JPH085342Y2 - 低粘性燃料油用ラジアルピストンポンプ - Google Patents

低粘性燃料油用ラジアルピストンポンプ

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JPH085342Y2
JPH085342Y2 JP1990079277U JP7927790U JPH085342Y2 JP H085342 Y2 JPH085342 Y2 JP H085342Y2 JP 1990079277 U JP1990079277 U JP 1990079277U JP 7927790 U JP7927790 U JP 7927790U JP H085342 Y2 JPH085342 Y2 JP H085342Y2
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英弥 菊地
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株式会社ゼクセル
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はラジアルピストンポンプとりわけ低粘性燃料
油を高圧圧送するのに好適なラジアルピストンポンプに
関するものである。
〔従来の技術及びその技術的課題〕
車輌等の内燃機関の排気ガスによる公害問題や資源枯
渇化対策として、ガソリンやメタノールないしこれに類
するもの(以下単にメタノールと称す)の適用が検討さ
れている。
このためには、通常の燃料ポンプのような吐出圧力3
〜4kgf/cm2では不可であり、70〜100kgf/cm2という高吐
出圧性能を発揮できるポンプが必要である。その一形式
として、能力の面や効率の面からラジアルピストンポン
プが考えられる。ところが、従来のラジアルピストンポ
ンプは、特開昭64−367号公報で示されるように、高粘
性オイル(粘度が30cst以上)の圧送手段として使用さ
れるのが一般的であった。しかし、前記燃料油は粘度が
約0.5cst程度と非常に低粘性である。
かかる特性の燃料油を高圧吐出させようとした場合、
ポンプ構造をシリンダブロック固定でピストンのみ往復
動する固定シリンダ式にしただけでは、駆動軸の軸受に
封入したグリースが低粘性油により洗浄・稀釈される問
題や、ピストンとシリンダバレル間、偏心カムとピスト
ン先端間でかじりや焼付きが生ずる問題を解消すること
ができない。このため、従来のラジアルピストンポンプ
では低粘性燃料油の高圧圧送を実現できなかった。
本考案は前記のような問題点を解消するために考案さ
れたもので、その目的とするところは、ガソリンやメタ
ノールなどで代表される低粘度燃料油を、軸受部分の潤
滑性を損ったり、また、ポンプシャフトオイルシールか
らの洩れを生じさせたり、ピストン摺動部にかじりや焼
付きを起こさせることなく、70kgf/cm2以上に高圧化し
て圧送できる実用的なラジアルピストンポンプを提供す
ることにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため本考案は、固定シリンダとこ
れに放射状に配された複数本のピストンを有し、これら
ピストンがポンプシャフトの偏心カムの回転で往復動さ
れる形式のポンプにおいて、 吸入ポートを有するハウジングと吐出ポートを有する
カバーを、複数本のピストンを放射状に配したシリンダ
の前後にそれぞれ一体に連結するとともに、 前記ピストンの先端と接触する偏心カム部を備えたポ
ンプシャフトを前記カバーとハウジング内の軸受により
支承させ、 前記ハウジングには前記吸入ポートに供給された低粘
度燃料油を各ピストンの加圧室に送り込む各吸入通路を
連絡するための連絡通路を設け、 前記偏心カム部の外周とシリンダ内壁間および偏心カ
ム部より後方のポンプシャフト外周とハウジング内壁間
には、軸線方向両端がオイルシールで閉じられた環状室
を一連に形成し、しかもハウジングには前記連絡通路と
交わらない位置に一端が前記環状室に通じ他端がハウジ
ング外周に開口して外部のタンクに通じるリターンポー
トを設けて前記環状室を大気圧に開放した構成としてい
る。
〔作用〕
低粘度燃料油はフィードポンプから吸入ポートにフィ
ードされる。吸入ポートはあるシリンダ室に対する吸入
通路に通じとともに、連絡通路により全部の各吸入通路
と連通しているが、環状室には通じていないため、フィ
ード圧が吸入通路にだけ加わり、環状室の燃料が大気圧
に保たれる。
エンジンの駆動によりポンプシャフトは回転し、これ
に設けられている偏心カムによりピストンが往復運動す
ることで低粘度燃料油はシリンダ室で加圧され、吐出ポ
ートから圧送される。
環状室にはピストンの摺動隙間、あるいはシリンダと
ハウジングとの接面から洩れた低粘度燃料油が集まる
が、環状室の圧力はほぼ大気圧であり。したがってポン
プシャフトが高速回転してもオイルシールにより確実に
遮断され、軸受のグリースを稀釈することなくポンプシ
ャフトおよびその外周の偏心カムさらにこれとピストン
との接触面を的確に潤滑したり油冷することができる。
〔実施例〕
以下本考案の実施例を添付図面に基いて説明する。
第1図ないし第10図は本考案によるラジアルピストン
ポンプの第1実施例を示している。第1図と第2図は全
体の構造を示しており、第3図ないし第10図は各部の詳
細を示している。
第1図と第2図において、Aはシリンダ、Bはハウジ
ングであり、シリンダAの軸線方向片側端面にリーフバ
ルブDおよびガスケットEを介して接している。Cはカ
バーであり、シリンダAの軸線方向他側端面にリーフバ
ルブD′およびガスケットE′を介して接している。
前記シリンダA、ハウジングB、カバーC、リーフバ
ルブD、D′およびガスケットE′はそれぞれ同位置に
複数個のピン挿通穴100とボルト穴101(図示するもので
は5個であり、ハウジングBはねじ穴となっている。)
を有し、それらピン挿通穴100にピン102を嵌めることで
周方向の位置決めがなされるとともに、ボルト穴101に
スタッドボルト103を通して締付けることにより一体化
されている。Fはポンプシャフトであり、外部のエンジ
ンの駆動により駆動プーリGを介して回転されるように
なっている。
前記シリンダAは、第1図と第3図および第4図に示
されているように筒状をなし、内壁1から外壁を貫通す
るごとく複数本(実施例では5本)のシリンダ穴2が等
間隔かつ放射状に形成され、各シリンダ穴2にはキャッ
プ状ピストン3がそれぞれ摺動自由に嵌められ、それら
キャップ状ピストン3は、シリンダ穴2にねじ込み固定
されたプラグ4に一端を支持されたスプリング5により
求心方向に付勢されている。
ハウジングBは筒状をなし、第1図のように前記シリ
ンダAの内壁1と整合する径の内壁6を有すると共に、
半部から先には段部を介して拡大穴700が形成されてい
る。カバーCは前記シリンダAおよびハウジングBと同
心状でかつ細径の段付き袋穴800が形成されている。
ポンプシャフトFは、第1図のように、先端から後方
にかけて細径部9aと、シリンダ域に対応する位置の偏心
カム部9bと、細径部9aと同心状の太径部9cおよび段付き
径部9dを有しており、細径部9aは段付き袋穴800の穴底
に配したスラスト軸受10で受け止められると共に、穴内
周に配したラジアル軸受11により支持され、また、段付
き径部9dは拡大穴700に配したラジアル軸受12により支
持されている。
前記偏心カム部9bと太径部9cはシリンダAおよびハウ
ジングBの内壁1,6よりも径が細く、偏心カム部9bと太
径部9cの各外周とシリンダAおよびハウジングBの内壁
1,6との間には低粘性燃料油を溜める環状室13が形成さ
れている。この環状室13の軸線方向は、前記段付き袋穴
800と拡大穴700の各入口域にそれぞれ設けたオイルシー
ル14、15により軸受側と分離され、ラジアル軸受11,12
に封入したグリースが洗浄性のある低粘性燃料油で稀釈
されるのを防止している。
前記偏心カム部9bは、第1図と第3図に示されるよう
に、カム本体90と、これに相対回転可能に外嵌したメタ
ルブシュ91と、該メタルブシュ91に圧入等任意の方法で
一体化した(もちろん別体でもよいが)高硬度のガイド
リング92とを備え、このガイドリング92に前記キャップ
状ピストン3の曲率先端部が接触するようになってい
る。
前記メタルブシュ91とガイドリング92は、右端側が太
径部9cにより、左端側がカム本体90に取付けた止め環93
によりそれぞれ移動が阻止されている。メタルブシュ91
は内面に微小な螺旋油溝が形成され、この螺旋油溝によ
る低粘性燃料油の流れでカム本体90との間の潤滑を図っ
ている。
高硬度のガイドリング92は、たとえばSUJ材やファイ
ンセラミツクスなどが用いられる。カム本体90は第1図
のようにポンプシャフトFと一体形成され、表面に焼入
れを施すことで構成してもよいし、第3図仮想線で示す
ように、ポンプシャフトFと別体とし、圧入とキーによ
り一体化してもよいものである。
各キャツプ状ピストン3の上端部位に相当するシリン
ダ穴部位には径の拡大された加圧室30がそれぞれ形成さ
れており、各加圧室30に対応するシリンダ右端面には第
1図と第4図のように前記加圧室30に通じる吸込み側通
路孔33を穿った座ぐり穴31が形成され、また、吸込み側
通路孔33と反対側にはシリンダ左端面に開孔する吐出側
通路孔34が穿設されている。
一方、ハウジングBには、前記座ぐり穴31に対応する
位置に、第1図と第5図に示す如く左端面に開孔する複
数個(実施例では5個)の吸入通路16がそれぞれ穿設さ
れている。それら各吸入通路16は軸線方向に延びるだけ
で、前記環状室13とは分離されている。
各吸入通路16に対応する位置のハウジングBには、同
一円周上に、第5図のように半径方向に延びてハウジン
グ外周に開口するねじ付きのポート穴7が形成されてお
り、それら各ポート穴7,7は、開口に近い位置から斜め
に穿設した連絡通路8により相互に連絡されている。
そして、任意の1つのポート穴7には、内部にフィル
タ170を備えた吸入ポート部材17がシールリング36を介
してねじ込まれている。該吸入ポート部材17は図示しな
い導管によりフィードポンプを介して低粘性燃料油タン
クに接続され、また、吸入ポート部材17は内部に吸入ポ
ート172を有し、前記連絡通路8に対応する部位の側壁
には通孔173,173が設けられている。
他のポート穴7にはそれぞれシールリング36を介して
筒穴付きプラグ37がねじ込み固定されており、筒穴付き
プラグ37の筒壁には隣接する連絡通路8,8を導通させる
ための通孔370,370が設けられている。
さらに、ハウジングBには、前記連絡通路8と軸線方
向で変位した部位に、第1図と第5図のように、先端が
環状室13に開孔し後端がハウジング外周に開口する段付
きのリターンポート38が形成されており、該リターンポ
ート38には、図示しない燃料タンクに接続するリターン
通路390を備えたコネクタ39がねじ込み固定されてい
る。リターン通路390は絞りなど流量調整機能を有して
いてもよい。
前記各吸入通路16は、第4図や第8図から明らかなよ
うに、ガスケットEに配設した通孔18と連通し、さらに
その先はリーフバルブDに配設した舌片状スプリングか
らなる吸入弁19により閉じられるようになっている。第
10図(a)がガスケットEを示し、同図(b)はリーフ
バルブDを示している。
そして、前記各座ぐり穴31にはリーフバルブDの吸入
弁19が開弁したときにこれを受け止めるストッパ20が嵌
め込まれている。該ストッパ20は第8図と第9図に示す
ごとく、座ぐり穴内壁との間に隙間を有せしめるように
幅狭となっており、座ぐり穴31の穴底に面する側には吸
入側通路孔33にほぼ合致する通油溝200が形成され、こ
の位置関係を設定するためピン21によりシリンダAに位
置決め保持されている。前記リーフバルブDの吸入弁19
は第9図のようにストッパ20とほぼ同幅になっているこ
とが好ましい。
一方、吐出側通路孔34の先端は、第6図よ第7図の如
く、第10図(b)に示すものと中心孔径が異なるほか同
じ構成のガスケットE′の通孔18′に通じ、その先は第
6図と第7図のようにリーフバルブD′の吐出弁19′に
より常態において閉じられるようになっている。リーフ
バルブD′は第10図(a)に示すものと同じ構成すなわ
ち共用部品である。
一方、カバーCの右端面には、前記座ぐり穴31と半径
方向および円周方向で同位置を座ぐり穴31′が形成され
るとともに、各座ぐり穴31′には前記ストッパ20と同構
成のストッパ20′が嵌め込まれ、ピン21′によりカバー
Cに位置決め保持されている。そして、各座ぐり穴31′
穴底には吐出孔23が形成され、それら吐出孔23は第6図
のように集合孔24により環状に接続されるとともに、任
意の吐出孔23には第6図と第7図のようにカバー軸線方
向に伸びる吐出通路25が接続され、該吐出通路25の先端
は吐出ポート261に通じており、該吐出ポート261はカバ
ーCに挿着した吐出ポート部材26に通じ、図示しない噴
射系等に高圧吐出油を供給するようになっている。
前記吐出通路25の途中には第7図のようにリリーフ弁
27が設けられている。このリリーフ弁27はスプリング27
aにより開弁圧が調整される針弁27bを有し、開弁位置に
は前記環状室13に通じる戻し孔260が穿設されている。
なお、キャップ状ピストン3は必要に応じ、曲率先端
部を貫くように微細な通路孔300を穿設してもよく、こ
れにより加圧室30内の燃料油の一部がガイドリング92と
の接触面に導かれるため、潤滑性をより高めることがで
きる。
図示するものは本考案の一例であり、第2図で示すよ
うに、それぞれ2枚のガスケットE,E、E′,E′をリー
フバルブD,D′を間に挟むように両側に配してもよく、
あるいは逆にガスケットE,E′を省略しリーフバルブD,
D′の両側をOリングでシールしてもよい。
第11図は本考案の第2実施例を示している。この第2
実施例においては、吐出側については第1実施例の第6
図と同様、シリンダAとカバーCとの間にガスケット
E′を介してリーフバルブD′を介装し、舌片状の吐出
弁19′により吐出側通路孔34と吐出孔23とを連通・遮断
させているが、吸入側はリーフバルブ方式でなくピスト
ン3の動きそのもので通路を開閉させるようにしてい
る。
すなわち、この第2実施例ではシリンダAとハウジン
グBがガスケットEを介して結合され、シリンダAの加
圧室30には一端がガスケットEの通孔18と通じるように
吸込み側通路孔33が穿設されている。この吸込み側通路
孔33の開孔は、第11図の上側に示すようにピストンが上
死点位置に達した常態ではピストン周面により閉じら
れ、同図下側のピストン下死点位置ではピストン周面か
ら外れて開かれる関係に設けられている。したがって、
ピストンが移動して吸込み側通路孔33を塞いだ位置から
上死点位置までが有効ストロークとなる。その他の構造
は第1実施例と同じである。
〔実施例の作用〕
使用に当っては、吸入ポート部材17をフィードポンプ
を介して低粘度燃料油のタンク類と接続し、吐出ポート
部材26を噴射系と接続する。フィードポンプから所定の
圧力で送られた低粘度燃料油は、フィルタ170を通り、
吸入ポート172から当該吸入通路16に供給されると同時
に、通孔173,173から分岐し、連絡通路8,8を通って両側
のポート穴7,7に流入し、それらに通じている吸入通路1
6,16に送られる。それと同時に連絡通路8,8を介して他
のポート穴7,7に流れ、したがって、全部の吸入通路16,
16に所定フィード圧で低粘度燃料が送り込まれる。この
ときには、第1実施例ではリーフバルブDの吸入弁19が
スプリング力で閉弁しており、第2実施例ではピストン
3で吸込み側通路孔33が閉じられているため、低粘度燃
料油は加圧室30には流入しない。一方、環状室13は前記
吸入通路16,16と分離しており、リターンポート38によ
り燃料タンクに接続されている。このため、環状室13は
フィード圧が加わらず、大気圧にある。
エンジンを駆動すれば、駆動プーリGを介してポンプ
シャフトFに動力が伝達され、ポンプシャフトFはハウ
ジングBとカバーCに設けたラジアル軸受11,12に支持
されながら回転する。
ポンプシャフトFの回転によりシリンダA内に放射状
に配置されている複数本のキャップ状ピストン3が往復
動する。すなわち、各キャップ状ピストン3はスプリン
グ5により常に偏心カム部9bに押し付けられており、従
って偏心カム部9bが上死点から下死点方向に回転すると
キャップ状ピストン3は上死点から下死点側に移動し、
これにより加圧室30は負圧となる。
この負圧により吸入通路16との差圧が生じ、第1実施
例では、この差圧に応じてリーフバルブDの吸入弁19が
開弁される。第2実施例ではピストンが下降することに
より上端が吸込み側通路孔33から覗くため、吸入通路16
と通じあう。前記動作により第1実施例では低粘度燃料
油は吸入弁19の側部から座ぐり穴31に入り、通油溝200
を介して吸入側通路孔33から加圧室30に流入し、第2実
施例では吸込み側通路孔33から直接加圧室30に流入す
る。なお、吐出弁19′はそれ自身のばね力と加圧室30の
負圧により閉弁されている。
加圧室30に入った低粘度燃料油は、偏心カム部bが18
0度回転する間で吸入行程、180〜360度間で圧縮行程と
なるため高圧化される。この圧縮行程すなわちピストン
の上昇行程において、第1実施例では吸入弁19は加圧室
圧力により閉弁し、吐出弁19′は開弁される。また、第
2実施例では、ピストン3が上昇することにより吸込み
側通路孔33と加圧室30との連通が暫減、遮断され、この
位置から上死点位置までが有効ストロークになる。
いずれにしても、高圧化した低粘度燃料油は吐出側通
路孔34から吐出弁19′の側部を経て座ぐり穴31′に入
り、通油溝200を介して吐出孔23に吐出され、環状の集
合孔23から吐出通路25を通って吐出ポート部材26に送出
される。従って、高圧低粘度燃料油をエンジン筒内等に
良好に微粒化した常態で噴射することができる。低粘度
燃料油が異常高圧になった時には、その吐出圧でリリー
フ弁27が開弁し、高圧は戻し孔260により環状室13に戻
される。
環状室13は前記のように大気圧にあり、この環状室13
には、運転開始と共に外周からの低粘度燃料油の洩れ
分、主として、ピストン3とシリンダ穴2との摺動隙間
からの洩れや、フィード圧の洩れすなわち、リーフバル
ブDとシリンダAとの接面やガスケットEとハウジング
Aとの接面を伝わった洩れが集められ、室内がこれらの
洩れ燃料油で満たされる。
その洩れ燃料油はポンプシャフトFの高速回転により
撹拌されるが、基本的に大気圧であり、フィード圧が加
わらない。したがって、軸線方向両側のオイルシール1
4,15に過度の負荷を掛けることがなく、したがってま
た、オイルシール14,15の緊圧力を強化しなくてもシー
ル洩れが生じない。このため、回転抵抗が増加せず、高
圧化のための円滑な高速回転下において、低粘度燃料油
がラジアル軸受11,12に流入せず、従って低粘度燃料油
の洗浄作用でグリースが稀釈されることがなく、軸受の
良好な潤滑状態を保ことができる。
キャップ状ピストン3とポンプシャフトFとの相対回
転はカム本体90とメタルブシュ91との線接触で行われ、
カム本体90とメタルブシュ91は適度な長さを設定できる
ため、全体の面圧を下げることができる。ポンプシャフ
トFが高速回転するとカム本体90とメタルブシュ91間の
摺動面で高熱が発生するが、メタルブシュ91は環状室13
内の低粘度燃料油にどぶ漬けされており、しかも環状室
13にはポンプシャフトFによる撹拌と、リターンポート
38からの排出により、常に低粘度燃料油の流れがある。
このため、カム本体90とメタルブシュ91間、ガイドリン
グ92およびポンプシャフトFの良好な冷却と潤滑を行う
ことができる。
キャップ状ピストン3は低粘度燃料油を圧縮するため
高圧となり、その反力によりガイドリング92に点接触す
る。この接触圧は非常に高いためピストン曲率状先端部
とガイドリング92との間には相対的な滑りは発生しにく
く、従って摩耗を起こりにくくすることができる。
なお、第1実施例は、ピストン3が摩耗しても吸入側
通路孔33はリーフバルブDを介して常に加圧室30に円滑
に吸い込まれるため、有効ストロークが変化しないメリ
ットがある。第2実施例によれば、有効ストロークは第
1実施例よりも少なくなるが、吸込み側のリーフバル
ブ、ストッパ20、座ぐり穴31およびピン21をすべて省略
できるため、機構を大幅に簡略化することができる。
〔考案の効果〕
以上説明した本考案によれば、吸入ポート172を有す
るハウジングBと吐出ポート261を有するカバーCを、
複数本のピストン3を放射状に配したシリンダAの前後
にそれぞれ一体に連結するとともに、前記ピストン3の
先端と接触する偏心カム部9bを備えたポンプシャフト9
を前記カバーCとハウジングB内の軸受10,11,12により
支承させ、前記ハウジングBには前記吸入ポート172に
供給された低粘度燃料油を各ピストンの加圧室30に送り
込む各吸入通路16を連絡するための連絡通路8を設け、
前記偏心カム部9bの外周領域と偏心カム部9bより後方の
ポンプシャフト外周領域に軸線方向両端がオイルシール
14,15で閉じられた環状室13を一連に形成し、しかもハ
ウジングBには前記連絡通路8と交わらない位置に一端
が前記環状室13に通じ他端がハウジング外周に開口して
外部のタンクに通じるリターンポート38を設けて前記環
状室13を大気圧に開放しているため、ピストン3とシリ
ンダ穴2との摺動隙間から低粘度燃料油の漏れ分が環状
室13に流入し、その漏れ低粘度燃料油がポンプシャフト
Fの高速回転で撹拌されても、環状室13にはフィード圧
が加わない。したがって、環状室13の軸線方向両側のオ
イルシール14,15には過度の負荷がかからず、オイルシ
ール14,15の緊圧力を強化しなくてもシール漏れを防止
することができ、軸受10,11,12のグリースの稀釈も生じ
ず良好な潤滑を保つことができ、万一、オイルシール1
4,15に破損などの異常が生じても、外部漏れを微少にす
ることができる。
また、環状室13が大気圧に開放され、環状室13の漏れ
低粘度燃料油はリターンポート38から外部のタンクに排
出されているため、環状室13は常に低粘度燃料油の流れ
があり、このため、偏心カム9bやポンプシャフトFの冷
却と潤滑も良好になる。
以上のようなことからガソリンやエタノールで代表さ
れる低粘度の燃料油を、異常を生じさせず長期に渡って
安定して70kgf/cm2以上の高圧にして圧送することがで
きるというすぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案によるラジアルポンプの第1実施例を示
す縦断側面図、第2図は同じくその分解斜視図、第3図
は第1図III−III線に沿う断面図、第4図はシリンダの
部分切欠正面図、第5図はハウジングの部分切欠背面
図、第6図はカバーの部分切欠正面図、第7図は第6図
VII−VII線に沿う断面図、第8図は吸入通路部分の拡大
断面図、第9図は第8図IX−IX線に沿う断面図、第10図
(a)はリリーフバルブの正面図、第10図(b)はガス
ケットの正面図、第11図は本考案の第2実施例を示す縦
断側面図である。 A…シリンダ、B…ハウジング、C…カバー、F…ポン
プシャフト、1,6…内壁、7…ポート穴、8…連絡通
路、9b…偏心カム部、11,12…ラジアル軸受、13…環状
室、14,15…オイルシール、16…吸入通路、17…吸入ポ
ート部材、30…加圧室、33…吸込み側通路孔、34…吐出
側通路孔、38…リターンポート

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定シリンダとこれに放射状に配された複
    数本のピストンを有し、これらピストンがポンプシャフ
    トの偏心カムの回転で往復動される形式のポンプにおい
    て、 吸入ポート172を有するハウジングBと吐出ポート261を
    有するカバーCを、複数本のピストン3を放射状に配し
    たシリンダAの前後にそれぞれ一体に連結するととも
    に、前記ピストン3の先端と接触する偏心カム部9bを備
    えたポンプシャフト9を前記カバーCとハウジングB内
    の軸受10,11,12により支承させ、 前記ハウジングBには前記吸入ポート172に供給された
    低粘度燃料油を各ピストンの加圧室30に送り込む各吸入
    通路16を連絡するための連絡通路8を設け、 前記偏心カム部9bの外周とシリンダ内壁1間および偏心
    カム部9bより後方のポンプシャフト外周とハウジング内
    壁6間には、軸線方向両端がオイルシール14,15で閉じ
    られた環状室13を一連に形成し、しかもハウジングBに
    は前記連絡通路8と交わらない位置に一端が前記環状室
    13に通じ他端がハウジング外周に開口して外部のタンク
    に通じるリターンポート38を設けて前記環状室13を大気
    圧に開放したことを特徴とする低粘性燃料油用ラジアル
    ピストンポンプ。
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