JP3978662B2 - 燃料噴射ポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関(以下、内燃機関を「エンジン」という。)の燃料噴射ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ディーゼルエンジンなどの燃料噴射ポンプとして、可動部材としてのプランジャを駆動するカムが設けられた燃料噴射ポンプが用いられている。上記のような燃料噴射ポンプの場合、シリンダの内部でプランジャが軸方向に往復移動することにより加圧室に燃料が吸入され加圧される。プランジャとカムとの間にはカムリングが設けられ、エンジンにより駆動される駆動軸の回転運動がカムおよびカムリングによりプランジャの往復運動に変換される。これにより、プランジャはシリンダの内部で往復駆動される。
近年、エンジン出力および燃費の向上ならびにエンジンからのNOxや黒煙などの排出を低減するため、燃料の噴射圧力のさらなる高圧化が要求されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
燃料の噴射圧力を高めるためには、燃料噴射ポンプによる燃料の加圧圧力を高め、燃料噴射ポンプから吐出される燃料の高圧化を図る必要がある。燃料の高圧化を図ると燃料噴射ポンプの負荷が過大となり、特に摺動しているカムリングとプランジャとの間などの摺動部に大きな力が作用する。そのため、摺動部を構成する部材間で焼き付きを生ずるおそれがある。そこで、カムリングとプランジャとの間などの摺動部には燃料の一部が供給され、供給された燃料により形成される油膜で摺動部の潤滑が図られている。
【0004】
しかしながら、プランジャが加圧室の燃料を加圧する加圧行程のとき、加圧室の燃料の圧力によりプランジャにはカムリング方向へ大きな力が加わり、プランジャとカムリングとは密着する。一方、加圧室に燃料を吸入する吸入行程のとき、プランジャは例えばスプリングなどの付勢部材によりカムリングに押し付けられているため、加圧行程と同様にプランジャとカムリングとは密着する。そのため、プランジャとカムリングとは常時密着した状態となる。その結果、プランジャとカムリングとの間の摺動部には潤滑のための燃料が流入しにくく、油膜の形成が困難となり焼き付きが発生するおそれがある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、摺動部における油膜の形成を促進して焼き付きを低減する燃料噴射ポンプを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1または2記載の燃料噴射ポンプによると、カムリングの摺動面は、加圧室へ燃料が吸入されるとき、摺動する可動部材の端面との間に隙間を形成する。加圧室に燃料を吸入するとき、可動部材に大きな力を加える必要はないため、可動部材とカムリングとの間に隙間が形成されても問題ない。可動部材の端面とカムリングの摺動面との間に隙間を形成することにより、可動部材に加わる力が小さな燃料の吸入時に、燃料は可動部材の端面とカムリングの摺動面との間に流入する。したがって、可動部材に加わる力が大きな加圧時、摺動する可動部材の端面とカムリングの摺動面との間において油膜の形成が促進され、焼き付きを低減することができる。
【0007】
本発明の請求項1または2記載の燃料噴射ポンプによると、駆動軸を挟んで二つの可動部材が配設されている場合、一方の可動部材が加圧室の燃料を加圧する加圧行程のとき、他方の可動部材は加圧室に燃料を吸入する吸入行程となる。そのため、加圧室の燃料により可動部材に大きな力が加わる加圧行程のとき、可動部材とカムリングとは摺動する。一方、可動部材に加わる力が小さな吸入行程のとき、可動部材とカムリングとの間には隙間が形成される。したがって、可動部材の端面とカムリングの摺動面との間には燃料による油膜を形成することができ、焼き付きを低減することができる。
【0008】
本発明の請求項1記載の燃料噴射ポンプによると、カムリングは一方の可動部材と当接する摺動面と他方の可動部材と当接する摺動面とが非平行に形成されている。一方の可動部材が加圧行程のとき、可動部材の端面とカムリングの摺動面とは加圧室の燃料により可動部材に加わる大きな力によって面接触して摺動している。カムリングの二つの摺動面を非平行に形成することにより、一方の可動部材の端面とカムリングの摺動面とが摺動しているとき、他方の可動部材の端面とカムリングの摺動面との間には隙間が形成される。したがって、可動部材が吸入行程のとき、可動部材の端面とカムリングの摺動面との間には燃料による油膜を形成することができ、焼き付きを低減することができる。
【0009】
本発明の請求項2記載の燃料噴射ポンプによると、カムリングには可動部材方向へ突出する凸部が形成されている。凸部は、燃料が加圧室に吸入される吸入行程のとき、可動部材と当接する。そのため、吸入行程のとき、可動部材は凸部に乗り上げるため、可動部材の端面とカムリングの摺動面との間には隙間が形成される。したがって、可動部材が吸入行程のとき、可動部材の端面とカムリングの摺動面との間には燃料による油膜を形成することができ、焼き付きを低減することができる
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す一実施例を図面に基づいて説明する。
本発明の一実施例による燃料噴射ポンプを図2に示す。燃料噴射ポンプは、ディーゼルエンジンのコモンレール式の燃料噴射システムに適用される。
【0011】
図2に示すように、燃料噴射ポンプ1のハウジング10は、ハウジング本体11とシリンダヘッド12、13とを有する。ハウジング本体11はアルミ製である。シリンダヘッド12、13は鉄製であり、内部に形成されているシリンダ12a、13aにそれぞれ可動部材としてのプランジャ21およびプランジャ22を軸方向へ往復移動可能に支持している。シリンダヘッド12a、13aの内周面と、逆止弁14の端面と、プランジャ21、22の端面とにより加圧室31、32が形成されている。本実施例では、シリンダヘッド12とシリンダヘッド13とはほぼ同一形状に形成されているものの、ねじ穴や燃料通路などの形成位置が異なっている。これに対し、ねじ穴や燃料通路などの形成位置を同一にし、シリンダヘッド12およびシリンダヘッド13の形状を同一にすることも可能である。
【0012】
駆動軸15はジャーナル16を介してハウジング10に回転可能に支持されている。ハウジング10と駆動軸15との間はオイルシール17によりシールされている。図1に示すように、断面が円形状のカム23は駆動軸15に対して偏心して一体形成されている。本実施例のように2気筒の燃料噴射ポンプ1の場合、駆動軸15を挟んで180°反対側に対向して二つのプランジャ21、22が配設されている。プランジャ21とプランジャ22とは中心軸が平行に配設されている。
【0013】
カムリング24は外形が四辺形状に形成されており、カムリング24とカム23との間にカムリング24およびカム23に摺動可能なブッシュ25が介在している。カムリング24は、プランジャ21の端面21aと摺動可能な第一摺動面24aと、プランジャ22の端面22aと摺動可能な第二摺動面24bとを有している。第一摺動面24aと第二摺動面24bとは、非平行に形成されている。
【0014】
スプリング26はカムリング24方向へプランジャ21、22を付勢している。カムリング24は、カム23の回転にともないカム23と摺動しながら自転することなく公転する。これにより、摺動するカムリング24とプランジャ21、22とは、図1の左右方向へ往復移動しながら摺動する。このとき、プランジャ21とプランジャ22とは、駆動軸15の回転にともなってカム23およびカムリング24により軸方向へ180°位相がずれた状態で駆動される。すなわち、プランジャ21がシリンダ12a内を逆止弁14方向へ上昇し加圧室31の燃料を加圧するとき、プランジャ22はシリンダ13a内を駆動軸15方向へ下降し加圧室32に燃料を吸入する。
【0015】
プランジャ21、プランジャ22、駆動軸15、カム23およびカムリング24は、ハウジング本体11、シリンダヘッド12およびシリンダヘッド13から形成される収容室18に収容されている。収容室18は燃料である軽油により満たされている。
プランジャ21およびプランジャ22は、駆動軸15の回転にともないカムリング24を介してカム23により往復駆動され、燃料流入通路33から逆止弁14を通り加圧室31、32に吸入した燃料を加圧する。逆止弁14は、加圧室31、32から燃料流入通路33へ燃料が逆流することを防止する。
【0016】
燃料吐出通路34は、シリンダヘッド12およびシリンダヘッド13にそれぞれ直線状に形成されており、加圧室31、32に連通している。
シリンダヘッド12に形成した燃料吐出通路34の下流側には燃料吐出通路34よりも通路面積の大きな長孔状の燃料室35が形成されており、燃料室35に逆止弁36が収容されている。燃料室35の燃料下流側に燃料室35よりも通路面積の大きな収容孔37が形成されている。収容孔37はシリンダヘッド12の外周壁に開口し燃料出口を形成している。燃料配管接続用の接続部材40は収容孔37にねじ止めなどにより収容されている。接続部材40の内部に燃料通路41が形成されており、燃料通路41は燃料室35と連通している。燃料通路41は燃料吐出通路34とほぼ同一直線上に形成されている。
【0017】
シリンダヘッド12の燃料吐出通路34の燃料下流側に配設されている逆止弁36は、逆止弁36の燃料下流側である燃料室35から燃料吐出通路34を経由して加圧室31に燃料が逆流することを防止する。接続部材40は、図示しない燃料配管により図示しないコモンレールと接続されており、燃料噴射ポンプ1で加圧された燃料は接続部材40に形成されている燃料通路41および燃料配管を経由してコモンレールへ供給される。コモンレールでは、燃料噴射ポンプ1から吐出された燃料が蓄圧状態で蓄えられる。コモンレールには図示しないエンジンの各気筒に設置されている図示しないインジェクタが接続されており、コモンレールに蓄えられている高圧の燃料はインジェクタへ供給される。インジェクタは、所定の時期に所定の期間、コモンレールから供給された燃料をエンジンの各気筒へ噴射する。
【0018】
シリンダヘッド13はハウジング本体11の図2において下方に配設されている。シリンダヘッド13にもシリンダヘッド12と同様に燃料吐出通路34および収容孔37などが形成され、逆止弁36および接続部材40などが収容されている。
【0019】
駆動軸15の端部には、加圧室31、32へ燃料を供給する給送ポンプ50が設置されている。給送ポンプ50は、駆動軸15の回転にともなってインナロータ51とアウタロータ52とが相対的に回転することにより、図示しない燃料タンクの燃料を加圧室31、32へ給送する。給送ポンプ50と加圧室31、32とを連通する燃料流入通路33の途中に図示しない調量弁が設置されている。調量弁は、給送ポンプ50から加圧室31、32へ給送される燃料の流量を調整する。
【0020】
次に、本実施例による燃料噴射ポンプ1の作動について簡単に説明する。
駆動軸15の回転にともなってカム23が回転し、カム23の回転にともなってカムリング24が自転することなく公転する。このカムリング24の公転にともなってカムリング24の摺動面とプランジャ21、22の端面とが摺動し、プランジャ21、22が往復駆動される。
【0021】
カムリング24の公転にともなって上死点にあるプランジャ21、22が駆動軸15方向へ下降すると、給送ポンプ50から吐出され図示しない調量弁の制御によって流量が調整された燃料が燃料流入通路33から逆止弁14を経由して加圧室31、32へ流入する。
下死点に達したプランジャ21、22が再び上死点へ向けて上昇すると、逆止弁14が閉塞され加圧室31、32の燃料の圧力が上昇する。加圧室31、32の燃料の圧力が燃料通路41の燃料の圧力よりも大きくなると、逆止弁36が開弁し加圧室31、32で加圧された燃料が燃料通路41へ吐出される。
【0022】
加圧室31、32から吐出された燃料は、燃料吐出通路34、逆止弁36および燃料室35を通って燃料通路41へ送出される。燃料通路41は、図示しないコモンレールに連通しており、燃料通路41へ送出された燃料はコモンレールへ供給される。コモンレールは燃料噴射ポンプから供給される圧力変動のある燃料を蓄圧し一定圧に保持する。プランジャ21とプランジャ22とは、位相が180°ずれて駆動されるため、加圧室31および加圧室32からは交互に燃料が吐出される。
【0023】
次に、本実施例による燃料噴射ポンプ1のプランジャ21、22とカムリング24との関係について詳細に説明する。
なお、プランジャ21、22が駆動軸15方向へ下降し加圧室31、32に燃料を吸入するときを吸入行程とし、プランジャ21、22が逆止弁14方向へ上昇し加圧室31、32に吸入した燃料を加圧するときを加圧行程とする。
プランジャ21とプランジャ22とは、カムリング24を挟んで対向して配設されているため、180°位相がずれた状態で駆動される。すなわち、プランジャ21が加圧行程のとき、プランジャ22は吸入行程となる。
【0024】
図3に示すように、プランジャ21が下死点にあるとき、プランジャ22は上死点にある。このとき、駆動軸15の回転角度θを0°とする。駆動軸15の回転にともないカム23およびカムリング24が回転すると、カムリング24の第一摺動面24a側に当接するプランジャ21は下死点から上死点へ移動を開始する。プランジャ21は、駆動軸15の回転角度θが0°<θ<180°の範囲にあるとき、加圧行程となりシリンダ12a内を下死点から上死点まで上昇する。同様に、プランジャ22は、駆動軸15の回転角度θが0°<θ<180°の範囲にあるとき、吸入行程となりシリンダ13a内を上死点から下死点まで下降する。
【0025】
プランジャ21が加圧行程のとき、プランジャ21には加圧室31の高圧の燃料によりカムリング24方向へ大きな力が加わる。一方、プランジャ22にはカムリング24方向へ図1に示すスプリング26の付勢力が加わっている。加圧室31の燃料の圧力によりプランジャ21に加わる力は、プランジャ22に加わるスプリング26の付勢力よりも大きい。
【0026】
また、図1に示すようにカムリング24の第一摺動面24aと第二摺動面24bとは非平行に形成され、プランジャ21とプランジャ22とは中心軸が平行に形成されている。そのため、プランジャ21に加わる力とプランジャ22に加わる力との間に大小があるとき、より大きな力が加わるプランジャ21の端面21aとカムリング24の第一摺動面24aとが面接触する。したがって、駆動軸15の回転角度θが0°<θ<180°の範囲にあるとき、プランジャ21の端面21aとカムリング24の第一摺動面24aとが摺動する。
【0027】
一方、上述のように、カムリング24の第一摺動面24aと第二摺動面24bとは非平行に形成され、プランジャ21とプランジャ22とは中心軸が平行に形成されている。そのため、プランジャ21の端面21aとカムリング24の第一摺動面24aとが面接触して摺動するとき、プランジャ22の端面22aとカムリング24の第二摺動面24bとの間には所定の角度αが形成される。その結果、プランジャ22の端面22aとカムリング24の第二摺動面24bとの間には隙間が形成される。これにより、端面22aと第二摺動面24bとは、端面22aの径方向において一方の端部側で接触し、他方の端部側で隙間を形成する。したがって、収容室18に満たされている燃料は、プランジャ22の端面22aとカムリング24の第二摺動面24bとの間に形成された隙間へ流入することができる。カムリング24の第一摺動面24aと第二摺動面24bとがなす角度は、プランジャ22の端面22aとカムリング24の第二摺動面24bとの間に形成される隙間が端面22aおよび第二摺動面24bの面粗度よりも大きくなるように設定されている。
【0028】
図3に示すように、駆動軸15の回転角度θがθ=180°となると、プランジャ21は上死点に到達し、プランジャ22は下死点に到達する。そのため、プランジャ21は加圧行程を終了し、プランジャ22は吸入行程を終了する。
駆動軸15の回転角度θが180°<θとなると、0°<θ<180°の範囲とは逆に、プランジャ21は吸入行程へ移行し、プランジャ22は加圧行程へ移行する。そのため、プランジャ22の端面22aとカムリング24の第二摺動面24bとが摺動する。一方、プランジャ21の端面21aとカムリング24の第一摺動面24aとの間には、上述したプランジャ22の端面22aおよびカムリング24の端面24bと同様に隙間が形成される。そのため、収容室18に満たされている燃料は、プランジャ21の端面21aと第一摺動面24aとの間に形成された隙間へ流入することができる。第一摺動面24aと第二摺動面24bとは非平行であるため、プランジャ21の端面21aとカムリング24の第一摺動面24aとの間に形成される隙間は、プランジャ22の端面22aとカムリング24の第二摺動面24bとの間に形成される隙間と概ね同一の大きさとなる。
駆動軸15の回転角度θがθ=360°となると、駆動軸15は一回転し初期状態のθ=0°となり、上記の作動を繰り返す。
【0029】
以上、説明したように、本発明の第1実施例による燃料噴射ポンプ1によると、プランジャ21およびプランジャ22は、吸入行程のとき、カムリング24との間に隙間が形成される。そのため、プランジャ21またはプランジャ22が吸入行程のとき、収容室18に満たされている燃料は、プランジャ21の端面21aと第一摺動面24aとの間またはプランジャ22の端面22aとカムリング24の第二摺動面24bとの間に流入することができる。プランジャ21の端面21aと第一摺動面24aとの間、またはプランジャ22の端面22aと第二摺動面24bとの間に燃料が流入することにより、プランジャ21またはプランジャ22にカムリング24方向へ大きな力が加えられた状態で摺動する加圧行程のとき、プランジャ21の端面21aとカムリング24の第一摺動面24a、またはプランジャ22の端面22aとカムリング24の第二摺動面24bとの間における油膜の形成が促進される。したがって、プランジャ21またはプランジャ22とカムリング24との間の焼き付きを低減することができる。
また、第1実施例では、カムリング24の第一摺動面24aと第二摺動面24bとを非平行に形成するだけである。したがって、カムリング24の構造が簡単であり、加工を容易にすることができる。
【0030】
(第2実施例)
本発明の第2実施例による燃料噴射ポンプを図4に示す。第1実施例と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
図4に示すように、第2実施例による燃料噴射ポンプのカムリング27は、凸部28を有している。凸部28は、カムリング27の第一摺動面27a側および第二摺動面27b側にそれぞれ形成されている。第2実施例では、第一摺動面27aと第二摺動面27bとは概ね平行に形成されている。
【0031】
凸部28は、カムリング27の第一摺動面27aおよび第二摺動面27bからそれぞれプランジャ21またはプランジャ22方向へ突出して形成されている。凸部28の高さは、プランジャ21の端面21aとカムリング27の第一摺動面27aとの間ならびにプランジャ22の端面22aとカムリング27の第二摺動面27bとの間に形成される隙間が、端面21a、端面22a、第一摺動面27aおよび第二摺動面24bの面粗度よりも大きくなるように設定されている。
プランジャ21またはプランジャ22とカムリング27とは、図4の左右方向へ往復移動しながら摺動する。そのため、プランジャ21、22とカムリング27とが当接する位置は、加圧行程と吸入行程とでは異なる。そこで、凸部28は、プランジャ21、22とカムリング27とが吸入行程のとき当接する位置に形成されている。
【0032】
第2実施例による燃料噴射ポンプのプランジャ21およびプランジャ22とカムリング27との関係について説明する。
図5に示すように、駆動軸15の回転角度θがθ=0°のとき、プランジャ21は下死点、ならびにプランジャ22は上死点に位置している。駆動軸15の回転角度θが0°<θ<180°のとき、プランジャ21は加圧行程となり、プランジャ22は吸入行程となる。プランジャ21が加圧行程のとき、プランジャ21の端面21aはカムリング27の第一摺動面27aと面接触して摺動する。一方、プランジャ22は、カムリング27との図4の左右方向への相対的な移動にともなって凸部28が形成されている部分へ移動する。
【0033】
第1実施例で説明したように、燃料の圧力によりプランジャ21に加わる力はプランジャ22に加わるスプリング26の付勢力より大きい。そのため、プランジャ22がカムリング27の凸部28の位置まで移動すると、プランジャ22は凸部28に乗り上げる。そのため、プランジャ22とカムリング27との間には隙間が形成される。これにより、端面22aと第二摺動面27bとは、端面22aの径方向において一方の端部側で接触し、他方の端部側で隙間を形成する。したがって、プランジャ22の端面22aとカムリング27の第二摺動面27bとの間には収容室18の燃料が流入する。
【0034】
駆動軸15の回転角度θが180°<θとなると、プランジャ21は吸入行程へ移行し、プランジャ22は加圧行程へ移行する。そのため、駆動軸15の回転角度θが0°<θ<180°の範囲のときとは逆に、プランジャ21はカムリング27に形成されている凸部28に乗り上げる。その結果、プランジャ21とカムリング27との間には隙間が形成され、プランジャ21の端面21aとカムリング27の第一摺動面27aとの間には燃料が流入することができる。
【0035】
第2実施例では、第1実施例と同様にプランジャ21またはプランジャ22が吸入行程のとき、プランジャ21の端面21aとカムリング27の第一摺動面27aまたはプランジャ22の端面22aとカムリング27の第二摺動面27bとの間には隙間が形成され収容室18の燃料が流入する。そのため、プランジャ21の端面21aとカムリング27の第一摺動面27a、またはプランジャ22の端面22aとカムリング27の第二摺動面27bとの間における油膜の形成が促進される。したがって、プランジャ21またはプランジャ22とカムリング27との間の焼き付きを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のI−I線で切断したプランジャおよびカムリングの近傍を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施例による燃料噴射ポンプを示す模式的な断面図である。
【図3】本発明の第1実施例による燃料噴射ポンプにおいて、駆動軸の回転にともなうプランジャとカムリングとの関係を示す説明図である。
【図4】本発明の第2実施例による燃料噴射ポンプのプランジャおよびカムリングの近傍を示す模式的な断面図である。
【図5】本発明の第2実施例による燃料噴射ポンプにおいて、駆動軸の回転にともなうプランジャとカムリングとの関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 燃料噴射ポンプ
10 ハウジング
11 ハウジング本体(ハウジング)
12、13 シリンダヘッド(ハウジング)
12a、13a シリンダ
15 駆動軸
21、22 プランジャ
21a、22a 端面
23 カム
24、27 カムリング
24a、27a 第一摺動面
24b、27b 第二摺動面
28 凸部
31、32 加圧室

Claims (2)

  1. 可動部材と、
    前記可動部材を軸方向へ往復移動可能に支持するシリンダを有し、前記可動部材とともに加圧室を形成するハウジングと、
    カムが偏心して一体に形成されている駆動軸と、
    前記カムの外周側に設置され、前記駆動軸の駆動力を前記可動部材に伝達可能であって、前記可動部材の端面と摺動する摺動面を有し、前記可動部材が前記駆動軸方向へ移動し前記加圧室に燃料が吸入されるとき、前記端面と前記摺動面との間に隙間を形成するカムリングと、
    を備え
    前記駆動軸を挟んで対向する二つの可動部材が配設され、
    前記二つの可動部材のうち、一方の可動部材が前記加圧室の燃料を加圧しているとき、一方の可動部材の端面と前記カムリングの摺動面とは摺動し、他方の可動部材の端面と前記カムリングの摺動面との間には隙間が形成され、
    一方の可動部材と当接する摺動面と他方の可動部材と当接する摺動面とが非平行に形成され、
    前記摺動面は、平面状であることを特徴とする燃料噴射ポンプ。
  2. 可動部材と、
    前記可動部材を軸方向へ往復移動可能に支持するシリンダを有し、前記可動部材とともに加圧室を形成するハウジングと、
    カムが偏心して一体に形成されている駆動軸と、
    前記カムの外周側に設置され、前記駆動軸の駆動力を前記可動部材に伝達可能であって、前記可動部材の端面と摺動する摺動面を有し、前記可動部材が前記駆動軸方向へ移動し前記加圧室に燃料が吸入されるとき、前記端面と前記摺動面との間に隙間を形成するカムリングと、
    を備え、
    前記駆動軸を挟んで対向する二つの可動部材が配設され、
    前記二つの可動部材のうち、一方の可動部材が前記加圧室の燃料を加圧しているとき、一方の可動部材の端面と前記カムリングの摺動面とは摺動し、他方の可動部材の端面と前記カムリングの摺動面との間には隙間が形成され、
    前記カムリングは、前記可動部材のそれぞれの方向へ突出して形成され、前記加圧室のそれぞれに燃料が吸入されるとき前記可動部材のそれぞれと当接する凸部を有し、
    前記摺動面は、平面状であることを特徴とする燃料噴射ポンプ。
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