JPH0851888A - 活魚輸送及び保管用容器 - Google Patents

活魚輸送及び保管用容器

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JPH0851888A
JPH0851888A JP21043294A JP21043294A JPH0851888A JP H0851888 A JPH0851888 A JP H0851888A JP 21043294 A JP21043294 A JP 21043294A JP 21043294 A JP21043294 A JP 21043294A JP H0851888 A JPH0851888 A JP H0851888A
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康昭 加納
Koei Uchida
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 魚に氷焼け、酸素焼け、脳障害等の障害を与
えることなく、魚を生きたまま良好な状態で輸送、或い
は保管することが可能な容器を提供すること。 【構成】 活魚Fを入れる容器本体10と、該容器本体
10の開口11を塞ぐ状態でその上方に重ねられる氷、
或いは蓄冷物Iを収納する容器形状の内蓋20と、該容
器形状の内蓋20の開口21を塞ぐ平板形状の外蓋30
とから構成され、上記容器形状の内蓋20の底面、及び
平板形状の外蓋30の板面に各々穿孔24,31を形成
した活魚輸送及び保管用容器とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、魚を生きたまま輸送、
或いは保管するための活魚輸送及び保管用容器に関し、
特に夏場等の暑い日においても、魚の品質を落とすこと
なく、しかも魚を弱らせたり、或いは死なせたりせずに
その輸送、及び保管が可能な容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】近年のグルメ思考により、
出来るだけ新鮮な魚を食したいという要求が高まり、そ
の要求に応えるために魚を生きたまま料亭、或いは寿司
屋等に輸送することが頻繁に行なわれるように成ってき
た。
【0003】魚を生きたまま輸送する大掛かりな手段と
しては、荷台に大きな水槽を設置した活魚車を使用する
方法があるが、かかる方法は、個人的に魚を卸売市場か
ら自己の料亭、或いは寿司屋等に輸送したい場合、或い
は漁港、養殖場等から魚をその種類別、或いはランク別
に細かく分けて市場に出荷したい場合等においては、不
向きな輸送方法であった。
【0004】そこで、このような場合には魚を比較的小
さな容器に分けて入れ、一般車輛により輸送することが
成されているが、この際使用する容器としては、例えば
蓋に空気孔が穿設された一灯缶の如き金属製容器を使用
し、該容器に水、或いは海水を張った状態で魚を輸送す
ることが一般的に成されている。
【0005】しかしながら、このような状態で魚を輸送
すると、夏場等の暑い日においては容器内の水温が上昇
し、酸欠により魚が弱ってしまったり、或いは死んでし
まったりすることが発生する。そこで、夏場の輸送にお
いては容器内に水、或いは海水と共に氷を入れ、かつ強
制的な酸素供給を行いながら魚を輸送することが成され
ているが、魚の中には氷との接触によって皮膚の色が変
色する、所謂氷焼けを起こす魚も多くあり、また強制的
な酸素供給によって酸素焼け、或いは稚魚においては脳
障害の引き起こす場合もあり、このような魚に対しては
その品質を低下させることから、容器内に氷を直接入
れ、かつ強制的な酸素供給を行いながら魚を輸送する方
法は、採用し難いものであった。また、保冷車を使用し
て魚を入れた容器を輸送することも成されているが、こ
の場合には輸送途中においては水温の上昇が抑えられ、
魚を良好な状態で輸送することが可能となるが、市場等
に到着して該保冷車より容器を外に出し、そのままの状
態で放置しておくと、やはり容器内の水温は上昇してし
まい、酸欠により魚が弱ってしまったり、或いは死んで
しまったりすることが発生する。
【0006】本発明は、上述した従来の活魚を輸送する
場合に生じる課題に鑑み成されたものであって、その目
的は、魚に氷焼け、酸素焼け、或いは脳障害等の障害を
与えることなく、しかも酸素供給設備なしに魚を生きた
まま良好な状態で輸送、或いは保管することが可能な容
器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した目的
を達成するために、活魚を入れる容器本体と、該容器本
体の開口を塞ぐ状態でその上方に重ねられる氷、或いは
蓄冷物を収納する容器形状の内蓋と、該容器形状の内蓋
の開口を塞ぐ平板形状の外蓋とから構成され、上記容器
形状の内蓋の底面、及び平板形状の外蓋の板面に各々穿
孔を形成した活魚輸送及び保管用容器とした。
【0008】また、本発明は、上記容器形状の内蓋に中
仕切り部を形成し、該中仕切り部にもその底面にまで貫
通する穿孔を形成し、該中仕切り部の穿孔に連通する状
態でのみ、上記平板形状の外蓋の穿孔を形成した活魚輸
送及び保管用容器とした。
【0009】さらに、本発明は、上記容器本体、内蓋及
び外蓋を、各々発泡合成樹脂により成形、或いは発泡合
成樹脂と、少なくともその外表面を覆う被覆材とによっ
て多層に成形した活魚輸送及び保管用容器とした。
【0010】
【作用】上記した本発明にかかる活魚輸送及び保管用容
器によれば、容器本体に活魚及び水、或いは海水を入
れ、その開口を塞ぐ状態で上方に重ねられる容器形状の
内蓋に砕いた氷、或いは蓄冷物を入れてその開口を外蓋
により塞いだ状態で活魚を輸送、或いは保管すれば、外
蓋の板面に形成された穿孔より新鮮な空気が内蓋に形成
された穿孔を介して容器本体内に入ると共に、内蓋の底
面に形成された穿孔より溶けた氷の冷水、或いは蓄冷物
により冷やされた冷気が下方の容器本体内に流入し、容
器本体内の水温の上昇を抑えることができるため、輸
送、或いは保管途中における魚の酸素消費量を極力抑え
ることが可能となり、強制的な酸素供給設備を使用する
ことなく上記外蓋の板面に形成された穿孔より容器本体
内に自然流入する空気によって充分にその生存が可能な
容器となると共に、上記容器本体内の水温の上昇は、直
接容器本体内に氷を入れて抑えているものではないた
め、魚に不向きな極端な低温状態が生じることはなく、
魚に氷焼け等の障害を与えることなく、魚を生きたまま
良好な状態で輸送、及び保管することが可能な容器とな
る作用が生じる。
【0011】また、氷、或いは蓄冷物を収納する上記容
器形状の内蓋に中仕切り部を形成し、該中仕切り部にも
その底面にまで貫通する穿孔を形成し、該中仕切り部の
穿孔に連通する状態でのみ、上記平板形状の外蓋の穿孔
を形成した容器とすれば、内蓋に入れた氷、或いは蓄冷
物は中仕切り部によってその片寄りが防止できると共
に、活魚の生存に必要な新鮮な空気(外気)を取り入れ
るために形成された外蓋の穿孔は、該中仕切り部に形成
された穿孔を介してのみ容器本体と連通することとな
り、内蓋内に直接外蓋の穿孔から温かい外気が侵入、或
いは逆に内蓋内の冷気が直接外蓋の穿孔から流出するこ
とはなくなるため、該内蓋内に入れた氷、或いは蓄冷物
を効率良く使用できる容器となる作用が生じる。
【0012】さらに、上記容器本体、内蓋及び外蓋を、
各々発泡合成樹脂により成形、或いは発泡合成樹脂と、
少なくともその外表面を覆う被覆材とによって多層に成
形した容器とすれば、発泡合成樹脂の断熱性により外気
温に左右されにくい容器となり、内蓋に入れた氷、或い
は蓄冷物が長持ちし、長時間に渡って魚を生きたまま良
好な状態で輸送、及び保管することが可能な容器となる
と共に、該発泡合成樹脂を被覆材でその外表面を覆った
多層の容器とすれば、発泡合成樹脂層の傷みを被覆材層
が防止することができ、何回も繰り返し使用することの
できる、所謂通箱となる作用が生じる。
【0013】
【実施例】以下、上記した本発明にかかる活魚輸送及び
保管用容器を、実施例に基づき詳細に説明する。
【0014】ここで、先ず図1は本発明にかかる活魚輸
送及び保管用容器の全体を示した斜視図であって、該容
器1は、下方より容器本体10、内蓋20、及び外蓋3
0により構成され、これらの各構成部材10,20及び
30は、各々発泡スチロール樹脂を材料として成形され
ている。
【0015】上記容器本体10は、図示したように上部
に開口11を有する長さ500mm、幅300mm、深さ1
50mm程度の直方体形状の容器であり、該容器本体10
の両側壁10a,10bの外面側には、取っ手を構成す
る凹部12a,12bが各々形成されている。また、容
器本体10の上記開口11の周壁には、後記する内蓋2
0に形成された凹条26に嵌入する凸条13が、その全
周に渡って形成されている。さらに、容器本体10の底
面10cの裏面側には、該容器1を重ね積みした場合に
その移動を阻止する低い段部14が形成されている(図
2及び図3参照)。
【0016】内蓋20は、上記容器本体10と略同一の
長さ、及び幅を有し、その深さが60mm程度の上部に開
口21を有する容器形状の蓋体に形成され、該内蓋20
の長手方向中心付近には、内部を二分割する中仕切り部
22がその全幅に渡って形成されている。また、内蓋2
0の上記中仕切り部22、及び内蓋20の底面20aに
は、各々貫通した状態で複数の穿孔23及び24が形成
されている。さらに、内蓋20の上記開口21の周壁に
は、後記する外蓋30に形成された凹条35に嵌入する
凸条25が、その全周に渡って形成され、内蓋20の底
面20aの裏面側には、上記容器本体10の開口11の
周壁に形成された凸条13が嵌入する凹条26が、その
外周付近の全周に渡って形成されている(図2及び図3
参照)。
【0017】一方、外蓋30は、上記容器本体10及び
内蓋20と略同一の長さ、及び幅を有した平板形状に成
形され、その板面30aには、上記内蓋20の中仕切り
部22に形成された穿孔23にのみ連通する状態で、穿
孔31が形成されている(図2参照)。また、外蓋30
の板面30aの上面側には、上記容器本体10の底面1
0cの裏面側に形成されたは低い段部14が容器1を重
ね積みした場合に係合する凸条32が、外蓋30の補強
を兼ねて形成されている。この凸条32は、容器本体1
0の底面10cの裏面側に形成された上記段部14より
も僅かに高く形成され、且つその一部にバンドを掛ける
切り欠き33、及び容器1を重ね積みした場合に空気を
通過させる切り欠き34が各々形成されている。さら
に、外蓋30の板面30aの裏面側には、上記内蓋20
の開口21の周壁に形成された凸条25が嵌入する凹条
35が、その外周付近の全周に渡って形成されている
(図2参照)。
【0018】上記のように構成された本発明にかかる容
器1は、図2に示したように容器本体10内に、水Wと
共に例えばフナ、ウナギ、ドジョウ等の魚Fを入れ、該
容器本体10の開口11を塞ぐ状態で、その上方に内蓋
20を重ね、該内蓋20内に砕いた氷Iを入れ、その開
口21を外蓋30により塞ぎ、魚Fを輸送、或いは保管
する。
【0019】この際、本発明にかかる容器1において
は、外蓋30の板面30aに形成された上記穿孔31よ
り、魚Fの生存に必要な新鮮な空気が内蓋20の中仕切
り部22に形成された穿孔23を介して容器本体10内
に入ると共に、内蓋20の底面20aに形成された上記
穿孔24より、溶けた氷の冷水が下方の容器本体10内
に流入するため、容器本体10内の酸欠及び水温の上昇
を抑えることができ、強制的な酸素供給手段を用いるこ
となく魚Fを生きたまま良好な状態で輸送、及び保管す
ることが可能となる。
【0020】また、砕いた氷Iを収納する上記内蓋20
には、その内部を二分割する中仕切り部22が形成さ
れ、該中仕切り部22に形成された穿孔23を介して容
器本体10内に外気が流入するように構成されているた
め、内蓋20内に入れた氷Iは中仕切り部22によって
その片寄りが防止できると共に、万一、内蓋20の底面
20aに形成された冷水を落下させるための穿孔24の
全てが氷Iによって塞がれることがあったとしても、魚
Fの生存に必要な新鮮な空気は中仕切り部22に形成さ
れた上記穿孔23を介して確実に容器本体10内に入る
容器となる。
【0021】さらに、外気を容器本体10内に供給する
外蓋30の板面30aに形成された上記穿孔31は、中
仕切り部22に形成された上記穿孔23にのみ連通する
状態で形成されているため、外蓋30の上記穿孔31
は、内蓋20の内部とは直接的には連通しておらず、内
蓋20内に直接温かい外気が侵入、或いは逆に内蓋20
内の冷気が直接容器外に流出することはなくなり、内蓋
20内に入れた氷Iを効率的に容器本体10内の温度調
節に使用できる容器となる。
【0022】さらに、上記した本発明にかかる容器1に
おいては、容器本体10、内蓋20及び外蓋30を、断
熱性の優れた発泡スチロール樹脂により成形した容器と
したため、該容器1は発泡スチロール樹脂の持つ断熱性
により外気温に左右されにくい容器となり、内蓋20内
に入れた氷Iが長持ちし、長時間に渡って魚を生きたま
ま良好な状態で輸送、及び保管することが可能な容器と
なる。
【0023】また、上記した本発明にかかる容器1を図
3のように重ね積みした場合においても、外蓋30の板
面30aの上面側に形成された上記凸条32は、容器本
体10の底面10cの裏面側に形成された上記段部14
よりも高く形成され、且つその凸条32の一部に空気を
通過させる切り欠き34が形成された容器と成っている
ため、外蓋30の板面30aに形成された外気を容器本
体10内に供給する上記穿孔31は、上方に積まれた容
器本体10の底面10cによって塞がれることはなく、
容器本体10内に入れた魚Fの生存に必要な空気は、凸
条32に形成された上記切り欠き34を介してスムーズ
に容器本体10内にまで供給できる容器となる。
【0024】なお、本発明にかかる容器1によって、魚
Fを長距離輸送する際においては、輸送途中における容
器1の搬送作業、或いは急停車によって内部に入れた水
W、或いは氷I等がこぼれないように、図4に示したよ
うにバンドBによって容器本体10、内蓋20及び外蓋
30を重ねた状態で固定することが好ましい。
【0025】以上、本発明の一実施例に付き説明した
が、本発明は既述の実施例に限定されるものではなく、
本発明の技術的思想に基づいて、各種の変形及び変更が
可能である。
【0026】例えば、上記実施例において示した容器1
の形状、或いは寸法は、一例を示したに過ぎず、例えば
容器1を円筒形状の物としても良い。また、容器本体1
0内に入れる魚Fも、実施例のように淡水魚に限らず、
カレイ、ヒラメ等の海水魚も入れて輸送することが可能
である。この場合、カレイ、ヒラメは、ある程度の湿気
があれば生存可能である為、海水を含ませた吸水シート
と共にこれらの海水魚を容器本体10内に入れ、上方の
内蓋20内に蓄冷物を入れておけば、良好な状態で輸
送、或いは保管が可能となる。
【0027】さらに、上記実施例においては、容器本体
10、内蓋20、及び外蓋30を、各々発泡スチロール
樹脂を材料として成形した物につき説明したが、他の発
泡合成樹脂により成形してもよく、また該発泡合成樹脂
と、少なくともその外表面を覆う被覆材、例えば硬質プ
ラスチックとによって多層に成形した容器としても良
い。この場合、発泡合成樹脂層の傷みを被覆材層が防止
することができ、何回も繰り返し使用することのでき
る、所謂通箱となる効果が新たに生じる。
【0028】
【発明の効果】以上、説明した本発明にかかる活魚輸送
及び保管用容器によれば、夏場等の暑い日においても、
魚に氷焼け、酸素焼け、或いは脳障害等の障害を与える
ことなく、酸素供給設備なしに魚を生きたまま良好な状
態で輸送、或いは保管することが可能な容器となる効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる活魚輸送及び保管用容器の一実
施例を示した斜視図である。
【図2】図1に示した容器の使用状態を示した縦断面図
である。
【図3】図1に示した容器を複数重ね積みした状態を示
した縦断面図である。
【図4】図1に示した容器をバンドによって梱包した状
態を示した斜視図である。
【符号の説明】
1 容器 10 容器本体 11 容器本体の開口 13 容器本体の開口周壁に形成された凸条 14 容器本体の底面裏面側に形成された段部 20 内蓋 21 内蓋の開口 22 内蓋内部を二分割する中仕切り部 23 中仕切り部に形成された穿孔 24 内蓋の底面に形成された穿孔 25 内蓋の開口周壁に形成された凸条 26 内蓋の底面裏面側に形成された凹条 30 外蓋 31 外蓋の板面に形成された穿孔 32 外蓋の板面上面側に形成された凸条 34 凸条の一部に形成された空気を通過させる切り
欠き 35 外蓋の板面裏面側に形成された凹条 F 魚 W 水 I 氷 B バンド

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活魚を入れる容器本体と、該容器本体の
    開口を塞ぐ状態でその上方に重ねられる氷、或いは蓄冷
    物を収納する容器形状の内蓋と、該容器形状の内蓋の開
    口を塞ぐ平板形状の外蓋とから構成され、上記容器形状
    の内蓋の底面、及び平板形状の外蓋の板面に各々穿孔が
    形成されていることを特徴とする、活魚輸送及び保管用
    容器。
  2. 【請求項2】 上記容器形状の内蓋に、中仕切り部が形
    成され、該中仕切り部にもその底面にまで貫通する穿孔
    が形成され、該中仕切り部の穿孔に連通する状態での
    み、上記平板形状の外蓋の穿孔が形成されていることを
    特徴とする、請求項1記載の活魚輸送及び保管用容器。
  3. 【請求項3】 上記容器本体、内蓋及び外蓋が、各々発
    泡合成樹脂により成形、或いは発泡合成樹脂と、少なく
    ともその外表面を覆う被覆材とによって多層に成形され
    ていることを特徴とする、請求項1、又は2記載の活魚
    輸送及び保管用容器。
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