JPH085124B2 - 樹脂製ブーツの製造方法 - Google Patents
樹脂製ブーツの製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は、樹脂製ブーツをブロー成形により製造する
方法に関する。
方法に関する。
＜従来の技術＞ ここでは、第２図に示すように、ラツクハウジング21
に嵌着される大径リング部１、出力軸23に嵌着される小
径リング部２、及び両リング部１、２間に形成される蛇
腹部３とからなり、第３図に示すような自動車のステア
リング装置におけるステアリングラツク部位に装着され
る樹脂製ラツクブーツＢを例に取り説明するが、これに
限られるものではなく、他の機械軸継手用ブーツにも適
用できるものである。
に嵌着される大径リング部１、出力軸23に嵌着される小
径リング部２、及び両リング部１、２間に形成される蛇
腹部３とからなり、第３図に示すような自動車のステア
リング装置におけるステアリングラツク部位に装着され
る樹脂製ラツクブーツＢを例に取り説明するが、これに
限られるものではなく、他の機械軸継手用ブーツにも適
用できるものである。
上記のようなラツクブーツは、圧縮・伸長のストロー
クが長い。従つて、ラツクブーツを樹脂材料でブロー成
形しようとした場合、その材料特性（ゴムに比して材料
自体の伸率が格段に小さい。）から、ゴムに比して蛇腹
部の膜長を長く、即ち、山数を多くする必要があり、か
つ、ブーツ伸長時の伸びを少なくする必要がある。
クが長い。従つて、ラツクブーツを樹脂材料でブロー成
形しようとした場合、その材料特性（ゴムに比して材料
自体の伸率が格段に小さい。）から、ゴムに比して蛇腹
部の膜長を長く、即ち、山数を多くする必要があり、か
つ、ブーツ伸長時の伸びを少なくする必要がある。
従つて、樹脂製のラツクブーツは、第４図に示すよう
に、中立取付け状態（自動車直進状態のステアリング位
置）の蛇腹部寸法ｌより長い長さl1に成形しておいて、
中立取付け状態の蛇腹部寸法ｌに圧縮し装着して使用し
ていた。
に、中立取付け状態（自動車直進状態のステアリング位
置）の蛇腹部寸法ｌより長い長さl1に成形しておいて、
中立取付け状態の蛇腹部寸法ｌに圧縮し装着して使用し
ていた。
なお、樹脂製ブーツのブロー成形に関連する技術を記
載した公知刊行物しては、特公昭61−42619号公報等を
挙げることができる。
載した公知刊行物しては、特公昭61−42619号公報等を
挙げることができる。
＜発明が解決しようとする課題＞ 上記の如く、樹脂製のラツクブーツは、ゴム製のもの
に比して、ブーツ全長が長くなる。このことは、ブーツ
１個ずつのの占有空間の増大を招き、保管上または運搬
上の見地から望ましくない。
に比して、ブーツ全長が長くなる。このことは、ブーツ
１個ずつのの占有空間の増大を招き、保管上または運搬
上の見地から望ましくない。
また、中立取付け状態より長い状態から圧縮しながら
実車装着する必要があり、取付け作業性がゴム製ブーツ
に比して良好でない。
実車装着する必要があり、取付け作業性がゴム製ブーツ
に比して良好でない。
また、自由状態からの、最大圧縮状態（ステアリング
各を最大にした状態）までの距離が相対的に大きく、蛇
腹部が横曲がり（座屈）変形し易く、ブーツの作動特性
上望ましくない。
各を最大にした状態）までの距離が相対的に大きく、蛇
腹部が横曲がり（座屈）変形し易く、ブーツの作動特性
上望ましくない。
なお、蛇腹部の山ピツチの短かくすれば、相対的に膜
長を長くでき（即ち、ブーツの圧縮・伸長のストローク
を確保でき）、ブーツ自由長を、即ち、ブーツの製品寸
法を短くできる。しかし、山ピツチを短かく（山頂角を
小さく）すれば、ブロー成形した場合、第５図に示す如
く、山頂部の肉厚が他部に比して薄肉となり、強度上の
見地から望ましくなく、製品化が困難視されていた。
長を長くでき（即ち、ブーツの圧縮・伸長のストローク
を確保でき）、ブーツ自由長を、即ち、ブーツの製品寸
法を短くできる。しかし、山ピツチを短かく（山頂角を
小さく）すれば、ブロー成形した場合、第５図に示す如
く、山頂部の肉厚が他部に比して薄肉となり、強度上の
見地から望ましくなく、製品化が困難視されていた。
山頂部が他部に比して薄肉となる理由は、下記の如く
であると推定される。
であると推定される。
ブロー成形に際して、ブロー開始時、パリソンは、ま
ず、ブロー型の谷部成形部に当つて、冷却され伸びが初
期段階で停止するのに対し、山部は、ブロー型の山部成
形部まで当接するまで伸び続ける。従つて、通常、ブロ
ー成形においては、山部が谷部よりも薄肉に形成され
る。この傾向は、山頂角が小さい（山ピツチが短い；山
径と谷径の差が大きい）程著しい。
ず、ブロー型の谷部成形部に当つて、冷却され伸びが初
期段階で停止するのに対し、山部は、ブロー型の山部成
形部まで当接するまで伸び続ける。従つて、通常、ブロ
ー成形においては、山部が谷部よりも薄肉に形成され
る。この傾向は、山頂角が小さい（山ピツチが短い；山
径と谷径の差が大きい）程著しい。
本発明は、上記にかんがみて、山ピツチの短かいブー
ツを、山頂部の肉厚が他部より薄肉にならない状態で製
造可能な樹脂製ブーツの製造方法を提供することを目的
とする。
ツを、山頂部の肉厚が他部より薄肉にならない状態で製
造可能な樹脂製ブーツの製造方法を提供することを目的
とする。
＜課題を解決するための手段＞ 本発明の樹脂製ブールの製造方法は、上記課題を下記
構成により解決するものである。
構成により解決するものである。
大径リング部、小径リング部、及び両リング部間に形
成される蛇腹部とからなる樹脂製ブーツをブロー成形に
より製造する方法において、最終製品形状における蛇腹
部寸法より長い蛇腹部寸法を有するブロー成形品を得、
該ブロー成形品を、蛇腹部を最終製品形状における蛇腹
部寸法に圧縮した状態で成形材料の熱変形温度雰囲気で
所定時間加熱、続いて後冷却して形状固定する熱加工を
行なつて、樹脂製ブーツを製造する、ことを特徴とす
る。
成される蛇腹部とからなる樹脂製ブーツをブロー成形に
より製造する方法において、最終製品形状における蛇腹
部寸法より長い蛇腹部寸法を有するブロー成形品を得、
該ブロー成形品を、蛇腹部を最終製品形状における蛇腹
部寸法に圧縮した状態で成形材料の熱変形温度雰囲気で
所定時間加熱、続いて後冷却して形状固定する熱加工を
行なつて、樹脂製ブーツを製造する、ことを特徴とす
る。
＜実施例＞ 以下本発明の樹脂製ブールの製造方法の一例を第１図
に基づいて説明する。
に基づいて説明する。
（１）最終製品形状における蛇腹部寸法（通常中立取付
け状態の長さ）ｌより長い蛇腹部寸法l2を有したブロー
成形品Ｍを得る。
け状態の長さ）ｌより長い蛇腹部寸法l2を有したブロー
成形品Ｍを得る。
即ち、ブロー成形した場合、山頂部が他部に比して薄
肉とならない程度の山ピツチで成形する。このときの成
形方法は、ダイレクトブロー、インジエクシヨンブロー
を問わない。また、成形材料としては、ポリエステル
系、ポリオレフイン系等の熱可塑性エラストマー材料を
使用する。
肉とならない程度の山ピツチで成形する。このときの成
形方法は、ダイレクトブロー、インジエクシヨンブロー
を問わない。また、成形材料としては、ポリエステル
系、ポリオレフイン系等の熱可塑性エラストマー材料を
使用する。
（２）次に、治具11を使用して、上記で得た成形品Ｍの
蛇腹部が最終製品形状における蛇腹部寸法ｌとなるよう
な圧縮状態に保持する（第１図Ｂ）。ここで、治具11
は、台板12上に複数本の保持棒13が等間隔で突出され、
各保持棒13の所定高さ位置に係合溝部13aが形成され、
該係合溝部13aに止めリング（例えばボールプランジヤ
機構を具備した）14が係合可能とされたものである。上
記圧縮比l/l2は、通常0.65〜0.85する。
蛇腹部が最終製品形状における蛇腹部寸法ｌとなるよう
な圧縮状態に保持する（第１図Ｂ）。ここで、治具11
は、台板12上に複数本の保持棒13が等間隔で突出され、
各保持棒13の所定高さ位置に係合溝部13aが形成され、
該係合溝部13aに止めリング（例えばボールプランジヤ
機構を具備した）14が係合可能とされたものである。上
記圧縮比l/l2は、通常0.65〜0.85する。
（３）上記蛇腹部を圧縮状態にして治具11に保持された
複数の成形品Ｍを、多段パレツト15にセツトし（第１図
Ｃ）、加熱槽16に格納して、成形材料の熱変形温度に所
定時間保持する（第１図Ｄ）。この熱変形温度保持条件
は、成形材料が、ポリオレフイン系熱可塑性エストマー
の場合、例えば、150℃×10〜15分とする。
複数の成形品Ｍを、多段パレツト15にセツトし（第１図
Ｃ）、加熱槽16に格納して、成形材料の熱変形温度に所
定時間保持する（第１図Ｄ）。この熱変形温度保持条件
は、成形材料が、ポリオレフイン系熱可塑性エストマー
の場合、例えば、150℃×10〜15分とする。
（４）続いて、上記多段パレツト15を加熱槽16から取り
出し、室温で後冷却（例えば、25℃×10〜40分）後（第
１図Ｅ）、治具11から成形品Ｍを取り外す（第１図
Ｆ）。こうして、成形品Ｍを、熱加工により圧縮セツト
状態に形状固定し最終製品形状における蛇腹部寸法ｌを
有したブーツを得る（第１図Ｇ）。
出し、室温で後冷却（例えば、25℃×10〜40分）後（第
１図Ｅ）、治具11から成形品Ｍを取り外す（第１図
Ｆ）。こうして、成形品Ｍを、熱加工により圧縮セツト
状態に形状固定し最終製品形状における蛇腹部寸法ｌを
有したブーツを得る（第１図Ｇ）。
こうして製造した樹脂製ブーツは、その自由状態のま
まで、即ち、圧縮しない状態で中立取付けを行なう。
まで、即ち、圧縮しない状態で中立取付けを行なう。
＜発明の作用・効果＞ 本発明の樹脂製ブーツの製造方法は、上記のように、
最終製品形状における蛇腹部寸法より長い蛇腹部寸法を
有するブロー成形品を得、ブロー成形品を、蛇腹部を最
終製品形状における蛇腹部寸法に圧縮した状態で成形材
料の熱変形温度雰囲気で所定時間加熱、続いて後冷却し
て形状固定する熱加工を行なつて、樹脂製ブーツを製造
することを特徴とする構成により、下記のような作用効
果を奏する。
最終製品形状における蛇腹部寸法より長い蛇腹部寸法を
有するブロー成形品を得、ブロー成形品を、蛇腹部を最
終製品形状における蛇腹部寸法に圧縮した状態で成形材
料の熱変形温度雰囲気で所定時間加熱、続いて後冷却し
て形状固定する熱加工を行なつて、樹脂製ブーツを製造
することを特徴とする構成により、下記のような作用効
果を奏する。
山ピツチが短かい蛇腹部を有する樹脂製ブーツをブロ
ー成形により製造するに際して、山頂部の肉厚が他部と
略同一の状態でブーツを得ることができる。
ー成形により製造するに際して、山頂部の肉厚が他部と
略同一の状態でブーツを得ることができる。
従つて、同一膜長のブーツを相対的に自由長が短か
い状態で得ることができ、一個当りの占有空間が小さく
なり、保管上、運搬上の見地から望ましい。
い状態で得ることができ、一個当りの占有空間が小さく
なり、保管上、運搬上の見地から望ましい。
自由状態の蛇腹部長さと、実車に装着時における蛇腹
部長さが略同一となるため、圧縮状態にしながら取り付
ける必要がなく、取付け作業性が向上する。
部長さが略同一となるため、圧縮状態にしながら取り付
ける必要がなく、取付け作業性が向上する。
自由状態から、最大圧縮状態迄の蛇腹部の距離差が短
かく、実車装着時における横曲がり変形（座屈変形）が
発生し難くなり、ブーツの作動特性が向上する。
かく、実車装着時における横曲がり変形（座屈変形）が
発生し難くなり、ブーツの作動特性が向上する。
第１図は本発明の樹脂製ブーツの製造方法の一例を示す
工程概略図、 第２図は本発明を適用するラツクブーツの一例を示す装
着態様半断面図、 第３図は第２図のブーツの装着部位を示すステアリング
部位を示す概略斜視図、 第４図は従来の製造方法で得たブーツの装着態様説明
図、 第５図は山ピツチの短いブーツを従来の製造方法で製造
した場合の山部の拡大断面図である。 １……大径リング部、 ２……小径リング部、 ３……蛇腹部、 11……治具、 13……保持棒、 16……加熱槽、 Ｂ……ラツクブーツ、 ｌ……中立状態における蛇腹部寸法、（最終製品におけ
る蛇腹部寸法） l2……成形時の蛇腹部寸法。
工程概略図、 第２図は本発明を適用するラツクブーツの一例を示す装
着態様半断面図、 第３図は第２図のブーツの装着部位を示すステアリング
部位を示す概略斜視図、 第４図は従来の製造方法で得たブーツの装着態様説明
図、 第５図は山ピツチの短いブーツを従来の製造方法で製造
した場合の山部の拡大断面図である。 １……大径リング部、 ２……小径リング部、 ３……蛇腹部、 11……治具、 13……保持棒、 16……加熱槽、 Ｂ……ラツクブーツ、 ｌ……中立状態における蛇腹部寸法、（最終製品におけ
る蛇腹部寸法） l2……成形時の蛇腹部寸法。
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 孝昌 愛知県西春日井郡春日村大字落合字長畑１ 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 柴 晴彦 愛知県豊田市トヨタ町１番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 眞鍋 博 愛知県豊田市トヨタ町１番地 トヨタ自動 車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−215163（ＪＰ，Ａ)
Claims (1)
- 【請求項１】大径リング部、小径リング部、及び両リン
グ部間に形成される蛇腹部とからなる樹脂製ブーツをブ
ロー成形により製造する方法において、 最終製品形状における蛇腹部寸法より長い蛇腹部寸法を
有するブロー成形品を得、該ブロー成形品を、蛇腹部を
最終製品形状における蛇腹部寸法に圧縮した状態で成形
材料の熱変形温度雰囲気で所定時間加熱、続いて後冷却
して形状固定する熱加工を行なつて、樹脂製ブーツを製
造する、 ことを特徴とする樹脂製ブーツの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63208939A JPH085124B2 (ja) | 1988-08-23 | 1988-08-23 | 樹脂製ブーツの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63208939A JPH085124B2 (ja) | 1988-08-23 | 1988-08-23 | 樹脂製ブーツの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0257319A JPH0257319A (ja) | 1990-02-27 |
| JPH085124B2 true JPH085124B2 (ja) | 1996-01-24 |
Family
ID=16564635
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63208939A Expired - Fee Related JPH085124B2 (ja) | 1988-08-23 | 1988-08-23 | 樹脂製ブーツの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH085124B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0710570B2 (ja) * | 1989-12-28 | 1995-02-08 | キョーラク株式会社 | カバーブーツの製造方法 |
| JP3088968B2 (ja) * | 1997-04-25 | 2000-09-18 | ファミリー株式会社 | マッサージ機用エアセル及びマッサージ機 |
| DE102016009595A1 (de) * | 2016-08-06 | 2018-02-08 | Kocher-Plastik Maschinenbau Gmbh | Verfahren und Vorrichtung zur weiteren Formgebung und/oder Formstabilisierung von bereits befüllten und dicht verschlossenen Behältern aus Kunststoff |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6252220A (ja) * | 1985-08-31 | 1987-03-06 | Toyoda Gosei Co Ltd | 機械軸継手用ブ−ツ |
-
1988
- 1988-08-23 JP JP63208939A patent/JPH085124B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0257319A (ja) | 1990-02-27 |
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