JPH0851931A - チョコレート製品の耐熱性改良方法 - Google Patents

チョコレート製品の耐熱性改良方法

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JPH0851931A
JPH0851931A JP7156039A JP15603995A JPH0851931A JP H0851931 A JPH0851931 A JP H0851931A JP 7156039 A JP7156039 A JP 7156039A JP 15603995 A JP15603995 A JP 15603995A JP H0851931 A JPH0851931 A JP H0851931A
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chocolate
polyol
gel
mixture
gelling
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JP7156039A
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Zenon I Mandralis
イオアンニス マンドラリス ゼノン
Don P Weitzenecker
ポール ウェイツェネッカー ドン
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Societe des Produits Nestle SA
Nestle SA
Original Assignee
Societe des Produits Nestle SA
Nestle SA
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 チョコレートおよびチョコレート型製品が高
温で変形しないように耐熱性を改良する。 【構成】 粒形のポリオールゲルまたはポリオール/水
ゲル生成物をチョコレート型成分の流動性混合物と形成
チョコレートの總量基準で0.2〜60重量%のポリオ
ール含量を得る量で混合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はチョコレートまたはチョ
コレート型製品が高温で変形または溶融し、または包装
材料に粘着する傾向を低減するようにその耐熱性の改良
方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】チョ
コレート製品は通例液状ココア、カカオ脂、糖、レシチ
ンおよび恐らくは乳およびフレーバ付与物質の完全な混
合物である。従ってこれらは30〜35℃で軟化および
溶融する脂肪物質を含有する。
【0003】これらの製品の全体または一部から成る物
品は上記脂肪物質の融点以上の温度(すなわち、夏季中
または熱帯諸国で見られる温度)に暴露されると、これ
らはその初めの形状および外観をそう失しがちであり、
軟化し、取り扱いが不快になる。これらを包む場合、物
品の表面は包装紙に粘着し、見苦しい脂肪のしみを生成
する。
【0004】ビスケット、菓子などのような品物を被覆
するためのチョコレート型被覆の場合、これらが高温に
暴露されると物品はすぐにその初めの外観を失い、もは
や消費に適さなくなる。
【0005】この不利を避けるために異る方法が提案さ
れた。しかし高温作用に対する耐性は増加したが、得た
製品は不快な味および通常のコンチングしたチョコレー
トのものより知覚的に粗いテクスチャーを有する。
【0006】EP−B−189469号明細書では、実
質的にカカオ脂の通常の融点より十分に高い温度で非流
動性であるようにカカオ脂を含有するチョコレート組成
物の粘度増加方法を特許請求し、この方法ではグリセリ
ン、ソルビトール、プロピレングリコール、マンニトー
ル、コーンシラップおよび組み合せおよびその溶液から
選択した0.2〜5重量%の液体ポリオールをチョコレ
ート混合物にテンパリング後混合することを特徴とす
る。しかし、この方法の不利はチョコレートが急速に、
例えば40〜60秒で凝固する傾向があり、このためチ
ョコレートのその後の加工、例えば所望形の錠剤に成型
し、または被覆を付着させる時間がほとんどないことで
ある。この方法の不利は特別の付加的装置を、チョコレ
ートのその後の加工前もっとも遅い可能な時間にポリオ
ールを添加し、チョコレートの早期凝固を防止するため
に必要とすることである。
【0007】EP−A−459777号明細書はその脂
肪成分として菓子被覆に添加する構造化脂肪エマルジョ
ンを記載し、特許請求する。その構造化脂肪エマルジョ
ンは、脂肪成分内にポリオール/脂肪型エマルジョンの
總重量基準で約2〜約20重量%のポリオール成分が乳
化されたポリオール成分と脂肪成分との混和物を含み、
そのため構造化脂肪エマルジョンは菓子被覆処方を凝固
條件処理して菓子被覆を形成させる場合、菓子被覆処方
の増強された耐熱性の発現およびブルーム発現の遅延に
時間的遅れに働き、およびそのためこれらの性質は菓子
被覆処方を凝固條件処理するまで、少なくとも凝固條件
処理するまで菓子被覆が流動性である程度に実質的に潜
在性である。本特許ではポリオールは菓子被覆の脂肪成
分と別別に混和してから菓子被覆を凝固條件処理するま
で流動性であるように菓子被覆の残余成分に添加され
る。菓子被覆はチョコレート被覆でよいが、そのためポ
リオールが混和される脂肪成分は例えば、カカオ脂また
は一部水素添加大豆脂肪でよい。しかし、EP−A−4
59777号明細書で特許請求する構造化脂肪エマルジ
ョンを含有する菓子被覆製造方法の不利は、通常のチョ
コレート製造方法に使用できないことである。その理由
はポリオールを残余成分に添加前にチョコレートの脂肪
成分と別別に混和しなければならないからである。
【0008】意外なことにポリオールゲルまたはポリオ
ール/水ゲルを通例のチョコレートまたはチョコレート
被覆に対し通常の脂肪含量を実質的に含有するチョコレ
ート成分の流動性混合物に特別形で添加する場合、形成
チョコレートは熱耐性が改良されるのみでなく、凝固割
合も通常チョコレートと同じであり、すなわちEP−B
−189469号明細書の方法を使用する場合非常に遅
いことが分かった。これはポリオールがゲルから徐徐に
拡散するからである。さらに、この生成物はEP−A−
459777号明細書に記載の構造化脂肪エマルジョン
と異り通常のチョコレート製造方法に使用できる。以下
で、「ポリオールゲル」とはポリオールゲルまたはポリ
オール/水ゲルのいずれかを意味する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は高温で変形する
傾向を低減するようにチョコレートまたはチョコレート
型製品の熱耐性の改良方法を供する。この方法は特別形
のポリオールゲル生成物とチョコレート型成分の流動性
混合物とを、形成チョコレートの總量基準で0.2〜6
0重量%のポリオール含量を得る量で混合することを含
む。
【0010】ポリオールゲルはポリオールまたはポリオ
ール/水混合物をゲル化剤によりゲル化して形成でき
る。適当なゲル化剤の例はゼラチン、アガロース、ペク
チン、キサンタンガム、寒天、カッパ−カラギナン、ア
ルギン酸ナトリウムおよびイオタ−カラギナンである。
ポリサッカライド、例えばグルコマンナンのような他の
適当なゲル化剤は当業者が容易に選択できる。ゲル化剤
は適当な固さのゲルがポリオールにより形成される場合
個個に、または任意の組み合せで使用できる。
【0011】ゲル化に使用されるポリオールは液体であ
ることが好ましく、炭素鎖に少なくとも2個のヒドロキ
シル基を有する化合物をベースとする直鎖または分枝鎖
炭化水素でよい。例えば、ポリオールは2価アルコー
ル、グリセロールのような3価アルコール、マンニトー
ル、ソルビトール、プロピレングリコールまたはコーン
シラップまたはその任意の組み合せでよい。
【0012】ゲル化に使用するポリオールは水を含まな
いか、または実質的に含まない、例えば2%より少ない
水を含有する乾燥ポリオールでよい。ゲル化するポリオ
ール/水混合物は95重量%までの水、例えば5〜85
%、望む場合10〜50重量%の水を含有する混合物で
よい。ポリオールと水の混合物を使用する場合、形成チ
ョコレートはチョコレートの脂肪および糖の実質的部分
が水およびポリオールに置換されているので、価格が安
く、通常のチョコレートよりカロリー含量が低い。水お
よび/またはポリオール可溶性アロマまたはフレーバを
チョコレートに添加することもできる。
【0013】チョコレートの凝固時間または「硬化」時
間は水の使用が少ないと増加することが分かった。以下
で、「ポリオール」とは乾燥ポリオールまたはポリオー
ル/水混合物を意味する。
【0014】ポリオールのゲル化は使用ゲル化剤により
各種ゲル化技術により行なうことができる。例えば、イ
オンゲル化はアルギン酸ナトリウムがゲル化剤である場
合好ましい。熱ゲル化はゲル化剤以外の物質を添加する
必要がないので、ある場合には好ましい。
【0015】熱ゲル化は例えば、ゲル化剤をポリオール
にゲル化温度以下で攪拌しながらゆっくり添加して分散
体を形成し、温度を溶解温度以上、例えば90〜170
℃に攪拌を続けながら上げ、次にゲル化温度以下、例え
ば環境温度に冷却することにより行なう。ゲル化は80
〜50℃で起こる。ゲル形成に使用するゲル化剤量はポ
リオール重量基準で0.5〜15%、好ましくは1〜7
%、特に1.5〜5重量%がよい。
【0016】所望の場合、ロカストビーンガムまたはア
ラビアガムのようなガムはポリオールゲル生成物に添加
でき、これによりシネレシスを減少させ、ゲルの破断強
度およびレジリエンスを増加させる。有利には、ゲル化
前にガムはゲル化剤のポリオール冷溶液に分散できる。
ガム量はポリオール重量基準で10%まで、好ましくは
0.5〜5%、特に1〜3重量%がよい。ガムは有利に
は冷乾燥ポリオールに分散し、温度を例えば100〜1
30℃に上げてガムを溶解し、次いで室温に冷却して戻
すことにより添加でき、その後例えば、上記方法に従っ
てゲル化剤を添加してゲルを形成できる。他の適当なガ
ムは当業者により容易に決定される。
【0017】有利には、ある種の食品級アルカリ金属ま
たはアルカリ土類金属塩、カゼインまたはココア粉末は
ゲル化前にゲル化剤のポリオール溶液に添加して形成ゲ
ルの特徴を変更できる。アルカリ金属またはアルカリ土
類金属塩は例えばナトリウムまたはカルシウム塩でよい
が、カリウム塩、例えばKClが好ましい。アルカリ金
属またはアルカリ土類金属塩の添加量は、実質的に1%
より多い量はゲル化を妨害するので、ポリオール重量基
準で1重量%未満が好ましい。例えば、カリウム塩とし
てカゼインまたはココア粉末量は選択に従ってポリオー
ル重量基準で例えば20%まで、例えば3〜15重量%
に一層広く変化できる。1種以上の上記成分の添加はゲ
ルの全体的強度に寄与でき、これはゲル化剤量が低く、
例えば0.5〜1.5重量%である場合特に有利であ
る。低量のゲル化剤は短時間の「硬化」または「凝固」
時間がチョコレートに対し必要である場合使用できる。
【0018】ポリオールゲルはチョコレートマス中に均
一に分散するのが好ましい。これはゲルを粒子、特にビ
ーズに形成することにより達成される。
【0019】顆粒化ポリオールゲルを形成する1方法
は、調製したポリオールゲルを例えば、約−170〜−
200℃の温度に凍結し、次いで冷グラインダーで磨砕
することを含む。粒子またはビーズの平均直径は1〜1
000μ、好ましくは5〜400μ、特に10〜100
μである。有利には、ココア粉末のような凝結防止剤を
冷ポリオールゲル粒子に添加でき、室温に加熱した混合
物はそこでココア粒子がゲルビーズの凝集を防止するの
で自由流動性粉末に転換する。ポリオールゲルにココア
粉末の添加中、環境から混合物中に吸収される水分を防
止するために注意を払うべきである。混合物のポリオー
ルゲル量は好ましくは10〜80重量%、特に40〜7
0重量%である。
【0020】顆粒化ポリオールゲルの第2形成方法は分
散ゲル化剤を含有する冷ポリオール溶液を融点以上のカ
カオ脂に添加し、例えば90〜170℃の温度に加熱し
て攪拌しながらゲル化剤を溶解し、ポリオール小滴(ゲ
ル化剤含有)をカカオ脂相中に分散してエマルジョンを
形成することを含む。小滴の大きさは攪拌を強めて減縮
でき、約100μ以下の粒子の大きさに対しホモジナイ
ザーを使用できる。必要の場合、レシチンのような乳化
剤は添加できる。所要の小滴寸法を得た後、混合物は例
えば室温に冷却し、その間攪拌を続けてカカオ脂マトリ
ックスに小滴が均一に分散することを維持するのがよ
い。温度がゲル化点以下に低下すると、小滴はゲルビー
ズに転換する。温度がカカオ脂の融点(30〜38℃)
以下に低下すると、混合物の粘度は増加し、最後に混合
物は固化し、ゲルビーズの融合を防止する。望む場合、
過剰のカカオ脂は混合物が尚液相である間にデカンテー
ション、遠心分離または濾過によりゲルビーズから分離
できる。
【0021】ポリオールゲル生成物は流動性チョコレー
トまたはチョコレート型成分に例えば、チョコレートお
よびある種のチョコレート型製品の場合、任意の段階
で、例えば混合中および次の加工中(加工はテンパリン
グおよびその後所望形の錠剤またはバーに成型、または
被覆の付着を含むことができる)ポリオールゲルが固体
顆粒形である限りテンパリング前、中または後添加でき
る。ポリオールゲルはビーズまたは粉末であることが好
ましい。
【0022】チョコレートまたはチョコレート型成分の
流動性混合物は通例の純粋乳またはホワイトチョコレー
ト、代替またはイミテーションチョコレートまたはチョ
コレートバーまたは被覆に使用する低カロリーチョコレ
ートに対し使用する成分から成る。
【0023】形成チョコレートのポリオール量はチョコ
レート總重量基準で0.5〜10%、好ましくは0.7
5〜5%、もっとも好ましくは1〜2重量%がよい。
【0024】本発明方法は低価格チョコレートまたはチ
ョコレート製品の製造に(何故なら高価格脂肪は水およ
び/またはグリセリンで置換できるから)、低カロリー
チョコレートまたはチョコレート製品に(脂肪を水で置
換するので)、およびチョコレートまたはチョコレート
製品に水またはグリセリン可溶性アロマおよびフレーバ
の添加に使用できる。
【0025】次例は本発明をさらに説明する。部および
%は重量による。 例 1 a) 100部の乾燥グリセリンをマグネチックスター
ラで連続的攪拌し、3部のカッパーカラギナンをゲル化
温度以下の温度で初期ゲル化および塊りの形成を避ける
ためにゆっくり添加した。温度は攪拌を続けながら12
0℃に上げ、その間カラギナンは最初は分散体で、温度
の上昇につれて溶液になった。溶液は次に環境温度に冷
却し、その間ゲル化は80〜50℃で起こった。 b) 次にゲルは液体窒素で−185℃に凍結し、冷グ
ラインダーで乳鉢および乳棒により200μの粒度に粉
砕した。100部のココア粉末を添加し、温度を室温に
上げ、その間環境からの水分が混合物中に確実に吸収さ
れないようにする。室温で、ココア粒子がゲルビーズの
凝集を防止して混合物を自由流動性粉末に転換した。 c) 上記のように調製したグリセリンゲルは次に次の
方法により耐熱性チョコレートの製造に使用した。10
0部のミルクチョコレートを40℃のオーブンで溶融し
た。上記のように調製した2部のグリセリンゲルは溶融
チョコレート中に混合し、へらを使用して完全に分散し
て1重量%のグリセリンを含有するチョコレートを得
た。チョコレートの凝固前時間を決定するために、次の
試験方法を使用した。商品として入手しうるミルクチョ
コレートを40℃で溶融した。所望量のグリセリンゲル
を溶融チョコレートに添加し、約5分手で連続攪拌し、
その間チョコレートの温度はその融点以上であった。こ
の間粘度のかなりの増加が認められない場合、ゲル構造
にグリセリンの十分な保留があることが推定された。次
に、チョコレートは室温で凝固させ、環境條件で貯蔵し
た。次の数日中、時時チョコレート試料を40℃のオー
ブンに入れた。試料が軟化した場合、オーブンから取り
出し、室温で長期間貯蔵した。他方、試料が軟化しなか
った場合、グリセリンがゲルマトリックスから遊離し、
チョコレートを硬化させたことを示した。これに必要な
時間は「硬化時間」として規定する。この場合、グリセ
リンゲル含有チョコレートは50日後でさえその硬化時
間に達しなかった。
【0026】例2〜5 グリセリンゲル調製に対し例1a)記載と同じ方法に従
ったが、グリセリンの他に3部のカッパ−カラギナン、
3部のロカストビーンガム、1部のカゼインカリウムお
よび0.2部のKClを添加した。ゲルは凍結し、例1
b)におけるように磨砕し、ココア粉末を表1に示す比
で凍結ゲルに添加した。形成グリセリンゲルは表1に示
す量で100部のミルクチョコレートに添加した。チョ
コレートに添加したグリセリンの%量およびチョコレー
トの硬化に要した時間も表1に示す。
【表1】 比較例 2部の遊離グリセリンを40℃で溶融した100部のミ
ルクチョコレートに添加した。ほんの30秒攪拌後、混
合物は非常に硬くなり、それ以上の混合は不可能であっ
た。
【0027】例 6 3部のカッパ−カラギナン、3部のロカストビーンガ
ム、1部のカゼインカリウム、および0.2部のKCl
を100部の乾燥グリセリンに添加し、ゲル化温度以下
の温度で分散させた。40部のグリセリンゲルを100
部の液体マレーシアカカオ脂に添加し、100℃に加熱
した。グリセリン小滴はホモジナイザーによりカカオ脂
相中に分散させ、その後混合物は冷却して200μの平
均直径を有するゲルビーズを含有するカカオ脂相を得
た。上記調製の5部のカカオ脂/グリセリンゲルを40
℃のオーブンで溶融した100部のミルクチョコレート
中に混合し、へらを使用して完全に分散させて2重量%
のグリセリンを含有するチョコレートを得た。例1記載
の試験方法に従ってグリセリンゲル含有チョコレートは
40日後硬化した。カラギナンゲルはチョコレートマス
中にグリセリンの遊離を調整するために使用できること
は上記例に記載の結果から明白である。従って、グリセ
リン含有チョコレートを望ましくない粘度の増加を生ぜ
ずに加工することができる。貯蔵によりグリセリンは徐
徐に遊離し、こうして形成チョコレートに耐熱性を付与
する。
【0028】例7〜16 例6に記載のグリセリンゲル製造法と同じ方法に従った
が、カッパ−カラギナンの代りに商品としてFMCコー
ポレーション、Food Ingredients D
ivision、1735 Market St、Ph
iladephia、PA 19103、USAから入
手しうる次のゲル化剤を使用した。 Gelcarin DG654B(カッパ−カラギナン
およびロカストビーンガムの混合物) Gelcarin DG556B(イオタ−カラギナン
およびロカストビーンガムの混合物) Gelcarin GP359(カッパ−カラギナン) Gelcarin GP812(カリウムおよびナトリ
ウムイオンを有するカッパ−カラギナン) 試験はチョコレート試料の有効な「硬化」時間に関しチ
ョコレートに添加するゲル化剤の型、ゲル化剤の濃度、
ゲルビーズの大きさおよびゲル量の効果を研究するため
に行なった。結果は次表2に示し、表中測定値は単に定
性的なもので、単なる近似値と見做すべきである。硬化
時間も試料を毎日監視しなかったので近似値である。
【表2】
【0029】硬化時間に及ぼすゲル化剤の型の効果 最短硬化時間(8〜12日)はカッパ−カラギナン剤で
あるDG654BおよびEP359により、および小ゲ
ルビーズにより達成されることが分かる。中間硬化時間
(13日)はイオタ−カラギナン剤であるDG556B
により達成される。最長硬化時間(16〜19日)はカ
リウムおよびナトリウム塩と組み合せたカッパーカラギ
ナンであるGP812の場合必要である。
【0030】チョコレートに添加した硬化時間に及ぼす
ゲル化剤濃度およびゲル量の効果 何かあるとすれば、例7〜11に示唆されるように硬化
時間はゲル化剤の濃度の増加につれて僅かに増加する傾
向がある。チョコレートに対するゲル添加量が硬化時間
に対し有する効果は一層意味深長である。ゲル化剤濃度
が同一(6%)である例14および15を比較すると、
硬化時間はチョコレートに対するグリセリンゲル添加量
が10.4から6.7%に低減する場合16日から29
日に増加した。
【0031】硬化時間に及ぼすゲルビーズの大きさの効
果 使用した各ゲル化剤では、硬化時間はゲルビーズの大き
さが大きい程長いことが明らかである。そのように、D
G654Bでは硬化時間は小ゲルビーズに対し8日およ
び大ゲルビーズでは29日である。DG556Bでは、
硬化時間は小ゲルビーズで13日および大ゲルビーズで
21日である。最後に、GP812では、硬化時間は小
ゲルビーズで16〜19日およびより大きいゲルビーズ
で29日である。
【0032】例17〜23 例6記載のグリセリンゲル製造法と同じ方法に従った
が、カッパ−カラギナンの代りにゲル基準で6%濃度の
Gelcarin DG654B、および乾燥グリセリ
ンの代りに下表3に示すようにグリセリンおよび水の混
合物を使用した。
【表3】 チョコレート試料の有効な「硬化」時間に及ぼすゲルビ
ーズの大きさおよびゲルの水分含量の効果を研究するた
めに試験を行なった。測定値は定性的なものに過ぎず、
単なる近似値と見做すべきである。硬化時間も試料を毎
日監視しなかったので近似値である。表3は水/グリセ
ロールゲルの添加によりチョコレートの硬化時間ははる
かに短縮されることを示す(各種グリセロールゲルに対
し硬化時間を記録する表2と比較)。これは多分ゲル構
造からしみ出ることができる水分子の大きさが小さいた
めであろう。ゲルビーズの大きさが小さい程、硬化時間
は短いことは表2から明らかである。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒形のポリオールゲル生成物とチョコレ
    ートタイプ成分の流動性混合物とを形成チョコレート總
    量基準で0.2〜60重量%のポリオール含量を得る量
    で混合することを特徴とする、高温で変形する傾向を低
    減するようにチョコレートまたはチョコレート型製品の
    耐熱性改良方法。
  2. 【請求項2】 ゲル化は熱ゲル化により行なう、請求項
    1記載の方法。
  3. 【請求項3】 ゲル形成に使用するゲル化剤量はポリオ
    ール重量基準で0.5〜15重量%である、請求項1記
    載の方法。
  4. 【請求項4】 使用ポリオールは乾燥形または実質的に
    乾燥形である、請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 ポリオールは95重量%までの水と混合
    して使用できる、請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 ガム、食品級アルカリ金属またはアルカ
    リ土類金属塩、カゼインまたはココア粉末またはその任
    意の混合物はゲル化前にゲル化剤およびポリオールの冷
    溶液に分散させる、請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 ポリオールゲル生成物の粒子の平均直径
    は1〜1000μである、請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 ポリオールゲルは凍結し、次いで冷グラ
    インダーで磨砕し、ココア粉末を顆粒状冷ポリオールゲ
    ルに添加し、混合物を室温に加熱して自由流動性粉末を
    形成する、請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 ゲル化剤を含有する冷ポリオール分散体
    を溶融カカオ脂に添加し、混合物を攪拌しながら加熱し
    てゲル化剤を溶解し、次いでゲル化温度以下の温度に冷
    却してカカオ脂相に懸濁したゲルビーズを形成し、最後
    に過剰のカカオ脂相からゲルビーズを分離する、請求項
    1記載の方法。
  10. 【請求項10】 ポリオールゲル生成物はチョコレート
    またはチョコレート型成分のテンパリング前、中または
    後にチョコレート型成分の流動性混合物と混合する、請
    求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 請求項1から10のいずれか1項に記
    載の方法により製造したチョコレートまたはチョコレー
    ト型製品。
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