JPH0853577A - 導電性ゴム組成物 - Google Patents

導電性ゴム組成物

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JPH0853577A
JPH0853577A JP18960394A JP18960394A JPH0853577A JP H0853577 A JPH0853577 A JP H0853577A JP 18960394 A JP18960394 A JP 18960394A JP 18960394 A JP18960394 A JP 18960394A JP H0853577 A JPH0853577 A JP H0853577A
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carbon black
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conductive rubber
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Mariko Mizuta
真理子 水田
Fumio Sekido
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 抵抗値が均一で、かつ経時的にも安定してお
り、しかも加工性にもすぐれた導電性ゴム組成物を提供
する。 【構成】 耐オゾン性を有する基材ゴムに、粒径が10
〜45nmのカーボンブラックと、可塑剤とを配合し
た。基材ゴムと可塑剤としては、基材ゴム100重量部
に対する可塑剤の配合量をX重量部、基材ゴムの理論溶
解度パラメータ値と可塑剤の理論溶解度パラメータ値と
の差の絶対値をΔSPとしたとき、両者が、式(1) : 【数1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、たとえば静電式複写
機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真装置におい
て、導電性ローラや搬送ベルト等に使用される、導電性
ゴム組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記電子写真装置においては、導電性基
材上に絶縁性光導電体を成膜した感光体が使用される。
そして、上記感光体の表面を暗所にて均一に帯電させた
後、画像を露光すると、露光画像に対応した静電荷の像
状分布、いわゆる静電潜像が、感光体の表面に形成され
る。
【0003】つぎに、上記静電潜像が形成された感光体
の表面に着色粉体(トナー)を接触させると、静電潜像
の静電荷に応じてトナーが感光体の表面に静電付着し
て、静電潜像がトナー像に顕像化される。つぎに、上記
トナー像に紙等の被転写物を接触させつつ、当該被転写
物の裏面から電場を印加すると、トナー像が被転写物の
表面に転写される。
【0004】この後、感光体表面の残留電荷を除去し、
表面に残留したトナーを除去すれば、画像形成の1サイ
クルが終了する。また、トナー像が転写された被転写物
は搬送され、熱ローラ等によって熱処理されて、トナー
像が定着処理される。上記電子写真装置においては、従
来、感光体表面の帯電、トナー像の被転写物への転写、
感光体表面の除電のために、感光体の表面近傍に張り渡
した放電ワイヤによるコロナ放電が用いられてきた。
【0005】しかし放電ワイヤによるコロナ放電は、オ
ゾンの大量発生による空気の汚染や感光体の劣化等を生
じるという問題があった。そこで近時、感光体に接触さ
せた導電性ゴム製のローラ(導電性ローラ)を、上記帯
電、転写および除電の各工程に使用する接触帯電法が実
用化されつつある。
【0006】また電子写真装置においては、トナー像転
写前の被転写物を感光体に搬送し、像転写後の被転写物
を熱ローラまで搬送する搬送ベルトについても、以下の
理由により、導電性ゴム製のものが好適に使用される。
すなわち、トナー像転写前の被転写物を感光体に搬送す
る搬送ベルトが導電性でない場合、回転による摩擦等で
帯電して、被転写物を帯電させ、その結果、被転写物が
感光体と接触した際に、感光体表面のトナー像が、被転
写物の帯電によって乱されて画質が悪化おそれがある。
また、像転写後の被転写物を熱ローラまで搬送する搬送
ベルトが導電性でない場合、回転による摩擦等で帯電し
て、被転写物上の、定着前のトナー像が、搬送ベルトの
帯電によって乱され画質が悪化するおそれがある。この
ため搬送ベルトも導電性を有することが好ましい。
【0007】上記導電性ローラや搬送ベルトは、導電性
ゴム組成物を所定の形状に成形し、加硫することで製造
され、上記導電性ゴム組成物は、基材ゴム中に、導電性
のカーボンブラックを配合することで製造される。また
基材ゴムとしては、上記のように帯電、除電を繰り返す
感光体の近傍で使用するために、耐オゾン性を有するも
のが好適に使用される。
【0008】導電性ゴム組成物の体積固有抵抗値は、通
常、10〜1015Ω・cm程度である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】導電性ゴム組成物の特
性を決める要因の一つに、カーボンブラックの粒径と、
その基材ゴムへの配合量がある。すなわちカーボンブラ
ックの粒径が、たとえば45nm以上の大粒径のもの
は、それより小粒径のものに比べて、導電性ゴム組成物
の抵抗値を下げる効果が小さいため、前記の体積固有抵
抗値を得ようとすると、小粒径のものよりも多量に配合
する必要がある。しかし、カーボンブラックを多量に配
合したゴム組成物は硬度が高くなって、加工性が悪化す
るという問題を生じる。また硬度の高いゴム組成物で、
感光体に直接に接触する導電性ローラを形成した場合に
は、感光体の表面を傷つけるおそれもある。
【0010】そこで、導電性ゴム組成物には小粒径、と
くに粒径が45nm以下程度のカーボンブラックが好適
に使用されるが、このような小粒径のカーボンブラック
を配合した導電性ゴム組成物は、抵抗値がばらついた
り、あるいは経時的に不安定化するという問題がある。
このため、このような導電性ゴム組成物を原料として製
造された導電性ローラや搬送ベルトを使用した電子写真
装置は、安定した画質が得られなくなってしまうおそれ
がある。
【0011】これは、小粒径のカーボンブラックが凝集
等を生じやすく、基材ゴム中に均一に分散されないこと
が原因と考えられる。すなわち基材ゴム中で、多数のカ
ーボンブラックが連続した構造(チェインストラクチャ
ー)をとればとるほど、導電性ゴム組成物の抵抗値は低
くなるが、小粒径のカーボンブラックは上記のように凝
集等を生じやすいため、基材ゴム中に均一に分散され
ず、多数のカーボンブラックが連続した構造を示す抵抗
値の低い部分と、そうでない不連続な部分(抵抗値の高
い部分)とを生じて、導電性ゴム組成物の抵抗値をばら
つかせる。
【0012】また、基材ゴム中に均一に分散されなかっ
たカーボンブラックの一部は、基材ゴムの表面に露出し
ており、それが経時的に脱落したり、あるいは吸湿して
導電性に変化を来す等して、導電性ゴム組成物の抵抗値
を経時的に不安定化する。この発明の目的は、抵抗値が
均一で、かつ経時的にも安定しており、しかも加工性に
もすぐれた導電性ゴム組成物を提供することを目的とし
ている。
【0013】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するため、発明者らは、少量の添加で高い導電性を得
ることのできる小粒径のカーボンブラックを、凝集させ
ることなく基材ゴム中に均一に分散させるべく、当該基
材ゴムや、あるいはカーボンブラックとともに基材ゴム
中に添加される可塑剤について検討した。
【0014】その結果、耐オゾン性の基材ゴム100重
量部に対する可塑剤の配合量をX重量部、基材ゴムの理
論溶解度パラメータ値(以下「理論SP値」という)
と、可塑剤の理論SP値との差の絶対値をΔSPとした
とき、両者が、式(1) :
【0015】
【数2】
【0016】の関係にある基材ゴムと可塑剤とを組み合
わせると、小粒径のカーボンブラックの分散性が向上し
て、導電性ゴム組成物の抵抗値が均一化し、かつ経時的
にも安定化することを見出し、この発明を完成するに至
った。すなわちこの発明は、粒径が10〜45nmのカ
ーボンブラックを、上記式(1) を満足する基材ゴムおよ
び可塑剤と組み合わせた導電性ゴム組成物を提供するも
のである。
【0017】なお、ここでいう理論SP値とは、基材ゴ
ムを例にとって説明すると、基材ゴムが1種単独の場合
は、その基材ゴムに固有のSP値を表し、2種以上の基
材ゴムを併用する場合は、各基材ゴムの固有のSP値
を、それぞれの配合比率で荷重平均したSP値を表す。
たとえば、固有のSP値がそれぞれSP1 ,SP2 であ
る2種の基材ゴムを、重量比でa:b(a+b=10
0)の割合で配合した基材ゴムの理論SP値は、下記式
(2) により求められる。
【0018】
【数3】
【0019】可塑剤の理論SP値についても同様であ
る。またSP値自体は、1ccの有機化合物を蒸発する
のに要するエネルギー量であり、下記式(3) のように、
凝集力エネルギーの平方根で表される(蒸発潜熱法)。
【0020】
【数4】
【0021】〔上記式中ΔHは蒸発潜熱(cal/mo
l)、Rはガス恒数(=1.987cal/mol°
K)、Tは絶対温度(°K)、Vはモル容積(cc/m
ol)である。〕 以下にこの発明を説明する。基材ゴムとしては、前記の
ように耐オゾン性を有するものが使用される。耐オゾン
性の指標としては、たとえばオゾン濃度25pphm、
40℃のオゾン雰囲気下で96時間放置した後、10%
伸長させた際に亀裂が生じないものを、耐オゾン性の基
材ゴムとする。
【0022】上記耐オゾン性の基材ゴムとしては、これ
に限定されないが、たとえばブチルゴム(IIR)、ハ
ロゲン化IIR、エチレン−プロピレン−ジエン共重合
ゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、クロロ
スルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、エピクロルヒ
ドリン−エチレンオキシド共重合ゴム(CHC)、エピ
クロルヒドリン単独重合ゴム(CHR)、ニトリルゴム
(NBR)の水素化物、塩素化ポリエチレン、およびポ
リ塩化ビニル(PVC)−NBRブレンド物等があげら
れる。
【0023】これらはそれぞれ単独で使用できる他、2
種以上を併用することもできる。上記各基材ゴムの固有
のSP値を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】また、製品の耐オゾン性に影響のない範囲
であれば、これ以外の、通常のゴムを、上記耐オゾン性
の基材ゴム中に配合することもできる。耐オゾン性の基
材ゴムに配合される通常のゴムとしては、たとえば天然
ゴム(NR:SP値8.0)や、通常グレードのニトリ
ルゴム(NBR:SP値8.7)等があげられる。カー
ボンブラックとしては、前記のように粒径が10〜45
nmの範囲内のものが使用される。カーボンブラックの
粒径は、たとえば電子顕微鏡撮影法で測定される。
【0026】カーボンブラックの粒径が上記範囲未満で
は、粒径が小さすぎるために、前記式(1) を満足する基
材ゴムおよび可塑剤と組み合わせても、その凝集を防止
することができず、導電性ゴム組成物の抵抗値がばらつ
き、あるいは経時的に不安定化してしまう。一方、カー
ボンブラックの粒径が上記範囲を超えた場合には、前記
のように、導電性ゴム組成物の抵抗値を下げる効果が小
さいため、小粒径のものよりも多量に配合しなければな
らず、ゴム組成物は硬度が高くなって、加工性が悪化す
る。また、上記のように硬度の高いゴム組成物を、感光
体と直接に接触する導電性ローラに使用した場合には、
当該感光体の表面を傷つけるおそれもある。 なおカー
ボンブラックの粒径は、上記範囲内でもとくに、20〜
45nmであるのが好ましく、20〜40nmであるの
がより一層好ましい。
【0027】カーボンブラックの、粒径以外の特性につ
いてはとくに限定されないが、そのジブチルフタレート
(DBP)吸油量は75cc/100g以上であるのが
好ましい。DBP吸油量が上記範囲未満のカーボンブラ
ックは、導電性ゴム組成物の抵抗値を下げる効果が小さ
いため、これを補うために大量のカーボンブラックを添
加する必要が生じ、その結果、ゴム組成物の硬度が高く
なって、加工性が悪化するおそれがある。なおDBP吸
油量は、上記範囲内でもとくに75〜350cc/10
0gの範囲内がさらに好ましい。上記DBP吸油量は、
たとえばJISK 6221に規定されたA法により測
定される。
【0028】この発明に使用されるカーボンブラックと
しては、これに限定されないが、たとえば下記表2に示
すものがあげられる。
【0029】
【表2】
【0030】これらはそれぞれ単独で使用できる他、2
種以上を併用することもできる。カーボンブラックの配
合量はとくに限定されないが、基材ゴム100重量部に
対して、カーボンブラックを5〜100重量部の範囲内
で配合するのが好ましい。カーボンブラックの配合量が
上記範囲未満では導電性が不十分で、導電性ゴム組成物
の体積固有抵抗値が1015Ω・cmを超えるおそれがあ
る。
【0031】一方、カーボンブラックの配合量が上記範
囲を超えた場合には、前記のようにゴム組成物の硬度が
高くなって、加工性が悪化したり、あるいは導電性ロー
ラに使用した際に、感光体の表面を傷つけたりするおそ
れがある。なおカーボンブラックの配合量は、加工性を
考慮すると、上記範囲内でもとくに10〜60重量部の
範囲内であるのが好ましい。
【0032】可塑剤としては、ゴム用として従来公知の
種々の可塑剤がいずれも使用可能であるが、とくにトリ
アレルホスフェート(味の素社製の商品名レオフォス6
5)、2−エチルヘキシルジフェニル(大八化学工業所
社製の商品名#41)、トリクレジルホスフェート(大
八化学工業所社製の商品名TCP)、トリスクロロエチ
ルホスフェート(大八化学工業所社製の商品名CLP)
等が好ましいものとしてあげられる。
【0033】これらはそれぞれ単独で使用できる他、2
種以上を併用することもできる。上記各可塑剤の固有の
SP値を表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】可塑剤は、基材ゴム100重量部に対する
配合量(X重量部)が前記式(1) を満足すればよく、上
記配合量の具体的な範囲についてはとくに限定されない
が、基材ゴム100重量部に対する可塑剤の配合量(X
重量部)は、0<X≦50重量部の範囲内であるのが好
ましい。Xが0重量部、すなわち可塑剤を全く含有しな
いゴム組成物は、硬度が高くなって、押し出し加工が困
難になる等、加工性が悪化するおそれがある他、導電性
ローラに使用した際に、感光体の表面を傷つけたりする
おそれもある。
【0036】逆にXが50重量部を超えた場合には、製
品としての導電性ローラや搬送ベルトの力学特性が低下
するとともに、可塑剤がブリードしてべたつきを生じる
おそれがある。そして、導電性ローラにおいて可塑剤が
ブリードした場合には、それが感光体の表面を汚染し
て、画質に悪影響を及ぼす。また搬送ベルトにおいて可
塑剤がブリードした場合には、上記と同様に、それが紙
等の被転写物を汚染して、画質に悪影響を及ぼすおそれ
がある他、上記ブリードによって搬送ベルトがべたつき
を生じて、紙詰まり等のトラブルを生じるおそれがあ
る。
【0037】なお可塑剤の配合量は、導電性ゴム組成物
の成形性を考慮すると、上記範囲内でもとくに、3重量
部以上であるのが好ましい。また混練性を考慮すると、
上記可塑剤の配合量は、上記範囲内でもとくに、30重
量部以下であるのが好ましい。この発明の導電性ゴム組
成物には、上記各成分の他に、たとえば加硫剤、加硫促
進剤、老化防止剤、補強剤、充填剤等の、従来公知の種
々の添加剤を、所定の割合で配合することもできる。ま
た導電性ローラは、感光体表面への接触面積を増加さ
せ、かつその当りを和らげるために発泡させてもよく、
その場合、上記導電性ゴム組成物には公知の発泡剤を配
合すればよい。
【0038】導電性ゴム組成物の体積固有抵抗値は、前
記のように10〜1015Ω・cm程度が好ましい。導電
性ゴム組成物の体積固有抵抗値を上記範囲未満にしよう
とすると、カーボンブラックを多量に配合しなければな
らず、前記のようにゴム組成物の硬度が高くなって、加
工性が悪化したり、あるいは導電性ローラに使用した際
に、感光体の表面を傷つけたりするおそれがある。ま
た、導電性ゴム組成物の体積固有抵抗値が上記範囲を超
えるものは、導電性が不十分となって、導電性ローラや
搬送ベルト等に使用できないおそれがある。
【0039】なお、体積固有抵抗値の経時的な安定性の
指標としては、導電性ゴム組成物を加硫後、常温放置3
0日目までの抵抗値の最高値Rmax および最低値Rmin
とから、下記式(4) :
【0040】
【数5】
【0041】によって求められる変化量ΔlogRが、
0.6Ω・cm以下であるのが好ましい。変化量Δlo
gRが上記範囲を超える導電性ゴム組成物は、経時的に
不安定であり、このような導電性ゴム組成物を原料とし
て製造された導電性ローラや搬送ベルトを使用した電子
写真装置は、安定した画質が得られなくなってしまうお
それがある。
【0042】
【実施例】以下にこの発明を、実施例、比較例に基づい
て説明する。 実施例1〜8、比較例1〜5 基材ゴム100重量部に対し、表4〜8に示す量のカー
ボンブラックおよび可塑剤と、下記の各添加剤とを配合
し、ロールを用いて溶融、混練して、導電性ゴム組成物
を作製した。
【0043】 (添加剤) (重量部) シリカ 5 酸化マグネシウム 4 酸化亜鉛 5 ステアリン酸 1 加工助剤(TE80) 1.5 加硫剤(イオウ) 1.0 加硫促進剤: DOTG 1.0 TMTM 1.0 イクセラーEP55 0.5 (大内新興化学工業社製) なお、使用した基材ゴム、カーボンブラックおよび可塑
剤の特性、製造者、商品名等は下記のとおりである。 基材ゴム CR:SP値9.2、昭和電工社製の商品名ネオプレン
WRT EPDM:SP値7.9、住友化学社製の商品名エスプ
レン505A カーボンブラック アセチレンブラック:粒径40nm、DBP吸油量25
0cc/100g、電気化学工業社製の商品名デンカブ
ラック LS−ISAF:粒径22nm、DBP吸油量75cc
/100g、三菱化成社製の商品名ダイヤブラック LM−SFR:粒径82nm、DBP吸油量50cc/
100g、旭カーボン社製の商品名旭#35 可塑剤 レオフォス65:SP値10.35、味の素社製 #41:SP値9.2、大八化学工業所社製 上記各実施例、比較例の導電性ゴム組成物をシート状に
押し出し成形した後、160℃で35分間プレス加硫し
て、厚み2mmの導電性ゴムシートを作製し、このシー
トについて、以下の各測定を行って、各導電性ゴム組成
物の特性を評価した。 電気抵抗値測定 各実施例、比較例の導電性ゴム組成物から作製した導電
性ゴムシートの電気抵抗値を、温度23.5℃、湿度5
5%RHの条件下で30日間、継続して測定して、その
最高値Rmax と最低値Rmin を求めた。なお電気抵抗値
の測定には、アドバンテストコーポレーション社製のデ
ジタル超高抵抗微小電流計R−8340/8340−A
を用いた。
【0044】また、上記電気抵抗値の最高値Rmax と最
低値Rmin とから、前記式(4) によって、変化量Δlo
gRを算出した。 耐オゾン性評価 各実施例、比較例の導電性ゴム組成物から作製した導電
性ゴムシートを、前記のように、オゾン濃度25pph
m、40℃のオゾン雰囲気下で96時間放置した後、1
0%伸長させて亀裂の有無を観察し、亀裂が発生しなか
ったものを○(耐オゾン性良好)、発生したものを×
(耐オゾン性不良)として評価した。 加工性評価 各実施例、比較例の導電性ゴム組成物の混練から押し出
し成形、加硫プレスによる導電性ゴムシートの製造まで
の各工程での、加工性の良否を調べて、総合的に加工性
が良好なものを○、加工性がやや劣るが実用上問題ない
ものを△、加工性に劣り実用性がないものを×として評
価した。
【0045】以上の結果を表4〜8に示す。また、上記
各実施例、比較例の導電性ゴム組成物における可塑剤の
配合量X重量部と、ΔSPとの関係を図1中に点で示し
た。なお、各点に付したEのついた数字はそれぞれ対応
する実施例の番号を示し、Cのついた数字はそれぞれ対
応する比較例の番号を示している。また図中の曲線は、
式(5) :
【0046】
【数6】
【0047】のラインであり、図においてこの曲線とそ
れより下の領域が、この発明の範囲である。
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】
【表6】
【0051】
【表7】
【0052】
【表8】
【0053】図1ならびに表4〜8の結果より、可塑剤
の配合量X重量部とΔSPとの関係が前記式(1) を満足
しない比較例1〜4の導電性ゴム組成物はいずれも、電
気抵抗値の変化量ΔlogRが大きく、抵抗値が経時的
に不安定であることから、カーボンブラックが均一に分
散されていないことがわかった。また、上記のうち比較
例3の導電性ゴム組成物は、可塑剤の配合量が少ないた
め硬すぎてシート状に押し出し成形できず、逆に比較例
4の導電性ゴム組成物は、可塑剤の配合量が多いため粘
着性が高すぎてロールによる混練が困難であった。
【0054】一方、比較例5の導電性ゴム組成物は、可
塑剤の配合量X重量部とΔSPとの関係が前記式(1) を
満足し、電気抵抗値の変化量ΔlogRが小さく、抵抗
値が経時的に安定していたが、カーボンブラックとし
て、粒径が45nmを超える大粒径のものを使用してお
り、抵抗値を十分に低くするために多量のカーボンブラ
ックを配合したため、やはり硬すぎてシート状に押し出
し成形できなかった。
【0055】これに対し、可塑剤の配合量X重量部とΔ
SPとの関係が前記式(1) を満足する実施例1〜8の導
電性ゴム組成物はいずれも、電気抵抗値の変化量Δlo
gRが小さく、抵抗値が経時的に安定していることか
ら、カーボンブラックが均一に分散されていることがわ
かった。また、上記のうち実施例5の導電性ゴム組成物
は可塑剤の配合量が多いため粘着性が高く、ロールによ
る混練がやや容易でない傾向があったが、実用上は問題
ない程度であった。また実施例8の導電性ゴム組成物は
カーボンブラックの配合量が多く、かつ可塑剤の配合量
が少ないため、硬くなってシート状に押し出し成形する
のがやや容易でない傾向があったが、実用上は問題ない
程度であった。
【0056】その他の実施例については、加工性に全く
問題はなかった。 実施例9 基材ゴムとしてのIIR(SP値7.8、日本合成ゴム
社製の商品名ブチル065)100重量部に対し、表9
に示す量のカーボンブラックおよび可塑剤と、下記の各
添加剤とを配合し、ロールを用いて溶融、混練して、導
電性ゴム組成物を作製した。
【0057】 (添加剤) (重量部) シリカ 5 酸化マグネシウム 4 酸化亜鉛 5 ステアリン酸 1 加工助剤(TE80) 1.5 加硫剤(イオウ) 2.0 加硫促進剤: TMTD 1.0 MBTS 1.0 実施例10 基材ゴムとしてのハロゲン化IIR(SP値8.06、
日本合成ゴム社製の商品名クロロブチル)100重量部
に対し、表9に示す量のカーボンブラックおよび可塑剤
と、下記の各添加剤とを配合し、ロールを用いて溶融、
混練して、導電性ゴム組成物を作製した。
【0058】 (添加剤) (重量部) シリカ 5 酸化マグネシウム 4 酸化亜鉛 5 ステアリン酸 1 加硫剤(イオウ) 2.0 加硫促進剤: TMTD 1.0 MBTS 1.0 実施例11 基材ゴムとしてのCHR(SP値9.35、ダイソー社
製の商品名エピクロマーH)100重量部に対し、表9
に示す量のカーボンブラックおよび可塑剤と、下記の各
添加剤とを配合し、ロールを用いて溶融、混練して、導
電性ゴム組成物を作製した。
【0059】 (添加剤) (重量部) シリカ 5 受酸剤(鉛丹) 5 滑剤(ステアリン酸亜鉛) 1 老化防止剤 1 (ニッケルブチルジチオカーバメート) 加硫剤(2−メルカプトイミダゾリン) 1.5 実施例12 基材ゴムとしてのCHC(SP値9.05、ダイソー社
製の商品名エピクロマーC)100重量部に対し、表1
0に示す量のカーボンブラックおよび可塑剤と、下記の
各添加剤とを配合し、ロールを用いて溶融、混練して、
導電性ゴム組成物を作製した。
【0060】 (添加剤) (重量部) シリカ 5 受酸剤(鉛丹) 5 滑剤(ステアリン酸亜鉛) 1 老化防止剤 1 (ニッケルブチルジチオカーバメート) 加硫剤(2−メルカプトイミダゾリン) 1.5 実施例13 基材ゴムとしてのCSM(SP値8.9、昭和電工社製
の商品名ハイパロン40S)100重量部に対し、表1
0に示す量のカーボンブラックおよび可塑剤と、下記の
各添加剤とを配合し、ロールを用いて溶融、混練して、
導電性ゴム組成物を作製した。
【0061】 (添加剤) (重量部) シリカ 5 酸化マグネシウム 10 加硫促進剤: ペンタエリスリトール 3.0 DPTT 2.0 比較例6,7 基材ゴムとして、いずれも耐オゾン性のない、NR(S
P値8.0)または通常グレードのNBR(SP値8.
7、日本ゼオン社製の商品名ハイカー1041)100
重量部を使用したこと以外は、実施例1〜8と同様にし
て導電性ゴム組成物を作製した。
【0062】上記各実施例、比較例の導電性ゴム組成物
について、前記の各試験を行った。結果を表9〜11に
示す。また、上記各実施例、比較例の導電性ゴム組成物
における可塑剤の配合量X重量部と、ΔSPとの関係を
図1中に点で示した。
【0063】
【表9】
【0064】
【表10】
【0065】
【表11】
【0066】図1ならびに表9〜11の結果より、可塑
剤の配合量X重量部とΔSPとの関係が前記式(1) を満
足しない比較例6の導電性ゴム組成物は、電気抵抗値の
変化量ΔlogRが大きく、抵抗値が経時的に不安定で
あることから、カーボンブラックが均一に分散されてい
ないことがわかった。また、上記比較例6の導電性ゴム
組成物は、基材ゴムとしてNRを使用したため、耐オゾ
ン性が不良であった。
【0067】一方、比較例7の導電性ゴム組成物は、可
塑剤の配合量X重量部とΔSPとの関係が前記式(1) を
満足し、電気抵抗値の変化量ΔlogRが小さく、抵抗
値が経時的に安定していたが、基材ゴムとして通常グレ
ードのNBRを使用したため、やはり耐オゾン性が不良
であった。これに対し、可塑剤の配合量X重量部とΔS
Pとの関係が前記式(1) を満足する実施例1〜8の導電
性ゴム組成物はいずれも、電気抵抗値の変化量Δlog
Rが小さく、抵抗値が経時的に安定していることから、
カーボンブラックが均一に分散されていることがわかっ
た。
【0068】
【発明の効果】以上、詳述したようにこの発明の導電性
ゴム組成物は、特定の物性値を有する基材ゴムおよび可
塑剤と、少量の添加で高い導電性を得ることのできる小
粒径のカーボンブラックとを組み合わせたものゆえ、当
該小粒径のカーボンブラックを、凝集させることなく基
材ゴム中に均一に分散させることができ、抵抗値が均一
で、かつ経時的にも安定しており、しかも加工性にもす
ぐれたものとなっている。このためこの発明の導電性ゴ
ム組成物は、たとえば電子写真装置の導電性ローラや搬
送ベルト等の原料として使用した場合に、当該電子写真
装置の画質に悪影響を及ぼすことがなく、つねに安定し
た画質が得られるという特有の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例、比較例の導電性ゴム組成物
における、可塑剤の配合量(X重量部)と、基材ゴムお
よび可塑剤の理論SP値の差の絶対値ΔSPとの関係を
示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐オゾン性を有する基材ゴムに、カーボン
    ブラックと可塑剤とを配合した導電性ゴム組成物であっ
    て、 カーボンブラックの粒径が10〜45nmの範囲内であ
    るとともに、基材ゴム100重量部に対する可塑剤の配
    合量をX重量部、基材ゴムの理論溶解度パラメータ値と
    可塑剤の理論溶解度パラメータ値との差の絶対値をΔS
    Pとしたとき、両者が、式(1) : 【数1】 の関係にあることを特徴とする導電性ゴム組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004001774A (ja) * 1999-07-23 2004-01-08 Toyoda Gosei Co Ltd ウエザストリップ

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