JPH0852747A - ポリウレタンフォーム一体成形品及びその製造方法並びに表皮材の孔開け方法及びそれに用いる抜き型 - Google Patents

ポリウレタンフォーム一体成形品及びその製造方法並びに表皮材の孔開け方法及びそれに用いる抜き型

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JPH0852747A
JPH0852747A JP7087398A JP8739895A JPH0852747A JP H0852747 A JPH0852747 A JP H0852747A JP 7087398 A JP7087398 A JP 7087398A JP 8739895 A JP8739895 A JP 8739895A JP H0852747 A JPH0852747 A JP H0852747A
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表皮材とポリウレタンフォーム原料とを一体
に成形して得られ、表面層が柔軟であってソフトな感触
のヘッドレスト等の成形品を得る。また、より優れた性
能の製品を得るための、該成形品を構成する部材の加工
方法及びそれに用いられる抜き型を提供する。 【構成】 アクリル酸ポリエステルが裏打ちしてあるモ
ケット、ウレタンスラブフォーム及びポリウレタンフィ
ルムからなる表皮材の所要箇所に、特定の構成の抜き型
によって、上記モケットの側から直径0.1mmの貫通
孔を1cm2 当たり5個開け、この表皮材を乗用車のヘ
ッドレストの形状に縫製し、得られた表皮カバーを発泡
型中に収容し、表皮カバー中にフォーム原料を注入して
発泡硬化させた。発泡圧は1.5kg/cm2 であっ
た。発泡硬化後脱型して表層がモケット、内部がポリウ
レタンフォームからなるヘッドレストを得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表皮材とポリウレタン
フォーム原料(以下、フォーム原料という。)とを一体
に成形して得られるポリウレタンフォーム一体成形品
(以下、ウレタン一体成形品という。)及びその製造方
法に関する。また、本発明は、上記表皮材に貫通孔を開
ける方法、そのために使用する抜き型に関する。本発明
のウレタン一体成形品は、自動車のヘッドレスト、アー
ムレスト及びセンターアームレスト、その他のクッショ
ン材などとして利用される。
【0002】
【従来の技術】自動車のヘッドレストなどは、布等から
なる表皮材とフォーム原料とを一体に成形することによ
り製造されている。しかし、従来、特に含浸性の高い布
等を使用した表皮材では、バッキング材により裏打ちさ
れた布等に、実質的に通気性を有さない合成樹脂フィル
ム(以下、フィルムということもある。)が接合された
2層品、或いはバッキング材とフィルムとの間に更にポ
リウレタンスラブフォーム層等が設けられた3層品が使
用されており、そのため以下の各問題を生じている。
【0003】上記フィルムとしてはポリウレタンフィ
ルム、ポリ塩化ビニルフィルム等が多用されるが、それ
らフィルムの表面は滑り難く、縫製時ミシンの滑りが悪
く縫い難い。また、縫い易くするため通常フィルム表面
にシリコーンオイル等が塗布されるが、シリコーンオイ
ルは離型性が高いため表皮材とポリウレタンフォーム
(以下、フォームということもある。)とが剥離し易
い。 フォーム原料の発泡硬化過程でガスが発生した場合、
ガスの逃げ場がなく、そのままフィルムとフォームとの
間に気泡として残る。
【0004】フィルムに通気性がないため、フォーム
原料の発泡圧は表皮カバーの縫い目に集中し、フォーム
原料が縫い目より漏出する。そのため、脱型後漏出した
フォームを除去する作業を要する。 成形品の表面付近の通気性がなく、使用時「ムレ」等
不快感がある。 フォーム表面に比較的剛性の高いフィルムが接合され
ることになるため、特にポリウレタンスラブフォーム層
がない場合には、成形品表面の柔軟性が損なわれ、リジ
ッドな感触になる。 表皮材と接するフォームの表面近傍の通気性と柔軟性
を高めるため、脱型後ロールクラッシング又は穴開けク
ラッシング等の後処理が必要となり、一工程増えるため
より多くの設備費及び工数を要する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するものであり、フォーム原料の発泡硬化時に発
生するガスが容易に外部へ逸散するため、気泡のない成
形品を得ることができ、またフォーム原料の漏出もな
く、しかも表面部が適度な通気性を有するとともに柔軟
な感触であり、且つ使用時にムレ等のない使用感に優れ
たウレタン一体成形品及びその製造方法を提供すること
を目的とする。また、本発明は、このウレタン一体成形
品の構成部材である表皮材に貫通孔を設けるための特定
の方法、及びそれに用いる特定の抜き型を提供すること
を目的とし、それによってより優れた性能のウレタン一
体成形品を得ることができる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ウレタン
一体成形品に使用される表皮材について鋭意検討した結
果、少なくとも布と合成樹脂フィルムが積層されてお
り、その所要箇所に適宜直径の貫通孔(以下、孔という
こともある。)を適宜個数設けることにより、従来使用
されているフィルムが接合された表皮材の欠点が解消さ
れることを見出した。また、特定の構成を有する抜き型
を、表皮材の布面側から押し当てて、所望形状の表皮材
を打ち抜くとともに孔を開けることにより、フィルムは
内側へ返りを生じ、これによって発泡圧によるフォーム
原料の漏れがより効果的に防止されることも見出し、本
発明を完成するに至った。
【0007】第1発明のウレタン一体成形品は、表皮材
とポリウレタンフォームからなるポリウレタンフォーム
一体成形品であって、上記表皮材は、少なくとも布と合
成樹脂フィルムが積層されたものであり、その所要箇所
に、直径0.01〜0.3mmの貫通孔が1〜100個
/cm2 開けられていることを特徴とし、第2発明は、
上記合成樹脂がポリウレタン又はポリ塩化ビニルであ
り、上記フィルムの厚さが30〜100μmであって、
上記貫通孔の直径が0.05〜0.2mm、その個数が
1〜10個/cm2 であることを特徴とする。
【0008】上記「表皮材」は、少なくとも、バッキン
グ材によって裏打ちされた「布」と、その一面に接合さ
れた「合成樹脂フィルム」からなる。布としては、織
物、ニット、モケット、ダブルラッセル等を使用でき
る。また、バッキング材としては、アクリル酸ポリエス
テルやアクリル酸ポリエステルとブタジエンゴムとの混
合物などが用いられる。合成樹脂フィルムの原料として
は、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。合成樹脂
の種類、フィルムに開けられる貫通孔(この孔は表皮材
の全厚さを通して開けられるものであるが、布等は元々
十分な通気性を有しており、孔の直径、個数等の実質的
な意味はフィルムに開けられた孔にある。)の直径(以
下、孔径という。)及び1cm2 当たりの個数並びにフ
ィルムの厚さなどは互いに相関があり、それらを適宜に
選択して最適な表皮材とすることができる。
【0009】孔径は0.01〜0.3mm、孔の個数は
1〜100個/cm2 の範囲であり、特に第2発明のよ
うに、合成樹脂がポリウレタン又はポリ塩化ビニルであ
り、フィルムの厚さが30〜100μmであって、孔径
が0.05〜0.2mm、孔の個数が1〜10個/cm
2 である場合には、発泡硬化時のガスの抜けがよく、且
つフォーム原料は漏出せず、また、ウレタン一体成形品
の表面の通気性が良好であるとともに、ソフトな感触と
なり使用感に優れたヘッドレスト等が得られる。
【0010】孔がない場合或いはあるとしても孔径が
0.01mm未満の場合は、ガス抜けが困難となり、表
皮材とフォームとの間に気泡が生じる。また、発泡圧が
表皮カバーの縫い目に集中して、そこからフォーム原料
が漏出することがある。一方、孔径が0.3mm超及び
/又は孔の個数が100個/cm2 超の場合は、ガスは
抜け易くなるものの、表皮材の縫い目ばかりでなく、表
皮層そのものからもフォーム原料が漏出することもあり
得る。
【0011】また、第3発明のウレタン一体成形品の製
造方法は、表面に直径0.1〜1.0mmの針が1〜1
00本/cm2 固定された抜き型によって、少なくとも
布と合成樹脂フィルムが積層されてなる表皮材から所望
形状の表皮材を打ち抜くと同時に、該所望形状の表皮材
の所要箇所に、直径0.01〜0.3mmの貫通孔を1
cm2 当たり1〜100個開け、その後、上記所望形状
の表皮材を所定形状に縫製して、上記布を外面とした表
皮カバーを形成し、次いで、上記表皮カバーを成形型内
に収容し、その後、上記表皮カバー内にフォーム原料を
注入し、発泡硬化後、脱型することを特徴とし、第4発
明は、上記合成樹脂がポリウレタン又はポリ塩化ビニル
であり、上記フィルムの厚さが30〜100μmであっ
て、上記孔径が0.05〜0.2mm、その個数が1〜
10個/cm2 であり、且つ上記フォーム原料の発泡圧
が、0.5〜2.0kg/cm2 であることを特徴とす
る。
【0012】上記「針」の直径は、表皮材、特に合成樹
脂フィルムに開ける貫通孔の所望径と使用する合成樹脂
の種類及びそれからなるフィルムの厚さ等によって適宜
選択する。前記のポリウレタン、ポリ塩化ビニル等の合
成樹脂からなるフィルムはある程度のゴム弾性を有して
おり、開けられる孔径は針の直径に対して特定の割合で
小さい値となる。例えば、厚さ30μmのポリウレタン
フィルムの場合、針径が0.1mmでは孔径は略0.0
1mm、0.8mmでは略0.1mm、1.0mmでは
略0.3mm等である。
【0013】また、上記のウレタン一体成形品の製造方
法において、表皮材の打ち抜き及び貫通孔の形成は、表
皮材の布面、合成樹脂フィルム面どちらに抜き型を当て
て実施してもよいが、第5発明のように、抜き型を布面
側から押し当てる方法であれば、図1に示すように貫通
孔13の周囲の合成樹脂フィルム12の返り121がフ
ィルム側に形成され、また、布11を構成する繊維11
1の一部もフィルムの返りの方向に押し出されることに
なる。そのため、この表皮材1を使用して所望形状の表
皮カバーを縫製した場合に、上記返りは表皮カバーの内
側に向かって開くことになり、硬化過程における発泡圧
によって上記返りが孔を塞ぐ働きをするとともに、上記
繊維も漏れに対する抵抗となり、フォーム原料の漏出を
より効果的に防止できる。
【0014】更に、第7発明の抜き型2は、例えばヘッ
ドレスト等製品に応じた形状に表皮材を打ち抜くため、
図2(a)に示すように、基部21の一面に、通常この
基部の周縁近傍に沿って打ち抜き刃22が立設されてい
るが、その刃が設けられているのと同じ面に、例えば第
10発明に特定されたような直径及び本数の針23が立
設、固定されている。また、この抜き型には、上記針に
差し込まれた状態で弾性パッド24が装着されている。
【0015】上記弾性パッドの材質は特に限定はされ
ず、打ち抜き、孔開けの際には、図2(b)に示すよう
に、押圧によって十分に薄く変形して、表皮材を確実に
打ち抜くことができ、且つ完全な貫通孔が形成され、表
皮材から抜き型を取り去った際には、速やかに元の厚さ
に復して、図2(a)の状態に戻ることができる程度の
柔軟性及び弾力性を併せ有するものであればよい。その
ようなパッドは各種樹脂の発泡体によって形成し得る
が、第8発明のように、適度な圧縮率及び弾性並びに繰
り返し荷重による変形が小さい等の優れた特性を有す
る、硬さが10〜20kgfのポリウレタンフォームの
使用が好ましい。この硬さが10kgf未満では、変形
は容易であるが、抜き型を取り去る際に、速やかに原形
に復して表皮材を貫入している針から押し出すことがで
きず、20kgfを越える場合は、圧縮変形し難くなっ
て、抜き型を表皮材に十分押圧することができず、確実
な打ち抜き及び孔開けが難しくなることがある。
【0016】また、このパッドの厚さは針の長さとほぼ
同程度、言い換えれば、針の先端がほぼ弾性パッドの表
面に達する程度であることが好ましく、更に、第9発明
のように、打ち抜き刃もパッド表面に達する程度の寸法
である抜き型とすれば、表皮材を打ち抜いた後、抜き型
を取り去る際に、原形に復するパッドの押圧力によっ
て、表皮材が針から速やかに且つ確実に押し出され、針
のみが表皮材に刺さったままの状態となって、孔径が大
きくなったり、孔の形状が不揃いになるといった問題を
生ずることがない。
【0017】上記「フォーム原料」としては、ポリウレ
タン軟質モールドフォームの製造に通常使用されるもの
を特に限定することなく使用できる。ポリオール成分と
しては、1級水酸基を含む分子量4000〜6000程
度のポリエーテル、ポリマーポリオールブレンド品を使
用でき、これにアミン系と錫系の混合触媒、低活性シリ
コーン系整泡剤及び水等を添加したものなどを用いるこ
とができ、イソシアネート成分としては、TDI、TD
I/MDI、MDI等各種のものを使用できる。
【0018】フォーム原料の「発泡圧」は特に限定はさ
れないが、上記特定の構成の表皮材を使用した一体成形
の場合、特に第4発明のように「0.5〜2.0kg/
cm2 」の範囲のフォーム原料を使用することが好まし
い。発泡圧が上記範囲内のものであれば、合成樹脂フィ
ルムの孔径及び孔の個数が下限に近い値であっても、ガ
スの抜けがよく、気泡や欠肉等を生じることがない。ま
た、上記孔径及び個数が上限に近い値であっても、表皮
材の縫い目等からガスとともにフォーム原料が漏出する
ようなこともない。更に、第5発明のように、表皮材の
布面側から貫通孔を設けた場合は、上記発泡圧が上記上
限値をある程度上回っても、フォーム原料の漏出はより
確実に防止される。
【0019】
【作用】自動車のヘッドレスト、アームレスト等は、従
来より表皮材からなるカバー中にフォーム原料を注入し
て一体に成形する方法で製造されており、表皮材とし
て、特に含浸性の高い布を使用する場合は、これに更に
必須の部材として合成樹脂フィルムを積層したものが使
用されている。それらフィルムは通常殆ど通気性を有さ
ないため、フォーム原料から発生するガスは表皮材を透
過することができず、発泡圧は表皮カバーの縫い目に集
中することになる。しかし、本発明に使用される表皮材
では、必須の部材として使用されているフィルムも含
め、適宜の直径の貫通孔が適宜の個数開けられており、
表皮材全体が適当な通気性を有するため、特定箇所への
圧力の集中は生じない。そのため、ガス抜けが良好、気
泡を生じない等の効果が奏されるものである。
【0020】また、本発明のようなウレタン一体成形品
に使用されるポリウレタン軟質モールドフォームは通常
独立気泡の割合が高く、その表面近傍に適度の通気性を
持たせ、且つ柔軟にするためには、脱型後ロールクラッ
シング等によって破泡させ連通気泡とする処理が必要で
ある。しかし、本発明では、合成樹脂フィルムに適宜な
貫通孔が設けられているため、上記のような後処理をし
なくても、成形品の表面近傍は通気性を有するととも
に、柔軟な感触となる。このような特定の表皮材を使用
することにより、本発明では、フォームの発泡硬化工程
等成形操作が容易で、しかも特別な後処理を要すること
もなく、ソフトな感触でムレ等のない所望形状のウレタ
ン一体成形品が得られる。
【0021】更に、本発明では、フィルムに設けられた
貫通孔の返りが、フォーム原料の発泡硬化時、発泡圧に
よって貫通孔を塞ぐ方向に変形し、ガスは何ら影響を受
けずに透過し得るものの、ある程度粘度の高いフォーム
原料の漏出を防ぐ作用をする。また、フィルムの返りと
ともに布を構成する繊維も少なからず孔が開けられる方
向へ入り込み、フォーム原料の漏れを抑える働きをす
る。そのため、発泡圧をそれほど厳密にコントロールす
る必要もなく、圧が高めになったとしても問題となるほ
どの量のフォーム原料の漏出を生ずることはない。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 実施例1 バッキング材としてアクリル酸ポリエステルが裏打ちし
てあるモケット、ウレタンスラブフォーム及び厚さ30
μmのポリウレタンフィルムからなる3層の表皮材を作
製し、その後、プレスの下型に装着されたトムソン型
(表面に直径0.8mmの針が全面にほぼ均等に5本/
cm2 固定されており、この針の長さと同じの厚さのポ
リウレタンフォーム製の弾性パッドが針に差し込まれた
状態で装着されている。)を上記モケットの側に当てて
押圧することにより、所望形状の表皮材を打ち抜くとと
もに、上記フィルムに直径0.1mmの貫通孔を5個/
cm2 開け、次いで、乗用車のヘッドレストの形状に縫
製し、この表皮カバーを発泡型中に収容し、フォーム原
料を注入して、発泡硬化後、成形品を脱型した。発泡圧
は1.5kg/cm2 であった。
【0023】実施例2 ウレタンスラブフォーム層を有さない以外実施例1と同
様の構成の表皮材を使用し、表面に直径0.5mmの針
が全面にほぼ均等に5本/cm2 固定されている他は実
施例1と同様のトムソン型によって、実施例1と同様に
して所望形状の表皮材を打ち抜くとともに、フィルムに
直径0.05mmの貫通孔を5個/cm2 開け、次い
で、発泡圧1.5kg/cm2 のフォーム原料を使用し
て、実施例1と同様にしてヘッドレストを得た。尚、フ
ォーム原料としては、TDI/MDI混合品と、平均分
子量5000、水酸基価30のポリエーテル、ポリマー
ポリオールブレンド品、アミン系/錫系触媒の他、低活
性シリコーン及び水からなるポリオール成分を使用し
た。
【0024】上記実施例1及び2いずれの場合も、発泡
硬化時、フォーム原料から発生するガスは、通気性のあ
る表皮材を透過して順次表皮材の外に抜け、且つ、ある
程度粘度の高いフォーム原料の漏出は全くなかった。ま
た、脱型して得られたヘッドレストには、気泡或いは欠
肉等はなく、ロールクラッシング、孔開けクラッシング
等の後処理をしなくても、その表層部は適度の通気性を
有するとともに柔軟であり、非常に感触のよいものであ
った。
【0025】実施例3 上記実施例1において、トムソン型をポリウレタン
フィルムの側に当てて押圧し、打ち抜き、孔開けを実施
した場合(実験例1)、フォーム原料の組成を変え、
発泡圧が2.5kg/cm2 となるようにし、その他は
実施例1と同様にして打ち抜き、孔開けを実施した場合
(実験例2)、実験例2において、実験例1同様ポリ
ウレタンフィルムの側から打ち抜き、孔開けを実施した
場合(実験例3)及び実験例2において、図2に示すよ
うな、打ち抜き刃の深さ及び針の長さと略同じ厚さを有
するポリウレタンフォーム製の弾性パッドが装着された
トムソン型を用いた以外は同様にして打ち抜き、孔開け
を実施した場合(実験例4)について、発泡硬化過程に
おけるフォーム原料の漏出の状況を検討し、第5発明の
効果を確認した。
【0026】上記の各実験例の結果によれば、実験例1
では、フィルム側から孔開けをしたが、発泡圧が1.5
kg/cm2 と好ましい範囲であるため、布(モケッ
ト)側から孔開けをした実施例1と同様にフォーム原料
の漏出は全くみられず、高品質のヘッドレストが得られ
た。また、実験例2では、孔開けは布側から実施してい
るが、発泡圧が2.5kg/cm2 と高いため、発泡硬
化過程において僅かな原料漏れが発生した。しかし、ヘ
ッドレスト成形後に漏れたフォームの除去を要するほど
ではなく、同様に優れた品質のヘッドレストが得られ
た。更に、実験例3では、フィルム側から孔開けをした
うえに、発泡圧も2.5kg/cm2 と高いため、実験
例2に比べフォーム原料の漏れが増加し、成形後に漏れ
たフォームを除去する必要があった。尚、この場合で
も、性能的には何ら問題のない製品が得られた。
【0027】また、実験例4は、トムソン型に弾性パッ
ドが装着されていること以外は実験例2と同様である
が、実験例2では僅かではあるがフォーム原料の漏れが
あったのに対し、実験例4では原料の漏れはまったくな
く、実施例1と同様の高品質のヘッドレストが得られ
た。この理由は、打ち抜き、孔開け終了後、弾性パッド
の作用により、表皮材が針から速やかに押し出され、貫
通孔の径及び形状が一定であり、且つフィルムの返りの
状態が揃った表皮材が得られたためであると考えられ
る。
【0028】尚、本発明においては、前記具体的実施例
に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範
囲内で種々変更した実施例とすることができる。例え
ば、比較的シンプルな形状の事務用椅子或いはトラクタ
ー、バス用シート等とすることもでき、また、乗用車の
フロント及びリヤシート等の成形品とすることもでき
る。
【0029】
【発明の効果】本第1及び第3発明のウレタン一体成形
品及びその製造方法では、表皮材が通気性に優れるた
め、フォーム原料の発泡硬化時に発生するガスが、表皮
材とフォームとの間に滞留することがなく、従って、成
形品に気泡を生ずることがない。また、表皮材を成形品
形状に縫製する場合、フィルムに開けられた多数の貫通
孔のためミシンの滑りがよく、安定した縫製が可能にな
るとともに縫製のスピードが上げられるため生産性が向
上する。更に、表皮材裏面のバッキング材とフォームと
の接着性も良好であり、従来技術のようにフィルム表面
に塗布されたシリコーンオイルのために、表皮層がフォ
ームから剥離してしまうというようなこともない。
【0030】また、第2発明では、特定の合成樹脂から
なる特定厚さのフィルムに、より好ましい直径及び個数
の貫通孔を設けることにより、第1発明の効果が更に優
れたものとなり、更に、第4発明は第3発明において、
合成樹脂の種類、フィルムの厚さ等を特定し、且つ発泡
圧を好ましい範囲に限定したものであり、より優れた形
状、性能の製品が得られる。更に、本発明のウレタン一
体成形品は、初期硬度が小さく、ソフトな感触で、人が
頭部或いは腕等を接触させた時の肌触りがよい。また、
ロールクラッシング、穴開けクラッシング等の後処理が
不要であり、また、表皮材を所要形状に打ち抜くと同時
にフィルムに貫通孔が設けられるため、工程の面からみ
て経済的にも好ましいものである。
【0031】また、第5発明のように、打ち抜き、孔開
けを布面側から実施することにより、たとえ発泡圧が少
々高くなっても、フォーム原料の漏出をより効果的に防
止することができる。更に、第7発明に特定された抜き
型を使用すれば、打ち抜き、孔開け後、表皮材を針から
速やかに且つ確実に押し出すことができ、孔径及び形状
が揃った貫通孔を設けることができ、特に第8発明のよ
うな特定の硬さを有するポリウレタンフォームからなる
弾性パッドを使用すれば、第7発明の効果がより確実に
奏せられる。尚、この抜き型において、第9発明のよう
に、打ち抜き刃及び針の寸法をパッドの表面と同一面に
達する程度のものとすれば、より使用し易いものとする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第5発明の方法によって表皮材に孔を開けた場
合の、フィルムの返りの様子等を、1箇所の孔を拡大し
て分かり易く示した断面図である。
【図2】(a)は第6発明の抜き型の一部断面図、
(b)はこの抜き型を用いて表皮材を打ち抜くと同時に
孔を開けている様子を模式的に示す一部断面図である。
【符号の説明】
1;表皮材、11;布、111;布を構成する繊維、1
2;合成樹脂フィルム、121;合成樹脂フィルムの返
り、13;貫通孔、2;抜き型、21;基板、22;打
ち抜き刃、23;針、24;弾性パッド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:04 B29L 31:58 (72)発明者 山口 智也 愛知県安城市今池町3丁目1番36号 株式 会社イノアックコーポレーション安城事業 所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表皮材とポリウレタンフォームからなる
    ポリウレタンフォーム一体成形品であって、 上記表皮材は、少なくとも布と合成樹脂フィルムが積層
    されたものであり、その所要箇所に、直径0.01〜
    0.3mmの貫通孔が1〜100個/cm2 開けられて
    いることを特徴とするポリウレタンフォーム一体成形
    品。
  2. 【請求項2】 上記合成樹脂がポリウレタン又はポリ塩
    化ビニルであり、上記フィルムの厚さが30〜100μ
    mであって、上記貫通孔の直径が0.05〜0.2m
    m、その個数が1〜10個/cm2 である請求項1記載
    のポリウレタンフォーム一体成形品。
  3. 【請求項3】 表面に直径0.1〜1.0mmの針が1
    〜100本/cm2固定された抜き型によって、少なく
    とも布と合成樹脂フィルムが積層されてなる表皮材から
    所望形状の表皮材を打ち抜くと同時に、該所望形状の表
    皮材の所要箇所に、直径0.01〜0.3mmの貫通孔
    を1cm2 当たり1〜100個開け、その後、上記所望
    形状の表皮材を所定形状に縫製して、上記布を外面とし
    た表皮カバーを形成し、次いで、上記表皮カバーを成形
    型内に収容し、その後、上記表皮カバー内にポリウレタ
    ンフォーム原料を注入し、発泡硬化後、脱型することを
    特徴とするポリウレタンフォーム一体成形品の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 上記合成樹脂がポリウレタン又はポリ塩
    化ビニルであり、上記フィルムの厚さが30〜100μ
    mであって、上記貫通孔の直径が0.05〜0.2m
    m、その個数が1〜10個/cm2 であり、且つ上記ポ
    リウレタンフォーム原料の発泡圧が、0.5〜2.0k
    g/cm2 である請求項3記載のポリウレタンフォーム
    一体成形品の製造方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも布と合成樹脂フィルムが積層
    されてなる表皮材に貫通孔を設ける方法において、 表面に複数本の針が固定された抜き型を上記布の側から
    押し当て、所望形状の上記表皮材を打ち抜くと同時に、
    上記針を所望形状の上記表皮材に貫通させ、その後、上
    記針を引き抜くことにより、上記所望形状の表皮材に複
    数の貫通孔を設けることを特徴とする表皮材の孔開け方
    法。
  6. 【請求項6】 上記針の直径が0.1〜1.0mm、本
    数が1〜100本/cm2 であり、上記貫通孔の直径が
    0.01〜0.3mm、個数が1〜100個/cm2
    ある請求項5記載の表皮材の孔開け方法。
  7. 【請求項7】 少なくとも布と合成樹脂フィルムが積層
    されてなる表皮材に貫通孔を設けるために使用される抜
    き型であって、 基部、該基部の一面に立設された打ち抜き刃及び複数の
    針、並びに上記複数の針に差し込まれ、且つその一面が
    上記基部の上記一面に接した状態で装着されている弾性
    パッドからなることを特徴とする抜き型。
  8. 【請求項8】 上記弾性パッドは、JIS K 640
    1によって測定した硬さが10〜20kgfのポリウレ
    タンフォームからなるものである請求項7記載の抜き
    型。
  9. 【請求項9】 上記打ち抜き刃の深さ、上記針の長さ及
    び上記弾性パッドの厚さが略同じである請求項7又は8
    記載の抜き型。
  10. 【請求項10】 上記針の直径が0.1〜1.0mm、本
    数が1〜100本/cm2 である請求項7乃至9のいず
    れか1項に記載の抜き型。
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