JPH11351096A - 燃料ポンプ - Google Patents

燃料ポンプ

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JPH11351096A
JPH11351096A JP10156972A JP15697298A JPH11351096A JP H11351096 A JPH11351096 A JP H11351096A JP 10156972 A JP10156972 A JP 10156972A JP 15697298 A JP15697298 A JP 15697298A JP H11351096 A JPH11351096 A JP H11351096A
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JP
Japan
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drive shaft
swash plate
fuel
shaft
side space
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Pending
Application number
JP10156972A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Kurita
昌幸 栗田
Muneo Mizumoto
宗男 水本
Minoru Hashida
橋田  稔
Yoshinobu Ono
好信 小野
Yoichi Murai
洋一 村井
Akiomi Kono
顕臣 河野
Akihiko Yamamoto
明彦 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Reciprocating Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 筒内噴射ガソリンエンジン用等の高圧燃料ポ
ンプにおいて、低粘度で潤滑性の低いガソリンによる潤
滑下でも、十分な耐焼き付き性と耐摩耗性を確保する。 【解決手段】 燃料ポンプ内の斜板軸9,駆動軸2等の
摺動部に駆動軸2の回転遠心力や動圧発生等を利用して
燃料を潤滑用を強制循環させる。そのほか、例えば、斜
板軸9に螺旋溝27を設けて、斜板軸9・ボール継手1
0の相対回転によりスクリュー効果を生じさせて燃料を
潤滑用として供給する。潤滑用の燃料通路26,27,
28,29等をポンプの斜板8,斜板軸9,駆動軸2等
に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車の筒
内噴射ガソリンエンジンの燃料供給等に用いられる燃料
ポンプに係り、さらに詳細には、燃料ポンプの潤滑技術
に関する。
【0002】
【従来の技術】筒内噴射ガソリンエンジンに燃料を供給
する高圧燃料ポンプは、燃料タンク内の低圧ポンプから
供給された燃料を、エンジン筒内に直接噴射するため3
MPa以上の高圧に加圧する。この種のポンプは、ポン
プハウジングと、ポンプハウジング内に収められた圧縮
機構と、エンジンのカム軸等からポンプ内部圧縮機構へ
駆動力を伝える駆動軸と、駆動軸に沿って作動流体がポ
ンプ外部へ漏れるのを防ぐ軸シール等から成り立ってい
る。
【0003】高圧燃料ポンプの形式のひとつとして、例
えば特開平9−112408号公報に記載されたよう
な、いわゆるアキシャルプランジャ型のポンプがある。
この公知例においては、ベローズを用いてハウジング内
部を二つの部分に分け、軸シールや軸受などの機械的に
摺動が生じる部品は燃料室内に設けず、ベローズで分離
された油室内に設けている。このことにより、極低粘度
の液体であるガソリンの代わりに通常の潤滑油を用いて
主な摺動部を潤滑することができ、軸受などの焼付き防
止や摩耗防止を図り、信頼性を高めている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
の高圧燃料ポンプのコスト低減を進めるため、構造の複
雑化、大型化の一因となっているベローズを用いないポ
ンプ構造が求められている。
【0005】ベローズを用いない場合、低粘度で潤滑効
果の少ないガソリン等の燃料を燃料ポンプの主導部に導
いて軸受などの摺動部が潤滑されることになるが、摺動
部に強制的に燃料を送り込む適切な潤滑構造を採らない
と、焼付きや過大摩耗を生じる危険性がある。
【0006】本発明の目的は、ベローズを用いずコスト
低減可能な単純な構造と、焼付きや摩耗を防止する十分
な潤滑性を両立させた、燃料ポンプを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明が提供する燃料ポ
ンプは、例えば、図1の実施例の符号を引用すれば、駆
動軸2の回転により揺動運動する斜板8及びこれに接す
るスリッパ16を介して駆動軸2の回転動力を往復運動
に変換して燃料圧縮室20のプランジャ15に伝達する
いわゆるアキシャルプランジャ型である。
【0008】また、駆動軸2と斜板軸9とが別体成形さ
れ、これらの軸同士が駆動軸一端面に駆動軸中心線に対
し偏心させて設けた球面状凹部11の位置でボール継手
10を介して連結され、前記斜板軸9の軸線が前記駆動
軸中心線と交わるよう傾斜して前記斜板8が揺動可能に
球面軸受13を介して支持されている。
【0009】このように駆動軸2と斜板軸9とを別体と
し、両者の間にボール継ぎ手10を介することにより、
圧縮反力による高荷重を受け持つが摺動速度は小さい部
分(ボール継手10内周と斜板軸9外周間の摺動部)
と、摺動速度は大きいものの面圧は小さい部分(駆動軸
2外周とその軸受29内周間の摺動部)とに摺動部を分
割し、最大PV値(面圧,摺動速度)を下げることがで
きる構造になっている。
【0010】これらの摺動部の信頼性を更に高めるため
には、摺動部を潤滑する燃料が、その部分に停滞せず、
強制的に導入され送り出される循環構造が必要である。
このため、以下に示すいくつかの課題解決手段を提案す
る。
【0011】第1の発明は、基本的には、図1に示すよ
うに斜板8の一面が臨むスリッパ側空間19に燃料が導
入され、このスリッパ側空間19と斜板8のもう一面が
臨む駆動軸側空間23とを連通する複数の潤滑用燃料通
路26,30が駆動軸2の中心から半径方向の距離が異
なる位置に設けられていることを特徴とする。
【0012】本発明は、駆動軸2の高速回転による遠心
力を潤滑に用いる燃料通路の強制循環手段をとして利用
する構造である。
【0013】すなわち、駆動軸2が高速回転すると、駆
動軸側空間23では、回転する駆動軸2の端面にひきず
られる流体せん断力によって、駆動軸側空間23内の燃
料自身も円周方向に速度を持つ。そのため遠心力が働
き、駆動軸空間23の半径方向の内側部分23aでは低
圧に、半径方向外側部分23bでは高圧になっている。
その結果、駆動軸中心線より半径方向の距離の近い位置
に設けた通路26は、駆動軸側空間23の半径方向内側
部分(低圧領域)23aの影響を受けて燃料吸引力が作
用し、スリッパ側空間19の燃料が駆動軸空間23の吸
引され、吸引された燃料は駆動軸側空間23に作用する
遠心力により外側の押しやられ、駆動軸中心線より半径
方向の距離の大きい通路30を介して駆動軸側空間23
の高圧領域の燃料がスリッパ側空間19へと押し出され
る。このようにして駆動軸側空間23に潤滑として用い
る燃料を強制導入することが可能になり、この導入され
た燃料が斜板軸9外周・球面体10A内周(ボール継手
10内周)間の摺動部,球面体10A外周・球面凹部1
1間の摺動部、駆動軸2外周・ブシュ軸受5内周間の摺
動部等に充分に供給される。なお、上記した各摺動部に
燃料を導入され易くするための通路を設ける手段も提案
する。詳細は、実施の形態の項で説明する。
【0014】第2の発明は基本的には、図10に示すよ
うに、前記ポンプハウジング1内周あるいはその内側に
配したブシュ軸受5内周と前記駆動軸2の外周との間
(これを隙間Aとする)、及び前記斜板軸9の外周と前
記ボール継手10の要素で前記斜板軸9を受ける球面体
10Aの内周との間(これを隙間Bとする)には前記燃
料が潤滑のために流通する構成とし、これらの隙間A,
Bを連通するための孔33,35が前記駆動軸2及び前
記球面体10Aに形成されていることを特徴とする。
【0015】本発明は、比較的摺動条件が緩い部分(隙
間A)で発生した動圧を利用して、摺動条件が厳しい部
分(隙間Bすなわち斜板軸9・ボール継手10の球面体
10A内周間の摺動部)に孔33,35を介して強制的
に燃料を送り込む構造である。(詳細は実施の形態の項
で説明する)。
【0016】第3の発明は、基本的には、図13に示す
ように、ポンプハウジング1に設けた燃料入口18と前
記駆動軸2の外周をシールする軸シール部22の密封側
空間24とを結ぶ燃料通路18´が設けられ、この燃料
通路18´を介して前記密封側空間25に導入された燃
料を少なくとも前記駆動軸2の外周と前記ポンプハウジ
ング1内周あるいはその内側に配したブシュ軸受5内周
との間、及び前記ボール継手10の内周と前記斜板軸9
の外周との間を経由して前記燃料圧縮室20側に導く通
路(例えば29,23,27,38,19,16a,1
5a)を備えて成るたことを特徴とする。
【0017】本発明は、外部から燃料を導入する吸入口
18の位置を工夫して、前述した各摺動部が燃料を圧縮
室に供給する経路においてその流路の一部にならざるを
得ないようにした構造である(詳細は実施の形態の項で
説明する)。
【0018】第4の発明は、図14に示すように、基本
的には、斜板8の一面が臨むスリッパ側空間19に燃料
が導入され、前記斜板8及び斜板軸9にはこのスリッパ
側空間19の燃料を潤滑用として前記ボール継手10内
周と前記斜板軸9外周との間に導くための孔39,50
が設けられ、前記駆動軸2には前記球面状凹部11の奥
部空間24と前記駆動軸2外周上を連通する孔51が設
けられ、前記斜板8或いは該斜板の球面軸受13或いは
ポンプハウジング1には、前記スリッパ側空間19と前
記斜板8のもう一面が臨む駆動軸側空間23とを連通す
る潤滑用の燃料通路53が少なくとも一つ設けられてい
ることを特徴とする。
【0019】本発明も第1の発明同様に駆動軸2の高速
回転により生じる遠心力を前述した各摺動部への潤滑用
燃料の強制循環供給に利用するものである。
【0020】すなわち、駆動軸2の高速回転により球面
状凹部11の奥部空間24の燃料には奥部空間24壁面
にひきずられる流体せん断力により遠心力が作用し、奥
部空間24は低圧領域となり、その半径方向外側は半径
方向の連通孔51を介して燃料が駆動軸外周上(ブシュ
軸受5或いはハウジング1内周に対する摺動部)に押し
出されて高圧領域となる。低圧領域の奥部空間24に
は、低圧であるが故に斜板8及び斜板軸9に設けた孔3
9を介してスリッパ側空間19の燃料が引き込まれ、こ
の引き込みにより斜板軸9外周・ボール継手10内周
(球面体10A内周)の条件の厳しい摺動部に強制的に
燃料が潤滑用として供給される。また、高圧領域の燃料
は駆動軸外周上の摺動面を流れて駆動軸空間23,通路
53を介してスリッパ側空間19に戻される(詳細は実
施の形態の項で説明する)。
【0021】第5の発明は、基本的には、図15に示す
ように、斜板8の回転運動を拘束して揺動運動のみ可能
にする機構60を設け、少なくとも前記斜板軸9の摺動
部に導かれた燃料を前記斜板8を通して前記燃料圧縮室
20に導くために前記斜板8に孔54を設けると共にこ
の斜板の孔54と相対する位置に前記スリッパ16に設
けた孔16aが位置合わせされていることを特徴とす
る。
【0022】本発明は、潤滑用燃料の供給力向上のため
に、燃料圧縮室20の吸引力を利用するものである。斜
板8が揺動動作時に回転してしまうと、燃料圧縮室20
に通じるスリッパ16の孔16aと斜板8に設けた孔5
3との相対位置がずれて、上記の燃焼圧縮室20の吸引
力を利用することができなくなってしまうので、本発明
では、斜板8の回り止めを図っている(詳細は、実施の
形態の項で説明する)。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0024】以下に述べる実施例は、筒内噴射ガソリン
エンジン用の燃料ポンプである。上記エンジンは、ガソ
リンを吸気ポートへ噴射する従来のガソリンエンジンと
異なり、高圧の燃焼シリンダ内に直接ガソリンを噴射す
る形式であるため、前記燃料ポンプには、5MPaある
いはそれ以上の高圧にガソリンを加圧することを要求さ
れる。
【0025】図1は本発明の第1実施例の燃料ポンプの
断面図であり、課題を解決するための手段の項で列挙し
た第1の発明を利用した構造である。
【0026】まず運動の機構を説明する。駆動軸2はカ
ップリング3を介してエンジンカム軸(図示省略)に連
結され、駆動力をポンプに伝達する。駆動軸2は、ポン
プハウジング1に内装した転がり軸受4およびブシュ軸
受5によって、ハウジング1内で回転可能に支持され
る。駆動軸2の軸方向の動きは、駆動軸外周に装着され
た止め輪6がハウジング一端に係止し、及び駆動軸一端
に設けられたつば7がブシュ軸受5一端に係止すること
によって規制される。
【0027】斜板8は球体を平行な2平面で切断した形
状の板部より成り、その背面部に斜板平面に対して垂直
な斜板軸9が一体に突出形成される。
【0028】駆動軸2と斜板軸9とは、駆動軸一端面の
駆動軸中心線に対し偏心させた位置でボール継手10を
介して連結されている。ボール継手10は、駆動軸2の
一端面に駆動軸中心線と偏心させて設けた球面状凹部1
1と、内周が斜板軸11外周を受ける軸受面となり外周
が球面状凹部11に嵌合する球面体10Aとより成る。
斜板軸線が駆動軸2の中心線と交わるよう傾斜して、こ
の斜板8が揺動可能に球面軸受13を介して支持されて
いる。
【0029】すなわち、駆動軸2の回転によって、偏心
した球面状凹部11が駆動軸中心線のまわりを回転し、
斜板軸9もそれにつれて公転運動を行うが斜板軸9の軸
線が駆動軸中心線に交わるよう傾むいているため、斜板
8はハウジング1に圧入された球面軸受13に支持され
て首振りの傾斜運動(揺動運動)を行う。こうして駆動
軸2の回転運動が斜板8の揺動運動に変換される。な
お、斜板8は回転方向が拘束されていないので、駆動軸
2のような高速回転はしないものの駆動軸2の回転力の
影響を受けて回転する。
【0030】この球面軸受13及び斜板8がハウジング
1内部に介在することで、ハウジング1内部は、シリン
ダブロック14を装着して燃料を吸入圧縮する側と斜板
軸9及び駆動軸2の動作側とに分けられる。
【0031】シリンダブロック14には、円周方向に等
間隔に配置された複数のシリンダ(ボア)14Aが設け
られていて、シリンダ14A内で往復するプランジャ1
5と上記シリンダ14Aで圧縮室を形成している。
【0032】プランジャ15はスリッパ16を介して、
シリンダ14A内のスプリング17のばね力によって斜
板8の平面部に押し付けられている。スリッパ16は一
方の面が平面、他方が球面凹部になっていて、それぞれ
斜板8の平面部、プランジャ15の球面部とすべり摺動
することにより、斜板8の揺動運動をプランジャ15の
往復運動に変換する。
【0033】次に燃料の経路を説明する。
【0034】燃料はハウジング1に設けた吸入口18か
ら通路14Bを介して斜板8のスリッパ側空間19(斜
板8一面が臨む空間で斜板8,球面軸受13,ハウジン
グ1内壁,シリンダブロック14一端面で囲まれる空
間)に導入され、斜板8の一方の平面側に設けられた環
状の溝40およびスリッパ16の内部通路(燃料通孔)
16a及びプランジャ15に設けた孔15aを通って、
プランジャ15内に設けられたボールとスプリングから
成るチェック弁41から圧縮室20内に入る。圧縮室2
0でプランジャ15によって加圧された燃料は別のチェ
ック弁から吐出口21へと吐出される。また、燃料が駆
動軸2の外周を伝って外部へ漏れることを防ぐため、転
がり軸受4とブシュ軸受5間の駆動軸外周上にリップシ
ール(軸シール部)22a,22bが設けてある。な
お、45はシール22a,22b間を大気圧にするため
の大気圧通路である。
【0035】本実施例では、油圧ポンプでよく用いられ
るアキシャルプランジャポンプと異なり、駆動軸2と斜
板8を別体とし、斜板軸9及び斜板8は高速回転しない
構造を採用することにより、圧縮反力による高荷重を受
け持つが摺動速度は小さい部分(スリッパ16、球面軸
受13)と、摺動速度は大きいものの面圧は小さい部分
(ボール継手10、軸受ブシュ5)とに摺動部を分割
し、最大PV値を下げ、過大摩耗や焼き付きの防止を試
みている。
【0036】しかし上記のように最大PV値を下げても
なお、各摺動部の信頼性は十分とは言えない。その最大
の理由は潤滑流体である燃料の低潤滑性である。一般的
な鉱油と比較してガソリンは、粘度が100分の1のオ
ーダであり、更に各種添加剤を含まないという特徴もあ
って、ガソリン潤滑の摺動面では液膜確保が困難で固体
接触しやすくなる。
【0037】本発明では燃料の低潤滑性を補うため、各
摺動部に積極的に燃料を送り込む潤滑機構を次のように
して構成する。本実施例では以下のような潤滑経路とな
る。
【0038】基本的には、斜板8の一面が臨むスリッパ
側空間19と斜板8のもう一面が臨む駆動軸側空間23
とを連通する複数の潤滑用燃料通路26,30を、駆動
軸2の中心から半径方向の距離が異なる位置に設けるこ
とが重要な要素となる。
【0039】すなわち、このように構成すれば、駆動軸
2が高速回転すると、駆動軸側空間23では、回転する
駆動軸2の端面にひきずられる流体せん断力によって、
駆動軸側空間23内の燃料自身も円周方向に速度を持
つ。そのため遠心力が働き、駆動軸空間23の半径方向
の内側部分23aでは低圧に、半径方向外側部分23b
では高圧になっている。その結果、駆動軸中心線より半
径方向の距離の近い位置に設けた通路(斜板に設けた貫
通孔)26は、駆動軸側空間23の半径方向内側部分
(低圧領域)23aの影響を受けて燃料吸引力が作用
し、スリッパ側空間19の燃料が駆動軸空間23に吸引
され、吸引された燃料は駆動軸側空間23に作用する遠
心力により外側の押しやられ、駆動軸中心線より半径方
向の距離の大きい通路30を介して駆動軸側空間23の
高圧領域の燃料がスリッパ側空間19へと押し出され
る。このようにして駆動軸側空間23には、潤滑として
用いる燃料を強制導入することが可能になり、この導入
された燃料が斜板軸9外周・球面体10A内周(ボール
継手10内周)間の摺動部,球面体10A外周・球面状
凹部11間の摺動部、駆動軸2外周・ブシュ軸受5内周
間の摺動部,斜板8・球面軸受30間の摺動部等に供給
される。さらに、本実施例では、上記した各摺動部に燃
料を導入され易くするための通路を次のようにして設け
ている。以下、これらの潤滑経路の具体的構造例につい
て説明する。
【0040】駆動軸2の中心線より距離の近い通路26
は、斜板8の中心軸に近い場所に貫通させて設けること
で、斜板8の両側にあるスリッパ側空間19と駆動軸側
空間23とを連通する。一方、球面軸受13の内周に
は、駆動軸2の中心線より距離の遠い通路となる連絡溝
30を設け、この連絡溝(通路)30が駆動軸側空間2
3とスリッパ側空間19とを連通する。
【0041】駆動軸側空間23では、回転する駆動軸2
の端面にひきずられる流体せん断力によって、遠心力が
働くことは前述した通りであるが、図1においては採用
していないが、図12に示すように、駆動軸2の端面に
放射状の羽37あるいは放射状の溝を設けると、流体の
遠心力はより強くなる。
【0042】駆動軸中心線より距離の遠い通路30の別
の形態としては、図3に示すように、斜板8の内部に貫
通孔26とは別にもう一本の貫通孔31を設ける形態
や、図4に示すように、ハウジング1や球面軸受13の
内部に連絡孔(燃料通路)32を設ける形態がある。
【0043】斜板軸9の外周には、ボール継手(球面体
10A)の回転とともに奥、すなわち図1の左側へ向か
う螺旋溝27を設け、螺旋溝27を介して斜板8の駆動
軸側空間23と駆動軸2の球面状凹部11の端部空間2
4とを連通する。
【0044】ボール継手10と斜板軸9との相対的な回
転により螺旋溝27に沿って液体が引きずり込まれる作
用により、燃料の循環を起こす原動力とする。なお、駆
動軸2の回転が図1左側から見て右回りの場合は、図示
した形状の螺旋溝を設けるが、逆向きの回転で使用され
るポンプの場合は逆方向の螺旋溝を設ける。
【0045】図1では斜板軸外周に螺旋溝27を設けた
例を示したが、図5に示すボール継手断面図のように、
ボール継手10の斜板軸を受ける側すなわち球面体10
A内周に螺旋溝27を設けてもよい。また、図6に示す
ボール継手断面図のように、ボール継手10(球面体1
0A)の内周に別部材のブシュ軸受12を圧入し、その
内周に螺旋溝27を設けても同様の効果が得られる。
【0046】駆動軸2の球面状凹部11の端部空間24
には、駆動軸2外周部へ通じる連絡孔(燃料通路)28
を設け、凹部端部空間24と軸シール部22の密封側空
間25とを連通する。
【0047】駆動軸2外周とブシュ軸受5内周との摺動
面には、軸シール部22の密封側空間25と駆動軸側空
間23とを連通するための通路(溝)29を形成する。
【0048】本実施例では、上記の一連の通路構成によ
り、駆動軸2の回転により駆動軸側空間24に生じる遠
心力と螺旋溝27のねじポンプ作用を原動力に、斜板8
のスリッパ側空間19から斜板8の駆動軸側空間内側部
分(低圧領域)23aに燃料を導入し、導入された燃料
の一部は遠心力で外側に流れ残りは、ねじポンプ作用に
より球面体10A内周・斜板軸9外周間を通って駆動軸
2の球面状凹部11の端部空間24、軸シール部22の
密封側空間25、駆動軸2外周・ブシュ軸受5内周間、
駆動軸側空間23の外側部分(高圧領域)23b、斜板
のスリッパ側空間19の順に燃料が強制的に循環する。
したがって、上記した各ポンプ部品の機械的摺動面を潤
滑する燃料がその部分に停滞せず良好な潤滑効果を奏す
ることができる。摺動面に常に新しい燃料を流通させる
利点は、摺動面を効率良く冷却すること、および摩耗粉
が発生したときに摺動面に留まって更に摩耗を進行させ
るのを防ぐことである。また、この燃料の循環通路が摺
動面の溝の形態をとることにより、境界潤滑条件にある
各摺動面の濡れ性を高めるという二次的な効果も期待で
きる。
【0049】次に、図8から図11を用いて本発明の別
の実施例を説明する。ここでは、課題を解決するための
手段の項で挙げた第2の発明を用いている。
【0050】図8は本実施例の駆動軸2の正面図及び右
側面図、図9はボール継手10の球面体10Aの正面
図、図10は本実施例の動作説明図で、本実施例の駆動
軸2の球面状凹部11内にボール継手10及び斜板軸9
をセットした状態をブシュ軸受5の位置で輪切り状に断
面した状態を示しており、図11はブシュ軸受8の他の
形態の断面図である。これらの駆動軸2,ボール継手1
0およびブシュ軸受5以外の部品形状については図1と
同じであり、燃料加圧機構、燃料経路なども図1と同じ
であるとする。
【0051】複数ある摺動部の中で最も摺動条件が厳し
いところは、斜板軸9外周面とボール継手10の球面体
10A内周間の摺動部である。その外側にある駆動軸2
外周とブシュ軸受5内周との摺動部と比べると、面圧が
高く、周速が遅いために液膜が形成されにくい。そこで
摺動条件が比較的緩い外側の軸受において発生した動圧
を、内側の条件が厳しい軸受に導入するしくみを考案し
た。
【0052】アキシャルプランジャ型の燃料ポンプにお
いて、シリンダブロック14内の複数のシリンダで燃料
の吸入圧縮が行なわれる場合、その合成された圧縮荷重
が斜板8ひいてはボール継手10を介して駆動軸2にか
かる。この荷重は、所定のパターンで変位するが、回転
する駆動軸2との相対的位置関係はほゞ一定とみること
ができる。例えば図10の例では、斜板軸9からボール
継手10を介して図の下向きに荷重がかかっているもの
とする。そのため、駆動軸2はブシュ軸受5の内周面と
の隙間の範囲内で図の下向きに偏心する。摺動面に潤滑
液となる燃料を供給する溝29は、一般のすべり軸受と
同じく燃料の流れ易くなっている(駆動軸2とブシュ軸
受8間の隙間のうち広がりの大きい方)の反負荷側に設
けられている。
【0053】駆動軸2が負荷(圧縮荷重)を受けて下側
に偏心している場合、駆動軸2が左回りの場合、駆動軸
2外周・ブシュ軸受5内周間の隙間Aにおいて、図10
の左側半分は液膜形状が先すぼまりのくさび型になって
おり、液膜内にくさび膜効果による圧力(動圧)が発生
する。この燃料液膜の動圧発生部分に対応する駆動軸2
の位置に駆動軸2外周面から内周面(球面状凹部11)
へ通じる貫通孔(通路)33を設けることで、発生した
燃料圧力の一部を駆動軸内側へ導入することが可能にな
る。さらに、この駆動軸2の球面状凹部11に嵌合する
ボール継手10の球面体10Aには、図9に示すように
円周溝34が設けられ、圧力(燃料)が円周方向で均一
になるようにする。さらにその圧力を内側(斜板軸9外
周・球面体10A内周間)の厳しい摺動面(隙間B)に
導入するための孔35を設ける。その結果、内側の厳し
い摺動面に潤滑液が十分供給されて焼き付きや過大摩耗
を防止できる。
【0054】すなわち、上記した隙間A,Bを連通する
ための半径方向の孔33,35を駆動軸2及び球面体1
0Aに形成することで、摺動条件が比較的緩い駆動軸2
外周・ブシュ軸受5内周間で発生した動圧を、摺動条件
が厳しい斜板軸9・ボール継手10内周間の摺動部に導
入することが可能になる。
【0055】図11に示すように、外側のブシュ軸受5
の内周面に、ヘリカルボーンと呼ばれるハの字型の溝3
6を配設すると、前述した動圧をさらに高めることがで
き、厳しい摺動面への潤滑液送り込み量を増すことがで
きる。
【0056】次に図13を用いて、本発明の別の実施例
を説明する。ここでは、課題を解決するための手段の項
で挙げた第3の発明を用いている。
【0057】本実施例は、燃料加圧機構については図1
と同じであるが、ポンプハウジング1に設ける燃料吸入
口18の位置を工夫して、斜板8,斜板軸9,ボール継
手10,駆動軸2等の摺動部が流路の一部にならざるを
得ないようにした構造になっている。
【0058】すなわち、ポンプハウジング1に設けた燃
料入口18と駆動軸2の外周をシールする軸シール部2
2の密封側空間25とを直接結ぶ燃料通路18′が設け
られ、この燃料通路18′を介して密封側空間25に導
入された燃料が少なくとも駆動軸2外周とポンプハウジ
ング内のブシュ軸受5内周(ブシュ軸受を用いない場合
はポンプハウジング内周)との間、及びボール継手10
の球面体10A内周と斜板軸9の外周との間を経由して
燃料圧縮室側に導かれ通路29,23,27,38,1
9,16a,15a等を備えて成る。
【0059】具体的態様としては、燃料吸入口18から
吸入された燃料はハウジング1壁部に穿けられた燃料通
路(孔)18′を通って、軸シール部22の密封側空間
25に最初に導入され、密封側空間25から、駆動軸外
周面の通路(溝)29、斜板8の駆動軸側空間23、斜
板軸9の外周面に設けた螺旋溝27、駆動軸の球面状凹
部11の端部24を経由し、更に斜板軸9の中心軸上に
設けた通路(貫通孔)38を通って、斜板のスリッパ側
空間19に達する。このような潤滑燃料通路を構成する
ために密封側空間25と球面状凹部11の端部24は、
直接は連通していない。
【0060】本実施例によれば、吸入行程で圧縮室20
内で生じる負圧によって外部より導入される燃料は、上
記の経路を通らざるを得ず、まとまった流量の燃料が必
ず駆動軸2,ボール継ぎ手10,斜板軸9等の潤滑を必
要する摺動部を流れて、摺動部を潤滑,冷却する。
【0061】なお、吸入口18は図示したようにリヤカ
バー43に設けず、ポンプハウジング1の軸シール部2
2の密封側空間25近傍に設けてもよい。螺旋溝27は
図5,図6に示したように、ボール継手の球面体10A
内周面あるいはボール継手内周面に圧入したブシュ軸受
12内周面に設けても、同様の効果が得られる。
【0062】次に図14を用いて、本発明の別の実施例
を説明する。ここでは、課題を解決するための手段の項
で挙げた第4の発明を用いている。
【0063】本実施例は、燃料加圧機構については図1
と同じであるが、経路の構造が異なっている。
【0064】本実施例も斜板8の一面が臨むスリッパ側
空間19に燃料が導入される。斜板8及び斜板軸9に
は、このスリッパ側空間19の燃料を潤滑用としてボー
ル継手10内周と斜板軸9外周との間に導くための孔3
9,50が設けてある。潤滑用の燃料通路となる孔39
は、斜板軸9の中心線と一致させて斜板8から斜板軸9
の中途位置まであけられ、孔50は上記孔39とTの字
に交わるようにして半径方向に形成され、その出口が斜
板軸9の外周面上(ボール継手の球面体10Aに対する
摺動部)に臨んでいる。
【0065】駆動軸2には球面状凹部11の奥部空間2
4と駆動軸2外周上の燃料通路溝29を連通する孔(燃
料通路)51が半径方向に設けられる。
【0066】斜板8には、スリッパ側空間19と斜板8
のもう一面が臨む駆動軸側空間23とを連通する潤滑用
の燃料通路(孔)53が少なくとも一つ設けられてい
る。この燃料通路53は斜板の球面軸受13或いはポン
プハウジング1に設けてもよい。
【0067】上記の潤滑用燃料経路によれば、駆動軸2
の高速回転により球面状凹部11の奥部空間24の燃料
には奥部空間24壁面にひきずられる流体せん断力によ
り遠心力が作用する。したがって、奥部空間24は低圧
領域となり、その半径方向外側は半径方向の孔(連絡
路)51を介して燃料が駆動軸外周上に押し出されて高
圧領域となる。低圧領域の奥部空間24には、低圧であ
るが故に斜板8及び斜板軸9に設けた孔39を介してス
リッパ側空間19の燃料が引き込まれ、この引き込みに
より斜板軸9外周・ボール継手10内周(球面体10A
内周)の条件の厳しい摺動部に強制的に燃料が潤滑用と
して供給される。また、高圧領域の燃料は駆動軸外周上
の摺動面を流れて駆動軸空間23,通路53を介してス
リッパ側空間19に戻される。
【0068】前記の孔50の出口は、斜板軸9における
摺動面の軸方向中心断面よりも斜板8側にあると、斜板
軸9・ボール継手10間の強制潤滑される面積が大きく
なり、より効果的である。
【0069】また本実施例では、軸シール部22の密封
側空間25に十分燃料を供給するため、駆動軸2の斜板
側端面と、空間25とを連通する貫通孔52を駆動軸2
に設けている。図14で点線で示された貫通孔52は、
紙面に対して傾斜した角度を持つことで駆動軸2の中心
軸に対してねじれの位置にある。したがって、駆動軸2
の回転によって強制的に貫通孔52内に燃料がひきずり
こまれるしくみになっており、潤滑用の燃料を軸シール
部22の密封側空間22にも強制的に供給されるように
なっている。
【0070】次に図15を用いて本発明の別の実施例を
説明する。ここでは、課題を解決するための手段の項で
挙げた第5の発明を用いている。
【0071】本実施例の燃料圧縮機構は既述した各実施
例と同様であり、相違点は一つは、斜板8の回転運動を
拘束して揺動運動のみ可能にする機構60を設けた点に
ある。この回り止めの機構60は、例えば、一端がシリ
ンダブロック14に固定され他端が球状62を呈して斜
板8一面に設けた穴61に嵌合されて成る。
【0072】本例も図14同様の通路39及び50が斜
板8及び斜板軸9にかけて設けられ、斜板8には駆動軸
側空間23とスリッパ側空間19とを連通する通路
(孔)54が設けてある。孔54のスリッパ側空間19
に臨む開口に相対して、スリッパ16に設けた孔16a
が位置合わせされている。
【0073】本実施例によれば、斜板8の回り止めを図
ることで、燃料圧縮室20に通じるスリッパ16の孔1
6aと斜板8に設けた孔53との相対位置のずれをなく
し一致させることが可能になる。したがって、吸入口1
8及び通路14Bを介してスリッパ側空間19に導入さ
れた燃料は、燃料圧縮室20の吸引力により、通路3
9,50、斜板軸9外周・球面体10A内周(ボール継
手10内周)間の摺動部、球面状凹部11の奥部空間2
4、連絡通路(孔)28、軸シール部22の密封側空間
25、駆動軸2外周の溝29(駆動軸2外周・ブシュ軸
受5内周間)、駆動軸側空間23、通路(孔)54、ス
リッパ16の孔16a、プランジャ15の孔15aを通
って燃料圧縮室20に導かれる。したがって、斜板軸9
の摺動部や駆動軸2の摺動部に燃料を潤滑用として十分
に供給することが可能になる。
【0074】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
ベローズを用いずコスト低減可能な単純な構造と、焼付
きや過大摩耗を防止する十分な潤滑性を両立させた、筒
内噴射ガソリンエンジン用等に好適な燃料ポンプを提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に関わる燃料ポンプの断面
図。
【図2】図1の実施例における球面軸受の断面および側
面図。
【図3】図1の実施例の他の形態を表す断面図。
【図4】図1の実施例の他の形態を表す断面図。
【図5】図1の実施例におけるボール継手の別の形態を
表す断面図。
【図6】図1の実施例におけるボール継手の別の形態を
表す断面図。
【図7】図1の実施例における駆動軸の断面図および右
側面図。
【図8】本発明の他の実施例に関わる燃料ポンプ駆動軸
の正面図および右側面図。
【図9】図8の実施例におけるボール継手の正面図。
【図10】図8の実施例における動作説明図。
【図11】図8の実施例におけるブシュ軸受の断面図。
【図12】図1の実施例における駆動軸の、別の形態を
表す正面図および右側面図。
【図13】本発明の他の実施例に関わる燃料ポンプの断
面図。
【図14】本発明の他の実施例に関わる燃料ポンプの一
部断面図。
【図15】本発明の他の実施例に関わる燃料ポンプの断
面図。
【符号の説明】
1…ポンプハウジング、2…駆動軸、5…ブシュ軸受、
8…斜板板部、9…斜板軸、10…ボール継手、10A
…球面体、11…球面状凹部、13…球面軸受、14…
シリンダブロック、15…プランジャ、16…スリッ
パ、18…吸入口、19…スリッパ側空間、20…圧縮
室、21…吐出口、22(22a,22b)…軸シール
部、23…駆動軸側空間、25…軸シール部の密封側空
間、26…貫通穴(燃料通路)、27…潤滑溝(燃料通
路)、28…孔(燃料通路)、29…潤滑溝(燃料通
路)、30…連絡溝(燃料通路)、31…貫通孔(燃料
通路)、32…連絡孔(燃料通路)、33…貫通孔(燃
料通路)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野 好信 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者 村井 洋一 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 河野 顕臣 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 山本 明彦 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動軸の回転により揺動運動する斜板及
    びこれに接するスリッパを介して前記駆動軸の回転動力
    を往復運動に変換して燃料圧縮室のプランジャに伝達す
    る燃料ポンプであって、前記駆動軸と斜板軸とが別体成
    形され、これらの軸同士が駆動軸一端面に駆動軸中心線
    に対し偏心させて設けた球面状凹部の位置でボール継手
    を介して連結され、前記斜板軸の軸線が前記駆動軸中心
    線と交わるよう傾斜して前記斜板が揺動可能に球面軸受
    を介して支持されている燃料ポンプにおいて、 前記斜板の一面が臨むスリッパ側空間に燃料が導入さ
    れ、このスリッパ側空間と前記斜板のもう一面が臨む駆
    動軸側空間とを連通する複数の潤滑用燃料通路が前記駆
    動軸の中心から半径方向の距離が異なる位置に設けられ
    ていることを特徴とする燃料ポンプ。
  2. 【請求項2】 前記複数の潤滑用燃料通路のうち前記駆
    動軸の中心から近い距離にある燃料通路は前記斜板に孔
    をあけて成り、前記駆動軸の中心から遠い距離にある燃
    料通路は前記斜板,該斜板の球面軸受,ポンプハウジン
    グの少なくとも一つに設けられている請求項1記載の燃
    料ポンプ。
  3. 【請求項3】 前記ボール継手は、前記駆動軸一端面に
    設けた前記球面状凹部と、内径が前記斜板軸を受ける軸
    受面となり外径が前記球面状凹部に嵌合する球面体とよ
    り成り、前記斜板軸外周と前記球面体内周との間に前記
    駆動軸側空間と前記球面状凹部の奥部空間とを連通する
    潤滑用燃料通路が設けてあり、前記駆動軸には前記球面
    状凹部の奥部空間と該駆動軸外周上の軸シール部の密封
    側空間とを連通する潤滑用燃料通路が設けてあり、前記
    駆動軸の外周と前記ポンプハウジング内周あるいはその
    内側に配したブシュ軸受内周との間には前記軸シール部
    の密封側空間と前記駆動軸側空間とを連通する潤滑用燃
    料通路が設けてある請求項1または請求項2記載の燃料
    ポンプ。
  4. 【請求項4】 前記駆動軸側空間と前記球面状凹部の奥
    部空間とを連通する前記潤滑用燃料通路は、前記斜板軸
    外周或いは前記球面体内周に形成した螺旋溝よりなる請
    求項3記載の燃料ポンプ。
  5. 【請求項5】 前記駆動軸の前記球面状凹部を設けた側
    の端面に放射状の羽根が設けてある請求項1ないし請求
    項4のいずれか1項記載の燃料ポンプ。
  6. 【請求項6】 駆動軸の回転により揺動運動する斜板及
    びこれに接するスリッパを介して前記駆動軸の回転動力
    を往復運動に変換して燃料圧縮室のプランジャに伝達す
    る燃料ポンプであって、前記駆動軸と斜板軸とが別体成
    形され、これらの軸同士が駆動軸一端面に駆動軸中心線
    に対し偏心させて設けた球面状凹部の位置でボール継手
    を介して連結され、前記斜板軸の軸線が前記駆動軸中心
    線と交わるよう傾斜して前記斜板が揺動可能に球面軸受
    を介して支持されている燃料ポンプにおいて、 前記ポンプハウジング内周あるいはその内側に配したブ
    シュ軸受内周と前記駆動軸の外周との間(これを隙間A
    とする)、及び前記斜板軸の外周と前記ボール継手の要
    素で前記斜板軸を受ける球面体の内周との間(これを隙
    間Bとする)には前記燃料が潤滑のために流通する構成
    とし、これらの隙間A,Bを連通するための孔が前記駆
    動軸及び前記球面体に形成されていることを特徴とする
    燃料ポンプ。
  7. 【請求項7】 前記ポンプハウジングの内周あるいはそ
    の内側に配したブシュ軸受の内周、または前記駆動軸の
    外周に、ハの字型の溝が周方向に並べて配設してある請
    求項6記載の燃料ポンプ。
  8. 【請求項8】 駆動軸の回転により揺動運動する斜板及
    びこれに接するスリッパを介して前記駆動軸の回転動力
    を往復運動に変換して燃料圧縮室のプランジャに伝達す
    る燃料ポンプであって、前記駆動軸と斜板軸とが別体成
    形され、これらの軸同士が駆動軸一端面に駆動軸中心線
    に対し偏心させて設けた球面状凹部の位置でボール継手
    を介して連結され、前記斜板軸の軸線が前記駆動軸中心
    線と交わるよう傾斜して前記斜板が揺動可能に球面軸受
    を介して支持されている燃料ポンプにおいて、 ポンプハウジングに設けた燃料入口と前記駆動軸の外周
    をシールする軸シール部の密封側空間とを結ぶ燃料通路
    が設けられ、この燃料通路を介して前記密封側空間に導
    入された燃料が少なくとも前記駆動軸の外周と前記ポン
    プハウジング内周あるいはその内側に配したブシュ軸受
    内周との間、及び前記ボール継手の内周と前記斜板軸の
    外周との間を経由して前記燃料圧縮室側に導かれ通路を
    備えて成るたことを特徴とする燃料ポンプ。
  9. 【請求項9】 前記軸シール部の密封側空間に導入され
    た燃料を、前記駆動軸外周と前記ポンプハウジング内周
    或いはその内側に配したブシュ軸受内周との間、前記斜
    板の一面が臨む駆動軸側空間、前記ボール継手の内周と
    前記斜板軸の外周との間、及び前記斜板軸及び斜板の内
    部を経て、前記斜板のもう一面が臨むスリッパ側空間に
    導く燃料通路が形成され、該スリッパ側空間に導かれた
    燃料が前記スリッパに設けた孔を介して前記燃料圧縮室
    に導かれる構成とした請求項8記載の燃料ポンプ。
  10. 【請求項10】 駆動軸の回転により揺動運動する斜板
    及びこれに接するスリッパを介して前記駆動軸の回転動
    力を往復運動に変換して燃料圧縮室のプランジャに伝達
    する燃料ポンプであって、前記駆動軸と斜板軸とが別体
    成形され、これらの軸同士が駆動軸一端面に駆動軸中心
    線に対し偏心させて設けた球面状凹部の位置でボール継
    手を介して連結され、前記斜板軸の軸線が前記駆動軸中
    心線と交わるよう傾斜して前記斜板が揺動可能に球面軸
    受を介して支持されている燃料ポンプにおいて、 前記斜板の一面が臨むスリッパ側空間に燃料が導入さ
    れ、前記斜板及び斜板軸にはこのスリッパ側空間の燃料
    を潤滑用として前記ボール継手内周と前記斜板軸外周と
    の間に導くための孔が設けられ、 前記駆動軸には前記球面状凹部の奥部空間と前記駆動軸
    外周上を連通する孔が設けられ、 前記斜板或いは該斜板の球面軸受或いはポンプハウジン
    グには、前記スリッパ側空間と前記斜板のもう一面が臨
    む駆動軸側空間とを連通する潤滑用の燃料通路が少なく
    とも一つ設けられていることを特徴とする燃料ポンプ。
  11. 【請求項11】 駆動軸の回転により揺動運動する斜板
    及びこれに接するスリッパを介して前記駆動軸の回転動
    力を往復運動に変換して燃料圧縮室のプランジャに伝達
    する燃料ポンプであって、前記駆動軸と斜板軸とが別体
    成形され、これらの軸同士が駆動軸一端面に駆動軸中心
    線に対し偏心させて設けた球面状凹部の位置でボール継
    手を介して連結され、前記斜板軸の軸線が前記駆動軸中
    心線と交わるよう傾斜して前記斜板が揺動可能に球面軸
    受を介して支持されている燃料ポンプにおいて、 前記斜板の一部が臨む駆動軸側空間に燃料が導入され、
    この駆動軸側空間と前記駆動軸外周上の軸シール部の密
    封側空間とを連通する通路が前記駆動軸に孔をあけて形
    成されていることを特徴とする燃料ポンプ。
  12. 【請求項12】 前記駆動軸側空間と前記駆動軸外周上
    の軸シール部の密封側空間とを連通する通路が中心軸に
    対してねじれの位置にある傾斜した貫通孔である請求項
    11記載の燃料ポンプ。
  13. 【請求項13】 駆動軸の回転により揺動運動する斜板
    及びこれに接するスリッパを介して前記駆動軸の回転動
    力を往復運動に変換して燃料圧縮室のプランジャに伝達
    する燃料ポンプであって、前記駆動軸と斜板軸とが別体
    成形され、これらの軸同士が駆動軸一端面に駆動軸中心
    線に対し偏心させて設けた球面状凹部の位置でボール継
    手を介して連結され、前記斜板軸の軸線が前記駆動軸中
    心線と交わるよう傾斜して前記斜板が揺動可能に球面軸
    受を介して支持されている燃料ポンプにおいて、 前記斜板の回転運動を拘束して揺動運動のみ可能にする
    機構を設け、少なくとも前記斜板軸の摺動部に導かれた
    燃料を前記斜板を通して前記燃料圧縮室に導くために前
    記斜板に孔を設けると共にこの斜板の孔と相対する位置
    に前記スリッパに設けた孔が位置合わせされていること
    を特徴とする燃料ポンプ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6543424B1 (en) * 1999-08-12 2003-04-08 Hitachi, Ltd. Fuel pump, in-cylinder direct injection type internal combustion engine using the same and surface treatment method
JP2010014012A (ja) * 2008-07-03 2010-01-21 Mitsubishi Electric Corp 燃料圧力調整装置及びそれを備える燃料供給装置
JP2010223177A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Denso Corp 燃料噴射ポンプ

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