JPH0583371U - 低粘性流体用ラジアルピストンポンプの軸受け装置 - Google Patents

低粘性流体用ラジアルピストンポンプの軸受け装置

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JPH0583371U
JPH0583371U JP8853492U JP8853492U JPH0583371U JP H0583371 U JPH0583371 U JP H0583371U JP 8853492 U JP8853492 U JP 8853492U JP 8853492 U JP8853492 U JP 8853492U JP H0583371 U JPH0583371 U JP H0583371U
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bearing
low
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pump
pump shaft
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清隆 緒方
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成で軸受け材が損傷を受けること
なくポンプシャフト9の軸受け部74の軸受け機能を保
持し、かつ軸受け部74を積極的に冷却可能とすること
により発熱を抑えて、低粘性流体を用いた場合の不具合
を解消した低粘性流体用ラジアルピストンポンプの軸受
け装置71を提供すること。 【構成】 ポンプシャフト9の軸受けとして自己潤滑
部材による滑り軸受け構造を採用し、かつこの軸受け構
造部分に対して低粘性流体による冷却を積極的に行うこ
とに着目したもので、ポンプシャフト9の軸受け用凹部
72に固定して設けた軸受けブッシュ73と、この軸受
けブッシュ73内に設けるとともにその内部にポンプシ
ャフト9を配置した自己潤滑部材(軸受けローラー7
5)と、を有するとともに、軸受け用凹部72に低粘性
流体用のドレイン通路76を形成したことを特徴とす
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は低粘性流体用ラジアルピストンポンプの軸受け装置にかかるもので 、とくに低粘性の流体により軸受け部の冷却を行う低粘性流体用ラジアルピスト ンポンプの軸受け装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、車両等の内燃機関の排出ガスによる公害問題や資源枯渇問題への 対策として、燃焼効率を改善することが要望されている。ガソリンを使用する場 合には高圧化により噴霧の微粒化を促進することが効果的である。また、ガソリ ンに代わってアルコールないしこれに類するもの(以下単にアルコールと称す) の使用が検討されている。このアルコールは寒冷始動性に劣るため、やはり高圧 化による微粒化が必要である。
【0003】 こうした微粒化を実現するためには、通常の燃料ポンプの吐出圧力3〜4K gf/平方センチメートルに代えて、吐出圧力70〜100Kgf/平方センチ メートルという高圧性能を発揮することができる燃料ポンプが必要である。 この燃料ポンプの一形式として、能力および効率の面からラジアルピストン ポンプが考えられる。たとえば特開昭60−216981号などがある。 しかしながら、従来のラジアルピストンポンプは、特開昭64ー367号に よるもののように、油圧ポンプとしてすなわち高粘性オイル(粘度が30cst 以上)の圧送手段として使用されるが一般的であった。つまり高粘性のオイル用 として用いる場合には性能的に問題はないが、アルコールはその粘度が約0.5 cst程度と非常に低粘性である。
【0004】 かかる特性の低粘性燃料を高圧吐出させようとした場合には、ポンプ構造と して、シリンダブロックが回転する回転式から、シリンダブロックを固定したま まピストンのみが往復動する固定シリンダ式に変更しただけでは、ポンプ性能を 維持することができない。すなわちたとえば、駆動軸の軸受けに封入したグリー スが低粘性の燃料により洗浄、希釈される問題や、ピストンとバレルとの間ない しは偏心カムとピストンの先端部との間で、かじりや焼き付きが生ずる問題を解 消することができない。 つまり、従来のラジアルピストンポンプでは低粘性燃料などの低粘性流体を 円滑に安定して高圧圧送することができないという問題がある。
【0005】 本出願人はこうした諸問題を解決するために、すなわちガソリンやアルコー ルなどで代表される低粘度の燃料を、軸受け部分を損なわず、またピストン摺動 部にかじりや焼き付きを起こさせることなく、70Kgf/平方センチメートル 以上の高圧においてもポンプ作用を安定的に実行することができる実用的なラジ アルピストンポンプとして、特開平3ー175158号による低粘性燃料油用ラ ジアルピストンポンプを開発した。
【0006】 この低粘性燃料用ラジアルピストンポンプ1について図5ないし図7にもと づき以下説明する。 図5は低粘性燃料用ラジアルピストンポンプ1の全体断面図、図6は分解斜 視図であり、低粘性燃料用ラジアルピストンポンプ1はハウジング2と、固定シ リンダ3と、カバー4と、吸入側のガスケット5および吸入側のリーフバルブ6 と、吐出側のガスケット7および吐出側のリーフバルブ8と、ポンプシャフト9 とを有する。それぞれのハウジング2、固定シリンダ3、カバー4、吸入側のガ スケット5、吸入側のリーフバルブ6、吐出側のガスケット7、吐出側のリーフ バルブ8は位置決めピン10により位置決めした状態でスタッドボルト11によ り一体にこれを固定する。
【0007】 ポンプシャフト9は、こうして一体化された内孔部分に回転可能にこれを挿 入するもので、ハウジング2に設けたラジアル軸受け12、カバー4に設けたス ラスト軸受け13およびラジアル軸受け14によりこれを軸受けして、外部のエ ンジン(図示せず)の駆動により駆動プーリ15を介して回転駆動する。このポ ンプシャフト9の固定シリンダ3内に位置する部位には偏心カム16を形成して ある。
【0008】 ハウジング2には、ラジアル軸受け12の左右に第1のオイルシール17お よび第2のオイルシール18を設けることによりラジアル軸受け12の封入グリ ースが洗浄性のある低粘性燃料で希釈されることを防止している。ハウジング2 には燃料の吸入ポート部材19を取り付け、この吸入ポート部材19に連通して その内部に、後述のシリンダ穴23ないしはキャップ状のピストン24の数(た とえば5個)と同数の吸入通路20および放射状の環状室入口21、ならびに中 央内空部22を形成する。 なお環状室入口21は、後述する環状室33に低粘性燃料を導入し、上記複 数のシリンダ穴23にこれを供給するとともに潤滑を行わせるための導入通路で ある。
【0009】 固定シリンダ3は、複数本(たとえば5本)のシリンダ穴23をポンプシャ フト9の軸線方向に垂直な面内で等角度間隔に放射状に有し、シリンダ穴23内 部に往復動可能にキャップ状のピストン24を収容している。ピストン24は、 シリンダ穴23にねじ込み固定したプラグ25との間に設けたスプリング26に よりこれを求心方向に付勢する。ピストン24の頭部がポンプシャフト9の偏心 カム16に当接摺動しその作用を受けて往復運動することにより低粘性燃料の吸 入吐出というポンプ作用を行うものである。 このピストン24と偏心カム16との摺動部を固定シリンダ3のほぼ中央部 に位置させている。
【0010】 固定シリンダ3内には、シリンダ穴23の左右にこれに連通して吸入側通路 27および吐出側通路28をそれぞれ形成する。吸入側通路27および吐出側通 路28は、ピストン24とプラグ25との間に形成した加圧室29にこれらを連 通させる。
【0011】 前記吸入側のリーフバルブ6には舌片状スプリングからなる吸入バルブ30 (図6)を形成し、固定シリンダ3内に配置したほぼ矩形状のストッパ31によ りその可動範囲を制御し、ピストン24の往復運動に応じてこの吸入バルブ30 および吸入側通路27から選択的に燃料を吸入可能としている。
【0012】 なお固定シリンダ3の中央内空部32は、ハウジング2の中央内空部22と ともに吸入潤滑用の環状室33を構成する。
【0013】 カバー4は、固定シリンダ3の吐出側通路28に連通する吐出通路34を有 し、この吐出通路34が環状の集合溝35(図6)を介して吐出ポート部材36 に連通している。
【0014】 吐出側のリーフバルブ8には舌片状スプリングからなる吐出バルブ37(図 6)を形成し、カバー4内に配置したほぼ矩形状のストッパ38によりその可動 範囲を制御し、ピストン24の往復運動に応じて吐出側通路28およびこの吐出 バルブ37から選択的に燃料を吐出可能としている。
【0015】 カバー4には第3のオイルシール39を設けることにより、ラジアル軸受け 14の封入グリースが低粘性燃料で希釈されることを防止するとともに、この第 3のオイルシール39と前記第2のオイルシール18とによって、ポンプシャフ ト9の部分において環状室33を外部から遮断可能としている。
【0016】 さらに図7に示すように、カバー4には、吐出通路34および吐出ポート部 材36に連通してリリーフ弁40を設けるとともに、その開弁位置に環状室33 に連通する戻し孔41を形成することにより、低粘性燃料が異常高圧になったと きには環状室33に低粘性燃料を戻すようになっている。
【0017】 かくして図5に示すように、燃料タンク42の低粘性燃料は、フィードポン プ43により吸入ポート部材19に供給され、ポンプシャフト9の回転駆動によ り偏心カム16に摺動して往復動するピストン24のポンプ作用によって、所定 の燃料噴射ポンプ44に高圧圧送される。
【0018】 すなわち、ピストン24が求心方向に向かう吸入工程において、吸入バルブ 30が開弁するとともに吐出バルブ37は閉弁し、吸入ポート部材19から吸入 通路20を介して吸入バルブ30から吸入側通路27に至り、加圧室29内に吸 入される。またピストン24が遠心方向に向かう吐出工程においては、吸入バル ブ30が閉弁するとともに吐出バルブ37は開弁し、加圧室29から吐出側通路 28を経て吐出バルブ37、吐出通路34、吐出ポート部材36から燃料噴射ポ ンプ44に高圧圧送される。
【0019】 環状室入口21から環状室33内に至った低粘性燃料は、環状室33の内部 が第2のオイルシール18および第3のオイルシール39によりポンプシャフト 9の部分において外部から遮断されているので、その内部に充満することができ る。 したがって、ピストン24と偏心カム16との間、およびシリンダ穴23と ピストン24との間を潤滑することができる。つまり、低粘性燃料自体を固定シ リンダ3内部の環状室33にも導いてピストン24や偏心カム16の潤滑油とし て用いることを可能としている。
【0020】 なお、偏心カム16が作動するカム室としての環状室33内にも低粘性の燃 料を導くことになるため、こうした低粘性燃料により洗浄、希釈されるグリース 等を用いたニードルベアリング等によるラジアル軸受け14には第3のオイルシ ール39を設けることにより、当該グリースと低粘性燃料とを隔離している。
【0021】 しかし、何らかの異常により当該ラジアル軸受け14部分に低粘性燃料が侵 入してくると、すぐに破損を起こす可能性がある。
【0022】 さらに、固定シリンダ3内の偏心カム16を囲む環状室33からラジアル軸 受け14の部分までには低粘性燃料が循環しにくいので、燃料温度が上昇してし まう結果、ラジアル軸受け14のニードルベアリングの発熱により空気が膨張し て第3のオイルシール39が抜ける等の不具合を起こす可能性がある。
【0023】 したがって、ラジアル軸受け14のベアリングとしても、耐燃料用のグリー スを封入したものとか、ボールやニードルの面粗さを向上させた特殊部品を使用 する必要があるなどの問題があった。
【0024】 要するに、低粘性流体中でのラジアル軸受け14などの転がり軸受けは、焼 き付けを起こす可能性があるため、前記特開平3−175158号のように何ら かのシール材を介してグリースあるいはオイル中において使用してきた。 しかしながら、ポンプシャフト9などの回転部のシールには完全なものがな いため、低粘性燃料がグリースと混ざる結果、グリースを薄め、ラジアル軸受け 14など軸受け材に摩耗、焼き付きの不具合が起こるという問題がある。
【0025】 なお、ジャーナル軸受けなどの滑り軸受け材は、転がり軸受け材より面圧が 低い点では有利であるが、摺動部に熱が発生し、その熱により滑り軸受け材が損 傷を受けるという不具合がある。
【0026】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、低粘性燃料などの 低粘性流体を送出するための低粘性流体用ラジアルピストンポンプにおいて、ジ ャーナル軸受けなどの滑り軸受け構造を採用して、簡単な構成で軸受け材が損傷 を受けることなくポンプシャフトの軸受け部分の軸受け機能を保持し、かつ当該 軸受け部分を積極的に冷却可能とすることにより軸受け部分の発熱を抑えて、低 粘性流体を用いた場合の不具合を解消した低粘性流体用ラジアルピストンポンプ の軸受け装置を提供することを課題とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】 すなわち本考案は、ポンプシャフトの軸受けとしてニードルベアリングなど による転がり軸受けを用いずに、自己潤滑部材によるジャーナル軸受けなどの滑 り軸受け構造を採用し、かつこの軸受け構造部分に対して低粘性流体による冷却 を積極的に行うことに着目したもので、第一の発明は、低粘性の流体の吸入側通 路および吐出側通路を形成した固定シリンダと、この固定シリンダ内に放射状に 、かつ往復動可能に配設した複数本のピストンと、これらのピストンを往復動さ せるポンプシャフトの偏心カムと、を有し、上記ピストンの往復動により上記低 粘性の流体を上記吸入側通路および吐出側通路からそれぞれ吸入吐出する低粘性 流体用ラジアルピストンポンプの上記ポンプシャフトを軸受けする低粘性流体用 ラジアルピストンポンプの軸受け装置であって、上記ポンプシャフトの軸受け用 凹部に固定して設けた軸受けブッシュと、この軸受けブッシュ内に設けるととも にその内部に上記ポンプシャフトを配置した自己潤滑部材と、を有するとともに 、上記軸受け用凹部に上記低粘性流体用のドレイン通路を形成したことを特徴と する低粘性流体用ラジアルピストンポンプの軸受け装置である。
【0028】 上記自己潤滑部材としては、この部材自体は摩耗することはあっても、ポン プシャフトなどの被軸受け部材はこれを摩耗しないように潤滑する作用を有する もので、裏金付きPTFE系ドライベアリング、熱可塑性ポリイミド合成樹脂な どの無潤滑用の滑り軸受け部材、あるいはフッ素系樹脂などのコーティング材、 無電解複合メッキなどのコーティングを採用することができる。
【0029】 また第二の発明は、低粘性の流体の吸入側通路および吐出側通路を形成した 固定シリンダと、この固定シリンダ内に放射状に、かつ往復動可能に配設した複 数本のピストンと、これらのピストンを往復動させるポンプシャフトの偏心カム と、を有し、上記ピストンの往復動により上記低粘性の流体を上記吸入側通路お よび吐出側通路からそれぞれ吸入吐出する低粘性流体用ラジアルピストンポンプ の上記ポンプシャフトを軸受けする低粘性流体用ラジアルピストンポンプの軸受 け装置であって、上記ポンプシャフトの軸受け用凹部に固定して設けるとともに その内面に無電解複合メッキを施した軸受けブッシュと、この軸受けブッシュ内 に臨むその外面およびその内面に無電解複合メッキを施すとともにその内部に上 記ポンプシャフトを挿入し、かつ該軸受けブッシュ内に回転可能に挿入した軸受 けローラーと、を有するとともに、上記軸受け用凹部に上記低粘性流体用のドレ イン通路を形成したことを特徴とする低粘性流体用ラジアルピストンポンプの軸 受け装置である。
【0030】
【作用】
本考案による第一の発明の低粘性流体用ラジアルピストンポンプの軸受け装 置においては、ポンプシャフトの軸受け部分にニードルベアリングなどの転がり 軸受けを採用せず、ポンプ本体に固定した、たとえば高速度工具鋼製や合金工具 鋼製などの軸受けブッシュと、ポンプシャフトとの間に自己潤滑部材を設けるこ とにより、この軸受け部分でジャーナル軸受けなどの滑り軸受け構造を形成し、 さらにポンプシャフトに対して低粘性流体用のドレイン通路を設けたので、当該 軸受け部分を低粘性流体により積極的に冷却し、温度の上昇を抑えることができ るとともに、低粘性流体によって偏心カムおよびピストンなどの可動部分の潤滑 を行い、軸受け機能を保持可能で、低粘性流体によるベアリングのグリースの洗 浄希釈を回避可能である。
【0031】 なお、こうした低粘性流体による潤滑とともに上記自己潤滑部材による潤滑 作用により軸受け部分の摩耗および焼き付けを防止することができる。
【0032】 さらに第二の発明によれば、自己潤滑部材として無電解複合メッキを施した 軸受けローラーを設けたので、耐摩耗性および耐久性にすぐれた軸受け装置とす ることができる。
【0033】
【実施例】
つぎに、本考案の第一の実施例による軸受け装置を装備した低粘性燃料用ラ ジアルピストンポンプ50を図1および図2にもとづき説明する。 ただし、以下の説明においては図5ないし図7と同様の部分には同一符号を 付し、その詳述はこれを省略する。
【0034】 図1は低粘性燃料用ラジアルピストンポンプ50の全体断面図であって、低 粘性燃料用ラジアルピストンポンプ50は、従来の低粘性燃料用ラジアルピスト ンポンプ1の前記ハウジング2および固定シリンダ3に相当する部材を一体構造 とした固定シリンダ51と、前記カバー2に相当するカバー52とを有する。
【0035】 固定シリンダ51には低粘性燃料用の吸入ポート53および吐出ポート54 を形成し、カバー52には同低粘性燃料用のドレインポート55を形成する。
【0036】 ドレインポート55から、フィード圧を制御する低圧用レギュレーター56 を介して前記燃料タンク42に低粘性燃料を回収可能としている。
【0037】 吸入ポート53は、吸入通路57を介してベーンポンプ58に連通し、この ベーンポンプ58は燃料導入口59、マニホールドプレート60のリーフバルブ 61、ストッパー62、および吸入側通路63を介して前記ピストン24部分に 連通している。
【0038】 ピストン24にはバルブプレート64および皿バネ65を設け、円周上に環 状の高圧グルーブとして形成した吐出側通路66に連通させてある。
【0039】 なお、前記環状室33に相当するカム室67には前記ポンプシャフト9の偏 心カム16を臨ませ、カム室67はリリーフバルブ68を介して吐出側通路66 に連通している。偏心カム16には浮動ローラー69および圧入ブッシュ70を 取り付けてある。
【0040】 本考案による軸受け装置71は、とくに図2にも示すように、カバー52の 軸受け用凹部72に軸受けブッシュ73を圧入固定し、ポンプシャフト9の軸受 け部74との間に軸受けローラー75を設けることにより軸受け部74を回転可 能に支持している。
【0041】 さらに、軸受けブッシュ73ないし軸受けローラー75のまわりに4本のド レイン通路76を放射状に形成するとともに、このドレイン通路76の出口を軸 受け部74と同軸上としてある。
【0042】 軸受けブッシュ73は、高速度工具鋼あるいは合金工具鋼を熱処理し、その 内面を滑らかにするとともに、同内面に無電解複合メッキを施してある。
【0043】 軸受けローラー75は、同じく高速度工具鋼あるいは合金工具鋼を熱処理し 、かつ無電解複合メッキを施した上で熱処理し、その内外面を滑らかにしたもの である。なおこの軸受けローラー75は、これを低摩擦性のプラスチック軸受け ローラーとしても良い。
【0044】 上記無電解複合メッキにより、たとえばポリテトラフルオルエチレン樹脂な どのポリフッ化エチレン系樹脂、およびニッケル・リン合金を複合メッキするこ とができるので、ポリフッ化エチレン系樹脂による自己潤滑性により摩擦係数を 低減可能であるとともに、ニッケル・リン合金の皮膜による剛性を得ることがで きる。
【0045】 かくして、軸受けブッシュ73と軸受けローラー75との間に無電解複合メ ッキによる自己潤滑部材の層を介在させることとしている。
【0046】 したがって、ポンプシャフト9の軸受け部74のような高荷重・高回転の軸 受け部分であり、かつ潤滑油がアルコールなどの低粘性の燃料であっても耐摩耗 性および耐久性にすぐれた軸受け機能を発揮することができる。
【0047】 ポンプシャフト9の前記ラジアル軸受け12の部分には、外側オイルシール として前記第1のオイルシール17を、内側オイルシールとして前記第2のオイ ルシール18を設けてある。
【0048】 また第1のオイルシール17と第2のオイルシール18との間には戻し通路 77を形成し、第2のオイルシール18から外方にもれ出た低粘性燃料を低圧側 に戻すようにしている。
【0049】 こうした構成の軸受け装置71を装備した低粘性燃料用ラジアルピストンポ ンプ50においては、フィードポンプ43から送られた低粘性燃料が、吸入ポー ト53、吸入通路57およびベーンポンプ58を通り燃料導入口59に至る。
【0050】 カム室67内のピストン24の求心方向の負圧により、低粘性燃料が燃料導 入口59からマニホールドプレート60のリーフバルブ61を通って、リーフバ ルブ61、ストッパー62および吸入側通路63を経てピストン24の内部に入 る。
【0051】 ピストン24の遠心方向への移動により低粘性燃料がバルブプレート64を 押し上げ、吐出側通路66を経て吐出ポート54から燃料噴射ポンプ44に吐出 供給される。
【0052】 なおカム室67内の低粘性燃料は、ポンプシャフト9の軸受け部74部分の 軸受けブッシュ73および軸受けローラー75の冷却を行ったのち、ドレイン通 路76およびドレインポート55を通り、低圧用レギュレーター56を経て燃料 タンク42に還流回収される。
【0053】 かくして、軸受けブッシュ73および軸受けローラー75の間の滑りが良好 で、かつ摩耗を抑えることができるとともに、低粘性燃料による冷却を行いなが ら使用するため、ポンプシャフト9の軸受け部74部分の発熱を抑え、この部分 での焼き付きがなく、軸受けの機能を果たすことができる。
【0054】 とくに、軸受けブッシュ73および軸受けローラー75には無電解複合メッ キを施してあるので、その耐摩耗性および耐久性を向上させることができる。
【0055】 したがって、従来の低粘性燃料用ラジアルピストンポンプ1のラジアル軸受 け14に比較してオイルシール(第3のオイルシール39)を用いることなく、 その構造を単純で小型とすることができる。
【0056】 こうした構成の低粘性燃料用ラジアルピストンポンプ50においては、カム 室67からドレインポート55に低粘性燃料を導入導出可能としたため、カム室 67全体の低粘性燃料がドレインポート55方向に循環可能となる。
【0057】 したがって、温度の低い新規の低粘性燃料がその内部に供給されることとな るので、低粘性燃料用ラジアルピストンポンプ50内の燃料温度の上昇を抑える ことができる。
【0058】 なお、上述のような軸受け装置71をポンプシャフト9の偏心カム16部分 の片側部分(図1中、左側部分)に設けた例を説明したが、右側部分あるいは両 側部分にこれを設けることとしてもよい。
【0059】 つぎに、本考案の第二の実施例による軸受け装置80を図3にもとづき説明 する。 図3は、この軸受け装置80の要部拡大断面図であって、カバー52の軸受 け用凹部72に軸受けブッシュ73を圧入固定してある。
【0060】 この軸受けブッシュ73の内部には、圧入あるいは貼付けによって自己潤滑 部材として無潤滑用の滑り軸受け材81を設け、さらにこの滑り軸受け材81内 にポンプシャフト9の軸受け部74を挿入することにより、この軸受け部74を 回転可能に支持している。
【0061】 無潤滑用の滑り軸受け材81としては、裏金付きPTFEドライベアリング あるいは熱可塑性ポリイミド合成樹脂などを採用することができる。
【0062】 こうした構成の軸受け装置80であるため、第1の実施例による軸受け装置 71と同様に、軸受け装置80部分を通過する燃料が熱を奪うこととなり、温度 上昇のおそれもなく、軸受け部74に無潤滑用の滑り軸受け材81を採用するこ とが可能となる。
【0063】 したがって、オイルシール等が不要となって構造を単純化することができ、 オイルシールのリップ部がポンプシャフト9の表面を削るという不具合もなくな るとともに、シール材を不要とする分、ポンプ本体をコンパクトにすることがで き、部品削減により加工も容易となる。
【0064】 また、偏心カム16部分にも燃料がゆきわたるため、同部分にオイルを使用 することが不要となり、オイル交換の手間を省くことができる。
【0065】 さらに、従来の軸受け装置では軸受け部が凹部となり、この部分に燃料が溜 まりがちであったが、本実施例によれば燃料が常に流れるので、温度上昇による ベーパーの発生がなくなり、さらに偏心カム16の空回りを防止可能である。
【0066】 つぎに、本考案による第三の実施例による軸受け装置90を図4にもとづき 説明する。 図4は、この軸受け装置90の要部拡大断面図であって、軸受け装置90で は、軸受けブッシュ73と同様の軸受けブッシュ91の内周面に自己潤滑性のあ るコーティング、たとえばフッ素系樹脂によるコーティングを行ったものである 。
【0067】 なお、自己潤滑部材によるこのコーティングとしては、軸受けブッシュ91 の内面、あるいはポンプシャフト9の軸受け部74の外面の少なくともいずれか 一方に形成すればよいものである。
【0068】 かくして、軸受けブッシュ91軸受け部74との間の滑りが良好で、かつ摩 耗を抑えることができるとともに、低粘性燃料による冷却を行いながら使用する ため、ポンプシャフト9の軸受け部74部分の発熱を抑え、この部分での焼き付 きがなく、軸受けの機能を果たすことができる。
【0069】 したがって、従来の低粘性燃料用ラジアルピストンポンプ1のラジアル軸受 け14に比較してオイルシール(第3のオイルシール39)を用いることなく、 その構造を単純で小型とすることができる。
【0070】
【考案の効果】
以上のように本考案によれば、軸受けブッシュおよび自己潤滑部材により軸 受け装置を構成し、この部分を低粘性流体に浸すとともにドレイン通路を形成し たので、ポンプシャフトの軸受け部分での流体温度の上昇を抑制しつつ適正な潤 滑作用を行う潤滑機能および昇温抑制機能を確保することができるとともに、ポ ンプシャフトの軸受け部分を小型で単純なものとすることができ、この軸受け部 分を低粘性流体に浸してあるためオイルシールが不要であり、部品点数を減らす ことが可能である。
【0071】 さらに、無電解複合メッキを施した軸受けローラーを設けることにより、軸 受け部分の耐摩耗性および耐久性を向上させることができる。
【0072】
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第一の実施例による軸受け装置71を
装備した低粘性燃料用ラジアルピストンポンプ50の全
体断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】本考案の第二の実施例による軸受け装置80の
要部拡大断面図である。
【図4】本考案の第三の実施例による軸受け装置90の
要部拡大断面図である。
【図5】従来の低粘性燃料用ラジアルピストンポンプ1
の全体断面図である。
【図6】同、低粘性燃料用ラジアルピストンポンプ1の
分解斜視図である。
【図7】同、リリーフ弁40部分の縦断面図である。
【符号の説明】
1 低粘性燃料用ラジアルピストンポンプ 2 ハウジング 3 固定シリンダ 4 カバー 5 吸入側のガスケット 6 吸入側のリーフバルブ 7 吐出側のガスケット 8 吐出側のリーフバルブ 9 ポンプシャフト 10 位置決めピン 11 スタッドボルト 12 ラジアル軸受け 13 スラスト軸受け 14 スラスト軸受け 15 駆動プーリ 16 偏心カム 17 第1のオイルシール 18 第2のオイルシール 19 吸入ポート部材 20 吸入通路 21 放射状の環状室入口 22 中央内空部 23 シリンダ穴 24 キャップ状のピストン 25 プラグ 26 スプリング 27 吸入側通路 28 吐出側通路 29 加圧室 30 吸入バルブ 31 ほぼ矩形状のストッパ 32 中央内空部 33 吸入潤滑用の環状室 34 吐出通路 35 集合溝 36 吐出ポート部材 37 吐出バルブ 38 ほぼ矩形状のストッパ 39 第3のオイルシール 40 リリーフ弁 41 戻し孔 42 燃料タンク 43 フィードポンプ 44 燃料噴射ポンプ 50 低粘性燃料用ラジアルピストンポンプ 51 固定シリンダ 52 カバー 53 吸入ポート 54 吐出ポート 55 ドレインポート 56 低圧用レギュレーター 57 吸入通路 58 ベーンポンプ 59 燃料導入口 60 マニホールドプレート 61 リーフバルブ 62 ストッパー 63 吸入側通路 64 バルブプレート 65 皿バネ 66 吐出側通路(環状の高圧グルーブ) 67 カム室 68 リリーフバルブ 69 浮動ローラー 70 圧入ブッシュ 71 低粘性燃料用ラジアルピストンポンプ50の軸受
け装置 72 軸受け用凹部 73 軸受けブッシュ 74 ポンプシャフト9の軸受け部 75 軸受けローラー 76 低粘性燃料用のドレイン通路 77 戻し通路 80 軸受け装置 81 無潤滑用の滑り軸受け材 90 軸受け装置 91 軸受けブッシュ

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低粘性の流体の吸入側通路および吐出
    側通路を形成した固定シリンダと、 この固定シリンダ内に放射状に、かつ往復動可能に配設
    した複数本のピストンと、 これらのピストンを往復動させるポンプシャフトの偏心
    カムと、を有し、 前記ピストンの往復動により前記低粘性の流体を前記吸
    入側通路および吐出側通路からそれぞれ吸入吐出する低
    粘性流体用ラジアルピストンポンプの前記ポンプシャフ
    トを軸受けする低粘性流体用ラジアルピストンポンプの
    軸受け装置であって、 前記ポンプシャフトの軸受け用凹部に固定して設けた軸
    受けブッシュと、 この軸受けブッシュ内に設けるとともにその内部に前記
    ポンプシャフトを配置した自己潤滑部材と、を有すると
    ともに、 前記軸受け用凹部に前記低粘性流体用のドレイン通路を
    形成したことを特徴とする低粘性流体用ラジアルピスト
    ンポンプの軸受け装置。
  2. 【請求項2】 低粘性の流体の吸入側通路および吐出
    側通路を形成した固定シリンダと、 この固定シリンダ内に放射状に、かつ往復動可能に配設
    した複数本のピストンと、 これらのピストンを往復動させるポンプシャフトの偏心
    カムと、を有し、 前記ピストンの往復動により前記低粘性の流体を前記吸
    入側通路および吐出側通路からそれぞれ吸入吐出する低
    粘性流体用ラジアルピストンポンプの前記ポンプシャフ
    トを軸受けする低粘性流体用ラジアルピストンポンプの
    軸受け装置であって、 前記ポンプシャフトの軸受け用凹部に固定して設けると
    ともにその内面に無電解複合メッキを施した軸受けブッ
    シュと、 この軸受けブッシュ内に臨むその外面およびその内面に
    無電解複合メッキを施すとともにその内部に前記ポンプ
    シャフトを挿入し、かつ該軸受けブッシュ内に回転可能
    に挿入した軸受けローラーと、を有するとともに、 前記軸受け用凹部に前記低粘性流体用のドレイン通路を
    形成したことを特徴とする低粘性流体用ラジアルピスト
    ンポンプの軸受け装置。
JP8853492U 1992-02-21 1992-12-02 低粘性流体用ラジアルピストンポンプの軸受け装置 Pending JPH0583371U (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200024351A (ko) * 2015-06-22 2020-03-06 알프스 알파인 가부시키가이샤 입력 장치 및 입력 장치의 제어 방법

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