JPH085148B2 - 人工皮革靴の製造方法 - Google Patents

人工皮革靴の製造方法

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JPH085148B2
JPH085148B2 JP61254068A JP25406886A JPH085148B2 JP H085148 B2 JPH085148 B2 JP H085148B2 JP 61254068 A JP61254068 A JP 61254068A JP 25406886 A JP25406886 A JP 25406886A JP H085148 B2 JPH085148 B2 JP H085148B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は人工皮革靴の製造方法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする問題点〕
従来、人工皮革靴は短繊維交絡体の空隙部にポリウレ
タンエラストマーを充填して形成した不織布に漉き加工
を施して片面側を平滑面とした後、この平滑面側にポリ
ウレタンエラストマーからなるミクロポーラス層を形成
して得た人工皮革よりなる胛被の底部に靴底材を射出成
型して一体化された靴底を形成することにより製造され
ている。
しかしながら不織布の漉き加工面は、漉き加工によっ
て切断された繊維が表面側に立ち上った状態となってい
るため、ミクロポーラス層が薄いとミクロポーラス層表
面の充分な平滑性が得られず、このため通常200〜300μ
の厚さにミクロポーラス層を形成しているが、このよう
な厚さのミクロポーラス層を形成すると表面にクッショ
ン性が付与されて天然皮革様の風合に乏しくなるととも
に、表面の圧縮弾性変位が大きくなり、この結果、射出
成型を行なう際にサイドモールドと胛被の当接部におい
て胛被にへこみを生じ、このへこみ部分付近には射出さ
れた靴底材が行きわたりにくいために当該部分で胛被と
靴底との接合不良を生じ、外観不良となるとともに、靴
底が剥離しやすくなるという欠点があった。
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、胛被底部の
被接合部に射出された靴底材が完全に行きわたり、靴底
と胛被とが確実に接合した人工皮革靴を製造することの
できる人工皮革靴の製造方法を提供することを目的とす
るものである。
即ち本発明は短繊維交絡体の空隙部にポリウレタンエ
ラストマーの水混和性有機溶媒溶液を含浸せしめた後、
水性非溶媒中に浸漬してポリウレタンエラストマーを凝
固せしめて不織布を得、次いで該不織布中に前記非溶媒
が残存する状態で不織布の片面を加熱体表面に接触さ
せ、かつ他面を冷却体表面に接触させるとともに、加熱
体と冷却体とによって狭圧し、加熱体と接触させた側に
緻密で平滑な表面を形成した後、該平滑表面側にポリウ
レタンエラストマーよりなる表皮層を形成して得られる
人工皮革より胛被を形成し、次いで該胛被の底部に靴底
材を射出成型して一体化された靴底を形成することを特
徴とする人工皮革靴の製造方法を要旨とするものであ
る。
本発明において短繊維交絡体としては、ポリエステル
短繊維、ポリアミド短繊維よりなるものが好ましく、ポ
リエステル短繊維は熱収縮性を有するものが、表面平滑
性向上の上で好ましい。またポリアミド短繊維としては
6−ナイロン、66−ナイロン等が用いられるが、柔軟性
の点で6−ナイロンが好ましく、特に短繊維交絡体とし
ては、6−ナイロンを50%以上含有するものが好まし
い。上記短繊維は、紡出の容易さ、単糸強度、交絡強
度、人工皮革としての表面の平滑性、柔軟性、風合等を
総合的に考慮すると、繊度0.5〜2.0デニールのものが好
ましく、皮革を靴胛材として使用する場合には1.0デニ
ール以上のものが好ましい。また短繊維の繊維長が短か
すぎると人工皮革の伸びが少なくなって引裂強度が低下
し、逆に長すぎると表面平滑性低下をきたしやすいた
め、30〜70mmのものが好ましく、特に35〜65mmのものが
好ましい。短繊維は材質、繊度、繊維長の異なるものを
混合して用いることができる。
短繊維交絡体は上記短繊維をニードルパンチングする
ことにより得られるが、繊維配列方向、繊維混合比率、
ニードルパンチングの針密度、繊維密度、繊維の密度勾
配等は使用目的に応じて決定する必要がある。また短繊
維交絡体にポリウレタンエラストマーを含浸、凝固させ
る工程での寸法安定性を保持するために、ポリビニルア
ルコール、メチルセルロース等の公知の水溶性糊剤によ
り短繊維交絡体中の繊維相互を固着しておくことが好ま
しい。水溶性糊剤の短繊維交絡体への付着量は3〜50%
程度が好ましく、繊維組成、繊度等に応じて決定され
る。
上記短繊維交絡体の空隙部に充填されるポリウレタン
エラストマーは、人工皮革用に用いられているものであ
れば使用できるが、表面平滑性、柔軟性、屈曲性、凝固
速度等を考慮すると高分子量のものが好ましい。ポリウ
レタンエラストマーのポリオール成分としては、ポリテ
トラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール等
のポリエーテルグリコール類、ポリエチレンアジペー
ト、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンブチレンア
ジペート、ポリカプロラクトン等のポリエステル類等が
用いられる。またイソシアネート成分としては、4,4′
−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジ
アミノジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート等が用いられるが、湿式凝
固速度、熱軟化点、湿式成膜性、湿式セル形状、抗張
力、柔軟性の点で4,4′−ジフェニルメタンジイソシア
ネートが特に好ましい。ポリウレタンエラストマーは熱
硬化点が低すぎると乾燥工程で基材の厚み低下を生じた
り、風合の低下(硬質化)を生じやすく、また熱軟化点
が高すぎると後述する加熱体と冷却体とに接触せしめて
狭圧しても平滑面が得られ難いため、用いるポリウレタ
ンエラストマーの熱軟化点は170〜200℃が好ましい。ポ
リウレタンエラストマーはポリエステル成分、イソシア
ネート成分、熱軟化点等の異なるものを2種以上混合し
て用いることもできる。
ポリウレタンエラストマーを溶解するための水混和性
有機溶媒としてはジメチルフォルムアミド、テトラヒド
ロフラン、アセトン、ジオキサン等が挙げられるが、特
にジメチルフォルムアミドが好ましい。ポリウレタンエ
ラストマーの水混和性有機溶媒溶液は、粘度があまり低
いと短繊維交絡体の空隙部に均一に含浸され難く、微多
孔構造を形成しにくい。更に加熱体と冷却体とによって
狭圧した後に緻密な表面層が形成され難いため表面平滑
性に乏しくなるので、20℃において1000CPS以上の粘度
を有することが好ましい。ポリウレタンエラストマー溶
液の濃度は特に限定されないが、10〜25%が好ましく、
特に15〜20%が好ましい。また短繊維交絡体に対するポ
リウレタンエラストマーの含浸量は50〜200%、特に70
〜150%が好ましい。
ポリウレタンエラストマーの水混和性有機溶媒溶液を
空隙部に充填した短繊維交絡体を水性非溶媒中に浸漬し
てポリウレタンエラストマーを凝固させる際の凝固速度
調整、セル径調整のためにポリウレタンエラストマーの
有機溶媒溶液中に界面活性剤、各種油脂、疎水性溶媒を
添加しておくことができ、更に必要に応じて抗酸化剤、
紫外線吸収剤、加水分解防止剤、消泡剤、防かび剤、顔
料等を添加することもできる。上記水性非溶媒とはポリ
ウレタンエラストマーは溶解しないが、前記水混和性有
機溶媒は溶解する水性溶媒であり、水又は水を主成分と
する溶媒が用いられる。
非溶媒中に浸漬してポリウレタンエラストマーを凝固
せしめて得られた不織布は、次いで非溶媒が残存する状
態で一方の面を加熱体に接触せしめ、他方の面を冷却体
に接触せしめるとともに、加熱体と冷却体とによって狭
圧するが、この際の不織布中の非溶媒の残存量は少なす
ぎても、多すぎても充分な平滑性向上効果が得られ難い
ため、不織布の乾燥重量の30〜150%程度が好ましく、
特に50〜120%が好ましい。加熱体、冷却体としては板
状のもの(加熱板や冷却板)、ロール状のもの(加熱ロ
ールや冷却ロール)が用いられるが、通常は加熱ロール
と冷却ロールが用いられる。非溶媒の残存する不織布を
狭圧する際の加熱体の表面温度は短繊維交絡体を構成す
る短繊維の熱軟化点−50℃以上、熱軟化点以下の温度が
好ましく、冷却体の表面温度は室温以下、5℃以上の温
度、特に不織布の温度以下、5℃以上の温度が好まし
い。加熱体と冷却体とで非溶媒の残存する不織布を狭圧
する際の加熱体と冷却体との間のクリアランス(mm)
は、クリアランスの値をCL、不織布の乾燥時の重量(g/
m2)の値をWとしたとき、W/1000CL2W/1000である
ことが好ましい。このように非溶媒が残存している状態
の不織布の一方の面を加熱し、他方の面を冷却しながら
加熱体と冷却体とで狭圧することによって、加熱体と接
触せしめた側は、表面付近の非溶媒が蒸発除去されて緻
密で平滑な表面が形成され、表皮層形成した後に表皮層
の表面がきわめて平滑となり、かつ全体としての柔軟性
を有する天然皮革様の風合の人工皮革が得られるもので
あり、加熱体と接触させた面と反対側の面を冷却体に接
触させないと全体がつぶれて肉薄となって柔軟な風合が
得られず、また一方の面を加熱体に接触させ、他方の面
を冷却体に接触させても、加熱体と冷却体とで狭圧しな
い場合には緻密で平滑な表面が形成されない。また加熱
体と冷却体とで狭圧する際の不織布の温度は、表面から
裏面への密度勾配がより天然皮革様の人工皮革を得るた
めに、室温以下であることが好ましい。
以上のようにして形成された緻密で平滑な表面を有す
る人工皮革基材の平滑面側にはポリウレタンエラストマ
ーよりなる表皮層を形成して人工皮革とするが、このポ
リウレタンエラストマーのポリオール成分としてはポリ
ブチレンアジペート、ポリカプロラクトングリコールが
好ましい。またイソシアネート成分としてはトリレンジ
イソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシア
ネート等の芳香族ジイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族
ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート等が挙げら
れ、これらは単独又は2種以上混合して用いられる。更
に鎖伸長剤としてエチレングリコール、ジエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオ
ペンチルグリコール等の低分子量グリコール、エチレン
ジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン等の脂肪族ジアミン、イソホロンジアミン、4,4′−
ジアミノジシクロヘキシルメタン等の脂環式ジアミンが
単独又は混合して用いられる。表皮層のポリウレタンエ
ラストマーは熱軟化点が90〜150℃程度のものが好まし
く、靴底材を射出した際に確実に溶融されるために胛被
と靴底との接着性が優れたものとなる。また表皮層の厚
さは15μ以上であることが望ましいが、著しく厚くなる
と風合を損なうため50μ以下とすることが好ましい。表
皮層を形成するポリウレタンエラストマーには必要に応
じて顔料、染料等の着色剤を添加することができる。表
皮層は接着により設けられ、接着剤として2液型ポリウ
レタン樹脂やホットメルト型ポリウレタン樹脂等が用い
られる。接着剤層の厚さは15〜100μ程度が好ましく、
著しく厚くなると表皮層の場合同様風合低下をまぬくの
で好ましくない。表皮層は転写法により形成するのが最
も好ましい。
本発明においては上記人工皮革より形成した胛被の底
部に靴底材を射出成型するが、本発明方法では胛被を形
成する人工皮革に用いる不織布の表面側が緻密で平滑な
面となっているために、射出成型に際してサイドモール
ドを胛被下端部におしつけても、サイドモールドと当接
した部分の胛被にへこみを生じる慮れがなく、この結果
射出された靴底材が胛被下端部の被接合部全面に完全に
行きわたり、接合不良部を生じる慮れがない。上記靴底
材としては通常ポリウレタン、ポリ塩化ビニル等が用い
られる。
〔実施例〕
以下実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例1 繊度1.5デニール、繊維長51mmの6−ナイロン短繊維7
0%と、繊維1.2デニール、繊維長63mmの6−ナイロン短
繊維30%とからなる短繊維交絡体(秤量220g/m2)に、
ポリビニルアルコールを固形分換算で短繊維交絡体の重
量に対して7.5%となる量を付着させた後、該短繊維交
絡体を熱硬化点195℃、100%モジュラス60kg/cm2のポリ
ウレタンエラストマーの18.5%ジメチルフォルムアミド
溶液(3500CPS/20℃)中に浸漬して空隙部にポリウレタ
ンエラストマー溶液を含浸せしめ、次いで18℃の水中に
浸漬してポリウレタンエラストマーを凝固せしめ、更に
水で洗浄した後、ニップロールにて含水率が41%になる
ように絞った。この時の厚さは1.6mmであった。次いで
この水を含んだ不織布を、155℃の表面温度を有し、ポ
リテトラフルオロエチレンで表面被覆された熱ロール
と、冷却水により表面温度を17℃に保持した冷却ロール
との間を、両ロール間のクリアランスを0.5mmとして通
過させて加熱ロールと接触した表面側に緻密で平滑な表
面を有する厚さ1.3mmの人工皮革基材を得た。この人工
皮革基材の繊維対ポリウレタンエラストマーの重量比は
100対115であった。
次に天然皮革様の皮絞を有する離型紙(米国ワーレン
社製)上に、ポリカプロラクトングリコール、イソホロ
ンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタン
ジイソシアネート、エチレングリコール、4,4′−ジア
ミノジシクロヘキシルメタンよりなるポリウレタンエラ
ストマー(100%モジュラス65kg/cm2)を25μの厚さで
塗布した後、更にポリエチレンアジペート、エチレング
リコール、トリレンジイソシアネートよりなる2液型ポ
リウレタン樹脂に架橋剤(トリメチロールプロパンとト
リレンジイソシアネートの反応生成物)を併用して40μ
の厚さの接着剤層を形成し、前記人工皮革基材の平滑面
側に転写して表皮層を形成し、天然皮革様の柔軟性を有
する優れた風合の人工皮革を得た。この人工皮革を裁
断、縫製して胛被を製造し、この胛被を靴底射出成型用
金型にセットしてポリ塩化ビニル靴底材を195℃で射出
し、胛被と一体化された靴底を形成したところ、胛被と
靴底とは確実に接合一体化しており、接合不良箇所は存
在しなかった。この人工皮革靴は靴底の接合性が優れ、
3ケ月間着用しても靴底に剥離が生じる等の問題はなか
った。
実施例2 0.5デニール、38mmの6−ナイロン短繊維30%、1.5デ
ニール、51mmの6−ナイロン短繊維40%、20デニール、
51mmのポリエステル短繊維30%よりなる短繊維交絡体
(秤量165g/m2)にポリビニルアルコールを固形分換算
で短繊維交絡体の重量に対して25%となる量付着させた
後、該短繊維交絡体の空隙部に実施例1と同様のポリウ
レタンエラストマー溶液を含浸させ、次いでポリウレタ
ンエラストマーを凝固させた後、ニップロールで絞って
含水率38%、厚さ1.1mmの水を含有する不織布を得た。
次にこの不織布を、実施例1同様の加熱ロールと冷却ロ
ール間を、クリアランス0.35mmとして通過させ、片面に
緻密できわめて平滑な表面を有する厚さ0.6mmの人工皮
革基材を得た。この人工皮革基材の繊維対ポリウレタン
エラストマーの重量比は100対80であった。
次いでこの基材表面に実施例1と同様にして表皮層を
形成して得た人工皮革を裁断、縫製して得た胛被の底部
に実施例1と同様にして靴底材を射出して一体化された
靴底を形成した。この人工皮革靴は胛被と靴底が確実に
接合一体化しており、接合不良箇所は存在しなかった。
この靴は靴底の接合性が優れ、3ケ月間着用しても靴底
が剥離してくる等の問題は生じなかった。
比較例1 実施例2と同様にして得た不織布に漉き加工を施して
平滑面を形成し、この平滑面上にポリウレタンエラスト
マー(100%モジュラス120kg/cm2)よりなるミクロポー
ラス層(250μ厚)を形成した後、実施例1同様にして
表皮層を形成して得た人工皮革より胛被を製造し、この
胛被底部に実施例1と同様にして靴底を射出成型した。
得られた人工皮革靴は胛被と靴底との接合部の周縁に一
部接合不良箇所が存在し、外観不良であったとともに、
3ケ月間着用後に接合不良箇所から靴底が剥離してき
た。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明方法は、胛被を形成しる人
工皮革が、非溶媒を含有する不織布を加熱体と冷却体と
に接触させて狭圧し、加熱体と接触させた側の面を緻密
で平滑面として得た人工皮革基材の平滑面側に表皮層を
形成して得たものであるため、表面側に厚肉のミクロポ
ーラス層を有する従来の人工皮革のように表面の圧縮弾
性変位が大きくなく、このため射出成型時にサイドモー
ルドと当接した部分の胛被にへこみを生じることがな
く、胛被下端部の靴底との被接合部全体に射出された靴
底材が完全に行きわたり、靴底と胛被との接合不良箇所
を生じる慮れがないから、靴底の接合不良による外観不
良や、靴底が接合不良箇所から剥離してくる等の問題を
生じることのない優れた人工皮革靴を提供できる効果を
有する。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】短繊維交絡体の空隙部にポリウレタンエラ
    ストマーの水混和性有機溶媒溶液を含浸せしめた後、水
    性非溶媒中に浸漬してポリウレタンエラストマーを凝固
    せしめて不織布を得、次いで該不織布中に前記非溶媒が
    残存する状態で不織布の片面を加熱体表面に接触させ、
    かつ他面を冷却体表面に接触させるとともに、加熱体と
    冷却体とによって狭圧し、加熱体と接触させた側に緻密
    で平滑な表面を形成した後、該平滑表面側にポリウレタ
    ンエラストマーよりなる表皮層を形成して得られる人工
    皮革より胛被を形成し、次いで該胛被の底部に靴底材を
    射出成型して一体化された靴底を形成することを特徴と
    する人工皮革靴の製造方法。
  2. 【請求項2】短繊維交絡体が6−ナイロンを50%以上含
    有する特許請求の範囲第1項記載の人工皮革靴の製造方
    法。
  3. 【請求項3】短繊維交絡体を構成する短繊維の繊度が0.
    5〜2.0デニールである特許請求の範囲第1項又は第2項
    記載の人工皮革靴の製造方法。
  4. 【請求項4】短繊維交絡体の空隙部に含浸するポリウレ
    タンエラストマーの水混和性有機溶媒溶液の20℃におけ
    る粘度が1000CPS以上である特許請求の範囲第1項〜第
    3項のいずれかに記載の人工皮革靴の製造方法。
  5. 【請求項5】加熱体の表面温度が短繊維の熱軟化点−50
    ℃以上、熱軟化点以下である特許請求の範囲第1項〜第
    4項のいずれかに記載の人工皮革靴の製造方法。
  6. 【請求項6】冷却体の表面温度が室温以下、5℃以上で
    ある特許請求の範囲第1項〜第5項のいずれかに記載の
    人工皮革靴の製造方法。
  7. 【請求項7】加熱体と冷却体とで狭圧する際の不織布中
    の非溶媒の残存量が、不織布の乾燥時の重量に対して30
    %〜150%である特許請求の範囲第1項〜第6項のいず
    れかに記載の人工皮革靴の製造方法。
  8. 【請求項8】非溶媒を含有する不織布を加熱体と冷却体
    とで狭圧する際の加熱体と冷却体との間のクリアランス
    (mm)の値:CLが、不織布の乾燥時の重量(g/m2)の値
    をWとするとき、W/1000CL2W/1000である特許請求
    の範囲第1項〜第7項のいずれかに記載の人工皮革靴の
    製造方法。
  9. 【請求項9】人工皮革における表皮層の厚みが15μ〜50
    μである特許請求の範囲第1項〜第8項のいずれかに記
    載の人工皮革靴の製造方法。
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