JPH0853560A - プラスチック製品の帯電防止方法 - Google Patents

プラスチック製品の帯電防止方法

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Publication number
JPH0853560A
JPH0853560A JP6104469A JP10446994A JPH0853560A JP H0853560 A JPH0853560 A JP H0853560A JP 6104469 A JP6104469 A JP 6104469A JP 10446994 A JP10446994 A JP 10446994A JP H0853560 A JPH0853560 A JP H0853560A
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JP
Japan
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electron beam
plastic product
silane
antistatic
plastic
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Application number
JP6104469A
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English (en)
Inventor
Mikiko Fukuda
未紀子 福田
Shinobu Kinoshita
忍 木下
Yasuo Yoshida
安雄 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Iwasaki Denki KK
Original Assignee
Iwasaki Denki KK
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Publication date
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Publication of JPH0853560A publication Critical patent/JPH0853560A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 帯電防止剤に紫外線硬化樹脂や電子線硬化樹
脂を混合する必要がなく、しかも帯電防止剤の層をプラ
スチック製品に対する保護膜として利用することができ
るプラスチック製品の帯電防止方法を提供する。 【構成】 まず、プラスチックフィルム2の表面に、グ
ラビアコータやメイヤーロットコータ等を用いて、結合
末端にビニル基を有するシラン系アミン化合物4をコー
ティングする。その後、コーティングされたプラスチッ
クフィルム2の表面に電子線6を照射すると、ラジカル
が生成され、これにより、シラン系アミン化合物4の分
子間で架橋反応が起こって重合体が形成されると共に、
この重合体とプラスチックフィルム2の樹脂とのグラフ
ト重合が起こる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば電子機器部
品、粉体等を包装する包装材として用いられるプラスチ
ック製品の帯電を防止するプラスチック製品の帯電防止
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、プラスチック製品は1014Ω以
上の表面抵抗があり、表面に静電気を帯びやすいという
性質がある。このため、たとえばプラスチックフィルム
を、IC等の電子機器部品や、粉体等を包装する包装材
として使用した場合には、静電気により、電子機器部品
が破壊されたり、表面に塵や埃が付着して作業性が悪い
といった問題が生じる。この対策として、かかるプラス
チックフィルムの表面に帯電防止剤の層を形成すること
が一般的に行われている。
【0003】帯電防止剤は界面活性剤系とシロキサン系
とに大別され、この帯電防止剤の層を形成する方法とし
ては練り込む方法(練り込み型)と塗布する方法(塗布
型)とがある。いずれの方法でも、プラスチック製品の
表面にある程度の導電性を与えることにより帯電を防止
する。かかる帯電防止剤を高濃度で使用すれば当然効果
が大きくなるが、帯電防止剤を高濃度で使用すると表面
がべとつく。また練り込む方法は、滲出により印刷性、
光沢性の点で劣るという問題がある。このため、これら
の問題点と帯電防止効果との釣り合いを考慮して、通常
は、帯電防止剤をできるだけ低濃度で使用している。
【0004】ところで、帯電防止層を形成する作業性や
帯電防止層の耐久性の点から、帯電防止剤としては主に
練り込み型の界面活性剤が用いられている。図12は練
り込む方法により帯電防止層が形成されたプラスチック
フィルムを示す図である。練り込む方法では、図12に
示すように、帯電防止剤54と紫外線硬化樹脂又は熱硬
化樹脂56とを混合したものを、プラスチックフィルム
52の表面に練り込んだ後、樹脂56の硬化処理を行う
ことにより、帯電防止層を形成する。
【0005】しかし、この種の帯電防止剤では、帯電防
止剤のマイグレーションによる帯電防止効果の低下を防
止するため、また前述したように表面のべとつきをなく
すため、帯電防止剤を適正量しか使用できない。しか
も、かかる帯電防止剤は耐熱性の関係からほとんどが非
イオン性のものであり、帯電防止の効果は必ずしも満足
できるものではなかった。
【0006】そこで、かかる欠点を解消するために、プ
ラスチック製品の帯電防止方法として、特開平1−20
7332に示されたように合成樹脂と帯電防止剤とを押
し出し機より押し出した後、電子線照射を行う方法や、
特公平4−61009に示されたように電子線硬化樹脂
と帯電防止剤とを混合したものに電子線を照射して帯電
防止層を形成する方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
提案されたプラスチック製品の帯電防止方法でも、帯電
防止層を形成するのに練り込む方法を用いているため、
帯電防止剤の他に紫外線硬化樹脂や電子線硬化樹脂等が
必要不可欠であるという欠点がある。
【0008】図13は塗布する方法により帯電防止層が
形成されたプラスチックフィルムを示す図である。塗布
する方法では、図13に示すように、プラスチックフィ
ルム52の表面にシロキサン系の帯電防止剤58を約
0.1μmの厚さで塗布した後、乾燥させることによ
り、帯電防止層が形成される。シロキサン系の帯電防止
剤としては、コルコート株式会社製コルコート(登録商
標)がある。コルコートを使用する場合には、それを塗
布した後、3〜4分程度の常温乾燥又は熱乾燥を行う。
しかし、コルコートで形成される帯電防止層の厚さは
0.1μm程度であり、練り込む方法で形成される帯電
防止層の厚さに比べて非常に薄いため、帯電防止層をプ
ラスチック製品を保護する保護膜として利用できないと
いう欠点がある。また、特に、ウェブ状の物について帯
電防止の処理を行う場合には、長い炉体が必要となり、
処理スピードも非常に遅いという問題もある。
【0009】本発明は上記事情に基づいてなされたもの
であり、帯電防止剤に紫外線硬化樹脂や電子線硬化樹脂
を混合する必要がなく、しかも帯電防止剤の層をプラス
チック製品に対する保護膜として利用することができる
プラスチック製品の帯電防止方法を提供することを目的
とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの請求項1記載の発明に係るプラスチック製品の帯電
防止方法は、結合末端にビニル基を有するシラン系アミ
ン化合物をプラスチック製品の表面にコーティングした
後、そのコーティングした表面に電子線を照射すること
を特徴とするものである。
【0011】請求項2記載の発明に係るプラスチック製
品の帯電防止方法は、請求項1記載の発明において、前
記電子線を照射することにより、前記シラン系アミン化
合物の分子間で架橋反応を起こして重合体を形成すると
共に、前記重合体と前記プラスチック製品の樹脂とのグ
ラフト重合を起こすことを特徴とするものである。
【0012】請求項3記載の発明に係るプラスチック製
品の帯電防止方法は、請求項1又は2記載の発明におい
て、前記電子線の線量は2Mrad〜10Mradの範
囲内の値であることを特徴とするものである。
【0013】上記の目的を達成するための請求項4記載
の発明に係るプラスチック製品の帯電防止方法は、結合
末端にビニル基を有する第四級アンモニウムシラン化合
物をプラスチック製品の表面にコーティングした後、そ
のコーティングした表面に電子線を照射することを特徴
とするものである。
【0014】請求項5記載の発明に係るプラスチック製
品の帯電防止方法は、請求項4記載の発明において、前
記電子線を照射することにより、前記第四級アンモニウ
ムシラン化合物の分子間で架橋反応を起こして重合体を
形成すると共に、前記重合体と前記プラスチック製品の
樹脂とのグラフト重合を起こすことを特徴とするもので
ある。
【0015】請求項6記載の発明に係るプラスチック製
品の帯電防止方法は、請求項4又は5記載の発明におい
て、前記電子線の線量は2Mrad〜10Mradの範
囲内の値であることを特徴とするものである。
【0016】上記の目的を達成するための請求項7記載
の発明に係るプラスチック製品の帯電防止方法は、結合
末端にビニル基を有するシラン系アミン化合物又は結合
末端にビニル基を有する第四級アンモニウムシラン化合
物の高濃度品に有機シラン系化合物を添加して前記高濃
度品を希釈することにより前記高濃度品の粘度を調整し
た溶液を、プラスチック製品の表面にコーティングした
後、そのコーティングした表面に電子線を照射すること
を特徴とするものである。
【0017】請求項8記載の発明に係るプラスチック製
品の帯電防止方法は、請求項7記載の発明において、前
記有機シラン系化合物は、粘度が数cpsであり、無溶
剤であることを特徴とするものである。
【0018】請求項9記載の発明に係るプラスチック製
品の帯電防止方法は、請求項7又は8記載の発明におい
て、前記電子線を照射することにより、前記シラン系ア
ミン化合物又は前記第四級アンモニウムシラン化合物及
び前記有機シラン系化合物の分子間で架橋反応を起こし
て重合体を形成すると共に、前記重合体と前記プラスチ
ック製品の樹脂とのグラフト重合を起こすことを特徴と
するものである。
【0019】請求項10記載の発明に係るプラスチック
製品の帯電防止方法は、請求項7、8又は9記載の発明
において、前記電子線の線量は2Mrad〜10Mra
dの範囲内の値であることを特徴とするものである。
【0020】請求項11記載の発明に係るプラスチック
製品の帯電防止方法は、請求項1乃至10記載の発明に
おいて、前記プラスチック製品はプラスチックフィルム
であることを特徴とするものである。
【0021】請求項12記載の発明に係るプラスチック
製品は、結合末端にビニル基を有するシラン系アミン化
合物をプラスチック製品の表面にコーティングした後、
そのコーティングした表面に電子線を照射したことを特
徴とするものである。
【0022】請求項13記載の発明に係るプラスチック
製品は、結合末端にビニル基を有する第四級アンモニウ
ムシラン化合物をプラスチック製品の表面にコーティン
グした後、そのコーティングした表面に電子線を照射し
たことを特徴とするものである。
【0023】
【作用】請求項1記載の発明は前記の構成によって、結
合末端にビニル基を有するシラン系アミン化合物をプラ
スチック製品の表面にコーティングした後、そのコーテ
ィングした表面に電子線を照射することにより、ラジカ
ルを生成し、シラン系アミン化合物の分子間で架橋反応
を起こして重合体を形成すると共に、この重合体とプラ
スチック製品の樹脂とのグラフト重合を起こすことがで
きる。これにより、プラスチック製品の表面抵抗値を1
12Ω以下に下げることができるので、プラスチック製
品の帯電を防止することができる。また、結合末端にビ
ニル基を有するシラン系アミン化合物を帯電防止剤とし
て使用することにより、従来の帯電防止剤を使用する場
合のように帯電防止剤に紫外線硬化樹脂や電子線硬化樹
脂等を混合させる必要がなくなる。さらに、電子線を照
射して架橋反応を起こしたシラン系アミン化合物の帯電
防止層はH〜2Hの鉛筆硬度を有するので、これを保護
膜として利用することができる。
【0024】請求項2記載の発明は前記の構成によっ
て、電子線を照射することによりシラン系アミン化合物
の分子間で架橋反応を起こして重合体を形成すると共に
重合体とプラスチック製品の樹脂とのグラフト重合を起
こすことにより、請求項1記載の発明と同様の作用を奏
する。
【0025】請求項3記載の発明は前記の構成によっ
て、電子線の線量を2Mrad〜10Mradの範囲内
の値とすることにより、プラスチック製品に悪影響を及
ぼすことなく、架橋反応やグラフト重合を起こすことが
できる。しかも、あまり多くの線量を必要としないの
で、電子線を照射する装置として、市販されている電子
線照射装置のうち小型のものを用いることができ、たと
えウェブ状の物であっても簡単にしかも短時間で帯電を
防止する処理を行うことができる。
【0026】請求項4記載の発明は前記の構成によっ
て、結合末端にビニル基を有する第四級アンモニウムシ
ラン化合物をプラスチック製品の表面にコーティングし
た後、そのコーティングした表面に電子線を照射するこ
とにより、ラジカルを生成し、第四級アンモニウムシラ
ン化合物の分子間で架橋反応を起こして重合体を形成す
ると共に、この重合体とプラスチック製品の樹脂とのグ
ラフト重合を起こすことができる。これにより、プラス
チック製品の表面抵抗値を1012Ω以下に下げることが
できるので、プラスチック製品の帯電を防止することが
できる。また、結合末端にビニル基を有する第四級アン
モニウムシラン化合物を帯電防止剤として使用すること
により、従来の帯電防止剤を使用する場合のように帯電
防止剤に紫外線硬化樹脂や電子線硬化樹脂等を混合させ
る必要がなくなる。さらに、電子線を照射して架橋反応
を起こした第四級アンモニウムシラン化合物の帯電防止
層はH〜2Hの鉛筆硬度を有するので、これを保護膜と
して利用することができる。
【0027】請求項5記載の発明は前記の構成によっ
て、電子線を照射することにより第四級アンモニウムシ
ラン化合物の分子間で架橋反応を起こして重合体を形成
すると共に重合体とプラスチック製品の樹脂とのグラフ
ト重合を起こすことにより、請求項4記載の発明と同様
の作用を奏する。
【0028】請求項6記載の発明は前記の構成によっ
て、電子線の線量を2Mrad〜10Mradの範囲内
の値とすることにより、プラスチック製品に悪影響を及
ぼすことなく、架橋反応やグラフト重合を起こすことが
できる。しかも、あまり多くの線量を必要としないの
で、電子線を照射する装置として、市販されている電子
線照射装置のうち小型のものを用いることができ、たと
えウェブ状の物であっても簡単にしかも短時間で帯電を
防止する処理を行うことができる。
【0029】請求項7記載の発明は前記の構成によっ
て、結合末端にビニル基を有するシラン系アミン化合物
又は結合末端にビニル基を有する第四級アンモニウムシ
ラン化合物の高濃度品に有機シラン系化合物を添加して
高濃度品を希釈することにより高濃度品の粘度を調整し
た溶液を、プラスチック製品の表面にコーティングした
後、そのコーティングした表面に電子線を照射すること
により、ラジカルを生成し、シラン系アミン化合物又は
第四級アンモニウムシラン化合物及び有機シラン系化合
物の分子間で架橋反応を起こして重合体を形成すると共
に、この重合体とプラスチック製品の樹脂とのグラフト
重合を起こすことができる。これにより、プラスチック
製品の表面抵抗値を1012Ω以下に下げることができる
ので、プラスチック製品の帯電を防止することができ
る。また、結合末端にビニル基を有するシラン系アミン
化合物又は結合末端にビニル基を有する第四級アンモニ
ウムシラン化合物の高濃度品に有機シラン系化合物を添
加した溶液を帯電防止剤として使用することにより、従
来の帯電防止剤を使用する場合のように帯電防止剤に紫
外線硬化樹脂や電子線硬化樹脂等を混合させる必要がな
くなる。さらに、電子線を照射して硬化させた帯電防止
剤の層は、プラスチック製品に対する保護膜として利用
するのに十分な硬さを有する。
【0030】請求項8記載の発明は前記の構成によっ
て、有機シラン系化合物として、粘度が数cpsであ
り、無溶剤のものを用いることにより、結合末端にビニ
ル基を有するシラン系アミン化合物又は結合末端にビニ
ル基を有する第四級アンモニウムシラン化合物の高濃度
品に有機シラン系化合物を添加した溶液には、メタノー
ル等の揮発性溶剤がほとんど含まれていないので、人体
や環境に対して安全で且つ衛生的である。特に、有機シ
ラン系化合物を30wt%含有する溶液では粘度変化が
非常に小さいので、コータを用いて溶液をプラスチック
製品に塗布すると、膜厚をほぼ一定とすることができ
る。
【0031】請求項9記載の発明は前記の構成によっ
て、電子線を照射することによりシラン系アミン化合物
又は第四級アンモニウムシラン化合物及び有機シラン系
化合物の分子間で架橋反応を起こして重合体を形成する
と共に重合体とプラスチック製品の樹脂とのグラフト重
合を起こすことにより、請求項7記載の発明と同様の作
用を奏する。
【0032】請求項10記載の発明は前記の構成によっ
て、電子線の線量を2Mrad〜10Mradの範囲内
の値とすることにより、プラスチック製品に悪影響を及
ぼすことなく、架橋反応やグラフト重合を起こすことが
できる。しかも、あまり多くの線量を必要としないの
で、電子線を照射する装置として、市販されている電子
線照射装置のうち小型のものを用いることができ、たと
えウェブ状の物であっても簡単にしかも短時間で帯電を
防止する処理を行うことができる。
【0033】請求項11記載の発明は前記の構成によっ
て、プラスチック製品がプラスチックフィルムであるこ
とにより、プラスチックフィルムの帯電を効果的に防止
することができる。
【0034】請求項12記載の発明は前記の構成によっ
て、結合末端にビニル基を有するシラン系アミン化合物
をプラスチック製品の表面にコーティングした後、その
コーティングした表面に電子線を照射したことにより、
プラスチック製品の帯電を効果的に防止することができ
る。
【0035】請求項13記載の発明は前記の構成によっ
て、結合末端にビニル基を有する第四級アンモニウムシ
ラン化合物をプラスチック製品の表面にコーティングし
た後、そのコーティングした表面に電子線を照射したこ
とにより、プラスチック製品の帯電を効果的に防止する
ことができる。
【0036】
【実施例】以下に、本発明の第一実施例について図面を
参照して説明する。図1は本発明の第一実施例であるプ
ラスチック製品の帯電防止方法を説明するための図、図
2は第一乃至第三実施例のプラスチック製品の帯電防止
方法に使用する電子線照射装置の概略構成図である。こ
こで、第一実施例では、プラスチック製品が、たとえば
ポリオレフィンフィルムやポリエステルフィルム等のプ
ラスチックフィルムである場合について説明する。
【0037】一般に、プラスチックフィルムは1014Ω
以上の表面抵抗を持つので、特に電子機器部品等に使用
される場合には、このプラスチックフィルムに帯電を防
止する処理を施す必要がある。第一実施例のプラスチッ
ク製品の帯電防止方法では、まず、図1(a)に示すよ
うに、プラスチックフィルム2の表面に、グラビアコー
タやメイヤーロットコータ等を用いて、結合末端にビニ
ル基を有するシラン系アミン化合物4aをコーティング
する。ここで、このシラン系アミン化合物4aは通常、
有機化合物と無機化合物とのカップリング剤として使用
されるものであり、これまで帯電防止剤として用いられ
たことのないものである。その後、図1(b)に示すよ
うに、コーティングされたプラスチックフィルム2の表
面に電子線6を照射すると、ラジカルが生成され、これ
により、シラン系アミン化合物4aの分子間で架橋反応
が起こって重合体が形成されると共に、この重合体とプ
ラスチックフィルム2の樹脂とのグラフト重合が起こ
る。そして、プラスチックフィルム2の裏側の面につい
ても、必要に応じて同様の処理を行い、処理が終了す
る。本発明者等は、実際、このような処理を施したプラ
スチックフィルム2の表面抵抗値が低下することを見出
した。したがって、結合末端にビニル基を有するシラン
系アミン化合物4aは帯電防止剤として利用することが
できる。
【0038】ここで、第一乃至第三実施例の方法で使用
する電子線照射装置について説明する。かかる電子線照
射装置は、エナジーサイエンス社製エレクトロカーテン
(登録商標)CB175/15/180L又はCB20
0/45/300であり、図2に示すように、電子線発
生部10と、照射室20と、照射窓部30とを備えるも
のである。
【0039】電子線発生部10は、電子線を発生するタ
ーミナル12と、ターミナル12で発生した電子線を真
空空間(加速空間)で加速する加速管14とを有するも
のである。また、電子線発生部10の内部は、電子が気
体分子と衝突してエネルギーを失うことを防ぐため、図
示しない拡散ポンプ等により10-6〜10-7Torrの
真空に保たれている。ターミナル12は、熱電子を放出
する線状のフィラメント12aと、フィラメント12a
を支持するガン構造体12bと、フィラメント12aで
発生した熱電子をコントロールするグリッド12cとを
有する。
【0040】照射室20は、被処理物に電子線を照射す
る照射空間22を含むものである。また、被処理物は照
射室20内をコンベア等の搬送手段(不図示)により、
図2において左側から右側に移動する。尚、電子線発生
部10及び照射室20の周囲は電子線照射時に二次的に
発生するX線が外部へ漏出しないように、鉛遮蔽が施さ
れている。
【0041】照射窓部30は、金属箔からなる窓箔32
と、窓箔32を冷却すると共に窓箔32を支持する窓枠
構造体34とを有するものである。窓箔32は、電子線
発生部10内の真空雰囲気と照射室20内の照射雰囲気
とを仕切るものであり、また窓箔32を介して照射室2
0内に電子線を取り出すものである。この窓箔32に
は、通常、Ti箔が使用されている。
【0042】フィラメント12aに電流を通じて加熱す
るとフィラメント12aは熱電子を放出し、この熱電子
は、フィラメント12aとグリッド12cとの間に印加
された制御電圧により四方八方に引き寄せられる。この
うち、グリッド12cを通過したものだけが電子線とし
て有効に取り出される。そして、このグリッド12cか
ら取り出された電子線は、グリッド12cと窓箔32と
の間に印加された加速電圧により加速管14内の加速空
間で加速された後、窓箔32を突き抜け、照射窓部30
の下方の照射室20内を搬送される被処理物に照射され
る。
【0043】この電子線照射装置を第一実施例のプラス
チック製品の帯電防止方法に使用する場合には、加速電
圧を175kV、照射室20内の照射雰囲気を酸素濃度
が300ppm以下であるように設定して、被処理物で
あるシラン系アミン化合物4aをコーティングしたプラ
スチックフィルム2に電子線を照射する。
【0044】次に、本発明者等は、第一実施例のプラス
チック製品の帯電防止方法によって帯電を効果的に防止
できるための条件を求める実験や、帯電防止の効果を確
認する実験等を行った。
【0045】最初に、架橋反応やグラフト重合を効果的
に起こすことができる電子線の線量を調べた。この第一
実験では、プラスチックフィルム2として厚さ25μm
のポリエステルフィルムを用い、また、結合末端にビニ
ル基を有するシラン系アミン化合物4aとして、N−β
−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シ
リコーン(株)社製AY43−038)を用いた。ここ
で、ポリエステルフィルムには、表面の水濡れ性をよく
するためコロナ処理を施した。そして、以下の手順で第
一実験を行った。
【0046】まず、N−β−(N−ビニルベンジルアミ
ノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランが
メタノール中に40wt%含有した溶液にH2 Oを3モ
ル当量加え、加水分解するために一昼夜放置した。次
に、この加水分解した溶液を、ポリエステルフィルム上
にバーコータ(Rod.No.65 )を用いて約10μm厚にコ
ーティングし、その後、100℃で1分間乾燥した。こ
のようにして得られた各サンプルに、それぞれ電子線を
線量0、0.5、1、3、5Mradで照射した。とこ
ろで、シラン系アミン化合物の重合体とポリエステルフ
ィルムの樹脂とのグラフト重合が不十分な場合、グラフ
ト重合が完成していないシラン系アミン化合物は溶剤に
溶け出すので、溶剤に浸漬する前後の各サンプルの重量
変化を測定することにより、重合度を知ることができ
る。第一実験では、かかる溶剤としてメタノールを使用
し、この溶剤に各サンプルを12時間浸漬した後、重量
変化を測定し、重合度を求めた。この測定結果を図3に
示す。図3では横軸に電子線の線量を、縦軸に重合度を
とっている。図3から、重合度を50%以上にするため
には、少なくとも2Mradの線量が必要であることが
わかる。実際、電子線の線量が2Mradより少ない
と、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ
−アミノプロピルトリメトキシシランの分子間で架橋反
応が十分起こらないので、N−β−(N−ビニルベンジ
ルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ランの硬化がうまくいかず、表面のべとつきが残ってし
まい、また、ポリエステルフィルムをウェブ処理する場
合にはブロッキングを起こしてしまう。
【0047】また、本発明者等が電子線の線量をさらに
多くして実験を行ったところ、電子線の線量が10Mr
adより多くなると、ポリエステルフィルムが変形して
しまい、エネルギーが無駄になるということがわかっ
た。したがって、第一実施例のプラスチック製品の帯電
防止方法では、照射する電子線の線量は2〜10Mra
dの範囲内の値であることが望ましい。
【0048】次に、本発明者等は、第一実施例の方法に
より帯電防止の処理を行ったフィルムと何らの処理も行
わなかったフィルムとの表面抵抗値を測定することによ
り、帯電防止効果の確認実験を行った。この第二実験で
は、プラスチックフィルム2として厚さ50μmのLD
PE(Low Density Polyethylene)フィルムを用い、結
合末端にビニル基を有するシラン系アミン化合物4aと
して、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコ
ーニング・シリコーン(株)社製AY43−038)を
用いた。そして、以下の手順で第二実験を行った。
【0049】一のLDPEフィルムに第一実施例の方法
による帯電防止処理を行うために、まず、N−β−(N
−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピル
トリメトキシシランがメタノール中に40wt%含有し
た溶液にH2 Oを3モル当量加え、加水分解するために
一昼夜放置した。次に、この加水分解した溶液を、表面
をコロナ処理したLDPEフィルム上にバーコータ(#
8)を用いて約3μm厚にコーティングし、100℃で
1分間乾燥した。その後、このLDPEフィルムに電子
線を3Mradの線量で照射した。そして、このような
処理を行ったLDPEフィルムと、何らの処理も行わな
かったLDPEフィルムとの表面抵抗値を測定した。こ
こで、表面抵抗値は、三菱油化(株)製〔HIRESTA MCP-
HT210 〕高抵抗率計で測定した。また、測定時の環境は
温度27℃、湿度64%RHであった。この測定結果を
図4に示す。一般に、プラスチック製品の帯電を防止す
るためには、表面抵抗値(Ω)を1012のオーダー以下
にする必要がある。図4から、第一実施例の方法により
処理を行ったLDPEフィルムでは表面抵抗値が5.5
×108 Ωであるので、フィルムの帯電を効果的に防止
することができることがわかる。
【0050】ところで、通常、表面抵抗値は湿度が低く
なるにつれて高くなるという湿度依存性を有する。この
ため、本発明者等は、湿度が低い場合でも、第一実施例
の方法により帯電防止処理が施されたプラスチックフィ
ルムの表面抵抗値が帯電を効果的に防止できる範囲内
(1012Ω以下)にあるかどうかを調べた。まず、第二
実験と同様にしてLDPEフィルムに帯電防止の処理を
行った。そして、このLDPEフィルムをデシケータ内
に6日間放置した。ここで、デシケータ内の湿度を約1
0%RHに設定した。その後、このLDPEフィルムを
即座に取り出し、その表面抵抗値を測定した結果、約1
×1011Ωであった。したがって、第一実施例の方法に
より帯電防止の処理が施されたプラスチックフィルムで
は、湿度が約10%RHと非常に低い場合、湿度が64
%RHである場合に比べて、表面抵抗値が高くなるが、
その表面抵抗値はフィルムの帯電を十分防止できる範囲
内に収まっていることが確認された。
【0051】また、本発明者等は、電子線を照射して硬
化させたシラン系アミン化合物について硬度の測定を行
った。ここで、基材がプラスチックフィルムである場合
には、鉛筆硬度の測定が難しいため、基材としてアルミ
板を用い、その表面にシラン系アミン化合物をコーティ
ングした後、電子線を照射して硬化させたシラン系アミ
ン化合物について鉛筆硬度の測定を行った。ただし、こ
の実験の条件は第二実験と同様である。この測定の結
果、シラン系アミン化合物はH〜2Hの硬度を有するこ
とがわかった。しかも、シラン系アミン化合物の層は数
ミクロンの厚さに形成されるので、第一実施例のプラス
チック製品の帯電防止方法では、硬化したシラン系アミ
ン化合物をプラスチック製品に対する保護膜として利用
することができる。
【0052】尚、本発明者等が調べたところ、第一実施
例の方法により帯電防止の処理が施されたプラスチック
製品は、防曇性も有することが確認された。
【0053】第一実施例のプラスチック製品の帯電防止
方法では、たとえばプラスチックフィルムの表面に、結
合末端にビニル基を有するシラン系アミン化合物をコー
ティングした後、そのコーティングした表面に電子線を
照射することにより、ラジカルを生成し、シラン系アミ
ン化合物の分子間で架橋反応を起こして重合体を形成す
ると共に、この重合体とプラスチックフィルムの樹脂と
のグラフト重合を起こすことができる。これにより、プ
ラスチックフィルムの表面抵抗値を1012Ω以下に下げ
ることができるので、プラスチックフィルムの帯電を防
止することができる。また、結合末端にビニル基を有す
るシラン系アミン化合物を帯電防止剤として使用したこ
とにより、従来の帯電防止剤を使用する場合のように帯
電防止剤に紫外線硬化樹脂や電子線硬化樹脂等を混合さ
せる必要がなくなる。さらに、電子線を照射して架橋反
応を起こしたシラン系アミン化合物の帯電防止層はH〜
2Hの鉛筆硬度を有するので、これを保護膜として利用
することができる。
【0054】また、第一実施例のプラスチック製品の帯
電防止方法では、シラン系アミン化合物に照射する電子
線の線量を2〜10Mradの範囲内の値とすることに
より、プラスチック製品に悪影響を及ぼすことなく、架
橋反応やグラフト重合を起こすことができる。しかも、
あまり多くの線量を必要としないので、電子線を照射す
る装置として、市販されている電子線照射装置のうち小
型のものを用いることができ、たとえウェブ状の物であ
っても簡単にしかも短時間で帯電防止の処理を行うこと
ができる。このため、第一実施例のプラスチック製品の
帯電防止方法は、生産性の向上を図ることができると共
に、工業的方法として非常に有効である。
【0055】次に、本発明の第二実施例について図面を
参照して説明する。図5は本発明の第二実施例であるプ
ラスチック製品の帯電防止方法を説明するための図であ
る。ここで、第二実施例でも、上記第一実施例と同様
に、プラスチック製品が、たとえばポリオレフィンフィ
ルムやポリエステルフィルム等のプラスチック製品であ
る場合について説明する。
【0056】第二実施例のプラスチック製品の帯電防止
方法では、帯電防止剤として結合末端にビニル基を有す
る第四級アンモニウムシラン化合物4bを使用し、ま
ず、図5(a)に示すように、プラスチックフィルム2
の表面に、グラビアコータやメイヤーロットコータ等を
用いて、結合末端にビニル基を有する第四級アンモニウ
ムシラン化合物4bをコーティングする。その後、図5
(b)に示すように、コーティングされたプラスチック
フィルム2の表面に電子線6を照射すると、ラジカルが
生成され、これにより、第四級アンモニウムシラン化合
物4bの分子間で架橋反応が起こって重合体が形成され
ると共に、この重合体とプラスチックフィルム2の樹脂
とのグラフト重合が起こる。そして、プラスチックフィ
ルム2の裏側の面についても、必要に応じて同様の処理
を行い、帯電防止処理が終了する。
【0057】尚、図2に示す電子線照射装置を第二実施
例のプラスチック製品の帯電防止方法で使用する場合に
は、第一実施例の場合と同様に、加速電圧を175k
V、照射室20内の照射雰囲気を酸素濃度が300pp
m以下であるように設定して、被処理物である第四級ア
ンモニウムシラン化合物4bをコーティングしたプラス
チックフィルム2に電子線を照射する。
【0058】次に、本発明者等は、第二実施例のプラス
チック製品の帯電防止方法によって帯電を効果的に防止
できるための条件を求める実験や、帯電防止の効果を確
認する実験等を行った。
【0059】最初に、架橋反応やグラフト重合を効果的
に起こすことができる電子線の線量を調べた。この第三
実験では、プラスチックフィルム2として厚さ25μm
のポリエステルフィルムを用い、また、結合末端にビニ
ル基を有する第四級アンモニウムシラン化合物4bとし
て、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩(東レ・
ダウコーニング・シリコーン(株)社製SZ6032)
を用いた。ここで、ポリエステルフィルムには、表面の
水濡れ性をよくするためコロナ処理を施した。そして、
以下の手順で第三実験を行った。
【0060】まず、N−β−(N−ビニルベンジルアミ
ノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・
塩酸塩がメタノール中に40wt%含有した溶液にH2
Oを3モル当量加え、加水分解するために一昼夜放置し
た。次に、この加水分解した溶液を、ポリエステルフィ
ルム上にバーコータ(Rod.No.65 )を用いて約10μm
厚にコーティングし、その後、100℃で1分間乾燥し
た。このようにして得られた各サンプルに、それぞれ電
子線を線量0、0.5、1、3、5Mradで照射し
た。ところで、第四級アンモニウムシラン化合物の重合
体とポリエステルフィルムの樹脂とのグラフト重合が不
十分な場合、グラフト重合が完成していない第四級アン
モニウムシラン化合物は溶剤に溶け出すので、溶剤に浸
漬する前後の各サンプルの重量変化を測定することによ
り、重合度を知ることができる。第三実験では、かかる
溶剤としてメタノールを使用し、この溶剤に各サンプル
を12時間浸漬した後、重量変化を測定し、重合度を求
めた。この測定結果を図6に示す。図6では横軸に電子
線の線量を、縦軸に重合度をとっている。これは、第一
実施例における第一実験とほとんど同じ結果である。図
6から、重合度を50%以上にするためには、少なくと
も2Mradの線量が必要であることがわかる。実際、
電子線の線量が2Mradより少ないと、N−β−(N
−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン・塩酸塩の分子間で架橋反応が十分
起こらないので、N−β−(N−ビニルベンジルアミノ
エチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩
酸塩の硬化がうまくいかず、表面のべとつきが残ってし
まい、また、ポリエステルフィルムをウェブ処理する場
合にはブロッキングを起こしてしまう。
【0061】また、本発明者等が電子線の線量をさらに
多くして実験を行ったところ、電子線の線量が10Mr
adより多くなると、ポリエステルフィルムが変形して
しまい、エネルギーが無駄になるということがわかっ
た。したがって、第二実施例のプラスチック製品の帯電
防止方法では、照射する電子線の線量は2〜10Mra
dの範囲内の値であることが望ましい。
【0062】次に、本発明者等は、第二実施例の方法に
より帯電防止の処理を行ったフィルムと何らの処理も行
わなかったフィルムとの表面抵抗値を測定することによ
り、帯電防止効果の確認実験を行った。この第四実験で
は、プラスチックフィルム2として厚さ12μmのポリ
エステルフィルムを用い、結合末端にビニル基を有する
第四級アンモニウムシラン化合物4bとして、N−β−
(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン・塩酸塩(東レ・ダウコーニン
グ・シリコーン(株)社製SZ6032)を用いた。そ
して、以下の手順で第四実験を行った。
【0063】一のPET(Polyethylene Terephthalat
e)フィルムに第二実施例の方法による帯電防止処理を
行うために、まず、N−β−(N−ビニルベンジルアミ
ノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・
塩酸塩がメタノール中に40wt%含有した溶液にH2
Oを3モル当量加え、加水分解するために一昼夜放置し
た。次に、この加水分解した溶液を、表面をコロナ処理
したポリエステルフィルム上にバーコータ(#8)を用
いて約3μm厚にコーティングし、100℃で1分間乾
燥した。その後、このポリエステルフィルムに電子線を
3Mradの線量で照射した。そして、このような処理
を行ったポリエステルフィルムと、何らの処理も行わな
かったポリエステルフィルムとの表面抵抗値を測定し
た。ここで、表面抵抗値は、三菱油化(株)製〔HIREST
A MCP-HT210 〕高抵抗率計で測定した。また、測定時の
環境は温度28℃、湿度65%RHであった。この測定
結果を図7に示す。一般に、プラスチック製品の帯電を
防止するためには、表面抵抗値(Ω)を1012のオーダ
ー以下にする必要がある。図7から、第二実施例の方法
により処理を行ったポリエステルフィルムでは表面抵抗
値が3.1×107 Ωであるので、フィルムの帯電を効
果的に防止することができることがわかる。
【0064】ところで、通常、表面抵抗値は湿度が低く
なるにつれて高くなるという湿度依存性を有する。この
ため、本発明者等は、湿度が低い場合でも、第二実施例
の方法により帯電防止処理が施されたプラスチックフィ
ルムの表面抵抗値が帯電を効果的に防止できる範囲内
(1012Ω以下)にあるかどうかを調べた。まず、第四
実験と同様にしてポリエステルフィルムに帯電防止の処
理を行った。そして、このポリエステルフィルムをデシ
ケータ内に6日間放置した。ここで、デシケータ内の湿
度を約10%RHに設定した。その後、このポリエステ
ルフィルムを即座に取り出し、その表面抵抗値を測定し
た結果、約1×1010Ωであった。したがって、第二実
施例の方法により帯電防止の処理が施されたプラスチッ
クフィルムでは、湿度が約10%RHと非常に低い場
合、湿度が65%RHである場合に比べて、表面抵抗値
が高くなるが、その表面抵抗値はフィルムの帯電を十分
防止できる範囲内に収まっていることが確認された。
【0065】また、本発明者等は、電子線を照射して硬
化させた第四級アンモニウムシラン化合物について硬度
の測定を行った。ここで、基材がプラスチックフィルム
である場合には、鉛筆硬度の測定が難しいため、基材と
してアルミ板を用い、その表面に第四級アンモニウムシ
ラン化合物をコーティングした後、電子線を照射して硬
化させた第四級アンモニウムシラン化合物について鉛筆
硬度の測定を行った。ただし、この実験の条件は第四実
験と同様である。この測定の結果、第四級アンモニウム
シラン化合物はH〜2Hの硬度を有することがわかっ
た。しかも、第四級アンモニウムシラン化合物の層は数
ミクロンの厚さに形成されるので、第二実施例のプラス
チック製品の帯電防止方法では、硬化した第四級アンモ
ニウムシラン化合物をプラスチック製品に対する保護膜
として利用することができる。
【0066】尚、本発明者等が調べたところ、第二実施
例の方法により帯電防止の処理が施されたプラスチック
製品は、防曇性も有することが確認された。
【0067】第二実施例のプラスチック製品の帯電防止
方法では、帯電防止剤として結合末端にビニル基を有す
る第四級アンモニウムシラン化合物を使用し、この第四
級アンモニウムシラン化合物を、たとえばプラスチック
フィルムの表面にコーティングした後、そのコーティン
グした表面に電子線を照射することにより、ラジカルを
生成し、第四級アンモニウムシラン化合物の分子間で架
橋反応を起こして重合体を形成すると共に、この重合体
とプラスチックフィルムの樹脂とのグラフト重合を起こ
すことができる。これにより、プラスチックフィルムの
表面抵抗値を1012Ω以下に下げて、プラスチックフィ
ルムの帯電を防止することができる。また、帯電防止剤
として結合末端にビニル基を有する第四級アンモニウム
シラン化合物を使用したことにより、従来の帯電防止剤
を使用する場合のように帯電防止剤に紫外線硬化樹脂や
電子線硬化樹脂等を混合させる必要がなくなる。さら
に、電子線を照射して架橋反応を起こした第四級アンモ
ニウムシラン化合物の帯電防止層はH〜2Hの鉛筆硬度
を有するので、これを保護膜として利用することができ
る。
【0068】また、第二実施例のプラスチック製品の帯
電防止方法では、第四級アンモニウムシラン化合物に照
射する電子線の線量を2〜10Mradの範囲内の値と
したことにより、プラスチック製品に悪影響を及ぼすこ
となく、架橋反応やグラフト重合を起こすことができ
る。しかも、あまり多くの線量を必要としないので、電
子線を照射する装置として、市販されている電子線照射
装置のうち小型のものを用いることができ、たとえウェ
ブ状の物であっても簡単にしかも短時間で帯電防止の処
理を行うことができる。このため、第二実施例のプラス
チック製品の帯電防止方法は、生産性の向上を図ること
ができると共に、工業的方法として非常に有効である。
【0069】次に、本発明の第三実施例について図面を
参照して説明する。図8は本発明の第三実施例であるプ
ラスチック製品の帯電防止方法を説明するための図であ
る。ここで、第三実施例でも、上記第一及び第二実施例
と同様に、プラスチック製品が、たとえばポリオレフィ
ンフィルムやポリエステルフィルム等のプラスチックフ
ィルムである場合について説明する。
【0070】第三実施例のプラスチック製品の帯電防止
方法では、帯電防止剤として、結合末端にビニル基を有
するシラン系アミン化合物の高濃度品に有機シラン系化
合物を添加した溶液4cを使用する。ここで、有機シラ
ン系化合物は、結合末端にビニル基を有するシラン系ア
ミン化合物の高濃度品を希釈する希釈剤として用いら
れ、これにより、その高濃度品の粘度を調整している。
また、有機シラン系化合物としては、粘度が数cpsで
あり、メタノール、水等に溶け込ませない無溶剤のもの
を用いる。第三実施例の方法では、まず、図8(a)に
示すように、プラスチックフィルム2の表面に、グラビ
アコータやメイヤーロットコータ等を用いて、シラン系
アミン化合物の高濃度品に有機シラン系化合物を添加し
た溶液4cをコーティングする。その後、図8(b)に
示すように、コーティングされたプラスチックフィルム
2の表面に電子線6を照射すると、ラジカルが生成さ
れ、これにより、シラン系アミン化合物及び有機シラン
系化合物の分子間で架橋反応が起こって重合体が形成さ
れると共に、この重合体とプラスチックフィルム2の樹
脂とのグラフト重合が起こる。そして、プラスチックフ
ィルム2の裏側の面についても、必要に応じて同様の処
理を行い、帯電防止処理が終了する。
【0071】ところで、一般に市販されている結合末端
にビニル基を有するシラン系アミン化合物、たとえば東
レ・ダウコーニング・シリコーン(株)社製AY43−
038では、希釈剤としてメタノールを60wt%使用
している。メタノールは人体や環境にとって有害である
ことから使用が好まれない。また、メタノールは揮発性
であるため、次第に固形成分の濃度が上がり、化合物の
粘度が上昇するので、コータを用いて化合物をプラスチ
ックフィルムに塗布すると、一定した膜厚が得られない
ことがある。一方、メタノールをほとんど含まない結合
末端にビニル基を有するシラン系アミン化合物の高濃度
品(90%〜98%)を帯電防止剤として用いることに
すると、かかる高濃度品は粘度が非常に高いため(数千
cps)、コータを用いて高濃度品をプラスチックフィ
ルムに塗布することができない。また、図11に示すよ
うに、この高濃度品にわずかに含有しているメタノール
の揮発によって、高濃度品の粘度が急激に上昇してしま
う。そこで、第三実施例では、結合末端にビニル基を有
するシラン系アミン化合物の高濃度品を用いているが、
この高濃度品を、メタノール等の揮発性溶剤を含まない
有機シラン系化合物で希釈することにしている。
【0072】尚、図2に示す電子線照射装置(CB20
0/45/300)を第三実施例のプラスチック製品の
帯電防止方法で使用する場合には、第一実施例の場合と
同様に、加速電圧を175kV、照射室20内の照射雰
囲気を酸素濃度が300ppm以下であるように設定し
て、シラン系アミン化合物の高濃度品に有機シラン系化
合物を添加した溶液4cがコーティングされたプラスチ
ックフィルム2に電子線を照射する。
【0073】次に、本発明者等は、第三実施例のプラス
チック製品の帯電防止方法に関して、いくつかの実験を
行った。
【0074】最初に、溶液4cの硬化状態を調べること
により、シラン系アミン化合物の高濃度品とその希釈剤
としての有機シラン系化合物との適正な混合比を求める
実験を行った。この第五実験では、結合末端にビニル基
を有するシラン系アミン化合物の高濃度品として、N−
β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・
シリコーン(株)社製AY43−038)の98%高濃
度品を用い、希釈剤として、γ−アニリノプロピルトリ
メトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン
(株)社製SZ6083)を用いた。また、他の有機シ
ラン系化合物として、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン
(株)社製SH6040)を用いた。そして、以下の手
順で第五実験を行った。
【0075】まず、N−β−(N−ビニルベンジルアミ
ノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの
98%高濃度品、γ−アニリノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの
それぞれに、規定量のH2 Oを加え、加水分解するため
に一昼夜放置した。ここで、これらの化合物を予め加水
分解しておくのは、加水分解は反応が非常に激しいの
で、各化合物を混合してからH2 Oを加えることにする
と、発生する熱により、架橋反応が進み、粘度が一気に
上昇してしまうからである。次に、N−β−(N−ビニ
ルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメ
トキシシランの98%高濃度加水分解品、γ−アニリノ
プロピルトリメトキシシランの加水分解品、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシランの加水分解品を、4
0:10:0.5(希釈剤の添加濃度20wt%)、3
5:15:0.5(希釈剤の添加濃度30wt%)、3
0:20:0.5(希釈剤の添加濃度40wt%)、2
5:25:0.5(希釈剤の添加濃度50wt%)、1
5:35:1.5(希釈剤の添加濃度70wt%)の各
割合で混合して五つのサンプル溶液を得た。そして、こ
れらのサンプル溶液をバーコータ(#9)を用いて各プ
ラスチックフィルムにコーティングし、その後、100
℃で1分間乾燥した。このようにして得られた各サンプ
ルに、電子線を線量5Mradで照射し、各サンプル溶
液の硬化の度合いを調べた。この結果を図9に示す。希
釈剤の添加濃度を20wt%、30wt%としたサンプ
ル溶液は、何ら問題なく硬化した。希釈剤の添加濃度を
40wt%としたサンプル溶液は、硬化はするが、擦る
とかすがでた。希釈剤の添加濃度を50wt%としたサ
ンプル溶液は、硬化がうまくいかず、表面のべとつきが
残ってしまった。そして、プラスチックフィルムをウェ
ブ処理する場合には、電子線の線量をたとえ10Mra
dとしてもブロッキングを起こした。希釈剤の添加濃度
を70wt%としたサンプル溶液は、硬化しなかった。
したがって、第三実施例のプラスチック製品の帯電防止
方法では、希釈剤の添加濃度を30wt%以下とするこ
とが望ましい。
【0076】また、本発明者等は、シラン系アミン化合
物の高濃度品に有機シラン系アミン化合物を30wt%
添加した溶液について、架橋反応やグラフト重合を効果
的に起こすことができる電子線の線量を調べたところ、
上記第一及び第二実施例の場合と同様に、照射する電子
線の線量は2〜10Mradの範囲内の値であることが
望ましいことがわかった。
【0077】次に、シラン系アミン化合物の高濃度品に
有機シラン系アミン化合物を添加した溶液の開放系での
粘度変化を調べた。この第六実験では、結合末端にビニ
ル基を有するシラン系アミン化合物の高濃度品として、
N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニン
グ・シリコーン(株)社製AY43−038)の98%
高濃度品を用い、希釈剤として、γ−アニリノプロピル
トリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコー
ン(株)社製SZ6083)を用いた。そして、以下の
手順で第六実験を行った。
【0078】まず、N−β−(N−ビニルベンジルアミ
ノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの
98%高濃度品、γ−アニリノプロピルトリメトキシシ
ランのそれぞれに規定量のH2 Oを加え、加水分解する
ために一昼夜放置した。次に、N−β−(N−ビニルベ
ンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシランの98%高濃度加水分解品、γ−アニリノプロ
ピルトリメトキシシランの加水分解品を、7:3、8:
2の各割合で混合し、容積50mlの二つのサンプル瓶
に入れ、蓋を開放した。そして、これらの混合した溶液
について、一定時間毎に粘度を測定した。この測定結果
を図10に示す。希釈剤の添加濃度を30wt%とした
溶液は、粘度が上昇しているものの、1時間までは60
0cps程度であり、ほとんど粘度が変わらなかった。
また、希釈剤の添加濃度を20wt%とした溶液は、最
初の数分間までは粘度が1000cps以下であるが、
1時間を過ぎると粘度が急激に上昇した。このため、希
釈剤の添加濃度を20wt%とした溶液を使用する場合
には、なるべく早くプラスチックフィルムにコーティン
グを行い、電子線を照射して硬化処理をする必要があ
る。
【0079】また、本発明者等は、シラン系アミン化合
物の高濃度品に有機シラン系アミン化合物を30wt%
添加した溶液を、グラビアコータを用いてプラスチック
フィルムにコーティングする実験を行ったところ、かか
る溶液は上記のように粘度がほとんど変化しないため、
安定してコーティングすることができ、膜厚をほぼ一定
とすることができた。
【0080】更に、シラン系アミン化合物の高濃度品に
有機シラン系アミン化合物を30wt%添加した溶液に
電子線を照射して硬化させて、その表面抵抗値を測定す
る実験を行った。測定時の環境は温度19.7℃、湿度
55.0%RHであり、表面抵抗値の測定の結果は、約
109 Ωであった。したがって、第三実施例のプラスチ
ック製品の帯電防止方法を用いると、フィルムの帯電を
効果的に防止することができる。
【0081】尚、本発明者等が調べたところ、結合末端
にビニル基を有するシラン系アミン化合物の高濃度品に
有機シラン系化合物を添加した溶液を帯電防止剤として
使用することにより、電子線を照射して硬化させた帯電
防止剤の層は、プラスチック製品に対する保護膜として
利用するのに十分な硬度を有することが確認された。
【0082】第三実施例のプラスチック製品の帯電防止
方法では、結合末端にビニル基を有するシラン系アミン
化合物の高濃度品に有機シラン系化合物を添加して高濃
度品を希釈することにより高濃度品の粘度を調整した溶
液を、たとえばプラスチックフィルムの表面にコーティ
ングした後、そのコーティングした表面に電子線を照射
することにより、ラジカルを生成し、シラン系アミン化
合物及び有機シラン系化合物の分子間で架橋反応を起こ
して重合体を形成すると共に、この重合体とプラスチッ
クフィルムの樹脂とのグラフト重合を起こすことができ
る。これにより、プラスチックフィルムの表面抵抗値を
1012Ω以下に下げることができるので、プラスチック
フィルムの帯電を防止することができる。また、結合末
端にビニル基を有するシラン系アミン化合物の高濃度品
に有機シラン系化合物を添加した溶液を帯電防止剤とし
て使用することにより、従来の帯電防止剤を使用する場
合のように帯電防止剤に紫外線硬化樹脂や電子線硬化樹
脂等を混合させる必要がなくなる。さらに、電子線を照
射して硬化させた帯電防止剤の層は、プラスチック製品
に対する保護膜として利用するのに十分な硬さを有す
る。
【0083】また、有機シラン系化合物として、粘度が
数cpsであり、無溶剤のものを用いることにより、結
合末端にビニル基を有するシラン系アミン化合物の高濃
度品に有機シラン系化合物を添加した溶液には、メタノ
ール等の揮発性溶剤がほとんど含まれていないので、人
体や環境に対して安全で且つ衛生的である。特に、有機
シラン系化合物が30wt%含有する溶液では粘度変化
が非常に小さいので、コータを用いて溶液をプラスチッ
クフィルムに塗布すると、膜厚をほぼ一定とすることが
できる。
【0084】更に、第三実施例のプラスチック製品の帯
電防止方法では、結合末端にビニル基を有するシラン系
アミン化合物の高濃度品に有機シラン系化合物を添加し
た溶液に照射する電子線の線量を2Mrad〜10Mr
adの範囲内の値とすることにより、プラスチック製品
に悪影響を及ぼすことなく、架橋反応やグラフト重合を
起こすことができる。しかも、あまり多くの線量を必要
としないので、電子線を照射する装置として、市販され
ている電子線照射装置のうち小型のものを用いることが
でき、たとえウェブ状の物であっても簡単にしかも短時
間で帯電防止の処理を行うことができる。このため、第
三実施例のプラスチック製品の帯電防止方法は、生産性
の向上を図ることができると共に、工業的方法として非
常に有効である。
【0085】尚、本発明は、上記の各実施例に限定され
るものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形
が可能である。たとえば、上記の各実施例では、帯電防
止の処理が施される被処理物としてプラスチックフィル
ムを用いた場合について説明したが、被処理物として
は、たとえばプラスチックプレート等であってもよい。
この場合も、上記各実施例のプラスチック製品の帯電防
止方法を用いることにより、上記各実施例と同様の作用
・効果を奏する。
【0086】また、上記の第三実施例において、結合末
端にビニル基を有するシラン系アミン化合物の高濃度品
の代わりに、結合末端にビニル基を有する第四級アンモ
ニウムシラン化合物の高濃度品を用いてもよい。この場
合も、上記第三実施例と同様の作用・効果を奏する。
【0087】更に、上記の第三実施例では、希釈剤とし
て、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン(東レ・
ダウコーニング・シリコーン(株)社製SZ6083)
を用いた場合について説明したが、この他に希釈剤とし
ては、たとえば、γ−(2・アミノエチル)アミノプル
ピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−グリシロキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メルカプトトリメトキシシラン、メチル
トリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメト
キシシラン、ヘキサメチルジシザラン等を使用してもよ
い。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、結合末端にビニル基を有するシラン系アミン
化合物をプラスチック製品の表面にコーティングした
後、そのコーティングした表面に電子線を照射すること
により、架橋反応やグラフト重合を起こし、プラスチッ
ク製品の表面抵抗値を1012Ω以下に下げることができ
るので、プラスチック製品の帯電を防止することがで
き、しかも、結合末端にビニル基を有するシラン系アミ
ン化合物を帯電防止剤として使用することにより、従来
の帯電防止剤を使用する場合のように帯電防止剤に電子
線硬化樹脂等を混合させる必要がなくなり、また、硬化
させたシラン系アミン化合物がH〜2Hの鉛筆硬度を有
するので、シラン系アミン化合物を保護膜として利用す
ることができるプラスチック製品の帯電防止方法を提供
することができる。
【0089】請求項2記載の発明によれば、電子線を照
射することによりシラン系アミン化合物の分子間で架橋
反応を起こして重合体を形成すると共に重合体とプラス
チック製品の樹脂とのグラフト重合を起こすことによ
り、請求項1記載の発明と同様の効果を有するプラスチ
ック製品の帯電防止方法を提供することができる。
【0090】請求項3記載の発明によれば、電子線の線
量を2Mrad〜10Mradの範囲内の値とすること
により、プラスチック製品に悪影響を及ぼすことなく、
架橋反応やグラフト重合を起こすことができ、また、あ
まり多くの線量を照射する必要がないため、電子線を照
射する装置として、市販されている電子線照射装置のう
ち小型のものを用いることができるので、工業的方法と
して非常に有効であると共に、生産性の向上を図ること
ができるプラスチック製品の帯電防止方法を提供するこ
とができる。
【0091】以上説明したように請求項4記載の発明に
よれば、結合末端にビニル基を有する第四級アンモニウ
ムシラン化合物をプラスチック製品の表面にコーティン
グした後、そのコーティングした表面に電子線を照射す
ることにより、架橋反応やグラフト重合を起こし、プラ
スチック製品の表面抵抗値を1012Ω以下に下げて、プ
ラスチック製品の帯電を防止することができ、しかも、
結合末端にビニル基を有する第四級アンモニウムシラン
化合物を帯電防止剤として使用することにより、従来の
帯電防止剤を使用する場合のように帯電防止剤に電子線
硬化樹脂等を混合させる必要がなくなり、また、硬化さ
せた第四級アンモニウムシラン化合物がH〜2Hの鉛筆
硬度を有するので、第四級アンモニウムシラン化合物を
保護膜として利用することができるプラスチック製品の
帯電防止方法を提供することができる。
【0092】請求項5記載の発明によれば、電子線を照
射することにより第四級アンモニウムシラン化合物の分
子間で架橋反応を起こして重合体を形成すると共に重合
体とプラスチック製品の樹脂とのグラフト重合を起こす
ことにより、請求項4記載の発明と同様の効果を有する
プラスチック製品の帯電防止方法を提供することができ
る。
【0093】請求項6記載の発明によれば、電子線の線
量を2Mrad〜10Mradの範囲内の値とすること
により、プラスチック製品に悪影響を及ぼすことなく、
架橋反応やグラフト重合を起こすことができ、また、あ
まり多くの線量を照射する必要がないため、電子線を照
射する装置として、市販されている電子線照射装置のう
ち小型のものを用いることができるので、工業的方法と
して非常に有効であると共に、生産性の向上を図ること
ができるプラスチック製品の帯電防止方法を提供するこ
とができる。
【0094】以上説明したように請求項7記載の発明に
よれば、結合末端にビニル基を有するシラン系アミン化
合物又は結合末端にビニル基を有する第四級アンモニウ
ムシラン化合物の高濃度品に有機シラン系化合物を添加
して高濃度品を希釈することにより高濃度品の粘度を調
整した溶液を、プラスチック製品の表面にコーティング
した後、そのコーティングした表面に電子線を照射する
ことにより、架橋反応やグラフト重合を起こし、プラス
チック製品の表面抵抗値を1012Ω以下に下げて、プラ
スチック製品の帯電を防止することができ、しかも、結
合末端にビニル基を有するシラン系アミン化合物又は結
合末端にビニル基を有する第四級アンモニウムシラン化
合物の高濃度品に有機シラン系化合物を添加した溶液を
帯電防止剤として使用することにより、従来の帯電防止
剤を使用する場合のように帯電防止剤に電子線硬化樹脂
等を混合させる必要がなくなり、また、電子線を照射し
て硬化させた帯電防止剤の層は、十分な硬度を有するの
で、かかる帯電防止剤の層を保護膜として利用すること
ができるプラスチック製品の帯電防止方法を提供するこ
とができる。
【0095】請求項8記載の発明によれば、有機シラン
系化合物として、粘度が数cpsであり、無溶剤のもの
を用いることにより、結合末端にビニル基を有するシラ
ン系アミン化合物又は結合末端にビニル基を有する第四
級アンモニウムシラン化合物の高濃度品に有機シラン系
化合物を添加した溶液には、メタノール等の揮発性溶剤
がほとんど含まれていないので、人体や環境に対して安
全で且つ衛生的であり、特に、有機シラン系化合物を3
0wt%含有する溶液では粘度変化が非常に小さいの
で、コータを用いて溶液をプラスチック製品に塗布する
と、膜厚をほぼ一定とすることができるプラスチック製
品の帯電防止方法を提供することができる。
【0096】請求項9記載の発明によれば、電子線を照
射することによりシラン系アミン化合物又は第四級アン
モニウムシラン化合物及び有機シラン系化合物の分子間
で架橋反応を起こして重合体を形成すると共に重合体と
前記プラスチック製品の樹脂とのグラフト重合を起こす
ことにより、請求項7記載の発明と同様の効果を有する
プラスチック製品の帯電防止方法を提供することができ
る。
【0097】請求項10記載の発明によれば、電子線の
線量を2Mrad〜10Mradの範囲内の値とするこ
とにより、プラスチック製品に悪影響を及ぼすことな
く、架橋反応やグラフト重合を起こすことができ、ま
た、あまり多くの線量を照射する必要がないため、電子
線を照射する装置として、市販されている電子線照射装
置のうち小型のものを用いることができるので、工業的
方法として非常に有効であると共に、生産性の向上を図
ることができるプラスチック製品の帯電防止方法を提供
することができる。
【0098】請求項11記載の発明によれば、プラスチ
ック製品がプラスチックフィルムであることにより、プ
ラスチックフィルムの帯電を効果的に防止することがで
きるプラスチック製品の帯電防止方法を提供することが
できる。
【0099】請求項12記載の発明によれば、結合末端
にビニル基を有するシラン系アミン化合物をプラスチッ
ク製品の表面にコーティングした後、そのコーティング
した表面に電子線を照射したことにより、帯電を効果的
に防止することができるプラスチック製品を提供するこ
とができる。
【0100】請求項13記載の発明によれば、結合末端
にビニル基を有する第四級アンモニウムシラン化合物を
プラスチック製品の表面にコーティングした後、そのコ
ーティングした表面に電子線を照射したことにより、帯
電を効果的に防止することができるプラスチック製品を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例であるプラスチック製品の
帯電防止方法を説明するための図である。
【図2】第一乃至第三実施例のプラスチック製品の帯電
防止方法に使用する電子線照射装置の概略構成図であ
る。
【図3】第一実施例のプラスチック製品の帯電防止方法
において、電子線の線量と重合度との関係を示す図であ
る。
【図4】第一実施例のプラスチック製品の帯電防止方法
により処理を施した場合の表面抵抗値の測定結果を示す
図である。
【図5】本発明の第二実施例であるプラスチック製品の
帯電防止方法を説明するための図である。
【図6】第二実施例のプラスチック製品の帯電防止方法
において、電子線の線量と重合度との関係を示す図であ
る。
【図7】第二実施例のプラスチック製品の帯電防止方法
により処理を施した場合の表面抵抗値の測定結果を示す
図である。
【図8】本発明の第三実施例であるプラスチック製品の
帯電防止方法を説明するための図である。
【図9】第三実施例のプラスチック製品の帯電防止方法
において、シラン系アミン化合物(AY43−038)
の高濃度品と希釈剤としての有機シラン系化合物(SZ
6083)との混合比に対する帯電防止層の硬化状態を
示す図である。
【図10】第三実施例のプラスチック製品の帯電防止方
法において、シラン系アミン化合物(AY43−03
8)の高濃度品を有機シラン系化合物(SZ6083)
で希釈した溶液の開放系での粘度変化を示す図である。
【図11】シラン系アミン化合物の濃度とそれに含まれ
るメタノールの添加量とシラン系アミン化合物の粘度と
の関係を示す図である。
【図12】練り込む方法により帯電防止層が形成された
プラスチックフィルムを示す図である。
【図13】塗布する方法により帯電防止層が形成された
プラスチックフィルムを示す図である。
【符号の説明】
2 プラスチックフィルム 4a 結合末端にビニル基を有するシラン系アミン化
合物 4b 結合末端にビニル基を有する第四級アンモニウ
ムシラン化合物 4c 結合末端にビニル基を有するシラン系アミン化
合物の高濃度品に有機シラン化合物を添加した溶液 6 電子線 10 電子線発生部 12 ターミナル 12a フィラメント 12b ガン構造体 12c グリッド 14 加速管 20 照射室 22 照射空間 30 照射窓部 32 窓箔 34 窓枠構造体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 143/04 PGX

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結合末端にビニル基を有するシラン系ア
    ミン化合物をプラスチック製品の表面にコーティングし
    た後、そのコーティングした表面に電子線を照射するこ
    とを特徴とするプラスチック製品の帯電防止方法。
  2. 【請求項2】 前記電子線を照射することにより、前記
    シラン系アミン化合物の分子間で架橋反応を起こして重
    合体を形成すると共に、前記重合体と前記プラスチック
    製品の樹脂とのグラフト重合を起こすことを特徴とする
    請求項1記載のプラスチック製品の帯電防止方法。
  3. 【請求項3】 前記電子線の線量は2Mrad〜10M
    radの範囲内の値であることを特徴とする請求項1又
    は2記載のプラスチック製品の帯電防止方法。
  4. 【請求項4】 結合末端にビニル基を有する第四級アン
    モニウムシラン化合物をプラスチック製品の表面にコー
    ティングした後、そのコーティングした表面に電子線を
    照射することを特徴とするプラスチック製品の帯電防止
    方法。
  5. 【請求項5】 前記電子線を照射することにより、前記
    第四級アンモニウムシラン化合物の分子間で架橋反応を
    起こして重合体を形成すると共に、前記重合体と前記プ
    ラスチック製品の樹脂とのグラフト重合を起こすことを
    特徴とする請求項4記載のプラスチック製品の帯電防止
    方法。
  6. 【請求項6】 前記電子線の線量は2Mrad〜10M
    radの範囲内の値であることを特徴とする請求項4又
    は5記載のプラスチック製品の帯電防止方法。
  7. 【請求項7】 結合末端にビニル基を有するシラン系ア
    ミン化合物又は結合末端にビニル基を有する第四級アン
    モニウムシラン化合物の高濃度品に有機シラン系化合物
    を添加して前記高濃度品を希釈することにより前記高濃
    度品の粘度を調整した溶液を、プラスチック製品の表面
    にコーティングした後、そのコーティングした表面に電
    子線を照射することを特徴とするプラスチック製品の帯
    電防止方法。
  8. 【請求項8】 前記有機シラン系化合物は、粘度が数c
    psであり、無溶剤であることを特徴とする請求項7記
    載のプラスチック製品の帯電防止方法。
  9. 【請求項9】 前記電子線を照射することにより、前記
    シラン系アミン化合物又は前記第四級アンモニウムシラ
    ン化合物及び前記有機シラン系化合物の分子間で架橋反
    応を起こして重合体を形成すると共に、前記重合体と前
    記プラスチック製品の樹脂とのグラフト重合を起こすこ
    とを特徴とする請求項7又は8記載のプラスチック製品
    の帯電防止方法。
  10. 【請求項10】 前記電子線の線量は2Mrad〜10
    Mradの範囲内の値であることを特徴とする請求項
    7、8又は9記載のプラスチック製品の帯電防止方法。
  11. 【請求項11】 前記プラスチック製品はプラスチック
    フィルムであることを特徴とする請求項1乃至10記載
    のプラスチック製品の帯電防止方法。
  12. 【請求項12】 結合末端にビニル基を有するシラン系
    アミン化合物をプラスチック製品の表面にコーティング
    した後、そのコーティングした表面に電子線を照射した
    ことを特徴とするプラスチック製品。
  13. 【請求項13】 結合末端にビニル基を有する第四級ア
    ンモニウムシラン化合物をプラスチック製品の表面にコ
    ーティングした後、そのコーティングした表面に電子線
    を照射したことを特徴とするプラスチック製品。
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