JPH0852667A - ガラス板を破砕するための非常用ハンマ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用者が、保持装置を備えた非常用ハンマを
意のままに使用することができ、しかも盗難防止手段が
改善されているような非常用ハンマを提供する。 【解決手段】 盗難防止装置として保護ロープ（４）が
設けられており、該保護ロープの一方の端部が非常用ハ
ンマ（３）に固定されかつ他方の端部が保持装置（１）
に固定されており、保護ロープが、保持装置に配置され
た巻取り胴か、又は保持装置に固定され突出した円錐体
によって、巻き取られた状態で収容されていて、かつ、
巻取り胴又は円錐体から引き出された状態で非常用ハン
マを支障なく使用することを可能とするような長さを有
している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、特に車両内でガラ
ス板を破砕するための非常用ハンマであって、柄と、該
柄に配置されたハンマヘッドとから成っていて、かつ保
持装置によって支持されており、該保持装置が接続壁に
固定可能であり、前記保持装置に、非常用ハンマのため
の盗難防止装置が備えられている形式のものに関する。

【０００２】

【従来の技術】非常用ハンマとこの非常用ハンマのため
の保持装置とから成る構成ユニットは、ドイツ連邦共和
国実用新案第１８７８８００号明細書に開示されてい
る。この公知の非常用ハンマは、不正使用、誤使用、及
び盗難を防止するために、封印されたワイヤによって保
護されている。実際に明らかであるように、このような
保護手段は、特にバス又は軌道拘束車両内で手の届き安
い範囲にそれぞれ保持装置によって配置されている非常
用ハンマの場合には、全く不十分である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、使用
者が、保持装置を備えた非常用ハンマを意のままに使用
することができ、しかも盗難防止手段が改善されている
ような非常用ハンマを提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の構成では、盗難防止装置として保護ロープが
設けられており、該保護ロープの一方の端部が非常用ハ
ンマに固定されかつ他方の端部が保持装置に固定されて
おり、前記保護ロープが、前記保持装置に配置された巻
取り胴か、又は前記保持装置に固定され突出した円錐体
によって、巻き取られた状態で収容されていて、かつ、
前記巻取り胴又は前記円錐体から引き出された状態で非
常用ハンマを支障なく使用することを可能とするような
長さを有しているようにした。

【０００５】

【発明の効果】本発明によれば、非常用ハンマと保持装
置とを接続する盗難防止装置が、非常用ハンマの規定通
りの使用を妨害しないロープから成っており、このロー
プが、取外し又は切断できない構造になっている。

【０００６】これにより、汎用の封印（付加的に使用す
ると望ましい）と比べて、非常用ハンマのための著しく
改善された盗難防止装置が得られる。

【０００７】本発明において使用されるロープは、有利
にはプラスチックで被覆されたワイヤ芯を有している。
このようなロープは引き裂くことが不可能であり、又、
特殊な工具を使用しなければ切断することもできない。

【０００８】ロープを収容するためには、保持装置に、
有利にはロープ巻取り胴が備えられている。万一非常用
ハンマを使用する場合にはロープを巻取り胴から引き出
すことができ、使用後には再び巻取り胴に巻き取ること
ができる。

【０００９】本発明の別の構成によれば、ロープの巻取
りは、巻取り胴のためにばね引張り機構を設けることに
より、著しく簡単にすることができる。

【００１０】本発明の特に有利な構成によれば、ばね引
張り機構のための戻り止め機構が設けられている。この
手段により、保護ロープは巻取り胴からの引出し後にば
ねのプレロードを受けないので、非常用ハンマを極めて
スムーズに使用することができる。

【００１１】非常用ハンマの付加的な盗難防止手段は、
巻取り胴と連動する音響信号発生器によって行われる。
このためには、保持装置に配置された警鐘、又は圧電信
号発生器が挙げられる。

【００１２】特に安価に製造される本発明の構成では、
保持装置に、垂直に突出する円錐体が形成されている。
円錐体は、この円錐体に巻付けられて配置されたロープ
を有しており、ケーシング下部は、透明なプラスチック
材料から成るケーシング上部によってカバーされてい
る。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下に、本発明を図面に示した実
施の形態について説明する。

【００１４】図１〜３には保持装置１が図示されてお
り、保持装置１は、接続壁（バスのウインドコラム２）
に、ねじ（図示せず）によって固定されている。保持装
置１は非常用ハンマ３（有利には、欧州特許第０１３４
５５８号明細書に記載のような非常用ハンマ）を支持し
ている。

【００１５】保持装置１には保護ロープ４が備えられて
おり、保護ロープ４の一方の端部は、紛失しないように
そして取り外すことができないように、例えば非常用ハ
ンマ３の製造時に射出成形によって埋め込まれることに
より、非常用ハンマ３に固定されている。

【００１６】保持装置１は２つの部分から成るケーシン
グから形成されており、このケーシングは、接続壁にね
じ固定されるケーシング下部５と、このケーシング下部
５に例えばクリップ結合によって固定されたケーシング
上部６とから形成されている。ケーシング上部６は、非
常用ハンマ３のヘッドと柄の軸方向の部分範囲とを収容
するための空洞７を備えている。接続壁にねじ固定する
ために、ケーシング下部５とケーシング上部６とには、
互いに整合した孔８，９が設けられている。非常用ハン
マ３は、クランプ条片１７を介して保持装置１に保持さ
れる。

【００１７】ケーシング下部５内には、ケーシング底部
に対して直角にケーシング下部５に一体成形された支承
ピン１０に、回転運動可能に支承されたロープ巻取り胴
１１が配置されている。ロープ巻取り胴１１には、ばね
引張り機構（図示せず）と戻り止め機構１２（詳しくは
図示せず）とが備えられている。これらの構成部材は、
巻上げブラインド（ばね式巻上げブラインド）のように
形成することができる。ロープ巻取り胴１１には保護ロ
ープ４の一方の端部が固定されており、このロープ巻取
り胴１１は、引き出された状態で非常用ハンマ３を支障
なく使用するために十分なロープ長さを収容している。
ケーシング上部６に設けられた変向ピン１３とロープ開
口１４とにより、保護ロープ４の引出しをスムーズにす
ることができる。

【００１８】ケーシング下部５と同様に、ケーシング上
部６もパン形に形成されており、これにより得られる中
空室は、この場合警鐘１５として図示された音響信号発
生器を配置するために使用される。ケーシング上部６に
設けられた壁開口１６により、信号音を放出することが
できる。

【００１９】図４〜図６に示した実施例の場合には、保
持装置１は、やはりケーシング下部５と、クリップ部材
１８を介してケーシング下部５に結合されたケーシング
上部６とから成るケーシングから形成されている。この
場合保持装置１は、非常用ハンマ３全体を収容すること
ができる寸法に形成されている。非常用ハンマ３と、保
持装置１に結合された保護ロープ４とを、外側から見る
ことができる。なぜならば、ケーシング上部６は有利に
は透明なプラスチック材料から成っているからである。
図４〜６に示された保持装置にも、ロープ巻取り胴１１
とばね引張り機構と戻り止め機構とが備えられており、
これにより使用者に高い快適性が提供されている。

【００２０】図７及び図８には非常用ハンマ３を備えた
保持装置１が図示されており、この場合保持装置１に
は、同様に保護ロープ４が備えられている。保護ロープ
４の一方の端部は、紛失しないようにそして取り外すこ
とができないように非常用ハンマ３に固定されている。
保持装置１は２つの部分から成るケーシングから形成さ
れており、このケーシングは、ケーシング下部５と、こ
のケーシング下部５に例えばクリップ結合によって固定
された、透明なプラスチック材料から成るケーシング上
部６とから形成されている。ケーシング下部５には、付
設平面から離れる方向で垂直に延びる円錐体１９が形成
されており、この円錐体１９は、自由端部に向けて先細
りになっている。円錐体１９は、この円錐体１９に巻き
付けられて配置された保護ロープ４を有しており、保護
ロープ４は、非常用ハンマ３を使用する場合には円錐体
１９からスムーズに引き出すことができる。この実施例
は特に簡単で、安いコストで実施することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】接続壁に固定された保持装置に支持された非常
用ハンマを示した図である。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線に沿った断面図である。

【図３】保持装置の鉛直方向の断面図と、保持装置から
取り外された非常用ハンマのロープ結合部とを示した図
である。

【図４】非常用ハンマが装着された保持装置の第２実施
例の平面図である。

【図５】図４の側面図である。

【図６】図４及び図５に示した保持装置の第２実施例
を、２つのケーシング部分が互いに離された状態で、部
分的に断面図で示した図である。

【図７】非常用ハンマが装着された保持装置の第３実施
例を示した図である。

【図８】非常用ハンマが装着された保持装置の第３実施
例を示した図である。

【符号の説明】

１ 保持装置、 ２ ウインドコラム、 ３ 非常用ハ
ンマ、 ４ 保護ロープ、 ５ ケーシング上部、 ６
ケーシング下部、 ７ 空洞、 ８，９ 孔、 １０
支承ピン、 １１ ロープ巻取り胴、 １２ 戻り止
め機構、 １３変向ピン、 １４ ロープ開口、 １５
警鐘、 １６ 壁開口、 １７ クランプ条片、 １
８ クリップ部材、 １９ 円錐体

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガラス板を破砕するための非常用ハンマ
   であって、柄と、該柄に配置されたハンマヘッドとから
   成っていて、かつ保持装置によって支持されており、該
   保持装置が接続壁に固定可能であり、前記保持装置に、
   非常用ハンマのための盗難防止装置が備えられている形
   式のものにおいて、盗難防止装置として保護ロープ
   （４）が設けられており、該保護ロープ（４）の一方の
   端部が非常用ハンマ（３）に固定されかつ他方の端部が
   前記保持装置（１）に固定されており、前記保護ロープ
   （４）が、前記保持装置（１）に配置された巻取り胴
   （１１）か、又は前記保持装置（１）に固定され突出し
   た円錐体（１９）によって、巻き取られた状態で収容さ
   れていて、かつ、前記巻取り胴（１１）又は前記円錐体
   （１９）から引き出された状態で非常用ハンマ（３）を
   支障なく使用することを可能とするような長さを有して
   いることを特徴とする、ガラス板を破砕するための非常
   用ハンマ。