JPH0515321A - アイスシエイク用ゼリーシロツプ - Google Patents

アイスシエイク用ゼリーシロツプ

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JPH0515321A
JPH0515321A JP3198645A JP19864591A JPH0515321A JP H0515321 A JPH0515321 A JP H0515321A JP 3198645 A JP3198645 A JP 3198645A JP 19864591 A JP19864591 A JP 19864591A JP H0515321 A JPH0515321 A JP H0515321A
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jelly
syrup
shake
texture
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JP3198645A
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Inventor
Mamoru Tomita
田 守 冨
Renzo Kumazawa
澤 練 三 熊
Kenji Mizuguchi
口 建 治 水
Hironori Yamamasu
桝 博 徳 山
Toru Nagai
井 徹 永
Masayoshi Taketsuka
塚 真 義 竹
Hiromi Endo
藤 裕 美 遠
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Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 乳を含む液状物に空気を含有させつつフリー
ジングした流動性のある半固体状物(いわゆるアイスシ
ェイク)に添加することにより、自重でアイスシェイク
中を落下しながら徐々に凝固を開始し、ゼリ−化して美
しい模様を描き、飲食時に混合攪拌することにより不定
形のゼリーを形成し、視覚的、味覚的に楽しめるバラエ
ティーに富んだ新規なアイスシェイク用ゼリーシロップ
を提供する。 【構成】 1.5〜6.0%(重量)の割合の低メトキ
シルペクチン及び少なくとも0.01%(重量)の割合
のクエン酸ナトリウム、の少なくとも2成分を含有し、
低温で気泡を含む乳製品に添加されるアイスシェイク用
ゼリーシロップ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乳を含む液状物に空気
を含有させつつフリージングした流動性のある半固体状
物(いわゆるアイスシェイク)に添加することにより、
自重でアイスシェイク中を落下しながら徐々に凝固を開
始し、飲食時に混合攪拌することにより不定形のゼリー
を形成し、視覚的、味覚的に楽しめるバラエティーに富
んだ新規なアイスシェイク用ゼリーシロップ(以下シロ
ップと記載することがある)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、牛乳又は液状の乳製品と混合し、
食品全体を滑らかなテクスチャーを有するゼリーを製造
するシロップが開示されている(特公昭57−9778号公
報)。この発明は、アルギン酸及びその塩類、又はペク
チンなどを主体と、必要に応じてメタリン酸ナトリウ
ム、クエン酸ナトリウム又はガム質等とを併用し、食品
全体が均一にゲル化したゲル状食品の製造法に関するも
のであり、メタリン酸ナトリウム又はクエン酸ナトリウ
ムはゲルを安定化する目的で使用されている。また、ミ
ルクシェイクにゼリ−を添加した食品が開示されている
(特開昭62−282558号公報)。この発明は、一度固化ゼ
リ−の破砕物を含むミルクシェイクに関するものであ
る。さらに、カルシウム塩類を含む調味溶液に、カルシ
ウムイオンによりゼリ−化するゲル化剤を含むゼリ−用
溶液を滴下し、そのゼリ−成分を凝固させ凝固模様を形
成させる菓子(飲料)が開示されている(特開昭61−18
7749号公報)。この発明は、明細書の「問題点を解決す
るための手段」及び実施例に記載されているように、喫
飲時にゼリ−成分の溶液を調味飲料成分の溶液内に滴下
してゼリ−成分溶液を瞬時に凝固させ、その液相から固
相への相の瞬時の変化ならびに生成ゼリ−の形状を楽し
むことができ、かつ生成ゼリ−の風味と飲料の風味との
2種類の風味を味わうことができる製品である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術は、ゼリ−
成分の溶液を乳飲料成分の溶液内に滴下してゼリ−成分
溶液を瞬時に凝固させ、生成ゼリ−の形状を楽しむこと
については開示されている。しかしながら、上記最後の
発明に開示されたゼリ−シロップは、ゼリ−成分の溶液
が調味飲料成分の溶液内で瞬時に凝固することを目的と
しており、これをそのままアイスシェイクのような冷却
した流動性の半固体状飲食物に用いた場合、ゼリ−成分
はアイスシェイクの上層表面で固化してしまい、アイス
シェイク内にゼリ−が自重により落下することはなく、
美しい模様を描くことはない。この問題点を解決するた
めに、従来技術によれば、ゲル化を弱くすること、すな
わちゲル化剤の濃度及びカルシウムイオン濃度を薄くす
ることは容易に想当できるが、この方法によれば、ゼリ
−によりアイスシェイクに美しい模様を描いた後の飲食
時にゼリ−と冷却した半固体状飲食物とを混合攪拌した
時、ゼリーの固化が弱いためにゼリーが溶けてしまうと
いう欠点がある。
【0004】乳を含む液状物に空気を含有させながら冷
却した流動性ある半固体状飲食物(いわゆるアイスシェ
イク)に添加し、自重により落下しながら徐々にゼリー
化し、飲食時に混合攪拌することにより不定形のゼリー
が形成され、視覚的、味覚的に楽しめるバラエティーに
富んだアイスシェイク用ゼリーシロップは従来存在しな
かった。
【0005】本発明の目的は、これら従来技術の問題点
を解決し、乳を含む液状物に空気を含有させながに冷却
した流動性の半固体状飲食物に添加し、自重により落下
しながら徐々にゼリー化し、飲食時に混合攪拌すること
により不定形のゼリーを形成し、視覚的、味覚的に楽し
めるバラエティーに富んだシロップを提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記のア
イスシェイク用ゼリーシロップを提供することを目的と
して、鋭意研究を行った結果、驚くべきことに、ゼリ−
シロップに混合攪拌時にゼリーが溶けないほど十分な量
の低メトキシルペクチンを主体とするゲル化剤が含まれ
ていても、ゼリ−シロップにクエン酸ナトリウムを併せ
て添加すれば、ゼリ−成分はアイスシェイクの上層表面
で固化せず、目的のシロップが得られることを見出だ
し、本発明を完成した。
【0007】上記課題を解決するための本発明は、1.
5〜6.0%(重量%、以下特に断りのない限り同じ)
の割合の低メトキシルペクチン及び少なくとも0.01
%の割合のクエン酸ナトリウム、の少なくとも2成分を
含有し、低温で気泡を含む乳製品に添加されるアイスシ
ェイク用ゼリーシロップ、である。
【0008】以下に本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明のシロップにおいて、ゲル化剤は低
メトキシルペクチンをベースとして、必要に応じてジェ
ランガム、各種ガム質を添加する。低メトキシルペクチ
ンのエステル化度は50%以下であることが望ましい。
低メトキシルペクチンは、乳中のカルシウムイオン、マ
グネシウムイオン等の二価の金属イオンと結合して網状
構造を形成し、ゲル化することは知られている。本発明
において飲食時にゼリ−と冷却した半固体状飲食物とを
混合攪拌した場合、ゼリーの固化が弱いためにゼリーが
溶ける欠点のない低メトキシルペクチンの配合量は、低
メトキシルペクチン単独の場合1.5〜6.0%であ
り、そのテクスチャーから2.0〜3.5%が最も望ま
しく、ジェランガム等と併用する場合はそれより少ない
量でよい。ジェランガムも低メトキシルペクチンと同様
の効果があり、カルシウムイオン等との反応によりゲル
化する。ただし、ジェランガムは低メトキシルペクチン
に比べ、より即効性であり、より硬いゲルを形成する。
そのため本発明における配合量は0.03〜0.5%と
少なくてよく、そのテクスチャーから特に0.05〜
0.1%が望ましい。
【0010】本発明に使用できるガム質としては、キサ
ンタンガム、グアーガム、カラギナン、タマリンド種子
多糖類、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビヤ
ガム、タラガム、カルボキシ・メチル・セルロース、ア
ルギン酸及びその塩類、カードラン等の高分子多糖類等
である。ガム質を添加してシロップの粘度を増加させる
ことによりゼリーの離水を減少させ、ゼリーのテクスチ
ャー及び大きさを調整することができる。すなわち、ガ
ム質の使用量を多くして粘度を高くすれば、より弾力性
があって柔かく、大きく、離水の少ないゲルを形成させ
ることが可能であり、その使用量を少なくすれば、脆く
て割れやすく、小さいゼリーを得ることができる。ガム
質の配合量は、種類により変化するが、0.01〜1.
0%が望ましい。
【0011】本発明のシロップには、ゲル化遅延剤とし
て食品添加用のクエン酸ナトリウムが添加されている。
クエン酸ナトリウムは、低メトキシルペクチン単独、又
は低メトキシルペクチンと他のゲル化剤との配合物が、
冷却された飲食物中へ添加された時、瞬時にゲル化する
のを防止する。この組合わせによって、アイスシェイク
のような冷却した流動性の半固体状飲食物に、ゼリ−成
分の溶液を滴下し、ゼリ−成分溶液を半固体状飲食物中
に徐々に自重で落下させながらゼリー化する目的を達成
し得る。クエン酸ナトリウムの配合量は、少なくとも
0.01%であり、そのゼリ−の落下性及びゼリ−によ
りシェイクに描かれる模様の形状の面白さから特に望ま
しい範囲は0.05〜0.10%である。
【0012】本発明のシロップは果汁、茶等の抽出液、
酸味料、糖類、香料、水及び必要に応じてその他の副原
料を配合することができる。果汁及び茶等の抽出液とし
ては果実の搾汁液及び茶等の抽出液のすべてを含み、オ
レンジ、バナナ、ストロベリー、アップル、キウイ、グ
レープその他の果汁、コ−ヒ−、紅茶、抹茶、その他の
茶等の抽出液が使用できる。シロップ全重量における配
合量(以下同じ)は0.5〜50%の割合であり、望ま
しくは5〜10%である。濃縮品を用いるときは原液換
算をして上記の割合で用いる。
【0013】酸味料としてはクエン酸、リンゴ酸、酒石
酸、アスコルビン酸、乳酸等その他の酸味料が使用で
き、配合量は0.05〜1%であり、望ましくは0.1
〜0.3%である。
【0014】糖類としてはショ糖、果糖、ブドウ糖、乳
糖、オリゴ糖、異性化糖、その他の糖類が使用でき、配
合量は10〜60%であり、望ましくは30〜40%で
ある。
【0015】香料、フレ−バ−としてバニラ、チョコレ
−ト、カスタ−ド等を適当量、必要に応じて、着色料、
果肉、果皮が適宜使用できる。
【0016】本発明のシロップは公知の製造法により製
造される。すなわち、一般的に所定量の低メトキシルペ
クチン、ジェランガム、その他のガム質等を砂糖等の粉
体原料と混合し、その混合物を水に分散させ、のち加熱
攪拌して膨潤させ、酸味料、果汁、着色料、着香料、そ
の他の原料を必要に応じて添加して混合し、冷却する。
【0017】本発明のシロップが添加される冷却して空
気を含む半固体状飲食物(乳、乳成分を含む)の一般的
な組成は、砂糖、牛乳、脱脂粉乳、着色料、着香料等で
あり、乳は、牛乳、山羊乳、それらに脱脂粉乳等を添加
したもの、カルシウムイオン等の金属イオンを強化した
もの等が使用できる。
【0018】次に上記本発明のシロップについて、従来
技術とを比較した試験例を示して詳述する。 (試験例1)低メトキシルペクチン単独使用の場合の低
メトキシルペクチンの配合量に関する試験 1)試料の調製 a)シロップの調製 表1の配合に基づき低メトキシルペクチンを0から7%
まで0.5%ずつ増加させ、砂糖と混合倍散し、水にこ
の混合物を加えて分散し、のち果糖ぶどう糖液糖、クエ
ン酸を加え、80℃で15分間加熱攪拌して膨潤させ、
常温に冷却した。
【0019】
【表1】 b)シェイクの調製 表2に示す配合のシェイクを次のようにして調製した。
砂糖、脱脂粉乳、安定剤を混合し、これに牛乳、水の混
液に加え、加熱攪拌溶解し、フレーバーを添加し、全重
量を調整して冷却した。この液をシェイクフリーザーを
用い、冷却しながら空気を含有させ、流動性ある半固体
状態で取り出す(取り出した時の温度は約−3.0℃で
ある)。
【0020】
【表2】 2)試験方法 透明容器に上記b)のシェイク200gを入れ、次いで
上記a)のシロップ60gを添加し、混合攪拌し、試料
とした。該試料のゼリーの強さ及びテクスチャーについ
て、以下の方法で試験した。ゼリーの強さについては、
以下に示す判定基準に基づき、同一配合条件で作成した
試料群(1群各20試料)の混合攪拌後の状態を肉眼観察
により判定することにより試験した。
【0021】ゼリーの強さの判定基準 1…混合攪拌後ゼリ−が溶けてしまって残らない 2…混合攪拌後わずかに弱いゼリーが残る 3…混合攪拌後ゼリーが残る 4…混合攪拌後強いゼリーが残る テクスチャーについては、20名のパネラ−により、以下
に示す評価基準に基づく、評点法により、各配合条件で
作成した試料に対してそれぞれ官能検査を行うことによ
り(1名当りの試料10種類)、パネラ−による絶対的評
価の評点の平均値により評価することにより試験した。
【0022】テクスチャーの評価基準及び評価基準に対
応する評点 ゼリーが弱くテクスチャー残らない 0点 ゼリ−のテクスチャーあるが好ましくない 2点 良好なゼリ−のテクスチャーあり 4点 3)試験結果 この試験の結果は表3に示すとおりであった。尚、表3
には試験結果が変化した部分のみを示した。
【0023】
【表3】 表3の結果に加えてパネラ−の意見をまとめると、次の
とおりであった。低メトキシルペクチンの使用量が1.
5%未満の試料ではゼリーが弱くテクスチャーもよくわ
からなかった。1.5%ではゼリーが残り、歯応えのな
い弱いテクスチャーを有し、2.0%以上では、歯応え
のあるテクスチャーの良好なゼリーであった。4.0%
以上では、歯応えのある強いテクスチャーのゼリーであ
った。7.0%以上では、ゼリーが強すぎて、非常に脆
くて割れやすく、好ましくないテクスチャーであった。
【0024】以上の結果から、低メトキシルペクチン単
独使用の場合の低メトキシルペクチンの配合量は、1.
5〜6.0%であり、そのテクスチャーから2.0〜
3.5%が特に望ましいことが判明した。
【0025】尚、条件を変更して調製した試料について
も、ほぼ上記と同様な結果が得られた。 (試験例2)ジェランガム単独使用の場合のジェランガ
ムの配合量に関する試験 1)試料の調製 a)シロップの調製 表4の配合のシロップの調製方法は、低メトキシルペク
チンをジェランガムに置き換え、ジェランガムを0から
0.6%まで0.01%ずつ増加させた以外は、試験例
1に準じた。
【0026】
【表4】 b)シェイクの調製 試験例1に準じた。 2)試験方法 試験方法は試験例1と同様に行い、混合攪拌した後のゼ
リーの強さとテクスチャーについて試験した。 3)試験結果 この試験の結果は表5に示すとおりであった。尚、表5
には試験結果が変化した部分のみを示した。
【0027】
【表5】 表5の結果に加えてパネラ−の意見をまとめると、次の
とおりであった。ジェランガムの使用量が0.03%未
満の試料ではゼリーが弱くテクスチャーもよくわからな
かった。0.03%ではゼリーが残り、歯応えのない弱
いテクスチャーを有し、0.05%以上では、歯応えの
あるテクスチャーの良好なゼリーであった。0.15%
以上では、歯応えのある強いテクスチャーのゼリーであ
った。0.60%以上では、ゼリーが強すぎて、非常に
脆くて割れやすく、好ましくないテクスチャーであっ
た。
【0028】以上の結果から、ジェランガム単独使用の
場合のジェランガムの配合量は、0.03〜0.50%
であり、そのテクスチャーから0.05〜0.10%が
最も望ましいことが判明した。
【0029】尚、条件を変更して調製した試料について
も、ほぼ上記と同様な結果が得られた。 (試験例3)低メトキシルペクチンとジェランガムの併
用の場合の低メトキシルペクチンの配合量に関する試験 1)試料の調製 a)シロップの調製 表6の配合のシロップとしたこと、ジェランガム0.0
5%に加えたこと、及び低メトキシルペクチンを0から
3.5%まで0.5%ずつ増加させたこと以外は、試験
例1に準じた。
【0030】
【表6】 b)シェイクの調製 試験例1に準じた。 2)試験方法 試験方法は、パネラ−1名当りの試料が7種類となる以
外は、試験例1と同様に行い、混合攪拌した後のゼリー
の強さとテクスチャーについて試験した。 3)試験結果 この試験の結果は表7に示すとおりであった。尚、表7
には試験結果が変化した部分のみを示した。
【0031】
【表7】 表7の結果に加えてパネラ−の意見をまとめると、次の
とおりであった。低メトキシルペクチンとジェランガム
を併用すると、低メトキシルペクチンの使用量が1.0
%未満の試料ではゼリーが弱くテクスチャーもよくわか
らなかった。1.0%ではゼリーが残り、歯応えのない
弱いテクスチャーを有し、1.5%以上では、歯応えの
あるテクスチャーの良好なゼリーであった。3.5%以
上では、歯応えのある強いテクスチャーのゼリーであっ
た。
【0032】以上の結果から、低メトキシルペクチンと
ジェランガムの併用の場合の低メトキシルペクチンの配
合量は、低メトキシルペクチン単独使用の場合に比較し
て、少なくてよいことが判明した。
【0033】尚、条件を変更して調製した試料について
も、ほぼ上記と同様な結果が得られた。 (試験例4)低メトキシルペクチン、ジェランガム及び
その他のガム質との併用使用の場合のその他のガム質の
配合量に関する試験 1)試料の調製 a)シロップの調製 表8の配合のシロップとしたこと、低メトキシルペクチ
ン1.5%及びジェランガム0.1%に加えたこと、及
びその他のガム質を表9に示す各ガム質ごとの配合量
(0、0.1、0.2又は0.3%)を加えたこと以外
は、試験例1に準じた。
【0034】
【表8】 b)シェイクの調製 試験例1に準じた。 2)試験方法 試験方法は、テクスチャーに関する試験以外は、試験例
1と同様に行い、混合攪拌した後のゼリーの強さについ
て試験した。テクスチャーについては、以下の方法で試
験した。
【0035】テクスチャーについては、20名のパネラ−
により、以下に示す評価基準に基づく、比対照採点法に
より、対照試料としてその他のガム質を含まない配合を
用い、これと比較して、その他のガム質を含む各配合条
件で作成した試料に対して、それぞれ粘弾性に関する官
能検査を行うことにより、パネラ−による相対的評価の
評点の平均値により評価することにより試験した。
【0036】テクスチャーの評価基準及び評価基準に対
応する評点 対照試料と比較して粘弾性の悪いテクスチャー 0
点 対照試料と比較して粘弾性の良いテクスチャー 2
点 3)試験結果 この試験の結果は表9に示すとおりであった。
【0037】
【表9】 表9の結果に加えてパネラ−の意見をまとめると、次の
とおりであった。低メトキシルペクチンとジェランガム
のみを使用したものは、脆くて割れやすく、小さい、ゼ
リーであり、その他のガム質を併用したものは、粘弾性
があって柔かい、大きく、離水の少ない混合攪拌しても
溶けないゼリーであった。
【0038】以上の結果から、その他のガム質を併用す
ると、ゼリ−のテクスチャーの粘弾性を改良できること
が判明した。
【0039】尚、条件を変更して調製した試料について
も、ほぼ上記と同様な結果が得られた。 (試験例5)クエン酸ナトリウムの配合量に関する試験 1)試料の調製 a)シロップの調製 表10の配合のシロップとしたこと、クエン酸ナトリウム
を0から0.2%まで0.005%ずつ増加させたこと
以外は、試験例1に準じた。
【0040】
【表10】 b)シェイクの調製 試験例1に準じた。 2)試験方法 試験方法は、パネラ−1名当りの試料が7種類となるこ
と及び、ゼリ−の落下性及びゼリ−によりシェイクに描
かれる模様の形状の面白さに関する試験以外は、試験例
1と同様に行い、混合攪拌した後のゼリーの強さ及びテ
クスチャ−について試験した。ゼリ−の落下性及びゼリ
−によりシェイクに描かれる模様の形状の面白さについ
ては、以下の方法で試験した。ゼリ−の落下性について
は、以下に示す判定基準に基づき、同一配合条件で作成
した試料群(1群各20試料)の、シェイクにシロップを
添加後、混合攪拌前の状態を肉眼観察により判定するこ
とにより試験した。
【0041】ゼリーの落下性の判定基準 イ…落下せず上で固まる。
【0042】ロ…落下するが途中で固まる。
【0043】ハ…容器の底まで落下する。
【0044】形状の面白さについては、20名のパネラ−
により、以下に示す評価基準に基づく、評点法により、
各配合条件で作成した試料の、シェイクにシロップを添
加後、混合攪拌前の状態に対して、それぞれ評価試験を
行うことにより(1名当りの試料7種類)、パネラ−に
よる絶対的評価の評点の平均値により評価することによ
り試験した。
【0045】形状の面白さの評価基準及び評価基準に対
応する評点 面白くない 0点 どちらともいえない 2点 面白い 4点 3)試験結果 この試験の結果は表11に示すとおりであった。尚、表11
には試験結果が変化した部分のみを示した。
【0046】
【表11】 表11の結果に加えてパネラ−の意見をまとめると、次の
とおりであった。クエン酸ナトリウムの使用量が0.0
1%未満の試料ではゼリーが落下せずシェイクの上で固
まり、ゼリ−によりシェイクに描かれる模様の形状も面
白さに欠けた。0.01%ではゼリーは落下するが途中
で固まってしまい、ゼリ−によりシェイクに描かれる模
様の形状も中途半端なものであった。0.05%以上で
は、ゼリーはゆっくり容器の底まで落下し、ゼリ−によ
りシェイクに面白い形状の模様が描かれた。0.15%
では、ゼリーは早く容器の底まで落下し、落下が早いた
めゼリ−によりシェイクに描かれる模様の形状の面白味
も減少し、そのゼリーも歯応えのない弱いテクスチャー
のゼリーであった。0.20%以上では、ゼリーは非常
に早く容器の底まで落下し容器の底に溜まる、落下が早
いためゼリ−によりシェイクに模様を描くことができず
面白さに欠け、そのゼリーもゼリー化が不十分で、ゼリ
ーが弱くテクスチャーもよくわからなかった。
【0047】以上の結果から、クエン酸ナトリウムの配
合量は、少なくとも0.01%であり、そのゼリ−の落
下性及びゼリ−によりシェイクに描かれる模様の形状の
面白さから最も望ましい範囲は0.05〜0.10%で
あることが判明した。この結果は、試料シロップ中のゲ
ル化剤の濃度が、いわゆる、シェイクにシロップを添加
し、混合攪拌後ゼリーが残る濃度範囲にあれば、そのゲ
ル化剤の種類及び濃度にかかわらず、同じ結果であるこ
とを示している。
【0048】尚、条件を変更して調製した試料について
も、ほぼ上記と同様な結果が得られた。
【0049】次に実施例を示して本発明を更に詳述する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0050】
【実施例】
実施例1 表12の配合に基づき砂糖に低メトキシルペクチンを混合
倍散し、のち液糖、水を加え、さらに果汁、クエン酸、
クエン酸ナトリウム、色素、及び香料を加え全量を60
kgに調整し、80℃で15分間加熱保持し、のち60g
ずつホットパックし、25℃に水冷し、シロップ800
個を得た。得られたシロップを応用例1によりシェイク
に使用した結果、シロップは自重により模様を描きなが
ら落下しつつゼリー化し、攪拌により不定形な粘弾性の
あるゼリーが得られた。
【0051】
【表12】 応用例1 表13に示した配合に基づき砂糖、粉飴、脱脂粉乳、乳酸
カルシウム、安定剤を混合し、牛乳と水の混合液に加
え、加熱溶解した。さらに、バターを加えて溶解し、香
料、色素を加え、全量を1000kgに調整し、のち均質
機により均質化し、140℃で5秒間の条件でプレート
殺菌し、20℃に冷却し、900ml容の容器に無菌的に
充填し、シェイク用原料100個を得た。
【0052】このシェイク用原料を、シェイクフリーザ
ーにかけ、オーバーラン40%、約−3.0℃で取出し
た。
【0053】実施例1で得たシロップ60gを上記シェ
イク200gに添加すると、図1のように、シロップは
自重により模様を描きながら落下しつつゼリー化し、緑
色のメロンシェイクの中に紅色のチェリ−ゼリ−により
模様が描け、攪拌により、図2のように、不定形な粘弾
性のあるゼリーが得られ、緑色のメロンシェイクの中に
紅色のチェリ−の固まりが浮遊したような状態を得るこ
とができた。さらに、メロン及びチェリ−の二種類の味
覚を一度に楽しむこともできた。これにより、従来にな
い視覚的、味覚的に楽しめるゼリ−とフリージングし気
泡を含有した乳製品が得られ、視覚的、味覚的な喜びを
得ることができた。
【0054】
【表13】 実施例2 表14の配合に基づき液糖に低メトキシルペクチン、ジェ
ランガム及びキサンタンガムを混合分散し、水を加え、
さらに果汁、クエン酸、クエン酸ナトリウム、色素、及
び香料を加え全量を60kgに調整し、80℃で15分間
加熱保持し、のち60gずつホットパックし、25℃に
水冷し、シロップ800個を得た。得られたシロップを
応用例2によりシェイクに使用した結果、シロップは自
重により模様を描きながら落下しつつゼリー化し、攪拌
により不定形な粘弾性のあるゼリーが得られた。
【0055】
【表14】 応用例2 表15に示した配合に基づき砂糖、粉飴、脱脂粉乳、乳酸
カルシウム、安定剤を混合し、牛乳と水の混合液に加
え、加熱溶解した。さらに、バターを加えて溶解し、香
料を加え、全量を1000kgに調整し、のち均質機によ
り均質化し、140℃で5秒間の条件でプレート殺菌
し、20℃に冷却し、900ml容の容器に無菌的に充填
し、シェイク用原料100個を得た。
【0056】このシェイク用原料を、シェイクフリーザ
ーにかけ、オーバーラン40%、約−3.0℃で取出し
た。
【0057】実施例2で得たシロップ60gを上記シェ
イク200gに添加すると、応用例1と同様に、シロッ
プは自重により模様を描きながら落下しつつゼリー化
し、白色のバニラシェイクの中に桃色のピ−チゼリ−に
より模様が描け、攪拌により、不定形な粘弾性のあるゼ
リーを得られ、白色のバニラシェイクの中に桃色の雲が
浮かんでいるような状態を得ることができた。これによ
り、従来にない視覚的、味覚的に楽しめるゼリ−とフリ
ージングし気泡を含有した乳製品が得られ、視覚的、味
覚的な喜びを得ることができた。
【0058】
【表15】 実施例3 表16の配合に基づき、砂糖に低メトキシルペクチン、ジ
ェランガム及びグア−ガムを混合倍散し、のち液糖、水
飴及び水を加え、さらに紅茶エキス、ビタミンC、クエ
ン酸ナトリウム及び色素を加え全量を60kgに調整し、
80℃で15分間加熱保持し、のち60gずつホットパ
ックし、25℃に水冷し、シロップ800個を得た。得
られたシロップ60gを応用例2のバニラシェイク20
0gに添加すると、応用例1と同様に、シロップは自重
により模様を描きながら落下しつつゼリー化し、攪拌に
より不定形な粘弾性のあるゼリーが得られた。これによ
り、従来にない視覚的、味覚的に楽しめるゼリ−とフリ
ージングし気泡を含有した乳製品が得られ、視覚的、味
覚的な喜びを得ることができた。
【0059】
【表16】
【0060】
【発明の効果】本発明によって奏せられる効果は次のと
おりである。 (1)本発明により、フリージングし気泡を含有した乳
製品に添加する視覚的、味覚的に楽しめるバラエティー
に富んだシロップ及び視覚的、味覚的に楽しめるバラエ
ティーに富んだフリージングし気泡を含有した乳製品を
提供することができる。 (2)本発明によれば、飲食時にシロップをゼリー化し
たゼリ−とフリージングし気泡を含有した半固体状の乳
製品とを混合攪拌した時に、ゼリーが弱いためにゼリー
が溶けてしまうという欠点をなくすことも可能となる。 (3)本発明のシロップにより、フリージングし気泡を
含有した乳製品に、シロップを滴下して、シロップを、
フリージングし気泡を含有した半固体状の乳製品中にゆ
っくりと自重により落下させつつゼリー化し、該ゼリ−
によりフリージングし気泡を含有した乳製品に従来にな
い美しい模様を描くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様である実施例におけるアイ
スシェイク用ゼリ−シロップをアイスシェイクに添加
し、混合攪拌前のゼリ−の状態を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施態様である実施例におけるアイ
スシェイク用ゼリ−シロップをアイスシェイクに添加
し、混合攪拌後のゼリ−の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 アイスシェイク用ゼリ−シロップ 2 アイスシェイク 3 ゼリ− 4 透明容器 5 攪拌用ストロ−
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永 井 徹 神奈川県座間市東原5−1−15−302 さ がみ野さくら (72)発明者 竹 塚 真 義 神奈川県横浜市旭区南希望ケ丘118森永希 望ケ丘寮 (72)発明者 遠 藤 裕 美 神奈川県座間市相武台3−3774−7 朝日 マンシヨン相武台202

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 1.5〜6.0%(重量)の割合の低メ
    トキシルペクチン及び少なくとも0.01%(重量)の
    割合のクエン酸ナトリウム、の少なくとも2成分を含有
    し、低温で気泡を含む乳製品に添加されるアイスシェイ
    ク用ゼリーシロップ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006296384A (ja) * 2005-04-25 2006-11-02 Ina Food Ind Co Ltd 液体食品用分散安定剤及びそれが含まれた食品

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006296384A (ja) * 2005-04-25 2006-11-02 Ina Food Ind Co Ltd 液体食品用分散安定剤及びそれが含まれた食品

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