及び遮光膜33aの表面
に、絶縁膜材料をスピンコート法により塗布し、均一な
表面を有する絶縁膜34aを形成した。また、絶縁膜3
4a上に、配向制御膜35aを形成した。
【0120】上記配向制御膜35a中には、熱・紫外線
硬化型樹脂である新日鐡化学社製の商品名V259−P
Aを1%体積率混入した。配向制御膜35aの焼成につ
いては、上側に形成するスペーサ36の焼成温度にあわ
せればよく、ここでは、スペーサ36を200℃で焼成
するのにあわせて、配向制御膜35aを200℃で焼成
した。
【0121】続いて、配向制御膜35aの表面に、紫外
線硬化型樹脂を、後述する焼成を行った後の膜厚が1.
5μmになるように、スピンコート法で塗布する。次
に、フォトマスクを用いて、この紫外線硬化型樹脂をパ
ターニングし、電極32aに重ならないようにストライ
プ状に形成した。その後、200℃で1時間の焼成を行
うことにより、スペーサ36が形成される。
【0122】なお、スペーサ36の材料となる紫外線硬
化型樹脂としては、例えば新日鐡化学社製の商品名V2
59−PA等を用いることができるが、他社の同様な紫
外線硬化型樹脂を用いてもよい。あるいは、フォトレジ
ストとの組合せに応じて、無機材料や有機系の樹脂を用
いてもよい。
【0123】また、ここでは、スペーサ36を、電極3
2aと重ならないように、ストライプ状に形成したが、
スペーサ36の形状はこれに限定されるものではない。
例えば、電極32aの長手方向に沿って複数の円柱が断
続的に並ぶように形成してもよい。あるいは角柱状とし
てもよい。
【0124】一方、基板20については、絶縁性基板1
b上に、電極2b、遮光膜(図示せず)、絶縁膜4b、
及び配向制御膜5bを順次形成した。なお、配向制御膜
5bの焼成については、配向制御膜5bを塗布した後、
焼成温度を120℃、200℃の2種類に設定した。ま
た、配向制御膜5b中には、配向制御膜35aと同様
に、熱・紫外線硬化型樹脂である上記V259−PAを
1%体積率混入した。
【0125】上記の配向制御膜35a・5bにラビング
配向処理を施した後、基板30と基板20とを、1Kg
/cm2 の加圧下で200℃にて焼成することにより貼
り合わせ、その間隙に液晶7として上記のSCE8を封
入して液晶表示素子を完成させた。
【0126】以上のように、本実施形態に係る液晶表示
素子は、スペーサ36が配向制御膜35aよりも後に形
成され、下側の基板30と上側の基板20とが、スペー
サ36と配向制御膜5bとの接着によって貼り合わされ
ている点において、実施形態1・2と異なっている。
【0127】上記の工程により本形態の液晶表示素子を
作製し、基板30と基板20との接着力を調べたとこ
ろ、配向制御膜5bの焼成温度が120、200℃いず
れの場合にも強い接着力が得られた。
【0128】なお、比較のために、配向制御膜に樹脂を
混入しないほかは本実施形態と同様のプロセスによって
液晶表示素子を作製したところ、この液晶表示素子の上
下基板は、接着性はあるものの、本実施形態の液晶表示
素子に比較して接着性が弱く、はがれ易い部分が生じて
いることが認められた。
【0129】これは、スペーサ36の材料として用いた
材料もアクリル系樹脂で樹脂そのものが接着性を有する
ため、配向制御膜に樹脂を混入しなくても接着性をある
程度は有すること、さらに、本実施形態のように配向制
御膜5bに樹脂を混入することで、より強い接着性が得
られること、を示すものである。
【0130】さらに、比較のために、スペーサの材料と
して無機系の材料を使用し、ポリイミドタイプの配向制
御膜を用いて、本実施形態と同様のプロセスによって液
晶表示素子を作製し、樹脂混入の有無による接着力の相
違を調べたところ、樹脂を混入したものは接着したにも
かかわらず、樹脂を混入しなかったものは接着しなかっ
た。
【0131】以上のように、本実施形態では、配向制御
膜に樹脂混入することで良好な接着力を得ることがで
き、表示品位や耐ショック性の良好な素子を実現でき
る。
【0132】〔実施形態4〕本発明のさらに他の実施形
態について図6に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。尚、説明の便宜上、上述の実施形態の図面に示した
部材と同一の部材には同一の符号を付記し、その説明を
省略する。
【0133】図6は、本実施形態に係る液晶表示素子の
概略構成を示す断面図である。
【0134】上記液晶表示素子は、実施形態1で説明し
たスペーサ6等の代わりに、球状スペーサ9を備えてい
る。また、基板40では、実施形態1等と同様に、絶縁
性基板41a上に、透明電極42a及び遮光膜43aが
形成され、さらにこれらの表面に、絶縁膜44a及び配
向制御膜45aが順次形成されている。
【0135】一方、基板20においても、絶縁性基板1
b上に、透明電極2b及び遮光膜3bが形成され、さら
にこれらの表面に、絶縁膜4b及び配向制御膜5bが順
次形成されている。
【0136】上記の配向制御膜45a・5bには、熱・
紫外線硬化型樹脂である上記V259−PAを体積混入
率1%になるように混入した。また、配向制御膜45a
・5bの焼成については、膜形成時温度を120℃とし
て焼成した。
【0137】そして、基板40・20の一方に、1.5
μmの球状スペーサ9を均一に散布し、画素外に熱硬化
型のシール剤を印刷したから、上下基板(基板40・2
0)を貼り合わせた後、180℃で1時間、1Kg/c
2 の条件で熱プレスした。その後、強誘電性液晶であ
る上記SCE8を封入して、本実施形態の液晶表示素子
を作製した。
【0138】また、比較のため、配向制御膜に樹脂を混
入しないほかは本実施形態と同様の構成からなる素子を
作製し、両者の特性を比較した。その結果を以下の表4
に示す。
【0139】
【表4】
【0140】以上の結果から、樹脂を混入することで配
向制御膜に接着性が発現し、その結果、スペーサが上下
の配向制御膜間に固定され、機械的強度が向上したこと
が分かる。また、液晶注入時にスペーサの振る舞いを観
察したところ、樹脂を混入しないものは、一部流動した
ものがあり、スペーサの均一性を乱す箇所を生じさせ
た。このような箇所では、セル厚に不均一性を生じさ
せ、表示むらを起こした。
【0141】また、液晶の注入では、樹脂によってスペ
ーサと上下基板が固定されていない場合には、注入時間
によってはセルが膨らみ望むべくセル厚が得られず厚い
セルができあがることがある。これに対して、樹脂を混
入したものはこのような表示むらもなく、均一なセル
厚、むらのない表示品位を実現させることができた。
【0142】〔実施形態5〕本発明のさらに他の実施形
態について図1に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。尚、説明の便宜上、上述の実施形態の図面に示した
部材と同一の部材には同一の符号を付記し、その説明を
省略する。
【0143】本実施形態に係る液晶表示素子の概略構成
は、図1に示される実施形態1の液晶表示素子の概略構
成と同じである。
【0144】即ち、下側の基板10では、絶縁性基板1
a上に、電極2a及び遮光膜3aが形成された上にスペ
ーサ6が形成され、これらを覆うように絶縁膜4a及び
配向制御膜5aが順次積層されてなる構成である。
【0145】しかしながら、本実施形態においては、配
向制御膜5aには、熱可塑性樹脂が混入されており、具
体的には、配向制御膜5aに日本合成ゴム社製の商品名
AL5417を用い、これに、熱可塑性樹脂としてテク
ノアルファ社製の商品名ステイステック383Gを体積混入
率1%となるように混入した。
【0146】なお、上記の熱可塑性樹脂の混入量につい
ては、今回の条件下ではこの程度の混入量が適当であっ
たが、混入する樹脂、または配向制御膜、液晶等の種類
によって適当な条件は異なる。よって、混入する樹脂に
よって最適な混入条件を決定することが必要である。
【0147】また、上記の樹脂は、熱可塑性タイプの接
着剤であり、接着温度(軟化点)は160℃から275
℃の範囲である。
【0148】本実施形態の製造工程においては、配向制
御膜5aを120℃で焼成し、ラビング処理を施した
後、180℃でl時間、1Kg/cm2 で熱プレスし、
プレス圧を保ったまま徐冷した。この熱プレス温度18
0℃は、本接着樹脂が接着するのに適当であり、また、
他の液晶素子構成部位にも影響を与えない。
【0149】上下基板10・20の貼り合わせにおいて
は、樹脂を混入しない場合、接着性を持たなかったが、
本実施形態のように配向制御膜5aに樹脂を混入するこ
とで接着力を持ち機械強度の優れた液晶素子が得られ
る。
【0150】その後、強誘電性液晶である上記SCE8
をIso 転移点100℃付近で真空注入した。この温度で
は、液晶注入時に、上記の熱可塑性樹脂が軟化すること
もない。この結果、配向性の良い、セル厚が均一で機械
強度の優れた液晶素子を実現することができた。
【0151】次に、熱プレス時に表面が凸凹な板をはさ
み素子全面に均一な力がかからないようにプレスした素
子を作製した。この場合、プレス圧が不均一なため、接
着しない箇所が生じ、セル厚が不均一なものが得られ
た。この素子を、もう一度今度は力が均一になるように
前と同条件で熱プレスしたところ、今度は不均一部分が
解消され、均一な素子となった。
【0152】このように、熱硬化型樹脂では、一旦接着
させ硬化した場合修正は効かないのに対して、熱可塑性
樹脂では熱をかけ直すことで貼り合わせ工程でのリメイ
クが可能であることが確認された。
【0153】〔実施形態6〕本発明のさらに他の実施形
態について図1に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。尚、説明の便宜上、上述の実施形態の図面に示した
部材と同一の部材には同一の符号を付記し、その説明を
省略する。
【0154】本実施形態に係る液晶表示素子の概略構成
は、図1に示される実施形態1の液晶表示素子の概略構
成と同じである。
【0155】即ち、下側の基板10では、絶縁性基板1
a上に、電極2a及び遮光膜3aが形成された上にスペ
ーサ6が形成され、これらを覆うように絶縁膜4a及び
配向制御膜5aが順次積層されてなる構成である。
【0156】しかしながら、本実施形態においては、配
向制御膜5aには、熱・紫外線硬化型樹脂と熱可塑性樹
脂との2種類の有機系樹脂が混合して混入されている。
具体的には、配向制御膜5aに上記AL5417を用
い、これに、熱・紫外線硬化型樹脂である上記V259
−PAと、熱可塑性樹脂である上記ステイステック383G
とを等量ずつ、あわせて体積混入率1%になるように混
入した。
【0157】なお、上記の熱・紫外線硬化型樹脂並びに
熱可塑性樹脂の混入量については、今回の条件下ではこ
の程度の混入量が適当であったが、混入する樹脂、また
は配向制御膜、液晶等の種類によって適当な条件は異な
る。よって、混入する樹脂によって最適な混入条件を決
定することが必要である。
【0158】本実施形態の製造工程においては、配向制
御膜5aを120℃で焼成し、ラビング処理を施した
後、180℃でl時間、1Kg/cm2 で熱プレスし、
プレス圧を保ったまま徐冷した。
【0159】その後、強誘電性液晶である上記SCE8
をIso 転移点100℃付近で真空注入した。こうして得
られた素子は、熱硬化による接着力と熱可塑による融着
による接着との効果で、単一の混入よりも接着力の強い
素子が得られた。
【0160】次に、熱プレス時に表面が凸凹な板をはさ
み素子全面に均一な力がかからないようにプレスした素
子を作製した。この場合、プレス圧が不均一なため、接
着しない箇所が生じ、セル厚が不均一なものが得られ
た。この素子を、もう一度今度は力が均一になるように
前と同条件で熱プレスしたところ、今度は不均一部分が
解消され、均一な素子となった。
【0161】また、熱硬化性タイプの樹脂のみの混入で
は再生が効かなかったが、熱可塑性樹脂を混入すること
によって、再生(リメイク)の効果が認められた。この
ように、2種類の樹脂による混入によって単一の混入に
よる効果に新たな効果を盛り込むことができ、さらに均
一で良好な素子を作製することに効果的である。混入す
る樹脂の組み合わせは樹脂の機能と所望の接着性及び生
産性などを考慮して、最適な組み合わせとブレンド比を
決めるとよい。
【0162】〔実施形態7〕本発明のさらに他の実施形
態について図1に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。尚、説明の便宜上、上述の実施形態の図面に示した
部材と同一の部材には同一の符号を付記し、その説明を
省略する。
【0163】本実施形態に係る液晶表示素子の概略構成
は、図1に示される実施形態1の液晶表示素子の概略構
成と同じである。
【0164】即ち、下側の基板10では、絶縁性基板1
a上に、電極2a及び遮光膜3aが形成された上にスペ
ーサ6が形成され、これらを覆うように絶縁膜4a及び
配向制御膜5aが順次積層されてなる構成である。
【0165】しかしながら、本実施形態においては、配
向制御膜5aに可溶性ポリイミドタイプのものを用いる
とともに、これに、アクリル系樹脂の微粒子を所定量混
入した。具体的には、配向制御膜5aとして、そのもの
自体では接着性を持たない可溶性ポリイミドタイプであ
る上記AL5417を用い、これに、粒径0.1 〜0.2μ
m、軟化点150℃のアクリル系樹脂の微粒子を体積濃
度10%混入した。
【0166】本実施形態の製造工程においては、配向制
御膜5aを塗布した後、120℃で焼成し、ラビング処
理を施した後、180℃でl時間、1Kg/cm2 で熱
プレスした。その後、強誘電性液晶である上記SCE8
を注入した。
【0167】なお、上記微粒子を混入した配向制御膜5
aをスピンコート法によって塗布する場合、混入率が多
すぎたり分散がうまくいかなかった場合には塗りむらが
生じてしまうおそれがある。今回の条件では問題なかっ
たが、混入する材料、混入率によっては分散方法や塗布
方法を変えるべきであり、ここに示した方法に限定する
ものではない。主な例を挙げると、超音波分散法による
分散、ロールコート法、印刷法による塗布方法などが考
えられる。
【0168】また、今回用いた樹脂はアクリル系の樹脂
であるが、混入樹脂もこれに限らず接着性を備えた樹脂
で有ればよい。エポキシ系などが主な例として考えられ
る。混入の割合も、ここに示した10%に限らず、必要
な接着性、配向性との兼ね合いで適当な条件で混入すれ
ばよい。
【0169】また、樹脂の粒径は上記した粒径くらいが
配向性や塗布の点で適当であるが、樹脂によって配向に
与える影響も変わってくるので、配向制御膜の種類、注
入液晶の種類などで適当な粒径を選択すればよい。
【0170】上記の製造工程において、貼り合わせの際
の熱プレス温度180℃は、上記の微粒子が軟化するの
に十分な温度であり、この温度下で微粒子によって配向
制御膜同士が接着するに至った。また、液晶素子構成部
位にも樹脂混入による悪影響はなく、良好な配向性が得
られた。このように微粒子混入なしでは接着性を持たな
かったものが微粒子を混入することで接着力を持ち機械
強度の優れた表示素子が得られた。
【0171】〔実施形態8〕本発明のさらに他の実施形
態について図1に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。尚、説明の便宜上、上述の実施形態の図面に示した
部材と同一の部材には同一の符号を付記し、その説明を
省略する。
【0172】本実施形態に係る液晶表示素子の概略構成
は、図1に示される実施形態1の液晶表示素子の概略構
成と同じである。
【0173】即ち、下側の基板10では、絶縁性基板1
a上に、電極2a及び遮光膜3aが形成された上にスペ
ーサ6が形成され、これらを覆うように絶縁膜4a及び
配向制御膜5aが順次積層されてなる構成である。
【0174】しかしながら、本実施形態においては、配
向制御膜5aを以下のようにして形成した。即ち、配向
制御膜5aとしては可溶性ポリイミドタイプのものを用
い、具体的には、そのもの自体では接着性を持たない可
溶性ポリイミドタイプである上記AL5417を用い
た。
【0175】上記配向制御膜5aをスピンコート法によ
って塗布し、80℃のホットプレート上で1分間プリベ
イクし溶媒を蒸発させた後、アクリル系樹脂の微粒子
(粒径0.1 〜0.2 μm、軟化点150℃)を、配向制御
膜5aの表面上に、配向制御膜表面積濃度5%になるよ
うに、乾式のスペーサ散布装置を用いて散布した。
【0176】次いで、120℃で配向制御膜5aの焼成
を行った。この焼成によって散布された上記微粒子が配
向制御膜5aの表面上に固定される。この後、ラビング
処理を施し、180℃で1時間、1Kg/cm2 で熱プ
レスした。その後、強誘電性液晶である上記SCE8を
注入した。
【0177】なお、上記のプロセスの手順では、樹脂を
散布した後にラビング処理を行うものであったが、これ
とは反対にラビング処理を施した後、配向制御膜5a上
に微粒子を散布してもよい。また、配向制御膜形成時の
焼成温度、貼り合わせ時のプレス温度などはここに挙げ
た例に限らず、用いた微粒子と配向制御膜に応じて適当
な接着力を持たせるような条件に設定するとよい。
【0178】上記の工程により本実施形態の液晶表示素
子を作製したところ、微粒子の効果により、上下基板が
接着するに至り、また配向性も良好なものが得られた。
このように、微粒子を配向制御膜上に散布することで接
着性を発現させ機械的強度の優れた素子を得ることがで
きた。
【0179】〔実施形態9〕本発明のさらに他の実施形
態について図1、図7及び図8に基づいて説明すれば、
以下の通りである。尚、説明の便宜上、上述の実施形態
の図面に示した部材と同一の部材には同一の符号を付記
し、その説明を省略する。
【0180】本実施形態に係る液晶表示素子の概略構成
は、図1に示される実施形態1の液晶表示素子の概略構
成と同じである。
【0181】即ち、下側の基板10では、絶縁性基板1
a上に、電極2a及び遮光膜3aが形成された上にスペ
ーサ6が形成され、これらを覆うように絶縁膜4a及び
配向制御膜5aが順次積層されてなる構成である。
【0182】しかしながら、本実施形態においては、配
向制御膜5bに図7(a)に示すような2重構造を有す
る有機系樹脂の微粒子51を所定量混入した。
【0183】配向制御膜5bとしては可溶性ポリイミド
タイプのものを用い、具体的には、そのもの自体では接
着性を持たない可溶性ポリイミドタイプである上記AL
5417を用いた。
【0184】そして、上記配向制御膜5bに、図7に示
すような2重構造を有するアクリル系樹脂の微粒子51
を体積濃度10%混入した。この微粒子51は、粒径0.
1 〜0.2 μm、軟化点150℃である。また、内側の樹
脂51aの軟化点は100℃であり、外側の樹脂51b
の軟化点は200℃である。
【0185】このように微粒子51を混入した配向制御
膜5bを、スピンコート法によって塗布し、ホットプレ
ート上で80℃でプリベイクし、120℃で焼成、ラビ
ング処理した後、180℃、1時間、1Kg/cm2
条件下で貼り合わせた。
【0186】なお、樹脂混入については、実施形態6に
記載したように、溶媒中に樹脂をいかに均一に混入する
かが問題となるが、樹脂の選定方法、混入方法、樹脂の
塗布方法は実施形態6に記載したような他の方法を使用
してもよく、上記の条件には限定されない。
【0187】その後、強誘電性液晶である上記SCE8
を注入した。こうして得られた素子は、上下基板が接着
し、機械的強度に優れたものとなった。また、配向性に
ついても良好なものが得られた。
【0188】さらに、上記のように、2重構造の微粒子
51を用いた場合、配向制御膜5bに混入した樹脂、即
ち微粒子51は、貼り合わせの際には、溶けた内側の樹
脂51aを、まだ軟化するに至っていない外側の樹脂5
1bが、外部にでていかないように保護している状態に
なっている。
【0189】従って、上下基板を貼り合わせる際に、図
8に示すように、壁状のスペーサ6と接着する部分で
は、圧力で外側の樹脂51bが破れ、内部の軟化した接
着性を有する樹脂51aがあふれ出てきて、上下基板を
接着させることができる。一方、画素部のスペーサ6の
ない部分では、圧力がかかることもなく、微粒子(樹
脂)51は、外見上もとの形態を保ち、内部の樹脂51
aがあふれ出てくることもない。よって、配向制御膜5
b上に樹脂が広がることもなく配向を乱す原因になり得
ない。つまり、この方法では、接着樹脂を接着部分にの
み作用させることができるので、接着性もあり、なおか
つ配向性にとっても良好な方法であるといえる。
【0190】なお、本実施形態では、図7(b)の状態
Aに示すように、配向制御膜5bに微粒子51を混入し
たが、同図の状態Bに示すように、微粒子51を配向制
御膜5bの上に散布するものとしてもよい。
【0191】
【発明の効果】請求項1の発明に係る液晶表示素子は、
以上のように、上記一対の基板の少なくともいずれかが
配向制御膜を備えると共に、該配向制御膜に有機系樹脂
を混入した構成である。
【0192】それゆえ、配向制御膜に有機系樹脂を混入
し、樹脂の硬化により接着性を持たせ、または接着力を
強化させることで、セル厚の均一性及び耐ショック性に
優れ、むらのない表示品位を実現する液晶表示素子を提
供することができるという効果を奏する。
【0193】請求項2の発明に係る液晶表示素子は、以
上のように、上記一対の基板の少なくともいずれかが配
向制御膜を備えると共に、該配向制御膜の上に有機系樹
脂を散布した構成である。
【0194】それゆえ、配向制御膜の表面に有機系樹脂
を散布し、樹脂の硬化により接着性を持たせ、または接
着力を強化させることで、セル厚の均一性及び耐ショッ
ク性に優れ、むらのない表示品位を実現する液晶表示素
子を提供することができるという効果を奏する。
【0195】請求項3の発明に係る液晶表示素子は、以
上のように、請求項1または2の構成において、上記有
機系樹脂として微粒子を混入または散布した構成であ
る。
【0196】それゆえ、接着力を得るための有機系樹脂
として、取扱の容易な微粒子を用いることにより、スペ
ーサと配向制御膜、あるいは配向制御膜と配向制御膜同
士とを簡便かつ確実に接着させ、またはその接着力を強
化させることができるという効果を奏する。
【0197】請求項4の発明に係る液晶表示素子は、以
上のように、請求項1〜3のいずれかの構成において、
上記スペーサは、上記一対の基板の少なくとも一方に柱
状若しくは壁状に設けられており、該スペーサの上面若
しくは該スペーサの上面を覆うように配された配向制御
膜と他方の基板の配向制御膜とが接着することにより、
上記一対の基板が相互に貼り合わされている構成であ
る。
【0198】それゆえ、柱状若しくは壁状のスペーサが
設けられた、セル厚の制御、セル厚の均一性及び耐ショ
ック性を図るうえで有利な構成において、有機系樹脂を
少なくとも一つの配向制御膜に混入し、若しくは一つの
配向制御膜の表面に散布することで、一対の基板の接着
性に優れた素子を作製することができるという効果を奏
する。
【0199】請求項5の発明に係る液晶表示素子は、以
上のように、請求項1〜4のいずれかの構成において、
上記液晶が、強誘電性液晶である構成である。
【0200】それゆえ、耐ショック性等に優れた基板間
に強誘電性液晶が挟持される構成となることにより、外
圧等に弱いという強誘電性液晶の欠点が解消され優れた
特性を発揮できる液晶表示素子を提供できるという効果
を奏する。
【0201】請求項6の発明に係る液晶表示素子は、以
上のように、請求項1〜5のいずれかの構成において、
上記有機系樹脂が、熱硬化性樹脂である構成である。
【0202】それゆえ、樹脂の加熱による硬化反応促進
を接着に利用することができるという効果を奏する。
【0203】請求項7の発明に係る液晶表示素子は、以
上のように、請求項1〜5のいずれかの構成において、
上記有機系樹脂が、紫外線硬化型樹脂である構成であ
る。
【0204】それゆえ、樹脂の紫外線照射による硬化反
応促進を接着に利用することができるという効果を奏す
る。
【0205】請求項8の発明に係る液晶表示素子は、以
上のように、請求項1〜5のいずれかの構成において、
上記有機系樹脂が、熱可塑性樹脂であり、その軟化点
が、上記一対の基板間に注入される上記液晶のIso 相相
転移温度以上かつ上記スペーサの材料の軟化点以下であ
る構成である。
【0206】それゆえ、加熱による軟化で接着性を持た
せることができることに加えて、熱軟化性の特性を生か
して貼り合わせのリメイクができるという効果を奏す
る。
【0207】請求項9の発明に係る液晶表示素子は、以
上のように、請求項1〜5のいずれかの構成において、
上記有機系樹脂として、互いに特性の異なる2種類以上
の樹脂の混合物を混入または散布した構成である。
【0208】それゆえ、特性の異なる2種類以上の樹脂
を用いることにより、各樹脂の長所を利用して製造方法
の幅を広げ、望ましい製造方法を用いることができると
いう効果を奏する。
【0209】請求項10の発明に係る液晶表示素子は、
以上のように、請求項3〜5のいずれかの構成におい
て、上記微粒子は、内側を構成する第1の樹脂と該第1
の樹脂を被覆する第2の樹脂とを含んでおり、上記第1
の樹脂の軟化点が上記第2の樹脂の軟化点より低い構成
である。
【0210】それゆえ、配向制御膜に接着性を持たせつ
つ、なおかつ接着面以外の部分に樹脂が広がることを防
止し、配向性を損なうことのない素子を提供することが
できるという効果を奏する。
【0211】請求項11の発明に係る液晶表示素子の製
造方法は、以上のように、請求項4記載の液晶表示素子
の製造方法であって、上記一対の基板の一方の基板上
に、上記スぺーサを柱状若しくは壁状に形成する第1の
工程と、上記スペーサ及び上記一方の基板を覆うように
配向制御膜を形成する第2の工程とを含む方法である。
【0212】それゆえ、一対の基板の配向制御膜同士を
確実に接着して、セル厚が均一で機械的強度の優れた素
子を作製できるという効果を奏する。
【0213】請求項12の発明に係る液晶表示素子の製
造方法は、以上のように、請求項4記載の液晶表示素子
の製造方法であって、上記一対の基板の一方の基板上
に、配向制御膜を形成する第1の工程と、上記配向制御
膜上に、上記スぺーサを柱状若しくは壁状に形成する第
2の工程とを含む方法である。
【0214】それゆえ、一対の基板の配向制御膜とスペ
ーサとを確実に接着して、セル厚が均一で機械的強度の
優れた素子を作製できるという効果を奏する。
【0215】請求項13の発明に係る液晶表示素子の製
造方法は、以上のように、請求項1または2記載の液晶
表示素子の製造方法であって、上記配向制御膜を上記一
対の基板の少なくともいずれかに形成する際に、該配向
制御膜を焼成する第1の工程と、上記一対の基板を貼り
合わせる際に、上記配向制御膜を焼成する第2の工程と
を含む方法である。
【0216】それゆえ、上記2段階の焼成工程で接着面
における接着効果を十分に引き出し、より接着性の強い
素子を作製できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る液晶表示素子の概
略構成を示す断面図である。
【図2】上記液晶表示素子の製造方法を概略的に示す工
程断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る液晶表示素子の概
略構成を示す断面図である。
【図4】上記液晶表示素子の製造方法を概略的に示す工
程断面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施形態に係る液晶表示素
子の概略構成を示す断面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態に係る液晶表示素
子の概略構成を示す断面図である。
【図7】(a)は、配向制御膜に混入または散布する有
機系樹脂の微粒子を概略的に示す図であり、(b)は、
この微粒子を配向制御膜に混入した状態及び散布した状
態をそれぞれ示す図である。
【図8】上記有機系樹脂の微粒子を配向制御膜に混入ま
たは散布した後、一対の基板を貼り合わせる工程を模式
的に示す説明図である。
【符号の説明】
10・11・20・30・40 基板 5a・5b・15a・35a・45a 配向制御膜 6・9・16・36 スペーサ 51 微粒子 7 液晶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 390040604 イギリス国 THE SECRETARY OF ST ATE FOR DEFENCE IN HER BRITANNIC MAJES TY’S GOVERNMENT OF THE UNETED KINGDOM OF GREAT BRITAIN AN D NORTHERN IRELAND イギリス国 ハンプシャー ジーユー14 0エルエックス ファーンボロー アイヴ ェリー ロード(番地なし) ディフェン ス エヴァリュエイション アンド リサ ーチ エージェンシー (72)発明者 内田 秀樹 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 玉井 和彦 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 繁田 光浩 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 実吉 秀治 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともいずれかが光透過性を有する一
    対の基板と、該基板間の厚さを一定に保つスペーサとを
    備え、該基板間に液晶を封入してなる液晶表示素子にお
    いて、 上記一対の基板の少なくともいずれかが配向制御膜を備
    えると共に、該配向制御膜に有機系樹脂を混入したこと
    を特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】少なくともいずれかが光透過性を有する一
    対の基板と、該基板間の厚さを一定に保つスペーサとを
    備え、該基板間に液晶を封入してなる液晶表示素子にお
    いて、 上記一対の基板の少なくともいずれかが配向制御膜を備
    えると共に、該配向制御膜の上に有機系樹脂を散布した
    ことを特徴とする液晶表示素子。
  3. 【請求項3】上記有機系樹脂として微粒子を混入または
    散布したことを特徴とする請求項1または2記載の液晶
    表示素子。
  4. 【請求項4】上記スペーサは、上記一対の基板の少なく
    とも一方に柱状若しくは壁状に設けられており、該スペ
    ーサの上面若しくは該スペーサの上面を覆うように配さ
    れた配向制御膜と他方の基板の配向制御膜とが接着する
    ことにより、上記一対の基板が相互に貼り合わされてい
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液
    晶表示素子。
  5. 【請求項5】上記液晶が、強誘電性液晶であることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液晶表示素
    子。
  6. 【請求項6】上記有機系樹脂が、熱硬化性樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液晶表
    示素子。
  7. 【請求項7】上記有機系樹脂が、紫外線硬化型樹脂であ
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液
    晶表示素子。
  8. 【請求項8】上記有機系樹脂が、熱可塑性樹脂であり、
    その軟化点が、上記一対の基板間に注入される上記液晶
    のIso 相相転移温度以上かつ上記スペーサの材料の軟化
    点以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    に記載の液晶表示素子。
  9. 【請求項9】上記有機系樹脂として、互いに特性の異な
    る2種類以上の樹脂の混合物を混入または散布したこと
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液晶表示
    素子。
  10. 【請求項10】上記微粒子は、内側を構成する第1の樹
    脂と該第1の樹脂を被覆する第2の樹脂とを含んでお
    り、上記第1の樹脂の軟化点が上記第2の樹脂の軟化点
    より低いことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記
    載の液晶表示素子。
  11. 【請求項11】上記一対の基板の一方の基板上に、上記
    スぺーサを柱状若しくは壁状に形成する第1の工程と、 上記スペーサ及び上記一方の基板を覆うように配向制御
    膜を形成する第2の工程とを含むことを特徴とする請求
    項4記載の液晶表示素子の製造方法。
  12. 【請求項12】上記一対の基板の一方の基板上に、配向
    制御膜を形成する第1の工程と、 上記配向制御膜上に、上記スぺーサを柱状若しくは壁状
    に形成する第2の工程とを含むことを特徴とする請求項
    4記載の液晶表示素子の製造方法。
  13. 【請求項13】上記配向制御膜を上記一対の基板の少な
    くともいずれかに形成する際に、該配向制御膜を焼成す
    る第1の工程と、 上記一対の基板を貼り合わせる際に、上記配向制御膜を
    焼成する第2の工程とを含むことを特徴とする請求項1
    または2記載の液晶表示素子の製造方法。
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